登録日:2014/10/11 Sat 08:37:02
更新日:2024/04/13 Sat 17:32:12NEW!
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金田一少年の事件簿 金田一恒例「屑な医療関係者」 金田一37歳の事件簿 金田一少年シリーズエピソード項目 歌島リゾート殺人事件 新たな始まり 孤島 歌島 静岡県 伊豆 クローズドサークル ホテル リゾート オペラ座の怪人 吊り橋効果 肝試し 見立て殺人 アリバイトリック 台風 シャンデリア アルテミス 気の毒な被害者 外道な犯人 ひどい動機 だいたい高遠のせい 金田一37歳エピソード項目 婚活パーティー 第4のファントム チャペル 苗字が珍しく普遍的
この呪われた島に再び惨劇の幕が上がる
実に面白いじゃないか……クックックック
『歌島リゾート殺人事件』とは、金田一一が解決した事件で『金田一37歳の事件簿』での最初の事件である。
単行本1~2卷に収録。全15話
登場する怪人は「ファントム」。
【あらすじ】
金田一一37歳。
高校時代、かの名探偵金田一耕助の孫として多くの難事件を解決してきたが今は小さなPR会社で働く、うだつの上がらないサラリーマン。
ある日、離島リゾートでの婚活ツアーの企画を押し付けられ渋々企画書を見ると、ツアーの舞台はかつて「オペラ座館」があったあの歌島。
「もう謎は解きたくない」と願いながらも嫌な予感は的中してしまい、謎の人物によってツアー参加者が次々と殺害されていった。
【以下ネタバレにご注意下さい】
【婚活ツアーの流れ】
シャンパンで乾杯→音羽ブラックPR社の伝統(裸)芸を披露→トキメキタイム(気になる相手の名前をカードに書いて箱に回収するというもの。カードに書ける名前は一人だけだで、気が変わったり書き損じがあった場合に備えて予備のカードが用意されている)→肝試し
【事件関係者】
婚活ツアーの参加者達
- 大竹比呂之
不動産業2代目経営者。45歳。
トキメキタイム中に肝試しをすることを明かされた際に20年前の3度の「ファントム」を名乗る殺人鬼による連続殺人の事を話しをして一をヒヤヒヤさせていた。
因みにこの時、「肝試し盛り上がりそう!ありがとうございます!」というまりんのフォローで過去の事はうまい具合に有耶無耶になっている。
傲慢な部分もあるが、ツアー責任者の一を気遣うなど気のいいところも見せる。
- 館林一樹
一級建築士。37歳。
スタッフであるまりんを合コンに誘ったり、酔っ払って他の参加者に絡もうとしたりと、素行に難あり。第一の殺人が起こった時にはジッチャンが解決した獄門島の事件を引き合いに出して見立て殺人ではないかと推測していた。
- 末次里菜
フリーアナウンサー。28歳。
館林が建築家と名乗った際に、ミーハーな発言をかまして一に呆れられていた。館林に「モデル上がり?」と聞かれるが否定している。
- 桜沢楓
IT企業派遣社員。27歳。第一の被害者。
仕事でも趣味の演劇でも出会いがなく今回のツアーに参加。
肝試しの最中に折り返し地点のチャペルで首に縄を巻かれ脈がない状態で発見されるも、一が他のメンバーを呼びにいってる最中に遺体が行方不明となる。その後、チャペルの裏手にある「ヴィーナスの鐘」が取り付けられた建物の中で首を吊るされた状態で発見された。
- 麻生早苗
看護師。27歳。
人の世話をするのが好きで趣味は料理とのこと。ただし、作ってあげる相手はいないらしい。
バスが揺れた時に一に胸を晒されてしまうハプニングに見舞われる。
肝試しの最中に倒れていた桜沢を発見し真っ先に脈を確認した(後で一も確認した)。
なお、同姓同名のセクシー女優が実在する。
- 小野塚哲也
ガソリンスタンド経営。39歳。
バスの中では麻生と話しこんでいたが、到着後は桜沢と想いあっていた模様。
肝試しの最中麻生と共に桜沢の死体を発見した。
- 黒木護
料理人。42歳。
どの女性がスペックが高いかを一に聞いていた。
因みにバツイチ。
- 星村のぞみ
薬剤師。32歳。
あまり酒は飲めないようで、黒木からワインを勧められた時には少しずつ飲んでいた。
- 辻亜矢芽
声優。30歳。
後述の鈴木から「際どいことやってんじゃないの?」と聞かれた時には「まあちょっとだけ」と答えており、後ろめたい過去があるようだ。
- 鈴木実
歯科医師。36歳。第二の被害者
イケメン優男。
落ちたシャンデリアで串刺しにされ殺害された。殺害される直前に怯えた様子で「いや…大丈夫だ 絶対気付いていないはず」と発言しており犯人の正体に心当たりがあったようだ。
「世界一性格の悪い男」というニックネームを持つ某プロレスラーの本名と同姓同名である。
本作の事件関係者の名前は、近年の『金田一』では珍しく、現実的で普遍的なものが多い。
ホテル関係者
- 冬木栄助
歌島リゾート支配人。
かつてのオペラ座館で起こった事件を知ってはいるが、それほど気にはとめていない。
【レギュラー陣】
音羽ブラックPR社
一が勤める何ともバカ正直なネーミングのPR会社
もう謎は解きたくないんだ…お前なら分かってくれるよな?
美雪…
ご存知主人公。
営業部の万年主任として色々と冴えない日々をおくっている。
もう謎は解きたくないと推理をするのを嫌がっているが理由は定かではない。
一の後輩で本作のヒロイン兼相棒枠。23歳。
婚活ツアーの企画に立候補し、一のアシスタントとして歌島に行くことになる。
一を出会う以前から知っている節があるようで時折意味深な発言をする。
明るい性格で機転が利くが少々空気の読めないところがあるのが玉に瑕。
- 内神田洋
営業部の課長で一の直属の上司。44歳。
歌島の婚活ツアー企画を一に任せる。
お荷物と化している一を快く思っていない。
- 鹿爪剛
営業部の部長で一の2ランク上の上司。52歳。
内神田の課に今回の企画を回す。
部下に対して威圧的に接するステレオタイプの重役。
- メグ、チハル、ユカ
営業部のOL達。単行本2卷では「営業部OL3人娘」と紹介されていた。
万年主任の一を小馬鹿にしており、陰口を叩いている。
金田一少年時代からの人物
- 七瀬美雪
ご存知一の幼馴染にして「少年」時代の相棒。
現在では大手航空会社のチーフパーサーになっており、世界中の空を飛び回る忙しい日々をおくっている。一と結婚しているのかは明確にされていないが、SNSで連絡を取り合ってはいる。
- 佐木竜二
ご存知佐木2号。
大手映像制作会社の課長になっている。肩書きのところに「金田一の高校時代の後輩」と書かれていることから不動高校に進学したことが分かる。
因みに美雪がチーフパーサーになっていることは彼の口から語られた。
- 村上草太
ご存知一の友人。
高校時代目指していた弁護士ではなく地元信用金庫に課長となっている。既婚者で子供も2人いるらしい。
- 明智健悟
ご存知イヤミ警視。
階級が2ランクアップし警視長になっていた。かつての事件での醜態を考えるとギャグみたいな話だが、そこはまぁマンガの都合ということで…。
下をつついて船を出させるよう一に頼まれるも、「警視庁捜査一課の判断として船を出せないならば私がそれを強要するような命令を部下達に出すわけには行きません」と言って頼みを拒否した。
乗り気でない一に事件の謎解きをするよう促す。
- 剣持勇
ご存知剣持のオッサン。警察を既に退官している。
一の頼みに応じて昔の部下にツアー参加者の身元を調べさせその中に二人ほど怪しい人物がいることを一に伝えた。
その他
- 森下桃香
一の隣人でシングルマザーの主婦。
推定バスト92㎝ Eカップ。
一に夜這いを妄想されている。
- 森下走野
桃香の息子で小学5年生
一の妄想を見透かしておりバカにしている。
【以下事件の核心】
動機…ね…!
私が見聞きした殺人の動機は過去の『罪』や根深い怨念が多かったけど、あなたの場合はもっとシンプルだ。
ただジャマだから殺した――でしょ?
連続保険金殺人重要参考人、麻生早苗さん!
- 麻生早苗
今回の事件を起こした犯人「第四のファントム」。
実は連続保険金殺人の重要参考人であり、今回のツアーに参加したのも「獲物」を漁るためだったと思われる。
参加者の一人である小野塚に目を付け「獲物」にしようと接近する。その過程で小野塚と懇意になっていた桜沢が邪魔になり彼女を殺害。
その後、鈴木がかつて取り逃した獲物であることを感じ取り、殺害して口封じをした。
ちなみに見立ては完全にその場のノリで施しただけであり、特に深い意図は無かった。
しかし、それ故にメッセージカードの綴りを間違える*1という初歩的なミスを犯してしまい、一に場当たり的な犯行である事を見破られてしまった。
- 桜沢楓
小野塚に好意を持っていたという理由だけで殺害された可哀想な被害者。
最初に倒れた状態で発見された時には実は生きており、肝試し中にドッキリを仕掛けるので協力してほしいという麻生の嘘を受け、ゴルフボールを使い脈を止めていた。
一に脈を確認された後で本当に殺害され、遺体を吊るされてしまった。
- 鈴木実
かつて自分を殺そうとした結婚詐欺師と再会してしまった運の悪い可哀想な人。
お互いの風貌がガラリと変わったため*2最初は気づかなかったようだが、麻生が行きのバスで胸をホロリとした時に自身が好きだったほくろが見えたことで薄々と疑念を感じ、更には桜沢が殺害されたことで確信に至ったようである。
金田一世界において医療関係者は悪徳医師やマッドサイエンティスト等の問題児が多く登場するが、彼の場合過去に何かやらかした訳でも性格に難がある訳でも無く、特にこれといった問題点が描写されていない珍しいパターンである。
過去に何があった事を匂わせていたが、具体的にそれが何なのかが明らかにされずに終わってしまった。
あるいはそれが過去に結婚詐欺師に殺されそうになった事だったのかもしれないが。
- 金田一一
関係者全員を集めるつもりが犯人一人しか来ないという大変危険な中で'*3謎解きを開始し麻生の犯行を暴いたが、ぶちギレた麻生に殺されそうになりまりんと共に島の崖っぷちまで追い詰められる。しかも麻生は柔道の有段者であり、こちらは自身が運動不足の中年であり、ヒロインが某推理漫画の彼女と違い格闘技に長けてる訳でもないので、反撃しようものなら100%返り討ちに遭ってしまう。まさに絶対絶命の状況で、もうダメかと思った次の瞬間…
ん?な…なんだこの音は
バババババババ……フォォォォ
え?え?何コレ!?
ご苦労さま
あ? あ…明智サン!
明智健悟
警視庁のヘリコプターは出せなかったので自衛隊の軍用ヘリで参上し麻生を逮捕した。事件はひとまず一件落着となった。
翌朝、一の目に飛び込んできたのはカップルが成立した参加者達の姿であった。
大竹比呂之 -末次里菜
黒木護 -星村のぞみ
小野塚哲也 -辻亜矢芽
以上のカップルが成立した。
- 大竹比呂之-末次里菜
「悪いのは犯人であなた方は悪くない。」とはじめたちをフォローしていた。
末次は初めての事情聴取に興味津々になり、大竹の男らしい一面が見れたと話していた。
2人ともまたこのリゾートに行けるのを楽しみにしているようだ。
- 黒木護-星村のぞみ
肝試しのペアを決めるカードにはそれぞれ別の人の名前を書いていて、ペアが発表された時は内心驚いていたが、こんな形で付き合うことになりお互いを知ることができたと結果的には2人とも満足していた。
- 小野塚哲也-辻亜矢芽
小野塚は金田一が真相を暴いてくれたおかげで麻生の餌食にならずに済んだことに感謝しきりだった。「ホントによかったー!」
桜沢の件についても悲しみに暮れていたが「ボクには亜矢芽さんがいるから!」と前向きな様子だった。
小野塚はアニメヲタクで、昔辻が出演していたアニメが好きでその話で盛り上がっていた。
辻は昔アニメ現場で色々あってやさぐれていたことを話したときに、優しい言葉をかけてくれた小野塚に惹かれ思い出しては赤面していた。
事件中は色々あったが、今回上記の3組のカップルが成立することになった。彼らがこれからも末永く幸せであることを願いたいところである。
- 館林一樹
彼だけあぶれてしまった。はじめが謎解きをした夜麻生から電話で「あなたの部屋に行くわ❤️」と言われ、期待して待っていたが無駄に終わってしまった。
だが「次こそカワイイ子ゲットだぜ!」とリベンジに燃えていた。
【事件解決後…】
- 村上草太 佐木竜二
二人して酒の席で一をからかっている。
一がサラリーマンになってからめっきり事件に絡んでないのがここで語られている。
- 七瀬美雪
事件解決直後、一にメッセージをおくっている。
今回は直接の登場はなかった。
- 剣持勇
休日に一と釣り堀に行って逮捕された麻生の様子を語っている。
- 麻生早苗
自分がやった犯行の数々をペラペラと喋りまくり、取り調べの捜査員をゾッとさせている。一や剣持の言うとおり相当なキワモノで「少年」時代には見られなかったタイプの犯人である。そしてこの犯人の裏には"あの男"の影があった…
3人の足音ー
それぞれ"古なじみ"のものだ…
だが
"一人はだいぶ懐かしい人"ですね…!
長い付き合い
でしたのに
ねぇ?金田一君…!
高遠遙一
ご存知一の宿敵。
未決囚として拘置所の特別重要犯拘置区画に収監されている。
今回の事件の犯人である麻生に弟子として「アルテミス」の名を与え知恵や資金を与えていたことが判明する。*4
明智は他にも十人の弟子がいるのではないかと推測している。
高遠は「仮にいたとしても彼らはすでに自分の手を離れている。」と否定していたが、それが一番厄介なことである。
自分のことを喋った麻生に対して「失望した」と言っていたが…
麻生早苗
母親が差し入れたという使い捨てコンタクトレンズを付けた後、眼から涙を流しながらのたうち回り、その後死亡した。
コンタクトレンズの裏側に猛毒のVXガスが塗られてあったらしい。
行動理念や今回の犯行動機を見るに「金の亡者」と言うべき極悪人なのは確かなようだが、
コンタクトレンズが母親から送られたと聞いた時には、あまり母親から優しくされた経験が無かったことが伺える発言をしており、そういう意味では憐れな人物だったのかもしれない。
金田一一
高遠が今でも"地獄の傀儡師"であるという事実に不安を覚えながらも日常に戻っていった。
それでも「もう謎は解きたくない」と思っていたが、その際に「金田一君助けて…」という言葉が脳裏をよぎっていた。
かつては持ち前の正義感であらゆる難事件に立ち向かっていた一だが、謎を解きたくないと思う理由はこの台詞にあるのだろうか…?
【余談】
ストーリーは原作者から言及があるように映画ジュラシック・ワールドを意識している。
※かつて人が大勢死んだ島がリゾート地になっている。(歌島リゾートとジュラシック・ワールド) ※主人公とヒロインが島をリゾート地にした会社に勤めている。(音羽ブラックPR社=マスラニ社) ※事件が起きてそれに対応する主人公とヒロイン。(一&まりん、オーウェン&クレア) ※物語のラストでお偉いさんが派遣した自衛隊=海軍がやってくる。(ジュラシック・パークⅢのラストでお偉いさんが呼んだ海軍が救援に来るオマージュ) ※事件後は主人公と客らが全員、船で島を撤退する。 ※事件の犯人を手引きしたのがそれぞれある天才であるなど。(高遠は麻生に整形するための資金提供=ウー博士はインドミナス・レックスの遺伝子操作)
さらに言えば、実は明智警部の事件簿及び雪夜叉伝説殺人事件に似通った所が度々見受けられる。
※元相棒や知り合い絡みの過去のトラウマが原因で暗い性格になった主人公と何も知らない好奇心旺盛な準主人公がイベントで関わり始める。(明智は小林や高木たちとのことで冷徹な性格になり、ドッキリTVの手伝いに来た一と知り合う=一は美雪や玲香たちのことでネガティブな性格になり、婚活ツアーでまりんと組むようになる) ※事件が起きた際、新しい相棒に忠告する。その後新しい相棒に反論される。(明智は一に「捜査は遊びじゃない」「興味半分で首を突っ込まないでほしいね」と言うも、一に「俺はそんなこと考えてない」と反論される=一はまりんに「探偵の助手になったら命が幾つあっても足りないよ」と言うも、まりんに「主任が守ってくれます」と反論される) ※解答編で新しい相棒に何か起こった時、咄嗟に助けに入る(明智は一が崖に向かった際、引き返すように言う=一はまりんが麻生に殺されそうになった際、必死で助けに入る) ※主人公と準主人公の年齢差が一回り以上である。
実は歴代のファントムの中で、自分から「ファントム」と名乗ったのは麻生が初めてである。 初代ファントムの有森と二代目の能条はオペラ座の怪人になぞらえ事件を起こしたが、自らを「ファントム」とは名乗っておらず、三代目のレオナは自らを「ファントムの花嫁」と名乗っていた。
追記・修正は婚活ツアーに参加してからお願いします。
*1 ネットの翻訳ツールで翻訳した文章をそのまま使用していた。*2 鈴木は冴えないデブで、麻生は柔道の重量級で優勝するほどの体格。
*3 麻生が事前に中止になったと全員に嘘をついて回っていたため
*4 犯行に直接関わっている訳ではない
コメント
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多摩木並みのエゴイストじゃん。
剣持警部の殺人の多摩木と並ぶイカレ犯人だなw
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