登録日:2012/10/14(日) 04:05:35
更新日:2023/08/31 Thu 13:18:34NEW!
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古畑任三郎 風間杜夫 古畑任三郎エピソード項目 成り済まし 不運 サザエさん サザエさん←火曜日 今泉慎太郎 ブッシュマン ボウリング 八王子市 高尾山 山荘 鍵 ヒッチハイク 留守番電話 気の毒な被害者 ついてない犯人 間違われた男 間違えられた男 落とし物
何をやってもついていない日ってありますよね。
しかし物は考えようで、一生の間に経験するツキっていうのは分量が決まっているって言います。
つまり大きいところでついている人は、その分細かいところでついていない…。だから決して挫けないようにして下さい。
ただですね、まれに大きなツキが来る前に人生を終わってしまう…ま、本当についていない人もいるそうで…。
えー、願わくばあなたがそうでないことを願って…。
『間違われた男*1』とはテレビドラマ『古畑任三郎』のエピソードの一つである。
第2シリーズの22話で、1996年3月6日に放送。
『古畑任三郎』シリーズはいわゆる“倒叙型推理作品”であり、あらかじめ犯人の正体と犯行の過程が描かれたうえで、
巧みなアリバイ…一見脱出不可能な密室…意外な凶器…等々犯人が用意した様々なトリックを刑事・古畑が小さな違和感、些細な失言を切っ掛けに、
一人の容疑者に狙いを定め追い詰めていくのがお約束になっている。
しかし、今回はそれらの要素はほとんど登場せず、たまたま被害者と面識があった古畑が、
たまたま出会った被害者を成り行きで殺してしまった犯人とたまたま遭遇し、
終盤にようやく殺人が発覚する…という他のエピソードと一線を画す作りになっている。
★あらすじ
雑誌編集者・若林仁は高尾山の山荘で妻の不倫相手の男を射殺するが、犯行現場からの帰り道で車のタイヤがパンクしてしまう。
若林はヒッチハイクで鴨田巌という男の車に乗せてもらうものの、鴨田のあまりの口の軽さから自分がここに来たことが発覚することを恐れ、
口封じに鴨田までもを殺害する。
鴨田が自宅に残した留守電メッセージを消すべく鴨田の家に向かった若林だったが、
無事にメッセージを回収して家から出ようとしたその瞬間、“犯罪者が最も相手にしたくない男”が扉の外で待ち構えていた…。
★登場人物(ネタバレ含む)
▼古畑任三郎(田村正和)
落とし物をしてしまい、その拾い主である鴨田の家を訪ねる。
以前、「署内対抗ボウリング大会で優勝した」と語っていたが今回ついにその腕前が明らかになる。
遺失物証明書を口で言わず四角く『アレ』と言ったり、鴨田が観たと言っていた映画を『ダイハード』のように語りながら実は『ブッシュマン』だったり、
鴨田が得意な筈のボウリングをさせてその反応を楽しむなど古畑さんマジドS。
▼若林仁(風間杜夫)
雑誌「月刊カドマツ」編集長。
「古畑任三郎シリーズで最も可哀相な犯人」としてよく名前が挙げられる。
なにせ…
- 人を殺した帰り道に車のタイヤがパンク
- ヒッチハイクで乗せてくれた男、鴨田は顔見知りだった上、凄まじいほど口が軽く、若林を車に乗せた事を口外しないと約束したのにも関わらず自分と会った事を平気で人に話す*2
- 口封じに鴨田を殺して一時的に彼になりすますが、鴨田がこれから会う約束をしていたのが古畑だった
- 予想通り古畑にしつこく付き纏わられ終始振り回される
- トイレはどこか聞かれて開けた
二択を当然のごとく外し、部屋は収納スペース - 当然自分の写真は飾られていないので古畑に怪しまれる。(自分は撮る専門だとごまかした)
- 「シゲル」という名前の家族を妻と思い、それで話を進めていたら「シゲル」から留守電がかかってくるが、実は「シゲル」は弟だったためガチホモを演じる羽目になる(古畑でさえドン引きしていた)。
- 電話がかかってきて当然出られないので怪しまれる。
- 留守電の「ただいま留守に~」の声が違うのでやっぱり怪しまれる。
- 留守電のなかで二人が保険証を共有していることがわかり、それが決定打になる。(保険証を共有できるのは肉親のみ)
- よって以降の演技はあんまり意味がなかったりする
- クリーニング屋さんが仕上がり品を届けに来てしまうのでビクビクしながら出てくる羽目に。(クリーニング屋が新人だったためなんとか事なきを得る。被害者の顔見知りだったら詰んでた)
- 古畑が突然テレビをつけ始めて、「サザエさん」のオープニングテーマがズレていたため被害者がわざと時計を進めて遅刻をしないようにしていたことを気づかれる。
- 古畑にお礼がしたいと言われタクシーに相乗りさせられ、古畑の仮病で薬を持っている体のボウリングをしていた今泉のもとへ向かわされる。
- 被害者がボウリングで優勝していたため1球投げさせられる。たまたまボウリングが得意だったのでやり過ごせた。
- ↑…しかし、古畑の本当の狙いは靴のサイズを探るためだったので結果は関係なかった。
- クリーニング屋さんが届けた服をパーティに出席する用の礼服と思っていたが、本当はホテルの従業員の制服だったためホテルマンを演じる羽目になる。
- 従業員名簿で被害者じゃないことが判明。
むしろなんでいままでだませていると思ったのか - 被害者の車は路駐していたが、変わったタバコを吸っていたため同じタバコがダッシュボードに置いてあったためトランクに隠しておいた遺体が見つかり殺人罪が確定。
- 自分の家の鍵を古畑の家の鍵とすり替えられており、それを被害者の家に鍵を置く際に間違えて置いたと勘違いして被害者の家へ戻ることになる。
- そこで逮捕。結局古畑は若林がどこの誰なのかも、何故本物の鴨田を殺したのかも知らないまま話が終わる。
と、冒頭で話した通り何をやってもついていないのである。
▼鴨田巌(小野武彦)
ホテルマン。
「基本的にいい人」と公言し、実際に多弁で明るく人好きのする人物で、古畑が落とした財布を親切に拾って届けてあげたり、タイヤがパンクしてしまい途方に暮れていた若林を快く車に乗せてあげる優しい人……なのだが、お喋りな性格が災いして余計な一言を口走ってしまい、口封じの為に殺されてしまうつまり、喋りすぎた男。若林とは、バリトンホテルでの花見先生*3の出版記念パーティーで話したことがあるらしい。
古畑の財布を拾ったことから、事件当日は遺失物証明書を渡しに古畑と会う予定だった。
シゲルと言う大学生の弟と二人暮らしで、シゲルは若林の雑誌の愛読者で、創刊号から全巻を持っている。
可哀想な人ではあるのだが、黙っておくと約束した事を舌の根の乾かぬ内にペラペラ喋りだすため視聴者によっては同情できなかったかもしれない。今の世の中だとバカッターやってホテルマンをクビになるタイプとも評されたり
▼被害者(清水昭博)
若林の妻の不倫相手。
若林に猟銃で撃ち殺された後、猟銃を手に持たせられ、現場の山荘の鍵を戸外からワイヤーで送り込まれる…という、密室での自殺を偽装された。
…が、自殺の偽装は解かれないどころか発覚することも無いまま犯人が捕まり全くの無駄になってしまった。
何をやってもついていない人っていますよね。
何を隠そう僕がそうです。
例えば、ここにパンがあります。これにバターを塗ります。
これを落とします。
こういうことってよくありますよね。だけど僕の場合100%の確率でバターを塗った面が下になっています。
ほらね。おかげで床はベトベトです。おまけにパンには絶対毛がついてます。
ほら。
【巡査・今泉慎太郎】
古畑任三郎第二期には「今泉慎太郎」というスピンオフショートドラマが深夜に放送されていた。
内容はたいてい古畑が解決した事件について今泉が桑原に愚痴るというもの。
この「間違われた男」が放送された日の深夜に放送されたのは「箱入り慎太郎の巻」。
★あらすじ
今日も古畑への愚痴をぶちまけにきた今泉。しかし桑原は仕事で忙しく相手にしてもらえない。
そこで今泉は大きな段ボールを発見。古畑を呼び出して驚かせようとするが…。
★登場人物
▼今泉慎太郎(西村雅彦)
巡査。子供っぽいことをいまだにしている。今日も愚痴をぶちまけにきたところ、段ボールを見つけ、古畑を驚かせようとする。
▼桑原万太郎(伊藤俊人)
警視庁鑑識課の技官。いつも今泉に愚痴を聞かされる。仕事が忙しいところへ来られて困っている。が、途中で悪ノリしたり、今泉のためにピエロになった。
▼古畑任三郎(田村正和)
警部補。今泉に呼び出されて桑原の部屋を訪れる。声も姿もない。
追記・修正はサザエさん(再放送)をみた方がお願いします。
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▷ コメント欄
- 可哀相な犯人ではあるけど、嫁の不倫相手やら成り済ましのために無関係の人間を殺したりとか、それに関して反省してない(総集編)など、かなりの悪党ではあるのよね、この犯人。 -- 名無しさん (2013-11-16 14:04:31)
- ホテルマンが口軽くって仕事になるのか? -- 名無しさん (2013-11-16 16:37:12)
- 鴨田さんの前に殺された人は迷宮入り? -- 名無しさん (2013-12-04 04:20:48)
- ↑3
そう?
不倫相手はやっぱり殺したくなるくらいムカつくよ。
鴨田については、殺される程…とまでは思わんが、
訳ありだってこともわかって、絶対話さないって約束した直後に
本人の目の前でべらべらと喋りだすし
痛い目見ても自業自得としか思えなくてな -- 名無しさん (2013-12-04 04:50:23) - ↑×2 若林が何故鴨田を殺したのか洗いざらい調べていけば発覚するんじゃないかな、鴨田家の留守番電話のカセットテープも結局処分できてないし -- 名無しさん (2015-01-09 16:12:44)
- カモタ殺しの前の事件はセットもやたら凝ってて、犯人も凄い手の込んだトリックを作ってるんだけど冒頭の数分で出番が終わりと言う前代未聞な可哀想な使われ方をしている -- 名無しさん (2015-08-09 01:44:24)
- この作品の良くできてるところは、冒頭で鍵を使った↑のトリックを施すんだけど、でも最後は鍵の罠で捕まるところだね -- 名無しさん (2016-04-20 00:59:19)
- 人違いネタは三谷幸喜お気に入りのネタで、どの作品にも必ずといっていいほどこういう回がある。 そもそも三谷がルーツと語る「サボテンブラザーズ」が「なりすまし」映画だし。 -- 名無しさん (2017-04-13 19:43:00)
- ダイハードを匂わせる罠は1作目に人質の振りをする件があったからだと思われる。 -- 名無しさん (2019-01-03 01:14:06)
- この回、CSでたまにやる再放送でもなぜかカットされる。何でだったっけ? -- 名無しさん (2019-05-21 16:41:58)
- ↑フジテレビ放送のサザエさんが出てることが原因。しかもこのサザエさん自体が謎解きにおいて重大な役割を持ってるからカットもできない。 -- 名無しさん (2019-06-01 23:46:08)
- 愛の形にはいろいろある -- 名無しさん (2019-12-13 00:25:16)
- 金田一少年の事件簿でも似たような事件があったな。でもどっちに対しても思うのは、なりすました人間が殺されちゃってるってこと。正直何の罪もないのに殺された人が可哀想で、コメディのノリに没入できない自分がいる。 -- 名無しさん (2020-01-24 18:47:20)
- 古畑の最後の台詞が「で、あなた誰なんですか?」なのが草 -- 名無しさん (2020-05-29 20:26:42)
- 相棒の詐欺師役もそうだったけど、風間杜夫はこう言う役がハマるね。 -- 名無しさん (2020-10-09 13:46:51)
- 鴨田さんのおしゃべりなホテルマン設定は90年代だから通った感じだな。今の世の中だとバカッターやって首飛ぶタイプのホテルマンだし、そんなのと遭遇したら若林は秒で詰みかねないw -- 名無しさん (2021-05-23 17:56:50)
- 名前が明かされないどころか最後までその存在を触れられる事すらなかった若林の妻の不倫相手…セリフがあった事が彼にとっての唯一の救い -- 名無しさん (2021-05-26 21:53:08)
- ここでのサザエさんには「作中世界の現在時刻が火曜日19時過ぎである」と証明する効果を持っているから、除去できないのだ。 -- 名無しさん (2021-08-27 19:03:37)
- なりすましには気づけても、空き巣が本人のふりをしてたぐらいで口封じの殺人までしてたとは古畑も気づかなかったろうな -- 名無しさん (2021-08-27 20:01:56)
- あーサザエさんネタで視聴者の混乱を招くから再放送されないのか -- 名無しさん (2021-12-26 09:05:57)
- 冒頭の偽装工作も不自然すぎるよな。猟銃自○には不向きな脇腹に銃創があってしかも左手に鍵を持ったままって。遅かれ早かれ捜査線上に登ってただろうね -- 名無しさん (2023-03-27 02:20:10)
- しかし目の前にいるどこの誰かも分からない男を現行犯以外で逮捕できるんだろうか?事前に逮捕状請求できないだろうし -- 名無しさん (2023-04-04 00:57:04)
- 不法侵入の現行犯ではあるんじゃないかな。 -- 名無しさん (2023-04-04 10:06:46)
- あと、制服勝手に持ち出してるから、窃盗犯も。 -- 名無しさん (2023-04-04 10:22:47)
- 終始コミカルな回ではあるがよくわからない理由で兄を殺された鴨田の弟の事を考えるとやるせない想いになる。 -- 名無しさん (2023-04-07 23:25:33)
- 傍から見たらよくわからんが、実際やられるとぶん殴りたくなる理由ではある。 -- 名無しさん (2023-04-08 18:22:59)
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*2 このとき鴨田は運転しながら携帯電話を使い若林を同伴していることを話しているが、このエピソードの初回放映当時の道交法では「ながら運転」が禁じられていなかった。
*3 第2シリーズ16話「ゲームの達人」の被害者。演・藤村俊二。
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