登録日:2012/10/14(日) 20:46:29
更新日:2023/08/17 Thu 14:27:52NEW!
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小説 sf 文学 パンドラの箱 なるほど、わからん 名作 寓話 ハーラン・エリスン 世界の中心で愛を叫んだけもの
『世界の中心で愛を叫んだけもの (The Beast that Shouted Love at the Heart of the World)』はハーラン・エリスンの短編小説。
ヒューゴー賞(短編小説部門)を受賞した名作で、同名の短編小説集などに収録されている。
エヴァンゲリオンやセカチューなどでタイトルは知っているが、そのものを読んだことがある人はあまりいないと思われる。
内容はというと、短編にもかかわらずこれがかなり難解、かつ複雑。
簡潔にまとめると、我々の世界より上位の次元に存在する世界がある。
そこはある技術により平和を保っていた。
しかしある科学者の叛乱によりその均衡が破れた。
その結果、どのようにして我々の世界に悪意が蔓延ることになるのか、というもの。
現代のパンドラの箱とも比喩される短編小説。
数あるSF作家の中でもかなりの偏屈作家であるエリスン。名作と思って手に取ってみるとかなり面を食らうことになると思われる。
個人によってかなり受けとる印象と解釈が異なる作品と思って欲しい。
このように癖のある作品であることには変わりないが、しかしそれ故に時代を越えて人々を惹きつける名作であることは間違いない。
ぜひ未読の方は手に取って作者の描く愛の物語を感じ取ってほしい。
<あらすじ>
今より遠くない未来、廃墟で一人の人間がとある箱を開けた。そして人類に新たな歴史が刻まれる。
あらゆる時間・空間を超越した向こうに存在する究極の中心、交叉時点『クロスホエン』
人々は悪しき獣の存在を"排出"することで世界の均衡を保とうと考えた。
しかしある一人の科学者の手により均衡は破られ、世界に悪意という名の愛が降り注ぐ。
遠い未来、人々が宇宙にフロンティアを拡大した時代。
彫刻室座の楕円星雲探検隊はとある星でひとつの彫像を発見する、特異な表情をした男の彫像を。
現代、ある男に死刑が下される。ウィリアム・スタログ。稀代の殺人者。
人類未踏の星の海に存在する彫像と同じ表情を見せながら、ウィリアムは人々に叫んだ。「おれは世界中のみんなを愛してる。本当だ。お前たちみんなを!」
<登場人物>
●ウィリアム・スタログ
現代において毒殺、爆弾、銃殺とあらゆる手段で人々を殺し尽くしたサイコパス。
●竜
交叉時点に存在する七つの首をもった悪しき獣。おそらくキリスト教に置ける悪魔と同じ存在と思われる。
●センフ
交叉時点の科学者。その世界の均衡を保つ超技術"排出"の発見者であり、竜の"排出"の危険性を訴えるが聞き入れられず、彼はひとつの決断を下す。
●ライナ
交叉時点の官僚のような存在で、竜の"排出"を推奨している一人。センフとは同期の友人だが、出世欲にとらわれ彼の忠告を聞き入れることはなかった。
●フリードリヒ・ドルーガー
とある廃墟でひとつの箱を開けた男。その行動が時間を越え空間を越え、あらゆる世界に愛を振りまいた。
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