異世界迷宮の最深部を目指そう

ページ名:異世界迷宮の最深部を目指そう

登録日:2020/05/09 Sat 18:22:30
更新日:2024/05/17 Fri 13:08:54NEW!
所要時間:約 26 分で読めます



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小説家になろう 鬱展開 ヤンデレ web小説 異世界 鵜飼沙樹 異世界迷宮の最深部を目指そう いぶそう 割内タリサ




絶対におまえを助ける。そのためなら、僕は――!!



◇概要

『異世界迷宮の最深部を目指そう』は、オーバーラップ文庫より刊行されているライトノベル。
作者は割内タリサ。イラストは鵜飼沙樹が担当している。
2021年5月現在、既刊15巻、コミックス3巻が発売されている。


元々は、小説投稿サイト『小説家になろう』にて割内@タリサの名義で連載していたWeb小説。書籍化に際して一部内容が改訂されているが、物語の大筋はWeb版と変わらず、現在も『小説家になろう』で読むことができる。



異世界の迷宮に迷い込んだ主人公が元の世界へと帰還するため、到達すればどんな願いでも叶うとされる迷宮の最深部を目指すという、いわゆるダンジョン攻略モノなのだが、物語の中盤以降は迷宮攻略要素が薄くなっていき、ある章では迷宮の最深部を目指すどころか地上へと帰還するために迷宮を逆走することになる。とはいえ、迷宮は物語の中核であり続けるし、(理由はどうあれ)迷宮の最深部を目指すというスタンスは変わらないのでタイトル詐欺というわけではない。


本作の特徴として、壮大な伏線と普通ではない精神性を持つキャラクターたち、そして彼ら彼女らが織り成すヒューマンドラマなどが挙げられる。
レベルやステータスといったいわゆる「なろうテンプレ」も大きな伏線として組み込まれており、読者の死角を突く物語上のギミックがいくつも散りばめられている。
また、各章の終盤にある『理を盗むもの(詳細後述)』たちによる『階層宣言』と呼ばれる名乗り口上や、魔法の『詠唱』もキャラクターの魅力を際立たせている。


一応、主人公である渦波を中心としたハーレムものではあるのだが、ヒロインたちの愛が重い上、悉く心に爆弾を抱えているため、対応を誤れば渦波自身が凄惨な末路を迎えかねないという恐ろしいハーレムを構築している。実際、いくつかのIFルートではヒロインたちへの対応を間違え、バッドエンドを迎えている。


◇あらすじ

「異世界に迷い込んだ少年は見覚えのない暗い回廊で目を覚まし、魔物にも人間にも殺されかける。その後、彼は元の世界に帰還する為、迷宮の『最深部』を目指すことになる。世界に優遇された全てを利用し、才能ある仲間たちと共に、少年は『最深部』に向かって進み続ける。―そして、迷宮にて待つ『理を盗むもの』たちの『試練』を乗り越えたとき、『貴方』が理無き世界の真実に辿りつく」


(本編あらすじより抜粋)



◇用語

  • 異世界

本作の舞台となる世界。世界そのものに固有の名称はない。
主人公が迷宮に召喚されたのは異世界の暦で新暦1013年。


  • 迷宮

東の大陸である『開拓地』の中心部に存在する巨大遺跡。外観は濁った宝石に飾られた巨木の根元に古びた建造物がくっついたもので、内部は階層で分かれており、モンスターが出現する。
伝承では100層まで存在し、その『最深部』に到達した者はどんな願いでも叶うとされている。
本編開始時点で23層まで攻略されている。


  • 迷宮連合国

迷宮を囲む『フーズヤーズ』『ヴァルト』『グリアード』『ラウラヴィア』『エルトラリュー』の5国からなる連合国。その全てがレヴァン教を主教としており、迷宮を攻略することで利益を挙げようとした国々である。


  • 守護者ガーディアン/ことわりを盗むもの

迷宮の10の倍数層に配置されているボスモンスターたち。(一部異形化しているが)人の形をとり、意思疎通も可能など通常のモンスターとは一線を画す存在。守護者一人で連合国最強のパーティーをも圧倒する高い戦闘力をもち、仮に遭遇しても戦わずに逃げるべきとされている。それぞれが盗んだ理に応じて『〇の理を盗むもの』と呼ばれる。
理を盗んで以降、肉体か精神のどちらかに致命傷を受けると、一部が異形化する半死体化ハーフモンスター状態になる。
その正体は千年前に存在した元人間であり、生前果たせなかった未練が原因で不死身の存在と化している。未練が解消されると消滅する。



  • ステータス

個々人の能力を可視化したもの。『筋力』『体力』『技量』『速さ』『賢さ』『魔力』『素質』の7つの項目が存在し、素質を除いた項目はレベルアップする毎に上昇する。
また、『スキル』とその数値も表示され、こちらも数値が高いほどその技能に秀でている。


  • 素質

魂の純度とも呼ばれる数値。レベルアップ時のステータスの上昇幅に関係しており、この数値が高いほどステータスの伸びが良い。ポケモンの個体値
一般人は1.00前後で、2.00以降は人体に何らかの異常がある。
この数値は基本的に変動することはない


  • 数値に現れない数値

「運」や「勘」「心の強さ」といったステータスには表れない、曖昧なもの。人間の持つ本来の強さであり、この数値が高ければステータスの差を覆すこともある。『理を盗むもの』たちは総じてこの数値が低く、「人生の敗北を決定付けられた本質的弱者」とまで言われた。


  • 魔法

魔力を変換し、新たなる力へと変える行為を指す。千年前にレヴァン教の『聖人』ティアラが基礎を築いたとされている。
『火』『水』『土』『木』『風』の基本5属性に聖人が生み出した『神聖』、マイナー属性の『光』『闇』『次元』『星』『血』『無』など様々な属性が存在する。
魔法は魔法使いの血に刻まれており、覚える手段は先祖から受け継いだ先天的なものか、魔法の術式が刻み込まれた『魔石』を呑んで血に新しく刻むかの2種類しかなく、一般的には魔法を新たに創造することは不可能だとされている。


  • 代償

魔法を行使する際、何かを代償にすることで魔法の効力を底上げできる。詠唱のような詠んでいる時間を代償にする簡単なものから、精神への不可逆の変質をもたらす強力なものまで存在する。
『理を盗むもの』たちはいずれも何か大きな『代償』を支払うことで強力な力を手にしている。



◇登場人物


◆主要人物


相川渦波あいかわかなみ/ジークフリート・ヴィジター(Web版ではキリスト・ユーラシア)


本作の主人公。16歳の高校生。両親に俳優とアーティストを持つサラブレッドだが、スキャンダルで両親が捕まったため、妹の陽滝と二人暮らしをしていた。
迷宮に召喚されて以後は、妹が待っているであろう元の世界へと帰還するため、迷宮の『最深部』を目指し始める。
性格は優柔不断のお人好し。また、度を越えたシスコンでもあり、妹の幸せのためなら自身の命すら投げ出せるほど。慎重かつ臆病で、異世界では自分と同じ世界出身の人間を探すためにジークフリート・ヴィジター(キリスト・ユーラシア)という偽名を用いている。


素質が『7.00』と高く、魔力に特化している次元属性の魔法使い。その才能は次元属性に特化しており、他の属性の魔法を一切覚えられないはずなのだが、迷宮で目覚めたときからなぜか氷結魔法と剣術が使える。また、自分や他人の『ステータス』や『スキル』の数値、名称が視える『表示』、異空間に物品を出し入れできる『持ち物』、仲間に経験値が自動分配される『パーティー』といった非常にゲーム的なシステムの恩恵を受けている。
戦闘では、優秀な感知魔法である次元魔法『ディメンション』を軸に剣術や氷結魔法を用いる多彩な魔法使いタイプ。高い『ステータス』の影響も相まって、序盤から人類最強クラスの集団を圧倒できるほどの実力を持つ。負けないとは言ってない



ディアブロ・シス


金髪青目の中性的な見た目の少女。愛称はディア。一人称が「俺」であり、頑なに男を自称しているが、信じている人は少ない。
性格は一途で純真だが、幼少からのとある経験で価値観が捻じ曲がっており、金と力への強い執着を見せる。
渦波が働いていた酒場での出会いをきっかけに、渦波とパーティーを組んで迷宮攻略を開始する。


素質が『5.00』と渦波ほどではないが高く、魔力に特化している無属性の魔法使い。剣士を自称し、接近戦を好むが剣の才能は皆無。
戦闘では、火属性魔法の『フレイムアロー』による遠距離狙撃を用いる。『フレイムアロー』は火属性の中でも基礎的な魔法だが、ディアの高いステータスとスキルの影響で、直線軌道上のあらゆるものを蒸発させるレーザービームと化している。
その他に神聖魔法も使えるが、とある理由から使わないことを自分に課している。

その正体は『使徒』と呼ばれる特殊な種族。
生まれた時から羽を生やしているなどの異常性故に悪魔ディアブロと名付けられ、教会に預けられる。使徒としての責務を果たすため、身を削って神聖魔法を習得し人々を救っていくも、いつの間にか自身に弟ができていた事、両親が弟を溺愛していた事、そして両親さえも『使徒』としての自分を畏怖し親としての愛情を向けてはくれないという事実を目の当たりにし、国から離反。神聖魔法を封印する。剣への強い拘りも、過去の自分を捨て英雄譚の主人公に憧れたため。
その後、幼いころに読んだ物語の舞台である『迷宮』へとたどり着き、渦波と出会う。

『闇の理を盗むもの』ティーダとの戦闘で右腕を失う。
その最中、金と力を手に入れるという自分の願いよりも渦波のことが大切になってしまった事を自覚、死んでも使わないと誓っていた神聖魔法を行使し、渦波を援護する形でティーダを撃破。
これ以降は神聖魔法も積極的に使うようになる。
同時に渦波への重い感情を募らせていく



ラスティアラ・フーズヤーズ


白銀の髪と黄金色の瞳が特徴的な、絶世の美貌とプロポーションを誇る作中随一の美少女。連合国最大の国『フーズヤーズ』の大聖堂に住まうお嬢様。
性格は前向きかつ奔放、享楽主義的。ギリギリで今にも破綻しそうな人間を好むなど、かなり悪趣味な所がある。また、精神的にやや不安定な面があり、強気になったかと思えば急に弱気になるなど、歪な思考を垣間見せる。「英雄」になることに強い執着心を持つ。
主人公が迷宮に召喚されて死にかけていた所を助け、興味を持つ。その後「心躍る、英雄のような冒険がしてみたい」という理由からそれを叶えてくれそうな渦波のところへと押しかけ、やや強引に仲間になる。


素質が『4.00』と高く、ステータスも満遍なく高いオールラウンダー。あらゆる属性の魔法を使える上、どんな武器でも扱えるという万能性を持つ。しかし、限界まで魔法を血に記録しているためにこれ以上魔法を習得することはできない。

その正体は人肉と宝石をこねて造られた、魔石人間ジュエルクルスと呼ばれる人造の生命。肉体年齢こそ16歳の少女だが、実際は生まれてわずか3年。
レヴァン教に伝わる、千年前の聖人を復活させるという予言を実行するために生み出された存在で、生誕祭でその肉体を聖人に明け渡し、ラスティアラ自身は消滅することとなっている。
彼女自身はそれを疑問に思わないよう『調整』されており、その影響で歪な精神性を抱えることとなる。



マリア


異世界では珍しい、黒髪黒目が特徴の少女。
口調や態度こそ大人びているが、見栄を張っているだけでその実、寂しがり屋で甘えたがり。
故郷の村が戦争の影響で滅び、奴隷として売られていたところを偶然立ち寄った渦波に買われた。渦波に嫌味を言いつつも心を開いており、彼の役に立とうと、迷宮攻略や家事に積極的に取り組む。先天スキルとして物事の本質を見抜く『炯眼』を持ち、渦波自身が気付いていないような事も言い当てる洞察力を発揮する。


素質は『1.52』と平均よりやや高い程度。『火の理を盗むもの』であるアルティから火炎魔法を伝授されており、後方支援を担当する。『素質』の低さゆえにステータスが伸びず、渦波やラスティアラに置いて行かれていることに焦りを感じている。

渦波がラスティアラに惹かれていることを渦波自身より早くに見抜き、振り向いてもらえるように記憶を『代償』に火炎魔法を急速習得するも、渦波が自分の本名や素性を隠していたことからくる「いつか自分は置いて行かれるのではないか」という不安、過度の火炎魔法の使用からくる精神への影響、そして、合理主義の渦波がリスクを背負ってまでラスティアラを救出しにいったことから精神的に追いつめられ、『火の理を盗むもの』アルティに操られることとなる。
その際、渦波と過ごした家を燃やすという凶行に奔り、アルティとともに渦波と戦うこととなる。愛する渦波を自分だけのものにするために。


余談だが、『キリストの奴隷マリアが主人の家を焼く』という字面のインパクト故か、本作を読んだことがなくとも家を焼かれるのは知っているというなろう読者は結構多い。



スノウ・ウォーカー
青い髪に涼しげな瞳、そして角と尻尾が特徴的な竜人ドラゴニュートの少女。ギルド「エピックシーカー」のサブマスターであり、エルトラリューの学院生でもある。
美少女だが、気だるげな態度とサボり癖が玉に瑕。少しでも楽をしたがり、本気で頑張ることをひどく嫌う。
連合国でも最上位の大貴族である「四大貴族」の一つ、ウォーカー家の養子で、連合国最強と名高いグレン・ウォーカーを義理の兄に持つ。義母から名誉を得ることを言い渡され、政略結婚を強いられている。本人は乗り気ではないが、ウォーカー家を恐れて表には出さない。


素質は『2.62』で振動魔法と古代魔法を得意とする。振動魔法は戦闘だけでなく、魔石から振動を発して音声を再現したり、逆に魔石周りの音を集音したりと、疑似的な電話のような能力を発揮できる。
人間とは身体構造が異なる竜人であり、環境適応力が高く、水中戦に強い。また、「竜化」と呼ばれる自身を竜に近づける奥の手もあり、『ステータス』の差さえ覆す強力な力を発揮する。
本気を出せば強いのだが、本人にその気がないため、普段は魔法をほとんど使わず腕力に任せて武器を叩きつけることが多い。

ウォーカー家の束縛から逃れようと過去に逃亡したことがあるが、何処までも追いかけてくるウォーカー家への恐怖、そして一緒に逃げてくれた大事な人達を失った経験から何もかもに無気力になり、本気になることを恐れるようになる。
実はグレンの『最強』の称号は本来彼女のものだが、その重責に耐えかねた彼女がグレンに押し付けている。
都合のいい英雄に救ってもらうことを夢見ており、渦波を『英雄』に仕立て上げ、自身と結婚してもらおうと画策している。



ライナー・ヘルヴィルシャイン
「四大貴族」の一つであるヘルヴィルシャイン家に名を連ねる少年だが、実は養子。『天上の七騎士』であるハインの義弟。連合国の一国である『エルトラリュー』に存在する学院に通う学生でもある。
性格は卑屈で自己評価が低く、自己犠牲的な行動に走ることが多い。
義姉のフランリューレやスノウたちと共に、学院から提示された迷宮攻略の課題に挑戦していた際に渦波と出会う。


素質は『1.89』でハインと同じく双剣と『風魔法』を用いて戦闘を行う。

ハインの死後、フーズヤーズの上層部にそそのかされる形でその原因の一端となった渦波とラスティアラへの復讐を果たそうと二人の命を狙うが、後に和解。ハインの遺志を継ぎ、二人を守る騎士となる。



グリム・リム・リーパー
褐色の肌に赤い紋様が特徴の幼い少女。後述の三十守護者、ローウェンが迷宮に召喚された際に一緒に召喚された。
性格は無邪気かつ天真爛漫。ローウェンに対してやや辛辣ではあるが、優しく聡明である。


その正体はローウェンを殺すことを目的に造られた『魔法』であり、この世界のおとぎ話を参考に造られた。その童話の名がそのまま「グリム・リム・リーパー」で、『誰かに見られているときは実体を失い、そうでないときは実体を持つ』というもの。この特性上、彼女と戦う場合は死角からの攻撃を見ずに対処する必要がある。




天上の七騎士セレスティアル・ナイツ

フーズヤーズ国が誇る人類最高峰の騎士集団。ラスティアラを守る使命を与えられている。物語の要所でキーパーソンとなることが多い。



ペルシオナ・クエイガー
『天上の七騎士』総長。序列一位。
高い背丈に全身を覆う黒い鎧が特徴的なフーズヤーズ最強の騎士。
低い声と鎧で気づきにくいが、れっきとした女性
騎士として国のために働くが、ややワーカホリック気味。
素質は『1.56』で、満遍なく高いステータスと鍛え上げた2つのスキル『剣術』『神聖魔法』を用いて戦う。



ハイン・ヘルヴィルシャイン
『天上の七騎士』序列2位。
「四大貴族」の一つであるヘルヴィルシャイン家に名を連ねる金髪の美丈夫。
ラスティアラの教育係として様々なことを教えたが、その内容はやや偏りがちで、ラスティアラが英雄譚などの物語を好むようになったのは彼の影響。本人はハッピーエンドで終わるご都合主義的な作品を好み、芝居がかった演出を使って渦波とラスティアラの中を(本人たちの意思とは関係なく)取り持とうとした。
素質は『1.98』で、これは通常の人類の中ではほぼ最高峰に当たる。
戦闘では双剣と多彩な『風魔法』を扱う。



モネ・ヴィンチ
『天上の七騎士』副総長。序列3位。
苦労性のお父さん的立ち位置。出番があんまりない
魔法に特化していると思われるが、渦波にあっさりやられたため具体的な能力は不明。



セラ・レイディアント
『天上の七騎士』序列4位。
青みがかった銀髪を持つ、獣人の女性。
可愛い女の子に目がなく、ラスティアラに対して親愛以上の感情を抱いている。逆に男を汚らわしいものだと考えており、ラスティアラが渦波のもとに押しかけて(強引に)仲間になった際は、渦波のことをお嬢様を奪う仇敵だと認識し、初対面でいきなり決闘を申し込んだ。負けたくっ、殺せ!
そんな彼女だが、異世界人である渦波と同程度のモラルを持ち合わせており、他の騎士からは潔癖と揶揄されるほど。可愛い女の子さえ絡まなければ極めて常識的な人格である。
素質は『1.57』で速さに特化した騎士。斬り上げを主体とする独特な剣術を扱う。また、「獣化」と呼ばれる奥の手を持ち、巨躯の狼に変身できる。



ラグネ・カイクヲラ
『天上の七騎士』序列5位。
ショートカットの快活な女の子。語尾の「~っす」が特徴。ラスティアラ絡みで暴走するセラに振り回されている。
『天上の七騎士』としては新参で、かわいい後輩ポジション。
素質は『1.12』と低いが『数値に現れない数値』に特化しており、状況次第では格上を喰うこともできる。豪奢な片手剣を身に着けているがこちらはハリボテであり、本命はスキル『魔力操作』で形成する伸縮自在の魔力の刃による攻撃。相対した渦波曰く、「常に放たれ続けるレーザー銃を相手にしているような感覚」らしい。



ホープス・ジョークル
『天上の七騎士』序列6位。
白髪交じりの壮年の男性で、苦労性。ノリは軽いが仕事はしっかりこなすタイプ。
素質は『1.12』で、魔力を持たないため魔法を使えない。相手の攻撃を受け、機会を窺うカウンター重視の我流剣術で闘う。



パリンクロン・レガシィ
『天上の七騎士』序列7位。
癖のある茶髪の男で、服装は商人に近く、腰に下げた剣以外に騎士らしさはない。先天スキル『観察眼』をもち、人間観察に長けている。胡散臭くろくでもないが、人を惹きつける何かを持っている。
性格は最悪であり、「面白そうだから」という理由で平然と状況をかき乱す。ラスティアラのもう一人の教育係でもあり、彼女の人格に難があるのもパリンクロンの教育が原因の一つ。
渦波に強い興味を示しており、『天上の七騎士』の中で最も早く渦波に接触している。
素質は『1.80』で『剣術』や『体術』といった実践的なスキルのほか、『呪術』という魔法の前身にあたる特殊なスキルを身に着けている。



◆理を盗むもの

迷宮の十の倍数層に存在する守護者。探索者が初めてその階層に足を踏み入れた際に『召喚』される。本作のボスたちであり、各章の終盤で闘うこととなる。浅い層の守護者は層に合わせて弱体化させられている。


十守護者テンガーディアン『火の理を盗むもの』アルティ
迷宮の第十階層を担当する守護者。顔は可愛らしい少女だが、首から下が炎で形成されているれっきとしたモンスター。
顔に似合わず尊大な喋り方で、大人びた言動が多い。比較的友好的な性格であり、体の炎を隠して度々街へ出向いている。
過去に想い人に想いを伝えられなかった未練から消滅できずにおり、人の色恋を応援し、成就させることで自身の未練を果たそうと考えている。
マリアのことを気に入っており、恋の成就のために火炎魔法を授ける。
『火の理を盗むもの』の名の通り火炎魔法のスペシャリストであり、遠くにいても火に向かって呼びかければ会話が可能であり、周囲の探知もできるなど万能。攻撃力も高く、詠唱で強化した炎は宝剣さえも溶かすほど。
本当の未練は『大切な人に本当の気持ちを伝えられなかった』こと。



二十守護者トゥエンティガーディアン『闇の理を盗むもの』ティーダ
迷宮の第二十階層を担当する守護者。真っ黒で不定形な体を持ち、顔は能面のようになっている。一見すると紳士的にも思える言動の持ち主だが、その実、強者と戦うことに喜びを覚える戦闘狂。
渦波とディアが最初に戦うことになる守護者であり、二人をかつての英雄に似ていると評し、戦いを挑む。
戦闘では、その不定形な体を刃物や槌に自在に変形させて戦う。また、その肉体は物理的な攻撃を無効化する。さらに、『闇の理を盗むもの』として「人の心の闇を操る」能力を持ち、ティーダの体に触れた者は様々な状態異常を引き起こす。
本当の未練は『自分の人生に本気になることができなかった』こと。




三十守護者サーティガーディアン『地の理を盗むもの』ローウェン・アレイス
迷宮の第三十階層を担当する守護者。
くすんだ栗色の髪を垂らし、疲れた目をした青年。
理を盗んで以降、一度も致命傷を受けていないため、上記の二人と違って完全な人間態のまま。本人曰く、リーパーと戦っていたら大陸に飲み込まれ、迷宮に召喚されたとのこと。
「四大貴族」の一つであるアレイス家の家名を持つが、かつてのアレイス家と今のアレイス家は大きく違うらしい。
アレイスの家名を持つ者として名誉と栄光を欲しており、ローウェンはそれこそが自分の『未練』であると考えている。
リーパーのことを親友だと思っており、自分と戦い続けてくれたことに感謝している。
『地の理を盗むもの』としての能力はあらゆる攻撃を弾く「不壊の水晶」だが、本人の魔法の素養の低さゆえに半死体化ハーフモンスター状態でないと満足には扱えない。その代わり、世界最高峰の剣術を備えており、渦波を驚かせた実力でさえ、全盛期の3割程度でしかないらしい
本当の未練は『与えられた役目にばかり必死になった』こと。







この他にも、様々な『理を盗むもの』たちが登場する。








追記・修正は最深部に到達してからお願いします。



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  • ところどころにMTGのカード名が見えるな -- 名無しさん (2020-05-09 20:37:59)

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