1日外出録ハンチョウ

ページ名:1日外出録ハンチョウ

登録日:2019/07/03 Wed 23:44:25
更新日:2024/04/19 Fri 10:31:39NEW!
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これは…

地下にいながらもチンチロで大金を稼ぎ…

「1日外出券」を利用しては

外で悠々自適な1日を送る

E班トップ…

大槻班長のとある1日外出の記録である




『1日外出録ハンチョウ』(原作:萩原天晴・漫画:上原求、新井和也・協力:福本伸行)とは、『賭博破戒録カイジ』のスピンオフ漫画。
同作に登場する悪役、大槻を主人公にしたグルメ漫画
中間管理録トネガワ』に続くカイジスピンオフ第二弾。カイジ外伝?知らんな。


週刊ヤングマガジンに隔週連載。既刊17巻。
元々は『トネガワ』の読み切り番外編エピソードとして制作されたが、後に単体のスピンオフ作品として連載開始され現在に至る。
このため『カイジ』の外伝であるだけでなく同じく外伝である『トネガワ』の外伝という側面もあり、『トネガワ』が『ハンチョウ』の話をパロディしたエピソードがあったり、単行本の表紙が『トネガワ』とほぼ同じ構図になっていたりする。
原作担当者が同じというのも背景としてあるのだと思われる。


トネガワハンチョウ
1巻野菜ジュースを片手に決めポーズの利根川焼きイカを片手に決めポーズの大槻
2巻ボーリングの球を構えて怪しく笑う利根川と黒服達ステーキを前に怪しく笑う大槻と沼川と石和
3巻駆け抜ける利根川と兵藤噴きこぼれるに驚く宮本と駆け抜ける大槻
4巻ジェットコースターを楽しむ利根川と兵藤と黒服達同じ構図で映画を鑑賞する大槻たち
5巻右手で印鑑を構える利根川右手の箸でうどんを取り、左手で器にネギをばらまく大槻
6巻冷蔵庫の中の栄養ドリンクに手を伸ばす利根川ファミレス(サイゼリヤ?)で呼び出しベルに手を伸ばす大槻
7巻兵藤にビンタされる利根川宮本にスポーツドリンクの缶を押し当てられる大槻
8巻choo choo trainする利根川と黒服達一列になって花見をする大槻、宮本、沼川、木村、石和
9巻肩に上着を掛け、片手で一日分の野菜のパックを持つ利根川アロハシャツを着て、両手に二つに割ったアイスキャンディーを持つ大槻
10巻歯を見せて満面の笑みの利根川同じ構図でレモンの果肉を啜る大槻

尚、『トネガワ』が10巻で完結したため、『ハンチョウ』11巻以降の表紙はオリジナル(?)となる。



目次


概要

地下で働く大槻他数名が、たまの息抜きとして1日外出券(50万ペリカ)を購入しては地上で遊び歩く、というだけの漫画。
いや、本当にそれだけの話なのである。たまに度肝を抜くようなエピソードもあるけど。


連載初期は露骨に『孤独のグルメ』っぽい話が多かったが、連載が進むにつれてグルメ関係なく単にオッサンたちが年甲斐もなくはしゃぎまくるだけの漫画と化しつつあり(食べ歩き系のエピソードも多いが)、『外出録』というタイトルに反して地下だけで完結する話もそこそこある
キャッチコピーは「理外のグルメ漫画」だったが、現状は前述の通り。グルメ漫画から外れるにつれて怪事件に巻き込まれるエピソードや遊びを主軸にしたエピソードが増えつつある。
15巻に至っては、とうとうスイカを抱えて歩く話とハンバーグの付け合わせの話以外まともなグルメ回が収録されなかった。
なお、意図してのものかは不明だがグルメ、旅行、スポーツなど一通りのレジャーを楽しんでいる一方で、お色気ネタに関しては触れられたことすらなかったりする(恋バナ回ですらプラトニックな悲恋話であり、直接的な描写は皆無)。


本編のパロディ系の台詞が多いのも特徴だが、「カメラを止めるな!」や新型コロナ(劇中では名前はぼかされている。)など時事ネタも頻繁に取り込んでくる。
登場人物の木村の設定(バブル崩壊の時期(1990年〜1991年ごろ)に地下送りにされ25年後に任期満了で釈放)などから少なくとも時代設定は2015年以降であるようだ。
トネガワ内でアニメ化された際は時系列は一応カイジが地下に落ちてくる前(1990年代半ば)とされていた*1が、漫画では結局開き直って現代にされている*2
一応大槻はデレクアンドザドミノスの『いとしのレイラ』を歌うシーンがあったり*3、ゲームの知識がなかったり幼少期の背景描写からカイジ本編の時系列に沿った世代設定がされている模様。
なお、『トネガワ』とは作者は別だが、それぞれの作品のキャラクターがもう片方に登場したり、同じ出来事からから派生したり、コラボがあったりと世界観がリンクしている。あちらと同じく福本作画の再現度も非常に高い。というか言われないとカイジやトネガワと別の作者とは気づかないほど。


また、本編ではサラッとしか触れられなかった食事などの地下労働者の生活の実態も(ギャグ交じりで)紹介されている。
全体的に薄暗かった本編に比べて照明がだいぶ充実しているのが特徴。あと粉塵により肺がやられる設定はどっかいった。その一方で、病棟の担当医は医師では無いただの債務者である、給食担当の気分次第で料理のクオリティがカイジ本編の時以上に劣悪になる、些細な意見だけで懲罰房にいれられるなど、過酷な面が語られないわけではない。


アニメ化もされているが、独立した番組としてではなくアニメ版『トネガワ』をジャックする形でエピソードの数点が厳選されている。
声優が変更された利根川とは異なり、大槻の声はアニメ版『カイジ』同様にチョー氏が担当している*4



登場人物

地下労働者

声・チョー
本作の主人公。カイジ本編では緊迫したシーンなどで開眼する事が多かったが、本作ではほぼ一貫して糸目。初期の頃は原作に忠実な容姿だったが、現在は絵柄の変化に伴いふくよかさと見た目の温和さが増している。
本作では"腹黒いが遊び上手なオッサン"と化している。カイジ本編のような外道な一面を見せるシーンは少ないが、45組の搾取は行っていたりと原作の悪行も見られる*6
本編では触れられなかった過去が色々出てくるが、肝心の「何をやって地下に落ちたのか?」については全く触れられない。
地上にいた頃の職業は明言されていないが、回想で外回りをして名刺を配ってる描写があるので、そこから推察すると営業職のサラリーマンだと思われる。社会人時代は、北千住に住んでいたらしい。
まとめると「ミュージシャン志望だった若者が夢破れて一般企業に就職、紆余曲折を経て大きな負債を抱え、タコ部屋に放り込まれる」
……という半生を送っていることになり、中々に悲哀を感じさせる人物である。


非常にグルメかつ遊び方の「コツ」を知っている遊びの達人。
その一方で、「今日を頑張った者にのみ明日は来る」という本編での信条は健在で、労働に関しては基本的に真面目にやっている。
食べ歩きに関しては事前情報をしっかり仕入れた上で狙いの店一軒に絞るパターンが多いが、豊富な経験により初めての街でも大槻アイなどで「美味い店」を見つける能力が非常に高い。
だが、そんな彼でも名古屋について理解することは放棄した
行く店は個人経営が多いが、チェーン店でもチェーン店なりにしっかり楽しめるタイプ。
ちなみにコンタクトをしている地下で肉体労働してんのにそんなの着けるなよ。


過酷な肉体労働で体が鍛えられているからか、沼川、石和も含めファミレスで朝まで駄弁れたり、(決算会議を兼ねた)カラオケでオールできるタイプ。ユルい大学生のサークルかアンタら。
外出慣れしているおかげか(人差し指ポチポチだが)PCも問題なく使え、小田切のWi-Fiウィーフィー発言に(ワイファイだ馬鹿……!)と内心突っ込んだりしている。


大の漫画好きでカテゴリ問わず色々読むが、好きな漫画家はちばてつや。しかし昨今の売れるからと言って原作と全く関係ないスピンオフを安易に打ち出す風潮には物申したいらしい。
食べ歩きが高じて料理を作るのも趣味であり、一日外出では特製つみれ鍋や本格インドカレー等和洋中問わず自炊することもしばしばある。新型の伝染病の影響により、食堂で自炊をすることになった際には残ったジャガイモニンジンタマネギ、ホールトマト缶、ザワカレー辛口で野菜の旨みを逃さず調理した無水カレーを作り大好評を博した。


労働者たちを搾取の対象としか見ていないのは本編と同じだが、本編でカイジ達に行ったようなあからさまな嫌がらせ行為をすることはなく*7、自分と趣味趣向の合う者には一目置くこともある。また、木村や沼川の弟の大生など自分と利害関係のない人物には割と気を遣う面も見せたりする。
また他班の物販との競争などもあり、地下労働者から搾取するためにかなりの苦労をしているようで、地下労働者を飽きさせないため常にアイデアを考えている。
また、地下の物品販売は大槻たちが1日外出券を使って地上の店から仕入れていることが明確にされている*8。商品の厳選を行うのも大槻たち自身。
つまり(息抜きも兼ねているとはいえ)仕入れだけで最低50万ペリカがかかる。ぶっちゃけ、これだけ手間かけているならあの値段も全然暴利ではないのでは……?*9


作中では後述の小田切の映画事業を利用した物販、柿ピーを主力とした「柿放題(カキホーダイ)」「KP Unlimited(カキピーアンリミテッド)」、兵藤会長の気まぐれで導入されたミキサーを活かしたスムージーセット*10などのビジネスを展開した。ちなみにブルボン製品は人気でトラブルの原因になるため、転売まで起きたアルフォートは取引禁止、その他の製品もどの班がどれを扱うか班長のドラフト会議@代々木公園で決定される。ここでも、各班で争奪戦になったルマンドなどの主力製品勢揃いの「オリジナルアソート」という大槻らしい指名だったが。
チンチロに勝ちすぎたせいで地下チンチロリンの客が減った際には、工事用ヘルメットなどで作ったTENTAI1号による地下プラネタリウムを催し、BGMを併用した巧みな説得で再び多くの客を引き込み新規45組を昨年比1.3倍に増やした。


「ペリカ使いすぎじゃね?」「その金で借金返して地上に出ろよ」としばしば突っ込まれるが、恐らく地上に出て労働者として一生を送るぐらいなら地下でクズたちを搾取していた方が彼の性分に合っているのだろう*11
あと、「ペリカ使いすぎ問題」については休載の告知漫画でセルフツッコミされた(ペリカを使い過ぎたので稼ぐためにしばらく休載、とのこと)。
どう考えてもペリカが足りないように思えるが、本作における45組の具体的な人数は不明とはいえ仮に10人いれば月あたり46万ペリカは安定して巻き上げられるため、これに物販と大槻自身の給料(一般労働者とどの程度違うかは不明)を合わせれば、月一程度のペースで遊び歩くには十分であろうと思われる。沼川と石和の分を考えると怪しいが……。


声・佐藤拓也
大槻の側近の細い方で35歳。大槻の実質親友その1。オールバックにマレットの髪型をしており、うっすらと口髭を生やしている。カイジ本編では大槻の参謀役を担う敵として登場するが、本作では常識人・ツッコミの役割。


宮崎県出身でチキン南蛮が好物。広告代理店に勤務する(後に転職)しっかり者の弟、大生がいる。なお、弟とは現在でも仲が良いようだが実家とは絶縁している。*12
要領は割といい方だが、海で大遊びした後帰りの車で一人だけ憂鬱になっていたり*13、グレードの高いレストランで普段は縁のない手の込んだ料理を味わった後「地下に帰りたくない」と涙ぐんだりする一面も。


前述の通り、メンバーの中では、常識人寄りなので大槻の予想外の(そして大抵正しい)行動や、石和の奇想天外な(そして大体ウザい)行動に突っ込むことが多い。
大槻のサポートとしてよく駆り出されるが、発想が月並みで貧弱という弱点があり、結局大槻に助けてもらう場面が多い。ただ、大槻からは見所があると目をかけられてるようで、物販2号店を任せようという話も出たことがある。
また、つまらないことで意地を張る子供っぽいところもある。


持ち歌は大塚愛の「さくらんぼ」。そのことがバレた時はやたら恥ずかしそうだったが、後にみんなでカラオケに行った際は自発的に歌っているので吹っ切ったようだ。次に来た客が履歴を見てドン引きするくらいには4人で連続して歌っていた
特にハマれる趣味を持っていなかったが、地下にあった本によって一時期発酵食品に凝っていた。


なお一度読み切りスピンオフ『1日個室録ヌマカワ』で主役となっている。*14


声・松岡禎丞
大槻の側近のデカい方で34歳。大槻の実質親友その2。実は沼川より年下。こちらは角刈り。本編では大槻に代わり実力行使を担当する無個性な敵役だったが、本作ではやたらウザい・空気が読めないという個性を与えられて存在感が増すことに。
名字は「いしわ」ではなく「いさわ」と読む。


大ざっぱかつ能天気で子供っぽい性格をしており、空気を読まない行動で大槻たちを困惑させたり苛立たせたりするのが主な役割。
またかなりの子供舌で揚げ物と肉類が大好物なため、大人な食べ物を楽しみたい大槻や沼川とは別の食べ物を食べているシーンが多い*15。ちなみに好きなブルボンのお菓子はエブリバーガー。
その一方で海帰りに爆睡している大槻をうちわで扇いだり、物販2号店を任される事になった沼川に対して僻む事なく純粋に祝福の言葉をかけたりと、なんだかんだで気がいい奴という描写もされている。
大槻同様幕末ファンで、特に坂本龍馬に関しては京都にある墓の前で涙を流す程に入れ込んでいる。また寝入るときに自らが幕末にタイムスリップする妄想をしている*16。実家が海の近くにあったこともあってか、釣りが得意。
アニメでは残念ながら彼のメイン回となる京都回に至るまでの尺が足りず、アニメしか見ていない人には「なんか大槻、沼川と一緒にいる奴」止まりで終わってしまっている。


  • 小田切

声・前野智昭
C班班長。本編ではカイジの代わりに大槻のシゴロ賽を改めた人物。その関係からか、本作では大槻のライバルキャラとして描かれている。大槻とは、張り合いながらも付き合いの良い悪友のような関係である。ちなみに大槻より先輩なのか、大槻はライバルでありながら小田切のことを「さん」付けかつ敬語で接している*17
手堅く物品販売とイカサマチンチロで儲けようとする大槻に対し、「地下での映画上映ビジネス」など突飛な発想で大槻を追い詰める。ただし外出は大槻ほど慣れていない様子。
また「ローマの休日」にちなんでアンと印字されただけのアンパンを「アン王女のヘップパーン」として売り出して儲ける、カレーセンとホッピーをあわせたホッピーセットを売り出すなど、そこそこの商才はあるが、大槻のスムージーに客を奪われて映画館が閑古鳥になるなど*18、詰めの甘さが見受けられる。
少なくとも作中で描写されてる範囲内では、大槻のイカサマ賭博のような、あくどい金儲けはしていない様子。映画の鑑賞料は1万ペリカ(日本円では1000円)なので、値段だけ見れば地上(約1800円)よりも割安。ただし、小型のタブレット端末をスクリーンにして畳に寝転んで鑑賞するので、迫力はないと思われる。映画の入手は、外出時にタブレット端末へダウンロードすることで賄っている。
かなりの映画マニアであり、大槻共々「ネタバレ厳禁派」。そのため地下では互いに相手の知らない作品のネタバレを囁き合うのが日課になっている。
カメラを止めるな!』を大槻と競い合うように鑑賞に行った際は、上映まで間が空いたせいで地上で飛び交うネタバレの弾丸を大槻同様にかわしまくっていた。
彼が『ロッキー』シリーズを上映した際には地下で筋トレブームが巻き起こった。


  • 板井

A班班長。カイジ本編では小田切と同時に登場している。熊本出身でバツ2。
大槻や小田切程に外出はしていないためか現代事情には疎く、フェイスブックの存在や「少年キング」の休刊を知らなかった*19
九州間ヒエラルキーでは熊本を福岡の次点だと思っている。
大槻が地下落ちして数年程の頃はかなり荒れており、地下最強を決める殴り合い大会を開催しようとしたり黒服一式をパクって脱走を企てたりもしたらしく、懲罰房にも何回か入れられたらしい。
甘党で、特にモンブランが大好き。


  • 岩田

B班班長。カイジ本編での登場経緯は板井と同様。大分出身。
板井と同じく、「少年キング」の休刊を知らなかったようなので、少なくとも同じくらいの期間、地下にいるものと思われる。
地下物販の売り上げでは赤字続きだったが、ブルボンドラフト会議でルマンドを指名した前年は一気に黒字化を成し遂げた。そのため再度狙うも、A班との競合の末に逃した。
九州間ヒエラルキーでは大分を長崎の次点、3番手に位置すると思っている。


  • 瀬戸内

カイジ本編には登場しなかったD班班長。
元プロのイラストレーターで、利益を得ることよりも良い物を作ることに重きを置き、人を楽しませることを喜ぶ典型的な創作者型クリエイタータイプの人間。
人付き合いが苦手らしく、長い間登場しなかったのは利益を得る事に興味が無い事も合わせて、大槻達他班の班長達と接点が余りなかったためだと思われる。そのためか毎年大晦日恒例の班長麻雀にも一人だけ参加していない。


幼い頃からノートに書き溜めていたモンスターを用いてオリジナルのトレーディングカードゲームT C G『アングラモンスターズ』通称『グラモン』を創り出した。
そのクオリティは高く、きちんと印刷所に発注している上、1パック3000ペリカという良心的な値段であり、地下の住人からルールを尋ねられると、快く回答するなどのアフターケアも手伝い、カードゲームは一気に地下に普及し、大槻や小田切たちの事業から客を奪うほどとなった。
便乗を企んだ大槻と協力し、第2弾ブースターパックを発売しブームの波を高めるが、ブームになりすぎて就寝時間中の大声でのプレイや物販の支払いをペリカでなくレアカードで済ませようとする者が現れるなど徐々に問題が生じ始め、ついに工事作業中に隠れて対戦をしていた債務者が摘発されたことをきっかけにカードはすべて没収されてしまった*20。カード没収後は、大槻の編集のもと、マンガの賞を取ることを目指している。


人付き合いが苦手(人から質問されると丁寧に答えられる程度のコミュ力はある)、利益に興味がない、大槻の射幸心を煽るような提案に渋る、人に自分の作品が広まることを心から喜べるといった要素から、下記の木村程ではないが何故地下落ちしたのか気になる人物。
利益に興味が無い点から察するに安い仕事ばかり引き受けてしまい生活苦から借金をし、頼りになる友人もいないため返済できないまま……といった所だろうか。
班長になれた理由も割と謎である。


  • やたら舌が合う彼(仮称)

声・小野大輔
債務者の一人。とても無口であり、台詞らしい台詞がほとんどない。
非常に地味な人物で、酒も煙草もギャンブルもやらない「植物の様な男(大槻談)」。ゆえに大槻は彼の事を知らず、また物販もチンチロも利用しないため搾取する事すらできず、当初は全く興味を示さなかった。
しかし大槻と全く同じグルメ感覚を持っており、それ故に丸一日大槻と全く同じルートで全く同じ食事をするという*21
没個性的な見た目に反してかなり舌の肥えた人物でもある。
それを知って以降は大槻も彼を見直し、グルメ仲間として意識するようになった様子。その割に沼川や石和と違ってともに外出に行ったことは無いが。
地下ではE班の近くで作業を行っていたようで、大槻も偶然再会に成功した際には思わず君の名は……と呟いた*22
その後、筋トレ回で再登場。大槻は自分と同じく筋トレに興味が無いと考えたのか、外出に誘おうとしたが、他の労働者同様筋トレにハマリムキムキの体になっていた。


  • 黒木明

E班にやってきた債務者で、沼川の高校時代の同級生。趣味はギャンブル、それも競馬という地下に落ちた経緯がなんとなく想像つきそうな人物。
旧友のよしみということで沼川の懇願により、彼の教育係をするという条件つきで45組に落とされるのは免れる。
しかし山本まさしというもうひとりの共通の友人がいた事により絡んでいたがため、お互いトークのタイプが受け身という事もあって山本の転校後に疎遠になってしまった。
地下で再会した時もどうにも会話が続かずぎこちなく、一時は教育係を代わって貰おうかとも考えたがそうすると45組に落とされる事になるので思いとどまった。
しかし競馬の話になると何時間も語り明かしてしまうほどのめりこんでおり、競馬に興味が無かった沼川もいつしか引き込まれ結果的に山本抜きでもうまくいくようになった。その後沼川と共に、東京観光に繰り出したこともある。


  • 山本まさし

沼川、黒木の旧友。誰とでも仲良くなれる社交的で多趣味な男。転校して以来2人とも全く消息を知らないままになっていた。
ところが沼川が黒木と意気投合して一週間後にまさかの地下落ちを果たしてE班にやってくる
学生時代の強コミュ能力はどこへやら「ガッキーと喋ったことがある」「まあまあだったよ?可愛さ!」などと微妙な事を喋るような人物になってしまっており、沼川・黒木と逆に気が合わなくなってしまった。
どうやら芸能プロダクションで働いていたらしいが、あの性格から債務者に転落している事といい社会人になってから性格が良くない方に傾いてしまったのかもしれない。(単純に二人が芸能関係に興味がなく合わなくなったという点もあるだろうが)
その後彼が沼川や黒木と交流するシーンは見られず、45組に落とされたのかどうかも謎。


  • 相田さとし

『中間管理録トネガワ』で初登場し、負債によって地下送りになったお笑い芸人志望の債務者。兵頭会長が苦手とする「危機感が無い本物のバカ」。
基本的に寒いギャグやつまらないネタばかりだが刺さる人には刺さるようで、大槻や沼川はポカンとしていたのに対し利根川と石和はドツボにはまっていた。
地下でも元気にやっているのかちょくちょく(そして大抵脈絡もなく)登場し、その度に周囲から「誰だっけコイツ」と思われている。


  • 倉本海

地下落ちしてきた俳優。代表作は『友情戦隊ダチレンジャー』のダチレッド/長友仁。
そこまで知名度がある俳優ではないようだが、『友情戦隊ダチレンジャー』のファンからは熱狂的な支持を得ている。
沼川もダチレッドの大ファンで、彼が地下に落ちてきた時は地下労働者の間で『友情戦隊ダチレンジャー』ブームが巻き起こった。
大槻も冷やかしのつもりで1日外出中に全話視聴したところ見事にハマってしまい、「友達という意味の『ダチ』の他に『ピンクがレッドへの恋心を断つ』『ブルーが故郷への未練を断つ』など『断ち』という裏テーマがある」ということまで見抜いた。さらに小田切もハマったためダチレンジャー上映会が無料開催された。
性格は非常に礼儀正しく、C班に配属されたが、わざわざ他班の班長である大槻にも挨拶に来た。他にも、ファンである地下住人から握手や変身ポーズを求められても快く応じるなど、俳優の鏡とも言える好人物。
連帯保証人となった友人の白石准(ダチブルー役の俳優)が借金を返さず逃げたため地下に落ちてきたが、白石が借金を完済したため去っていった。


  • 山木

小田切の側近の一人。C班が地下映画館を始めた初日には、上映後に「オードリーヘップパーン」と称したあんぱんを物販していた。
実は元料理人で、地下落ち前には荻窪のエスニック料理店で働いていた。各班交代で食堂で自炊をする事になった際には、タイ版チキンライス「カオマンガイ」で皆を唸らせた。…が、大槻が出した無水カレーの想定外の味と評判には敵わず敗北宣言おかわりをし、得意料理のガパオライスでのリベンジを誓った。
腕は確かだが、地上にいた頃の自炊は杜撰*23、A班の島田のパスタ(サラダ付)やB班の奥田の天ぷらを自分の料理の前座呼ばわり、順番が後ゆえ碌な食材が残らないのを知った上で大槻の料理に「期待している」と煽る等往年の料理漫画の悪役ムーブ性格の悪さが目立ち、その点はいかにも地下の住人らしいと言える。


  • 島田

A班のメンバー。地下に落ちてくる前は、パスタ作りにハマっていた。自炊の際には地下住人にパスタを振る舞った。


  • 奥田

B班のメンバー。地下に落ちてくる前はスーパーの惣菜を作っていた。自炊の際には天ぷらを作り、やや衣が多かったものの喜ばれた。


  • 古田

数少ない判明しているD班メンバー。子供の頃の夢は料理人で、自炊の際には和風麻婆豆腐を作った。


  • 佐藤

服好きが高じて帝愛に借金を作り地下落ちしたファッション系債務者。
その入れ込みっぷりは尋常でなく、地下送りになってもなお大槻による物販やギャンブルといった誘惑に耐え、高級革靴「オールベン」を買うためだけに外出券費含めた200万ペリカもの大金を貯めるほど。
当然それだけのペリカの流出を大槻が黙って見ている筈もなく、沼川と共になんとか止めようと画策するが……。


  • 井田たかし

債務者ドラフトで登場したクズ三連星その1。
大学を中退しそのままニートとなり、実家暮らしでオンラインカジノ三昧。
やがて親の金もろとも全て溶かしそのまま帝愛ファイナンスで借金……と、経歴から分かる通りクズ中のクズ。
あまりにドクズすぎて45組に堕とし借金を負わせたとしても返済能力を期待できずカモにしづらいため、大槻も選択を見送ろうとしたが……。


  • 東野拓也

クズ三連星その2。
元暴走族の喧嘩自慢で、暴力事件で学校を退学後パチスロにハマり、450万円の借金を作って地下行きに。得意技は後頭部を掴んでの膝蹴り。
地下の住人とはまた違った輩タイプのクズということで大槻達に冷や汗をかかせた。なお、こういったタイプの債務者は大抵格闘技系の帝愛地下施設送りになるらしい。
何気に下の名前が沼川と同じ。当の本人含め、誰もそのことに触れなかったが。


  • 田原歳彦

クズ三連星その3。
元は『中間管理録トネガワ』の登場人物で、帝愛グループに面接に来た就活生(CV:速水奨)。
筆記は満点で面接の受け答えも完璧という凄い人物だったが、あまりに顔が特徴的すぎて会長よりも目立つという理由で落とされた。
その後経緯は定かでないが地下行きとなり、大槻達からも(おそらく顔のせいで)論外と判断されてしまった。優秀なのに…


  • 田沼

地下病棟の担当医として働いている初老の男。カイジ本編でもちらっと出てきた。
実は担当医とは名ばかりな債務者の一人であり、しかも元は医師だったとかでもなく歯科医免許はおろかまともな医療知識すら持たないただの素人。
故に劣悪な環境である病棟に送り込まれた重病人たちにトドメを刺す存在で、まともな治療はおろか検査すらできないので病棟に送り込まれた労働者は8割が帰ってこないという。
大槻によれば虫歯などになれば麻酔も無しにペンチで引っこ抜く荒療治をしかねないとまで言われるほど。


帝愛グループの関係者

  • 宮本一

声・増田俊樹
外出者の監視及び地下エリアの管轄を担当する黒服。北海道出身。大槻の実質親友その3。当初はチンチロで荒稼ぎし、頻繁に地上に出る大槻に疑いの目を向けていたが、大槻の巧みな人心掌握術であっさり陥落。その後は大槻と意気投合し、完全な友人関係に。後に沼川、石和とも友人になっている。一時期年下の彼女がいた。
友人になって以降は、監視という名目で大槻及び一味と遊んだり食事したりしている*24。監視時だけでなく、宮本の非番の時に会っていることも*25
年齢は32歳*26で、大槻とはかなり年齢が離れているが、「黒服と債務者」という互いの立場の差故かあまり年の差を感じさせずに付き合っている。


当初は仕事中の肩の力の抜き方がへたっぴな仕事一筋の堅物だったのだが*27、アンテナショップ巡りで陥落してからは大槻にすら力を抜きすぎと言われるほどに肩の力が抜けた。
風邪を引きかけた大槻を見舞いに行ったり*28名古屋で一緒に旅行したり、一人で30歳の誕生日を迎えるのが寂しいからと沼川や石和含め、三人分の1日外出券の半額(7万5千円)出したりと非常に仲良くやっている。トネガワにも少しだけ登場し、T-Iくんから「少し遊びすぎ」と指摘された。
その一方で、大槻達の監視を除けば、仕事は仕事としてちゃんとやっており、沼川の発酵食品や勤労奨励の一環として与えられた大槻の個室に持ち込むグッズが問題視されたときも「特例として認める」というような形ではなく、キチンと明文化されたルールに則った上で「セーフ」という判断を下すなど、頭は回る。
作中のシーンを見る限り(他の黒服達に敬われている、地下のエリアの一つの管轄を任されているなど)、一見そうは見えないようなコミカルな言動が多いが地下担当の黒服の中でも地位が高いようだ。ちなみに過去は債務取り立ての部署に配属されていたらしいが、その際は初期の堅物っぷりからも分かる通り、恐ろしい存在だったらしい。


なお、「帝愛はブラック」と『トネガワ』で散々言われているが、腐っても大企業であるためかそれなりに給料は良いらしく、宮本自身は30歳にしてはかなり立派な部屋に暮らしている。車(BMWミニ)を購入し、大槻をドライブに誘った事も。


糖質制限ダイエットに手を出しつつ、運動不足という事実からは目を逸らしたり、キャンプに興味を持ちながらも普段使いできるキャンプ用品しか買わなかったりと、ブームに流される意識高い系ミーハーなところが若干ある。


 ○ 宮本ダム
宮本の心象風景に存在する、感情が溢れ出さないよう管理しているダム。放水口はサングラスの下。
大槻によって陥落させられると顔部分が割れ崩壊したが、鉄板などで継ぎ合わせられて修復される。
しかし再び陥落されられた際には、顔部分ごと流出するように崩壊してしまった。


  • 柳内

地下に降臨した飯屋にして救世主メシア
料理が趣味の黒服で、腕前は大槻も絶賛するレベル。*29
地下作業員たちの食事は帝愛側の社員が数人の持ち回りで担当するのだが、給食長に料理好きの柳内が就任したことで大根の葉っぱやカボチャの種などを再利用して料理の数を増やすなど食事の質が向上した。


年末の地下では帝愛側の策略「アメとムチ」の「アメ」としてある程度待遇や束縛が緩和されるが、そば粉を100%使用したやたらクオリティの高い年越し蕎麦に関しては策略抜きで完全に彼のこだわりである。彼自身もグルメと名高い大槻の美味かった*30の言葉に小さくガッツポーズをするなど反応を楽しみにしている様子。


しかし残念なことに配置転換で監視の方に転属になってしまう。今までの彼の功績に対してあの大槻たちも感謝の意を捧げていた。
その後、木村がマンションに引っ越した際には手打ち引っ越しそばを打って宮本に運んでもらうというサプライズを行った。その後も大槻の監視役として、ちょくちょく登場している。時には食事を共にすることも。
』が使える。


  • 牧田慎二

地上に出た地下労働者の監視を担当する黒服。かつては宮本の指導社員を務めていた。
シングルファーザーで、息子2人と共に行っていた国立科学博物館の年間フリーパスを所持する程のヘビーユーザー。
30分たっても同じフロアにいる大槻達に痺れを切らして科博のナビゲーターを買って出る。
その後も監視役で登場するが、世界史専攻だったため大槻や石和の幕末トークにはついていけなかった。一方ゴルフに関しては教え魔おじさんだったりする。宮本同様、仕事中なのに大槻達と飲んでいるシーンも…
結婚には一家言あるようで、木村さんが婚活アプリで出会った女性とのデートに挑む際には酸いも甘いも噛みしめたアドバイスと服飾コーデの協力を自ら申し出、「楽しんで来い」と背中を押した。
息子のうち、長男の俊也は沼川と親しくなり、彼に麻雀を教えられた結果、雀魂で魂天に行くほど麻雀にハマり、次男の弘樹はゲーム(ポケモン)に夢中な一方、屋台のおでんに憧れている。


  • 川井

柳内の後任の地下給食長で元パチプロ。料理の腕に関しては柳内にはるかに及ばないものの、柳内の話では料理の事に関して熱心に聞きに来るなど向上心はあるらしく、労働者の自炊の際には訳あり食材を選ぶことで限られた予算内で大量に食材を仕入れることに成功した。
実は「鬼滅の刃」のファンであり、彼が鬼滅ロスに陥った際にはただでさえ粗末な地下の食事が一層ショボくなり、大槻達が頭を抱える羽目になった*31後に直ぐ、まどマギやシュタゲやクラナド等、別のアニメに再熱した。


  • 菅ゆづる

地上に出た地下労働者の監視を担当する20代の黒服。宮本と牧田の後輩。地下に配属する前は宮本と共に債務者の取り立て部に所属していた。宮本らと異なり大槻ら債務者には威圧的に接するが、そもそも宮本や牧田が本来監視対象かつ立場が下の債務者と打ち解けすぎているため、ある意味では帝愛の黒服らしい人物と言える。
宮本の作り置きのために外出した大槻を監視しており、大槻の態度に対して睨んだり舌打ちする等の不信感を抱いていたが、大槻の作った宮本の作り置きを味見し、宮本の性格が丸くなった理由を理解した。
それと同時に宮本や帝愛の真の恐ろしさを甘く見ない方がいいと警告したその瞬間にノリ良く帰ってきた宮本によってムードがブチ壊しになってしまった
またタイパ(タイムパフォーマンス)を重視しており、映画を倍速で視聴するなど、今どきの若者といった感じだが、自分と価値観の違う大槻らを見下しバカにするなど、すでに債務者ではない木村正一には流石に失礼だが、問題児のような一面もあり*32、単行本16巻のおまけページでは宮本から言葉遣いの荒さを注意された。
実はコスパ(コストパフォーマンス)重視のため実家に住まいで、父と母の初子と姉の4人家族。家では普段と異なり孝行息子であるが、成り行きで大槻と宮本を泊めた際には恥ずかしさから母についキツい態度を取ってしまい、普段の言葉遣いの荒さに加えて家での様子を知らない宮本から叱責されてしまった(母には翌朝謝罪している)*33
ニックネームは「ガースー」。


帝愛グループ会長の兵藤の側近。トップ中のトップの一人である。
なぜかやたらと傍若無人かつ自由気ままな人物になっており、沼川の発酵食品を強奪していった。
しかし沼川にすそを掴まれたときには冷淡な目で見降ろしており、地下の住人を何とも思っていない冷酷さも持っている。
また班長達による地下落ち候補の債務者達の配属希望調査では、実はこれまで一度も労働者側の希望通りになったことがない点を利用した大槻が優秀な人材を確保しようと敢えて最も選びたくない債務者を希望した際には帝愛側の意図に気付いたご褒美として、大槻が調査用紙に記入した通りの債務者をE班に配属させた。
ちなみに本編で初対面だったこととの整合性を取るため、大槻とは顔を合わせていない。


どっちも地下までわざわざ下りてくるような人物ではないため、「その頃地上は……」的に彼らの行動が描かれたり、イメージ映像の中に出て来たりする。
だが、利根川は『トネガワ』側のエピソードで地上に出た大槻とカツ丼屋で遭遇している。互いに相手の顔は知らないため、それぞれ帝愛の幹部と債務者であることには気づいておらず、大槻は利根川に対して盛大な煽りでカツの海へと引きずり込んだ*34



地上の住人

  • 女将

声・きそひろこ
大槻行きつけの居酒屋、「小料理みゆき」の女将。
『中間管理録トネガワ』の特別篇として掲載された読み切り版『1日外出録ハンチョウ』で初登場し、その後連載版にも準レギュラーとして登場するようになった。
醤油を弾いてしまうほど脂の乗った旬のブリに隠し包丁を入れる等の細かい一手間と優しさが入った料理は大槻以外にも評判は高く、宮本もちょくちょく訪れるようになっている。
花見キャンプではSPゲストとして参加し、特製稲荷寿司を振舞った。
往年の名作洋画やポケモン等のサブカルにも以外と詳しい*35。アニメでは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の発音がかなり流暢。


  • 木村正一

元地下労働者。コツコツと四半世紀働き続けてようやく解放された人物。大槻の実質親友その4。何気にあの劣悪な環境の地下で25年も元気に過ごし、自力で抜け出した凄い人物でもある。
一応地下では古新聞などで情報を集めていたものの、感覚がバブル期のまま止まっていたため「うどん屋でセルフサービスの天ぷらを取った大槻に「万引きは駄目だよ!」と大声で叫ぶ」等の常識外れの行動で大槻を困らせた後に、
「Tカードは行いの良い選ばれた人にだけ与えられる特別なカード」「スカイツリーは一度倒れたことがある」などと地上に関する嘘情報を面白半分で吹き込まれる羽目になる。
その後は自分の住む練馬区のアパートに寒波から避難してきた大槻たちを快く迎え入れるなど、地上における友人として時々登場している*36。嘘情報に関しても「大槻君ひどいよ~」程度で済ませている*37。ちなみに大槻より年上であるためか、大槻は敬語で接している。
趣味は洋楽でもっぱら聴くのが専門。レコードも1500枚所持していたが全て借金のカタに取り上げられてしまった。64話にて運転免許を取り直した。
基本的に救いようのないクズの債務者ばかりなカイジ世界において、地上に出てからは真面目に働きながら生活している事といい、良心的な性格をしている事といい何故地下に落ちたのかが気になる人物。
人の良さゆえに知人の連帯保証人となってしまって裏切られたのか、人が良すぎるのが災いして少し庇いようのない騙され方をしたのか、「バブル崩壊まではイケイケだった」ということからその勢いで事業に手を出して失敗してしまったのか……といったところが考えられるだろうか。
その後88話で正社員に昇格。*38家賃補助が出ることになったため、埼玉県新座市のマンションに引っ越している。職場の同僚からマグロの頭などが送られてくる事も。


  • 沼川大生

沼川拓也の弟。名前の読みは「たいせい」。髪を染めており、拓也と同じような薄い口髭を生やしている。
顔は兄そっくりだが、全体的に兄よりもしっかりしている。
兄とは6年以上会っていなかったらしい。そのため、沼川の現状(借金を負って地下にいる事)は知らない。ただ、兄に借金があったこと自体は気づいているが、それは完済したものと思っている(借金があるときは、会ってくれなかったため)。
兄がいる環境で育ったためか、年上との付き合い方がうまく、初対面でも大槻や石和ともすぐに馴染んだ。


賭博破戒録カイジ」本編ではパチンコ「」を抱える裏カジノの店長であり破戒録のラスボスだった青年。
ただし「ハンチョウ」においての彼は「カイジ」の更なるスピンオフ作品上京生活録イチジョウ」出典のフリーター時代の一条(19)時系列的にハンチョウとほぼ同じであろう『トネガワ』の方で普通に裏カジノの店長として登場していた事はつっこんではいけない。
深夜バイトで働いているファミレスに一日外出した大槻一行が訪れた所から特別読み切り「ハンチョウ VS. イチジョウ」がスタートする*39なおVSとあるが、あくまでも店員と客という立場で接するにとどまり、大槻一味が話しているのを一条が聞いていたりするだけで、対決要素は無い。


本編の描写に沿えば、後々(班長の権限を失った)大槻のところに落ちてくる運命だが、今のところは両者共に知る由もない。


大槻の心の中の住人

大槻のイマジナリーフレンド(?)。時々出てきては大槻の行動をコントロールする。


  • 邪神たち

「牛の邪神」、「豚の邪神」、「鳥の邪神」などが存在。肉を食えない期間が一定以上経過すると大槻の中で暴れ出す……らしい。
大槻にひたすら肉を食わせようとするが、ブラジル料理のシュラスコで欲望を越えて食いまくった大槻*40の策略に嵌り爆散……するも、その後やたら禍々しい見た目の「スイーツの邪神」が現れたため、邪神との戦いは継続することになった。なおスイーツの邪神はケーキビュッフェが食べられなかったので大槻共々落胆していた
更に上記以外にもう一柱、激辛の欲を司る「激辛の邪神」も存在。
大槻の心の奥底に封印されていたものをイギリス大槻が誤って解放してしまい、10年ぶりに暴れ出した……のだが、邪神の癖に食事前に牛乳で胃をコーティングすることを勧めたり、辛さの調節ができるか心配したりと妙に及び腰。その訳は……。


  • 脳内国際会議

大槻が食事のネタに迷ったときに、唐突に大槻の脳内で開催される(大槻本人は無意識らしい)。
無意識の大槻(本体)が座長として大槻長を名乗り、各国代表の大槻がそれぞれに意見(というか自国料理のアピール)を出し合い、食べるものを決める会議。
世界各国の衣装を着た大槻が会議場にひしめく姿はシュール極まりなく、誠に腹筋に悪い。

採用回数は初登場時のもの。

  • 日本大槻

採用数:228回
安定感抜群・選定回数ナンバーワンを誇る。


  • 中国大槻

採用数:121回
大槻の大好物・レバニラを擁するナンバー2。
また中国は半年に一度、広東大槻や四川大槻など多数の大槻に分裂する大中華喰台祭が開催されるとのこと。


  • アメリカ大槻

採用数:18回
ハンバーガーしか提案しない(恐らく大槻自身がアメリカ料理=ハンバーガーとしか認識していないと思われる)が時に冒険心溢れ、自分に自身が持てずにいたりぼん大槻を励ましたりと男気も持ち合わせている。


  • イギリス大槻

採用数:0回
フィッシュアンドチップスしか主張しない。
しかし同じく1品しか主張しないながらも採用実績のあるアメリカ大槻と異なり一度も採用されたことがないため、ブルガリア大槻加入に伴う定員オーバーによりメンバーから外され、その後もコンビニ大槻の大群に真っ先に襲われボコボコにされるなど何かと不遇。


  • ブルガリア大槻

採用数:1回
登場当初は国が不明だったためか幼少期の大槻の姿をしており、服装もラフだったが、2度目の登場時からはブルガリアの民族衣装を着ていた。


大槻が衝動的にコンビニでドカ食いしたくなった時に乱入して会議を荒らし尽くし、その際現実世界では大槻が衝動的にコンビニ商品を買い漁る。
ドカ食いを終えると脳内ではコンビニ大槻達は昇天していく。


  • 女子大槻(りぼん大槻)

採用数:1回
幼い頃にいとこの家で少女漫画を読んでいた大槻の女子の心が具現化したOL風の存在。
当初は控えめだったがアメリカ大槻に背中を押され、リコッタパンケーキを提案して……。


  • その他の大槻

上記の他にもイタリア大槻(採用数:56回)、韓国大槻(採用数:14回)、ブラジル大槻(採用数:4回)、フランス大槻、トルコ大槻、ロシア大槻、デンマーク大槻などがいる。

詳細はこちらも参照。

分裂大槻達料理ジャンル・分類
広東大槻四本脚の食材系
北京大槻シンプルかつ豪快な北京ダック
四川大槻激辛系
上海大槻海鮮系
台湾大槻八角(スパイス)を用いた料理
最近の単行本及び電子書籍において薬膳大槻に変更されている
飲茶大槻色々とつまめる料理
江蘇大槻江蘇料理
また江蘇料理は4つに分類できるため、除海・蘇錫・淮陽・南京料理の江蘇大槻4連星に分裂する
福建大槻素朴な味の料理
湖南大槻激辛系
浙江大槻東坡肉
湖北大槻4人衆襄鄖菜(北西部)・漢沔菜(中央部)・鄂州菜(東南部)・荊南菜(西南部)の4種類
江西大槻3兄弟鄱陽湖・南昌・贛南の3種類
王将大槻餃子の王将

  • 大槻孝則

大槻が寝入るときに行っている妄想で、彼の子供という設定。はじめは6歳の無邪気な少年だったが、後に15歳の反抗期となり、その後は第1志望であるA社に内定、大槻を内定祝いに飲みに連れて行った。


なおイマジナリー子育ては子育てにおけるイベント(七五三、卒業式、成人式など)を断片的に行うため、20日程度で自立(=イマジナリー子育て終了)しており、その度に新しい子供を育て直している。その結果大槻のイマジナリーファミリーはかなり多い*41





追記・修正はペリカを使い果たさない範囲で1日外出を楽しめる方がお願いします。


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*1 トネガワのエピソード「過払い」での言及
*2 前述の木村の設定やPS2(のパロディゲーム機)が「15年前のゲーム機」である事などから2010年代以降でないとおかしい描写が多い。パロディだから現実とは異なると言われたらそれまでだが。
*3 バンドの活動時期は1970~71年なので2015年前後に40代後半ならば世代とは言えない。一応、有名な曲なので世代でなくとも知っていた可能性もあるが。
*4 沼川・石和は声優が変更されている
*5 アニメのスタッフロールより。実写映画版での設定と同じ。
*6 456賽を制作、使用しているかは不明。とはいえ地下チンチロでシゴロを出しているシーンはいくつか見られる。
*7 嫌がらせについてはカイジが反抗を企てていたこともあるため、基本的に自分達に逆らうようなことをしなければ嫌がらせ等は行わない模様。
*8 実はカイジ本編でも「物販の儲けの一部は原価になる」ことはカイジの予想という形ではあるが、触れられている。
*9 さらに言えば、カイジ本編の描写から物販の儲けの半分は帝愛に行くことも分かっている。
*10 後に会長の気まぐれで没収。
*11 一見商才があるように見えるが、彼のやり口は法による規制が一切なく、さらにライバルの数も少ない地下だからこそ成り立つ非合法スレスレ……というか、地上なら完全にアウトな商売ばかりである。同じやり方で地上でも稼げるかというと疑問符がつくだろう。
*12 「自分の借金で親に迷惑をかけないようワザと喧嘩して絶縁したのでは」と弟は察している。
*13 大槻は地下に戻った後の物販を考え、沼川同様車に乗る前に青ざめていた石和は何事もなかったように爆睡していた
*14 この時債務者からも「あったなそんなの!」と言われるくらい一日個室権は影が薄い模様。
*15 大槻達が信州そばを食べている中、一人かつ丼を頼むなど
*16 その際坂本龍馬に(恐らく)暗殺のことを伝えようとするが、妄想でありながら龍馬からは「誰?」程度にしか思われていない。
*17 小田切の方は呼び捨てかつタメ口。
*18 しかもそのときの上映作品は地下の住人には需要が低そうな韓流ドラマ。
*19 『少年キング』の休刊は1988年。日本でFacebookがメジャーになったのが2010年代前半なので、単純計算で少なくとも20年以上は地下にいる計算になる
*20 没収されたカードは黒服の子供経由で子供たちの手に渡っている。
*21 ただし、最後に頼んだネギ多めのネギトロ丼に豆板醤とうずらの生卵を載せて食べており、それを知らずに横で見ていた大槻も真似して食べた結果、あまりの美味しさに驚いた
*22 アニメではそのシーンで例のポスターぽい背景になり、前前前世ぽいBGMが流れるとさらに演出が強化されている
*23 具も入れない即席麺を器に盛らず鍋から食べていた
*24 中盤くらいまでは監視に徹したり、初めは監視で後に同行というパターンもあったが、最近は基本的に常に同行している。
*25 恐らくスーツの時は仕事、私服(サングラスは着用)の時は非番。
*26 登場当初は29歳で、大槻達と出会ってから3年という事が分かる。
*27 宮本ダムの描写を考えるに、元々遊び好きだったが、地位が高まるにつれて理性で抑え込んでいたと思われる。
*28 ただしアニメではその後風邪が移って寝込んだ
*29 それも宮本や牧田に対してのようなあくまでも立場的に、ではなく心底からの敬意を持って「さん」付けする程。
*30 カレー回で「仮に地下カレーが美味かったとしても地下のまずい空気で食ったら台無し」と評する大槻が、「(地下のメニューで)これだけは別!」とまで評するため相当の模様
*31 なお、鬼滅ロスが原作が完結したことによるものなのか、あるいは映画を見終わったことによるものなのかは不明。煉獄の名前を呼んでいたので後者だと思われるが、そうするとアニメ続編の制作が決定しているのになぜ鬼滅自体のロスになるのかという疑問が残る。また原作では煉獄と炭治郎の名前を叫んでいたが、単行本では煉獄の名前のみを叫んでいる。
*32 前述の通り黒服>債務者という立場であるため見下すのはおかしくはない。とはいえ馬鹿にするのはやり過ぎだが。
*33 そもそも二人を泊める事になったのは宮本が自宅の鍵を出張先のホテルに忘れたことが原因のため、そんな状況下で説教を始めた宮本に大槻は若干呆れていた。
*34 ちなみにカイジ本編で大槻は「帝愛の大幹部(利根川)を倒したらしいじゃないか」と言っている。自身もその大幹部を相討ちに引き込めたのだが。
*35 黒服・牧田の息子のゲーム画面を見て「6Vメタモン」と反応・理解している
*36 というよりも地下にいた頃から、大槻達との仲は良好な模様
*37 しかもその件は一度アパートに迎え入れた後に思い出している。
*38 21話時点での職場は交通整理だが、継続しているのか転職したのかは不明
*39 単行本12巻収録。なお最後のページのナレーション曰くファーストコンタクトらしく、今後再び出会う可能性が示唆されている
*40 ちなみにこの時29(ニク)と書かれたTシャツを着用
*41 人間に限らず犬や馬もいる。

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