五十嵐一輝

ページ名:五十嵐一輝

登録日:2021/09/12 Sun 18:21:52
更新日:2024/06/03 Mon 13:54:15NEW!
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俺は、日本一のお節介だからよ!




五十嵐いがらし一輝いっきとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』の主人公である。
彼が変身する仮面ライダーリバイについては個別項目を参照。


演:前田拳太郎





【概要】

銭湯「しあわせ湯」を営む五十嵐家の長男。
元々はアマチュアのサッカー選手であり、いくつものトロフィーを獲得する程の腕前だったが、現在はサッカーから離れて家業を優先している。
だが体はまだ覚えているようで、生身でも鮮やかな足技を見せる他、仕事前にはあの「キング」への挨拶を欠かさない。


政府特務機関フェニックスに所属する弟・五十嵐大二の分隊長任命式の際に家族(+銭湯の常連)総出で応援に来たのだが、そこに悪魔崇拝組織デッドマンズが襲撃を掛け、会場は大混乱に陥ってしまう。
家族を守るため、自身の身に宿る悪魔バイスと契約を交わし、偶然手にしたリバイスドライバーを用いて仮面ライダーリバイに変身する。



【人物像】

一人称は「俺」
正義感が強く、無欲かつ世話好きな性格だが、若干仕切り屋。


家族への愛は深く、よく「兄ちゃんに任せとけ!」と啖呵を切る程で、更には家族に良い事があると自分の事のように喜ぶ姿も見せる。
実家の手伝いで礼節を重んじている面もあり、前作『仮面ライダーセイバー』増刊号に先行登場した際には先輩ライダーである神山飛羽真富加宮賢人に対して敬語を使っていた。
一方で気遣いは苦手なのか、言動は往々にして非常にストレートで、自身の身に宿るバイスの破天荒かつ無責任な行動には手を焼いており、時には激しい口調で咎める事も。


フェニックスの仮面ライダーとして正式に活動を開始してからは、銭湯の常連である伊良部正造(ぶーさん)からの情報提供を受けて行動している。


他にも第29話にて実は機械音痴だった事が明かされ、記憶喪失状態(を装っていた)門田ヒロミの為に思い出ムービーを作っていた最中に、編集データをうっかり消してしまうアクシデントを起こしてしまった事も*1



【謎】

何故かバイスの姿が見える前から彼の声が聞こえており、これは他の悪魔を宿す人間には見られない事である。
そのため、傍から見ると彼が独り言を言っているようにしか見えず、『セイバー』増刊号では新堂倫太郎から「あなたは普通のホモ・サピエンスではないのですか?」と言われていた。


彼自身に何か秘密があるのか現時点では不明だが、彼から生まれた悪魔のバイスは

  • 母・幸美を食べようと執拗に狙う
  • 父・元太や弟・大二に対して辛辣な態度や意見をする
  • 傍若無人の自由気ままの行動

が見られ、更に彼自身も

  • 夢を諦めた事を言及されると表情を曇らせる
  • 父親に対する失言を謝罪しようとしない*2

といった描写がある事から、一部視聴者からは「『本当は家業なんて継ぎたくなかった』『家族がいなければ自分の夢を諦めずに済んだのに』『家族のしがらみを捨てて自由になりたい』という深層心理がバイスを生み出し、バイスの行動に表れているのでは?」とも推測されている。


これらとは別の謎として、なにかしらの問題が進展する度に一輝の姿が家族の写真から消えていくという現象が起きている。
今のところこの事実に気づいているのはバイスのみだが、そのバイスは「なるほどねぇ……」と納得した様子を見せており、一輝という存在の根幹に何らかの重大な秘密が存在する事が示唆されている。



内面に関する考察

そもそも歴代主人公の中でも人間関係が序盤から不穏。


第4話での描写を見るに、家族という概念に対して「愛情に満ちた幸福な共同体」という認識を持っているらしく、絶妙にその理想像と噛み合わず、すれ違い気味の身内に対して無意識の苛立ちのようなものがある模様*3
更に言うならば大二とのやり取りを見る限りでは、一輝自身は他人の心境や感情が理解出来ず、それらを推し量る能力にも欠けている節がある*4
実際、この件は第14話にてサーベルタイガー・デッドマンとなった工藤康に指摘されており、
同時に「お前、本当は人の気持ちが分からないんだろ?」「勝手に人助けをして自分の欲求を満たしてるだけだ!周りにいる敗者の心が見えていないんだよ……!教えてやるよ。お前は日本一のエゴイストだ!」と指摘されている。


また、サッカー選手の夢を諦めた理由については前述の通り「家業を守るため」とされているが、この辺りの事情はまだ詳しく語られていない。
母・幸美の方は第2話で一輝に対して「銭湯は家族で守れるけど、世界はあんたしか守れないのよ」と述べている事から、少なくともサッカーの道を断念したのは一輝自身の意志だと思われる*5


しかしその場合、しあわせ湯を預かるべき元太と幸美の夫婦仲は良いものの、子供達からの信頼が皆無かつ無軌道で奔放な元太と、そんな彼を全肯定する幸美という問題ありすぎの現状が立ちはだかる。
加えて幸美も相談役として信頼されているが、受け答えする内容はその場の状況に合わせた無難なものに終始しており、一輝や大二の悩みをどこか他人事のように捉えている節もあって信用はあれど頼りにはならないのが実情。


これが五十嵐家で常態化していた事は容易に想像出来るが、そうなると一輝の中で「あの両親に銭湯を任せるのはまずい」という無意識のプレッシャーがかかっていた可能性も考えられる。
そうだとすれば、上記の幸美の言葉に対する微妙な反応の裏では「あんたらじゃ銭湯を守れないから俺は夢を諦めたんだ」と叫んでいた可能性も否定出来ない*6
総じて、好青年ではあるものの、その心に大きな闇を抱えている事が随所で示唆されている。


……というよりも、五十嵐家自体が表面上は穏やかな家族でありながら、水面下ではそれぞれのすれ違い・行き違い・無理解により非常にギスギスしているのが実情。
実際、劇中のやり取りをよーく見ると、相談役の幸美は信頼こそ強いものの自分から動く事はせず、妹・さくらも未成年という事もあって、実質的に家庭内の問題解決が一輝に丸投げされている上、一輝含めて誰もその事を疑問に思っていないという危うい部分が見られる。
おまけにサッカー選手の夢を断念したことについては大二以外誰一人気にした様子がない上、
上記したように一輝自身は他人の心を推し量る能力が乏しく(仮説が正しいのなら現状の一輝は「理想像を家族に押し付けている」という事にもなる)、傍から見るとかなり危険なバランスで現状が成り立っている。


幸美曰く一輝は「自分を大事にしないところがパパさんそっくり」らしく、家族の事に拘るのは自らを突き動かす動機が自分の中にない」という空虚さの裏返しとも取れるが……。



真相

後に彼らの歪なメンタリティの理由と思しき情報が明かされた。
彼は幼少時に交わしたバイスとの契約により、家族を守るためにリバイスの力を行使する度、家族に関連する一輝の思い出が少しずつ消滅していたのである。誰が上手いこと言ったか『逆』桜井侑斗
要所要所で家族写真から彼の姿が消えていく描写もそのため。
一方で、本人以外であれば家族含めて記憶は消えない。
この情報は契約の一端で自分で気づくまで秘匿されており、更に契約は解除不能*7
あるいは彼のお節介な性格も、その契約内容を無意識に覚えていて、積極的に家族に関わる事で思い出を継ぎ足していたのかもしれない。
そしてアルティメットリバイスの力を手にした事を機にこの現象は更に加速、第47話になると両親の顔を見ても誰か分からなくなってしまった。
なお、家族との関係が薄い事柄については影響があまり無い*8ようで、ヒロミやジョージ・狩崎など戦いの中で知り合った人々や、リバイスシステムのことはっきりと覚えている。


なお、この真相をメタ的に見ると視聴者からは画面に描写されない限り彼にどんな過去があったかを詳細に知る術がないため、まだ描写されてないのか描写される前に抹消されたかの区別がつかない。
上記の家族の歪さも、バイスと契約が交わされる以前はもっと普通に家族をしていた可能性も十分ある。父親のアレっぷりはデフォですが。
要は視聴者はストーリーが進むごとに彼らへの理解が進んでいるように思わせておいて、実際は本当の彼らの姿から遠ざかっていたのである。



【仮面ライダーリバイ】



沸いてきたぜ!



スーツアクター:縄田雄哉


一輝がリバイスドライバーにバイスタンプを押印して変身する仮面ライダーで、バイスがそれと連動して変身する仮面ライダーバイスとのコンビである仮面ライダーリバイスの片割れ。
不可分の存在であるため、基本的にはまとめて「リバイス」と呼称される事が多い。
詳細は個別項目を参照。



【余談】

  • 名前の由来は「仮面ライダーシリーズ生誕50周年」からだと思われる。

  • 「一気に行くぜ!」というフレーズが時たま使われるが、自身の名前とかけたものだと思われる。

  • 仮面ライダー主人公としては珍しく、両親がどちらも健在で実際に登場している。

  • 第1話においてヒロミが変身に失敗し、それを見た大二が恐怖心から変身出来なくなるという描写は、本作のキャストオーディションで大勢の人が落選していったのを見たメインライターの木下半太氏が「仮面ライダーになりたくてもなれない人は大勢いる」という事を痛感した事で本編に落とし込もうとして取り入れられたもの。
    ???「選ばれなかった……選ばれなかった奴はごちゃまんといる!」

  • OPでは爆発炎上する研究所を背景に、一輝に似た黒いスーツの男がせせら笑う場面が映し出されており、なんらかの伏線と勘ぐる視聴者も多かったが、最終的には「単なるイメージ」という事になっている。
    オーディオコメンタリーなどで明かされた情報を統合すると、これは本編におけるベイルの凶行(しあわせ湯への放火)が初期構想では一輝の仕業とされていた名残らしい。また「スーツ」とされていたのは実際にはブレザーとの事で、該当シーンが一輝の学生時代(=過去の出来事)である事を示唆する意図があったものと思われる。ラーメン屋への面接時の姿の伏線なんて事はない……と思う。

おいバイス!俺の項目勝手に追記・修正しただろ!


してない!してない!


とぼけるな!


ちょっとこの人何言っちゃってるんですかぁwww


もういい!お前には頼らない、俺が追記・修正する!



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*1 幸い、データの復旧は出来た様子。
*2 実際にはバイスに対して言った言葉だが、変身していない状態だとバイスの姿と言葉は一輝以外には認識出来ないため、元太に対して言った言葉だと捉えられてしまった。
*3 逆に言うならば『家族は幸せでなくてはならない』という強迫観念を持っているとも言え、それが一輝が自分自身に『夢を諦めようと家族がいるだけで自分は幸せである』と言い聞かせ本音を押さえつけているとも取れる。
*4 大二が苛立っている理由について「何故苛立っているのか」を考えるのではなく、「訳わかんねぇ……」と切り捨てて思考停止している。
*5 なお、この発言に対する一輝のリアクションは「複雑な感情を宿した苦笑い」である。
*6 少なくとも元太に任せると銭湯がなくなりかねないのは第3話で既に実証されている。また大二はフェニックスに就職、さくらは未成年であるため、両親が頼りにならないのならば必然的に一輝が銭湯を担うしか選択肢がなくなる。
*7 第31話ではバイスも非常に申し訳なさそうに「契約は変えられない」と語っている。
*8 家族との関連が薄い「サッカーを辞めた理由」を忘れたのはプレッシャーに押し潰される一輝を見かねたバイスの計らいで、契約そのものが原因ではない。

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