孫堅

ページ名:孫堅

登録日:2010/02/15 Mon 09:45:28
更新日:2023/08/12 Sat 19:36:11NEW!
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孫堅そん けんとは後漢末期の武将・君主であり、
千の兵から立ち一気怒涛に江東を支配した孫策、後に呉の初代皇帝となる孫権劉備の正室となる孫夫人の父。字は文台。


春秋戦国を代表する兵法家、孫子(孫武)の子孫と称している……が、彼の時代から見ても700年も前の人物であり、信憑性は限りなく薄い。
父親は瓜を売って生計を立てていたともされる。


生年は156年で曹操より一つ年下。あと、配下である朱治は同い年。


【経歴】

若くして司馬となる。
許昌*1の反乱を始め黄巾賊韓遂区星*2など、後漢末期に起きた数々の反乱の鎮圧に参加し、そのことごとくで勝利に貢献してきた
こうして実戦経験を積む一方、程普韓当黄蓋朱治などの孫呉三代に渡り貢献する優秀な人物を配下に加えてゆく。
そうするうちに孫堅の勢力は日増しに増え、他の諸侯と同じように軍閥化の兆しを見せた。
というより、孫堅は群雄の中では極めて初期からのし上がっていったほうである。



その頃、洛陽では何進や丁原の勢力を吸収し、皇帝のすげ替えまでやってのけた董卓が実権を握っていた。


その董卓だが、かつて韓遂が反乱を起こしたとき、孫堅は司空*3張温のもとで共に討伐軍に参加していた。
その時、孫堅は董卓の軍規違反に腹を立て、張温に董卓を殺すよう弾劾していた過去があり、董卓から恨まれていた。
しかも、董卓は政権を握った後、理不尽な理由で張温を殺害しており、孫堅は次に狙われるのは自分だと覚悟していた。



そして190年、袁紹反董卓連合を結成すると、さっそく参加を表明。
北上するのだが、その途上でかねてから不仲であった荊州刺史王叡ドサクサ紛れに殺害
この時殺した王叡の後任が、ご存知劉表である。


さらに、進撃の過程で反董卓連合に協力しない群雄を次々と攻撃*4、その軍勢を吸収しつつ北上。
袁術に謁見し、太守を殺していた南陽郡を袁術に献上した
袁術は南陽郡にほど近い汝南の大豪族の棟梁であり、その彼と同盟を結ぶことで袁術勢力の支援を受けたのである。


こうして、まずは足場を固めた孫堅は、やる気の無い諸侯を尻目に快進撃
同じく孤軍奮闘していた曹操軍を撃破した董卓軍の名将・徐栄には大苦戦し、
一度など追い詰められたあげく自らの赤い頭巾を祖茂に被せて囮に使うというほどに敗れたが、
袁術軍の支援があったことで素早い再編成に成功し、今度は華雄を討ち取ることに成功する。


その勢いを恐れた董卓は孫堅との和睦を図るが、董卓が嫌いな孫堅は呑む筈が無く、
董卓は洛陽を引き払って長安への遷都を強行。住民を強制移動させると、董卓の指示か或いは部下の独断かは断定しかねるが洛陽の都は焼き払われ、焦土と化してしまう。


洛陽の都に乗り込んだ孫堅はその変わり果てた洛陽の姿に愕然とし、董卓によって暴かれていた陵墓などを修復し、仕方が無いため袁術のもとに帰還する。


なお、演義ではこのとき玉爾を発見したことになっている。
これはまんざら演義の創作ではなく、西晋時代の300年頃に作られた『江表伝』という資料に記載されており、そうした意味では『史実』である。
『事実』だったかというと否定的な意見が多いが、少なくとも三国時代直後にはそうした見方があったようだ。



やがて天下が袁紹袁術の二大派閥の争いを見るようになると、そのまま袁術に味方し、王叡の後継として荊州刺史となった劉表討伐に向かう。
孫堅軍はやはり強く、劉表配下の黄祖を打ち破り襄陽を包囲した。
……が、調子に乗って最前線で黄祖を狩っていたところ、反撃した黄祖の矢をまともに浴びて戦死してしまう。


これにより孫堅軍は崩壊。残兵はほとんど袁術に吸収されることとなる。
再び孫の旗が戦場にはためくことは孫策の雄飛までなかった。




【三国演義での活躍】

ほぼ史実の通り。
「江東の虎」というすさまじい二つ名を引っ提げている。


三国演義は劉備と曹操を物語の軸として描いている都合上、孫呉勢力は活躍を減らされたり、小物くさくアレンジされていたりするが、
孫堅の場合はほとんど変わっておらず、ほとんどの場所で名将として描かれており、黄巾の乱でも劉備や曹操の前にさっそうと現れ、許昌、韓遂、区星らを討伐したことも(あっさりとだが)触れられているなど優遇気味。
反董卓連合では胡軫を討ち取るも、袁術に糧道を絶たれて華雄に敗れるという結果になるが、これも「袁術のせい」という演出で、孫堅には問題はなかった、という風にフォローされている。
カットされたエピソードといえば「絶対悪役・董卓の同僚だった」「進出途上で難癖付けながら群雄を攻め滅ぼしていった」などの後味の悪い場所ばかりで、それらがカットされただけ、爽快さが増している。


一方、伝国の玉璽を私蔵しようとして袁紹や劉表に責められ、あげく中途半端な宣誓をしたことが災いになるという一幕も。



【人物・性格】

勇猛で剛毅かつ、忠義の士であったがどこか思慮に欠ける所があったとされる。
恐らくはこの性格は孫家代々の遺伝子であるものである。
苛烈が過ぎて刺客に殺されたり、自重しなかったが為に張遼にフルボッコにされたり、思慮に欠けたが為に部下に殺された各三人の息子や、
酒席でブチ切れて甘寧と喧嘩した甥を見ればそれは明らかであり、孫瑜はただの突然変異である。


ともかく彼の義は確かなものがあり、賞賛を得ている。


ただ、反董卓連合に参加する途中に盗賊のように襲い掛かって勢力を拡張していったあたり、やはりある程度「王業」を目論んでいたところはあったであろう。



【各作品での孫堅】

基本的に息子たちがメインとなるので、二次創作での扱いは微妙な所。
大体の作品で曹操より年下である事は無視され、めっちゃオッサンくさく描かれることが多い。


●横山三国志
特筆するような点は無かった気が。


蒼天航路
「おお、快なり!」
どう考えても漢民族の面構えじゃない、息子の髪型も漢民族のものじゃない。
曹操との出会いは黄巾討伐で、互いに認め合っている。
その後反董卓連合でも活躍し、劉表討伐に向かった所上記のセリフを残し死亡。
三国志大戦のLE(天啓)が出た、孫権をハブって。


●三国志大戦
武力+10の号令で効果終了後に全員死ぬ集団自爆テロこと『天啓の幻』
同じく武力+10の号令を自らが撤退することにより実現する『我が屍を越えよ』
星一徹かつ勝手にそこらを動き回る『そも』を召還して自分は逃げる『赤い頭巾の囮兵』
さらに美味しんぼとのコラボで雄山パパも参戦。計略も『至高の大号令』(武力+8と特技に応じて様々な効果付与、そして例によって集団自爆)とSSQ全開。


漢軍には国力が上がると突撃ダメージの上がる『決起の神速行』
以上の5枚。


たった5枚だとっ!?ふざけるなあっ!!


新版でも一徹と雄山以外の3枚はそのまま続投し、なんと最初期にはスターターデッキにまで抜擢されいきなり『天啓の幻』が使えた。
しかし「初心者にいきなり集団自爆使わせるのはどうなんだ」と言う事でいつの間にか息子に変わった。
『天啓の幻』は度重なる強化で武力+12にまで性能が上がり、『我が屍を越えよ』は自らが撤退する前に武力+10されて暴れ回る効果がついた。
武力の上がった自分を敵城に向かって発進させゴールさせるとダメージを与えられる日向小次郎の強引なドリブル猛虎蹴撃タイガーショット』でSSQも忘れていない。
SSQでない新規としては相手を撤退させるたびに全員の武力が上がる『虎王の雄姿』が登場している。


漢軍は国力が漢鳴に置き換わった『漢鳴の神速行』の他
更に敵の武力を下げる効果までついた『海賊流威嚇術』
戦場の味方の漢鳴に依存したどう考えてもクソ使いにくい神速超絶『白虎の咆哮』
中国四千年の歴史で最高峰の武術家が放つ敵を吹き飛ばすワンインチパンチ『寸勁』


とやはり多数が出ている。わたしは一向にかまわんッッッ


●無双シリーズ
シリーズを通して扱いやすいが他のニ傑より攻撃範囲が狭い&早く死ぬため影が薄い。
OROCHIでは彼の生き様からかアーツ2が【体力を削って無双を一定時間MAX】にするとんでもないものにされてEXが高速化の猿と組まされる。


●恋姫†無双
物語開始時点で既に亡き人、名前だけの登場。


●一騎当千
勿論故人。


●白井式三国志
やっぱり故人。孔明曰く「(孫権より)偉大なオヤジ」だったらしいので、まあ名君ではあったのだろう。


BB戦士三国伝
CV:長嶝高士
『江東の虎』孫堅ゼフィランサス。演者は『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のガンダム試作1号機ゼフィランサス
子女や弟子の周瑜を連れて悪逆非道の董卓ザク征伐に赴き、華雄ザンネックを討ち取る。
しかし呂布トールギスの攻撃から愛する子供たちを守り、壮絶な戦死を遂げた。
その後、使用していた「白虎の鎧」や剣などの装備は息子である孫権ガンダムが継承している。


単独キットは発売されておらず、上記のように装備を継承した息子「轟大帝 孫権ガンダム」のキットに差し替え用のマスクパーツが付属する形で再現されている。
そのせいでアニメ版キットが発売されない憂き目に合ったのはご愛嬌


SDガンダムワールド 三国創傑伝
CV:山口太郎
本名は孫堅ガンダムアストレイ。
演者は『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』のガンダムアストレイ ゴールドフレーム天ミナ。
息子たちは孫策がブルーフレーム、孫権がレッドフレーム、孫尚香はストライクルージュがモデル。
ゴ・エリアを支配する大企業レッドタイガーの総元締めであるが、社長というかまるで海賊のボスのような豪快な親分肌。
実際、若い頃はパイレーツワールドで修行しており、今もパイレーツワールドの海賊たちとは堅い友情で結ばれている。
劉備ユニコーンガンダムはかつて孫堅に師事しており、今でも父親のように慕っている。
強さも半端ではなく、なんと関羽νガンダムと張飛ゴッドガンダムの二人がかりでも敵わなかった董卓プロヴィデンスガンダムを1人で撃破している。
おまけに一向に死ぬ気配が無いので息子たちを差し置いて完全にゴ・サイドの主役となっている。
ここまで優遇された孫堅は本作以外にはそうそう見当たるまい。


●ブレイド三国志
主人公の父親として登場(と言っても生まれ変わりだが)


巍の精鋭将軍を相手に、たった一人で奮闘するも、自ら谷底に落ち絶命


彼の人生は囮として幕を閉じた…





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  • 長生きしてたらもう少し早く三国時代になってたか魏と呉で南北朝時代になっていたのかな? -- 名無しさん (2019-07-03 01:17:55)
  • 魏と呉ではなく袁紹と袁術の南北朝になってた可能性が -- 名無しさん (2021-01-16 01:27:12)
  • 名前がすごく紛らわしい人、口頭だと父なのか息子なのかわからない -- 名無しさん (2021-09-26 00:00:23)
  • 息子達が孫家を再興できなかったら孫堅の評価って袁術配下の武将その一で終わっていたのかな -- 名無しさん (2023-06-04 00:41:36)

#comment

*1 反乱した宗教指導者のことで、曹操が拠点とした許昌のことではない。
*2 これも人名。
*3 「三公」の一つで、最高の高官。
*4 王叡は協力する気満々だったのだが……実際は初めから滅ぼすつもりで、難癖をつけただけかもしれない。

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