スターオーシャンシリーズ

ページ名:スターオーシャンシリーズ

登録日:2022/11/13 Sun 23:56:18
更新日:2024/06/27 Thu 11:26:09NEW!
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さあ、星の海へ出掛けよう。



『スターオーシャン』シリーズとは、エニックス→スクウェア・エニックスより発売されているRPGシリーズである。
全作品の開発をトライエースが行っている(ブラウザゲームのみ例外。後述)。


2022年発売の最新作『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』まで、シリーズ本編では6作が発売されている。
その他外伝作品が1つ、携帯・スマホ向け作品(ブラウザゲーム/ソーシャルゲーム)が2作存在する。


○概要


「SFとファンタジーの融合した世界観」を特徴としたロールプレイングゲームシリーズ。
『1』からリアルタイム戦闘を実現しており、RPGというよりはアクションRPGに近いシリーズである。


システム面では、サブイベント「プライベートアクション」に代表されるキャラクター性の高さや、ある程度自由にアイテムを作れる「アイテムクリエイション」に代表される高い攻略自由度が特徴。
PS2で発売された『3』以降は3D化に伴い、非常にアクション性の高くテンポの良い戦闘も売りとなった。


リメイクや移植も行われており、特にPS4では現在シリーズ本編全作品が遊べる。
他の現行機ではSwitchで『1』、Steamで『4』『6』が遊べる。


世界観・時系列について

SFということで、宇宙艦船や、文明の発達した世界・惑星と文明が未発達な惑星「未開惑星」の出会いが毎作描かれることが他のゲームには無い大きな特色である。
一方で魔法にあたる「紋章術」があるなど、現実とは異なるファンタジー要素も明確に存在する。


1作目から「地球」や「地球人」が登場するなど、本シリーズの世界は現実の世界と同一のものとして描かれている。
また、宇宙進出が当たり前となっている描写を見ても分かる通り、描かれているのは我々の生きる2020年代より遥か未来。
時系列上最も古い『4』でも西暦2096年である。
それ以外の作品では作中で設定された「宇宙暦」という新たな宇宙基準の暦が使われている(宇宙暦1年=西暦2087年)。


シリーズ全作品が同一世界の別時系列を描いているため、全ての作品は時系列上繋がっている。
ただし、基本的にそれぞれの作品の時系列は数十年~数百年単位で離れており、同一人物が複数作品で登場することも殆ど無い(皆無ではないが、殆どの場合ファンサービスレベル)。
そのため、どの作品もシリーズ他作品をやっていないと話が分からない、ということは全くない。
新規プレイヤーでも基本的にどの作品から入っても問題のないシリーズである。
 ※外伝作である『ブルースフィア』はシリーズ2作目『セカンドストーリー』の直接的な続編であるため、これだけは例外。


作中の時系列はシリーズ発売順とは一致せず、シリーズ本編での時系列は「4→1→2→5→6→3」となる。
一見するとバラバラだが、シリーズの始まりを描いた『4』と、大きな転換点として今のところ最後を描いた『3』が例外なだけで、それ以外は発売順=時系列順である。


影響について

トライエースは元々『テイルズ オブ ファンタジア』のスタッフ(ウルフチーム)が独立して設立された会社である。
そのため、初作『1』はテイルズオブシリーズの影響も色濃く、96年のスーパーファミコン作品ながらボイス付きであることや戦闘システムなどにそれが強く感じられる。
とは言え、影響は次第に薄れ、『3』の頃には特筆するような類似性は薄れて完全に別作品となっている。
唯一、BGM作曲が桜庭統氏であることのみが現在でも明確に見られる共通点である。


また、中心スタッフにファンがいた事からアメリカ発のSFテレビドラマ『スタートレック』の影響も(初期作品は特に)色濃い。


○シリーズ恒例の用語


地球を中心とする宇宙最大の組織。設立当初の名称は地球連邦だったが、『1』〜『2』の間に改称している。
要は我々の現代で言う国連のようなもので、先進惑星(文明の発展した宇宙技術を持つ惑星)の多くが加入している。
『3』以外の全作品は主人公や仲間キャラの1人が銀河連邦の軍人である。
とは言え、組織としてのやり方には権威主義で傲慢な一面もあり、『6』では遂にほぼ悪役扱いとなった。
詳細は同項目へ。


  • 未開惑星保護条約

文明の未発達な未開惑星の文化に、宇宙航行をするような先進惑星の人間は介入してはいけないという銀河連邦の取り決め。
つまり、自分が宇宙から来たことを明かしたり、宇宙船やデバイスなどの先進技術を見せたり伝授してはいけないということ。
軍人・民間人問わず破ると重罪を受ける重要な法律だが、シナリオの都合上、大抵序盤で破られることになる。
一応、生命が関わっておりやむを得ない場合(緊急避難)は除く規定はあるものの、それを盾にしてなんか誤魔化されていることも多い。
『4』では「強引に未開惑星を発展させたら宇宙がヤバい事になるかも」という条約制定当時の背景が描かれ、『6』では上記の「大抵破られている」ことが作中でネタにされ指摘された。
元ネタは「スタートレックシリーズ」内で語られる「艦隊の誓い」*1と思われる。



  • 紋章術

本シリーズにおける「魔法」の概念。
基本的には、身体に入れ墨のように刻んだ「紋章」を媒体として、超常的な力が発動する。
(何らかの理由で、紋章を刻んでいないのに紋章術が使えるキャラクターも何人かいる)
『2』のセリーヌ、『4』のミュリア、『5』のフィオーレと、身体に刻んだ紋章を誇示するためという名目で、やたらと露出度の高いキャラも何度も登場している。
「紋章術」という名称はあくまで銀河連邦系の公称であり、他の星との繋がりを持たず独自に文化が発展している未開惑星では「法術」「施術」「呪印術」「理術」といった独自の名称が付けられている。


『3』で明らかになった、この作中世界に関する重要な真実。
詳細は同項目へ。


○シリーズ恒例のシステム


アイテムクリエイション(IC)

アイテムを買ったり拾ったり敵に落とさせたりして手に入れるのではなく、自分の手で開発して入手するシステム。
多くの作品では素材用のアイテムがあり、それを素材にクリエイションを実行するとランダムでアイテムが手に入る。
「料理」「細工」「執筆」「鍛冶」などのコマンドがあり、それぞれ異なるジャンルのアイテムが入手できる。
実行するキャラごとにジャンルの向き不向きがある作品が多く、何度もクリエイションしていると特定のコマンドに対する才能「タレント」が開花したりする。


プライベートアクション(PA)

街などに着いた際に、主人公と別れ自由行動している仲間キャラに関するサブイベント。
発生させると、その仲間キャラの「感情値」、いわゆる好感度が変動する。
作品によっては「誰から誰への感情値」がそれぞれ個別に設定されているものもある。


感情値が高いキャラは、感情を向けているキャラが戦闘で倒れた際に激昂して攻撃力が上がるなどの恩恵があるほか、感情値が高い仲間とはエンディングで個別のイベントが発生する。
特に『セカンドストーリー』では、主人公以外の仲間同士2人も含め、ラスボス時点でのありとあらゆる2名の組み合わせに専用のエンディングが存在するという凝りっぷりだった。
3D化されてボイスやモーションが必要になった『3』以降の作品では流石に現実的ではなくなり、主人公+任意の仲間1名の組み合わせのみになっている。


うまい棒

2001年にエニックスが、うまい棒の公式ホームページ作成を担当している。
これが縁となり、『ブルースフィア』では作中にうまい棒が回復アイテムとして登場するというコラボが行われた。
以降、『3』『5』『6』と、多くの作品で恒例のように同様のコラボが行われている。
単に「うまい棒」として登場している訳ではなく、「うまい棒○○味」として現実のフレーバーが何種類も登場するという拘りである。


『6』では遂に16種類ものフレーバーが登場し、仲間キャラのマリエルがうまい棒マニア、PAでは布教を始めるというところまで至った。



○シリーズ恒例のキャラクター


バーニィ

シリーズのマスコットキャラである、人の身の丈ほどもある巨大なウサギ。嘘だと言ってよ」ではない。
まん丸に近いずんぐりむっくりとした身体と、現実のウサギ以上に長い耳が特徴。
多くはピンク色だが、黄色かったり青かったりの色違いもそこそこ出て来る。
マスコットキャラという都合上、何故か色々な惑星に生息している。


非常に俊足で、初期作品では高速移動のための乗り物として使われていた。
ただ、フィールドマップが存在しない3D作品とは相性が悪く、近年の作品では乗り物として使用されることはほぼ無い。


ウェルチ・ビンヤード

『3』で初登場したお騒がせ娘。
毎作登場しており、どの作品でも名前も容姿も性格も中の人も同じだが、それぞれ生い立ちや服装は異なる全くの別人である。
アイテムクリエイションに関する役割を与えられることが多い。
『4』のウェルチだけは全く容姿が異なる上、ウザキャラが行き過ぎている感がありシリーズファンからはちょっと嫌われ気味。
担当CVの半場友恵氏はこれによりスターオーシャン全作に登場しており、『アナムネシス』の公式生放送でもレギュラーとなるなど、声優界のスターオーシャンの生き字引となりつつある。
詳細は個別項目へ。


CV:東地宏樹のキャラ

『1』にて、東地宏樹氏は当時まだ舞台俳優であったが、スタッフがファンであったために仲間キャラのシウスの声優として採用された。
以降、ほとんどの作品で東地宏樹氏がCVを担当する仲間キャラ、または敵キャラが登場している。
『5』だけはスケジュールの都合と、声が合うキャラがいないという理由で不参加となった。


ラドル・クリスチン

毎作登場する方向音痴の旅人。
目的地への正しい道筋を教えてあげるとアイテムが貰えるが、かなり根気強く付き合わないと目的地には辿り着いてくれない。
相方の「ルミナ」が登場することもある。


パフィ

毎作登場するお転婆娘。
『1』では選択肢次第で彼女に毒物を飲ませることができ、他の作品ではこれを踏まえたメタ発言をする場合もある。


行商人サンタ

毎作登場する行商人。
終盤~クリア後のエンドコンテンツ向けのショップとして、異様に高額な代わりに貴重なものを売ってくれる。
『1』の時点では普通の爺さんだったのだが、その後は関西弁になったり名前が「惨太」になったり怪物のような容姿になったりとキワモノ化の一途を辿っている。


チンケシーフ

バーニィと同じく初代から複数の星をまたいで登場する、ナンバリング作皆勤賞のネーミングがひどすぎる雑魚敵。
『2』からはレベルが99になったりドラクエよろしくメタル化したりとバリエーションが豊富になった。
また、『2』までは普通に人間と変わらない容姿だったのが『3』では亜人めいた顔付きに、さらに『4』以降では小型化しゴブリンのような存在へ変化している。


ガブリエ・セレスタ/イセリア・クイーン

シリーズ恒例…というかトライエース恒例の隠しボスである、男女の天使。
ゲームクリア後はこいつらを倒すのが当座の目的となる。
『1』の時点では天使「ガブリエル」として登場したが、その後男性型のガブリエと女性型のイセリアに分かれ今の形となった。
詳細は個別項目へ。


○シリーズタイトル一覧


シリーズ本編

記念すべき1作目。
荒削りでシナリオにも無理矢理間に合わせたような部分が複数見られるが、一方で意欲的なシステムを数多く備えた作品。
「プライベートアクション」「アイテムクリエイション」といった、戦闘以外の基本システムはここで原型がほぼ固まっている。


「ダブルヒーローシステム」により、男女の主人公を選べる。
戦闘面での進化は新たに高さの概念が加わり、戦場がほぼ完全な3次元となった事以外ではやや乏しいものの、アイテムクリエイションやパーティ編成の豊富さは際立っており、こと「自由度」という点ではシリーズ屈指の評価を誇る。
一気に『スターオーシャン』というブランドをメジャーゲームへと押し上げた、PS時代の名作にしてJRPGの金字塔である。
メディアミックスも積極的に行われ、コミカライズだけでなく『スターオーシャンEX』としてアニメ化もされた。*2


『3』は付いていないが3作目。PS2作品ということで、本作から3D化、シンボルエンカウント式となった。
お使い感の少ない現代RPG的なシナリオが導入され、戦闘も紋章術や全体攻撃で停止しない完全リアルタイムの極めてスタイリッシュなものに進化。
まだPS1時代の作りを引き摺った作品も多かった当時、時代を先取りした最先端の内容に仕上がっている。
一方でシナリオ終盤に畳みかけるように開示された、シリーズ世界観に大きく関わる「エターナルスフィア」の設定は波紋を呼んだ。
1年後にはバランス調整やバグ修正に加えて追加要素の入ったディレクターズカット版が出ており、現在はこちらが基準に語られている。


時系列で最初に当たる作品で、地球連邦の設立とシリーズお馴染みの設定である「未開惑星保護条約」が制定される切っ掛けを描く。
前作で評価された3D戦闘を引き継ぎつつシステムそのものは『2』に立ち返り、新要素として相手の攻撃を回避して死角へ回り込む「サイトアウト」と、
専用のゲージを消費して自信を強化したり必殺技を一気に叩き込む「ラッシュモード」「ラッシュコンボ」などを導入して引き続き好評を得た。
一方でキャライラストとの乖離が目立つモデリングや、ディスク3枚組のために最終盤では惑星間移動にディスク交換が求められるなど、不親切なUIに不評意見が集まった。*3
それ以外ではやや属性過多なきらいのある一部パーティーメンバーの設定や、中盤以降のいわゆる鬱展開の多いシナリオも賛否両論ではある。


  • スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-(SO5、2016年3月31日)

原点回帰ということでストーリーは『1』を意識した未開惑星視点で始まり、描かれる年代も宇宙暦537年と特別なものではなく、シリーズの空白部分を補完するような形になっている。
一方で戦闘システムは、『3』を踏襲しつつフィールド移動やイベントからのシームレス戦闘を実現し、最大でパーティ7人が全員参加するという新しさを持つが、
『3』の要改善点がさらに悪化した荒削りな面は否めず、わちゃわちゃした大味なものになってしまい否定意見が多め。
やや短く壮大さも薄いシナリオや没入感が削がれた演出、過去作のオマージュと言うよりは流用になっている部分など、それ以外もどうにも低予算感を感じられる作品。
あとタイトルがみんな覚えられない。


前作の不評を受け、再び新しい時代のスターオーシャンを目指してシステムを改善。
ダブルヒーローシステムと主人公ごとに視点の違うシナリオ、前作の連邦軍人が結婚して彼らと面識のある子孫が仲間入りするなど、
前作が『1』を意識した一方でこちらは『2』を踏襲した要素を備える。
特に本作の目玉である機械生命体「DUMA」の力を得て行う高速アクションは単純に気持ち良く、戦闘・探索の楽しさや快適性を大幅に上げている。
シナリオも後述の『アナムネシス』で好評を得た和ヶ原氏をライターに加えるなど改善がなされた。



それ以外

外伝作であり、2作目『セカンドストーリー』の続編。
最初から『2』のメンバーが大半集合した状態で始まるなど、RPGとしても異色の構成である。
ゲームボーイカラー(旧GBにも対応)という媒体ゆえ制約も多い中、独自システムで存在感を発揮している。


  • スターオーシャン マテリアルトレーダー(2013年8月23日)

携帯用のブラウザゲーム。
宇宙暦578年を舞台とし、惑星ノーティスでトラブルに巻き込まれた女性、特殊機関「ウロボロス」の調査員ティナを助けた事をきっかけに、突如現れた謎の結晶「アストロストーン」を探し出し、結晶の出現地で起きる異変を解決していく物語。
そもそも開発がトライエースではないことに加え、2013年という時期としては遅きに失した感のある『怪盗ロワイヤル』系のポチポチブラウザゲームである。
シリーズ過去作キャラもイラストぐらいでしか登場せず、シナリオ性もほぼ皆無ということで全く人気は出ず半年ほどで終了した。


「トライエース作品のお祭りゲー」という側面も持つソーシャルゲーム。
シリーズ本編の戦闘をシンプルにしつつ最適化したような、スマホゲー全体から見ても有数のアクション性の高い戦闘が特徴。モデリングのクオリティも高い。
シナリオは当初は評価が低かったが、シリーズの大ファンである『はたらく魔王さま!』の作者・和ヶ原聡司が参画し評価は大幅に改善。
一時はセールスランキング1桁を連発するほどの人気であったが、コンテンツの画一化や不祥事による炎上が響き、約4年半でサービス終了した。






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  • 5はスルーしてたけど6評判良いし、そろそろ買おうかな… -- 名無しさん (2022-11-14 00:57:18)
  • >スタートレックの影響。SO3の攻略本だったか。スタッフインタビューのページでも書かれていたな -- 名無しさん (2022-11-14 16:11:33)
  • どんなに宇宙規模の壮大なスケールの話をやっても結局はシミュレーションゲームの中という -- 名無しさん (2022-11-15 21:06:19)
  • シミュレーションゲーム説は肯定されていない。私が判断した。……と言うか元々自キャラ操作できない設定なのでゲームかどうかすら怪しい。 -- 名無しさん (2022-11-15 21:34:29)
  • 記事を作ってくれてありがとう。6もUIまわりでどうだろうって思う部分もあるけど、爽快感は確かにあるしシナリオが丁寧なので満足してる。あとスクエニが年表つきで設定資料集出してくれたのも嬉しい。 -- 名無しさん (2022-11-15 22:28:55)
  • ラドル・クリスチンってイースシリーズのアドル・クリスティンかいw -- 名無しさん (2024-04-15 21:58:51)

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*1 ワープ技術を持っていない種族との接触を禁じる条文。内容は無論、主要人物に度々破られるところも似ている
*2 ただしキャラデザの違いやとある脇役の存在を考慮すると、実態としては「本作のコミカライズのアニメ化」と言った方が正しい。
*3 1ディスクやDL専売となったインターナショナル版以降では改善されている。

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