登録日:2012/02/03(金) 19:34:59
更新日:2023/08/17 Thu 18:28:36NEW!
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ウルトラマンダイナ ウルトラマン ウルトラシリーズ 難解 実相寺昭雄 悪夢 舞台 錬金術 シュール トラウマ ウルトラシリーズエピソード項目 怖い 視聴者おいてけぼり ブンダー_ブンダー 元祖砂埃登場 ゲストはリー・ケフレン 怪獣戯曲 台本 ブンダー 堀内正美 清水紘治
来る…怪獣ブンダーが来る!
怪獣戯曲とは『ウルトラマンダイナ』第38話のサブタイトルにして同作に登場する台本の題名。
『故郷は地球』『空の贈り物』(ウルトラマン)『狙われた街』『遊星より愛をこめて』『第四惑星の悪夢』(ウルトラセブン)
『花』『夢』(ウルトラマンティガ)『狙われない街』『胡蝶の夢』(ウルトラマンマックス)等の演出で知られる鬼才・実相寺昭雄監督作品の間でも一際難解な作品の一つである。
【ストーリー】
街の中心で一人の男が「怪獣ブンダーが来る」と喚き散らし昏睡状態になる。
その言葉通り、上空からバベルの塔を彷彿とさせる巨大な物体=ブンダーが飛来。
TPCの医療センターに運びこまれた男は、マユミの診断によれば記憶喪失との事。
所持していたカメラに残されていた写真から、失踪した天才劇作家・鳴海博也の家に関係が深いという事を知ったカリヤ隊員とアスカ隊員は早速鳴海氏の自宅へと向かう。
『ブンダー』とは、鳴海が書いた脚本『怪獣戯曲』に登場する怪獣の名前。この本にはシワ一つ無い銀紙が挟まっていた。
『怪獣戯曲』は演劇雑誌に投稿されていたものの、彼の満足する終わり方では無かった為に結末が掲載される事は無かった。
鳴海が残した日記には記憶喪失の青年を利用し錬金術で怪獣を産み出した事、怪獣を倒す方法は『娘』に託した事が記されていた。
早速手がかりを探る為に男の病室へ戯曲を持って行くカリヤ隊員と、単身調査を続けるアスカ隊員。怪しい上り階段を見つけるが、それは鳴海の罠でアスカはどこか別の世界へと落ちてゆく…
一方、病院に持ち込まれた『怪獣戯曲』を見た男は小さく「見える…」と呟く。何が見えるのかという問いかけには、「舞台」と答えるだけだった。
鳴海は街を舞台に見立て、自らの生み出したブンダーを暴れさせる事により『怪獣戯曲』を完成させようとしたのである。
記憶喪失の男は次々と自分の事を思い出して行く。自分を歴史上実在した記憶喪失の少年カスパー・ハウザーになぞらえて執事兼劇団員として傍に置いていた事、
ある日突然劇団員を集め解散の日を告げた事…
その頃アスカはマユミに扮した鳴海の部下が「貴方は自分がウルトラマンダイナだという夢を見ていただけ」という言葉でアスカを惑わせ、電撃を浴びせ苦しみを与えていた。
その時、カリヤとマユミは一つの答えを見いだした
―アナモルフォーシス。
銀紙を筒状に丸め『怪獣戯曲』の表紙に置くと、ウルトラマンダイナがブンダーを倒す光景が映し出された。
するとアスカはダイナに変身。ブンダーを撃破する。
この結末こそ、鳴海が最も恐れていた物だった
怪獣ブンダーは倒された。だが、鳴海は今もどこかで怪獣戯曲を書いているかもしれない…
【登場怪獣】
バロック怪獣 ブンダー
- 全長:65m
- 体重:55000t
バベルの塔に手足と顔を付け足したような姿をした怪獣。
鳴海浩也が「怪獣戯曲による人類滅亡」という大団円のために、ホムンクルスじみた錬金術で人工的に生み出した。
空間を捻じ曲げて手足の一部のみを転送する能力を持っており、単純な防御力もソルジェント光線が効かない程度には高い。
鳴海は「ダイナによって倒される」という結末に納得がいかず、アナモルフォーシス(隠し絵)でその結末を封印し、アスカ自身もダイナへの変身を封じて滅亡を招こうとしていた。
しかし、カリヤ達によって隠し絵が発見されたことで結末が書き換えられ、ダイナとの戦闘に突入。
互角の戦いを繰り広げたが、最後は空間歪曲の使い方を間違って自分を貫き、自滅してしまった。
【特徴】
本編は実相寺監督の演出により、斬新な手法がいくつか取られている。
〇ブンダーの襲来を告げる男の場面で挿入される、鏡張りの箱が縦横無尽に動き回る芝居のステージ。
〇アメコミ風の漫画で描かれた、ゼレットと鳴海宅外観。
〇前衛芸術のように芝居がかった口調で電動ドリルを手にし、男のこめかみに穴を開ける鳴海。
〇本編の終了後、どこからか鳴り響くブザー。
主に現実と空想の境界を曖昧にしたカットが多く、いつもは「エピソードの後日談→その回のハイライト」と続くエンディングに置いてもどこまでがその後なのか解らない程幻想的。
その内容はまるで夢を見ているかのようでもある。
キャストもどこか全体的に狂気を感じさせる演技となっており、いつもと変わらないマイペースなマイですらどことなく怖い。
【その他】
- 本編で鳴海役を演じたのは、かつて『ウルトラマンA』第4話にゲスト出演し、『超新星フラッシュマン』で大博士リー・ケフレンを演じた清水紘治氏。
- 記憶喪失の男を演じたのは『ウルトラマン80』第9話・『ウルトラQザ・ムービー 星の伝説』・『ウルトラマンティガ』第40話にもゲスト出演した堀内正美氏で、
この後『ウルトラマンガイア』の死神役を経て、『ウルトラマンネクサス』でレギュラーとなり、さらに『マックス』・『ULTRASEVEN X』に『メビウス』映画版、ウルトラQリメイク作品2作にも顔を見せ、
その果てに『仮面ライダードライブ』にも姿を現し、『動物戦隊ジュウオウジャー』にもゲスト出演することになる。 - 登場する怪獣『ブンダー』の名前はドイツ語の「不思議」を意味する「Wunder」から。
- 鳴海が『娘』と呼んだ人形は四谷シモンという芸術家の作り上げた本物の作品。無表情ながらどこか凛とした表情が本作の特殊さを際立たせている。
- 『SSSS.GRIDMAN』の新条アカネは怪獣模型の制作にブンダーを生み出した錬金術を取り入れており、模型にバロックパールを埋め込んでいる。
追記・修正とは歪んだ真珠の事だ!
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- マックスの胡蝶の夢の前進だな。 -- 名無しさん (2013-08-02 01:54:47)
- 鳴海の怒鳴り声にビクッてなるタヌキのぬいぐるみがかわいい -- 名無しさん (2013-10-07 20:22:19)
- 時折流れる「ブンダー・・・・・ブンダー・・・・・・」っていう効果音が不気味だった。 -- 名無しさん (2013-10-13 12:49:50)
- 子供の頃に見たときに、分けわからなくて怖かったが、ダイナのエピソードの中で一番印象に残ってる -- 名無しさん (2013-12-25 00:17:02)
- ブンダーが自滅した時、何が起こったのかわからなくなった。 -- 名無しさん (2014-01-30 20:15:33)
- プリキュアでもこんな回やらないかなぁ -- 名無しさん (2014-08-12 01:08:09)
- ↑2 自分の空間を曲げる能力で自分の腕で自分を貫いちゃったらしいけどわからんよなw -- 名無しさん (2014-08-12 01:59:25)
- ↑2 「ブンビー…ブンビー…」 -- 名無しさん (2014-09-27 21:20:25)
- 今更初視聴 -- 名無しさん (2014-10-24 21:44:28)
- ↑続き 胡蝶の夢とか夏にホラーな回 -- 名無しさん (2014-10-24 21:45:56)
- ↑続き 胡蝶の夢とか夏にホラーな回を列伝で放送してほしい -- 名無しさん (2014-10-24 21:46:55)
- 戦闘シーンがぐにゃぐにゃしていて何が起こっているのかわからなかった -- 名無しさん (2015-11-17 19:54:23)
- ケフレンよりエースの4話に出てきた久里虫太郎だなぁ清水氏は -- 名無しさん (2016-01-15 23:42:26)
- バロック怪獣ブンダー -- 名無しさん (2016-01-15 23:55:36)
- エンディングの映像が本編の逆再生だったのが何故か怖かった。 -- ナナシ (2016-03-14 04:31:23)
- 実はガイアより先に地面を巻き上げる着地登場をした回なんだよな。 -- 名無しさん (2016-06-06 13:12:37)
- 鳴海役が清水絋治ってことは、ウルトラマンAの九里虫太郎の人ってことか。メビウスでもヤプールの人間体として出た。 -- 名無しさん (2016-11-27 09:29:12)
- 「あなたは自分がウルトラマンダイナだという夢を見ているだけ」という発現はマックスの胡蝶の夢っぽいな -- 名無しさん (2017-01-16 19:11:07)
- 映像はいいんだけどなぁ -- 名無しさん (2017-01-16 19:46:22)
- ブンダー、馬糞入り。胡蝶の夢とは違って、ナレーションでの説明があるところが僅かに現実と地続きに思える。怪獣だけ実体化したらしいとかさらっと言ってるけど。 -- 名無しさん (2018-11-06 03:33:15)
- 荒らしコメントを削除しました -- 名無しさん (2019-04-23 18:55:38)
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