ライフ・アドバンテージ(TCG)

ページ名:ライフ_アドバンテージ_TCG_

登録日:2020/01/11 Sat 00:00:17
更新日:2024/05/16 Thu 10:44:24NEW!
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アドバンテージ ライフ・アドバンテージ アド 戦略 tcg用語 デュエル・マスターズ 遊戯王ocg mtg z/x バトルスピリッツ ヴァイスシュヴァルツ ライフで受ける 勝てばよかろうなのだァァァァッ!!



ライフ・アドバンテージとは、TCGにおけるアドバンテージの一つである。



概要

いくつかのTCGでは「これを削りきれば勝利する」という数値であるライフポイントが設定されている。
ライフ・アドバンテージはこの数値の奪い合いで、どれだけ優位に立っているかという概念。


デュエマのシールドも広い意味では含まれる。


ライフポイントがなくなればゲームに敗北してしまうことから、
初心者が「ライフコストのあるカードは弱い」「ライフ回復のカードは強い」と思うのは誰しも通る道である。


実状

しかし実際には、多くのTCGではライフアドの価値が低く、軽視されがちな傾向にある


なぜかというと、ライフポイントが増えても負けにくくなるだけで、勝利できるわけではないから。
自分のライフがいくら増えようと、相手のライフが1でも残っているうちは勝利にはならない。逆に、相手のライフポイントを先に0にできるならば、自分のライフは10でも1でも残ってさえいればいいのだ。


そもそもライフポイントの回復はボード・アドバンテージに直接結びつかない。相手の強いカードを放置していては、パンチ一発で回復した分以上のライフが消し飛ばされたりする。


むしろボード・アドバンテージを稼いで相手に攻められないようにすることが、結果としてライフ・アドバンテージの維持に繋がることが多い。
TCGの世界においても「攻撃は最大の防御」なのである。



加えて、ライフポイントの回復が全く役に立たないデッキもありうる
Magic the Gatheringの場合、ライブラリアウトを狙うデッキ(【MoMa】や【青黒ライブラリーアウト】など)、特殊勝利をメインにするデッキ(【バベル】や【感染】など)はこちらのライフポイントを削る必要が全くないため、いくらライフポイントを回復させても無駄に終わってしまう。


そもそもTCGでは何らかの行動を起こすためには基本的に手札などのリソースを割かねばならず、ライフポイントも例外ではない。多くのデッキではライフポイントの回復は考慮されておらず、いち早く相手のライフポイントを0にするための手段を整えることに注力される。


ライフポイントの優劣は、その他のアドバンテージの取り合いの結果として生じるものと考えた方がよいだろう。


闇雲にライフポイントを回復させるのではなく、相手の打点を大まかに把握し、自分が殴り切られる前にどれくらいの攻撃を受けられるのかという計算がなされることが多い。


これが多くのTCGで重要となるライフ管理の考え方である。



ライフコスト・ライフ換算

上記のような事情もあり、ライフポイントは他のアドバンテージを得るためのリソースとして考えられる場合も多いライフを有用なアドバンテージに変えられるカードが高く評価され、実際にそういうカードが環境でも実績を残すことは珍しくない。


ライフ・アドバンテージを重視するからには、ライフポイントの回復を別のアドバンテージに変換する手段を取り入れることが大切である。
遊戯王OCGでは5000LPを払うたびに融合モンスターを出せる《デビル・フランケン》、ライフ差を攻撃力に加算する《エンシェント・ホーリー・ワイバーン》が存在する。


もちろん、ライフポイントが多いに越したことはないので、何かのついでに回復できるカードは評価される傾向にある。


たとえば遊戯王OCGの《レッド・リゾネーター》は召喚された時に手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚でき、自身が特殊召喚された時にフィールドのモンスター1体の攻撃力分のLPを回復できる。


このカードは展開補助効果でシンクロ召喚を行うのがメインなので、ついでのように回復できるのはありがたいといえる。



バーンデッキ

ライフ・アドバンテージは軽視されがちなのは既に述べた通りではあるが、限度というものはある。


遊戯王OCGの場合《ガガガガンマン》や《邪帝ガイウス》などのように、オマケのような感覚でバーンダメージを与えられるものがある。そのため、ライフをギリギリ、それも特定ラインまで減らした状態で相手にターンを渡すのは非常に危険である。


コンボなどで凄まじい量(最悪無限)のライフを回復された場合、事実上逆転が困難になるケースもある。
単に削り切れないだけでなく、ライフが減るだけならいくらでもカードを温存できるし、重いライフコストのあるカードもガンガン使えるため、回復コンボが決まれば非常に強力。
他にも、初期ライフをギリギリ削りきることを前提とした1ショットキルデッキやコンボでは、少しでもライフを増やされると不成立になってしまう事もある。


そのため影響力が無視できないレベルになると〇〇ラインという形で最低限残すべきライフ・ラインが自然と形成されることも。
有名所だとMtGの「場に《山》2枚+手札3枚」あるなら10点が危険ライン。
これは3点ダメージの《稲妻》2枚+《山》2枚を生贄に捧げて4点ダメージの《火炎破》で即死があったため。



ライフを削るカードに関しても基本的にあまり採用されない。
多くのバーンカードはカード・アドバンテージに直結しないため、中途半端に相手のライフポイントを減らすだけでカード枚数の損になってしまうことが多い。


MtGのように除去としてクリーチャーに撃てる等、一定の汎用性が確保されてるならともかく、プレイヤーにしか撃てないものは他の効果がなければ採用に値しない。


相手のライフは基本的にクリーチャーやモンスターの戦闘でも削ることが可能なため、基本的にはそちらで削ることに特化した方が戦いやすい。


ビートダウン系のデッキでは「除去のついでに大きなバーンが入る」など、他の事もできるバーンカードが採用される。遊戯王OCGで言えば《破壊輪》《No.61 ヴォルカザウルス》などである。


つまり「ライフ回復がアドに繋がらない」=「ライフバーンがアドに繋がらない」と言ってもいい。


ただし、バーンに特化したデッキの場合は多くのアドバンテージを相手のライフを削るために投げ捨てるような考え方になるため話は変わる。
つまり相手のライフを削るために一点特化し、殺られる前に殺るような感じ。
またそういうデッキに対しては「ライフ回復=相手のアドバンテージの喪失」となるため非常に有効。バーンデッキが幅を利かせている環境においては、サイドボードにライフ回復だけしかしないカードが採用されることも往々にしてある。


TCGごとの事情

Magic the Gathering

初期ライフは20点。ライフ回復カードは多数存在し、ライフの上限もないためいくらでもライフを積むことが出来る。
歴史が長いだけあってパワー5を超えるような大型で数回殴って終わらせるデッキもあればパワー1~2でチマチマ殴るデッキ、3点バーンを連打してくるデッキ、20点を一撃で吹き飛ばしてくるなどデッキタイプでダメージの与え方が違い過ぎるが、
それなりにライフを回復すればやられるまでのターン数を伸ばせることは大体共通している。


M13が使えた頃の《スラ-グ牙》とタル覇が使えた頃の《包囲サイ》に頭を抱えた人はたくさんいるだろう。
X=沢山で放たれた《スフィンクスの啓示》は数多くのビートダウン主義者の心をへし折ってきた。
他にも黒のドレインやラヴニカの《稲妻のらせん》等、勝負を決めたカードというのは多い。
が、これらのカードはライフ回復をメインに採用されたのではなく、コストパフォーマンスの高いクリーチャーやドローやダメージソースがメインの採用用途であり、ライフの回復は完全におまけ。
上述した「何かのついでに回復できるカードは評価される」の極地かもしれない。
回復しかできないカードの採用率はあまり高くないが、バーンや高速ビートダウンなどが流行ると中~低速系デッキのサイドボードに積まれることがある。


ライフ回復がおまけでは無い場合としては、それ自体が勝ち筋となるデッキになる。ライフを獲得するとパワーが上がるクリーチャーを利用し、ライフを稼いでクリーチャーを育てていく【ソウルシスターズ】や、パワー/タフネスがライフの値になる《セラのアバター》と無限ライフコンボを組み合わせて無限パワーでワンショットする【ループジャンクション】辺り。
また、《忍耐の試練》など「ライフが一定量以上到達すれば問答無用で勝利」というカードも存在し、その条件を満たすためのデッキ構築も存在している。
これらは前述したようにライフを回復するという行為そのものを勝ち手段としているので、自分・相手のライフ・アドバンテージという点はそこまで考慮されない。無限ライフ系なら普通のビートダウンデッキを詰ませられるが、それはアドバンテージというよりはデッキの相性と言うべきだろう。


初期のMTGでは開発スタッフもライフ・アドバンテージを過度に重要視していたらしく、3点しか回復しない産廃の《治癒の軟膏》を始め、
たった1マナでクリーチャー1体をその攻撃力分回復させることで追放する《剣を鍬に》というカードが存在していた。
特に後者は実際にはどんな厄介なクリーチャーでも、ライフを多少回復させるだけでその脅威を除去できるという性質から非常に強力なため、
現在でも使用可能なフォーマットでは高い投入率を持っている。



遊戯王OCG

初期ライフポイント8000に対してモンスターの攻撃力が高く、直接攻撃(ダイレクトアタック)が可能なのであっという間にライフが消える。
かの有名な「青眼の白龍」は攻撃力3000だし、デーモンの召喚は攻撃力2500、普通の下級モンスターでさえ1800~2000程度のものが多く存在する。
攻撃力2700のモンスター3体の直接攻撃が成功すれば、8100のダメージになるため、2700という数字は一つのラインとして認知されている。


しかし、自分のライフも減りやすいが、相手のライフも簡単に飛ばすことができるため、「自分のライフは飾り」「ライフは投げ捨てるモノ」などというはたから見れば謎の理論がまかり通っている。
ライフ半分とかライフポイント5000の代償は問題なし」といわんばかりに、決して少なくないライフコストのカードも気軽に使用されている。


まあ言い換えれば最後まで立ってた方が勝ちっていう真っ当な奴だけどね!
手札やフィールドが何もないと非常に辛いが、ライフは1あればゲームはできてしまうからである。


とはいえ、前述した通り一撃が重いゲーム性のため、油断してライフポイントを消費してしまうと思わぬ形で敗北を許す可能性がある。
一例を挙げると、ライフが2500以下になれば《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》、2000以下では《No.82 ハートランドラコ》、ライフ800以下では《ガガガガンマン》や《ご隠居の猛毒薬》などでピッタリ止めを刺すことができるため、特定のライフポイント以下にしないというプレイングも重要である。
一時期はライフ4000以下でもデッドラインになり得るという危険な環境だったこともあるが……。


アニメではデュエルモンスターズバトルシティ編以降から初期ライフが4000、原作漫画の初期に至っては2000だったため、OCG以上にライフアドが重要視されていた。


なにせエースモンスターの攻撃の一回二回で簡単に消し飛ぶ数値なので、そのままだとあっという間に勝負がついてしまう。
話の尺の都合上に合わせるために微妙な回復やバーンのカードが生まれたりして、OCG化の際に微妙になったり極悪化したり。



デュエル・マスターズ

デュエマの勝利条件は「シールドが無い状態で相手へのダイレクトアタックを決める」であるため、「シールドの枚数≒ライフポイント」と言える。
だが、「ブレイクされたシールドは手札に加わる」ルールと、「シールドから手札に加えたカードが能力「S・トリガー」を持っていれば、そのカードをマナコスト無しで直ちにプレイできる」効果がある。


そのためデュエマというゲームは
相手の「ライフアドを奪う」行為が、「相手にハンドアドを、場合によってはフィールドアドやテンポアドを与える」行為に繋がる
というジレンマを抱えており、これこそがデュエマの醍醐味となっている。


ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》に始まる、シールドをブレイクした際に手札に加える代わりに墓地へ送らせる「シールド焼却能力」や「S・トリガー封じ」が、
デュエマにおいて魅力的な能力の一つとして挙げられる理由でもある。


「自分のシールド枚数が相手のシールド枚数以上」であれば能力を発動できるキーワード能力「ホーリーフィールド」、「自分のシールドが指定枚数以下」の場合に効果を発動できるキーワード能力「革命」、種族に「侵略者」を持つクリーチャーには「相手のシールドが指定枚数以下の場合に効果を発動できる」能力(通称「侵略モード」)等、ライフ(シールド)アドの差により発動する能力も存在する。


ただし、シールドの追加が目先のアドバンテージに結びつかないことは事実であり、大抵のコントロールデッキでの序盤はシールドがガン無視される。


ドローやマナブーストなどの下準備、ハンデスやランデスなどの妨害で優勢を決定づけた後、一気にブレイクして手札に加えたカードを使わせずに終わらせる形で決着させることが多い。


ちなみに、初期のデュエマでも「シールドが増える=強い」という認識が開発元にあった模様。
例えば、デックトップの1枚目をシールドにする呪文の「ミステリー・ブレス」が6マナ。
逆に、進化でないクリーチャー1体をシールドにする万能除去「魂と記憶の盾」が、多色とはいえたった3コストだったりした。
うん、同じく相手にライフ回復を与えるデメリットを持つ万能ローコスト除去の《剣を鍬に》と同じ所が開発したんですけどね?
学べよ。


時が経った現在では、火文明や闇文明などの「直接的なハンドアドバンテージを稼ぐことが不得意な文明」の軽量クリーチャーには「自分のシールドを手札に加える(S・トリガーは発動できない)」能力を持つものも多い。
これは主に速攻系のデッキによく採用されるクリーチャー達で、「相手が動き出す前に勝ちきらなければならない→シールドがブレイクされて手札が増えるときは負け濃厚→だったら自分からシールドを手札に加えても相手に殴られなければ問題ない」、言い換えれば「ライフ(アド)を手札(アド)に変換する」ことが出来るのである。


速攻デッキは手札のカードを矢継ぎ早に消費していくため、手札の切れ目が攻め手の切れ目である。
そして上記の通り、速攻デッキはだいたい「相手が動き出す前に勝つデッキ」なため、ゲーム開始時に置かれる5枚のシールドが相手によってブレイクされる時は、「相手に速攻を凌がれ、反撃に転じられたとき≒ほぼ負けが確定した」時。
「どうせ相手にブレイクされるときは負けるときなのだから、自分からシールドを手札に加えても(≒ライフ(アド)を失っても)、手札(アド)が増えることの方が大事。ダイレクトアタックされなければ負けることはないのだから」
そういった理由で「速度特化の代わりにリソース枯渇が深刻だった」火、闇の軽量クリーチャーはそれなりの安定性を手に入れることに成功し、環境に時々顔を出すことも増えることとなった。
……最近の闇単速攻は自分から手札投げ捨ててるけど。



Z/X -Zillions of enemy X-

Z/Xにおいてはこれもデュエマに近く、プレイヤーを攻撃され4枚のライフが0になった時点で敗北となる。
また、攻撃されたライフはイグニッションアイコンがあればデュエマで言うところのシールドトリガーよろしくタダでプレイでき、ライフリカバリーを持つゼクスをプレイした時に相手のライフ以下ならば回復もする。
ただしあちらと違い基本的にプレイしなかったライフはチャージに置かれるのでライフのディスアド=ハンドアドとはならない。
そのためライフに入ったカードはチャージかトラッシュからの回収手段を持たない場合、基本的に使えないものとなる。……基本的には。
というのも一部の白のカードにはライフを確認してそのカードを手札やチャージに置く*1能力を持つものがあり、これらを利用することでライフを疑似的な第二の手札として扱うことが可能。
特にPRカード「恋の応援モテッツ」は軽量かつIGアイコン持ち、ライフ操作条件も緩いと非常に使い勝手がよく、数度に渡って再録されている*2がそれでも足りないと言われるほど。


逆に黒にはライフを自分から破棄することでアドバンテージを得るカードがある。基本的にライフをチャージに置くというテキストのためIGアイコンのプレイは出来ないが、例外的に「終焉の呟きエンデ」はダメージとなっているためうまくいけばアイコンの踏み倒しが狙える。


一方でリカバリー以外のライフを回復するカードは数えるほどしか存在せず、実用性のレベルで言えば「八宝美神 春風の姫ペクティリス」くらい。
ある意味では上記TCGの失敗の歴史からきちんと勉強しているともいえる。



バトルスピリッツ

ライフで受ける」という個別項目が存在するくらいライフを巡る駆け引きが重要なTCG
というのもバトルスピリッツではライフをコストと同じ「コア」で管理しており、ダメージを受けるとそのコアはリザーブというコストとして使用可能な領域へと移動する。
ライフが減れば減るほど高コストカードが使いやすくなったり、また一度目のアタックを防げなくてもライフから得たコアを使用して2度目のアタックを防げたりと「相手のライフを減らすと自分が不利になる」ということも多い。
MTGと同じく「防御側のプレイヤーが相手のアタックをブロックするかどうかを選択する」方式を採用しており、自分のライフをいくつまで減らすか、それともブロックしてライフを守るのかをよく考える必要がある。
そのプレイングを表わしたものが前述の「ライフで受ける」という単語に込められている。


その初期ライフはわずか5個。
ライフはスピリットの右下に記された「シンボル」の数だけ減らすことができ、スピリット同士のバトルで参照するBPとは完全に切り離された存在となっている。
コスト0のブレイドラであっても、コスト8の光龍騎神サジット・アポロドラゴンであってもシンボルは一つしかないため減らすライフは同じく1点である。
この辺りはデュエル・マスターズとも共通する部分である。
ただ、バトスピは召喚酔いの概念がないため、後攻1ターン目にコスト0のスピリット5体で殴ったらあっさり勝てた、なんてことも起こりうる。


これらの事情からシンボルを5つに増やして一撃で勝負を決められる戦術は非常に強いとされる。
魔界神様を称えよ。


近年ではフラッシュタイミング*3に入る前にライフを減らすバーン効果が増えてきており、コアが欲しいからと言ってライフを減らし過ぎるとこれらの効果で何もできずに負けるという場面も増えるようになった。


以上より「失ったライフを回復する効果」は強いとされるが「先んじてライフを増やす効果」はそこまで強くはないとされる。
前者で代表的なものは絶甲氷盾超神星龍ジークヴルム・ノヴァなど、後者は【聖命】など。
これはライフで受けた後で既に使用可能なコアが溜まっている状態でライフをめぐる駆け引きをリセットできる前者に対して、後者は相手にダメージを与えてもらうまでコストとしては使用可能な状態にならないという違いがあるため。
また、「自発的にライフを減らす」カードも自然と強力なものになり、「ライフをコストにする」というカードが他TCGよりも少ない。



ヴァイスシュヴァルツ

ヴァイスシュヴァルツの勝利条件は相手をレベル4にすること。レベルは7点受けるごとに1上がる為、実質的には28点ダメージを与えると勝利となる。
その上で大半のカードの打点は1点。レベル3のカードであれば2点であり(稀に3点のカードもあるが)、これに対してクライマックスやトリガーチェックによって修正した値がダメージ値となったり、またはキャラクターの効果やイベントカードでバーンを発生させるのだが、ここで重要な点が存在する。
ヴァイスシュヴァルツのダメージは、デッキを捲って確認し、そのカードを利用して示すのだがそのダメージの最中にクライマックスが出た場合、ダメージがキャンセルされ、なかったことになるのである。
そして、高レベルのキャラは1点回復する効果を持っていることも多いのだが、この回復はレベルを下げることはできないが各レベルのダメージを0までは戻すことが出来る。そして回復は必ず発生する。
結果として「ダメージは不確定だが回復は確定」という事情かつ、相手のキャラを倒せずチャンプアタックになろうがダメージは発生する性質があるためTCGの中では珍しいことに回復カードが重要視され、ライフアドバンテージをある程度稼ぐことが重要になっている。


バーン能力も多いが、キャンセルの存在とクライマックスのカードはデッキに8枚までという性質上、キャンセルされづらい1点や2点バーンなどの低打点のバーンは非常に強く、逆にキャンセルされやすい高打点(5点以上)のバーンは弱いというこちらもTCGとしては特異な評価を受けている。
その為普通のゲームなら意味が分からないだろうが、相手にわざと高打点を与えるという防御札が存在していたりする。


また、山札がなくなったらルール処理によって1点が確実に与えられる。ヴァイスでは珍しい「確定ダメージ」である為、このダメージを如何に対処するかが重要になることも少なくない。


これらの事情から、序盤はある程度ライフを犠牲にしながらも(それによって手札を整えたりできるカードも多い)、終盤はライフアドバンテージなどをきっちり稼いだほうが勝ちやすいという面白いゲーム性になっている。


ダメージをキャンセルするために山札をしっかり圧縮するのも非常に大事なため、運を自分から手繰り寄せるために「運を作る」ゲームであるといえよう。



カードファイト!!ヴァンガード

ヴァンガードへの相手の攻撃が成功するたびに1ダメージを受け、6ダメージ受けると敗北となる。
カウンターブラスト(CB)という受けたダメージをコストとして使用する基本システムが存在し、DMやバトスピ程極端ではないものの下手にダメージを与えると相手にリソースを与えることとなるのが特徴。
さらに1点の比重が大きいゲーム性であること、多くのデッキで唯一の回復リソースであるヒールトリガーはダメージが相手と同等以上でないと発動しないこと、攻撃側は相手にダメージを与えずにリソースを削る選択肢があること、
防御側も手札を使って守るかどうかの選択肢があることなどの理由からどれだけダメージを与えるか・受けるかというダメージコントロールが非常に重要視される。


特に攻撃時のダメージを1増やすクリティカルトリガーと上述のヒールトリガーのランダム性が大きく、これを巡る駆け引きはヴァンガードの醍醐味の一つ。
基本的にドライブチェックを行う(ヴァンガードからの)攻撃では2ダメージ受ける確率が低くないため、4ダメージからが危険域という認識が基本となる。そのセオリーに則って3点ノーガードしたらダブクリ*4で即死するのはヴァンガードファイターの日常である。}
特にダメージゾーンのカードが4枚以上で発動する「リミットブレイク」が現役であった時期は4ダメージ以上与えない、通称「3点止め」が主流戦術として流行り、結果3点止めされても動ける過去のカードが一定の評価を受ける、といった事例もあった。


また攻撃以外でダメージを与えるバーン能力は少なく、ほとんどが6点目のダメージは与えられない(=バーンだけでゲームに勝てない)ように設定されている。
能動的にダメージを回復する(ダメージの総数を減らす)手段はさらに少なく、ダメージゾーンの操作に特化したエンジェルフェザーですらごく限られたユニットのみが所持し、他クランで回復カードが出るとそれだけで話題になるほど。
自身にダメージを与えることで効果を発揮するカードもあるが、ダメージ1点の比重がかなり大きいゲーム性の為、よほど詰めに特化していない限り評価は低い。



ファイアーエムブレム0

戦闘やスキル(効果)で主人公ユニットが撃破(破壊)された時、オーブがあるなら主人公が戦場を離れる代わりにオーブが1つ破壊されて手札に加わり、オーブが0の状態で撃破されると敗北する。
基本的なルールやアドバンテージ概念はだいたいデュエマのシールドシステムと同じ(一部ヴァンガード)と思って差し支えなく、オーブがあるうちは極力ライフで受けて手札を稼いでいく。


違いとしてはS・トリガーにあたるシステムが存在しないこと、
そして、「ユニットの撃破」の代替行為という処理のため、スキルでの撃破(いわゆる除去効果)によってゲームに勝利することが可能であることが挙げられる。
さっさとオーブを全て破壊させ、戦闘における防御システムである「神速回避」の備えを蓄えて反撃を目論む矢先、主人公がスキルで撃破されて終了する可能性があるのである。
事実上似たような役割を果たすものとして、相手の「神速回避」を封じるスキルもある。
そういったことができるカードは第1弾から数枚登場しており、その後もちょくちょく登場している。


とはいえそんなもんポンポンやられてはストレス要因なので、主人公を撃破できる効果や神速回避封じはコスト・条件がかなり重めに調整されており、適正なタイミングで引かないと腐りがちなものがほとんどで、基本的に使い勝手は悪い。
実際のところそういったスキルによる「奇襲勝ち」を狙うより、速攻ならゴリ押し、遅攻なら着実に削り切って勝つアプローチをとる方が圧倒的多数派で、
多少の手札が惜しくない余裕があるプレイヤーが万が一のリスクに備え、オーブを1つ残しておく形で対策するというのが定石。





追記はアド1、修正はアド2。



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  • アドバンテージ(TCG)より独立。元記事が結構長くなりつつあるので、一番切り出しやすいここを切り出してみました。 -- 名無しさん (2020-01-11 00:01:53)
  • バトスピも上げていいんじゃない。「ライフで受ける」って言葉があるぐらいだし -- 名無しさん (2020-01-11 00:22:04)
  • ↑ライフアドについて書いた人がバトスピについて知らない人ばっかりだったんじゃないかと 知らないと書けないし -- 名無しさん (2020-01-11 00:27:13)
  • じゃあちょいとバトスピについて編集します -- 名無しさん (2020-01-11 00:32:24)
  • E・HERO エアー・ネオスみたいに、こちらのライフが不利であるほど強力となるカードはどうなのかな? -- 名無しさん (2020-01-11 00:37:56)
  • ヴァイスなんかも書いてみたら面白いと思う。あのゲーム他のゲームよりライフアドがかなり重要だし -- 名無しさん (2020-01-11 00:49:48)
  • とりあえずバトスピに関して編集しました。もともと「ライフで受ける」の項目が充実してますしここでは簡易的な説明で。 -- 名無しさん (2020-01-11 01:08:09)
  • ヴァイスについて自分の見識限りで追記しました -- 名無しさん (2020-01-11 02:49:44)
  • どんなにライフも手札も減ろうが構わぬ!最後にこの手に勝利があればよい!勝てばよかろうなのだぁ~! -- 名無しさん (2020-01-11 20:23:41)
  • アレフティナって書こうと思ったけどありゃ特殊勝利か -- 名無しさん (2020-01-13 00:28:53)
  • ↑忍耐の試練がありならありでは -- 名無しさん (2020-01-13 00:34:56)
  • ↑3 中村聡だったかな。「究極的には勝ったときライフ1以外のリソースが残っていれば、それは全部無駄」と言ったのは -- 名無しさん (2020-01-14 09:13:36)
  • ライフアドと言われると軽視されるが、ライフ管理と言われると(使用デッキにもよるが)極めて重要になる。そんな概念。 -- 名無しさん (2021-04-02 20:26:09)
  • 軽視されるって言っても流石に嵐の乗り切りとか骨までのかじりつきとかで30点近く回復されれば流石にカードアドにつながったりもするよね -- 名無しさん (2021-07-22 12:57:23)
  • mtgの絆魂に関してはクリーチャーによるダメージレースがぶっ壊れるからビートダウン同士だとかなり優先的に排除するんだけどね。基本的にライフが完全に軽視されるのは一発で持っていけるコンボがあるパイオニア以下なんじゃないかな -- 名無しさん (2021-07-22 18:41:12)
  • デュエマやバトスピが「相手のライフアドを奪う=逆転の芽を与えてしまう」のを踏まえると、ポケカのサイドって敵を倒すと手札が増えて更に有利になる結構特異なライフシステムだと思う。 -- 名無しさん (2023-01-28 16:59:02)
  • 長い記事だが、深い考察による戦略・戦術論やゲーム同士の相違が興味深くまとめられていて、夢中で読み切ってしまった。秀逸な記事。 -- 名無しさん (2024-04-23 08:19:20)

#comment

*1 前後に回復するためライフ自体は減らない
*2 そして再録含め「モテッツ」名称のカードが出るたびにイラストレーターが変わることがネタにされる
*3 スピリット/アルティメットがアタックした後に防御プレイヤーが手札のカードを使用するタイミング
*4 1回の攻撃でクリティカルトリガーが2枚出ること(戦いの主軸となるグレード3のヴァンガードは2回ドライブチェックを行う)。

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