レイ(STAR WARS)

ページ名:レイ_STAR WARS_

登録日:2021/10/06 Wed 16:06:53
更新日:2024/06/06 Thu 10:53:39NEW!
所要時間:約 30 分で読めます



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スターウォーズ 主人公 女主人公 続三部作 ジェダイ 孤独 暗黒面 フォースの覚醒 最後のジェダイ フォース カイロ・レン スカイウォーカー star_wars 孤児 スカイウォーカーの夜明け デイジー・リドリー 永宝千晶 ケイリー・フレミング



レイ(Rey)はSTAR WARSシリーズ(映画)の登場人物の一人である。


演じた女優はデイジー・リドリー。(幼少期のレイはケイリー・フレミングが担当)
日本語吹替は永宝千晶。


続三部作ことEP7,8,9の主人公にあたる人物であるが、メイン悪役として登場したカイロ・レンの特殊なポジションから事実上のダブル主人公と見る向きもある。



人物

彼女を語る上でまず欠かせないのはやはりシリーズ初の女性主人公であることだろう。
ただ女性主人公といっても、所謂ヒロインにありがちな「女の子のかわいらしさ」はあまり強調されておらず、あくまでも新世代のスターウォーズを背負うヒーローとして描かれている。
過去作の主人公であるアナキンやルークにも劣らない勇敢さや、メカニックやパイロットとしての才能もその象徴と言えよう。
優しさや思いやりを見せる時には柔らかな印象を受けるが、それもやはり「女性としての強さ」としての描写だろう。


しかしながら勇敢ゆえの危なっかしさもスカイウォーカー親子と同様あるいはそれ以上であり、特にEP8以降は自分の行動を決めるや否や敵の本拠地であろうと単独で乗り込んでいくなど迂闊とすら言える行動も多い。
さらに言えばEP9の頃には「レイなら一人でも大丈夫」だと周囲からも思われている節があり、師であるレイアを除くと唯一フィンだけが事あるごとにレイを気遣っている程度。
とにもかくにも、続三部作を通して単独で死地に乗り込んでいくシーンが非常に多い。


また、スカイウォーカー親子との決定的な相違点として、冒険を望んではいないことが挙げられる。
これはいつか両親が戻ると半ば盲信している……あるいは、戻らないと心のどこかで分かっているが認めたくないがゆえであり、住処である惑星ジャクーから離れられなくなっている。まあいろいろあって結局離れっぱなしにはなるのだが
伝説のミレニアム・ファルコンに乗れたことや銀河に名の轟く英雄ハン・ソロとの出会いに興奮しながらも、クルーとして招き入れようと申し出た彼の誘いを蹴ってしまったことからもそれが窺える。
結果的にジャクーに帰らないままフォースを覚醒させ冒険に乗り出してはいるものの、むしろフォースの能力に目覚めたことで「自分が何者なのかも分からないのに特別な力がある」ことへの恐れまで生じており、自分の出自や両親の正体を巡って振り回されることとなった。


また、フォースのバランスという観点で見ると暗黒面の素質がかなり強く、男勝りな勇敢さが時には獰猛とすら言えるほどのレベルに達する。
特にEP8からEP9中盤まではそれが顕著で、ライトセーバーを振るう時やフォースを全力で行使する時には凄まじい雄叫びを上げている。「だがそれが良い」とも
実際に戦闘シーンを見れば、精神不安定ながらも戦闘中は基本的に寡黙なレンとは対照的である。特にEP8でのエリート・プレトリアン・ガード戦では両者が交互に映るため実に分かりやすい。
戦闘シーン以外でも、EP8ではルークの修行の合間にライトセーバーを手に取って自主練を行いフォースに身を任せた演舞をしていたところ目の前の石柱を切断してしまい我に帰る程度は序の口で、極め付けには両親の末路についての真相を知るやその元凶への憎悪を爆発させ「殺す」と口にするなど、随所で暗黒面の片鱗が描写されている。
自身の荒々しさは本人も自覚しており、EP9序盤ではレイアにそれを打ち明けたいが仮に打ち明ければ見捨てられるかもしれないと葛藤していた。


総じて、ジャクーの砂漠で一人で生きてきた故に精神的にも肉体的にも逞しさや強かさを備えている反面、育ての親に関する記憶が殆ど無く自分が何者なのかも知らないが故の脆さも抱えており、孤独を自覚すると弱ってしまう。
前者は物語を動かす行動力、後者は三部作通して描かれる謎や克服すべき試練としてストーリーに反映されている。


主人公の急成長自体は創作物ではよくあることなのだが、それに説得力を持たせるピースにして作中最大の謎であった彼女の出自(後述)の種明かしが最終作であるEP9までもつれ込み、さらに制作段階での変更も重なったために、説得力を持たせるどころか「後付け感が消えていない」といった印象を抱くファンも少なからずいる。(後付け設定自体はよくあることであるが、それが違和感無く馴染んでいるかどうかは別問題である。)


というのも、ジョージ・ルーカスが明確な構想のもと製作にあたった六部作と異なり、続三部作は三作通してのストーリーラインが定められておらずリレー形式による各監督の自由度を優先したために、レイの出自もいくつかの有力案(後述)があるのみの状態で明確に定められないまま進んでいったのである。
EP8でのライアン・ジョンソン監督が描いたレイの設定はEP7を担当したJ・J・エイブラムス監督の案とは別の方向に舵を切った(リレー形式なのでそれ自体は想定の内であった)と語られており、そこにEP9を担当する予定だったコリン・トレボロウ監督の降板までも重なったり(これはもちろん想定外)と、致命的な矛盾は生じずに完結まで漕ぎ着けたものの描写が二転三転することになった。
レイの出自周りの話に限らず、続三部作への否定的な意見はリレー形式にしたことによる一貫性の希薄さに起因するものが多い。






かくしてEP9で明かされた彼女の出自であるが…(以下、続三部作の根幹に関わる重大なネタバレ)














































































本名はレイ・パルパティーン
銀河帝国初代皇帝シーヴ・パルパティーン━━またの名をシスの暗黒卿ダース・シディアス━━の、孫娘である。



来歴

EP7以前

レイの両親については、映像では断片的な情報しか描かれていないが、EP9小説版にてより踏み込んで言及されている。
レイの父はシディアスが乗り憑るためのクローン(つまり、親子といってもジャンゴとボバの関係に近い)のうち不慮の事故で自我に目覚めた個体とされており、年齢設定等を鑑みるとおそらくはエンドアの戦い後の混乱に乗じて脱走してレイの母と出会ったのだと思われる。


その後彼らは、生き延びていたシディアスの配下にあるカルト教団「シス・エターナル」による追跡を受けることとなり、ジャクーにレイを残して暗殺されてしまった。
レイの父はそもそもフォースの素質に乏しくシディアスの器として不適格であった上に余計な自我まで持ってしまった不都合極まりない存在であるため、生かして連れ戻す理由は無かったのである。


取り残されたレイは逞しく成長……と言っても逞しくならざるを得なかったのだろうが、ジャクーの戦場跡のAT-ATの残骸を住処として、自らの足で日銭を稼ぐスカベンジャーとなった。
戦場跡には帝国軍の訓練用シミュレーターも遺されており、スピーダーの操縦技術はそのシミュレーターで身に付けたものである。
周囲の者はゴミ漁りの小娘がまさか皇帝パルパティーンの孫であるなどと気付くはずもなく、これはある意味「平凡を望んだ」レイの父の狙い通りではあったのだろう。
しかしながら愛を注いで育ててくれる両親を失ったことによる孤独が後に暗い影を落とすことになる……。
シス・アサシンの襲来がなければレイの父も家族三人で過ごしたかったことだろう。


ベン・ソロの転落を描いた正史コミック『Rise of Kylo Ren』にも一コマだけ登場。遥か離れた地でベン・ソロが暗黒面に堕ちたのを無意識に察知して寒気を訴えており、未覚醒ながらも幼い頃から既に片鱗を見せていた。


なお、娯楽の類がほとんどない環境ではあるが、ルーク・スカイウォーカーやハン・ソロの逸話は都市伝説同然ながらどこからか聞いていたようだ。


EP7 フォースの覚醒

そんなレイの転機となったのは砂漠で見つけた一体のドロイド・BB-8と、それを探して現れた自称レジスタンスの脱走ストームトルーパーの青年フィンとの遭遇だった。
BB-8の持つルーク・スカイウォーカーの地図を追い求めるファースト・オーダーに追われながら咄嗟に一機の戦闘機に飛び乗り、生まれて初めての飛行ながらもスピーダーの操縦で培ったテクニックと天性のセンスでTIEファイターの部隊を撃退し、共闘を通じて当初は噛み合っていなかったフィンと意気投合し始める。
その後宇宙空間に出た矢先、突如謎の重輸送艇に戦闘機ごと鹵獲されてしまう。
息を潜める二人と一体の前に現れたのは、戦闘機━━ミレニアム・ファルコンの本来の持ち主たる伝説の英雄ハン・ソロとその相棒チューバッカであった。(なので厳密には戦闘機ではなく魔改造した輸送船)


当初ソロからは厄介者扱いされていたが、ソロの借金を巡るゴタゴタに助太刀したことで気に入られ、フィンとBB-8をレジスタンスに送り届ける伝手を見つけるべく惑星タコダナまで同行。
ジャクーの砂漠とは似ても似つかないタコダナの豊かな自然に目を輝かせるレイをソロは三人目のクルーとして冒険に勧誘するが、ジャクーを離れすぎたことを思い出すや否や冒険心は冷え込んでいき、レイはソロの誘いを断ってしまった。
その後マズ・カナタの城の地下に保管されていたアナキンのライトセーバーに引き寄せられるように触れたことでフォース感応能力に目覚め、両親を乗せて飛び去る宇宙船とそれを見て泣き叫ぶ幼い自分の姿のヴィジョンを強制的に見せられてしまう。
それにより冒険への拒否感はさらに増し、フォースの神秘を説くマズ・カナタの言葉も聞かず城から逃げ出してしまった。


更に折り悪くBB-8を追ってファースト・オーダーが襲撃。
森の中にいたレイの元にはカイロ・レンが現れ、BB-8を逃したもののレイは地図を見ていたため捕虜にする価値があるとみなされ拉致されてしまう。
結局ジャクーに帰れないまま一人敵地に連行される最悪の事態となったが……


スターキラー基地にてマインドトリックにより地図の情報を引き出そうとするレンとそれに抵抗するレイの間に突如フォースの繋がりが生じ、レイはレンの記憶や技術を無意識のうちに読み取りマインドトリックを掛け返した。(後付け設定ではあるが、これも後述のフォース・ダイアドの片鱗とされる。)
ダース・ヴェイダーなる存在に対するレンの憧れとヴェイダーの域に到達できない不安を指摘したことで精神的なショックを与えて引き下がらせ、さらに見様見真似のマインドトリックで見張りのストームトルーパーを操って拘束を解かせ、レイは単身逃げ出すことに成功。


レジスタンスがスターキラー基地攻略の作戦を進める間もレイは基地内を逃げ回りながら息を潜めていたが、そこでシールドを解除すべく侵入していたソロとフィンとチューバッカに再会。
彼らと共に基地のシールドを解除したことでXウイング部隊が突入し戦闘が始まった。


その後、苦戦するレジスタンスのXウイング部隊を援護すべくスターキラー基地のサーマル・オシレーターへの破壊工作に協力する。
各々散開して爆弾をセットし、後は起爆するだけというところまで来ていたが、その最中ハンが息子であるカイロ・レン……本名ベン・ソロと再会を果たす。


ハンの言葉にベンの心は動いたかに思われたが……ベンは葛藤の果てにカイロ・レンとして父を手にかけ暗黒面の深淵へ突き進む道を選んでしまった。
相棒の死に激昂したチューバッカがレンの脇腹をボウ・キャスターで撃ち抜き、さらに爆弾を起動してオシレーターにダメージを与える。
爆発炎上するオシレーターから脱出しミレニアム・ファルコンへと急ぐレイとフィンだったが、追ってたはずがいつのまにか先回りしていたレンが立ち塞がる。
実の父を手にかけた怪物に対し二人は果敢に挑もうとしたが、レイはフォースで大木にぶつけられ気を失ってしまう。
続いてフィンがタコダナにてマズ・カナタから預かっていたライトセーバーを起動して単身挑み、奮戦するも力及ばず敗北。
アナキン・スカイウォーカー━━祖父のライトセーバーを手にするべくレンは雪に刺さったそれに手を伸ばしフォースを行使する。
やがてライトセーバーは宙に浮きレンの手元へと一直線に引き寄せられていったが……


ライトセーバーは突如軌道を変えてレイの手の中へと収まった。
レイのフォースがライトセーバーを手繰り寄せたのだ。


ライトセーバーを起動するレイとレン。
スターキラー基地の崩壊が始まる中、二人の長きにわたる因縁の最初の決闘が幕を開けた。


フォースを目覚めさせたレイであったが、いくらレンが負傷しているといえどやはり経験値の差は覆し難く、決闘はレン優位のまま進んでいきレイは崖まで追い詰められてしまう。
既に自分とレイの間にあるフォースの繋がりを感じ取っていたレンは自らがレイを導こうと暗黒面へ誘う。
だがレンの発したフォースという言葉に呼応するようにレイはマズ・カナタの言葉を思い出して目を瞑り、それを再び開いた時レイのフォースはさらに強まった。
完全に「覚醒」したレイは一転してレンを押し返す。
それに対してレンは負傷を重ねてますます弱っていき、ついにはレイの一太刀により重傷を負って雪の中へ倒れ込んだ。
その直後スターキラー基地の崩壊が進んだことで二人の間に亀裂が生じ分断され、レイとレンの最初の決闘は決着を見た。


レイはチューバッカと共に重体のフィンを連れてミレニアム・ファルコンで、レンはスノークの指示を受けたハックス将軍により回収されてそれぞれ脱出し、スターキラー基地は完全に崩壊。
ハン・ソロの遺体諸共宇宙の塵と消えた……。


かくしてレイはレジスタンスのXウィング部隊と共にディカー基地に帰還。その直後、沈黙を保っていたルークの相棒R2-D2が再起動する。
R2-D2とBB-8が各々の持つ星図を重ねることで未完成だった未知領域の星図が浮かび上がり、ルークの隠遁する惑星オク=トーへの道筋が示された。
未だ目覚めぬフィンとの別れを惜しみながらも、レイはチューバッカとR2を連れてミレニアム・ファルコンでオク=トーへ向けて出発。
辿り着いたジェダイ寺院の島で、ルークにかつて彼やその父が振るったライトセーバーを差し出したところでEP7は閉幕となった。



EP8 最後のジェダイ

スターキラー基地を落としたものの、レジスタンスは依然劣勢。
EP7ラストのレイとルークが対面するシーンとほぼ同時期に、ディカー基地は報復攻撃に晒されていた。
レイがルークを訪ねたのはそんなレジスタンスの力となってもらうためでもあったが、一方で自分に目覚めた力……フォースについて知るためでもあった。
ジェダイ再建に失敗しすっかり世捨て人となっていたルークはライトセーバーを投げ捨て、レイの説得にも聞く耳を持たず、帰らせようとするばかり。
まるで助けになってくれそうにはなかったのだが、R2がオビ=ワンに助けを求めるレイアのホログラムをルークに見せる「ずるい」説得をしたことでルークは重い腰を上げ、レイにジェダイとは何であるかとその滅びるべき理由を教えると告げた。


  • レッスン1 瞑想

ルークはまずレイに瞑想をさせ、フォースとは何であるかを説いた。
大昔から多くの人々がそう思っていたように、フォースとはジェダイが使う力であるとレイは考えていたが、実際はフォースは宇宙のありとあらゆるものを繋いでいるのである。
この初めの手解きによりレイは宇宙を巡るフォースを感じ取り、周囲のオク=トーの環境から光と闇とそのバランスを見い出してみせ、さらにはルークとの繋がりだけは感じ取れなかったことからルークがフォースに対して自らを閉ざしていることをも見抜いてみせた。
ルークはレイのことをベン・ソロに匹敵する逸材と称賛したが、瞑想の最中レイがオク=トーの地下から発せられる暗黒面のフォースに引き込まれかけたことがベン・ソロの転落を想起させたため、ルークは恐ろしいとも評価し最初の修行をそこで切り上げてしまった。
なお、このレッスンにおけるジェダイが滅びるべき理由は、要約すれば「フォースを扱うのはジェダイの特権ではないから」である。


  • レッスン2 歴史

次に、シリーズお馴染みのジェダイの過ちについてルークは説いた。
全盛期にありながら戦争と伝統により縛られ硬直化してダース・シディアスの陰謀に気付けぬまま滅ぼされ、さらには「選ばれし者」の教育を誤り不信感を芽生えさせた挙句ダース・ヴェイダーへと変貌させてしまった過ち。
ダース・ヴェイダーの光を取り戻して伝説となったが、それをベン・ソロに継がせようと自惚れて失敗したルーク自身の過ち。
ジェダイは伝説となったからこそ美化されているが、その実態は傲慢と失敗に満ちたものでもあったのだ。ルーク自身も含めて。
それでもレイは諦めずに、レンがルークを裏切っただけであり自分はそうならない、ルークは失敗していない、と慰めた主張した。
しかしながら後述のレン離反の真実を隠しているルークからすれば自分の失敗……それも愚かしさに満ちた失敗であることは疑いようもなく、レイの言葉に苦々しい表情を浮かべるばかりであった……。


  • (レッスン3 正義)

まさかの没シーン行きとなったレッスン3は、オク=トーの寺院の手入れをしているケアテイカー達が盗賊に襲われ火の手が上がることから始まった。
ルークは自然の均衡を保つため干渉しないと言い放つが、レイは居ても立っても居られずライトセーバーを手に駆け出した。
だが辿り着いてみると盗賊などおらず、ケアテイカー達はチューバッカやR2と宴をしているだけであり、それが火事のように見えただけであった。
これこそが第3のレッスンであり「本当の正義とは先程のレイのように体が勝手に動くもので、ジェダイの伝統によって決めつけられるものではない。」という内容であった。


しかしながら、その教えは今のレイに響くものではなかった。今まさに壊滅の危機に瀕しているレジスタンスはジェダイを必要としていたからである。
ルークは自嘲気味ながらも真摯に指導していたし、内容も教えとしては正しいかもしれないが、ジェダイが滅びるべきと主張し続け力になろうとしないルークにレイが抱く不信感や失望は強まっていき、レイはその場から去っていってしまった。


……以上のようにこのレッスン3は後々のシーンにも繋がってくる「ルークに対するレイの不信感」が一気にクローズアップされる重要なシーンであるため、いくら尺が限られていると言えどよりにもよって何故ここを切ったのかとよくツッコミの的となっている。*1


一方で、修行開始の朝からレイの身にある異変が起き始めていた。
遥か彼方にいるはずのカイロ・レンとフォースを通じて繋がり(フォース・ボンド)、互いの声や姿が分かるほどのテレパシーが生じるようになったのだ。ある回ではレンの逞しい上裸も目撃した。
レイはフォース・ボンドを通じて何故ハンを殺したのか問い詰めたが、EP7でのマインドトリック合戦と打って変わって今度は、自分が両親に捨てられたと認めたくないことやハンやルークに親の影を求めていたことを見抜かれてしまう。
さらにレンの記憶から、ベンを斬り殺そうとライトセーバーを構えるルークの姿を読み取ってしまい、レイのルークに対する不信はピークに達する。


動揺しながらもレイは孤独に耐えられず両親や自分に関する真実を求めて初めの修行の瞑想で見つけていた、オク=トーの暗黒面の源泉である「鏡の洞窟」へと向かい、その闇を覗き込んだ瞬間吸い寄せられるかのように転落。
時の流れを表すかのごとく無数のレイの虚像がゴールド・E・レクイエム時間差で同じ動きをする奇妙なヴィジョンの中、レイはヴィジョンを映し出している石鏡に両親を見せるよう問いかけたが、靄が晴れた石鏡にはレイ自身が映るのみであった。
暗黒面のフォース・ヴィジョンすらも、レイの両親が誰であるかを見せることはしなかったのである。*2


自分が何者なのか分からず代わりに導いてくれる人物もおらず、今まで感じたこともない孤独を感じていたレイは、洞窟でのあらましをフォース・ボンドで繋がったレンに涙ながらに打ち明けた。
さらにはフォースを通じてレンの葛藤とそれによる孤独を感じ取り、孤独という共通点から二人の間に共感が芽生え始める。
レイとレンはそれぞれ手を伸ばし、フォース・ボンドを通じて指と指で触れ合った。
記憶や感情が互いの中へと流れ込み、互いの孤独を埋められる存在として共感と理解が深まってゆく。


だがそこへレイを探していたルークが現れる。
フォース越しにレイの手を握らんとしているレンの姿を見た瞬間ルークは家屋もろとも二人のフォース・ボンドをかき消した。
いよいよレイはルークへの不信を爆発させ、レンの過去についてルークに問い詰めるが、ルークはただ去れとだけレイに告げる。
レイは我慢ならずクォーター・スタッフ片手にルークに殴りかかり、ルークも手頃な棒を引き寄せて応戦。
師弟の実力差は大きくレイは手も足も出なかったが、スタッフを投げ捨てられるや否やライトセーバーを引き寄せて起動。
ルークに突き付けて降参させ、今度こそレンの過去について問い詰めた。


ルークはベンの中に闇を見出してしまったこと、本能的にその脅威を感じ取ってしまいベンの目の前でライトセーバーを起動してしまったこと、それを後悔し恥じた時には手遅れだったことを語った。
だがレイは、ベンは自分から闇に堕ちたのではなくまだ光と闇の狭間で迷っていると信じていた。
事実、レイは先程のフォース・ボンドでまさにレンの迷いを感じ取っていた。
レイはベンが光に帰還することこそ勝利の鍵だと信じ、再度ルークにライトセーバーを差し出したが……すっかり自信を失っていたルークはそれを受け取ることはなかった。


かくしてレイは一人でベンを救い出すと決意してオク=トーを発ち、レジスタンスを追討中のファースト・オーダー旗艦「スプレマシー」にミレニアム・ファルコンの脱出ポッドで接触。
抵抗せず自ら捕縛されたレイはスノークの元まで連行される途上、レンと二人きりになったエレベーター内で光に戻るよう説得し、自分もレンが変わる助けになると寄り添った。
だがレンはそれに対し否定も肯定もせず、時が来れば変わるのはレイの方であることと、最後のフォース・ボンドの際にレイの両親の正体が分かったことを告げ、レイを動揺させた。
その後エレベーターはスノークの謁見の間に到着し、レイはスノーク直々に尋問された。
スノークは桁外れのパワーでマインドトリックを行使してレイから無理矢理ルークの情報を引き出し、それでも抵抗するレイを念力で容易く弄び無力化。とどめにレンとレイの繋がり自体が自身の根回しの産物であり二人の絆や共感は作りものであったことを明かす。
レイはレンの修行を完成させるための生贄に据えられ、ライトセーバーを握りしめるレンの前に差し出されたが……


ライトセーバーに貫かれたのはスノークの方であった。


二人の繋がりはスノークの想定を遥かに上回るほど密接になっていたのだ。
確かにスノークは二人に干渉していたが、二人は既にそんなものが無くとも繋がるほどの強固な絆を育んでいたのである。*3


目的は違えど、寄り添い共に歩むことを望んでいたレイとレンは背中を預け合い共闘。2対8という劣勢を跳ね除けてスノークの近衛兵であるエリート・プレトリアン・ガードを全滅させる。
だが、スノークという共通の敵を滅ぼした今度こそ目的の違いが浮き彫りとなった。
今や互いを信頼し背中を預け合うことに抵抗は無かったが、信頼し合って手を組んだとしてそのあと何を成すかという観点において、二人は決定的に相反していたのである。
フォース・ボンドに際して鏡の洞窟でのレイのヴィジョンを読み取っていたレンはレイの両親が「何者でもない」凡人であり既に死んでいることを見抜いて(実際は推察といった方が近い)おり、「(鏡の洞窟が)教えてくれなかった」と言いつつもレイが内心では事実を理解していることや、孤独を恐れて認めていないだけであることも、全て言い当てた。*4
心の内の孤独を全て見透かされ涙を流すレイに、レンは自分ならその孤独を理解し埋められると語りかけ、半ば懇願するような形で共に歩もうと勧誘した。


だが、それでもレイはレンの誘惑を拒絶した。
自分と同じ孤独を抱えるベン・ソロを光に帰還させ、共に銀河に平和を齎そうとするレイ。
自分と同じ孤独を抱えるレイを暗黒面に引き入れて、共に銀河に秩序を齎そうとするレン。
互いのことを欲しながらも行き先の異なる両者は、相容れることなく再び決裂したのだ。


レイは先程の戦闘でレンの手に収まっていたアナキンのライトセーバーをフォースで奪い取り、すかさずレンもフォースでそれを引き止める。
全く互角の壮絶な引き合いの果てにライトセーバーは二人の間で破断し、真っ二つに割れて大爆発を起こし二人は気絶。
それと同時にレジスタンス旗艦「ラダス」の捨て身の特攻によりスプレマシーも大破。
先に目覚めたレイはライトセーバーの断片を回収し、火の手の上がるスプレマシーから脱出した。


その後、スプレマシーを道連れに旗艦を失い惑星クレイトの反乱同盟軍前哨基地跡に退避したレジスタンスは、レイアの呼びかけに応じる援軍が来るまで老朽化した設備での持久戦を強いられた。
レイもチューバッカと共にミレニアム・ファルコンで駆け付けてTIEファイター部隊を圧倒したが、劣勢を覆すには至らなかった。


頼みの綱であった外縁部からの援軍も来ず、全滅を覚悟するレジスタンスの面々であったが……
そこに現れたのはルーク・スカイウォーカーだった。


ベンを光に帰還させようというレイの主張が正しい(なにせルークもかつて父相手に同じことをやったのである)と分かりながらも、ベンを闇に堕としてしまった自分ではその期待には応えられないと沈み込んでいたルークだったが、偉大なるジェダイマスター・ヨーダの霊と語らい「失敗の価値」や「師匠の役割」についての心構えを授けられたことで復活。
自分にはできなくともレイならベンを帰還させてくれると信じレイをジェダイの後継者として認めたルークは瞑想により自身の幻影のみを戦場に送る絶技を以って、希望であるレイとその仲間であるレジスタンスが裏口を見つけて脱出するまでの間ファースト・オーダーの全攻撃を引き受けた。


一方レイアから預かっていた発信器でR2-D2がレイアを追跡し、レイも裏口の外側に辿り着いていた。
裏口は積み重なる岩により塞がれてしまっていたが、そこでレイはルークの最初の教え……万物はフォースで繋がっていることを思い出し、岩を浮かせてレジスタンスの活路を切り開いた。
そしてこの瞬間をもってルークは最後のジェダイではなくなったのである。


かくしてEP8全編で展開されたレジスタンスの逃走劇はようやく終わり、逃げ延びたミレニアム・ファルコンの船内でレイとレイアはルークが力を使い果たしフォースと一体となったことを感じ取っていた。
最後の最後にルークとレイは本当の意味で師弟となることができたが、面と向かって実践修行をつけてもらうことはもうできない。
だが何も心配は無かった。
真っ二つになったライトセーバーの中に無傷で残っているカイバー・クリスタル。オク=トーからこっそり持ち出したジェダイの書物。ルークに匹敵するフォース感応能力を持つレイアという師匠。ベンを光に帰還させてみせるという志。
ジェダイに必要なものは全て揃っている。


希望の火花を乗せたミレニアム・ファルコンが銀河の彼方へと飛び去り、波乱のEP8は閉幕となった。



EP9 スカイウォーカーの夜明け

時は流れ、EP7以降別行動を取っていたメンバーの帰還や各地を渡り歩いて得た増援によりなんとか戦力を回復させたレジスタンスは惑星エイジャン・クロスに新たな基地を構えていた。相変わらず森。
エイジャン・クロスの肥沃な大自然はフォースの流れが強く、かつてルークがレイアに修行をつけた場所でもあった。
その大自然のもとでレイはレイアの指導のもと二つの修行を進めていた。


一つは、生けるフォースから宇宙のフォースへと還ったジェダイの先人達の声を聞くこと。
霊体化を身に付けた者は死後も自我を保って生けるフォースと宇宙のフォースの中間を行き来し自ら声を届けることもできたがジェダイの先人達はそうでない者が大半であり、レイがいくら瞑想しても先人達の声は聞こえず、手応えが得られない日々が続いていた。


もう一つの修行は、シンプルな実戦形式。
フォースに満ちたエイジャン・クロスの森を駆け回りつつ、低出力ブラスターで攻撃してくるお馴染みの訓練装置を仕留めるというもの。
レイはこちらにも苦戦しており、身体能力は申し分ないものの訓練装置をなかなか仕留められない。最終的にはセイバー投げからの倒木を利用した打撃という荒技で仕留めたものの、ライトセーバーを空振りして木を切り倒してしまう悪癖が抜けずにいた。


この二つの修行のうち、レイは特に後者への不安を抱いており、思うままにライトセーバーを振るうと破壊衝動が生じることに悩んでいた。
レイはそれが暗黒面の片鱗であることを理解していたが、見捨てられれば再び孤独になる不安からレイアにそれを言い出せなかった。(さらにはそうやってひた隠しにしたことが後々になって響いてくることとなる。)
しかしレイアは言われずとも暗黒面を恐れるレイの悩みを見抜いており「本当の自分を恐れないで」とレイを励ましていた。


そこへポーとフィンとチューバッカがファースト・オーダー内部のスパイからの情報を大炎上するミレニアム・ファルコンと共に持ち帰ったが、その内容は絶望的なものであった。
突如宣戦布告したパルパティーンは帝国残党のプロパガンダではなく本当に生き延びているということ。彼とその信奉者シス・エターナルが築いたファイナル・オーダーの大艦隊がファースト・オーダーに合流しようとしていること。
その艦隊の攻撃開始はわずか16時間後であること。
……銀河の終焉がすぐそこまで迫ってると言っても過言ではない窮地であった。


すぐさまレジスタンスはシス艦隊が控える惑星エクセゴルへの攻撃を立案したが、エクセゴルの所在地は未知領域。位置も行き方も分からない。
そこでレイはオク=トーから持ち出した書物の中に、かつて独自にシス・エターナルの存在を突き止めてエクセゴル捜索を行ったルークの手記を発見し、エクセゴルへの道を示すウェイファインダーを見つけるため動き出した。*5


ポーとフィンとチューバッカと共に向かった先は拡張領域の砂漠の惑星パサーナ。かつてルークがエクセゴル捜索を断念した地である。
パサーナは賑やかな祭の真っ只中であり、原住民のアキ=アキ族から伝統の首飾りをかけてもらったりと一行は観光客さながらにもてなされたが、その直後レイとレンの間にフォース・ボンドが発生。
僅かな対話*6の後、レンはフォース・ボンド越しにレイから首飾りを奪い取ってそれがパサーナの特産品であることを特定。
居場所がバレて先を急ぐ一行は、かつてルークやハンと肩を並べルークのエクセゴル捜索ではパサーナまで同行していた英雄ランド・カルリジアンと対面し、かつてシス・エターナルの暗殺者オーチの船がパサーナに来ていたことを知る。


ランドの導きに従い、ファースト・オーダーと壮絶な追走劇を繰り広げながら一行はかつてのルークの旅路の行き止まり……主を失い放置されたオーチの船を発見した。


初めて見たはずの船の外観に何故か既視感を覚えるレイだったが、その直後ファースト・オーダーのトルーパーが放ったランチャーがレイ達の船を直撃し大破。
転げ落ちながらもなんとかトルーパーを全滅させたが、着地した場所は流砂の真ん中であり
一行はなすすべなく飲み込まれてしまう。


だが実は流砂の底は地下の空洞に繋がっており、さらにはこの空洞こそがかつてルークとランドが見つけられなかったオーチの死体の在処であった。
BB-8が砂の中からオーチの所持していたダガーを発見し、そこにはエクセゴルへのヒントとなる古代シスの文字が刻まれていた。
C-3POが旧共和国の規制によりシス語の翻訳を禁じられていたため解読は叶わなかったが、エクセゴルへの手がかりを手に入れ、次は解読の手立てを探すこととなった。
空洞の主であるヴェクシスという大蛇のようなクリーチャーが脱出を阻んだが、レイはヴェクシスが負傷のせいで警戒心を強めているだけであることを見抜き、フォースを通じて生命力を分け与えるフォース・ヒーリングで治療したことでヴェクシスは自ら引き下がった。
かくして一行は無事脱出に成功したが……レン率いるレン騎士団がすぐそこまで迫っていた。


ファースト・オーダーの包囲をすり抜けるためミレニアム・ファルコンに戻らずにオーチの船を再起動させての出発を試みる中、レイは接近するレンの気配を察知。船をポーとフィンとチューバッカに任せて単身レンと対峙し、彼の乗るTIEウィスパーを一刀両断し撃墜する。


だが、レイを呼び戻しに向かっていたチューバッカがレン騎士団に確保されてしまい、オーチのダガーも押収された挙句、チューバッカを収監した輸送船が飛び立とうとしていた。
レイはフォースで輸送船を引き止めるが、TIEウィスパーの残骸から無傷で現れたレンがフォースで同じようにして対抗する。
EP8と同じ互角の引き合いの中、レイはより大きな力を引き出そうとフォースに身を任せて激情を爆発させ……


次の瞬間、レイの指からフォースの電撃が迸った。


輸送船は爆発炎上しながら空中で真っ二つになり、チューバッカ諸共墜落。
レイもフィンも、レンまでもが、その様をただ呆然と見ているしか出来なかった。
取り返しのつかないことをしてしまい悲痛な叫び声を上げるレイはすぐにチューバッカを探そうとしたが、すぐそこまで迫っていたファースト・オーダーの大部隊を前にやむなく撤退。
レンは驚愕とも歓喜とも取れる表情で去っていくレイを見つめていた……。


なんとか追手を振り切り、フィンは後悔に駆られるレイを「レイのせいじゃない」「レンがそうなるように仕向けた」と必死に慰めていたが、その言葉もむしろレイを苦しめるものだった。
自分の中に強い暗黒面の資質があることを分かっていながら激情のままフォースを行使してチューバッカの命を奪ってしまったのは紛れもないレイ自身であり、レンのせいではないことなど分かりきっていた。


ポーはチューバッカの死を無駄にしないためにも任務を続行すべきだとしてその場を収め、ダガーの現物を持ち去られた以上C-3POのみが記憶するシス語の翻訳を取り出す伝手を頼るべく、惑星キジーミへと向かった。


その後は順調に行き、キジーミにてポーの元カノ旧知であるゾーリの仲間の、腕利きのドロイド技師であるバブ・フリックが一時的なリセットと引き換えにC-3POにシス語の翻訳文を喋らせることに成功し、エクセゴルへの道を示すウェイファインダーがエンドア星系にあることが明らかになった。
三人はレン騎士団に見つかる前にすぐさまキジーミを離れたが、その直後レイはフォースを通じて死んだはずのチューバッカの気配を感じ取った。
レイがライトニングを放つあの場に居合わせた全員が知らなかったことだが、実はレン騎士団の株を下げつつ自分の有能さをアピールしたかった上にスパイだったハックス将軍の根回しによりチューバッカは別の輸送船に乗せられていたのだ。
当然レイは作戦を変更し、チューバッカ救出のためファースト・オーダーの旗艦「ステッドファスト」に乗り込むこととなった。


マインドトリックで警備をすり抜けつつ尋問室の場所を聞き出して三人は艦内を進んでいたが、レイは尋問室とは別の方向からオーチのダガーの気配を察知。
別行動を取ったレイはレンの自室でダガーを発見し手にしたが、その瞬間フォースのセンス・エコーが発生し、オーチのダガーの辿ってきた歴史がヴィジョンとなってレイの中に流れ込んだ。
映し出されたのはジャクーにレイを預ける両親と、両親をジャクーから連れ去るオーチの船の姿であり、レイが自ら封印していた幼少期の記憶と全く同じものであった。
パサーナでオーチの船に既視感を覚えたのは、両親を連れ去ったのがまさにその船だったからなのだ。


そこへキジーミの地表にいるレンがフォース・ボンドで接触。
言葉を失っていたレイの胸中を代弁するかのように、両親の仇がパルパティーンであることや彼らがレイを守るためにレイを売ったという事実を叩き付け、それを聞き入れたくないレイとレンはそれぞれ離れた艦内と地上にいながらフォース・ボンド越しの斬新すぎる斬り合いを繰り広げる。
そして激闘の果てに二人の剣戟によりヴェイダーのマスクが安置されていた台座が破壊され、ボンドを通じてマスクが地上のレンの元へと転がり落ちたことでレンはレイが自室に侵入していたことを特定。
レイの記憶により深く触れたことやレイのライトニングを目撃したことやパルパティーンがレイの始末を命じていることから、レンはEP8で大外ししたレイの正体について今度こそ真実を掴んでおり、それをレイに教えて自身の側へと引き入れるべくステッドファストへ帰投。
レイは大急ぎでチューバッカの装備を回収してオーチの船へ戻り、包囲される前にC-3POを逃しつつポーとフィンを探しに行かせた。
そしてC-3POがその場を離れると同時にレンが到着。
たった一人になったレイを包囲し、一歩一歩と迫りながら、レンはレイの正体……レイがパルパティーンの孫であることを明かした。
レンを光に帰還させることを試みていた自分こそが誰よりも色濃く闇の力を秘めていた事実に動揺するレイに対し、レンはさらに自分たちがフォースの一対……フォース・ダイアドであることを明かし、二人で手を組んでパルパティーンを討とうと再びプロポーズ暗黒面へと誘惑した。
それは本来であればレイを始末しなければならないレンが与えた最後のチャンスであると同時に心からの願いであったが、レイは暗黒面への恐れからそれを拒否。
ファースト・オーダーを裏切りスパイとなっていたハックス将軍の手引きで脱走しC-3POとも合流できたポーとフィンとチューバッカがミレニアム・ファルコンで駆けつけたことで、それに飛び乗り離脱に成功した。


だが、レイの胸中には憎悪と殺意だけが渦巻いており、エクセゴル捜索の目的は銀河を救うことではなく両親の仇であるパルパティーンを殺すことへとすり替わっていった……。



ファイナル・オーダーの攻撃開始時刻が迫る中、一行はついにウェイファインダーの在処であるエンドア星系の衛星ケフ・バー……破壊されたデス・スターⅡの残骸が墜落した星を訪れた。
レイはオーチのダガーの装飾からウェイファインダーの隠し場所を特定し、フィンの制止を振り切って一人で大荒れの海を越えてデス・スターⅡの謁見の間跡地……かつてアナキンとルークがパルパティーンを打ち破った場所へと辿り着き、ウェイファインダーを見つけ出した。


だが直後、場所が場所ゆえか突如暗黒面のフォースによるヴィジョンが発生。
暗黒面に堕ち真紅のライトセーバーを振るうもう一人のレイが現れ「本当の自分を恐れないで」とレイアの言葉を皮肉るようにレイを暗黒面へと誘い、斬りかかったレイを圧倒する。
幻影に敗れ倒れ込んだレイはウェイファインダーを落としてしまい……レンがそれを拾い上げた。


単身追って来たレンは弱っているレイにとどめを刺さんばかりに、レイはもはやジェダイなどではなく自分と同じように本質は暗黒面の存在であると突き付ける。
ここまで暗黒面に触れたレイはもはやレイアに顔向けできない。そしてそれは自分も同じである。もはや闇に染まるしか手は無い、と三度勧誘。
さらにレンはウェイファインダーを握り潰し、エクセゴルに行くには自分と組むしかない状況を作り上げた。
こうなってはもはやレンを倒してもどうにもならないにもかかわらずレイは激情に駆られるままレンに斬りかかり、レンもそれに応戦。
EP7での対決時とは比べ物にならないほど腕を上げた両者の対決は力量的には全くの互角であったが、暗黒面に堕ちかけ・なおかつ暗黒面を恐れている状態のレイは精神面で圧倒的に劣勢であり、闇を歩む決意を固めているレンが次第に押し始める。
やがてレイは完全にレンに打ち負け、勝負は決した。


だがその直後レイアが最後の力を振り絞ってフォースでレンに語りかけた。
つい先ほど自分が「顔向けできない」と述べた母からの接触に動揺したレンはライトセーバーを取り落とし、すかさずレイはそれを奪い取ってレンを突き刺した。


かくしてレイは決闘に勝利したが……光に帰還させようと思っていた相手の不意を突いてシスのライトセーバーで穿ち抜いたという、自身の暗黒面を証明するだけの勝利でしかなかった。


レイはレイアの死を感じ取ったことでようやく我に帰り、その無価値な勝利を自覚した。
レンの傷をフォース・ヒーリングで癒してからTIEウィスパーでケフ・バーを去ったが、もはやその心は完全に折れてしまっていた。


ジェダイにあるまじき愚行を何度も繰り返して暗黒面に染まり、それを受け入れることもできないレイは全てを投げ出して逃避することを選び、かつてのルークと同じようにオク=トーに逃げ込んだ。
TIEウィスパーに火を放ち、ジェダイからもシスからも逃げるようにライトセーバーを火の中へ投げ捨てたが……


ライトセーバーは空中で止まった。
伝説のジェダイにして師匠であるルーク・スカイウォーカーの霊体が火の中から現れ、ライトセーバーを受け止めたのだ。


レイはルークに自分がパルパティーンの孫であったことや暗黒面への恐れ……そしてそれらから逃げてここへ来たことなど、全てを打ち明けた。
それに対してルークは、レイアはそのことを分かった上でレイを鍛えたことを明かした。
かつて自分がヴェイダーの息子であることを知り絶望したルークがそこから立ち上がったように、生まれが人の本質を決めることはない。
生まれなど関係なく、ベンを光に連れ戻そうとするレイの心根にこそルークとレイアはジェダイの資質を見出していたのだ。
そして、暗黒面に手を伸ばしたとしてもそれだけではジェダイ失格ではない。暗黒面に触れてなおその恐れと向き合うことこそが、古今東西全てのジェダイに等しく立ち塞がる試練でもある。


ルークとレイア、二人の師匠によって自分の生まれという呪縛を解かれ、それに向かい合う覚悟を決めて再起したレイにルークは自分のライトセーバーに加えてレイアのライトセーバーも託した。
さらにTIEウィスパーの残骸からレンの使っていたヴェイダーのウェイファインダーを見つけ出し、ルークが海に沈んでいたXウィングをフォースで持ち上げてレイに差し出した。*7
必要なものを全て揃えたレイは、憎しみではなくジェダイとしての決意を持って全ての元凶である祖父パルパティーンと向かい合うため単身エクセゴルへ飛び立った。
さらにレジスタンスも、レイの跨るルークのXウィングの反応を道標にして総力を挙げてエクセゴルへ進撃。
エクセゴルの戦いが幕を開けた。


一足先にエクセゴルへ到着したレイは、艦隊とは交戦せず地上のシス要塞へ突入。
追い付いてきたレジスタンスが艦隊と交戦し始める間にも一歩一歩と奥へ進んでいき、
最奥部の玉座の間でついに祖父シーヴ・パルパティーン……またの名をダース・シディアスと対峙した。


だがシディアスはレイを殺そうとするどころかちゃっかりにも程があるが女帝パルパティーン」と呼び、歓迎するとまで言ってのけた。
憎しみを以ってレイに斬られることでシスの全てをレイに継承し、レイとシディアスが一つになって真の帝国の皇帝として君臨することこそがシディアスの目的だったのだ。
「斬りたければ斬るが良い」と言わんばかりにシディアスは無抵抗な体を差し出し、レイの憎しみを煽った。
……尤も、かつて(レイの父を含む)クローンを乗り憑るための器として用意していたことやこのシーンでの言動から察するに、実際はレイに乗り憑ることで傷ついた体を捨てて若い肉体を得る魂胆であった可能性が高い。
おそらくシディアスはレンとレイの両方を後継者として見込んでおり、どちらにシスの財産を託すにしろそれに比肩しうるもう片方の可能性を潰しておくべくレンにレイの始末を命じて二人が戦うように仕向けたのだと思われる。


シディアスは両親のことなどを使って言葉巧みに憎しみを煽ったが、レイは自分をシスから隠してくれた両親は弱くなどないとシディアスの挑発を一蹴。
そのレイの姿はかつてのルーク同様、憎しみに飲まれぬジェダイそのものだった。


だが、あの時のルークと今のレイには決定的な違いがあった。
憎しみを捨てたルークは光に帰還した父アナキンにより救われたが、今のレイに救ってくれる両親はいない。
そして新たな家族であるレジスタンスはシス艦隊の圧倒的な物量にすり潰されつつあった。
その様をレイに見せつけることでシディアスはレイの決意をへし折りにかかった。


レジスタンスを守るには、レイがシスの全てを継承することでシス艦隊の指導者となり攻撃をやめさせるしかない。レイがジェダイとして憎しみを捨てるならば、レジスタンスを人質に無理やりシスの継承を受け入れさせればよいのだ。
シディアスの周到さはレイの覚悟を容易く上回っていた。


レイはシスの玉座に座ってでもレジスタンスを救うためライトセーバーに手を伸ばし、シディアスに促されるままシス継承の儀式を実行しようとしていたが……


そこでカイロ・レン━━否、ベン・ソロの気配を察知。
ディカー撤退で戦死したと思い込んでいた母レイアが生き延びており最期の力で自分に接触してきたことや、ベンの中の思い出が像を結んだ父ハン・ソロの幻との対話により迷いを振り切り、ベンは光に帰還していたのだ。
そして最後のフォース・ボンドが発生する。


ベンはレイを助けるため玉座の間へと向かいながらもレン騎士団*8に足止めされていたが、レイは構えていたアナキンのライトセーバーをフォース・ボンド越しにベンに手渡す。
EP7では手にできずEP8では奪い合いになった伝説の祖父の武器を、祖父同様光に帰還することでついにベンは手にしたのである。
ベンは圧倒的な強さでレン騎士団を蹴散らし、レイもレイアのライトセーバーを起動してソヴリン・プロテクター(言うなればシス・エターナル版ロイヤルガード)を全滅させる。
互いを欲しながらもぶつかり続けてきたレイとベンはついに同じ方向を向き、巨悪ダース・シディアスを追い詰めた。


さらに上空では、本隊とは別行動を取っていたランドとチューバッカが銀河中からかき集めた援軍と共に参戦。シス艦隊を圧倒し始める。


だが、シディアスの力は傷ついた肉体でもなおレイとベンのそれを凌駕していた。
圧倒的なフォースの力量差により瞬く間にレイとベンを跪かせるのみならず、二人がシス・エターナルの予言にあるフォース・ダイアド……命そのものと言っていい膨大なフォースの塊であることにも気付いてしまった。


シディアスは二人のフォースを吸い上げて肉体を再生していった。もはや若い肉体にシスを継承する必要など無くなったのだ。
かつての全盛期をも上回る力と共に完全復活を遂げたシディアスは天に向かってフォース・ライトニングを放ち、レジスタンスと民衆の艦隊を次々と撃墜。一人で形勢を巻き返した。


満身創痍で立ち上がったベンを軽々と奈落へ突き落とし、立つことすらままならないレイの目の前でシディアスは帝国に逆らう者を根絶やしにせんと電流を放ち続けたが……
その土壇場でレイはフォースの中に巡るジェダイの先人達━━それもヨーダやクワイ=ガンやルークといった霊体化を身に付けた者のみならず、過去のあらゆるジェダイ達の存在━━をフォースを通じて感知。


修行で何度やっても成せなかった技業をついに引き出し、レイはジェダイの先人達の全てを宿してシディアスに立ち向かう。
対するシディアスも並々ならぬ脅威を感じ取り、シスの全てを込めた渾身のフォース・ライトニングをレイに浴びせる。


両者の力は拮抗していたがやがてレイが押し返し……シディアスのライトニングはシディアス自身に跳ね返った。
自らが放った電撃に焼かれ、シディアスはついに消滅。
玉座の間に集っていたシス・エターナルの構成員諸共、レイは最後のシスを討ち破った。


さらにシディアスのライトニングが途絶えたことでレジスタンスと民衆の艦隊も復活し、シス艦隊を全滅させた。
エクセゴルの戦いはシスと帝国の敗北に終わり、銀河に秩序が齎されたのである。



しかしその代償は大きかった。
元々の消耗に加えて、本来の力を遥かに上回る力を身に宿した反動でレイは全ての力を使い切り、今にも息絶えようとしていた。


そこへ駆け付けたのは、辛うじて生き延びていたベンだった。
ベンは動かなくなったレイを抱きかかえ悲しみに暮れたが、すぐにレイを蘇生させる方法を悟った。
自分も瀕死であるにもかかわらず、ベンはケフ・バーでレイが自分に施してくれたフォース・ヒーリングをフォース・ダイアドの絆を頼りに見様見真似でレイに行使したのである。


やがてレイは目を覚ました。


目の前で自分を抱きかかえるのは「愛する者を死から救う」境地へと至ったベン。
だが、瀕死の命二人分では片方を生かすことしかできず、引き換えにベンが弱っていく。
互いを愛し合い、同じ方向を向き、銀河に秩序を齎した二人は最初で最後の口付けを交わし……ベン・ソロは遥か遠くの母レイアと共にフォースと一体となった。



それからしばらくして……
レイは全てが始まった地、惑星タトゥイーンのを訪れた。
アナキン・スカイウォーカーが生まれルーク・スカイウォーカーが育った、双子の太陽の昇る砂漠。その外れのラーズ農場跡にレイはルークとレイア……二人のマスターのライトセーバーを埋めて弔った。


代わりにレイの腰には黄色い刃のライトセーバー━━自ら見つけ出したクリスタルを自らのフォースで染め上げるギャザリングの儀式を終えたジェダイの証━━が携えられていた。


やがて通りかかった一人の男がレイに名前を尋ねる。
レイの視線の先には、双子の太陽の下で微笑むルークとレイア……ベン・ソロの叔父と母の霊体。
自分を救ってくれたベンの命と共に歩むレイは


レイ・スカイウォーカー


と、そう名乗ったのであった。


以上をもってEP9、ひいては続三部作は完結。
復活を目論み、一度は保たれたフォースのバランスを再び崩したシスの暗黒卿とスカイウォーカー一族の戦いが終わりを告げ、再びフォースのバランスは保たれたのであった。



能力

劇中での凄まじい成長速度からも分かる通り、フォース感応者としての才覚は飛び抜けており、ルークをも驚愕させる資質を秘めている。
これは祖父シディアスの血統ゆえの才能も大いにあるが、成長速度においてはそれ以上に重大なファクターとしてカイロ・レンことベン・ソロとの間に強固なフォースの絆があることが関係している。
この特殊なフォースの絆のことを(あるいは絆で繋がれた二人自体のことを)「フォース・ダイアド」と呼び、続三部作の根幹にある設定となっている。
劇中では略されて「ダイアド」と呼ばれることが多い。


EP5や『クローン・ウォーズ』シーズン6で描かれたように、元々スターウォーズ世界のあらゆるものは生けるフォース(リビング・フォース)が宇宙のフォース(コズミック・フォース)に流れ込むことによって繋がれているという設定であるが、その「繋がり」の中でも飛び抜けて特殊かつ強力なのがフォース・ダイアドの繋がりである。
その濃密なフォースの力はシディアスをして「命そのもの」とすら評され、過去のジェダイ達は負傷の痛みを和らげたり回復を早めたりが精一杯で基本的に医学の併用が前提だったフォース・ヒーリングも、命に関わる重傷を数秒で塞いだり瀕死の衰弱状態から回復させるほどのパワーで行使できるなど、シリーズ通してのキーワードである「愛する者を死から救う術」になり得るものの一つである。
またフォース・ダイアドの絆は時空をも超えて作用し、互いの記憶や周囲の環境・物体にまで影響を与え合う。(フォース・ボンドと呼称される)


例を挙げると、

  • 何光年もの距離を挟んでテレパシーのように対話し、服装や腹筋などの相手の状態まで把握できる
  • レイが浴びた水の飛沫が艦内のレンにも降りかかる
  • その場に居合わせずともライトセーバーでの斬り合いが成立するテレワーク
  • 艦内のレイが放った攻撃がレンのいる地上の瓦礫を破壊し、その破片が艦内に散らばる
  • その場にいないベンの手の中にライトセーバーを転移させる

などなど、その斬新すぎる描写の数々で視聴者の度肝を抜いた。

フォースによる時空を超えた物体の転移は早速スピンオフに取り入れられており、『反乱者たち』シーズン4に登場する「狭間の世界」とその入口の所在地である惑星ロザルがそれに該当する。
作中では狭間の世界を経由することでシーズン2のアソーカ・タノとシーズン4のエズラ・ブリッジャーが遭遇したり、
その入口がある影響かロザルでも、徒歩だったのにいつの間にか北半球から南半球へ転移する現象が発生したりしている。
フォース・ダイアドにも劣らぬ超常の力であり、同エピソードでシディアスが狭間の世界の掌握を目論んでいたのも納得と言えよう。
小説版EP9ではレイがジェダイの先人達を感じ取った先が"place between places"と表現されており、"world between worlds"と表記される狭間の世界との関連性が示唆されている。


また、狭間の世界の入口となるロザルの壁画にはフォースの源泉とされる聖域モーティスに住まう「ザ・ワンズ」の姿が描かれており、さらにトレボロウ監督のEP9没プロットにおけるレイとレンの決戦の舞台もモーティスの予定だったという。
また、EP9以外の正史作品で、フォースによって生命力を他者に注ぎ込んで命を救う芸当が披露されたのも『クローン・ウォーズ』シーズン3のモーティス編である。
あくまでも没プロットは没プロットなので現行設定に反映されるものではないが、ひょっとするとフォース・ダイアドとモーティスや狭間の世界(およびザ・ワンズ)には何かしらの繋がりがある……の、かもしれない。
ちなみにジョンソン監督もEP8制作にあたって過去作を見直した際にシーズン3のモーティス編が印象に残ったという。



今列挙したようなぶっ飛んだ描写で本格的にクローズアップされるのはEP8中盤からであるがEP7でも片鱗を見せており、レンのマインドトリックを見様見真似で使えるようになったのもフォースを通してレンの記憶や技術を無意識に読み取ったからである。
つまるところレンが強くなればレイも強くなるという関係であり、スノークの操っているつもりが後押しにしかなっていなかった介入によりフォースの絆が強まったEP8から、一気に両者の実力差は狭まっていった。
数年近い経験値差を一瞬でラーニングされるレンからしたらたまったものではないが逆もまた然りであり、レンがレイの記憶から彼女の両親の正体を推察できたりEP9でベンがレイの芸当を模倣できたりしたのもフォース・ダイアドの力の賜物である。



なお、フォース・ダイアドの出現はシス・エターナルの予言に遺されており、ダース・ベインが定めた「二人の掟」は内輪揉めによる衰退を防ぐ従来の目的のほか、予言にあるフォース・ダイアドの模倣としての側面もあり、いずれ師弟でフォース・ダイアドそのものになるためであったとされている。
これはかつてのシディアスとヴェイダーも例外ではなく、彼らもEP3以降他者を死から救う境地を目指しながらもそれが叶うことはなかったが、奇しくもその領域に到達したのはシディアスの孫とヴェイダーの孫であったのだ。


一方で、レンと対等であることからも分かるように、フォース・ダイアドの絆が引き起こす超常的な現象を除けば級と言える程の戦闘力には達していない。
EP8ではレン同様スノークに手も足も出なかった他、EP9ではベンと二人まとめてシディアスに制圧されフォース・ダイアドの力を利用されてしまった。
技術面でも荒削りな部分が多く、エリート・プレトリアン・ガードのナイフ使いにはタイマンでも一時押され気味だった他、EP9冒頭ではお馴染みのジェダイの訓練装置に苦戦している。
EP9で最終的にシディアスを滅ぼせたのも、先人ジェダイ達の力を宿した……すなわち助力と後押しがあったからである。(なお、この時の力をEP9以降も自在に引き出せるのかについては不明。引き出せるならば文句無しにチートジェダイの仲間入りであろうが……)


とはいえ、EP7〜EP9が作中時間ではほんの1,2年間の出来事であるにもかかわらず共和国時代の並のジェダイを上回る実力を身に付けていることは疑いようもない。
発進しようとする輸送船をフォースで引き止めたり、全速力で突っ込んでくるTIEウィスパーを一太刀で墜落させたりといった芸当ができるジェダイはそう多くないだろう。
今後EP9以降のレイが描かれることがあれば(現在、非正史作品のみ存在する)、伝説級の面々に匹敵するジェダイとして大成した姿を見せてくれるかもしれない。



関連人物

来歴の項の通り、続三部作は事実上彼とレイのダブル主人公といえる形で進んでいく。
共に歩みたいと思っているが目指す先が異なるが故に争うこととなる……という二人の関係は、ルークとヴェイダーのそれにまで遡れるシリーズの伝統の一つでもあるが、レイとレンの場合はそれが特に強調されている。
その葛藤に満ちた人間ドラマは形を変えて、人と兵器の狭間にいる者たちを描くスピンオフにもオマージュされることとなる。


  • フィン

フォース感応者の素質があることが仄めかされているのに、仄めかせるだけのまま続三部作が完結してしまった元ストームトルーパー。
EP7におけるレイの相棒だったが、昏睡状態となっていた関係もあってEP8ではほぼ全編に渡って別行動であり、再会したときにはレイは既に最後のジェダイにしてフォース・ダイアドの一端という遥か遠い存在になってしまっていた。
相方と言えるローズの登場もあってレイの対となるポジションをすっかりレンに取られてしまった感は否めず、ライトセーバーを手に果敢に戦ったEP7と比べると扱いも小さくなっていってしまった(演じたジョン・ボイエガ氏も不満の声を残していたほど)が、
両親の件や暗黒面の影響で自棄になっているレイからフィンには分からないことだと突き放されてなお「だったら話してくれ」と向かい合い、ケフ・バーではフォースで突き飛ばされてもなお危険を承知で後を追いかけようとするなど、レイが事実上レジスタンスの最高戦力扱いされるようになってもなお彼女の心身を案じ続けて力になろうとする姿はまさに漢。
レイを英雄ではなく一人の仲間として見、悩みも共に背負おうとしてくれていたフィンを突き放すことしかできなかったのもレイの不安定さの象徴なのかもしれない……。
レイがフィンと向き合うのはEP9以後を描く、とある非正史スピンオフまで待たれることとなる。


EP7で行動を共にした英雄。
憧れの伝説的人物であると同時に、自分を導いてくれた頼もしさにレイはある種の父性をも見出しており、彼を殺害したレンに対しては単なる仲間の仇以上の恨みを抱いていた。
一方で、ハンに父性を見出していたことをレンに見抜かれることで自身の孤独を自覚することになっていく。
良くも悪くもレイの冒険の発端にして根幹となっている人物である。


一人目の師匠。
新生ジェダイ壊滅というかつての失敗からすっかり自信を失いレイをジェダイにする気も無かったが、
師匠とは弟子に超えられるために存在し、成功だけでなく失敗も弟子に伝えることでそれが叶うという教えをヨーダの霊体から授けられたことで再起。
自分にはできなくてもレイならベンを光に帰還させられると信じてレイをジェダイの後継者として認めた。
EP8はある意味、師匠としてのルークの挫折と再起を描いた物語であるといえよう。
フォースと一体となった後もEP9で霊体として登場。暗黒面を恐れるレイを師として導くと共にヨーダよろしくXウイングを持ち上げるなど師匠としても大成した姿を見せ、レイがジェダイの先人達を宿したシーンでは「我々は常に共にある」と最後に激励した。


  • レイア・オーガナ

二人目の師匠。
議員としての生き方を選んだこともあって武闘派なイメージは薄いが、エンドアの戦いの翌年にエイジャン・クロスにてルークとの修行を終える頃には模擬戦でルークに勝つこともあったほどの実力を身に付けていた。
続三部作時点では加齢もあって身体能力は衰えているが、当時の経験もありレイへの指導は問題なく進められた模様。
中でもジェダイの先人達の声を聞く修行は最後の最後に実を結びシディアス打倒の決定打となった。
また力はともかく技巧の面では衰えておらず、命が尽きる間際に最期の力を振り絞り、卓越したフォースの技量で息子ベンに声を届けたことが二人を暗黒面から救い出すきっかけ(のきっかけ)となった。


  • ポー・ダメロン

レジスタンスのエースパイロット。
EP7ラストからお互いのことを知ってはいたものの、本格的な顔合わせはEP8終盤。
その関係もあってか、互いにレジスタンスを牽引する立場となったEP9では先頭に立つ者としての在り方の違いからたびたび口論になっている。……無論、互いのことを信頼しているからこそではあるが。
また、ポー自身もEP8までレジスタンスを導いてきたレイアのように上手くやれるかどうか不安を抱えていたのも大きい。
あくまでもレイをリーダーではなく一人の友として見ているフィンとはある意味対照的と言える。


祖父にして両親の仇。
ヴェイダーが元弟子アソーカの言葉に数秒立ち尽くしてしまったり息子ルークだけは殺すのを避けたりと、巨悪でありながらも身内に対しては人間味を覗かせていた(モール、ティラナスも同様に身内には甘い面が往々にして描かれている)のに対し、シディアスは血縁者だろうと不滅のシスの帝国を築くための道具としか思っておらず意に沿わないなら一切の容赦無く始末しようとしており、その次元の違う冷酷さを改めて視聴者に見せつけた。


  • ダサン(Dathan)
  • ミラミア(Miramir)

両親。名前はスピンオフ『Shadow of the sith』にて判明。
12BBY頃(時系列的にはなんと『ハン・ソロ』よりも前)に、シディアスが乗り憑るために生み出した彼自身のクローン(息子)のうちの一体として生まれた。K-2SOと同い年
クローントルーパーがそれぞれ異なるフォースを宿していたように、ダサンはシディアス程のフォース官能能力を備えていない凡人であり、器として認められなかった模様。
悲劇的な最期を迎えたが娘への愛は確かなものであり、だからこそレイは暗黒面を乗り越えることができたと言える。


師匠の父の師匠。
「関係あるの?」と思われるかもしれないし、実際レイが見るヴィジョンの中にたびたび声として出てくる程度であまり関係は無いのだが、実はEP7製作の段階ではレイをオビ=ワンの子孫とする案が最有力の案の一つであったという。
そちらが採用されていた場合どんな物語になっていたのか、それはそれで気になるところである。



余談

  • 「レイ」

帝国残党の大物の一人にしてファースト・オーダー初期の幹部でもあるレイ・スローネ大提督とは和訳だとファーストネームが思いっきりかぶっているが、あちらは"Rae"表記であるので厳密には違う名前である。
同じような例としてカイロ・レンのレンは"Ren"表記で『反乱者たち』に登場するマンダロリアンのレン氏族は"Wren"表記である。余談が共通しているのもフォース・ダイアドの絆かもしれない


  • 後付け設定…?

レイがシディアスの孫であるという設定は当初案の一つに過ぎず、EP9制作の段階でようやく確定したものであるが、EP7でライトセーバーを振るうレイの剣技は刺突を多用するEP3のシディアスと似たものになっており、偶然か否か伏線とも取れるようになっている。
意図的なものとするならば「シディアスの孫案が正式採用されれば伏線として機能するが、没となったなら単なる偶然の一致ということにもできるように制作した」といったところだろうか。
伏線にするかは決まっていないが後から拾おうと思えば拾えるように細かい描写を盛り込んでおくという手法自体は創作物でたびたび用いられるものではある。
また、スノークがレイを尋問するシーンでもEP6のシディアスのテーマのアレンジが使われている。


追記・修正は岩を浮かせてからお願いします。


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  • レンくんとフォースで宇宙船引っ張り合ってるシーンすき -- 名無しさん (2021-10-06 17:10:08)
  • ↑ そして飛び出る、誤フォース・ライトニング -- 名無しさん (2021-10-06 20:14:53)
  • レイの父ちゃんの名前がトライクロップスで、母ちゃんの名前がケンダリナだったら、腹筋崩壊する自信があります。 -- 名無しさん (2021-10-06 20:50:17)
  • 続三部作リレー小説形式製作の最大の被害者だと思う。8→9で変に方向転換していなければ「何者でもない」主人公がアイデンティティを得ていく様子が見られたのに…つくづくトレボロウ版が観たかった。 -- 名無しさん (2021-10-06 20:57:08)
  • 色々理屈があるのは分かるんだけど、初めて手に取ったライトセーバーで(負傷ありとはいえ)レン倒したり、力取り戻した皇帝のライトニングを跳ね返して倒したり、ちょっとやってることがトンデモ過ぎて着いてけない時があるな。フィンとドタバタしてた辺りとかは面白かったけど -- 名無しさん (2021-10-06 21:23:47)
  • 嫌いではないんだけど、絶対もっと上手く調理できたキャラなのが勿体なくてモヤモヤする -- 名無しさん (2021-10-06 22:24:04)
  • こうしてまとめられると、なんだかんだ言っても決定的な矛盾を齟齬を起こさずに後付けを重ねるのは上手いと思うの。 -- 名無しさん (2021-10-06 22:58:47)
  • ↑2まぁ調理している最中にはわからんもんだ。 -- 名無しさん (2021-10-06 23:20:38)
  • EP9ラストで持ってたライトセーバーの回して起動するスイッチいいよね -- 名無しさん (2021-10-07 00:30:47)
  • EP8は色々言われたけど「レイを既存キャラの子孫というオチにしなかった事」はEP8批判者からも受けが良かった気がする。由緒正しい血筋のレン君と綺麗な対比になってるしね -- 名無しさん (2021-10-07 03:46:35)
  • 主演の女優の子は20才そこそこで物凄い大役を物にしたんだが、これでブレイクしたかといわれると何とも言えない…カイロレンのアダムドライバーは順調にキャリアアップしてるけど -- 名無しさん (2021-10-07 04:40:57)
  • アダムドライバーは演技力重視で選ばれたって話だし……。だからマスク外した時に、両親と欠片も似てねぇ!って思ったよ。 -- 名無しさん (2021-10-07 07:02:43)
  • ↑どっちかっていうとヘイデン(=アナキン)に似てるんだぜ -- 名無しさん (2021-10-07 07:49:53)
  • >なんだかんだ言っても決定的な矛盾を齟齬を起こさずに後付けを重ねるのは上手いと思うの。  「矛盾しないように後付けを重ねるのが上手い」というより「後続作品でどう後付けされてもいいようにあんまり掘り下げなかった」というのが正しい。話をつなげることばっかり考えてそれぞれのエピソードの盛り上がりをほとんど考慮してないとこうなる。 -- 名無しさん (2021-10-07 09:18:08)
  • カイロレンと揃うことで初めて主役になれるキャラクターだとは思う -- 名無しさん (2021-10-07 10:51:57)
  • フォースボンドでレンと必要な時以外で繋がったらなんかイチャイチャしてそう -- 名無しさん (2021-10-07 10:54:30)
  • 悪意を持って見ると「救世主スカイウォーカーの名をパルパティーンの血族が乗っ取った」なんて見方もできてしまうのが…やっぱりぱるぱるの孫設定はどうにもなぁと言う故人の感想 -- 名無しさん (2021-10-07 13:43:46)
  • ↑感想言ってる途中で死んでますやんか -- 名無しさん (2021-10-07 13:52:25)
  • 黒幕の血族が黒幕との因縁に決着をつける的な展開は結構熱いと思うんだが…まあこれも故人もとい個人の感想かな -- 名無しさん (2021-10-07 15:51:48)
  • ↑9 ぶっちゃけヘイデンとマークもそんなに似てないし… -- 名無しさん (2021-10-07 16:18:04)
  • 右手欠損はあるべきだったのだろうか? -- 名無しさん (2021-10-07 19:56:56)
  • ↑2 そりゃ最初からその路線なら良かったんだけどね。実際はJJとキャスリーンが丸投げで(7の時点では全く考えてなかった)次にバトン渡されたライアンも思わぬ方向に投げて(しかも「設定変えてもいい」と言い出す始末)、その方向性のまま固めておけば良かったのに「不評だからやっぱり血縁設定しまーす」って主張も一貫性もない行き当たりばったりな作風にしたら燃えるものも燃えないって… -- 名無しさん (2021-10-07 20:03:44)
  • 「『何者でもない』人が銀河に希望をもたらす物語」になるかと思いきや結局元から特別な人だったもんだから、今までのシリーズのデッドコピーみたいになっちゃったんだよな。 -- 名無しさん (2021-10-08 01:40:29)
  • ↑まぁ出自はどうあれ本人の自覚としてはただの屑漁りだったわけで -- 名無しさん (2021-10-08 08:01:02)
  • 設定変わりまくった挙句に中途半端で魅力に乏しい主人公に... -- 名無しさん (2021-10-08 08:22:49)
  • ↑2自覚の有無は重要じゃなくて、対象をスカイウォーカーからパルパティーンに変えただけで何のひねりもなく「主人公は実は超すごいネームドキャラの家系だった!」ってのを繰り返してるのがデッドコピーってことよ。しかも三部作の1作目から因縁を強調してきたダースベイダーと違ってこっちは三部作の完結編で唐突に祖父が沸いて出てくるという -- 名無しさん (2021-10-08 08:56:25)
  • 違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2021-10-08 10:05:43)
  • 三部作主人公務めたけど結局どんなキャラなのかイマイチわからんかった -- 名無しさん (2021-10-08 18:41:13)
  • それよりレイは役者がゴツ過ぎ。マッケンジー・フォイや全盛期のリーリー・ソビエスキーみたいな男装が似合う宝塚美少女みたいなのじゃ駄目だったのかな? -- 名無しさん (2021-10-08 20:16:32)
  • 序盤に見知らぬ女の子に名前聞かれて「レイよ。ただのレイ」っていってんだからラストのおばさんに同じこと聞かれた時もそれでいくか血筋受け入れてパルパティーンなのかでいいのに、スカイウォーカー名乗らせて「さあタイトル回収しましたよ」みたいにされてもね。なんかモヤッとするというか -- 名無しさん (2021-10-08 20:40:50)
  • 主人公としてはイマイチ扱いに困ってる感が強い今後も登場するとなるとどうやって扱えば良いのやら -- 名無しさん (2021-10-08 22:26:48)
  • ルークとアナキンは登場したエピソードでは腕の良いパイロットではあるが、剣術とフォースは未熟だからエピ重ねて負けたり成長したりしていって愛着がわいたんだが、レイは最初からスペック高すぎてあんまり愛着がわかなかったな。 -- 名無しさん (2021-10-08 23:30:05)
  • ↑3それすげえ良いわー、スカイウォーカー名乗るぐらいならレイ・パルパティーンのがよくねって思ってたけど、ただのレイのがしっくりくる -- 名無しさん (2021-10-09 12:20:22)
  • 本当に特殊な出生で強大な力を持つアナキンですら出来なかった「愛する者を死から救う」ことができたのはどこかモヤモヤする。そんな簡単にできて良いの?って思う -- 名無しさん (2021-10-09 20:09:14)
  • 正直このページ読んでる方が本編見るより楽しいかもしれん、ってか楽しいわ -- 名無しさん (2022-02-20 21:22:42)
  • ↑シークエルはちょっとアレだけどこの項目見るとちょっと見方が変わったな(まだ許してはいない) -- 名無しさん (2023-04-20 02:21:00)
  • ↑2本当それ。 -- 名無しさん (2023-04-20 07:47:04)
  • ↑8正直EP9のストーリー的なテーマであろうところの「出自に関わらず生き方は自分で決めていい」って部分をちゃんと描写するならあそこは生来のパルパティーン姓を名乗っておく方がよかったよな。 -- 名無しさん (2023-04-20 08:05:06)

#comment(striction)

*1 他にもルークがハンの死を偲ぶシーンなど「何故カットした」とファンからツッコまれる没シーンがEP8には結構ある。逆にカントニカのシーンは尺を使い過ぎという指摘もあったり……。なんとも惜しい話である。
*2 ただ、フォース・ヴィジョンは観測者の願望を反映して断片的な情報だけを見せてしまう性質があるため、鏡の洞窟における抽象的な描写は具体的に知ることを心の奥底で恐れているレイの心境が反映された結果とも解釈できる。
*3 事実、スノークの死後もフォース・ボンドが発生し続けるどころかほぼ意図的に起こせるまでに絆は強まり続け、にもかかわらずスノークの背後にいたシディアスはEP9終盤まで二人がフォース・ダイアドであることに気づいていなかった。
*4 なお、EP9で明かされたシディアスの孫設定と思いっきり矛盾していると指摘されることもあるが、「レイの父は平凡を望んだ」という意味ではこれも見方によって形を変える真実の一側面ではある。フォース・ヴィジョンが断片的過ぎて観測者が解釈を誤るのもシリーズ恒例のことであり、その例に漏れずEP8のレンも解釈を誤ったというわけである。例によって後付けであり、レンの読み違いを仄めかす描写がEP8にはほぼ無いのも事実ではあるが……
*5 想定される使用者が二名……すなわちシスの師弟であることからウェイファインダーは二つ作られており、うちヴェイダーの所有していたものはEP9冒頭にてレンがムスタファーで発見している。劇中でレイ達が探すのはシディアスの分のウェイファインダーである。
*6 なお、この際の台詞回しは売り言葉に買い言葉で半ば煽り合いのようになってはいるが、内容的には「お互いの存在を欲しているが行くべき道を違えている」というEP8終盤のすれ違いそのままである。
*7 このXウィングは続三部作で活躍するT-70仕様ではなく旧三部作で活躍したT-65仕様となっている。コールサインから分かる通りルーク自身が乗ってきたのだろうから当たり前だが。
*8 彼らの正体は当初ベンと共にルークの新ジェダイ・オーダーから離反したダークジェダイ達の成れの果てと予想されていたが、実際はそれ以前からシス・エターナルに属している戦闘集団であり、カイロ・レンより前の代のリーダーも存在している。ゆえに、真に忠誠を誓っている相手は始めからカイロ・レンではなくシディアスであった。

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