探偵犬シャードック

ページ名:探偵犬シャードック

登録日:2016/11/11 Fri 17:20:04
更新日:2024/01/29 Mon 13:23:45NEW!
所要時間:約 8 分で読めます



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安童夕馬 週刊少年マガジン 講談社 漫画 推理漫画 シャーロック・ホームズ 倒叙 転生 探偵犬シャードック 佐藤友生



私こそこの世に生まれ変わった…


大英帝国が世界に誇る名探偵――


シャーロック・ホームズ その人だ!!


『探偵犬シャードック』とは、かつて週刊少年マガジンで連載されていた推理漫画である。
連載期間は2011年10月~2012年11月の間で、全7巻が刊行。
原作は『サイコメトラー』シリーズで知られる安童夕馬(樹林伸、天樹征丸の別名義で、同じ少年マガジンで連載中の『金田一少年の事件簿』と作者が同じ)で、漫画は『妖怪のお医者さん』などの作者の佐藤友生が担当している。



概要

ごく普通の高校生と英国の名探偵「シャーロック・ホームズ」の魂が宿った仔犬のコンビが、身の回りで起きる様々な難事件を解決するというコンセプトの推理漫画。
発生する事件は大半は殺人事件で、そのほぼ全てに「倒叙*1」形式が採用されている。
そのため犯人視点でエピソードが進む場合もあるが、その場合の犯人は外面はよくても内面は情緒不安定である事が多く、中には犯行が暴かれた後に凶悪犯も真っ青な本性を露にする者もいる。
こういったところも本作の見どころなので、興味のある方は是非一読する事をおすすめする。


この物語は高校生編と刑事編の2部構成となっていて、殺人事件は「CASE」、その他のショートストーリーは「COFFEE TIME(シャードックが単独で活躍する事件は「TEA TIME」)」、マガジンスペシャルに出張掲載されたエピソードは「SPECIAL」と分類されている。
ちなみにほとんどのサブタイトルは、同じ「倒叙」形式の海外ドラマ『刑事コロンボ』のサブタイトルのパロディとなっている。


最終話は新たな謎が浮上しつつも「第一部 完」という言葉で締めくくられているが、第二部の開始は現在未定となっている。



あらすじ

倫敦学園高校に通う輪島尊は、捨て犬を引き取るために保健所を訪れる。
そこで尊はある仔犬と出会い、久々に再会したような不思議な感覚になりながらその仔犬を引き取った。
仔犬と触れ合った途端、誰かに英語で話しかけられたような気がした尊は、その帰り道で仔犬に「シャードック」と名づける。
その後尊は交通事故の現場に遭遇。けが人もなく単なる物損事故だと思われたが、シャードックの活躍で思わぬ被害者が現れ事態は予想だにしない方向に。
事件の解決後、尊はシャードックの行動を不審に思い問い詰めると、なんとシャードックがいきなり喋り始める。
「自分は伝説の名探偵シャーロック・ホームズの生まれ変わりだ」と自己紹介したシャードックは、尊を「ジョン・H・ワトソンの生まれ変わり」と決め付けて、そのまま輪島家に居座る事に。
こうして尊は100年の時を経て現代に甦った名探偵シャードックと出会い、その抜群のコンビネーションで身の回りで起きる様々な事件の解明に挑む。



登場人物


  • 輪島尊(わじま たける)

倫敦学園高校2年生で本作の主人公。新聞部所属。16歳。
大の犬好きで、犬を引き取りに保健所に行った時にシャードックと出会い、惹かれるものを感じて彼を引き取った。
シャードックの言葉が理解できる唯一の人間で、彼が「シャーロック・ホームズ」の生まれ変わりである事を、本人の口から知る。
そして名前を「ワトソン」と読み間違えられ、そのままシャードックに助手に任命された。
勉強と運動は苦手だが、警察官の家系で育ったため正義感と責任感が強い。
当初は推理は不得意で、他の人間と話せないシャードックの推理を代わりに伝える役目であったが、ストーリーが進むにつれて推理力や洞察力が向上していった。
しかし曲りなりにも普通の高校生であるため、推理で追いつめた犯人に逆上され殺されかけた事も何度かある。
ある事件の解決を期に刑事を志すようになり、高卒で警察学校に入学。
卒業後は倫敦警察署管轄の交番に配属されるが、着任早々遭遇した殺人事件を解決した事がきっかけで刑事課へ異動となった。
ちなみに某名探偵の孫ほどではないが、彼が親しくしていた恩師や友人が不幸な事件の当事者となったケースも幾つかある。


  • シャードック

雑種の小型犬で本作のもう1人の主人公兼マスコット。
一見普通の仔犬だが、実は伝説の名探偵「シャーロック・ホームズ」の魂が宿っている。
尊と対面した時に「シャーロック」と名乗るが、尊がそれを聞き違えた事により「シャードック」と名づけられる。
最初はそれを不満に思い何度も訂正していたが、その後は諦めたのか自ら「シャードック」と名乗る事もあった。
尊の祖父が残していたパイプは、ホームズだった頃に彼が愛用していたものであり、これを咥える事で尊と会話が出来る。
ホームズの魂が宿っているだけに推理力は高く、現代文化の知識を積極的に取り入れようとする勉強熱心なところがある。
性格は冷静沈着で、尊大に振舞おうとする事が多い。犬のくせに。
また「自らの憎しみもまた、探偵が御すべき敵に他ならない」との信条を持ち、身勝手で罪悪感の欠片もない犯人に激昂することはない*2
しかしたまに行き過ぎた思い込みによって事態を悪化させる事もあり、自分が犬である事も忘れ赤の他人に話しかけようとする天然なところもある。
当初は彼が事件または犯人の目撃者となり、尊に助言をして事件を解決に導くパターンが多かったが、高校生編終盤からはそのパターンはなくなった。
実は大人に正体がばれそうになると、意識を失ってタダの犬になってしまう。この事に関して「いずれは尊とも意思疎通ができなくなるのではないか」と考えている。
また、自分が尊に事件の捜査をさせる事で彼を危険に巻き込んでしまうのではないかと思い詰め、輪島家を出ようとした事もあったが、自分の影響で尊が刑事になる道を選んだ事で彼の元に残る事を決めた。
刑事編以降も立ち位置はあまり変わらないが、尊自身の力で事件を解決させようと普通の犬に戻ったふりをした事もあった。


  • 有坂未来(ありさか みき)

倫敦学園高校2年生で本作のヒロイン。新聞部所属。16歳。
尊とは同級生であり幼馴染でもある。父親は講談新聞社の記者。
真面目な性格で、幽霊部員の尊に苦労させられている。実は尊に好意を抱いているような面があり、尊もまた彼女の事を恋愛対象として意識している模様。
ある事件でシャードックの秘密を知り、以降は彼と尊を補佐する役回りとなる。
将来の夢はジャーナリストで、大学へ入学後はその夢を叶えるために父の会社で記者のアルバイトをしている。


  • 輪島愛鈴(わじま あいりん)

尊の姉で警視庁捜査一課の警部。24歳。
スタイルのいい美人だが性格は男勝り。
シャードックは彼女の名前を見て「アイリーン・アドラーの生まれ変わり」だと勝手に推測し、以降は彼女を「アイリーン」と呼んでいる。
シャードックの助言で事件を解決する尊の事は最初は認めていたものの、ある事件で彼が犯人に殺されかけた際には、今後は一切事件に口出ししないよう釘を刺す。
尊が大学にいかずに警官になると決めた時も反対していたが、警官になって早々大手柄をあげた時は素直に祝福していた。


  • 輪島公助(わじま こうすけ)

尊の父親で交番勤務(推定)の巡査部長。48歳。
真面目な性格。高卒で警察官になった。
未来の父親とはゴルフ仲間でとても仲がいい。


  • 輪島里子(わじま さとこ)

尊の母親で元警察官。46歳。
普段は優しいが怒るとかなり怖い。
犬らしく振舞わないシャードックの態度を不気味に思い不信感を抱いていたが、ある事件をシャードッグが解決(?)した事で彼を家族として渋々認めた。


  • 名波茜(ななみ あかね)

尊と未来の同級生でボランティア部部長。
生徒会長選に立候補した際に陰湿な嫌がらせを受けるが、尊とシャードックの活躍によって解決し、以降は尊に好意を抱くようになる。
進路は尊と同じく警察官を志望し、高校卒業後は警察官となり倫敦署の交通課に配属される。


  • 宗方研人(むなかた けんと)

倫敦署刑事課所属の刑事。刑事編から登場。19歳。
アメリカの有名大学を飛び級で卒業し、幹部候補生として注目されているエリート。
捜査中も何かとニューヨーク帰りである事を自慢し、地味な事件には興味を示さず勝手な思い込みで捜査を進めようとする困ったところがある。
時には意図せず真犯人をフォローするようなこじつけをして尊たちを困らせる事も。
しかし割と観察力と洞察力は鋭く、シャードックがただの犬でない事を見抜き正体を疑っている。
案外面倒見はいいほうで、「自分の推理が正しければ、自分を刑事課に推薦してほしい」という尊の約束を守り、解決後に彼を刑事課に推薦して彼とコンビを組むようになった。


  • 原山田百男(はらやまだ ひでお)

倫敦米菓街2丁目交番勤務の巡査。刑事編から登場。35歳独身。
仕事の後に同僚たちと「飲みニケーション」を行うのが楽しみとなっている。
アメリカ帰りの研人の事を一方的に毛嫌いしている。


  • 与志田(よしだ)

倫敦署刑事課の課長。刑事編から登場。
温厚な人物で尊の祖父の知り合いでもある。
よく若い部下を昔の刑事ドラマの登場人物に例えるが、尊と研人は年齢的に元ネタを知らないためいつも不思議がっている。


  • モリニャーティ

目つきが悪い肥満体型の猫。
実はホームズの宿敵「ジェームズ・モリアーティ」の生まれ変わり
元々は未来の祖母の飼い猫だったが、後に未来が引き取り有坂家に居座る事となる。
以降はシャードックの強力なライバルになる。と思われたが、そんな事は特になかった。


  • 尊の祖父

かつて名刑事として名を馳せていた人物。若い頃の顔は尊にそっくり。
尊が小学6年生の頃に凶悪犯に殺害されている。
シャードックがいつも咥えているパイプは、彼がイギリスで買った土産らしいが……?



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  • 倒叙ものばかりでバリエーションに欠けたのが惜しい。 -- 名無しさん (2016-11-11 18:06:04)
  • 愛鈴姉ちゃんのおっぱいがすごかった。 -- 名無しさん (2016-11-11 18:30:00)
  • 探偵犬の設定で好きになり、単行本も全巻購入。第2部を早く開始してほしい。 -- 名無しさん (2016-11-11 19:27:26)
  • 女性市長がすごい美人だけど、中身は恐ろしい悪女で、殺人をしていたって話が印象的だった -- 名無しさん (2016-11-12 07:10:26)
  • 現在作者が明智警部の事件簿を原作者関係だったりするのかな? -- 名無しさん (2016-11-12 08:50:38)
  • 犯人中に出る作品間違えてんじゃないかって顔する人がいる 地味にホラー -- 名無しさん (2016-11-12 11:23:41)
  • 2巻の盗撮保険医の話のお色気要素、好きだったなー -- 名無しさん (2016-11-12 20:26:06)
  • 気のせいか、犯人も被害者も女性率が高い -- 名無しさん (2016-11-13 10:59:32)
  • すまない、途中で切れた。↑みたいに感じたんで、作者は女性に嫌な思い出でもあるのかと思ってた -- 名無しさん (2016-11-13 11:01:36)
  • もしアニメ化するなら、日テレ系列で土曜5時30分にやってほしい。 -- 名無しさん (2016-11-13 11:03:01)
  • いずれ名前がハトソン夫人の名前がモチーフのキャラも出る⁉ -- 名無しさん (2017-01-28 08:26:13)

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*1 最初から読者に犯人を明かしている形態
*2 その為、ある事件で尊が冷静さを失い、犯人を殴ろうとするのを止めた

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