セイバーズ(伝説の勇者ダ・ガーン)

ページ名:セイバーズ_伝説の勇者ダ_ガーン_

登録日:2022/03/16 (水) 16:55:33
更新日:2024/06/18 Tue 11:42:04NEW!
所要時間:約 27 分で読めます


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セイバーズは、サンライズ・名古屋テレビ(現:メ~テレ)制作のロボットアニメ『勇者シリーズ』第三作『伝説の勇者ダ・ガーン』に登場するロボットチーム。




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【概要】

第3話「勇者の石を探せ」にて初登場、第4話「南極の嵐」にて初期メンバーが集結。
いずれもダ・ガーンと同じく、太古の昔から地球を守る八人の勇者に該当。いずれも飛行機と融合し、空中戦が得意。
地球に選ばれた『キャプテン』こと高杉星史を敬う礼儀正しさと侵略者に屈せぬ高潔さを併せ持つが、彼の命令がなければ敵の迎撃が行えないのが欠点。
他にも、メンバーは頭部に施したゴーグルが共通点で、その下に二つ目のカメラが隠れている。


今作の勇者ロボの共通機能として、星史の安全を確保するための座席が体内に搭載されており、
第3話にてジャンボセイバーがこれを「隊長のために用意した特等席です」と称している。



【メンバー紹介】


はじめまして!


あなたが、我々のキャプテンですね?


私はジャンボセイバー。以後、よろしくお願いします!


ジャンボセイバー


飛行形態時全長:58.6m
飛行形態時最高速度:マッハ3.2
ロボット時全長:12.5m
重量:42t
走る速さ:160km/h
ジャンプ力:280.8m
最大出力:112,000HP


CV:星野充昭


第3話にて初登場。星史が二番目に目覚めさせた勇者。
古代エジプトのファラオ(王)であるスセムラ6世の棺の装飾品として眠っていたが、日本で行われる予定だったエジプト展のため輸送したボーイング747と融合しこの姿を得た。
セイバーズの中では一番紳士的で、ダ・ガーンにも敬語で接する。
また、エンディングでもロボット状態で桜小路蛍を両手に乗せて、共に微笑みながら無数の鳥と戯れる場面も印象的。


ジャンボジェットと融合したためか、飛行距離はセイバーズ一。胴体内にはパトカー形態のダ・ガーンを格納するスペースが施されている。
その特性を生かして、人々の救出や避難することも可能。
星史が海外に移動するときはもっぱら彼を利用することが多く(ビジネスクラスどころか旅客機丸ごと貸し切り状態)、彼もまた星史の無茶な要望に頭を悩ませることもあったが、責任感は強く囚われの身になっても決して仲間を裏切ることはない。
ジャンボジェット時とロボット時でサイズに差があり過ぎるが、気にしちゃいけない。
エクスカイザー達のように、変形時に本来の機体を亜空間に収納して自らの身体を憑依した機体ベースの小型ロボに変換していると思われる。


玩具パッケージによると、普段は地球の南半球を監視している。
その上、CDドラマ「ミステリアス・ベル」によると、普段は交通整理役として空の安全を守っている。
しかし、その誠実さゆえに指示が度を超えることもあり、パイロットたちから「空のお節介」と呼ばれている。


武装・技

  • ジャンボアロー

背中に内蔵されたボウガンで、トリガーを引くと巨大な矢が発射される。その射程は3000mを誇る。
第17話では矢にロープを繋げ、ブッチョが仕掛けたゲル状の液体から星史を脱出させた。


  • ジャンボトルネード

両腕を収納し、腕内部から巨大な竜巻を巻き起こす。


  • ジャンボカッター

尾翼部で蹴りつけながら敵を切り裂く。


  • ジャンボラリアット

ジャンボジェット形態で使用。
ジェットエンジンを両腕部に変形させてラリアット攻撃を繰り出す。


  • ジャンボバルカン

ジャンボジェット形態で使用。
機首部に施された機銃で攻撃する。



キャプテン! 私は、シャトルセイバー。


シャトルセイバー


飛行形態時全長:36.2m
飛行形態時最高速度:マッハ30.5
ロボット時全長:10.3m
重量:32.9t
走る速さ:180km/h
ジャンプ力:305m
最大出力:145,000HP


CV:沢木郁也


第4話にて初登場。星史が三番目に目覚めさせた勇者。
南極大陸のオーボス軍前線基地にて、レッドロンがコレクションとして鹵獲したNASAのスペースシャトルが、月面で発見された勇者の石と融合した。
そのため、飛行高度はセイバーズの中では一番高い。
ジャンボセイバーと同様、貨物室にパトカー形態のダ・ガーンを収納可能。


CDドラマでは普段は大気圏外のパトロールの傍ら、使用不能になった人工衛星の回収に努めていることが判明。
そのため、NASA(アメリカ航空宇宙局)からは「[[宇宙の掃除屋さん>プラネテス]]」と呼ばれている。
「まったく人間というのは、いくつ人工衛星を打ち上げればいいんだろう。こうして寿命の尽きた衛星を回収する身にもなってほしいものだ……」


武装・技

  • シャトルランサー

右脛部に内蔵された長槍で、その威力は大岩をも貫くほど。


  • シャトルブラスト

両肩のノズル部から6000℃もの炎を放射する。
通常は緑色だが、第15話では赤色の炎となっている。


  • シャトルフラッシャー

両腕から複数の光弾を速射する。


  • シャトルブーメラン

シャトルのラダー(尾翼部)をブーメランとして投擲し、敵を切り裂く。
その速度は600km/h。


  • シャトルカッター

背中のウイング部で飛行しながら敵を切り裂く。


  • シャトルバルカン

シャトル形態でのみ使用。
機首先端部に施されたバルカン砲で敵を攻撃する。



こちらは、ジェットセイバーであります。 隊長、よろしく!


ジェットセイバー


飛行形態時全長:18.6m
飛行形態時最高速度:マッハ5
ロボット時全長:10.2m
重量:18.5t
走る速さ:180.6km/h
ジャンプ力:390.6m
最大出力:103,000HP


CV:高宮俊介


シャトルセイバーともども第4話にて初登場。
南極の氷に埋まっていた第四の勇者の石が、レッドロンの前線基地に鹵獲された地球防衛機構のジェット機(F-14に近い形状)と融合した。
当初は模範的軍人のような硬い口調であったが、後に他のセイバーズと同じ紳士的なものになっている。
また、第8話ラストでは、ジャンボセイバーの客席で疲れて眠る星史を気遣いエンジン音を抑えるようにメンバーに指示する場面も見せている。
大気圏内での最高速度は勇者で一番速い。


玩具パッケージによると普段は北半球の監視を担当している。
しかしCDドラマによると、外見が戦闘機であるために、パトロール中に各国空軍から「領空侵犯の王者」と呼ばれ迎撃されることが多い。
「こっちが勇者であることも知らずに……」
なお、本編でも一度星史の命令で都内のド真ん中で交通違反をしたことがある。ジェット機だけど道路を走ってたので交通違反である。


武装・技

  • ジェットブレード

背中に内蔵された長剣
一振りで超高速の斬撃を繰り出し、ミサイルを真っ二つに断ち切る切れ味を誇る。


  • ジェットディスポーザー

両腕の共鳴板から超振動波を発生させて敵を押しつぶす。


  • ジェットスライサー

尾翼部が兼カッターとなったもの。


  • ジェットカッター

主翼部で敵を切り裂く。
その硬さはダイヤモンドよりも固くできているため、切れ味は抜群。


  • ジェットタイフーン

両腕からマッハ2の突風を放つ。
第15話では背中のジェットエンジンから突風を放った。


  • ジェットラリアット

ジェット形態から腕をせり出して、超高速飛行しながらラリアットを繰り出す。


  • ジェットバルカン

こちらもジェット形態で使用。
機首先端部の機銃で攻撃する。




【合体形態】



ダメだ!我々の武器ではダメージを与えられない!


じれったいなあ…。何かもっとバーンと強くなる方法はないのかよ!?


あります!強くなる方法が!


ホ、ホントか?


はい!我々セイバーズは、
合体してスカイセイバーになることができるのです!


そうすれば、飛躍的にパワーが増大します!


ならさっさとそうすりゃいいだろうが!!



合体しろ!セイバーズ!!



ラジャー!!





スカァァァイセイバァァァァッ!!



スカイセイバー


全長:23.2m
重量:93.4t
最高飛行速度:マッハ15
走る速さ:280.5km/h
ジャンプ力:1030.0m
最高出力:385.000hp


CV:高宮俊介


初登場は第8話「南海の大決戦」。
ダイレクターを介した星史の指令を受け、セイバーズが三体合体した姿。
レッドロンが送り込んだ水中戦用メカ・セレーネαに苦戦する中、見かねた星史の詰問によりセイバーズにも合体機能があることが発覚。
合体後はセレーネαを一撃で破壊し、津波に吞み込まれかけた星史も間一髪で救い出すという鮮烈なデビューを飾った。


空の勇者の名が示すようにセイバーズが大空に舞い上がりながら合体開始。
ジェットセイバーが胸部と両腕部、ジャンボセイバーが胴体と腿部、シャトルセイバーが分割されて両脚部を形成し完成する。
人格はジェットセイバーに統合される。


背部と胸部に張り付いた巨大な翼に額中央のタービンと、セイバーズの特徴を取り入れたデザイン。
胸部プレートにはユニコーンのエムブレムが施されている。
飛行速度は勇者一で、ダ・ガーンXのマッハ3.5を遥かに上回っている。


武装・技

  • セイバーブーメラン

スカイセイバーの基本武器。
胸部の飾りを巨大なブーメランとして投擲。一分間でなんと500回も回転する。
玩具では「セイバースラッシュ」と表記。


  • セイバーブレイカー

第10話「必殺!合体破り」でお披露目。
全身にエネルギーを集めて放電。
周囲を飛び交う複数の敵を攻撃する。


  • セイバーブリザード

第14話「ドキドキ ピンクとデート!」でお披露目。
額の兜飾りに施されたファンから絶対零度の猛吹雪を放つ。


  • セイバーアタック

マッハ10ものスピードで突撃する技。


  • セイバーウイングカッター

第15話「サーカスの秘密」で披露。
セイバーアタックの派生技。
両翼部のウイング部を展開後、光を纏わせ敵を切り裂く。
玩具パッケージでは、こちらが「セイバーアタック」と表記されている。


  • セイバーブラスター

手首からノズルを展開し2万℃の火炎放射で敵を攻撃する。
玩具パッケージでは「セイバーファイヤー」と表記。


  • セイバーダガー

両肘部から鋭い刃で敵を攻撃する。


  • セイバーランス

ジェットブレード、ジャンボアロー、シャトルランサーが合体し長槍となった武器。
威力も合体前の10倍を誇るが、劇中未使用に終わった。


  • トラクションビーム

第25話で使用した光線。
プラネットエナジー解放により引き裂かれていくアフリカの大地を繋ぎとめるため、バックパックから放出した。




【セイバーズ死す!?】

レッドロンに変わりプラネットエナジー解放点の探査に乗り出したデ・ブッチョ
そんな彼もダ・ガーンら勇者を束ねる『チョロチョロ』こと星史に幾度も妨害された上に、オーボスの用心棒ことセブンチェンジャーの出現、さらに上司であるレディピンキー八つ当たり気味な制裁を幾度も受けてしまい、屈辱を晴らさんと燃えていた。


一方、通学途中の星史は突如つむじ風と共に現れたクラスメートの桜小路蛍に不吉な予言を告げられる。



だめ……どこにも行っちゃだめ……。
あなたとあなたのお友達に、とても恐ろしいことが起こるわ……。


誰かに呼ばれても、今日は絶対に出かけちゃだめ……。



必死に訴える蛍の心配をよそに、気分転換で星史はシャトルセイバーの報告を受け南米のアマゾンに向かう。


だが、それはブッチョの罠であった。ブッチョはプラネットエナジー解放点の調査ついでに、探査マシンをエサ代わりにダ・ガーンたちを捕えようとしていたのだ。
ゲル状の液体に足を捕られ、身動きが取れなくなるジャンボセイバーと星史。
ジャンボセイバーは「せめて、キャプテンだけでも……!」と星史を逃し、自身はブッチョの人質となってしまった。



ブッチョは頑としてダ・ガーンの弱点と隊長の正体を吐かないジャンボセイバーを利用。
見せしめとして装甲獣の磔にし、ダ・ガーンと残りのセイバーズに無抵抗を強いらせる。
日頃の恨みとばかりにダ・ガーンたちを一方的に蹂躙するブッチョは、勢いづいて星史に正体を見せるよう脅迫する。


日本では、星史の身を案じて教室から蛍が祈り……やがて気を失う。
彼女の想いが通じたのか、アマゾンに大雨が降り注ぎ装甲獣越しからのブッチョの視界を遮った。
そのスキを突いてダ・ガーンがダ・ガーンマグナムで狙い撃とうとするが、逆にブッチョに気付かれてしまう。
ブッチョの怒りが反映するかのように装甲獣はダ・ガーンを打ちのめし、星史にも照準を向ける。
ジェットセイバーとシャトルセイバーがその盾となるが、このままでは全滅してしまう。
絶体絶命かと思いきや、ランダーズがついに到着!
マッハランダーのウイングカッターで拘束を断ち切られ、残りのランダーズがジャンボセイバーをキャッチした。



ジャンボセイバー!大丈夫か!?


……キャプテン、ご心配をおかけしました。
しかし、ご安心ください。
キャプテンの秘密は、一言も言っておりません!


ジャンボセイバー……!



ダ・ガーンをダ・ガーンXに合体させ、満身創痍の状態のジャンボセイバーを気遣う星史。
装甲獣もランダーズ*1とダ・ガーンXの攻撃であっけなく破壊された。



おい!
よくも俺のかわいい部下を痛めつけてくれたなあ……?


待てぇ!何でもする!
知りたい事なら何でも教えるから、助けてくれぇ!!


よぉ~し!それじゃあなあ……えぇ~と……。



勢いよく吹き飛ばされたブッチョの前に立ちはだかる星史。
先ほどまでの勢いはどこへやら、にっくきチョロヨロに情けなく命乞いをするブッチョ。
そこへセブンチェンジャーが乱入。装甲獣を葬ったブレストアースフラッシュを片手ではじき返し、合体したランドバイソンを戦車・ジャガー形態を使い分け翻弄していく。



つ、強ぇ……!


キャプテン……!
我々も合体させてください!


何言ってんだ!そんなに弱ってるのに、戦えるわけないだろ!?


しかし、このままでは……!


空中戦では、我々に勝ち目があります!
お願いします!!


キャプテン……!


……ヤバいと思ったら、すぐ逃げるんだぞ!


ラジャー!!



満身創痍の状態であるにもかかわらずなおも戦おうとするセイバーズの懇願を受け、星史はスカイセイバーに合体させる。
得意の空中戦に持ち込もうとするスカイセイバーだが、グリフォン形態となったセブンチェンジャーに翻弄された挙句、チェンジャーブリッツェンでセイバーブーメランごと腹部を貫かれ地に堕ちてしまう。
ブッチョを回収し戦場を後にするセブンチェンジャー。
仲間たちがスカイセイバーに駆け寄る中、瞳から光が消える。
そして全身が緑の光に包まれた後、機体から勇者の石が星史の掌に戻り……光を失いひび割れてしまう。



そんな……嘘だろ……?そんな……!


スカイセイバーッ!!



蛍の予言が的中してしまい、星史の絶叫が木霊するのだった。



【よみがえれ!勇者】

割れた勇者の石の修復方法はダ・ガーンらですら知らず、星史は途方に暮れてしまう。
その時、星史の気づかぬ間にダイレクター内のオーリンが光り輝き……鳳凰にも似た緑の鳥が飛び立つ。



……そうだ、蛍だ!


あいつはあの時、スカイセイバーがやられることを
わかっていたみたいだったもんな!
あいつなら、何かを知っているかも……!



先ほどの予言を告げた蛍にすべてをかけようとする星史だが、そこへ見慣れぬ緑の鳥が舞い降りる。
その鳥が戯れようとしていたのに感じたのか、星史は必死にふりほどき動かぬスカイセイバーをダ・ガーンとランドバイソンに任せ、ダ・ガーンジェットで日本へ帰還する。
スカイセイバーの骸に羽を休めていた緑の鳥も、それを追うかのように羽ばたいていく。ダ・ガーンはそれに自分たちと同じ力を感じていた……。


空飛ぶブッチョの装甲獣による追撃を高速離脱し、桜小路邸にたどり着いた星史。
ばあやの道案内*2で蛍の待つ庭園に向かうが、無数の鳥が蛍の周りを囲んでいるのを見る。



汚れのない空が……悪しき者に支配されようとしています。


みんな、それを私に伝えようとここに集まってきました。


気付かなかったのですか……?



その異様な光景に戸惑うが、そこへランドバイソンの通信が入る。
セブンチェンジャーが再び立ちはだかって来たというのだ。
このままではスカイセイバーが破壊されてしまう……蛍をダ・ガーンジェットに乗せ、星史は先ほど来た航路を飛ぶ。
すると、目の前で先ほどの緑の鳥が星史らの前と飛んでいく。



あの鳥が……あなたを導いてくれるわ。


え……?それじゃあ、あの時……
あいつは、俺に何かを伝えようとしていたっていうのか?



セブンチェンジャーと対峙したダ・ガーンらの身を案じながら、星史は鳥の後を追う。
やがて、ダ・ガーンジェットは見慣れぬ渓谷へと飛んでいく。


いったいあいつは、どこへ行こうとしているんだ?


『光の洞窟』……。


え……?


あの鳥が……私の心に……そう呼び掛けてきたわ。



鳥と共に渓谷から洞窟の奥深くへと向かう星史と蛍。
すると、巨大な穴から差し込む光が、翼を広げた鳥の石像を照らし出す光景が広がっていた。
鳥は光差す石の台座へと羽を休め、ダ・ガーンジェットから降りた星史に勇者の石を置くように促す。
すると、ひび割れた勇者の石はみるみる修復されていき、次第に元の状態へと戻っていく。


だが、セブンチェンジャーの猛攻はとどまることを知らず。
このままではスカイセイバー復活を待たずして勇者たちが全滅してしまう……焦る星史に追い打ちをかけるように、更なる危機が訪れる。
見ると、あの鳥が苦しそうに呻き、蛍の腕に抱かれているではないか。



かわいそうに……。
ここに来るまで、傷ついた体でずっとがんばっていたのね……。



ここに至る前、ダ・ガーンジェットを追っていた鳥はブッチョの装甲獣の猛攻を受け傷ついていたのだ。



あ、あの時……
あの時、こいつの気持ちをわかることができたら……
こいつは傷つくことはなかったんだ……。
ダ・ガーンたちもピンチに陥ることなんかなかったんだ!



己の過ちを顧みた星史は、今にも息絶えそうな鳥に手を差し伸べ謝罪する。



ごめんよ……。
俺も蛍のように、お前の気持ちがわかったら、こんなことには……。


あなたがそう願うなら……きっと奇跡が起きるわ。


蛍の言葉を信じ、星史は勇者の石と同じ場所にダイレクターを置いて、鳥を抱き目を閉じる。
ほどなくして、オーリンが光り輝き、星史に抱かれた鳥は輝きを放ちながら飛び立ち……巨大な鷹の石像と融合し、赤き翼の巨人となった。



私の名はホークセイバー。


隊長、あの鳥は私の魂が実体となったものです。


ダ・ガーンたち8人の勇者以外にも地球を守る勇者がいたのかと驚く星史に対し、ホークセイバーは自身が人類が誕生する遥か昔から太古の空を守り抜いた勇者だと告げる。
彼はセイバーズが倒れて地球の空が危機に瀕したことを知り、永き眠りから目覚めたのだ。



あなたが、『言葉の通じぬ動物たちに心を通わせたい』と望んだ真心が、
私を完全に復活させてくれたのです。
さあ隊長、私に命令を!


よぉし、ホークセイバー!
ダ・ガーンたちのピンチを救ってくれ!!


了解!!



星史の命令を受け、第四の空の勇者・ホークセイバーは鳥となり大空に羽ばたく。
トドメを刺さんとしたセブンチェンジャーはブッチョの乱入により興が削げたのか、戦場から離脱。新たな勇者の雄姿を見届けていく。
星史が到着したことでダ・ガーンはダ・ガーンXに合体。ランドバイソンと共に太古の勇者と共闘し、ブッチョの装甲獣を退けるであった。


その後、蛍が光の洞窟での出来事を全然覚えていないと知り驚く星史は、先程の鳥がどこへ行ったのかと問われる。
ホークセイバーを見やりながら力強く答える。



どこにも行ってやしない。
これからずっと、俺たちの空を守ってくれるはずさ!



その言葉に応じるかのように、完全に修復された三つの勇者の石が飛来。
それらは鉄の骸だったものに宿り、ついにスカイセイバーが復活した!
太古と今、それぞれの時代の空の勇者がよみがえった様を祝福するかのように、鳥の群れが悠々と羽ばたいていった。



【追加メンバー/合体形態】


美しい空を乱した罪の深さを、思い知るがいい!!


ホークセイバー


鷹形態時全長:8.0m
鷹形態時最高速度:マッハ4.5
ロボット時全長:12.5m
重量:29.0t
走る速さ:290.3km/h
ジャンプ力:450.0m
最大出力:135,000HP


CV:林延年(現:神奈延年)


初登場は第18話「よみがえれ!勇者」。
人類が誕生する遥か昔、ダ・ガーンたち八人の勇者が生まれる前から存在していた太古の勇者で、『翼あるものの代表』として地球の空を守り抜いてきた。
スカイセイバーが倒れた直後、ダイレクター内のオーリンが光り輝くことで『光の洞窟』から光の鳥が出現。
星史をそこへ導き、彼の真心に呼応したことで完全復活した。


性格は空の勇者らしく、他のセイバーズと並んで礼儀正しい。
星史のことを「隊長」と呼び、命令には「了解」と応えるのが他のメンバーとの違い。
また、地球の空を守る存在であるがゆえ、大空を汚すオーボス軍には容赦しない。


CDドラマでは、普段は渡り鳥たちの道案内役として彼らの安全を守っていることが判明。
そのため、国際動物保護体グリーンビーンズからは「悪と戦う渡り鳥」と呼ばれている。



武装・技

  • ホークダーツ

両肩部から手裏剣型爆弾を発射する。


  • ホークアンカー

両肩部の鉤爪をアンカーのごとく射出して攻撃する。


  • ホークギムレット

両翼部を上に向け、全身をきりもみ回転させながらドリルのように突撃する。


  • ホークボルテックス

全身を回転させ、大竜巻を巻き起こす。



スカイセイバーと私は、合体することができる!


ホントか…?合体すれば何とかなるんだな!?


ああ!


とにかく、任せてください!


よーし……!


ホークセイバー、スカイセイバー!合体だ!!



合体!



ペガサスッ!セイッバァァァァァッ!!



ペガサスセイバー


全長:25.5m
重量:122.4t
最高飛行速度:マッハ23.5
走る速さ:650.0km/h
ジャンプ力:1200.0m
最高出力:580.000hp


CV:林延年


初合体は第19話「ペガサスセイバー登場」。
光の洞窟の力で復活したセイバーズが、ホークセイバーと共に星史の指令を受け四体合体した姿。
ホークセイバーが胴体部を形成した後、ジャンボセイバーとジェットセイバーが合体。
そこにシャトルセイバーが後ろ足になった後、ホークセイバーの前足から馬の蹄が飛び出し、新たな頭部が現れて合体完了。
人格もホークセイバーに統合される。


初登場回ではスカイセイバーに追加で合体する形式で、バンクはホークセイバーが変形するところから始まっていたが、のちにフルバージョンのバンクもお披露目。
スカイセイバーのバンクを編集したものだが、流用部分はメンバーが変形するシーンのみで、冒頭部や各ユニットが接続されるシーンなどは完全新規の作画となっている。
短縮バージョンのバンクもあるが、オープニングのバンクが修正されず*3後期OPでもスカイセイバーへの合体シーンだったため、本編映像はセイバーズ4体が画面奥から飛んでくる冒頭部のシーンのみホークセイバーを描き加え、決めポーズの部分は通常バンクを流用。
映像の繋ぎの部分には中割りを追加することで本来連続していない2つのシーンを違和感なく見せている。


名前こそ「ペガサス」だが、背中に巨大な羽を生やし、翼飾りを施した騎士にも似た頭部にケンタウロスを思わせる四本足姿は、勇者シリーズでも一二を争う特異的なシルエット。
飛行速度・ジャンプ力もスカイセイバーを遥かに上回っており、セブンチェンジャーとも渡り合える。



武装・技

ペガサスセイバーの主な武器。
光速のスピードで放たれる矢はダイヤモンドのごとき硬さの装甲をも打ち抜く。
実体の矢も発射、その場合はロープをくくりつけることも可能。


  • セイバーテンペスト

巨大な両翼部をはためかせ突風を巻き起こす技。
その風力はマッハ1を誇る。


  • セイバーストーム

セイバーテンペストの強化版で、両翼部を大きく羽ばたかせることで大竜巻を巻き起こす。


  • セイバーブレスター

胸部の鷹の顔を超高速で射出する荒技。
攻撃の他にも偵察・人質の救助に使われることもある。


  • セイバーレーザー

胸部の放熱板から複数の光弾を放つ。


  • セイバーディスパース

後ろ足のロケットブースターを活用し、超高速で前足で蹴り飛ばす。
つま先から繰り出す衝撃はおよそ10万トン。



【セイバーズのリーダーは誰か?】

上述のように、セイバーズで復活したのはジャンボセイバーが最初であり、ストーリー内でもジャンボセイバーが最も出番も見せ場も多く、星史からも信頼されておりリーダー的に扱われている。
しかし、スカイセイバーは人格も声優もジェットセイバーが務めており、玩具でもジェットセイバーがセイバーズのリーダーとして扱われている。
頭部を担っているのがジェットセイバーだから人格はジェットセイバーなのかと言われると、ランドバイソンはリーダーだが脚部であるビッグランダーの人格と声優のため、尚更複雑化してしまっている感はある。
(さらに言えばランダーズもビッグランダーとドリルランダーが先行して復活しているが、玩具上のナンバーではドリルランダーは4番手に配置されている)
このセイバーズのリーダーがジャンボセイバーかジェットセイバーかの議論に関しては今なお答えが出ておらず、ダ・ガーンにおける謎の一つとなっている。


追加メンバーのホークセイバーに関しては単純に最年長というだけだが、合体後にペガサスセイバーの人格を担うこともあり、リーダーのような振る舞いも多かった。



【玩具について】

タカラから発売された「空の三体合体 スカイセイバー」は劇中同様にセイバーズが飛行機からロボットに、そしてスカイセイバーへと合体。
細身のシルエットに逆三角形の胸部パーツの大きさが目を引く。


飛行形態はいずれもランディングギアが収納されており、三体ともロボ形態時に両足をハの字に開くことができる。
特にジャンボセイバーの変形が独特で、両翼部を背部に寄せた後ジェットエンジン部を直線状に並べることで両腕部となる仕組み。
ジェットノズル部を回転させることで両脚部を形成するジェットセイバーや、
ランディングギア部が両腕部となり、エンジン部を収納することで頭部が展開するシャトルセイバーの変形も工夫がされている。


追加メンバーの「空の三体合体+1 ホークセイバー」はスカイセイバーとの合体を重視したのか、可動域は少なめ。
変形・合体時にはパーツに分割、鷹の両脚がロボット形態の両腕部、腹部のパーツが両脚部となり、尾部がショルダーアーマーとなり合体。鷹形態の頭部にはロボット形態の顔が収納されている。
さらに、ペガサスセイバー合体時には上半身が展開、腰部と連結するジョイント部を構成する。
内部にはペガサスセイバーの頭部を格納するボックスも兼ねており、紛失に困らない。合体時にはスカイセイバーの胸部をセットすることでペガサスセイバーの尾の一部を構成する。
ホークセイバーの翼は分割しペガサスセイバーの胸部・両翼部、そして必殺のセイバーアローを構成。ホークセイバーの頭部は上に引き起こしてから回転すると胸部パーツの凹部にはめ込むことが可能。
このように、玩具におけるペガサスセイバーは複雑で初見殺し。説明書無しで合体するのは不可能に近い。
プロポーションに関しては劇中の変形合体構造が複雑すぎるためハッキリ言って劇中とは程遠い残念体型だが、変形合体玩具としてのプレイバリュー自体は秀逸と言える。


玩具では、合体前・合体後の形態いずれも頭部にクリアパーツが施されている。
後ろからライトを照らすことでカメラ部が光る仕組みで、劇中での合体完了時に両目が発光するシークエンスの再現したものといえる。


なお、放送当時に発売されたVHSの映像特典において
「ペガサスセイバーとランドバイソンの玩具4体合体早組み対決」
という企画が行われたが……ぶっちゃけ見る前から結果が分かりきってたセイバーズにとっての無理ゲーであり、案の定ランドバイソンの圧勝に終わった。
ナレーションの星史は「これスカイセイバーならいい勝負になったんじゃないですかね?」と言っていたが、合体難易度的にスカイセイバーでも勝てるかどうか怪しいところである…



【余談】

角川スニーカー文庫版(著:鷹見陸)では、セイバーズの分離形態は登場せず常時スカイセイバーの姿で活動。
上巻ラストではテレビ版と同様にセブンチェンジャーに倒されてしまうが、下巻で元通りになる。
ホークセイバーおよびペガサスセイバーが未登場なのが大きな違いか。
最後はダ・ガーンとランドバイソン、そしてセブンチェンジャーと共に眠りに就いている。


ジャンボセイバーのおもちゃはTBS系特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』第12話「怪盗マティにご用心!」でも登場。
怪盗マティことキャッツアイ警備保障のサラリーマン・石川五介が取り出した玩具で、水色の部分が緑色にリペイントされていたり、胸部エムブレムが変更されていたりするが、変形ギミックに変更はない。
この玩具をヒントに、馬場一平が合体アシストウェポン・合体電神ゴッドゼノンを生み出すため、このアイテムの重要度は大きい。
そしてアニメ『SSSS.GRIDMAN』では、ゴッドゼノンの流れを汲む合体戦神パワードゼノンの必殺技にジャンボセイバーの名前が使われていたりする。


セイバーズは勇者シリーズで初めて、中盤で酷い損傷により自力での起動が不可能となった勇者でもある。
このような展開が、次回作『勇者特急マイトガイン』以降でも起きるようになる。
他作品でも似たようなサブタイトルがあるが偶然だろう




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  • ペガサスセイバーへの合体BGMが好き -- 名無しさん (2022-03-18 14:14:34)
  • スカイセイバーが倒れたのは南米(後に解放点の一角)、そしてホークセイバーが復活した光の洞窟は来た道を戻った場所なので当然南米・・・なのにいつの間にかチベット(後に解放点の一角)に。おいィ? -- 名無しさん (2022-03-19 20:14:26)
  • デザインがどう見てもあの鉄屑の偏平足・・・おや、誰か来たようだ。あ、あれは!「大激怒!」 -- 名無しさん (2024-05-05 00:56:24)

#comment(striction)

*1 この時、ビッグランダーはボロボロのジャンボセイバーを支えているため装甲獣との戦いに参加していない。
*2 彼女曰く、隊長服に身を包んだ星史を見て「これほどの驚きは黒船が来航した時でおじゃります」と称している。どれだけ長生きしているのか……謎である。
*3 本作品のOP映像はイントロからタイトルが出るシーン以外、前期後期で一切が変更されていない。

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