モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-

ページ名:モンテ_クリスト伯 -華麗なる復讐-

登録日:2018/06/21 Thu 17:22:19
更新日:2024/02/26 Mon 13:47:38NEW!
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モンテ・クリスト伯 ドラマ ディーン・フジオカ フジテレビ 復讐劇 最後に愛は勝つ 巌窟王 黒岩勉 木曜劇場 華麗なる復讐 現代アレンジ もんてくりくり 18年春ドラマ





それは、震えるほど美しい復讐劇




『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』は、フジテレビ制作のテレビドラマ。
2018年の春クールに放送され、全9話(最終回のみ2時間)
主題歌は主演であるディーン・フジオカの『echo』



原作は同名の小説。ただし舞台は1800年代のフランスから2000年代の日本、登場人物の名前も日本風アレンジされにそういった意味では黒岩涙香の『巌窟王』に近い。
登場人物の職業なども現代風に置き換えられているが、中盤にかけてまでは非常に原作に忠実に物語が展開していく。
SF風にアレンジされた『巌窟王』とはまた違う方向で、入門編ともいえる。


ただし最終回に近づくにつれて原作との差異が増えていき、結末は完全に原作と異なる。



余談だが、放送前にtwitterなどで『#もんてくりくり』というどこか気の抜けたハッシュタグが用意されていたが、第一話での拷問シーンと主演であるディーン・フジオカの怪演に視聴者(特に原作の知識が全くない人間)が騒然となる自体が発生した。



登場人物


モンテ・クリスト・真海の関係者

柴門 暖/モンテ・クリスト・真海
演:ディーン・フジオカ


主人公。原作におけるエドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯(エド“モン・ダン”テス)
静岡の守尾漁業で働く船乗りで、嵐に遭難した際でも船を応急補修し星を頼りに帰還するなど腕利きなのも原作と同様。
2003年、遭難中に亡くなった前任の船長から預かっていた手紙がラデル共和国のテロ組織『ククメット』と繋がるもので、それが原因となりテロ組織への協力者としてラデル共和国に移送されてしまう。
拷問の結果何もしらないことがわかり放置されていたが、脱獄しようと穴を掘るファリア真海と出会い、様々な知識を教授され、その死の間際にシンガポールの隠し金庫を預けられる。
その後、脱獄し莫大な遺産をもとに日系の投資家『モンテ・クリスト・真海』と名乗って2018年に日本に帰還。自らを陥れた者たちへの復讐を開始する。


暖と真海の顔が同じなのにすみれ以外誰も気付かないのはツッコんだら負け。



ファリア 真海
演:田中泯


原作におけるファリア神父。
ラデル共和国の元大統領。クーデターによって投獄され20年以上にも渡って投獄されていた。
脱獄のために穴を掘っていたが失敗して暖の独房に入ってしまい、以後暖と協力しながら脱獄を目指すようになる。
神父だった原作と違い態度に粗暴さが見られるがやはり知識は豊富で、最終的には暖を自らの息子と認め、母子家庭で育った暖もまた彼を父親と呼ぶようになる。
死後は原作と異なり、暖の手で脱獄のための坑道の奥深くに埋葬された。



土屋 慈
演:三浦誠己


真海の秘書。原作におけるベルツッチオ(ベル“ツッチ”オ)
元々素行が悪い人間で、盗みに入った屋敷で偶然目にした入間の埋めた子供を掘り返し、近くの電話ボックスに遺棄した。
今では全てを知るように振舞う真海に恐怖しながらも仕事は完璧にこなす出来た人間。
入間が再び安堂を殺すだろうことを見越して追跡し、その命を二度も救った。
真海が出身地としているシンガポールには行ったことがなく、真海は「いつか連れて行く」と約束する。



安堂 完治
演:葉山奨之


アパレルブランド立ち上げを夢見る青年。原作におけるベネデット/アンドレア・カヴァルカンティ(“アンド”レア・カヴァル“カンティ”)
22年前に入間と留美の間に生まれた不義の子で、土屋に掘り起こされてからは養護施設で育った。
闇金に手を染めていたりと人間として最底辺の生活をしていたが、真海の手引きで留美と引き合わされ肉体関係を持つようになる。
寺門と真海の屋敷に盗みに入った際、それを止めようとする留美を強姦しようとした寺門を殺害。指名手配されるが留美の手引きで逃走する。
両親の秘密を明かされ、入間を頼って海外に脱出しようとするが……



天野 満
演:柳俊太郎


安堂が借金をしていた闇金融『F&Dファイナンス』の職員。
その正体は真海の個人資産管理を任されたスイス銀行の職員。Fはファリア、Dは暖のイニシャルである。



柴門 恵
演:風吹ジュン


暖の母親で、原作におけるエドモンの父ルイ。
女手一つで暖を育て、2003年頃には車椅子生活だったが息子とすみれの結婚を誰よりも祝福していた。
しかし暖が逮捕されテロリストの仲間と報道されると心無い人間に脅かされるようになり、すみれを慮って関係を絶ち孤独死した。
葬儀はすみれの手で執り行われ、石造りの墓標も用意された。



南条家とその関係者

南条 幸男
演:大倉忠義


暖の友人で俳優志望の青年。原作におけるフェルナン・モンテゴ(フェル“ナン”)
表向きは暖のことを親友と呼んでいたが、船乗りとして成功し幼馴染のすみれを奪っていった暖に嫉妬しており、神楽から聞いた手紙の件で暖を告発した張本人。
2018年には役者として大成し、すみれとの間に娘にも恵まれ人生の絶頂期だったが、真海と関わって以降隠してきた過去が襲いかかりだし……



目黒 すみれ
演:山本美月


暖の婚約者。原作におけるメルセデス(“メルセ”デス)
亡くなった両親から引き継いだ喫茶店の店主。暖が結婚式から連行された後は署名活動に尽力していたが徒労に終わる。
恵の死後、死んだと聞かされた暖の後を追うつもりだったが南条に言いくるめられ最終的に結婚。現在は料理研究家としてメディアにも出演している。
原作同様、真海の正体に一目で気付いた唯一の人物。



南条 明日香
演:鎌田恵怜奈


南条とすみれの娘。原作におけるアルベール(“ア”ルベール)だが年齢、性別ともに改変されている。
舟遊びの最中に助けてくれた真海のことをヒーロー視している。
ある意味では原作におけるエドゥワールの役割を一部引き受けている。



江田 愛梨
演:桜井ユキ


南条のマネージャー。
就任して半年ほどだが公私に渡って南条家を支えている有能な女性で、明日香とも仲がいい。
だが、その正体は香港のスター俳優ショーン・リーの娘エデルヴァ。原作におけるエデ。
南条が原因で両親が殺され自身も人身売買によって地獄を見てきたため、真海の復讐に率先して協力するが時にその憎悪がもとで勝手な行動に出ることがある。
しかし、明日香とかつての自分を重ねてしまい……



ショーン・リー
演:ジョーナカムラ


香港スター。原作におけるアリ・パシャ。
妻が日本人で香港に渡り端役で共演していた南条にも家族ぐるみで交流するほど好意的だったが、困窮からマフィアと関係を持った南条に家を荒らされる。
その際偶然予定より早く帰宅した結果、マフィアに妻もろとも殺され、世間的には一家失踪として扱われることとなった。
彼が抜けた穴埋めとして南条が抜擢されたことで、現在の地位を築く足掛かりとなる。



ダニー・ウォン
演:葉山ヒロ


香港マフィア『ヴァンパ』の構成員。
ショーン・リー殺害の先導者で、真海の策略でその件が暴露される気配を察知し渡日。
家族を人質に南条に黒幕を探させるが、先手を打って部下を買収していた真海の指示で不意を打たれ処理されてしまった。




神楽家・神楽エステートとその関係者

神楽 清
演:新井浩文


守尾漁業の船員で暖の先輩。原作におけるダングラール(ダン“グラ”ール)
自分を追い越し出世する暖に嫉妬し、暖が預かっていた手紙のことを南条に話して密告するきっかけを作った。
暖が逮捕された後は守尾漁業を退職し、地上げ屋を経て建設会社『神楽エステート』を起業し事業拡大に成功したが、金のためならあらゆる手を辞さないその本質によるところが大きい。自分の手を汚さないそのやり口は真海から「最も悪質で残酷」と非難される。
真海によってただでさえ冷え込んでいた家庭が完全に崩壊し、真海の正体に勘づくも牛山に裏切られ……



神楽 留美
演:稲森いずみ


神楽の妻。原作におけるエルミーヌ(エ“ルミ”ーヌ)
22年前まで入間の愛人だったが子供の死をきっかけに別れ、木島の紹介で神楽と結婚したが木島とのパイプが狙いだった神楽との関係は冷め切っている。そのため原作のユージェニーにあたる存在はいない。
牛山に頼んで若い燕を連れ込んでいたが、真海の紹介で出会った安堂に惹かれ、死んだはずの息子だと知った際は近親相姦のショックに母としての愛情が勝り、安堂のためにアクティブに動く女性として一皮むける。
その変わり様は真海をして「私の計画における誤算」と認めるほどで、最終盤に祝福としてある書類を手渡す。



牛山 直紀
演:久保田悠来


神楽の秘書。
金の亡者で妻のことも顧みない神楽に虐げられる留美を慮っていた。それがきっかけで終盤から真海の策に乗ることになる。



木島 義国
演:嶋田久作


神楽と繋がりのある衆議院議員。
かつて留美を愛人としていたが神楽とのパイプをより強固にするため紹介した。現在でも癒着は続いており神楽が頭の上がらない数少ない人物。



入間家

入間 公平
演:高橋克典


警視庁公安部に所属の警察官。かつて愛人だった留美曰く「誰よりも保身のために生きてる人」。原作におけるジェラール・ド・ヴィルフォール(ヴ“ィル”フォール)
南条の告発で暖が預かっていた手紙を受け取るが、宛先が自分の父だと気付き保身のために焼却。ラデル共和国に暖を引き渡した張本人。それがきっかけで2018年には刑事部長にまで出世している。
権力欲の塊のような男で「父とは違う強く、正しい人間になりたかった」と本人は言うが、その『正しさ』は結局のところ自分の身の安全と権力欲でしかなく、真海に「父親の優しさは受け継がれなかった」と揶揄される。
南条家の騒動から真海の正体に気付き指紋を採取することで確証を得るも、逆に安堂の存在を持ち出され再び保身のため書類を焼却する羽目になる。
そして保身のためなら手段を選ばない性質を留美に見込まれて安堂を国外逃亡させようとするが……



入間 瑛理奈
演:山口紗弥加


公平の後妻。原作におけるエロイーズ(“エロイ”ーズ)
薬学部出身でそばアレルギー持ち。未蘭の家庭教師だったが前妻の死後塞ぎこむ未蘭に真摯に向き合ったことが縁で入間と結婚する。
しかしその実態は入間と結婚するために薬学の知識と入間の性格を利用して前妻を殺した殺人者。さらに貞吉の遺産を独占するために出口や未蘭、貞吉さえ殺害を目論み、身動きのとれない貞吉に嬉々として計画を語るサイコパス。
しかし入間への愛は嘘ではなく、夫婦と息子三人で幸せになりたいという想いだけは何よりも真実だった。



入間 貞吉
演:伊武雅刀


入間の父。原作におけるノワルティエ・ド・ヴィルフォール(ノワル“ティ”エ)
『TIファンドマネジメント』の代表で、クーデターにより政権を奪われたテロ組織『ククメット』を真の指導者だとして影から支援していた。ファリア真海とも人柄を知られる程度には付き合いがあった。
協力者を引き渡せというラデル共和国の要請に対しても毅然と応じるつもりだったが、入間が保身に走ったため難を逃れる。その後は脳梗塞で倒れ全身麻痺で眼球以外動かすことができなくなる。
視線誘導アプリでの会話は可能で、『未蘭に望まない婚約をさせるなら30億の遺産を全て寄付に回す』と遺言に付け加える、真海の「かつて柴門 暖を売ったのは誰の意思か」という問いに「全て私のせいだ」と答えるなど、やや独善的な面はあるが保身狂いの入間の父とは思えないほど人格者。



入間 未蘭
演:岸井ゆきの


入間の娘。原作におけるヴァランティーヌ(ヴァ“ラン”ティーヌ)
大学院で海洋生物学を学んでいたが、入間からは研究を打ち切り結婚することが幸せだと強要されている。
飼っていたダボハゼのつがいを求めて市場に出向いた際に出会った信一朗に惹かれるようになるが、かつて暖が所属していた守尾漁業の関係者ということで入間は関係を妨げようとする。
信一朗との食事中に倒れ、真海が信一朗に事前に手渡していた薬を飲んだ途端に泡を吹いて意識を失い……



入間 瑛人
演:宇都宮太良


入間の息子で未蘭とは腹違いの姉弟。原作におけるエドゥワール(“エド”ゥワール)
原作同様甘やかされて育ったため我が儘で姉に対して邪見に当たる面もあるが、敬語で挨拶できる程度には良識も弁えている。
原作でのエドゥワールはエロイーズの心中に巻き込まれたが……



出口 文矢
演:尾上寛之


未蘭の婚約者。原作におけるフランツ・デビネー(“フ”ランツ・“デ”ビネー)
外務省官僚で元マレーシア駐在員。真海の根回しで帰国し、貞吉に遺産を相続させないと言われても婚約を進めようとする入間に同調していた。
しかし、援助金横領の事実を把握していた真海に「遺産を相続した後で結婚すれば問題ない」と唆され、欲目から貞吉を殺害しようとするが一手早く瑛理奈の手にかかり毒殺される。
その後は自宅で殺人があったという噂が立つのを厭った入間の手により心不全という形で処理された。




守尾家

守尾 栄一朗
演:木下ほうか


守尾漁業の社長。原作におけるピエール・モレル(ピ“エー”ル・“モレ”ル)
彼自身は『ククメット』とは何の関わりもなく、暖が逮捕された際も恵やすみれたちに協力していたが神楽の退職もあって事業が傾き、2017年の秋に亡くなった。



守尾 信一朗
演:山城琉飛→高杉真宙


英一朗の息子。原作におけるマクシミリアン・モレル(マク“シ”ミリア“ン”)
2003年当時は暖のことを「暖ちゃん」と呼び慕っていた小学生。その後傾きだした守尾漁業を必死に支えたが1億の負債を抱えて倒産。その直前に脱獄して浮浪者のような姿の暖を助け、その時に貸し与えたパーカーが父の葬儀後に1億の小切手が入った状態で人知れず返却されていたことで難を逃れる。
以降はそのパーカーを『幸運を呼ぶパーカー』と呼んで大事にし、父の伝手で富永水産で働いていたところダボハゼを探していた未蘭と出会う。




その他

寺門 類
演:渋川清彦


暖たちの学生時代の先輩。原作におけるカドルッス(“カドル”ッス)
原作では隣人で飲んだくれの仕立て屋だったがこちらではたちの悪い地上げ屋で、暖の逮捕後も柴門家の土地を買い上げるための嫌がらせをするなどより悪人として描かれる。
南条を追い落としたい神楽に大金で依頼され、刑務所仲間の安堂と真海邸に盗みに入るが、安堂を止めようとした留美を疎ましく思い強姦しようとする。
三人で揉めている間に安堂によって刺され、近くの森に埋められるがかろうじて息があり、現れた真海に全てを暴露され慄きながら死亡。



富永
演:高橋努
信一朗が勤務する「富永水産」という水産会社の社長。守尾とは旧知の仲。
いつも信一朗の事を気にかけている。






























以下、終盤における各家の末路(ネタバレ注意)





















南条家

神楽エステートのライバル企業が政治家の妻のご機嫌取りに南条を起用したことで、神楽は南条を排除しようと考え真海の入れ知恵でヴァンパとの関係を探り出す。
それを疎ましく思ったダニーに脅迫され、南条は真海が裏で暗躍していたことを突き止めるが、すみれに問い質され過去にショーン・リー一家に起きた悲劇を白状する。
その時はこれからは自分も支えていくと言うすみれだったが、後に真海から全ての発端となった暖の逮捕の真相を聞いて南条の本当の悪行を知り、真海によって過去がマスコミにリークされた南条は全てを失う。
正体を明かしたエデルヴァに勧められて首吊り自殺を図るも、明日香と過去の自分を重ねてしまったエデルヴァに助けられ一命を取り留める。
目を覚ました南条はすみれを脅迫し、真海邸に向かう。




神楽家

安堂 完治に熱をあげた留美に忠告する神楽だったが、母としての自覚を得て開き直った留美はそんなものお構いなしに行動を開始する。
南条の末路から、神楽は入間と共に真海の正体が自分たちが陥れた暖であり、これは自分たちへの復讐だと感づいて入間に真海の排除を頼むなど、相変わらず自分の手を汚さない行動に走る。
牛山の裏切りによって拉致されると、かつて暖が監獄で受けた暴行や水攻めといった拷問を受け、さらに神楽エステートに警察の手が入り、自身は世間的に焼身自殺したことになっているニュースを見せられるなど精神的に衰弱していく。


一方の留美は安堂に母親らしいことをしてあげられなかったことを悔い、お守りにと腕輪を渡して入間に後を託すが、入間から腕輪を渡すよう言われたと返却されたことで再び息子が殺されたと確信する。
そこに真海が現れ、入間と安堂のDNA鑑定の結果と1枚の写真を受け取り、ある場所へ向かう。




入間家

留美に頼まれて安堂を高飛びさせようとした入間だったが、実際は人気のない港で折り畳み警棒を使い安堂を暴行、山中に埋める計画だった。
しかしその行動を予期し尾行していた土屋によって、かろうじて生きていた安堂は掘り返され病院に搬送される。
翌日。毒殺を繰り返す瑛理奈に離婚を突き付け、本格的に真海を排除するためにラデル共和国に連絡を取ろうとしていた入間が目にしたのは、テレビ中継されていた寺門 類殺害事件の捜査会見に留美が現れ、安堂 完治が入間 公平の子であり、二度に渡って息子を殺そうとした事実を暴露する様子だった。
慌てて自宅に戻り、荷物をまとめて瑛理奈と瑛人、三人でどこか遠くで暮らそうと言う入間だったが、絶望した瑛理奈は既に例の毒を飲んだ後だった。
大量の血を吐き絶命した瑛理奈を後に貞吉の部屋に向かうとそこには真海の姿があり、妻も娘も、名声すらも失ってしまった男は笑いながら庭にスコップを突き立てる狂人に成り果てた。
残酷にも破滅してしまった夫婦の様子を貞吉と真海、そして幼い瑛人は静かに見つめているのだった。


その頃、信一朗は未蘭が回復したことで喜ぶが、それは真海による策で、保身のために毒殺を隠蔽し続ける入間に反感を抱いていた医師を抱き込んでの狂言だったのだ。
そして医師が預かっていた真海からの手紙。そこに書かれていた小切手と同じ"Monte Crist S."のサインと、かつて助けた浮浪者が小学生の頃に暖ちゃんとしていたハイタッチのような挙動をしたことを思い出し、信一朗は真海の正体に辿り付いた。




最後の晩餐

土屋に約束していたシンガポール行きの航空券をエデルヴァに託し、「望めばまた会える」と約束した真海。
大量の可燃液を撒いた屋敷に残ったのは、エデルヴァに薬を盛られ拘束された南条、既に気力も尽き果て同じく拘束された神楽。
そして、真海に招待されたすみれだった。
余興としてかつて暖とすみれの結婚式で流された、KANの名曲『愛は勝つ』を使ったフラッシュモブのビデオを見る四人。「自分たちだって努力してきた」と開き直る神楽、「必死で忘れようとしていた」と誤魔化す南条。
そして復讐をやめるよう諭すすみれに、真海は「すみれが全てを捨て、自分と一からやり直すのなら復讐は終わりにする」という条件を突き付ける。
それに対するすみれの答えは、「真海さんと結婚する」というものだった。
それを見て「最後に愛は勝つ」と悟った真海は、ただ一言結婚式の日と対照的に静かに「万歳」と呟き、二人の拘束を解くとすみれを含めて屋敷を後にさせる。
そして、「楽しかった」と自ら火を放った――











待て、しかして希望せよ

モンテ・クリスト・真海こと柴門 暖の復讐劇は明るみに出た。
入間 公平は医療刑務所に送られ、南条 幸男はショーン・リー夫妻殺害の疑い、神楽 清は贈収賄の疑いでそれぞれ逮捕された。
真海を助けようとした南条、すみれを連れて避難した神楽ともに、取り調べに対して暖の行方はわからないと答えた。


いつもの堤防で海を眺める信一朗と未蘭。その手には真海からの手紙が握られていた。
そこにはたった一行のメッセージが書かれていた。


"Attendere e sperare"
「待て、しかして希望せよ」


そして、どこかの海岸の波打ち際を歩く一人の男と、彼を見つめる女の姿が――






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  • 面白かった。 -- 名無しさん (2018-06-21 18:35:40)
  • 伊武さん目だけであんだけその時その時の感情表せてて凄いなって感じた、まさに目で訴えかけてくるような迫真の演技だった。 -- 名無しさん (2018-06-21 19:59:23)
  • めぐみって誰?すみれと恵が混ざってる…? -- 名無しさん (2018-06-24 13:55:43)
  • 南条と神楽はゲスだわな・・・取調べのシーンであきれてしまった・・・あとエイトのガキは強烈な親のDNA受け継いでいるからにらみつけるシーンは怖いしミランに「死ね」といっておもちゃの銃向けるなど将来に不安しかない。 -- 名無しさん (2018-06-26 09:59:11)
  • うまくまとめられてるけど、登場人物のところwikipediaのコピペじゃない? -- 名無しさん (2018-06-28 12:42:59)
  • ↑2神楽は知らんけど南条に -- 名無しさん (2018-07-01 21:12:25)
  • 原作モンクリのアレンジってほとんどの作品でエドワールが生き残ってるけど、役自体をなくさないのはやっぱり先妻の子をいじめる後妻の動機として実子がいた方が自然だからなんだろうか -- 名無しさん (2018-07-02 08:26:34)
  • 呉島兄弟がいる -- 名無しさん (2018-07-03 05:29:07)
  • スカットのイヤミ課長が善人だったレアなドラマ。 -- 名無しさん (2018-07-03 09:31:52)
  • 幸男は愛梨のことは逆恨みしてるかな? 大体この手の話だと復讐されてすべてを失った人間が自分の所業を横に置いて逆恨みするのが -- 名無しさん (2018-08-24 21:07:42)
  • (続き)デフォだけど。しかし、幸男の自殺の際同情的な意見が多いのにはどう思えばいいのか・・・(まあ、ショーン一家については自分に手引きしただけ。だと言い聞かせることによって自分を保ってたんだろうけど)。 -- 名無しさん (2018-08-24 21:08:49)
  • ↑逆恨みはともかく、幸男自身昔愛梨を見捨てたり、暖を嵌めた事を必死に忘れようとして罪悪感に苛まれたり(それでももう取り返しがつかない事として割り切っている節はあるが)していたし根っこから悪人になりきれていない所もあるから、同情的意見はその辺りに集まったんじゃないかな -- 名無しさん (2018-08-25 00:44:39)
  • 安堂や未蘭は留美さん(多分牛山さんも一緒だと考えていいと思う)や信一朗がいるからちゃんと立ち直れると信じられるけど・・・(すべての真相が明らかになれば加害者と加害者家族とはいえ2人に同情的な人は出て来るだろうし)スタッフにもその後を心配される瑛人は本当に復讐鬼にならないか心配なんだけど。父親だけじゃなく母親の犯罪も晒されるのは想像に難くないし。 -- 名無しさん (2018-08-25 01:23:44)

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