超巨大総合動物園 ジャパリパーク。
僕たちヒトが思い上がり、排斥し続けた動物たちと"対話"が出来る唯一無二の、獣の理想郷。
動物たちから、大自然の方から、僕たち人間にに歩み寄った結果のユートピア。
そして、今や人の手の届かない隔絶された楽園。
21世紀も、最早半世紀も経とうという時代に人類はこのパークからあっさりと転げ落ちた。
"女王襲撃事件"から再び現れ、パークの最盛期を終わらせたものたち。
ヒトは、奴らに対抗する術を得る事が出来ずに、パークを、ジャパリ群島を手放す事となった。
ヒトを楽園から追い出すかの様に現れた特異な生物たち。その名を記す度に、現実という概念の価値の軽さを思い知らされる。
「輝き」を食らうもの。
ヒトの培った英知を容易く無に帰すもの。
セルリアン。
それが、僕たちから奇跡を奪ったものたちの名だ。
これは、そんな奴らと出会い、生き延びたヒトたちの言葉を記した覚え書きである。
これを読むものが果たして居るのか、それはわからない。
だが、セルリアンと対面したヒトの中にも勇敢に困難に立ち向かい、誰かの為に命をなげうった、心の精強な者たちが居た事を僕は伝えたい。
そして、彼らにも多くの過去があり、信念があり、嘆きがあった事を。
僕に出来る事は、そんな彼らが残す生きた証を伝える事だけだ。
それが数多の同胞を捨て、大切な存在を選んだ僕に出来る唯一の役目だと信じる。
20██年 Y. M.
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