ビランキ(ウルトラシリーズ)

ページ名:ビランキ_ウルトラシリーズ_

登録日:2022/01/12 Wed 22:21:25
更新日:2024/06/17 Mon 13:24:46NEW!
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「どこへ行くの、私の王子様…」



ビランキとは、ウルトラシリーズに登場するキャラクターである。別名は「夢幻怪姫」。
2021年時点で映像作品への登場はなく、主に超全集収録の小説など、書籍媒体での出番のみとなっている。


演:黒木ひかり(ジャグラス ジャグラークロニクル写真集*1



概要・前歴

ヒューマノイド型宇宙人の美少女。容姿は地球人と然程変わらず、銀色と青色のグラデーションをした髪をツーテールに束ねている。
実年齢は不明だが、『オーブクロニクル』の地の文における初登場時には「年端もゆかない少女」と表現されている。
とはいえ、以降の描写からしてその寿命は地球人より遥かに永い物である事がうかがえる。


元々はとある惑星の王族出身の姫君だった。
しかし、生まれ付き脳波が異次元とリンクするという特性を持ち、高エネルギーの放出、怪獣の召喚などといった能力を自在に行使する力を有していたが故に、
その能力を危険視した両親によって脳波遮断装置の施された塔の頂に幽閉されてしまう。
だがそれが災いしてか、ビランキはに憧れるようになり、その妄想力は限りなく強力に肥大化してゆく。


「いつか王子様が来て、私をここから出してくれる! そして二人は熱いキスをかわすのだわ!」
「こんなところに閉じ込められては恋愛もできない! 私は自由になる!」


研ぎ澄まされたビランキの妄想力は、遂に脳波怪獣ギャンゴを召喚するという形で発露。
ギャンゴは塔を破壊するのみならず、その星の都市を滅ぼす寸前に至ったため、
ビランキは星間連盟によって捕えられ、『銀河系で最も危険な存在』ととして刑務所惑星・惑星484へと収監されることとなった。
……だが、彼女と同時に「とある男」が収監されようとしていた事が、その運命を大きく動かすこととなる。


こうした経緯からか「一度惚れた相手には一途、しかし邪魔する相手には苛烈な態度を向ける」という性格の持ち主となってしまっており、
地の文で表現された「ロマンチックかつヒステリック」という言葉が彼女を一言で言い表していると言えるだろうか。



ウルトラマンオーブクロニクル<年代記>

初登場作品。『ウルトラマンオーブ完全超全集』に掲載された小説……というより「エピソード10構想」という名のシナリオ構想。



第3章「ブラックホールを盗んだ男」編から登場。
前述の通り惑星484に送られ、脳波を遮断する鉄仮面を被せられた上で超重合金のカプセルに閉じ込められていたが、
同じく収監されようとしていたジャグラス ジャグラーが、看守から電子キーを奪い、興味本位でビランキを解放。


「おお、わたくしの王子様! 迎えに来てくださったのですね?」


元より見ていたシチュエーションに合致してしまったが故か、ビランキはジャグラーに一目惚れ
当のジャグラーは彼女にペースを崩されながらも適当にあしらい、助っ人として利用しようと目論む。
二人はそのまま収監されていた並居る怪獣や宇宙人を次々と解放、そのまま刑務所を難攻不落の要塞に仕立て上げてしまう。
その後は反乱の鎮圧に赴いたガイ/ウルトラマンオーブとジャグラーの戦いで、再び脳波怪獣ギャンゴを召喚してオーブを攻撃する活躍も見せた。


ガイの手で鎮圧された後、再び星間連盟にジャグラーともども捕縛されることに。
当初こそジャグラーと共に拘束されてたことから「私、幸せ。どこまでもジャグラー様と一緒にいられるのだから」と微笑んでいたが、
看守がうっかり二人が別々の次元に追放される予定である事を漏らしてしまうや否や、ヒステリーを起こして脳波遮断ヘルメットすらも自力で破壊。


「誰にも邪魔させない! 燃え上がる…私の…この恋を!」


そのまま勢いで護送船すらも撃沈させるが、その直前にジャグラーは姿をくらませ、ビランキは一人宇宙の深淵に吸い込まれてしまった。



その後、第5章「ルサールカより愛を込めて」編にて再登場。
経緯は不明ながら生き延びており、当時ガイやジャグラーが滞在していた『ウルトラマンオーブ』の宇宙における地球へ来訪する。
1950年代頃に暗躍を開始、中南米のバーレスク諸島近海で、宇宙から呼び寄せた円盤生物ハングラーを操って飛行機や船舶を無差別に襲撃。
「バーレスク・トライアングルの謎」なる都市伝説として噂を流し、誘き寄せたガイを「ジャグラーの為」そして「ジャグラーに執着されてるガイへの嫉妬」で抹殺する事が目的であった。


「愛しのジャグラー様の邪魔をするガイは、私がやっつけてやる! あんたさえいなければ、ジャグラー様は私に振り向いてくれる」


結局ハングラーは善戦するもオーブに掃討され、茫然自失となったビランキであったが、その前にジャグラーが現れる。
ビランキは「あの、聞いて欲しいんだけど、私…」とジャグラーに思いの丈を伝えようとするも、彼から「夜明けのコーヒー」を誘われ、喜んでコーヒーを飲む。


……コーヒーに盛られた薬による眠りから目を覚ましたビランキが居たのは、既に地球ではなく、見知らぬ惑星の荒野のど真ん中。
その手には「俺についてくるな J」と書き残されたメモが握らされていた。


「ジャグラー様の馬鹿! 私、絶対あきらめないから! 私の愛は永遠なんだから!」


しかしビランキは諦めることなく、『オーブクロニクル』のラストである第10章「渡り鳥、宇宙そらを行く」でも、未だジャグラーを追い回していることが語られている。



そして……



ジャの道は蛇

『ウルトラマンZ完全超全集』に収録された小説作品で、『オーブ超全集』以来実に4年越しのビランキ再登場となった。
時系列的には上述した『オーブクロニクル』の後にして、映像作品『ウルトラマンZ』よりも以前となる。
基本的な設定は『オーブクロニクル』から地続きと思われるが、一部キャラ付けの見直しがあったのか口調が若干変わっている。


『オーブクロニクル』では挿絵無しの小説媒体という事もあって容姿は一切不明だったが、
受注生産限定でリリースされた特装版『ストレイジBOX』収録の「ジャグラス ジャグラークロニクル写真集」に掲載された『ジャの道は蛇』再現のフォトストーリーで、
そのビジュアルが初めて設定されることとなった。



本作では宇宙武器商人ファラリスの手で捕えられ、イムバット連邦の首都惑星バホメットに存在する「義眼城」へと幽閉されており、
「俺は絶対にイムバット連邦になんか行かない!」と豪語しながらも義眼城の時計塔に辿り着いたジャグラーと再会する。


「ああジャグラス様、やはり助けに来てくださったのですね」


彼女にはファリラスの手によって、怪獣召還を妨げる目的の脳波コントロール装置を備えたヘッドギアが装着されており、
しかもやろうと思えばビランキのも初期化する事が可能という代物で、ジャグラーを牽制する。
……が、当のジャグラーは、ビランキがジャグラーに会いたいが為にわざと捕まっていたという事実を看破しており、流石のビランキもこれには焦りの表情を隠せなくなってしまう。


「な、なにをおっしゃいますジャグラス様。私はそのような……」
「そんな、お慕い申しております、ジャグラス様。どうぞ私をここから連れ出してくださいませ」


その上、ファリラスの干渉に対する苛立ちもあって、遂にヘッドギアの脳波制御も跳ねのけて、三度怪獣ギャンゴの召喚に及んでしまう。


「おのれ下賤な武器商人の分際で……邪魔をするなと申しておろう!」
「はあ……はあ……恋する乙女の夢を誰にも邪魔はさせぬ」
「夢の中では夢見るものが王……王の前ではだれもが無力だ!」


そのままビランキはジャグラーに連れられ時計塔を後にするも、ファリラスの配下サジタリの放った電磁パルス砲が近辺に直撃。
間一髪でビランキが危機を知らせたおかげでジャグラーは直撃こそ免れるも、その余波で周辺にもたらされた大量の電磁波が
未だビランキに装着されたままだったヘッドギアを誤作動させ、大量の電流を彼女の脳に流し込んでしまう。
昏倒したビランキを、ジャグラーは助け起こすが……


「……あなたはどなたですか」
「どこのどなたかは存じませんが、私を助けてくださったのですね」
「ところで私は……誰ですか?」


既にビランキの脳は初期化……ジャグラーの事も含む全ての記憶が失われてしまい、人格すらもほぼ別人同然の様に大人しい少女となってしまっていた。
それと共に召喚されたギャンゴも消滅。なおも襲撃してくるサジタリから逃れるべく、ジャグラーはビランキを連れて瞬間移動でその場を去った。



結局その後、ビランキはジャグラーによって惑星ラ・ロシュフコーに連れられ、
彼が懇意にしている鍛冶ジノベー爺さんの元で、「記憶を失った一人の少女」として彼の仕事を手伝いながら過ごす事となった。
楽しい思い出も悲しい思い出も全てビランキから失われてしまったが、ジノベーの薪割りを手伝いながら明るく笑うなど、以前からは考えられない姿も見せている。


記憶を失ったビランキ自身、時々自分がどこから来たのか不安を抱く事もあるようだが、そんな彼女にジャグラーも自身の境遇を重ね合わせて
「過去にとらわれても、未来を思いあぐねても、何もいいことはない。大事なのは今現在だ。今を精一杯生きるしかない」
と言葉をかけており、去り際には『ウルトラマンジード』の宇宙で沖縄に立ち寄って以来連れていたハブのクロウリーをビランキに託している。


「でもきっと会えるわ……ねえ」


果たして今後、何らかの媒体で紡がれる物語でビランキの記憶が戻る事はあるのか、それとも記憶を失ったまま再びジャグラーに恋する事もあるのか……それは誰も知らない。



余談

『ジャグラス ジャグラークロニクル写真集』にてビランキを演じた黒木ひかり氏は、『ウルトラマンZ』におけるオオタ ユカ役でお馴染み。
あちらはあちらでジャグラーを解剖したいという形で狙っているという繋がりが。


『オーブクロニクル』著者の中野貴雄氏曰く、一般的には良い意味に取られがちな「女性の一途な想い」を、
それが間違った方向に向かうと怖い事になる、というテーマを描きたかったが故にビランキ周りのエピソードを考案したとの事。
ウルトラマンオーブ』TVシリーズ製作段階のプロットには、制作本数の中にはまらず没になった案として「ジャグラーの追っかけの女の子」というものもあったらしく、
結果的にそれが小説という媒体で拾われた事については中野氏も満足しているそうである。


名前の由来は、中野貴雄氏によると女優のダニエラ・ビアンキから取られたものとのこと。



追記・修正は、自分を助けてくれる王子様に恋い焦がれながらお願いします。


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  • ユカの面接をしたときジャ・・・ヘビクラ焦っただろうなきっとww -- 名無しさん (2022-01-12 22:45:56)
  • タチの悪いストーカーのようなものになってたジャグラーに追われるガイさんに対し、実はもっとタチの悪いストーカーのビランキにジャグラーも追われていたという……劇場版オーブは惜しくも再会の機会を逃したがビランキまで居合わせたらいよいよジャグラーも頭抱えるとんだ同窓会だったね…… -- 名無しさん (2022-01-13 00:08:40)
  • 元々、バットマンのストーカーのジョーカーのストーカーであるハーレクインっぽいキャラだったのが、ヴィジュアルがついたらマジで露骨にハーレクインだった -- 名無しさん (2022-01-13 20:32:39)
  • 記憶を失って良かったのか悪かったのか -- 名無しさん (2022-01-13 20:59:24)
  • 普通の超全集にも写真載ってなかったっけ?白黒だから写真集の方がわかりやすいのはそうだけど -- 名無しさん (2022-01-15 10:26:14)
  • ↑注釈されてるけど、ウルトラマンZの超全集は通常版含めて「完全超全集」名義なので間違ってない -- 名無しさん (2022-01-18 10:18:44)

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*1 『ウルトラマンZ完全超全集』にも同写真集からのスチールが一枚だけモノクロで掲載されている。

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