数多に存在する世界の一つで、バースセイバーに登場するダーザインからは「”宇宙開拓世界”スペース・フロンティア」と呼称されている。世界相は【T+/M+】に該当。ダーザインとの邂逅及び協力協定の締結は正式な形で大々的に公表されており、その際に自世界を「”宇宙開拓世界”スペース・フロンティア」として定義している。
使用している暦の名称は「SF(スペース・フロンティア)歴」で、後述の惑星「セントラル」が外宇宙に進出、宇宙開拓を開始した年をSF歴1年としている。現在確認できるSF歴は6084年。
住まう人類は多種多様(基本的に様々な世界で確認できる種族は大体網羅されている。また、高性能なAI搭載などの要因によって生物に匹敵する「自我」を持っている場合に限るものの、アンドロイドなど非生物の人型機械も一個の人間として扱われている)だが、大きな特徴として例外なく「VS能力」を有している事が挙げられる。ただし、その大半は「世界側からの干渉に抵抗出来てどの世界でも自己の存在を確立できる」程度(バースシールド特化)で、極一部以外はダーザイン所属のバースセイバー達のような働きは出来ない。
惑星「セントラル」を中心に名称通り宇宙を「開拓」した事で、SF歴2200年にはセントラルを中心にした「統合政府」によって統一され、世界のほぼ全ての惑星が統合政府の傘下あるいは監視下に置かれている(統一が果たされるまでは各星々で殲滅戦を行うがごとき様相を呈していた)。
統治方法はかつては「民意によって選ばれる大統領制」であったが、為政者側からの賄賂や恐喝によって「民意」が捻じ曲げられていた事を知った一部の軍人達によるクーデターがSF歴3035年頃に発生。このクーデターによりクーデターの首謀者が大統領の座に座り(表向きは大統領の座を譲渡という形になっている)、以降は「大統領と側近達による独裁制」に変更されている。ただし、各惑星に対しては基本的な政治方針を伝達するだけで過度な干渉は基本的にせず、ある程度の自治権は認められている。
大統領とその側近達は「ナノマシン技術」によって事実上不老不死の存在であり、民衆の窮地(災害による被害など)の際には援助を行い、民衆を虐げる存在は即粛正するなど「私情を捨て民衆へ尽くす『ノブレス・オブリージュ』の理念を体現する存在」である為、よく治める為の法による拘束や監視の目はあるもののそういった姿勢を民衆は高く評価しており、政情的には非常に安定している(ただし、現在は根絶させたものの変更直後から500年程度は追いやられた旧為政者側の人間とその子孫による反発があり、それによって大統領らを狙った事件が頻発していた為、不安定な時期もあった)。
文明レベル
「世界の果てから果てまで航行できる『宇宙航行技術』」は元より、「(時間さえあれば)細胞が一欠片でもあれば再生可能、その気になれば自身で意図的に身体情報を書き換え別人にもなれる『ナノマシン技術』」、「現実世界と全く変わらない『電脳世界』(電脳世界内では『現実世界の人体の損傷や欠損』『死亡する』といった事はないが、電脳世界で受けた傷などの影響は痛覚などを通じて現実世界の身体に『筋肉痛』『痛み』などの形で実際にそうなったレベルの強さで反映される為、現実世界の人体は損傷しない、死ぬ事はない電脳世界と言えど無茶な行動はとりづらい)」、「他の次元・世界に移動できる『次元・世界移動技術』」を保有しているなど文明レベルは非常に高く、後述の「次元冒険家」からもたらされる他の次元・世界の技術なども自世界に適応した形での確立できるよう積極的に研究するなど向上心も非常に高い。
次元冒険家
その名の通り「別次元・世界を冒険」する職業。この世界では他の次元・世界を移動する技術が確立されているが、それだけでは行き先の指定が出来ない為、まずは自分の世界と相手の世界を結ぶルートを開拓する必要があり、その役を担う。ダーザインで言う所の「《路》を把握する」作業。
統合政府にある1つの部署として存在している為、政府から給金をもらえる他、別世界で得られた技術、物質、経験談などを後述のインダストリーに提供する事で、その報酬として金銭を受け取る事もある。
仕事の特性によるものか、個人差はあるものの次元冒険家は全員バースセイバーとしてある程度は活動できる高さのVS能力を有しており、ダーザインと統合政府からの要請によって本業の傍らバースセイバーとして活動する次元冒険家も存在する。
インダストリー
この世界において一定範囲内に1つの割合で建設されている「研究所兼工場」。一つのインダストリーの規模はおおよそ一つの惑星程度。あらゆる分野を研究し、あらゆる工業製品を生産している為、その道を志す人間は例外なくインダストリーで働いている。設立は統合政府が現体制に移行した年であるSF歴3035年。
次元冒険家によってもたらされた異世界の技術の解析も行っており、それらの技術と自分達の世界の技術を融合・使用するための研究も行われていたが、技術融合をさせた際に想定外の挙動が起こり、それが小規模ながら機械達による反乱のような物に発展してしまった事があった。その為、現在は融合はせずに異世界の技術単独で使用あるいは自世界に適応した形にカスタマイズする(どちらかというと「再現」という表現が近い)という研究へとシフトしている。
インダストリーの裏の顔として世界の全ての技術の管理(必要であれば技術封印も行う。上述の融合技術は全て封印された)、反乱分子の監視(必要であれば統合政府に要請して早期鎮圧)などがある。
魔砲
高価ながら量産、販売されている武器の一種で、意思(厳密には超高性能なAIだが、魔砲自身、製作者双方とも「自我を持っている」「意思を持たせている」としている為、AIと表現するされるのは否定的)を持つ重火器。
魔砲にかかる重力の反対方向に力を発生させ重量を低減させる「反重力装置」を内蔵、「ナノマシン処理によるメンテフリー」、魔砲が調整、修正する事で「口径さえ合っていれば弾の材質、形状を問わずに射撃する事が可能」など、運用面に関して易しい仕様が特徴的だが、それ以上に特徴的なのは「(使い手との)同調システム」となっている。
「同調システム」は文字通り魔砲が使い手と同調し、使い手と一体化するというシステムで、使い手と一体化する事で並の重火器の性能を越えた性能を叩きだすが、同調が上手くいかない場合はその性能は大きく減少するという一長一短なシステムとなっている。
しかし「意思」を持っているという点とこの「同調システム」によって、魔砲は使い手にとって単なる兵器ではなく「相棒」と呼べる存在へと昇華されており、それが人気を呼び「高価ながら量産、販売されている」大きな理由となっている。
当初は製作に必要な部品の都合で大型の銃器のみであったが、技術革新によって部品の小型化が進み、後述の3世代頃からはハンドガンサイズの銃器や剣、槍と言った古来からの武器も「魔砲化」が可能になった。なお、魔砲化した剣や槍などは製作者や購入者によって様々な世界の伝説の武器にあやかった名称が付けられる事が多い(例:「エクスカリバー」、「グングニル」など)。
魔砲には世代という物が存在し、1世代では「上記の魔砲の根幹をなす機能」、2世代で「複数のモードを選択・使用できる機能」、3世代で「本体の縮小機能(最小でキーホルダーサイズにまで縮小可能)」、現在最新の4世代で「持ち主の気(魔力、霊力といった特殊なエネルギー)を用いて人体を形成する事で人型になれる機能(見た目は外見データを登録する事で自由に設定できる)」がそれぞれ付与されている。なお、4世代からは追加された機能により、世間的に単なる兵器・武器としてではなく、一個の人間として扱われるようになっている(認められたのはアンドロイドのような人型機械よりも大分遅い)。
魔砲の解体は魔砲のAIとナノマシン両方をほぼ同時に機能停止させなければならない(AIのみだとナノマシンがAIの機能を回復させようとし、ナノマシンのみだとAIが「生き残るために」ナノマシンの機能を回復させようとする)為、通常の兵器の解体よりも手間がかかる。