マッチモニード/屍食鬼隊(機動戦士ガンダム)

ページ名:マッチモニード_屍食鬼隊_機動戦士ガンダム_

登録日:2021/10/08 Fri 00:06:01
更新日:2024/06/06 Thu 10:54:19NEW!
所要時間:約 9 分で読めます



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機動戦士ガンダム コロニーの落ちた地で… ガンダム戦記 キシリア・ザビ ガンダム登場部隊項目 マッチモニード 屍食鬼隊 林譲治 ニアーライト




マッチモニードと屍食鬼(グール)隊は、機動戦士ガンダムシリーズに出てくる特殊部隊。
それぞれ小説版「機動戦士ガンダム外伝~コロニーの落ちた地で…」と小説版の「機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles」に登場する。
双方ともジオン公国軍キシリア・ザビ直属部隊であると同時に、残虐性と冷酷さを持つ集団である。


彼らは小説版オリジナルキャラクターであり原点のゲームには出てこない。
林譲治氏の書く小説版にのみに登場するが、前者はGジェネレーション、後者はサイドストーリーズに登場しほぼ公式化した。
出てくる作品は違えど共通点の多い部隊の為、ここではまとめて紹介する。



【マッチモニード】

小説版「機動戦士ガンダム外伝~コロニーの落ちた地で…」に登場する特殊部隊。
正式には「局地戦戦技研究特別部隊」というが、その実態はキシリア・ザビの私兵。
主な業務は連邦及び自軍内の反ザビ派…というかキシリアに反する物に対する諜報・謀略であり、その名前通りの「局地戦での戦闘技術を研究」する事は全くせず、構成員も部隊名の「特別」という文言以外に意味はないと考えている。
作中でも主人公部隊のホワイト・ディンゴと戦う機会はあったが、どちらかというとジオンで内紛している印象が強い。
その正体は下層階級の生まれから集められたならず者部隊。
コロニーの他の住民から差別を受けていたものの、形ばかりの平等が幸いし彼らも勉学を受けることができた。
そして努力の甲斐があり、実力が伴えば生まれを問わないキシリア直属部隊に配属され、彼らの人生は逆転した。
今まで自分たちを馬鹿にした人間を、ザビ家の威光で見下せるようになったのだ。
またザビ家直属ということで優先的に兵備を回されており、パイロットは全員最新型のドムを与えられていた。


というわけで他のジオン兵からは「装備は一流、腕前は二流、人間は三流」と評されている。
実際に戦い方もドムの性能によるゴリ押しばかりであり、全く連携しない為弱い。*1
平気で仲間を踏み台にしたりする「まともな人間でできない戦い方」を繰り返す為その部分では苦戦はしたが、それくらいであった。
そしてマッチモニード側も他のジオン兵を味方とは思っておらず、連邦は愚かジオンにも平気で牙を向く厄介な存在となっている。
しかしそれは逆に言うとザビ家がいなくなると今までの威光が消え、元の…いや、ツケを払わされるため元以上に惨めな存在となってしまう。
そのため全員がお互いを「利用価値がある道具」と見ているため何とか隊として機能している状態ながら、キシリアに対する忠誠心だけは本物である。


マッチモニードの元ネタはおそらく、アメリカの特撮ホラー番組「事件記者コルチャック」に登場した、インディアンに伝わる地底の怪神。
作中では「妖怪の名前」と説明されており、ユライア*2は「キシリアのような妖怪によく似合う(意訳)」と感想を述べていた。


活動

「生物兵器アスタロス」それは地球の環境を破壊しつくす最悪の兵器であり、さすがのジオンも使用を躊躇するほどであった。
それを持っているジオンのユーコン級に、シージャック同然に乗り込みオーストラリアへ脱出したのが説明での初登場。
その後ユーコン級は連邦軍の襲撃によって轟沈。この時点でアスタロスの所在がわからなくなる。
そこでオーストラリア駐屯軍補給部隊のマヤ・コイズミ大尉…に彼らの対応を押し付けられたエイドリアン中尉*3が彼らと接触することが直接的な初登場となる。
その構成員はかなり傲慢。特にリーダーのニアーライトは。
最初の登場から自分たちのドムに補給をしてくれているのにその整備員の存在を無視するという傲慢の極みのような言動を見せていた。
蛇のような執拗さを持つニアーライト相手に、エイドリアンは皮肉の応酬を仕掛ける。
結果マッチモニードのオーストラリアでの補給を困難にした上、エイドリアンが暗に「アスタロス」の存在を匂わせると激しい殺気と、人間を平気で殺せる目を向けたことで彼らが所持している事を知ると同時に、マッチモニードたちだけでの行動をさせオーストラリア内の動きをある程度制御することに成功する。それとマヤに教えてもらった「厄払い」実行の為に塩を撒いて無駄にしている。タムラさんが怒るぞ…。
その後はアスタロスを持ちながら、連邦軍トリントン基地にあるの奪取を計画。
中にいる兵士を機銃掃射で虐殺し占拠するも、連邦・ホワイドディンゴ隊と、マッチモニードに核を持たせるわけにはいかないジオン・オーストラリア駐屯軍が、互いに邂逅することのない奇妙な共闘を開始。
核奪取は防がれたものの、ニアーライトはまんまと脱出した。外で戦っているドム部隊や、騙して先行させた仲間を捨て駒にして。
こうして味方を見捨てて脱出したマッチモニードだったが、とりあえずアスタロスだけは宇宙のキシリアの元に届けようと行動を続ける。
ヒューエンデンに入り管制官らを殺害してHLVを乗っ取ろうしたが、またしても味方のジオンに妨害されてしまい、脱出は阻止され管制室に閉じ込められる。
その際の補給部隊司令官ユライア・ヒープ中佐の言動が、かつて自分たちを見下していた者たちそのものだった事に腹を立てたニアーライトは、そうやって自分を馬鹿にした人間に報復するために、自らの命を犠牲にしてまでアスタロスを打ち上げて、地球環境を破壊し尽くそうとする。
だが最後の最後で「荒野の迅雷」ヴィッシュ・ドナヒュー中尉の駆るゲルググビームライフルに撃ち抜かれてニアーライトは死亡。
隊の他のメンバーも戦闘中に死亡して、事実上マッチモニードは全滅した。
…唯一生き残ったのは、トリントン基地を脱出した際に捨て駒にされ撃墜されたが一命を取り留め、ニアーライトを糾弾した者だけであった。



WSソフト「ギレンの野望特別編 蒼き星の覇者」ではガルマ編にて登場し、「同行はするが指揮下には加わらない」と言う立ち位置で暗躍する。
ガルマの副官ダロタは「こちらの作戦に支障が出るのでは?」と懸念するが、ガルマは「姉上の頼みを無下には出来ない」として同行を許可する。
だがトリントン基地の核保有の情報を掴み奪取の疑惑が浮上した際には流石に「直属の指揮下では無いとはいえ現場指揮官に話を通すのが筋だ」と激高し対処を行う*4事となる。
…結果としてマッチモニードは派遣したパイロット或いは連邦軍によって全滅し、キシリアからは「マッチモニードの独断専行でこちらも認知していなかった、迷惑をかけた事を謝罪する。」と言う形で済まされる事となる。


ちなみにGジェネレーションシリーズでは隊長のニアーライト以外のメンバーは一般ジオン兵扱いとなっている。
それと5機と明言されてたはずのドムの数がめっちゃ増えてる。


構成員


ニアーライト

CV:置鮎龍太郎
マッチモニードのリーダー。階級は少佐。
女性のような口調で一見物腰は丁寧。
しかし本質は歪んだ劣等感と選民思想で凝り固まった人物。
MS操縦の実力は本物でゴロツキの集まるマッチモニードを恐怖でまとめ上げている。
出会った人間全てに不快感を与える威圧感、そして「人を殺しても何とも思わない目」を持つ冷酷な性格であり、平気で部下を捨て駒にしたり騙して死地に追いやったりする。
声帯模写の特技と豊富な知識を持つ有能な人物であるが冷酷で、人を人と思わない言動はまさしく「化け物」。
自らを馬鹿にする相手には自分の命を掛けてでも報復しようとする自尊心の塊である。
しかし他人に興味がないために顔を覚えないという傲慢な性質が災いし、彼を覚えていた人間によってニアーライトの行動がバレてしまい、命取りとなるのであった。



タイソン

マッチモニードの構成員。
ニアーライトの副官的な存在であるが仲間意識は持っておらず、それどころか上官である隊長も下に見ており顎で使う横柄な一面がある。
コンピュータの扱いに長けていたため捨て駒にされる事なく、最後まで行動を共にした。但し、トリントン基地では自分以外の誰かがコンピューターをいじるという可能性が頭からすっぽり抜け落ちていたことも災いし、ホワイト・ディンゴ隊のアニタに癖を見抜かれ妨害工作をされ奪取に失敗している。
一方で隊長ほど腐りきっておらず、形だけであるが味方を心配する一面も持つ。
尤もその「人間の振りをしようとする」魂胆はニアーライトには見抜かれていたが。
またニアーライトの真似をして皮肉を飛ばすこともあるが「タイソンの軽薄さだけが目立った」と地の文で切り捨てられていた。



逆木(サカキ)

マッチモニードの構成員。まさかの和名キャラである。
ドム部隊の指揮官的役割を果たしていたが「あと一時間でお宝(核)が拝めるんですね」と機密作戦の内容を発言する等の無教養な所があり、ニアーライトからは「どこかで戦死してくれないかしら」と常に思われていた。
トリントン基地の核奪取失敗の際にドムは全滅、そのまま彼も捨て駒にされてしまった。


余談だが林譲治氏の書くガンダム小説には映像作品のIGLOOを除いて「サカキ」という名前のキャラが必ず登場するが、そんなサカキ軍団の中で彼は唯一の悪役だったりする。

ガンダム戦記:キャリフォルニアベース需品部、主計中尉の隊長として登場。
キャリフォルニアベース脱出の際にも輸送の指揮をしていた。
遅れてきたジノビエフに「宇宙の家族に届けて欲しい」という依頼をされるが、既に輸送機はパンパンでほんの少しの荷物も許せない状況であった。
しかしジノビエフに借りのあったサカキは、彼に輸送機の邪魔になる障害物の排除を依頼、そのお礼に彼の荷物を運ぶこととなる。
そこでサカキが取った行動は自分の私物を捨てる事であった。
その行動とジノビエフ達外人部隊の活躍により無事に宇宙に飛び立った彼は、そのままジノビエフの荷物…クマのぬいぐるみを、彼の家族に届けるのであった。


ジオニックフロント:連邦軍軍曹でエイガーの部下。
闇夜のフェンリル隊をエイガー仕込みの戦術で攻撃するが及ばずに敗北。
自身は脱出するも、手段を選ばないレンチェフのグフのマシンガンを生身のまま浴びて死亡した
サカキ軍団唯一の連邦軍所属であり、Gジェネレーションジェネシスにも登場している。



【屍食鬼(グール)隊】

小説版の「機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles」に登場した、キシリア・ザビ配下の私兵部隊。
ジオン軍が行っていたニュータイプの実験研究。その実験研究の過程で「他人に共感する能力を失った人間は、強力な兵士となる」という事実が判明した。
その結果"他人に共感する能力を失った強力な兵士"のみで部隊が構成される。それが屍食鬼(グール)隊である。
なおキシリアの趣味なのかは不明だが、非常に容姿端麗な者たちのみで部隊は構成されている。全員が美少年、もしくは美少女と言っても過言ではない。
だが他人の痛みを理解できないため、残虐行為にもまったく躊躇しない。
マッチモニードのように「互いに利用価値があるから生かしておく」という絆すら無く、むしろ「構成員が減ればその分報酬が増える」との事で味方が死んでも何とも思わない。それどころか死んだことをあざ笑う始末である。
そんな彼らがなぜ隊を組んでるかと言うと「つるんでいるだけだ」とのこと。キシリアへの忠誠心を見せる事もない。…が逆に叛逆心を見せる事もなく、彼らが女狐をどう思っているかは不明である。
その為かジオンでも扱いに困っているらしく、他の部隊が彼らのことを問い合わせても本国の反応は「沈黙」であった。
せめて「屍食鬼隊という部隊は存在しない」と言ってくれればジオンを騙る犯罪組織として退治も可能だが黙られては排除も出来ない為、現地のジオン軍は大いに混乱した。
そしてマ・クベが残したという「M資金」を巡って、現場の連邦とジオン、そして屍食鬼は戦い続けることとなる…。


こうしてみるとジオン軍の足を引っ張っているだけの存在に思えるが、実は彼らは諜報に関しては一人前である。
実際「M資金」の正体については連邦、ジオン双方よりも明確に把握していた。
…尤もそれは敵味方構わず拷問に掛けて聞き出すという「らしい」方法の結果だが。


なお彼らは元をたどれば、ザビ家の粛清等で家族を亡くした遺児達である。
流石のザビ家でも身内の子供は殺さなかったと見るべきか、それとも利用価値があるならそんな子供達でも利用すると見るべきかは歴史は語らない。




活動

ジオン側の主人公である「外人部隊」が駐屯した基地にて揉め事を起こしているのが初登場。
構成員の少女「クローディア」が自分たちはザビ家の直属部隊の為、部材は全ていただくという無茶振りをするところから、外人部隊との因縁が始まる。
その後は警護する補給列車の前に登場し、またしても補給物資を奪おうとするが、列車の車掌の機転により物資をのがしただけでなく、外人部隊にこかされて*5フェードアウトした。
キシリアの権威をかさに強制的に物資を徴発し、必要なくなると放棄するという事を繰り返しており、現場からの評判は最悪。
とはいえここまでなら単なる我儘な子供部隊であるが、彼らの凶行はその程度で留まらない。


その後彼らは味方であるはずのジオン軍の基地にある最新MSを、基地の人間を皆殺しにして奪取
そのまま連邦軍の基地を襲い、そちらでも皆殺しを敢行。更に連邦軍に怪しまれないように下士官の一人に連邦上官の服を着せてビームライフルで黒いシミに変えてしまう残虐さを発揮した。
さらった上官は拷問に掛けた挙げ句割とすぐ白状した事に対し「拷問を楽しませてもらえなかった」と激怒するなど、悪魔そのもの言動を見せる。
現地のジオン軍のローデンはその執念深さだけは評価したが、その刹那「人間はここまで残酷になれる例」である彼らが殺した兵士の死体を見せられ、前言を撤回した。


こうした活動の際、屍食鬼隊は「M資金」なるものの存在を知る。
マ・クベが残したというそれの正体は不明だが、調べてみた所「金塊」である可能性が高く、資金源にしたい連邦、ジオン、屍食鬼隊はそれを奪い合う事となる。
…そしてM資金の正体は「核弾頭」である事が判明する。だが作中でそれを知っていたのは屍食鬼隊だけであった。*6


だが数々の戦いの果に構成員はほぼ全て死亡。リーダーのクロードも戦場に果てて空中分解となった。
残った構成員は連邦軍に投降、治療された後、そのまま姿を消したという…。


PS3ソフトの『サイドストーリーズ』でもLost War Chronicles連邦編、ジオン編に登場。
オデッサ撤退の際に敵前逃亡とみなしてジオンのMS特務遊撃隊に襲い掛かったり、味方の敗走部隊ごとアッザムで焼き払ったりとやはり悪辣な役どころ。
最後はリーダーのクロードが北欧のHLV打ち上げ基地でケンのゲルググを寄越せと言い出し、その上味方のHLVを敵前逃亡として撃ち落とそうとするもマットがかばったことで失敗。
その隙にクロードがケンのゲルググに両断され、残りも遊撃隊に倒され全滅した。
ネームドはクロードのみで、そのほかのメンバーは名無し。クロードもボイスはついているが顔グラなしである。


構成員


クロード

CV:小野友樹
屍食鬼隊のリーダー。
かつては矯正施設に収監されていた少年犯罪者だったが「寝る所と食事には困らない」というジェーン・コンティの言葉に惑わされ、フラナガン機関へと送られ戦闘に特化した戦闘員となった。
他人を人とも思わないどころか、敵に対しては激しい拷問を加えて殺害したり、味方に急に怒ったり優しくしたりして相手の反応を楽しんだりと何処か愉快犯のような一面も持つ。
軍人としても優秀で情報戦のエキスパートであり、欲しい物を手に入れるために連邦、ジオンの兵士を次々と殺戮していく。
本人もゲルググを駆り、オデッサから連邦軍によって持ち出されたM資金…核弾頭を手に入れようと暗躍するが、ハイゴッグを持ち出したジェーンとの一騎打ちに負け死亡する。


妹ですら「遊び道具」程度にしか思ってなかった彼だが、自分たちを研究所にぶち込んだジェーンには思うことがあったのか、珍しく感情的になっていた。


サイドストーリーズでは最後までドムに乗る。上記のようなバックボーン等も語られないため、高慢で無能という印象が強い。



クローディア

屍食鬼隊の副リーダーでクロードの妹。
基本自分以外の全てが敵と考える屍食鬼隊にしては珍しく若干ブラコンのケがあり、慌てたら「お兄ちゃんを呼んで!」などと叫ぶ可愛い一面も。
尤もその兄からは突然暴力を振るわれたりするなど「反応が面白い」程度にしか見られていないが。
彼女もかなりの我儘娘であり、屍食鬼隊メンバーからは特に嫌われている。
「兄にお仕置きされる彼女の姿はいい気味だ」と陰口を叩かれる始末。


クロード、クローディアにはもうひとりの弟「クローディオ」もいたが、彼は死亡してしまった。
すると兄はそんな弟の事などきっぱり忘れてしまった。死んでしまうような無能は弟じゃないと言わんがばかりに。
兄は自分が死んだら、同じ用に忘れてしまうだろう。
だから彼女は「忘れられ、存在を抹消される事」に激しく恐怖し、苛烈な行動につながっているのである。
その為かプライドの高さはあるものの何処かポンコツっぷりが強調されている。
また他の部隊員と違い作中では明確に味方を殺してはいない。


クロードの死後、ジェーンと共に連邦に投降。
連邦軍の治療を受け、それが完了した後に姿を消した。
彼女が兄の死や、自分たちをこうしたジェーンをどう思ったか、そして治療後はどうなったかは不明である。
とはいえジェーンと共に治療を受け入れたということは、兄程彼女を嫌っていなかった事であり、おそらくは共に戦い続けているのだろう。



ヒルダ

屍食鬼隊のメンバーの一人。
絶対的な自信家でありMSの操縦もできるが、クロードに評価されておらず、対MSミサイル陣地くらいしか与えられていなかった。
その事に不満を抱いているが、同時に彼に対しての恐怖も抱いている。


力を得るために同じジオンであるガースキーのドムを鹵獲しようと攻撃を仕掛けたが、「敵の敵は味方」理論で連邦軍の陸戦型ジムがドムに加勢。
それぞれ破損した箇所を補いながら戦うという、連邦とジオンという敵同士とは思えないコンビネーションによりヒルダは死亡してしまうが、最後っ屁に放ったミサイルがドムに直撃。
脱出したガースキーはジムのパイロットと顔をあわす事となるが…。
その後、ガースキーはこの時破壊されたドムの代わりに凄くいいMSが配備されるが、それはまた別の話。


なお敗北を予感した際は必要もないのに味方を皆殺しにし一人だけで逃亡しようとするなど、彼女も傲慢さと残虐さをしっかりと持っていた。



余談

マッチモニードはゲーム版「コロニーが落ちた地で…」のストーリーを補完するために生み出された存在。
彼らの「活動」がほぼコロ落ちのあらすじになっている理由はその為である。
ちなみにユライア、マヤ、エイドリアンと言ったオーストラリア駐屯軍の愉快な面々も小説が初出である。



キシリア配下の部隊といえばジョニー・ライデンの所属する「キマイラ隊」も有名。曲者揃いであるが同時に人格者が多くチームワークは悪くなかった。またバーナード・ワイズマンらが所属するサイクロプス隊もキシリア配下である。
…というわけで最初期に「私兵のようなMS部隊」が出てきてしまったので色々都合が良いためか、今日も雨後の筍のようにキシリア直属部隊が次々誕生している。だが残虐さと悪辣さにおいてはこの項目の二部隊に敵うものはそういないだろう。
なお林譲治氏はこの2つに加え「闇夜のフェンリル隊」が登場する「ジオニックフロント」の小説版も執筆している為、キシリア配下の部隊ばかり書いている事となる。そしてほぼ全ての作品でザビ家はこき下ろされている。
ただ悪辣な隊だけでなく、上記サイクロプス隊の他には闇夜のフェンリル隊やマルコシアス隊、ノイジー・フェアリー隊等もキシリア配下ながら基本的には善良なチームであり、それぞれ問題児や問題点を抱えているが項目の2部隊程ひどくはない。



また上記の部隊名を見て分かる通り、キシリア配下の特殊部隊はほとんどが妖怪・魔物の名前で統一されている模様。

  • マッチモニード:上記通り、アメリカの特撮ホラー番組より、インディアンに伝わる地底の怪神。
  • グール:アラブの伝承より、人間の死体や子供を食らう悪魔。
  • キマイラ:ギリシャ神話より、複数の獣が融合したような肉体を持つ魔獣。
  • サイクロプス:ギリシャ神話より、一つ目の巨人。
  • フェンリル:北欧神話より、主神オーディーンを食い殺す魔狼。
  • マルコシアス:「ゴエティア」より、三十の軍団を指揮する魔界の侯爵
  • ノイジー・フェアリー:フェアリーはご存知妖精。女性だけのチームということで「騒々しい妖精」と隊員が名付けた。
  • オルトロス隊:牛の番犬をしている双頭の獣。スパロボオリジナル設定であるが「キシリア配下隊は魔物の名前」というのは承知の事実のようだ。

といった具合。




シーマ・ガラハウ率いる「シーマ艦隊」とも似ている点が多い。というか線対称である。
まず、

  • サイド3でも下層階級の出身者で構成されている。
  • その出自ゆえにジオンのエリート層から差別を受けてきた。
  • その状況からの奮起が行動原理となっている。
  • どちらもキシリア直属の特殊部隊。
  • 大量虐殺に手を染めた。
  • ジオン内部でも愚連隊とみなされ評判が悪い。

とここまでまるで瓜二つだが、マッチモニードは

  • 「同僚全員がお互いを『道具』と見做し、仲間意識や連帯などは皆無」
  • 「上司は部下を、部下は上司を平気で切り捨てる」
  • 「こぞって残虐で性格が悪い」
  • 「大量虐殺などの非道を嬉々として行う」
  • 「自分を引き上げてくれたザビ家には忠実」

と来ており、対するシーマ隊は

  • 「家族のような強い連帯感で結ばれる」
  • 「シーマは部下のために奮闘し、部下たちはシーマを裏切らない」
  • 「ガラは悪いが侠気はあり規律も厳しい」
  • 「毒ガスやコロニー落としを嫌悪する」
  • 「自分たちに非道を押し付けておきながらあたかも崇高な理想であるかのように語る『ジオンの大義』を許せない」

と、構成要素はそっくりだが精神面はあらゆる点で真逆。









追記・修正は、連邦軍で治療を受けてからお願いします。



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  • キシリア配下で真面なのって闇夜のフェンリル隊、キマイラ隊、マルコシアス隊ぐらいだよな。 -- 名無しさん (2021-10-08 02:00:10)
  • ギレンは妹にずいぶんと甘いものだな  -- 名無しさん (2021-10-08 02:48:58)
  • 部下の項目が出来たからにはキシリアの項目も作って欲しいねえ -- 名無しさん (2021-10-08 03:16:02)
  • 一応サイクロプス隊もキシリア傘下の部隊の筈 -- 名無しさん (2021-10-08 05:04:43)
  • ちなみに、マッチモニードのMS部隊は小説版でレイヤー「意外に手ごわくなさそうだな」レオン「連携が大したことないので練度が低いんだろwww」「一匹狼の集団かよwww」とホワイトディンゴに軽口叩かれながら酷評され、ドム五機でGM三機にボロ負けした -- 名無しさん (2021-10-08 06:45:22)
  • キシリアはいろんな可能性模索するために色々部隊を作って運用した結果アレなのが多くなったんじゃないかな。素行は多少アレだけど、比較的マシなグラナダ特戦隊もキシリア配下だしなぁ…… -- 名無しさん (2021-10-08 07:25:05)
  • 屍食鬼隊はサイドストーリーズにも出てきたけど、特に見せ場も無く全滅してたな。原作でもそんな感じだが -- 名無しさん (2021-10-08 11:59:55)
  • キシリア直属部隊の活躍機会は多いがその他の兄妹の麾下の部隊はあんまり増えてかないな -- 名無しさん (2021-10-08 14:45:44)
  • ドズル麾下は基本に忠実だからゲリラ屋のラル隊以外はベテランエースが率いる精鋭ってだけだしな。ガルマ麾下は……猿くらい? -- 名無しさん (2021-10-08 15:45:03)
  • ↑キマイラ配属になったけど確かジャコビアスのオッサンがもとガルマ麾下だったような -- 名無しさん (2021-10-08 18:52:30)
  • そういやシーマ様の海兵隊もキシリア部隊でしたね。あちらは直属の上司のアサクラが酷いが -- 名無しさん (2021-10-08 19:27:44)
  • Gジェネだとドムのバズーカ痛いしならばと射程2に近づけば回避連打するしドムの量やたら多かったりするしでマッチモニードが出てくるステージは意外と難易度が高い -- 名無しさん (2021-10-08 22:35:53)
  • マッチモニードの出自についてGジェネFではあまり語られなかったけど、ジェネシスでは冒頭ナレーションで解説されてたのよな。 -- 名無しさん (2021-10-09 00:34:01)
  • サイドストーリーズで屍食鬼が出てきた時のクロードはナレ死だった気がする。 -- 名無しさん (2021-10-09 10:10:26)
  • 「全体通した大ストーリーが無いから、オリジナルの敵を設定して話を作るよ!!!」ってあんま褒められた手法じゃないと思うンだけど、原作ゲームファン的にこの人ら、どうなの? -- 名無しさん (2021-10-09 10:16:31)
  • ↑ もともとキシリア配下ってのはマ・クベを筆頭として、条約破りや味方妨害、成金趣味や傲慢振り(黒い三連星も然り)が描写されてたから、ニアーライトとかを見ても「さもありなん」としかならなかったね。むしろジオンの暗部が描かれて、充実していく気がするので私はOK。
    そもそも開戦当初に五十億人虐殺するぐらいだし、こういうのがいても違和感はないな。 -- 名無しさん (2021-10-09 11:04:49)
  • いや、キャラ造形の話でなくノベライズの手法としての話よ -- 名無しさん (2021-10-09 11:07:55)
  • 別にそんなことは思わんかったがなあ……オリジナルの敵なんて他の作品でも普通にいるし(08)、 -- 名無しさん (2021-10-09 11:16:50)
  • 08小隊のサハリン家とか。ガンダム離れても、別媒体でオリジナルの巨悪を作るなんてよくある話じゃん? -- 名無しさん (2021-10-09 11:17:51)
  • 人格素行に問題ありまくりで実力も大したことないって、どう考えても使い道がないのでは…? -- 名無しさん (2021-10-09 12:40:27)
  • 人格素行に問題あり、実力も三流以下でも、こいつらは「(保身や権力欲の為とは言え)与えられた命令には忠実」「手段を選ばない」そして「とんでもない事をやらかしたら“現場の暴走”で切り捨て可能」と言うメリットがある。>使い道 -- 名無しさん (2021-10-09 13:16:23)
  • 「活動」ってか内容的にコロ落ちのストーリー書いてるだけだよね。 -- 名無しさん (2021-10-09 13:49:13)
  • 果たして、屍食鬼隊のうち何人が、キシリア様の事を「紫ババア」と呼んでいただろうか・・・。 -- 名無しさん (2021-10-09 15:07:33)
  • ヴィッシュが人間的に良くできた人だから、彼やっつけましたってだけじゃ後味悪いしなあ -- 名無しさん (2021-10-09 16:01:40)
  • ↑5 「MSに乗って連邦と戦う兵士」としては使えなくても、「ドズル派やギレン派の勢力を削るキシリア派の政治工作員」としては有能なんだろう。連邦よりもジオン側を憎んでるっぽいし。つまり、対外戦争のための兵力ではなく、国内政争のための兵力なんだろうな。割とろくでもないが…… -- 名無しさん (2021-10-09 23:37:23)
  • レイズナーとは関係ない -- 名無しさん (2021-10-10 12:03:09)
  • ↑2 マッチモニードは元々コロニー内のザビ家反対勢力弾圧にも利用されてたしな。ナチスでいえばSSというよりも突撃隊が近い? -- 名無しさん (2021-10-20 16:39:46)
  • マッチモニードだけ、元ネタがえらくマニアックな印象を受ける。キシリアは神話や伝説に出てくるモンスター、特撮の怪獣が好きなのだろうか? -- 名無しさん (2021-11-25 17:40:48)
  • オルフェンズの鉄華団も一歩間違えれば、こちら側になってたと思う -- 名無しさん (2022-05-18 10:36:12)
  • ↑2メタな予想すると小説版の作者が「知らないところで他の作品と部隊名被ってるかもしれないからマイナーどころにしよう」と思ったんじゃないかな。 -- 名無しさん (2024-01-30 11:45:07)

#comment(striction)

*1 ノベライズではホワイトディンゴ隊に連携の稚拙さを見抜かれレオンやマイクにも「戦いやすい相手だなぁ」と軽口をたたかれ、実際その後の戦闘では連携の甘さを突かれ一機は密かに援護しに来たドナヒューのゲルググに撃破されるも数に劣るはずのWD隊に全く損害を与えられず敗北している。
*2 ユライア・ヒープ。輸送業務のエキスパートであるが「今の状態ではジオンは負ける」と歯に衣を着せぬ物言いをしてしまいザビ家によって左遷された為、ザビ家に対しては良い感情を持っていない。
*3 GジェネFではエイドリアンが登場しないため上司のマヤが直接向かっており、後述の塩撒きも彼女が行っている
*4 直接パイロットを派遣、或いはキシリアに報告する
*5 手頃なクレーターにザクごと叩き込み、救助を待つしか無い状態にした
*6 なお連邦軍の輸送部隊は「新型のミサイル」と説明していたが、それならさっさと使うということで誰も信じていなかった。だが結果は当たらずとも遠からずであった。

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