戦士(FINAL FANTASY XI)

ページ名:戦士_FINAL FANTASY XI_

登録日:2017/11/12 Sun 04:07:45
更新日:2024/02/15 Thu 13:47:21NEW!
所要時間:約 21 分で読めます



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MMORPG『FF11』に登場するジョブの一つ。
シリーズ1作目から登場するFF伝統のジョブであり、11においてもサービス開始当初から登場する最古参ジョブの一つである。


ゲーム開始時に誰でも最初から選ぶことができる*1スタンダードジョブの一つでもあり、最初は戦士から始めました、というプレイヤーも多いのではなかろうか。


しかしFFシリーズの戦士は伝統的に「ナイトの下位ジョブ」と言った立ち位置が多かったが、11の戦士はナイトと上下関係がない全く別のジョブになっている。


むしろ性能的に言うと、I~Vまでの「重戦士系ジョブの完成系」だったナイトから防御面を抜き出したのが11のナイトであり、攻撃面を抜き出したのがこの戦士と呼べるかもしれない。




◆「どんなジョブなの?」

一言で言えば「重前衛のスタンダード」と呼べる存在。
最も得意な武器は両手で持つ「両手斧」だが、他にも格闘、短剣片手剣両手剣片手斧両手鎌両手槍、片手棍、両手棍、、射撃、投てきと実に13種にも渡る武器スキルを持ち、これは全ジョブ中ぶっちぎりで最多


基本的には武器による物理属性攻撃を得意とするアタッカー(攻撃役)で、暗黒騎士竜騎士といったライバル達が持つ「搦め手」が少なく、いわば正統派な重装備アタッカーと言える。


しかしかといって不器用なのかと言われるとそんなこともなく、むしろ多彩な装備と実用性の高いアビリティによって、重前衛アタッカーの中では飛びぬけて高い汎用性を持つ。


そしてスタンダード故に火力が低いとか器用貧乏なんてこともなく、状況によっては普通に最強クラスの火力を発揮できる強力なアタッカーでもある。


またサービス開始当初に専門のタンク(盾役)ジョブがナイト一職しかいなかったためか、限定的なタンク機能も持ち合わせている。




◆「どんなところが優れてるの?」

まず特筆すべきは、その圧倒的な武器バリエーションからくる対応力の高さ
FF11における武器の物理属性は「斬」「突」「打」「格闘」「遠隔」の5種類に分かれているのだが、これらの属性を単独で全て使いこなせるのは戦士ただ1人。
このため「敵の弱点属性やギミックにあわせて武器種を持ち変える」ということが、かなり現実的に可能なジョブとなっている。


またライバル達に差をつける大きなセールスポイントが、タンク用アビリティ「挑発」の存在。
これは目標の敵対心を一時的に大きく上げ自分に敵の攻撃を集めるというアビリティで、タンクをやる際には必須に近いもの。
これを素で持っている戦士は、他の重前衛と違ってサポートジョブを防御に優れた忍者魔導剣士にすることが可能で、タンク性能では大きくライバル達を引き離している。


また暗黒騎士、侍、竜騎士といった重前衛ライバル達に比べると「単純であるが故の安定性」もまた大きな長所となる。
他の重前衛たちはアビリティや魔法、ペットNPCなどの自己強化効果に戦力を大きく依存していることが多く、それらが使えない状況ではその戦力が大幅に下がってしまうことがある。
これに対し自己強化アビリティが少なく魔法も一切使えない戦士はそういった心配がないので、どんな状況であってもそれなりの火力を出しやすいのだ。


さらにちょっと別角度ではあるが、「サポートジョブ」として非常に優秀なのも見逃せない。
サポートジョブとは、メインジョブの半分のレベルだけ別のジョブの能力を併せ持つことができるという11独自のシステムで、例えばLV99忍者のサポートジョブに戦士を選べば、LV49までの戦士の性能を発揮することが可能になる。


戦士は条件なしで火力を底上げできるジョブ特性、単純だが優秀なアビリティ、タンク性能を大きく引き上げる「挑発」など、前衛アタッカーのサポジョブとして極めて優れた性質を持っている。
「前衛ジョブがやりたければ、まず戦士のレベルを上げろ」とすら言われるほど。




◆「んじゃ欠点は?」

持っている武器スキルが多彩と言うことは、それを上げるために多大な時間を要するという事であり、装備できる武器防具が豊富ということは、これまた長大な時間をかけて集めなければならない事でもある。


よって戦士の長所である汎用性を最大限に発揮しようと思えば、ライバル達と比べてもかなり長めの時間を要することになる。


また多彩な武器属性を使いこなせるとはいっても、他前衛と同様のレベルで使えるのは両手斧、片手斧の2種ぐらいであり、殆どの場合は斬属性アタッカー+αとみなされることが多い


よって打/格闘属性が必要ならモンクが、突属性が必要ならシーフや竜騎士が、遠隔属性が必要なら狩人やコルセアが……といった感じでそれぞれの専門家ジョブにお呼びがかかりがち。




◆「世界観的には?」

「鎧を着て、剣や斧や槍などの武器を使って戦う」戦士は、設定的にも全ての白兵戦職の基本であり、もう「ジョブ」と呼ぶのに値するのかわからない程普遍的な存在である。
……かと思いきや、鉄器を嫌うタルタル族、身軽さが身上のミスラ族やヤグード族、近東の「使者の軍団」やキキルン族など、戦士がメジャーではない勢力も意外と多かったりする。


まあそれはともかく、ヴァナ・ディールにおいて最も代表的な戦士と言えば、バストゥーク共和国の主力軍、共和軍団の重装歩兵ということになるだろう。


今をさかのぼること200年ほど昔の天晶歴691年。
第一次ミスリルラッシュによって空前の繁栄を謳歌していたバストゥーク共和国は、経済摩擦が原因で北の大国サンドリア王国との戦争に突入した。


この戦役の決戦となった第二次コンシュタット会戦では、第二共和軍団の重装歩兵隊は常に戦場となったコンシュタット高地の中央で戦線を支え、一度も崩れることなくサンドリアの主力槍兵部隊を圧倒。共和国の勝利に大きな役割を果たしたのである。
これ以降第二共和軍団の重装歩兵は精強な戦士団として各国に勇名を轟かせ、わけてもその中核である擲弾兵は精鋭中の精鋭として共和国軍の切り札として活躍してきた。


そして彼らにも劣らぬ勇名……いや悪名高きを知られているのが、クォン大陸北部に進駐しているオーク帝国軍の戦士たちである。


北のラゾア大陸に本拠を持つこの大帝国は、その名の通り*2オークによって構成された国家であり、「老若男女全てが戦士」として知られる超好戦的覇権国家である。
もっともこの場合の「戦士」というのは一般名詞としての戦士であり、モンクやナイトや暗黒騎士、狩人や黒魔道士といったジョブも含まれてはいるが、ジョブとしての「戦士」もまたオーク軍団の一角を占めている。


オーク戦士は一般に知能が低く、武器も骨や岩をあらっぽく加工した粗雑なものであることが多いが、慈悲や怯懦を死よりも恥じるその豪胆さ、戦いと殺戮をなにより尊ぶ戦意、そして並ぶものなき腕力はまさしく脅威の戦士と呼ぶにふさわしい。
サンドリア王国は既にノルバレン領の大半をオークに奪われ、王都が存在するロンフォール地方にすら砦の築城を許してしまっているほど。




◆「戦士48の必殺技」

バーサク(アビリティ)
自身にバフステ(強化状態)「バーサク」を付与するアビリティ。バーサク状態では攻撃力がアップし、防御力がダウンする。
上昇量はLV99時には実に30%にも及び、この手のアビリティとしては全ジョブ中最も強力な補正を持ち、戦士の火力を大きく高めてくれる。
一方で防御力の減少も-25%となかなかに凄まじいので、攻撃がきそうな状況で使用するのは危険。



ディフェンダー(アビリティ)
自身にバフステ「ディフェンダー」を付与するアビリティ。バーサクとは逆に防御力がアップし、攻撃力がダウンする。
主にタンクとして振る舞うためのアビリティで、物理防御力アップと攻撃力ダウンの数値はバーサクのそれを逆転させたもの。



挑発(アビリティ)
前述の通り、敵からのヘイトを一時的に引き上げるアビリティ。
ある意味では戦士の最大の個性とも言えるアビリティで、このおかげで戦士は重要戦術の一つ「タゲ回し」、すなわち敵のターゲットを前衛の間で順番に回していき、1人に攻撃が集中して死ぬのを避ける戦術が大得意。
サポートジョブでも使えるため、忍者やナイトといったタンクジョブは、基本的にこのためだけにサポ戦を選ぶのが常道となっている。



ダブルアタック(ジョブ特性)
一定確率で通常攻撃を二回連続で行う(ウェポンスキルの場合はヒット数が1増える)というジョブ特性。
覚えたてのLV25時では10%の発動率だが、レベルアップでランクが上がるごとに発動率が上がり、現在では育成や装備を整えると最終的に発動率100%、つまり通常の2倍のDPSが実現可能となる。
これを使用時のみ効果を発揮するアビリティではなく、常に効果出ていて途切れることがないジョブ特性として備えていることが戦士の強み。



マイティストライク(アビリティ)
発動時間中、すべての近接物理攻撃がクリティカルヒットとなるアビリティ。
メインジョブが戦士の時だけ(サポートジョブでは不可)、かつ1時間に1回だけ使える「SPアビリティ」と呼ばれる特殊なアビリティである。
効果は単純だがそれ故に状況を選ばない強力な火力増強アビリティであり、発動中は何者も及ばない超火力を発揮できる。
ただし効果時間はデフォルトで45秒とかなり短く、まさしく「切り札」的な存在。



フェルクリーヴ(ウェポンスキル)
スキル300、LVで言うと80で覚えられる両手斧WS(ウェポンスキル)。
両手斧WS中唯一の範囲WSで、範囲内にいる複数の敵を同時に攻撃できるすぐれもの。
ゲーム内に存在する物理範囲WSの中では一強と言っていい強大な火力を持ち、雑魚モンスターを大量に集めてこれで一掃する「フェルクリ狩り」も存在する。



ランページ(ウェポンスキル)
スキル175、LVでいうと53で覚えられる片手斧WS。
そのレベルまではイマイチ地味な印象が否めない片手斧を一気に主力に引き上げてくれる強力なWSで、「サポ忍・二刀流・ランペ」は一時期戦士のテンプレとなるほどだった。
片手斧WSとしては大変長いこと最強の座に君臨していたが、Lvキャップ99後に実装された「ルイネーター」の登場でついにその座を降りた。



ウコンバサラ(武器)
膨大な時間と手間をかけて作る、所謂最強武器の一種「エンピリアンウェポン」に属する戦士専用両手斧。
グラフィックは勿論専用に作られた長柄の斧なのだが、よく見ると刃の部分がない。本来刃があるべき部分は青い石の塊になっており、つまり完全に鈍器。属性はきっちり斬属性だが。
武器としての高い基本性能は勿論、近接攻撃の与ダメージに対して重要なステータス「STR(腕力)」に+50(※最大強化状態)という怒涛のブーストがかかり、物理火力を劇的に引き上げてくれる逸品。
また装備中は最強クラスの威力を誇るWS「ウッコフューリー」が使用可能になり、かつウッコフューリー使用後は「アフターマス」と呼ばれる火力増強状態になるなど至れり尽くせり。



シャンゴル(武器)
エンピリアンウェポンと同じく最強武器の一角である「イオニックウェポン」に属する戦士専用両手斧。
ウコンバサラは刃部分が鈍器になっているだけで形そのものはしっかり斧のそれだったが、こちらは最早誰がどう見ても斧には見えまい。……仏具?捕具?
まあ形はともかく、武器としての性能は文句なしで高い。カタログスペック上の単純なDPSこそウコンバサラに劣るものの、連携(WS同士の特殊コンボ)を意識した戦闘での火力はこちらに分がある。



ファイターアーマー(防具)
各ジョブに存在する専用防具「アーティファクト(AF)」の戦士版。
AFはそのジョブの看板イメージとも呼べる防具であり、シリーズにおけるそのジョブのイメージを集積したような感じになっているが、露出度高めな古代ローマ兵士風にまとめられた戦士のこれは大分毛色が違ってみる。
まあとんがり帽子の黒魔道士や白いフードの白魔道士に比べると、戦士のイメージってあんまり固定されてないし……
性能面では……正直微妙と言うか何というか、完全なるタンク特化防具。火力に寄与する性能が殆どないどころか、強力な敵対心+補正のおかげでアタッカーとしてはむしろマイナス効果の方がでかいという有様。
この為AFの中では人気がない方だったが、近年になって実装されたLV99対応の強化版「パメラーアーマー+1」はガラリとアタッカー向けにシフトしており高評価。




◆「プレイヤー的な意味での戦士の歴史」

※ここからはややディープな用語が登場します。



1 『レッドロータス時代』

サービス開始当初、戦士はタンク・アタッカーのどちらとしても使える位存在としてかなりの人気を誇っていた。
特に初期のパーティプレイにおける戦術は「連携」、即ち前衛同士のWSによるコンボと、それに合わせた黒魔道士のコンボ「マジックバースト」を主力ダメージ源とすることが多かった。
このため様々な武器種を使える戦士は、片手剣WS「レッドロータス」による核熱連携、両手剣WS「パワースラッシュ」による湾曲連携など、様々な連携に対して柔軟に対応できる点が評価されていた。


さらに物理命中率が不足気味だった当時、両手斧WS「シールドブレイク」の有効性が高かったことも見逃せない。
これは威力こそ高くはないが、敵の回避率をダウンさせる追加効果があったため、パーティ全体の命中率=火力を引き上げることができた。
当時は両手武器そのものが不遇とされた時代だっただが、このWSのおかげで戦士だけは堂々と両手斧を振り回すことができたのである。


またランクこそ低いものの、射撃スキルを持っていた点も有利に働いた。
これはクロスボウの弾の一種である「アシッドボルト」が、命中時に敵の防御力ダウンという非常に優秀な追加効果を持っていたため。


とまあこんな具合で「挑発によるタンク」「多様な武器を使った連携」「シルブレによる回避ダウン」「アシボルによる防御ダウンも」とぶっ飛んだ多機能ぶりを存分に発揮していたのがこの時期の戦士だった。



2 『ランページ時代』

しかしサービスが開始されて数年が立ち『ジラートの幻影』『プロマシアの呪縛』といった追加ディスクが出てくると、PT戦での戦術も様変わりしてきた。
特にプロマシアの後半あたりから、それまでPT戦の中核を担っていた黒魔道士の地位が下がり、同時に黒魔道士のマジックバーストを前提にした連携の重要度も低下していくことになる。


このため前衛は即撃ち、つまり各々が最も都合のいいタイミングでWSをぶっぱする戦術が主体となり、連携属性の多さを持ち味としていた戦士も没落の道をたどる。


…かと思われたが全然そんなことはなく、むしろ前衛アタッカー中最強クラスの地位にあった。え?当時の最強はぶっちぎりで狩人だった?あれは遠隔アタッカーだからノーカンだし!
というのも当時は圧倒的に両手武器<<片手武器なバランスであり、また片手武器において最大火力を出せるのが戦士の得意武器である片手斧、特にその主力技である「ランページ」だったため。



3 『レイジングラッシュ時代』

そして3枚目の拡張ディスク『アトルガンの秘宝』の実装後も、戦士はなお最強クラスの地位を降りてはいなかった。
当時流行していた高速戦闘戦術では「空蝉の術・片手武器二刀流・タゲ回し」が理想的な条件とされていたのだが、これを完全に兼ね備えていたのは忍者(サポ戦)と戦士(サポ忍)のみだったのだ。


またこの頃、片手武器に対して一方的に劣っていた両手武器にようやく調整が入り、高レベル戦士のメインウェポンとして両手斧が躍進する(ただし片手斧もまだまだ強かったので併用されていた)。
忍/戦と戦/忍を前衛として構成されるメリポPT(※)、通称「仙人(せんにん)メリポ」で両手斧を持った戦士がレイジングラッシュを撃ちまくるのが定番の風景となった。



レベル75以上で経験値を得ると「メリットポイント(メリポ)」に変換され、それを消費することでジョブを強化できるシステム。
このメリポを稼ぐためのPTが、つまりメリポPTである。
とにかく膨大な経験値が必要とされたため、モンハンのハメ部屋を彷彿とさせるライン工めいた効率作業が求められた。



4 『ウッコフューリー時代』

そして2010年から実装された『アビセア三部作』において、戦士の地位はさらなる向上を見せる。
とりわけ大きかったのは前述のエンピリアンウェポン「ウコンバサラ」、さらにその専用WSである「ウッコフューリー」の実装だった。
これらは当初こそ高嶺の花だったものの、間もなく所得難易度が低い廉価版(所謂「コイン武器」)が普及し始め、多くの戦士がその超火力を手にした。


これとアビセアエリア内専用の火力増強効果が相まって、戦士の火力は爆発的に向上。
重前衛系のライバル達を押しのけ、忍者やモンクと並んで絶対的なアタッカー・兼タンクの地位を築いたのだった。


そして戦士にとってアビセアは、また別の面からも需要が大きいエリアでもあった。
アビセアエリアのNM(ボス敵)は、一定の条件下で特定のWS、魔法などを命中させることで報酬が激増する「報酬弱点」とでも言うべき特殊な報酬システムを持っていた。
武器スキルが豊富な戦士は他ジョブに比べカバーできるWSの数が圧倒的に多く、この弱点をつくためのジョブとしても引っ張りだことなったのである。



5 『アップヒーバル時代』

そんな具合に前衛の中で、いや全ジョブの中でも有数の地位を得ていた戦士だったが、『アドゥリンの魔境』が実装されると、その地位にも微妙に陰りが見えてきた。


まずこの時期の敵モンスターは、「突属性物理攻撃以外は90%カットします」「魔法攻撃は全属性完全無効です」と言った具合に特定の属性(=特定のジョブ)を用意しないと削れない、という特性を持っていることが非常に多かった。
これは当時はジョブ間の火力バランスが完全に崩壊していた点を考慮し、火力の低いアタッカージョブに無理やり出番を作るために用意された特性だったと思われる。


しかしこの特性は、もくろみ通りにジョブの活躍の場を増やすのではなく、むしろ決定的に狭めることとなった。


というのも、よりにもよって当時の最強アタッカーだった暗黒騎士とモンクの2ジョブが、それぞれ「相手の物理属性耐性を無視してダメージを与える」手段を持っていたからである。


だが本来なら「突属性が通るんだったら槍を使うぞ!」「打属性に弱い敵には片手棍でレルムレイザーしたる!」という柔軟な武器の持ち替えこそが戦士の真骨頂であり、このような状況にも対応できたはず。
しかし当時は「アイテムレベル(IL)制(※)」が導入されて間もない頃で高IL装備のラインナップが乏しく、その多様な武器スキルを活かそうにも肝心の武器がなかったのだ。


汎用性が売りの戦士が汎用性の低さ故に席を奪われるという屈辱的な事態に、多くの戦士たちが枕を涙で濡らすこととなった。




「キャラのレベルではなく、装備のアイテムレベルが上がることで強くなる」システムのこと。
端的に言えば「アイテムレベル100の装備をすればLV100相当の強さになり、アイテムレベル110の装備をすればLV110相当の強さになる」という感じ。
基本的に「コンテンツレベル」制との連携を前提としているもので、
「レベル100の装備でレベル110のコンテンツに挑戦→報酬でレベル110の装備をもらって、レベル120のコンテンツに挑戦→…」
と言った感じの階段状のゲームデザインを構築する。


運営・開発側がプレイヤー側の実情を把握・管理しやすく、コンテンツの実装を効率よく行えるという利点がある。
コンテンツ主導型の第二世代MMORPG(かのWorld of Warcraftとか、日本で言えば新生FF14とか)でよくみられるシステムである。


理論上は効率的なシステムだが、各クラス(ジョブ)ごとの独自色が強すぎるFF11に組み込むにはあまりに無理があった。
このため実装当初からプレイヤーからの非難を浴び続け、現在では実質的に撤回されている。



6 『氷河期』

しかしアドゥリンも半ばを過ぎた頃になると、もっと深刻な事態が戦士を、いや戦士を含めたすべての前衛を襲った。


・余りに硬くなりすぎたナイトに対抗するため、敵の攻撃性能が上がりすぎたこと
・後方からの手厚い支援を受けられるフルアライアンス(18人)コンテンツが減り、1PT(6人)コンテンツが増えてきたこと
・こちらの手数が上がりすぎ、敵のTP技を連発させてしまうようになってきたこと
・敵の強力な攻撃の発動を阻害する「スタン」に耐性を持つ敵が増えてきたこと


などの様々な調整が複合的に作用し、「ボス級の敵に対しては、アタッカーが接近することそのものが危険」という古い原則が再び思い出されてきたのである。


このため遠距離攻撃の専門家である狩人、本体が安全なところからペットだけに攻撃させられる獣使いや召喚士などが大きく地位を伸ばし、逆に戦士を含めた前衛はメインストリームから遠ざかることになる。


さらに長きに渡って「アタッカー(笑)」「報酬弱点専用ジョブ」などといった嘲笑に耐え忍んできた黒魔道士が、幾多の強化を経てついに復権。
その絶大な火力と安全性によって、前衛たちをまとめて蹴落として絶対的なエースの座に君臨したのだった。


こうして「アタッカーは基本的に黒と学、魔法が通じない敵の場合は狩人やペットジョブ」というのがスタンダードになり、戦士を含む前衛はすっかり環境から脱落してしまったのである。



7 『現在』

それまでの鬱憤を晴らすかのような黒魔道士の絶対王権は、数年に渡って続いた。
しかし幾度かの調整の後に流石にその絶対性も揺らぎ、現在では敵の耐性やコンテンツによって前衛や遠隔、あるいはペットジョブと、緩やかな住み分けができるようになってきた。


そしてそんな復権した前衛たちの中では、戦士は総合的に見て、かなり恵まれた地位にある
現在はガチャ系(リアルマネー式ではない)装備の充実や、ジョブポイントという新たな育成ポイントの実装などで、各ジョブの成長限界が非常に大きい状態……つまりキャラの育成に天井知らずで時間がかかる状態となっている。


このため赤魔道士青魔道士の様に「潰しがきく」ジョブは利便性が高く、前衛ジョブとしては抜群に汎用性が高い戦士もこの例に漏れない。


さらに現在の主流コンテンツ「アンバスケード」では、敵が月ごとに更新と言うこともあって毎回大胆にジョブを選ぶ敵になっていることが多く、戦士の対応力の高さが発揮される機会も多い。
無論ライバル達と比べ単純な火力面での性能も申し分なく、暗黒騎士と並んで重前衛の中ではツートップの火力を誇っている。




◆「有名人」

「オレは戦士だ!ミスリル銃士隊のNo.5!今度、門番って呼んだら怒るぞ! 」

「ナジ」Naji (NPC)

ヒューム♂。バストゥークの大統領府直属独立特務部隊「ミスリル銃士隊」下っ端戦士。
ミスリル銃士隊は軍全体から選抜されたエリートによって構成される少数精鋭の部隊で、彼はこれに歴代最年少で合格した優秀な戦士……のはずだが、限りなく三枚目寄りのキャラなので威厳はまったくない。


普段は大統領府の警護任務、つまり門番として建物の前に突っ立っているため、バストゥーク出身のプレイヤーにとってはとても身近な存在。
その人気の故か、イマイチ目立たないバストゥークキャラの中では出色の出番を誇り、殆どの拡張ディスクでストーリー上に顔を出している。


ちなみに最初に実装された戦士型フェイス(お助けNPC)でもあるが、特に硬いわけでもないのにタンクとアタッカーの中間のような半端な戦士らしい動きをするため、若干状況を選ぶ。
盾を持たずに突剣を構え、取り敢えず感覚で挑発をし、しかも何故か攻撃属性が突でなく斬な彼だが、取り敢えず前衛が欲しい。と言う漠然ととしたリクエストには悪くはない無難な性能と言える。



「私が子供だったときに 君のような熱い冒険者に会っていたら、冒険者を目指していたかも知れない。」


「アイアンイーター」Iron Eater (NPC)

ガルカ。ナジと同じくミスリル銃士隊の一員で、彼の先輩にあたる。本名は「パグダコ」という。
ナジと違い生真面目で落ち着いた軍人らしい性格だが、人当たりは穏やかで柔軟性も高く、堅苦しさは感じられない。


バストゥークではガルカは多数派であるヒュームに差別的な扱いを受けており、両者の間には根深い対立がある。
そしてガルカの身で共和国軍の精鋭部隊員に出世したアイアンイーターは、「出世頭」であると同時に「裏切者」でもあり、二種族の板挟みになって悩むことも多い。


フェイスとしても実装されており、ナジの先輩なだけあって「普段は両手斧によるアタッカーに専念、プレイヤーのHPが減ると挑発して盾になろうとする」という一味違うクレバーな動きを見せる。




「この剣が、私の20年の答えだ!」

「フォルカー」Volkar (NPC)

ヒューム♂。ミスリル銃士隊の隊長。通称スネーク
20年前の水晶大戦でもミスリル銃士隊に所属していたベテラン銃士で、実力と人格を兼ね備えており大統領の信頼も篤い。


……のだが、プレイヤーからの印象は「地味」の一言に尽きる。
FF11ではほとんどのNPCが汎用フェイス(プレイヤーキャラが使えるのと同じタイプの顔)である中、ミスリル銃士隊唯一の専用フェイスが用意されているのに地味
ミッションやクエストでちょこちょこ活躍はするのに、やはり地味
立ち位置やキャラがアイアンイーターと被り気味なのに、彼ほどの出番がないせいだろうか……


フェイスとしても実装されているが、性質的には片手剣を使うナジの強化版といったところで、性能はともかくやはり地味
ついでに開発から「全フェイス中一番使用率が低い」ことをばらされた挙句、それをネタにいじられた。ひどい。




「いいか。ここでは、私が絶対である!貴様らウジ虫には、なんの価値もない。貴様らの階級もくそくらえだ!」

「ロンジェルツ」Rongelouts (NPC)

エルヴァーン♂。アトルガン皇国の傭兵派遣会社「サラヒム・センチネル」社に所属するアメリカ海兵隊一等軍曹。
かつての水晶大戦ではサンドリア王国軍の将校として活躍した歴戦の勇士だが、戦傷で両手を失ったため前線を退き、現在はセンチネル社の士官養成学校の教官を務めている。


↑の台詞からもわかるように例の教官の濃厚なオマージュキャラであり、2クエストだけのチョイ役にも関わらずプレイヤーたちに強い印象を残した。傾注~~~~~~!!


その人気のためか、なんと続く拡張ディスク『アルタナの神兵』のレギュラーキャラとして抜擢。
赤い肩ならぬ赤い帽子がトレードマークの「鉄羊騎士隊」を率いる、現役時代の活躍を目にすることができる。


またフェイスとしても実装されており、攻撃特化で挑発を行わないタイプの戦士になっている。しかし両手が義手、武器も竹刀なのにその火力の高さは一体……




「白なのに!?ほら!こういう人がいるから(装備が)回ってこないんだよ!」

リディル中村」(PC)

エルヴァーン♂。
レベルキャップ75時代、激レア装備であった片手剣「リディル」を所有していた廃人戦士。
本人の主張によれば「当時はまだリディルが強いと思われていなかった時期で、誰も欲しがらなかったのでもらえただけ」とのことだが、
これは端的に言って「オリンピックの決勝戦で、俺以外のランナーがみんな転倒したから金メダルが取れた」というにも似た主張である。
オリンピックの決勝戦に出ている時点で十分な選手、いや廃人プレイヤーだったことに間違いはなく、説得力はあまりない。
なお、プロマシアの呪縛で一度見切りを付けて引退し、その後復帰はしたものの声優業が忙しくなったためやめてしまったらしい。




※「君は、両手斧のかなりの使い手らしいな。どうだ? ひとつ、これを追記:修正してみないか……? 」



(他ジョブの項目へ)


【スタンドードジョブ】
戦士モンク白魔道士黒魔道士赤魔道士シーフ
【エキストラジョブ】
ナイト暗黒騎士・獣使い・吟遊詩人・狩人
【ジラートジョブ】
忍者竜騎士召喚士
【アトルガンジョブ】
青魔道士コルセアからくり士
【アルタナジョブ】
踊り子・学者
【アドゥリンジョブ】
風水士魔導剣士


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  • シルブレ時代!シルブレ時代はないの!?と思ったけど当時の現役として体験が濃かったから印象に残ってるだけで意外と特筆するほどのことじゃなかったんだろうか。当時は猫も杓子もシルブレシルブレだったんだが。 -- 名無しさん (2017-11-24 03:59:25)
  • シルブレ無双はジラート前~中期の40以降らへん専用需要でしたから、レタス時代に補足するくらいでしょうかね(50以降の敵スキル伸びが3→5+-になってた影響)。あとはアルタナ拡張前のアトルガン時代は一応はサポ忍無双でランページ天下の継続だったこと…ですがこっちはまあ別に。 -- 名無しさん (2017-11-24 08:50:56)
  • しかし楽しい記事ですね。両ジョブとも扱ってる身分として眺めていてわくわくする。有難うございます。 -- 名無しさん (2017-11-24 08:57:06)
  • シルブレ時代はちょっと期間が短かったようだから省略しちゃってたけど、やっぱいるみたいだから追加しました!実は建てた人はアルタナ~組だったりするので、ぜひ皆で追記を・・・・ -- 名無しさん (2017-11-24 19:10:41)
  • パメラーアーマーはファイターアーマーの打ち直しなわけだが… -- 名無しさん (2017-11-27 12:21:01)
  • 素でウォリアーとファイターを間違えていた故に修正してケジメのちセプクします -- 名無しさん (2017-11-30 23:13:27)
  • オデシーでは、その多様な武器を扱えること、サポが無効なことから重用される。斬なら両手斧か片手剣、打なら片手根、突なら両手槍を無理なく扱える万能さは戦士の強みよね。火力もWSよりは通常攻撃寄りではあるけど高いし -- 名無しさん (2023-01-07 02:37:04)
  • 最近戻ってきた復帰組ですが、シルブレ時代について少しだけ。当時はスシなんかなく、狩対象の敵の回避があまりに高すぎた。その中でもシルブレの属性が氷だったこともあり、氷弱点で怖い技もないカニに対して戦士はシルブレ、シールドブレイクで敵の回避を下げる事を求められた。これのおかげで他の前衛がようやく攻撃が当たるようになるというバランスだった。しかし狩る敵のレベルを落とすと獲得経験値が激減した時代なので、そういうわけにもいかなかった。ただでさえ次のレベルに上がるのにリアルで数日〜1ヶ月かかっていた時代なので、皆が経験値の多い敵を求めるのは必然だった。とは言え当時の経験値の最高取得量は200だったんだけれど(チェーンボーナスでわ最大に上げても350まで) -- 名無しさん (2023-01-07 02:43:23)
  • 現在は主力武器が両手斧のままだけど、ウコンバサラ(エンピリアン武器)とシャンゴル(イオニック武器)のどちらが最強か?と議論になったりすることも。エンドコンテンツではウコン派もシャンゴル派もいて半々って感じ。3倍撃のダブルアタックを量産してダメージを稼ぐウコンバサラ、片や殴りは弱いけどWS連発と連携ダメージに主眼を置いたシャンゴル。どっちも作るのが大変な武器だけど、戦士を頑張るならば苦労してでも作る価値のある武器だと思う。 -- 名無しさん (2023-04-08 02:10:45)

#comment

*1 ナイトや忍者などは一定条件を満たさないとジョブチェンジできない
*2 というかこの帝国の本来の名前は明らかになっていない。オーク帝国とはあくまで人間側の通称である

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