Lonesome Road(Fallout:NewVegas)

ページ名:Lonesome Road_Fallout_NewVegas_

登録日:2021/12/11 (土) 09:19:09
更新日:2024/06/14 Fri 13:59:42NEW!
所要時間:約 9 分で読めます



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fallout fallout:nv 核ミサイル 核兵器 過去 選択 星条旗 the divide




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『Lonesome Road』はFallout:NewVegasのDLC第四弾。略称LR。ストーリーのあるDLCとしては最終作となる。
推奨レベルは25以上と、Dead Moneyを越える最高難度を誇る(傾向・性質が違うので単純比較はできないが)。


例によって例のごとく、ラジオに誘われてやってきた運び屋は、自らの過去と直面する。
汚染と嵐の渦巻くザ・ディバイドに運び屋を呼び込み、またあちこちに痕跡を残していた男ユリシーズの真意はいかに。


ゲーム的には『荷物持ち込み自由』『途中帰還および終了後の再訪問可』と、Dead Moneyでの不評を鑑みた調整がなされているものの、曲がりくねった"一本道リニア"での激戦となるため相応の覚悟と装備は必要。
入口からちょっと行って釘打ち機*1などを持って帰る運び屋も多いとか
また隠すように配置されたアイテムが多く、捜索能力に優れた運び屋ならば事を優位に運べる造りになっている。



  • ザ・ディバイド

Lonesome Roadの舞台となる土地。元・アメリカ軍ミサイル基地ホープヴィル。かつてはある人物により築かれたコミュニティがあった。
当初モハビとNCR領を結ぶ補給線の上にあったが為に、第一次フーバーダム戦争の直前にはNCRとシーザー・リージョンの小競り合いが何度か起きていた。
最期はある人物に持ち込まれた荷物によって、眠っていた核弾頭が起爆して崩壊した。
今では放射線を含む砂嵐が渦巻く地獄と化しており、「あの場所に行く者はまともではない」と言われるほど。
そしてまた、二人の運び屋によって更なる地獄絵図が展開される舞台となる。



Fallout:NewVegasの主人公にしてプレイヤーキャラクター。
Mr.ハウスからのダミーを含んだ数々の依頼の中で、本命であるプラチナチップを担当した6人目の運び屋、キャリア・シックス。
今回もまた怪しい信号で異郷に導かれ、激闘を演じる羽目になる。


『蘇生した元運送屋』以上の情報がない人物だったのだが、最後の最後でデカい設定が追加された。
その内容は『ザ・ディバイドにコミュニティを興した人物だったが、ザ・ディバイドを地獄に変えた張本人でもある』というもの。
しかし本人はベニーに撃たれる以前の記憶がなく、導かれるままに進み、確かめる以外の手立てがない。
それにより「ロールプレイに齟齬が出る」というような声があったとかなかったとか。
ついでに言うと、ここまでの惨事を起こしておいて無事な理由などでますます謎が深まっている。本当に人間か?



  • ED-E

LR唯一のコンパニオンになるアイボット。本編のものイーディーイーとは別個体で『エディ』と呼ばれており、武装も異なる。
また、感情表現が豊か。ぴよぴよ鳴きながら*2うなずたり怯えたりする様は愛らしい。
それゆえか、旧世界でもかなり可愛がられていたようだ。


時折本人の"記憶"である音声記録を再生するほか、ユリシーズのメッセージを受信することもあり、
しまいにはユリシーズの遠隔操作でさらわれてしまう。まるでヒロイン。


機能面では電子ロックの解除が可能。扉の他に自動販売機を起動してくれたりと大助かり。
さらに道中でアイボットの残骸を見つけてフルチューンすると弾薬生産機能が追加される。モハビの方も。
なお、LRを導入した時点で本編のED-Eにも作業台・リロードベンチの機能が搭載される。ベロニカは泣いていい



  • マークドマン

ザ・ディバイド地上の住人。補給路を巡って抗争を繰り広げていたNCR兵とリージョン兵が、放射線を含む砂嵐に晒されて変貌したもの。
その後は同じ釜の飯を食った*3仲というわけか、呉越同舟で運び屋に襲い掛かる。
通常のグールよりも痛々しい全身の皮膚が剥げた外見で、対話・交渉が不可能な相手だが知性は充分にあり、武器や戦術を駆使して戦う。
なお、その名の通りに男性しかいない。また、「ビースト」「ブリスター」「ブレード」「ボーンソー」というネームドマークドマンがおり、彼らを倒せばユニーク防具を剥ぎ取れる。
運び屋によって変貌させられた上、ユリシーズに利用された果てに邪魔になったら即刻切り捨てられる、本作最大の被害者たち


  • レッドグレア

星条旗のあしらわれた13連発ロケットランチャー。序盤にマークドマンが使用しているものを剥ぎ取るか、LRクリア報酬として入手する。
爆発範囲と威力は低めだが、凄まじい速射のために単位時間当たりの攻撃力は非常に高い。重くて取り回しが悪いが、かなり頼れる武器。
名称その他もろもろは、アメリカ国歌『星条旗』の一節、"And the rocket's red glare"が元ネタ。


  • レーザー起爆装置

一見小さなレーザー銃のような何かであり、普通の生物や物体に照射しても何も起こらない。
しかしザ・ディバイドのあちこちにあるアポロチョコレートのような円錐形の物体に照射すると核爆発が起きる
正体は核弾頭の起爆装置であり、運び屋はほうぼうを爆破して汚染をさらに広げながら道を切り開いていく。


  • トンネラー

ザ・ディバイド地下の住人。四足歩行の人型?変異生物。
発光していたり触手が生えていたりで元の生物は分からないが、ユリシーズは「ザ・ディバイドの崩壊で生じた大地の亀裂から這い出て来た」「あと数年でモハビに進出してくるかも」と語っている。
それなりに硬い外皮と極めて鋭い爪を持ち、デスクローを瞬殺するほどの猛者。一方で地底に住んでいた為か光に弱く、照明弾を食らうと逃げ惑う*4
斜行エレベータに次々に飛び込んでくるシーンは完全にガンシューティングゲーム。


  • アシュトン・サイロ・コントロール・ステーション

何故かデスクローまで住んでいる高架道路を通り抜けた先にある、ミサイルサイロのコントロール施設。
サイロ内には入れず行き止まりとなっており、やむなくコンソールを操作すると……ミサイルが発射される。
ボロボロの施設から撃ち出したせいか、ミサイルがまともに飛ばず落ちる他にもサイロに穴が開いてしまう。
そのおかげで先に進める=ユリシーズに近づけるようになるというのは皮肉なものだが。


  • クーリエズ・マイル

核ミサイルの発射までやらかした結果開いた『運び屋の道』。LRではほぼ唯一にして最悪の寄り道ポイント。
抱えきれないほどの大量の特殊弾薬が手に入るが、新鮮な高RADに加えて超強化デスクローと重武装マークドマンが連携して襲い掛かってくる地獄。
ユリシーズが言うところの『土地が殺す』というのを文字通り痛いほど実感できる。
入り口のユニークナイフだけ頂いて帰ろう


  • Rawr

日本語表記すると『ラオー』、原語のニュアンスは『ガオー』。終盤のとある洞窟で、落盤とともに出現するユニークデスクロー。
ドロップの鉤爪から作成するデスクローガントレットもユニーク品。その名もフィスト・オブ・ラオー
Trait『Wild Wasteland』がある場合Fist of the North Rawrである。受けてみよ我が全霊の爪
短いがネタ性抜きでも妙に凝ったイベント*5で、Obsidianの本気をうかがえる。


  • ユリシーズ

運び屋を呼び寄せる信号を送った張本人。ドレッドヘアと防護マスク、星条旗のあしらわれた袖無しダスターコートという姿の男。
所属はツイステッド・ヘアー族→シーザー・リージョン(フルメンタリー)/モハビ・エクスプレス→フリー。
彼も彼で、他のDLCに関わる大冒険を経ている。その結果、本編・DLC全てにおいて騒動の遠因になっているのだが。
また、本編のプリムで言及される『プラチナチップを運ぶ依頼を断った運び屋』も彼のことである。


+ 来歴-

元はツイステッド・ヘアーズというシーザー・リージョンによるアリゾナ統一に貢献した部族の一員だったが、フルメンタリーのバルプス・インカルタの裏切りによって滅ぼされ、シーザー・リージョンに取り込まれた過去を持つ。
アイデンティティを失った彼は、『故郷とは単に自分が生まれた場所ではなく、自分が帰属する場所である』という考えを持つようになり、同時に自分たちを含むウェイストランドの全ての部族の歴史を辿った先に存在したアメリカという国家にアイデンティティを見出すようになる。
また何の因果か、バルプスと同じくフルメンタリーとなった彼が西進しフーバーダムを発見したことが、後のNCRとリージョンとの間で起こる戦争の発端となった。


その後、まだ崩壊する前のザ・ディバイドを訪れた*6ユリシーズだったが、ここで誕生したコミュニティに感銘を受け、同時にコミュニティを興した運び屋にある種尊敬の念を抱いた。
もはやリージョンのこともどうでもよくなり、そのままザ・ディバイドを『故郷』にするつもりのユリシーズだったが、運び屋が引き起こしたザ・ディバイドの崩壊に巻き込まれる。
ユリシーズが九死に一生を得られたのは、彼がアメリカに着目した時から身に纏っていたコートに星条旗が描かれてことで、アイボットたちが彼をアメリカ国民と判断して治療を施した為であった。
ここから、運び屋に対してはかつての尊敬と新たに生まれた憎悪が入り混じった複雑な感情を向けるようになった。


ザ・ディバイドの嵐を抜けシーザー・リージョンへと帰還したユリシーズは、第一次フーバーダム戦争の責任を負わされ火達磨になってグランドキャニオンから突き落とされてもなお生き延びている「バーンドマン」の抹殺の任務を言い渡される。
そこで彼はバーンドマンらニュー・カナーンの人々と敵対する部族ホワイトレッグスを教育し、戦前の銃火器を扱い他の部族を圧倒するまでに成長させた。
しかしある夜、ホワイトレッグスに呼び出されたユリシーズは、彼のようにドレッドヘアにした部族の面々を目にする。
ホワイトレッグスにとっては指導者であり恩人も同然のユリシーズへの感謝と尊敬の表れだったのだが、本来髪の結び目一つ一つに意味があるツイステッド・ヘアーズの文化にとっては、その見様見真似の結び方は「侮辱」の意味を示すものだった。
ここに来て「ホワイトレッグスのような(ある意味で)純粋な者たちさえも、NCRやシーザー・リージョンのように歴史を深く理解することなく表面だけなぞって行動してしまう」ということに深く失望し、任務を放棄する。


その後、ザ・ディバイドについて改めて調べていく内に「ザ・ディバイドに吹き荒れる嵐は普通ではない。何か人為的なものなのでは?」という疑問を抱いたユリシーズは、その答えを求めて戦前の最先端技術を研究開発していた狂気の地ビッグマウンテンを訪れる。
ビッグマウンテン各地で調査したユリシーズは、ついにビッグマウンテンの頭脳たるシンクタンクと直接会することを決める。
当時はまだ運び屋が連れて来られる前、シンクタンクはとある理由によりまともな返答を寄越さなかったが、それでもユリシーズは彼らを一瞬だけ正気に戻すことに成功すると、知るべきことを全て聞き出し、無事ビッグマウンテンを去る。
なお、丁度同時期に訪れていた元BoSのエリヤとその命を狙う暗殺者クリスティーンと接触しており、彼らからBoSについて学ぶと共に、彼らの進むべき道を示している。


そしてザ・ディバイドへの道すがらプリムに寄ったユリシーズは、モハビ・エクスプレスに仕事を求める。
そこでMr.ハウスからのプラチナチップを届ける依頼と、それを請け負う者たちの中に「運び屋」の名前があることを知ると、「運び屋に命の危険が潜んでいる依頼を受けさせることで、モハビ・ウェイストランドという土地を利用して運び屋を殺め、ザ・ディバイドの復讐を果たす」という策を思いつく。


その後はOPの通り、プラチナチップを運ぶ最中にグッドスプリングスでベニーらによって襲われ墓穴に埋められた運び屋だったが、間一髪のところで蘇生した。
この一報をラジオで耳にしたユリシーズはビッグマウンテンで知り得た情報を元に、彼の『故郷』を奪ったNCR、シーザー・リージョン、そして運び屋から、今度は彼が『故郷』を奪い破壊することを決意する。
その第一段階として、「キャリア・シックス、ユリシーズ」と名乗り運び屋をザ・ディバイドに招くメッセージをラジオに流し始めた。



運び屋の過去を知る男……なのだが、ひどく詩的ないし回りくどい口ぶりのために発言内容を把握しづらい。
わかりやすい部類でもNCRを『熊』、リージョンを『牛』という具合である。一番わかりやすいのは本項冒頭の「引き返せる」というメッセージだろう。
説得は困難を極めるが、手練れの運び屋が真摯に向き合えば話は通じる……はず。
曖昧な言葉で責め立てられることに苛立った運び屋に、先制ヘッドショットを喰らうこともしばしば


物別れになった場合は当然戦闘となるが――
SPECIALオール10、スキルMAX、HPは1000に達し、武器防具も万全な上にアイボット2機の支援もついてくるまさに『ラスボス』。
バーンドマンやリガタス・ラニウスら、他の強キャラに負けているところが防具だけ*7という化け物である。


名は南北戦争の英雄にして合衆国史上最悪とすら呼ばれる大統領『ユリシーズ・グラント』にちなんで自身で命名したもの。
元々はリージョン陣営のコンパニオンとして設定されたキャラクターだったが没になり、最終的にこの立ち位置に収まっている。



  • 結末

ユリシーズとの対話のいかんによらず、核ミサイルの発射シークエンスは止まらない。
運び屋に可能なのはターゲット変更だけだ。NCRか? リージョンか? それとも両方?
当然、核を撃ち込まれた陣営は国土を汚染されてしまい、そことの関係はひどく悪化する。


+ ネタバレと小ネタ-

ED-Eがいる場合、彼は発射阻止が可能だと申し出るが、それは彼の身を犠牲にする選択でもある。
しかしその遺志はモハビのED-Eへと伝わる……という切ないエンディングになる。やっぱりヒロイン。


なお、『本編中盤でNCRとリージョンの悪評が消える』ことを悪用して、双方に核を撃ち込むあくどい運び屋もいる。
核を撃たれた勢力は"汚染された拠点"が本編のマップ上に追加され、そこでマークドマン化した部隊と戦闘できる。
特にリージョン側は本編ラスボスの鎧のアレンジ版(しかも無陣営で超高性能)を奪えるので人気が高い。


ユリシーズの主張はかいつまむと『ゲームだからって無茶すんなよ』というメタな警告なのだが、その直後にこういう無茶をできるようにしつらえている辺りにオブシディアンの皮肉っぽさがよく出ている。
Wild Wastelandありで双方に撃つと猿の惑星パロになったりと、むしろ煽ってんじゃねぇかという印象すらある。


いずれにせよ、独りでモハビに帰還した運び屋の元にユリシーズの最後のメッセージが届く。


"If war doesn't change, men must change, and so must their symbols. "
(戦争が変わらないというのなら、人が変わるしかない。国家シンボルも同じように)


フーバーダムを巡る戦いはいかなる形で終息するのか。War... War never changesひとはあやまちをくりかえす...



  • Perk

LRで取得可能なPerk(特殊能力)『Lonesome Road』も存在する。
取得条件は『独りでユリシーズと対面し、LRをクリアする』こと。効果は『一人旅をしている場合に永続的強化』。代償相応の強力さを持つ。
また、これを基にしたPerk『Lone Wanderer』がFallout4に存在する。犬肉だけは同行OKになった分、性能はマイルド化した



  • 余談

タイトルは『The Lonesome Road』という楽曲と『Rime of the Ancient Mariner』という詩に由来するらしい。


『3』でのメガトン破壊クエストがコンシューマ日本語版で削除されていたことから、この核ゲーDLCの配信も危ぶまれていたようだが、無事PS3/XBOX360双方の日本語版で配信されている。


関連作品として幻のInterplay版Fallout3、通称『Van Buren*8』の名が挙げられることがある。
同作ではユリシーズの名はスタート地点である牢獄の管理コンピュータとして登場する。
またラストでは核攻撃の"ターゲット変更だけ"ができる状況になる予定だったと言われており、LRとは相似である。
更には、運び屋に突然盛られた設定もVan Buren由来であるとか。居住地を作るシステムでもあったのだろうか?
いずれにせよ、細かいネタとしてFNVのあちこちにVan Burenの設定流用が見られるのは確かである。代表例がリージョン。



追記・修正お願いします。


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  • 乙。寄り道するといいアイテムが隠されてるのが好き。 -- 名無しさん (2021-12-11 22:38:16)
  • ラオーの手はクエスト属性付きらしく、Dead Moneyで没収されないから持ち込んでクラフトするってテクがあったり -- 名無しさん (2021-12-12 17:31:31)
  • 完璧な解説 -- 名無しさん (2024-04-12 02:04:18)

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*1 弾薬費が安い静音SMG
*2 運び屋は発言内容を把握している
*3 彼らの拠点を見るに多分ヒトも喰ってる
*4 ゲームシステム上、照明弾はアボミネーションに対して有効であり、デスクロー等にも効果がある
*5 照明弾→起爆装置という、きちんとした『解法』が存在する
*6 フルメンタリーの任務の性質上、NCRに対する工作活動が目的だったと思われる
*7 警察用ボディアーマーや鎧兜に対してノースリーブなので見た目的に順当である
*8 ヴァン・ビューレン。ユリシーズ同様(低評価な)アメリカ大統領に由来する

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