インタビュー対象: 斎賀青利 斎条財閥当主秘書
あぁ、あの例の異変?ウチは別にどうでもエエと思っとるで?もう終わった事やしな。 ……興奮しなかったのかって?セルリアンの情報が暴露されたとき?…そりゃするやろキミ。考えても見な、既存の動物とも異なる性質、肉体を持った"異生物"、構成する物質も全く違う、無機物が殆どを占める異生物、セルリアン。そんな情報が回ったあの時のF.Factoryはな、情報の洪水で社内全部が大慌てしとったんや。生きているうちに従来の生物とまるで違う奴ら、恐らくウチらの一歩先を行った存在を目の当たりにして眠れると思うか?きっと宝くじを1000回当てたってあの時のウチらの喜びには到底届かんやろな。 そんな、一つ次元の違う存在が人間に打ち勝っただけやで。 自分らだけズルをして無敵モードな天使の群れがありんこを蹴散らした…そう例えられるくらい一方的だったって聞いとる。
…でも、もし、もしもの話なんやけどな。 あのまま、国連が勝ってたらどうなっていたんやろな。ジャパリグループも消えた今、誰があの島を管理するつもりやったんかな。……これ言ったらまためんどくさいレッテル貼られそうやな。 まあエエか。 国連は、"大多数の人間"はあの島をセルリアンから解放して何するつもりだったのか。そんな事は分かりきった事。奇跡の物質、ミラクルマターを普通の人間が放置するわけが無い。セルリアンが駆除出来る方法が確立されてしまっていたら、直ぐにも奴らはあの島を作り変えるはずや。 キョウシュウのサンドスター火山もアニマルガールもただのサンドスター補給源と成り果てる。いつしかはあちらこちらもむっさい施設が島を占有して、奇跡は利用されるだけの都合のいいモノになってしまうやろな。そうして、あの島の絶妙なバランスが崩れてしまう。 それは、未来のガキに誇って胸を張って言えるような結末になるんかな? 死であり、世界の破壊者たる人間が無残に敗北した事は必ずしもマイナスな面ばかりやないと思うんや。 ウチが思うに、セルリアンとアニマルガールの関係は一種の"生態系"やと考えている。セルリアンがアニマルガールを食って、輝きを得て、食われたアニマルガールはけものに戻り、新たなアニマルガールが生まれる可能性を残す。何処に有益性があるかは分からない。でもな、それがあの島だけの生態系なんや。…昔生物学かじってた女が言うんだから間違いないで? まあそんな心配も杞憂に終わって、いまジャパリ島は触らぬ神に祟りなし状態で放置されてる。それでエエんや。あの島が新資源回収の地に変わってしまうよりは大分マシや。 ジャパリ島から破壊者を蹴散らしたセルリアンどもが、これから先の10年、100年、1000年、10000年を、フレンズたちと、あの島の自然と一緒に、ずっと暮らしていってくれるってんなら……ウチは… …ウチは、そっちのがエエわ。
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インタビュー対象: エドガー・A・オールディス 合衆国海兵隊第9上陸部隊 上等兵(当時)
何度奴らによって武器が、兵士が喰われたか分からない。銃弾や、戦車、落とされた爆弾でさえ、奴らの昼飯にされちまった。 確かに攻撃で何匹かやっつけられた奴もいたさ。それでも俺たちは負けたんだよ。 俺たちは奴らセルリアンの強さを3桁か4桁、見誤っちまったんじゃないか?大量のセルリアン、無機物を食らう大量のバケモノの前には、屈強な兵士も、ミサイルも、A-10だってありんこ同然だった。 何匹かアニマルガールも、勇敢な奴らは戦ってくれちゃいたさ、あんな、爆撃で森を焼き払った後だってのに。 でも、みんな、無機物の濁流の前にはどうすることも出来ずに、逃げ惑うしかなかった。 堪忍袋の緒がキレた鬼とモモタローの喧嘩に、犬とキジとサルが助太刀をして…それで何が変わるんだよ。 結局あの攻撃は失敗に終わった。俺たちは奴らに追い出されて、未来永劫あの島に戻ることは出来なくなった。…バカな人間どもがヒーロー面して、アニマルガールが居るはずの森を、爆弾でセルリアンごと吹っ飛ばして、無様に敗北して帰ってきただけなんだ。こんなの、妹に胸を張って言えるかよ。 あんなにジャパリパークが大好きだって言ってたのに。絶対オヤジとにいちゃんで取り返してやるって約束したのに。 あの日、人類はあの島を、セルリアン共に"取り返された"んだ。
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インタビュー対象: イエネコ(オリエンタルショートヘア)
私はあいつらと何回も戦った。蛇みたいなやつのエラを切り裂いてやったことも、パン焼くあれみたいなやつを蹴っ飛ばしてツノを持ったサルにぶつけて気を引かせたこともあったっけ。なんで生きてるんだって? 友達…いや、仲間のみんなと戦ってたからよ。一緒に戦ってくれる子を信じて入ればなんて事はないわ。それくらいできないようじゃ、あんな事があったジャパリパークで生き残るなんて無理なハナシ。 …まあ、もう私以外、あの時のみんなは居ないんだけど。 …あっ、そんな顔しないでよ、私までまた悲しくなっちゃう。 …仕方ないわよ、運のツキには尽きが必ずあるんだもの。私たちは別にあなたたちヒトに怒ってなんかいないわ。 だって、あなたたちが居なかったら私、セルリアンの群れのごはんになっちゃっていた筈よ?それに比べたら、あの時ヒトと一緒に戦うことなんて大したことなかった…死にかけることは何回かあったけど。 それでも、今まで散々調子乗ってくれたドローンとかツノセルとかジャンピングスーモに仕返ししてやれたもの、不満は無いわ。 あなたたちヒトは、私たちにチャンスをくれたから。 戦って生存競争に勝ち抜くチャンスを。 私はそれを掴んだ、それだけの話よ。 …だから今、こうしてあんたにも昔話ができるのよ。 …見てくれる?ええ、この子たち。今の新しいフレンズの皆を写真に撮ったの。これを見たらみんな凄い凄いって大騒ぎしてたわ。 みんなが知らないことを教えられるから楽しいわよ、今の生活も。 あの時ヒトに拾われて、一緒に戦ってくれ…なんて言われて戦ったけど、みんなが居たから結果的にこうやって生き延びたの。みんなと、新しい友達と一緒に、昔と変わらない感じでお話ができるのよ。 一体どこにあんたたちを怒る理由があるっていう訳?
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インタビュー対象: メキシコオオカミ(ロボ)
…今漸く静かに暮らしてる所なんだ。 帰ってくれるか。 お前も、アイツと静かに暮らせ。 達者でな。
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インタビュー対象: ユーリヤ・アントノーヴァ・ニコリスカヤ 元ジャパリパーク医務局獣医
あの無責任な動物愛護ブームでジャパリパークに集められた動物たちのうち、今生きてるのは何匹くらいなんだろうね。 こんな絶海の孤島に連れてこられて、あるいは生まれてきて、あるいはヒトにされて、セルリアンの、あるいはヒトの脅威に晒されるしか無かったあの子達は、何のために生まれてきたんだろうね?生まれなかった方が良かったのかな? いや、みんな誰もが考えていたはず、果たしてこれは動物たちにとって幸せな事なのかって。なら、どうしてジャパリパークなんて物が出来上がったのか気になると思わないかな? もしかして単に耳を塞いでいただけなのかも、「環境が悪化しつつある中、台頭した新たなる希望の島」…なんて言って、みんなみんな綺麗事を被って閉じこもってたのかもね。ジャパリパーク出来たとき結構浮かれてたからね、みんな。 あたしの推測だよ?すいそく。
ジャパリパークの偉い人も、オーティマばあさんも、本当は悩んでいたはず。 本当は悩んでいたはず、こんなことで解決するのかって。 島ひとつに動物詰め込んだって根本的な解決にはならない、人類の罪が軽くなる訳でもないって。
…だからこそ、あんなに楽しいパークにしたかったのかも? あんなお金なんて考えてないような、サービスと思い出の塊。よっぽど子供っぽくなかったら出来ないよ。 …だからこそ、あたしも少し気楽な生活が出来たわけなんだけどね。 だからこそ、あたしもジャパリパークの面白そうな秘密を知れたんだけど。 思えばそんなに悪い生活じゃなかったよ。 子猫のあたしが、「お医者さんのユーリヤ」さんとして働いていたあの時代は。
…ねえ、キミ、このジャパリパークでフレンズは…「友達」は出来たの? どんな子なの?まだ生きてる? そっか。 …そっか。
良かった良かった、幸せそうで。 本当に良かったよ。…大事にしてあげてね。 必ず、守るんだよ。
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