登録日:2019/09/17 (火) 02:28:03
更新日:2024/05/09 Thu 13:44:04NEW!
所要時間:約 30 分で読めます
▽タグ一覧
水野良 ロードス島戦記 前日譚 外伝 trpg ファンタジー ソード・ワールド グループsne 所要時間30分以上の項目 ハイファンタジー ライトノベル 剣と魔法の世界 フォーセリア 魔神 山田章博 スピンオフ 六英雄 ロードス島伝説 魔神戦争 ファリスの聖女 百の勇者
“神々の叡智を超えた戦い!!”
ロードス島伝説とは水野良氏の小説『ロードス島戦記』の外伝作品。
目次
【概要】
架空の異世界『フォーセリア』を舞台としたファンタジー小説。
前作『ロードス島戦記』の約三十年前に勃発した魔神戦争を描いており、『ロードス島戦記』の中で語られたエピソードや裏設定が多数盛り込まれている。
当初は結末が決まっている物語として始まったのだが、作者が割と安易な気持ちで登場させたナシェルの存在によって、当初とはまったく違った話になったと、後書きで述べられている。
小説は第4巻で一度完結を迎えるが、作者本人の希望と読者の要望が多数寄せられたこと。
また『ザ・スニーカー』誌で連載されていた山田章博の漫画『ファリスの聖女』が完結したことなども記念して続編の執筆が決定。
フラウスを主役とした完結編が書かれ、本編5巻、外伝1の全6巻が出版されている。
小説以外にもRPGリプレイや、コミックなどが出版されている。
また『ソード・ワールド』・『クリスタニア』・『魔法戦士リウイ』は同じ『フォーセリア』を背景世界としており、この作品の姉妹作と言える。
魔神戦争
本編の三十年前に起きた異界の魔物である魔神達との戦い。
モス公国の太守の一人が「最も深き迷宮」に封印されていた魔神の軍団を解き放ったことで勃発した。
最終的に「百の勇者」によって魔神の軍団は滅ぼされ、魔神王を倒して「最も深き迷宮」より生還した六人の勇者達は、ロードスの人々から「六英雄」と称えられた。
【登場人物】
- ナシェル
この物語の実質的な主人公。モス公国に含まれる小国、スカード王国の皇太子でブルーク王の息子。
非凡な才能を持ち、その善良な人柄から領民からは「太陽の王子」と呼ばれ愛されていた。
剣はベルドから、学問はウォートから学び、その器はウォートからロードス統一王と成る事を期待されていた程。
魔神の軍団の出現によって国を失い「亡国の王子」となり、ハイランドに外戚として迎えられてからは竜の心を掴み竜騎士となった事で「天空の騎士」と呼ばれ、魔神と戦う為に立ち上がった百の勇者をまとめ上げ「栄光の勇者」と謳われた。
そして、誰にも知られざる英雄として、竜と共に伝説の彼方へと消え去った。
後に愛する娘の元に帰還し「永遠の帰還者」となった。
- ブルーク
スカード王国の国王。
優れた剣椀の持ち主であり、かつてハイランド王国主催の剣術大会で他国の代表でありながら決勝まで勝ち残ったほど。
大会の決勝でマイセン王に敗れたものの、その大会の宴でマイセンの妹である王妃エリザと出会い結婚した。
正妃であるエリザ王妃との間にナシェル王子を、妾妃ナターシャとの間にリィーナ姫を儲けた。
北のドワーフ族が葡萄酒から精製する火酒を愛飲していたが、そのせいで喉に腫瘍を患い余命五年と宣告されていた。
小国の国王ながら名君と称えられていたが、「最も深き迷宮」に封印されていた魔神の軍団を解き放ち魔神戦争を引き起こした。
実は魔神王の支配に失敗した事で殺害されており、本編開始時点で既に鏡像魔神と入れ替わられていた。
- エリザ
スカード王国の国王であるブルーク王の正妃。魔神戦争の時点では既に故人。
ハイランド王国の国王であるマイセン王の妹で、元はハイランドの王女だったが、ブルーク王と出会い結婚した。
結婚後ブルーク王との間にナシェル王子を儲ける。
- ナターシャ
スカード王国の国王であるブルーク王の妾妃。魔神戦争の時点では既に故人。
元は旅の踊り子だったが、ブルーク王に見初められ妾妃となる。
結婚後ブルーク王との間にリィーナ姫を儲ける。
自由奔放な性格の女性で正妃であるエリザが存命のうちは大人しくしていたが、エリザの死後は高価な服や宝石を買い漁り、エリザ就きの侍女をイジメて自殺に追い込む。
遂には使用人の一人と関係を持ったことで、ブルーク王の命令でタトゥスに病死と見せかけて毒殺された。
死の間際に「お恨みいたします。スカード王国と王家に、呪いが降りかからんことを……」と呪いの言葉を残した。
- リィーナ
スカード王国の王女。
ナシェルの腹違いの妹で、ナシェルに対しては側室の子という出生へのコンプレックスを持ちつつも、兄妹の域を超えて強く慕っている。
兄であるナシェルが「太陽の王子」と呼ばれているのに対し、その愛らしい容姿から「月の姫」と呼ばれている。
魔神戦争では魔神王を降臨させるための生贄とされた。
実は母ナターシャが不貞の果てに生んだ子で、ナシェルはおろかブルークとすら血が繋がっていない。
ブルークがそれを知らずに魔神復活の生贄にした事で、解放した魔神の支配に失敗し魔神が跳梁跋扈することとなった。
- ヒューロ
スカード王国の宰相。
善良だが凡庸な人物でナシェルの事を実の孫のように可愛がっていた。
スカード王国の滅亡後は一時ヴェノン王国に仕えていたが、ブルークの帰還によってモス連合騎士団が敗退した後は、爵位と領地を没収されたため、スカード王国に帰参した。
魔神の軍団によってリュッセンが滅ぼされた後は、リュッセンの城主として城を守っていた。
ナシェルの説得に応じ投降しようとするも、監視役だった魔神将に殺害された。
- サイラス
スカード王国の騎士団長。
剣の腕は確かだが、剣技を鍛えるよりも女性を口説く事に熱心な人物。
スカード王国の滅亡後は恋人と共にアラニア王国へと移住し、魔神との闘いにも参加しなかった。
- タトゥス
スカード王国の薬師。
薬草学の知識はウォートですら一目置く程で、彼の作った薬は魔法にも似た力を発揮する。
スカード王国が滅んだ後もナシェルと行動を共にしており、ナシェルの失踪後はナシェルの婚約者であるラフィニア姫と共にナシェルの帰還を待っている。
- ワーレン一世
魔神戦争時のヴァリス王国の国王。法律的には一応フラウスの義父。
三十年の長きにわたり善政を敷いてきたが、後述の理由から「狂王ワーレン」という蔑称で呼ばれている。
老いてから授かった息子であるアレス王子を目に入れても痛くないと言うほど溺愛していたが、王子と共に狩りに出かけた際にミノタウロスに襲われアレス王子が食い殺されてしまう。
無残に食い殺された愛息の死体を見たワーレン王は発狂し、王子を食い殺したミノタウロスをアレス王子だと信じ込んでしまった。
一時はファリス教団からワーレン王を退位させよという意見も出た程だったが、それまでの国王の善政を知る騎士達はこれに反対した。
長い話し合いの末、ミノタウロスはロイドの南にある三角州の離宮で飼育されることになり、ワーレン王は引き続きヴァリス王国の国王であり続けた。*1
しかし、ファーンとフラウスによって離宮のミノタウロスが討たれた事で、息子の死を誤魔化すことができなくなったワーレン王は、王子死亡の報告を受けると玉座から崩れ落ち、それから程なくして崩御した。
魔神戦争初期に要である国王を失ったことでヴァリス王国は暴走し、結果的に魔神に対して有効な手立てを講じる事が出来なかった。
- ゲイルザック
ヴァリス王国の宰相で、ヴァリス王国の第二の都市アダンの領主。
優秀な文官ではあるが、決断力に欠ける人物。
ワーレン王が崩御した後は、空位となった王の代わりに国王代理としてヴァリス王国を束ねていたが、騎士団の暴走を許した。
- ドルロス
ヴァリス王国の近衛騎士隊長。
次期国王候補で、ワーレン王の死後にファーンの対抗馬として反ジェナート派に担ぎ出された。
魔神戦争では騎士団の一部を率いて独断でヴェノン王国に攻め込み、モス連合騎士団に大敗を喫し戦死した。
- ジェナート
至高神ファリスの神官でファリス教団の高司祭。
形式主義に陥って腐敗したファリス教団の改革を進めており、後ろ盾とするためファーンをヴァリス王国の国王に即位させようと画策している。
魔神戦争後にヴァリス王国の国王に即位したファーンの後援でファリス教団の最高司祭に就任した。
英雄戦争の時代にも存命であり、ファーンの死後は、英雄戦争で国王候補だった上級騎士が全滅した事もあって、エトをヴァリス王国の国王に即位させた。
- メイファー
至高神ファリスの神官でファリス教団の最高司祭。
ワーレン王の支持で最高司祭に就任した人物で、当初はジェナートの改革を支持していたが、妥協を許さぬジェナートの姿勢に危機感を抱く。
ジェナートの改革を妨害するためにワーレン王の死後、ファーンの対抗馬としてドルロスを担ぎ出した。
- マイス
ヴァリス王国の宮廷魔術師。
「賢者の学院」出身の魔術師で、至高神ファリスの敬虔な信者。
- フェンディック
至高神ファリスの神官でヴァリス王国の宮廷司祭。
- ロジェール
ヴァリス王国の騎士隊長。
城門警備の任に就いていたが魔神に殺害され鏡像魔神に入れ替わられてしまう。
ロジェールの記憶を奪い取ったことでロジェールの影響を受けヴァリス王国の国宝である「三聖具*2」を盗み出した。
沈黙の大湿原の古城にファーンを誘き出し、ファーンに「このままロジェールとして魔神と戦ってもよい」と共闘を持ちかけるも、ファーンが魔神との共闘を拒絶した事で戦いとなる。
生前のロジェールが内心でファーンに憧れていたため、ファーンを喰らうことでファーンの記憶と能力を奪い取り、ファーンに成り替わろうとした。
- アレン
ヴァリス王国の聖騎士でフラウスの故郷であるアダン郊外の村の領主。
先代の領主であった父親が馬上試合で落馬し重傷を負ったため若くして後を継いだ。
敬虔なファリスの信者で、聖騎士の鏡ともいうべき人格者だが、それ故にワーレン王やその愚行を許している側近たちを嫌っている。
怪物を見たというフラウスの言葉を信じ、共に食人鬼を討伐した後は、フラウスに聖女としての資質を見出し、ファリス教団へと送った。
- アレス
ヴァリス王国の王子。
ワーレン王の子息で、形式的にではあるがフラウスの夫。
老いてから授かった子である事からワーレン王からは目に入れても痛くないと言うほど溺愛されていた。
ヴァリスの王位は世襲制ではないため王子ではあるが王位継承権はなく、ワーレン王はアレスを聖騎士に育てようとしていた。
しかし、魔神戦争の十年ほど前に狩りの最中にミノタウロスに襲われ食い殺されてしまう。
- オドネル
ヴァリス王国の元近衛騎士隊長。
ワーレン王の子息であるアレス王子の護衛兼教育係を勤めていたが、野生のミノタウロスに遭遇した際に不意を討たれ気絶したせいで王子を守ることができず、王子をミノタウロスに食い殺されてしまう。
その後は王子を守れなかった償いの為に離宮詰めの騎士を務めていた。
ファーンとフラウスがミノタウロス討伐の為に離宮に訪れた際は、王命に従いミノタウロスを守るべくファーンとフラウスの前に立ちふさがった。
- マイセン
モス公国を構成する国の一つ、ハイランド王国の国王。
「竜騎士達の王国」と呼ばれるハイランド王国の国王らしく自らも竜騎士であり、戦士としても竜騎士としても歴代でも屈指の実力者。
魔神戦争ではモス公国の公王に選ばれ、ウォートとニースと共に金麟の竜王を魔法王国の呪いから解放し、金麟の竜王に自らの名を与えた。
不治の病である竜熱に侵されており、魔神戦争の終結後ほどなくして崩御した。
- ウィラン
ハイランド王国の王妃。
元はハイランド王国の隣国であるレントン王家の出身。
レントン王国の先代国王の妹で、先代の国王がマイセンの人柄と才覚を見込んで「レントンの宝石」と謳われた妹姫を嫁がせた。
政略結婚ではあるもののマイセンとの夫婦関係は良好で、マイセンとの間に三男二女を儲けている。
- ジェスター
マイセンの長男でハイランド王国の皇太子。
父親のマイセンと同じく竜騎士であり、魔神戦争ではモス連合騎士団の将軍を務めた。
魔神戦争後は、ハイランド王国の国王に即位し、正妃との間にレドリックを儲ける。
英雄戦争の時代にも存命で、英雄戦争では竜騎士達を率いて反マーモ連合に参加した。
- ラフィニア
ハイランド王国の第一王女。
ハーケーンの皇太子の息子との縁談が持ち上がっていたが、ラフィニア自身はナシェルに想いを寄せており、縁談が進む前にナシェルに想いを告げる。
マイセンの思惑もあり縁談が破棄された後、ナシェルがハイランドに滞在している間に親交を深め、互いを心から愛し合うようになる。
ナシェルが失脚し、ブルーク王との最期の対決に挑む前にナシェルの望みにより一時の逢瀬を持ち、契りを結ぶ。
ナシェルの失踪後はファーンの領地に保護され、タトゥスとナシェルの子と共にナシェルの帰還を待ち続けている。
- アーナ
ハイランド王国の第二王女。
ラフィニアの代わりにハーケーン王国の皇太子の息子と婚約した。
後に英雄戦争でハーケーン王国の王族は皆殺しにされたため、存命であればその時に一緒に殺されたと思われる。
- ハイゼル
ハイランド王国の近衛騎士。
以前はラフィニアの護衛任務に就いていた。
マイセン王からナシェルが与えられた領地の領主代行をしている。
- アドル
ナシェルに預けられているハイランド王国の見習い騎士。
家柄はさほどではないが利発な少年。
- ヤーベイ
モス公国を構成する国の一つ、ヴェノン王国の国王。
強欲だが老獪な人物で、属国だったスカード王国を圧迫し併合するなど、裏ではヴェノン王国の勢力拡大の為に、積極的に策を巡らせている。
- デュオン
ヴェノン王国の第二の都市マケストの領主。
ヴェノン王国の国王ヤーベイの弟。
温厚な人柄で、ヴェノン王国の国王にはヤーベイではなく彼こそが適任だったのだと噂されるほど。
魔神戦争ではヴェノン王家の存続の為にヤーベイの命令でモスから離反し魔神の側に寝返った。
正史では鏡像魔神に入れ替わられていたとされているが、実際は家族と共に密かにマケストを脱出しており、その後はアレクラスト大陸へと渡った。
- アロンド
ヴェノン王国の第三王子。
野心的ではあるが優秀な人物で、魔神戦争ではモス連合騎士団の将軍を務めた。
昔からスカードの領地を我が物にせんと狙っており、スカードの継承権を得ようと幼いナシェルに求婚し、ナシェルが男だと知ると妹のリィーナに求婚した。
魔神の出現後にナシェルが王国をヴェノンに譲渡した事でスカードの領主となり、スカード伯と呼ばれるようになる。
魔神戦争後はスカード領を再建し、英雄戦争の8年前に50歳で死亡した。
- バーラン
モス公国を構成する国の一つ、ハーケーン王国の第二王子。
馬術と槍術においてはハーケーンに並ぶ者はなく、モス全土でも屈指の腕前。
ハーケーンの将軍職を務めており、魔神戦争ではモス連合騎士団の将軍も務めた。
- エランダ
ハーケーン王国の第三王女。
我侭な性格で、スカードを訪れた際にナシェルにフラれた腹いせに帰国後「ナシェルに乱暴された」と嘘を吐き、そのせいでハーケーン王国とヴェノン王国は一時戦争状態に陥った。
自分の嘘が招いた事態の大きさに怯えたエランダ王女が真実を話したため、すぐ停戦が成立したが、結果的にハーケーンとヴェノンの関係は悪化し、ヴェノンがスカードに介入する切っ掛けとなった。
- へスラー
モス公国を構成する国の一つ、リュッセン王国の国王。
魔神戦争では、リュッセンが魔神に滅ぼされ隣国であるハーケーンに家族と共に避難したため「亡命王」と呼ばれる。
魔神戦争後は、リュッセン王国を再建するが、国力の減少から実質的にハーケーンの傘下に入った。
- ベルテ
リュッセン王国の女将軍。
代々リュッセンの将軍を務めている名門の家系に生まれたが、男子の兄弟がいなかったため、女性ながら将軍の地位を継承した。
魔神の軍勢がリュッセンを奇襲した際は、既に騎士団の騎士隊長の一人を婿に向かえ引退していたが、国王を逃がすため騎士団を率いて最後まで奮戦し戦死した。
- ハービー
リュッセン王国の竜尾騎士団の騎士団長。
ベルテの夫で元は竜尾騎士団の騎士隊長の一人だったが、ベルテと結婚し婿入りした事で竜尾騎士団の騎士団長に就任した。
魔神の軍勢がリュッセンを奇襲した際は、国王を国外へと逃がすと一人リュッセンに引き返し、妻と共に最後まで奮戦し戦死した。
- ボイル
アラニアの北に存在するドワーフ達の王国「鉄の王国」の王で「石の王」の異名を持つ。
魔神の軍団を率いているのが「石の王国」の同盟国だったスカードの国王ブルークだという噂を聞くと同胞の復讐の為に兵を起こす。
ニースの説得に応じて一旦は矛を収め、その後はニースとフレーベの要請でドワーフの戦士達をモスへと派兵した。
- アイシグ
ライデン評議会議長。
自由都市ライデンでも有数の大商人でライデンの実質的な指導者。
魔神戦争では彼の演説によって「百の勇者」が結成されるなど多大な影響を及ぼした。
- ゲイロード
アラニア王国の第二の都市ノービスの領主。
王族に連なる名門の貴族だが、政治には関心がなく芸術と女性関係にのみ熱心な人物。
魔神戦争では鏡像魔神に入れ替わられてしまい、ウォートとニースによって討たれた。
- ラルカス
アラニア王国の王都アランに存在する「賢者の学院」の学長。
魔術師としての腕前はウォートに匹敵し、ウォートと双璧を成すとされている。
- バグナード
ラルカスの直弟子の見習い魔術師。
後にマーモ帝国の宮廷魔術師と成り「黒の導師」と呼ばれる。
百の勇者
魔神と自発的に戦った者の総称であり、実際に百の勇者を名乗った者は数万に上る。*3
また、狭義では「最も深き迷宮」に挑み戦った500人余の事を指す場合もある。
- フラウス
至高神ファリスの神官戦士。
アダン郊外の農村の生まれで、普通の村娘だったが、至高神ファリスより「闇に包まれた英雄を光の下へと救い出せ」との神託を与えられ、ファリス教団に入信した。
形式的にではあるが十年前に亡くなったワーレン王の息子であるアレス王子の妃で、魔神戦争の直前にはファーンと共に離宮で飼われていたミノタウロスを倒した。
ライデンの魔神将を討伐する際にベルドと出会い、その強さと資質に心奪われ、やがて男女の関係となる。
神託にあった「闇に包まれた英雄」とはベルドであると信じ、ベルドこそがロードスを統べる英雄王になると考えていた。
「最も深き迷宮」での最終決戦で六英雄達と共に魔神王と戦うも、ベルドをかばって魔神王の大剣「魂砕き」に貫かれ戦死した。
死後はファリス教団から正式に聖女として列聖され伝記も編まれた。
伝説によると死後に天使となり、闇に呑まれつつあったベルドの魂を救出し、ベルドとファーンの手を取って、天に昇っていったとされている。
- フロイ/リーゼン
ハイランド王国の双子の王子。
ジェスターの弟で、フロイが兄でリーゼンが弟。
魔神戦争では武者修行と称してロードス各地で魔神達と戦い百の勇者として名声を得る。
ナシェルの失踪後は勇者隊の将軍となり、最終決戦である「最も深き迷宮」での戦いでは百の勇者として迷宮へと挑む。
六英雄のパーティー以外では唯一最深部である第十層の入口まで生き残ったパーティーとなり、後を英雄に託して帰路につくがその道中で無数の魔神に道を塞がれた。
正史では「最も深き迷宮」での戦いで戦死したとされているが、彼らのその後を歌った武勲詩も伝えられており、生存説によると「最も深き迷宮」から密かに脱出しアレクラスト大陸へと渡ったとされている。
- ユーリー
双子の王子に同行する吟遊詩人。剣技にも長け、精霊魔法の使い手でもある。
双子の王子の武勇伝を詩にして各地で謳う事で「百の勇者」の宣伝も行っている。
その正体はモスのどこかの小国の王族ではないかと双子の王子は推測していたが、明らかにはなっていない。
「最も深き迷宮」でも双子の王子と共に最期まで戦い抜き、共に消息を絶った。
- ルシーダ
モスの北西にある「鏡の森」出身のエルフの女性。
優れた精霊使いであり、魔神によって奪われた「黄金樹」を取り返す為に森を出てきた。
ライデンの傭兵団の一員として魔神将討伐に参加。同行していたベルドには思慕の念を寄せていた。
魔神将討伐後の夜にベルドと身体を重ねたが、自らの首を取り戻しに来た魔神将に殺害された。
- 槍使いの傭兵
ライデンの傭兵団に所属している傭兵。
魔神の首にかけられた懸賞金目当てに魔神将討伐に参加した。
魔神将の討伐後は傭兵団の団長に就任した。
- 曲刀使いの傭兵
ライデンの傭兵団に所属している傭兵。
砂漠の部族の出身で、浅黒い肌をしており、太刃の曲刀を武器としている。
魔神の首にかけられた懸賞金目当てに魔神将討伐に参加した。
魔神将の討伐後はライデンの市民権を与えられライデン評議会議事堂の守衛長に就任した。
- 元船乗りの戦士
魔神将に殺された仲間達の仇を討つため魔神将討伐に参加した。
魔神将の討伐後はライデン評議会が所有する軍船の船長に就任した。
- カノンの自由騎士
元はカノン王国の田舎の領主で下級騎士であったが、魔神に対して無策な王国に失望。「百の勇者」を募る頭と出会った事でカノン王国を出奔し自由騎士と成った。
剣の腕前はベルドやファーンに匹敵し、冷静な判断を下せる聡明さも持ち合わせている。
ナシェルと出会い、彼こそが主君にふさわしいと思うようになる。「最も深き迷宮」に挑んだのもナシェルへの忠義のためであった。
仲間達と共に「最も深き迷宮」に挑み、多くの魔神を倒す戦果を挙げたが第八層で戦死した。
- 頭(かしら)
元は傭兵だったがベルドの噂を聞き「百の勇者」となる事を決め、仲間を募っていた所でカノンの自由騎士と出会い彼らとパーティーを組むことになる。
実力は並の戦士よりは上ながら自由騎士にははっきり劣る程度ではあるが、世間慣れしている頭がリーダーとなった。
元は報奨金目的で「百の勇者」となったが、自由騎士が死を覚悟で「最も深き迷宮」に挑む際には彼と共に決死隊となる事を決めた。
仲間達と共に「最も深き迷宮」に挑むも第八層で戦死した。
- 金髪の若者
元は自由騎士が領主を務めていた村の村人だった。
騎士に成る事を夢見て王都カノンの剣術大会に出場し準決勝まで勝ち進んだが、期待していたように騎士に推薦してくれる者はおらず夢破れ故郷へと帰ってきた。
頭の誘いを受け「百の勇者」となるが、「最も深き迷宮」へは力不足として同行させて貰えなかった。
- 茶髪の若者
元は自由騎士が領主を務めていた村の村人だった。
金髪の若者と共に頭の誘いを受け「百の勇者」となるが、「最も深き迷宮」へは力不足として同行させて貰えなかった。
- 戦神マイリーの神官
修行の旅の途中で自由騎士と出会い、彼に勇者の資質を見出し、自由騎士が領主を務めていた村で戦の神の教えを説いていた。
仲間達と共に「最も深き迷宮」に挑むも第八層で戦死した。
- エルフの精霊使い
自由騎士が領主を務めていた村の近くの森に住むエルフの一族の長老。
百年ほど前に妖魔と争いになった際に自由騎士の先祖に救われた恩を返すため「百の勇者」となる。
仲間達と共に「最も深き迷宮」に挑むも第八層で戦死した。
- 聖者
人間に化けた鏡像魔神を見破る事ができる人物。
この能力は魔法によるものではなく聖者本人は「ロードスの意思」から与えられたと称している。
思い込みの激しい人物で、性格は典型的な俗物そのものだが、その能力から信奉者も多く、百人を優に超える勇者達を従えている。
その正体は能力の副作用で自分を人間であると思い込んでしまった鏡像魔神。彼が人間に化けた鏡像魔神を見破れるのは自身も鏡像魔神だから
- ハサラ
マーモ出身の戦士で聖者が率いる勇者達の中では最強の使い手。
聖者を「ロードスの意思から選ばれた者」と信じ、信奉している。
- 元ヴァリスの見習い騎士
元はヴァリス王国の聖騎士見習いだったが、ファーンがヴァリス王国を出奔し百の勇者に身を投じたことで自らも百の勇者に身を投じた。
ファーンを慕っていたがマケスト攻城戦で下位魔神と相打ちになり戦死した。
- 渦巻く風
風の精霊力を体内に宿した風竜の老竜種。
「緑と褐色の山脈」アルボラに住んでいたがナシェルから名前と使命を与えられナシェルの騎竜となった。
ナシェルが魔神王と対峙する際に野生に帰るよう放たれたが、致命傷を負ったナシェルを助けるために現れ、彼を連れて逃げようとするが魔神王の攻撃を受け致命傷を負う。
しかし瀕死の肉体を竜語魔法で動かし、ナシェルを連れて天空の彼方へと去っていった。
魔神王の大剣で致命傷を受けたナシェルを救うため「エッグ・シェルター*4」の魔法にナシェルを巻き込みナシェルを復活させた
六英雄
魔神王に勝利し、「最も深き迷宮」より帰還した六人の勇者達。
- ベルド
マーモの闇の森の蛮族出身の傭兵で、炎のような赤い髪から「赤髪の傭兵」と呼ばれている。
ロードス最強の剣士であり、一騎打ちで魔神将を討ち取るほどの実力の持ち主。
「男には酒と女と戦があれば十分」と言い放つ刹那的な生き方をしているが、本心では自らの力の限界を求め常に強者との闘いを渇望している。
ブルーク王に傭兵として雇われたが、実際はナシェルの教育係に近かった。
自らを一本の魔剣であると考えており、ナシェルに対して「ベルドという名の魔剣」の使い手となる可能性を見出していた。
魔神戦争後は、単身マーモへと渡りマーモ帝国を建国し「暗黒皇帝」を名乗る。
- ファーン
ヴァリス王国の騎士隊長。
「白き騎士」、「百年に一人の騎士」と呼ばれるほどの高潔な聖騎士。
ロイド郊外に広大な領地を持つ名門貴族の当主で、次期国王の呼び声も高い。
魔神戦争の直前にはフラウスと共に離宮で飼われていたミノタウロスを倒した。
ワーレン王が崩御した際は次期国王候補として推薦されるも、後継者争いの最中、ファーンの姿を映した鏡像魔神に聖武具を盗まれた事で騎士の身分を捨て単身で魔神と戦う事を決意。
沈黙の大湿原の古城にて鏡像魔神に勝利し、聖武具を奪還するも、その戦いを経て今はヴァリスの王と成るよりも魔神を倒すことの方が先決と考え、ヴァリス王国を出奔し自由騎士と成った。
その後ヴァリスとモスとの戦争時にモスにいた事で捕虜となってしまうも、ナシェルが身柄を引き受けた事で、他の六英雄たちとも行動を共にするようになる。
ベルドとは正反対な性格ながら、二人で街に出て遊び倒したり数時間にわたり模擬戦に没頭するなど非常に気が合う様子を見せていた。
そのベルドとは「もし互いに戦う事があれば状況に関わらず一騎打ちを挑みたい」と話していたが、それはおよそ三十年の後に叶ってしまうこととなる。
魔神戦争後は、魔神王討伐の功績で空位だったヴァリス王国の国王の座に就いた。
- ニース
大地母神マーファの司祭で「マーファの愛娘」と呼ばれている。
元はカノン王国の下級貴族の娘だったが、幼い頃に大地母神マーファの声を聞きマーファ教団に入信した。
弟が生まれるまでは一人っ子だったらしく、彼女の父親はニースを跡継ぎにする心算だった為、父親から馬術や剣術など貴族としての教養は一通り教わっている。
その為、社交界での立ち振る舞いも出来るものの、本人は貴族社会の贅の限りを尽くした酒宴などは苦手としている。
魔神戦争の少し前に氷竜ブラムドを魔法王国の呪いから解放した事から「竜を手懐ける者」とも呼ばれている。ちなみにこの際自分が生きているうちに呪いが説かれる日が来るとは思いもしていなかったブラムドは嬉しさのあまり「呪いが解けるとは思ってもなかった。感謝する。これからはあなたの家来にしてくれ」と口走るが、逆に大ニースに「せっかく隷従から解放されたのに自分から隷従してどうするの。お友達という形で交流しましょうよ」と諭され承諾し以降二人は親友となった。
魔神戦争では平和の神聖魔法でヴェノンとレントンの戦争を収め、マイセン王とウォートと共に金麟の竜王の呪いを解いた。
魔神王がハイランド王国の王城オーバークリフを襲撃した際は、その身に大地母神マーファを降臨させ魔神王を撤退へと追い込んだ。ちなみにロードス島を含むフォーセリアにおいて自らの体に神を降臨させて力をふるう”コール・ゴッド”は最高クラスの司祭にしか扱えない神聖魔法なうえに、相当功徳をつんだその司祭すらほぼ確実に魂と肉体が破滅するという文字通りの意味での最終手段である。*5それを行使してなお生きながらえた大ニースは文字通りの意味でフォーセリア最高レベルの司祭である。
ウォートに対してはその心の奥にある弱さに触れるうちに惹かれあうようになったが、互いの望む道の先が交わらないと理解し結ばれる事はなかった。
魔神戦争後はマーファ教団の最高司祭に就任した。
- ウォート
「荒野の賢者」と呼ばれるロードス最高の魔術師で、高度な攻撃魔法も容易に使いこなす。
ロードス中央部の都市国家ローランの生まれで、同じく魔術師だった父親から魔術の英才教育を受け、長じてからは魔術を人々の役に立てようと各国の宮廷を渡り歩いてきた。
魔術に限らずあらゆる知識に秀でているが、一般人とはかけ離れた優秀さゆえにどの国に仕えても長続きせず、本人も余人に理解される事を諦めかけていた。
「荒野の賢者」という異名も、元は様々な国に雇われては解雇されるを繰り返す事から来た蔑称だったのを気に入り、自らもそう名乗るようになったもの。
しかし、ブルーク王にスカード王国へと招聘され、教育係を務める事になったナシェルを指導するうち、ナシェルこそが自分を使いこなし、かつロードスを統べるにふさわしい人物であると強く思うようになる。
ブルーク王が所有していた蔵書の中から「魔神王の書」と記された古代書を見つけ出し、知的好奇心から解読してしまい、結果的に魔神開放に一役買ってしまう。
魔神戦争では、自らが解読した書物により魔神が解放されてしまった事への責任感もあり、同じく教育係として招聘されていたベルドと共にナシェルを担ぎあげ魔神との戦いに尽力する。
またライデンの商人に働きかけて魔神の首に報奨金を掛け、国家単位でなく個人の中から魔神討伐の勇者を立ち上がらせようと画策した。結果としてこれが「百の勇者」の礎となる。
ニースに対しては心の内を見通されながら認めてくれた相手として好意を抱いており、ニースがマーファをその身に降臨させようとした時は絶叫して止めようとし*6、降臨後には涙を流して身を案じた程であった。
魔神戦争後は「大賢者」と呼ばれるようになり、「最も深き迷宮」の上に塔を建て再び魔神が解放されぬよう見張っている。
- フレーベ
「鉄の王」の異名を持つドワーフ族最強の戦士。
魔神戦争において最初に魔神に襲撃され失われたドワーフ達の王国「石の王国」の最後の王。
魔神の軍勢により王国のドワーフはフレーベを除き全滅したが、フレーベは駆け付けたナシェル率いるスカード騎士団に助けられ一命を取り留めた。
回復した後も自分だけ生き残ってしまった諦念から死に場所を求めるように戦おうとしていたが、ナシェルに説き伏せられ生きていく事を決意。
ニースらと共に各地の魔神の討伐や調査を行い、「百の勇者」としても活躍。滅ぼされた「石の王国」に巣食う魔神将と闘い、これを討ち果たす。廃墟に残った玉座をその手で破壊し、「石の王国」に自ら幕を下ろした。
武具職人としても優秀で、彼の作り上げた装備は魔神との戦いに大きく貢献した。
魔神戦争後は廃墟となった「石の王国」で墓守りとして暮らしている。
- 名もなき魔法戦士
常に仮面をつけており、自らの正体を明かさずただ「ロードスを憂う者」とだけ名乗っていた。
優れた剣の腕と古代語魔法を操る魔法戦士だった以外は何者であったのか一切伝わっていない。その正体はカーラ。4巻ではブルーク王の真実を明かす事で、英雄としてロードス島の戦乱を終わらせかねないナシェルの名声を失墜させた(その後、残酷な秘密を知らされてもなお皆の道を開くため最後まで戦う事を選んだ彼には敬意を表したが)
【魔神】
フォーセリア世界とは別の暗黒神ファラリスが創造した異世界の住人。
暗黒神を信仰しており、強靭な肉体と様々な特殊能力、古代語魔法と同種の独自の魔法を持つ極めて強力な種族。
一説によると、邪悪な魂を持つ者は死後に暗黒神が支配する冥界へと落され、魔神に転生するとされている。
神々の大戦では暗黒神によって物質界に召喚され、暗黒神の先兵として至高神ファリスの僕である天使*7と激しい戦いを繰り広げたとされている。
長年伝説上の存在とされていたが、古代魔法王国の時代に召喚魔術の門主であるアズナディール・ロンヴァビルによって発見され、魔法王国の宿敵だったサイクロプスの王国を滅ぼすなど労働者、技術者、傭兵として重宝された。
現在フォーセリア世界に存在する魔神は、古代王国期に召喚された者がそのまま生き延びているか、或いは古代語魔法や暗黒魔法によって召喚された者たちである。
「魔神戦争」時には、封印されていた魔神が軍団ごと解放され、ロードスを恐怖のどん底へと突き落とした。
魔神は下位魔神、上位魔神、魔神将、魔神王の四階級に分けられる。
下位魔神から上位の魔神へと徐々に成長していくのか、それとも最初からその階級に生まれるのかは分かっていない。
下位魔神
- グルネル
青銅色の肌と尻尾を生やした人型の魔神。
古代語魔法と暗黒神の神聖魔法を操る。
- ザルバード
背中から翼を生やした赤銅色の肌の魔神。
ガーゴイルのモデルとなった魔神で飛行能力を持つ。
- ラグナカング
直立したドラゴンのような容姿の魔神。
体長は4m程だが、その容貌からドラゴンと誤認される事もある。
- ダブラブルグ
見たものの姿をそのまま映し変じる「鏡像魔神」の一種。
- マリクドライ
ミミズクの上半身と山羊の下半身に触手を持つ魔神。
相手のトラウマを抉り精神力(MP)を削る幻覚を見せ(但しダメージを受けるとそのターンのみ使用不可能に)、精神力を0にした相手を傀儡とする力を持つ。
精神力ダメージは冒険者レベルでしか軽減できず、かつレーティング表ダメージなため強敵。
…だが直接相手を目視しないと使えないため、某リプレイでは遠隔からの座標指定スリップダメージに敗れた。
- メルビズ
緑色の鱗とヒレを持つ魔神。
水中生活に適応した魔神で、河や運河などから都市部へと侵入する。
鉤爪が主な攻撃手段で、口から酸を吐く。
- ゴードベル
「姿なき魔神」の異名を持つ魔神。
異名の通り外見は全くの透明で、その真の姿を見た者は一人もいない。
魔神戦争では主に暗殺任務に就いていた。
- ガランザン
「魂の魔神」の異名を持つ魔神。
まるで死神のような外見の魔神で、人間の髑髏のような顔を持ち、片腕が鎌になっている。
魔法などは使えない代わりに、「魂の契約」という能力を持ち、他者の肉体に自分の魂を封印し、たとえ倒されても24時間後に復活する。
宿主は操られたりはしないが、契約時に様々な甘い言葉で誘惑し、契約に同意すると寄生される。
ガランザンを倒すには、宿主の精神力を0にするか殺すかして燻り出し、他の宿主を獲得する前に倒すしかない。
- フォルゴーン
角の生えた頭、ヤギのような脚を持つ赤肌の巨人の姿をしている。
高レベルの暗黒魔法を使う、下位魔神の中では最強クラスの魔神。
作中には戦意を感じさせず、畑仕事を行い人間と共存しようとする個体がいた。
上位魔神
- ドッペルゲンガー
見たものの姿をそのまま映し変じる「鏡像魔神」の一種。
上述のダブラブルグの上位種で、ダブラブルグは姿と声を真似るだけだが、ドッペルゲンガーは条件を満たすことで記憶・技能すら完全コピー出来る。
ただし、全てをコピーしてしまうため、コピーした相手の影響を受ける。
個体によっては自分を人間と思いこんだり、人間の味方をしてしまう場合がある。
「魔神戦争」時にはこの2種が跳梁し、人々を疑心暗鬼に陥れた。
- キグリブーツ
背中に四枚の羽を持つ魔神。
古代語魔法に優れており、魔神戦争では大量のゾンビや魔神兵*8を生み出し使役した。
- イグリコグネル
マリグドライの上位種で、梟の頭を持つ魔神。
- ケプクーヌ
山羊の頭と二又の鉾を持つ魔神。
上位魔神の中でも特に優れた魔法の使い手で、古代語魔法と暗黒神の神聖魔法を操る。
- レグラム
雄牛のものを逆さにしたような角を持つ魔神。
大鎌を武器とし古代語魔法を操る。
- ラグアドログ
ラグナカングの上位種で、二つの首を持つ竜頭の魔神。
- ザワンゼン
ガランザンの上位種で、外見はガランザンと似ているが体格は一回り大きい。
ガランザンと同じく「魂の契約」という能力を持つ。
- ヒューリカー
竜の上半身に人の下半身を持つ魔神。
空間と空間を繋ぐ「ディメンション・ゲート」という魔法を使うことができることから「ゲート・デーモン」の異名で知られている。
また上位魔神の中でも特に狡猾なヒューリカーは、決して自らが戦う事はなく、人を悪の道に走らせて物質界を混乱させる事を好む。
『ソード・ワールドシリーズ』のリプレイ第2部と小説『ゲート・デーモンの仮面』に登場した上位魔神*9で、本作には登場していないが一応記載。
魔神将
- ゲルダム
オーガーの体に黒山羊の頭を乗せたような魔神。
肉体的能力では魔神将の中では最強の魔神で、魔法のグレイブを巧みに操り、口からは致死性の毒の煙なども吐き出す。
また暗黒神の神聖魔法を使用する事が可能で、「ワードパクト」という呪いにの効果よって特定の武器による攻撃では死なない。
魔神戦争ではライデン商人が派遣した大陸間貿易の船団を全滅させライデンを恐怖のどん底に突き落とした。
ライデン郊外の海岸の洞窟に潜んでおり、ベルドと一騎打ちを演じ敗れるも「ワードパクト」の効果によって復活し、ルシーダを殺害した。
ベルド、ウォート、フラウスと再度戦い、フラウスのメイスにとどめを刺され今度こそ死亡した。
- イブリバウゼン
四枚の翼を持った魔神。
頭部には太い角が生え、口からは二本の牙が突き出ている。
明言されていないが恐らくキグリブーツの上位種。
優れた魔法能力を持ち、ベルドとの戦いでは死の瞬間にベルドに「ラストワード」という呪いをかけた。
魔神戦争では二体が確認されており、それぞれリュッセンの街と石の王国の廃墟を守っていたが、リュッセンの街のものはベルドに、石の王国のものはフレーベに討たれた。
- デラマギドス
無制限の洗脳能力を持つマリグドライ系の上位種。
魔神戦争ではマケストの街を守っていたがベルドと一騎打ちを演じ敗れた。
魔神王
亜神とも謳われる魔神達の王。
生贄の肉体に憑依することから鏡像魔神の最上位種ではないかと考察されている。
魔神戦争ではスカード王国のリィーナ姫の肉体に憑依した。
その力は圧倒的で、後の六英雄を含めた勇者達を簡単に全滅の危機に追い込んだ程。また、精神こそ本体であることから通常の武器や魔法による攻撃が通用しない。
古代王国が対策として用意していた、自らにダメージを与えうる精神を削る魔剣「魂砕き」を自らの武器として使っていた。
【リプレイ版】
【魔神襲来】
- ミレウス
モス公国ドラゴンアイ、ハイランドの竜騎士見習い。
仲間たちからはお坊ちゃんと揶揄されるほどに頼りない若者だが、選考を勝ち抜いた事でその優れた素質を認められ、双子の幼竜の一頭オッドアイを授かった。
スカードで起こった異変を調査しに赴いた事で、ロードスで最も早く魔神戦争に関わることとなり、初めて「最も深き迷宮」に足を踏み入れた者の一人となる。
黒羽のガラドの策謀によって愛竜オッドアイを失うが、最後に彼女から託された金と銀の宝玉から竜の力を引き出し、尚も魔神たちと戦い続ける道を選ぶ。
オッドアイへの命令は「オッドアイ、ゴー!」や「オッドアイ、ブレスだ!」などのファジーなものが目立ったが、その連携は見事なもので、
やがて黒羽のガラドとの最終決戦においてオッドアイとの絆を確かめたミレウスは、百の勇者の一人として最も深き迷宮に挑んだ。
「竜なき竜騎士」と謳われた彼のその後は不明である。
- ティエル
鏡の森出身のハーフエルフで魔術師。
その出自からひねくれた性格に育って森を飛び出し、アラニアの賢者の学院へ入学するも放校となってしまった過去がある。
竜騎士選考におけるミレウスの介添人の一人として彼の冒険に同行し、魔神たちの脅威を目の当たりにする。
その中で首飾りに魂を封じた古代王国の魔術師ブレストディベアと接触、宝玉に封じられた彼の魔力を仲間たちと故郷を守るために振るったが、
力を使い切った際に契約の代償としてブレストディベアに肉体を乗っ取られてしまう。
その後ウィニフレッドの尽力によって自身の肉体を取り戻して以降は、ブレストディベアより奪った知識を活用して魔神たちと戦い、
故郷より盗み出された黄金樹の枝を巡って再び黒羽のガラドと対決する事になる。
そして「勇者に魔法の武具を与えし者」ティエルは、百の勇者たちを支え、彼らの知られざる戦いの記録を後世に残した。
- オーディア
自由都市ライデン大商人の令嬢にしてファリスの神官。
親に決められた婚約者を嫌ってハイランドの神殿へ逃げ込み、そこで竜騎士選考におけるミレウスの介添人の一人となる。
その生まれ育ちと信仰からは考えられないほど破天荒なお転婆で、プレートメイルを着込み、傭兵を率いて魔神たちと真っ向から対決していく。
ミレウスとの冒険を終えた後は自分たちのために大損害を被って逮捕されたプッペを救うべく故郷に戻り、ライデンのファリス神殿次席司祭として百の勇者たちの戦いを支えた。
- ヴォルク
アラニア商人の息子ながら盗賊となった親不孝者。
女ったらしのキザな性格で、盗賊ギルドのボスの女に手を出してしまった事でハイランドまで逃れてきた。そこで竜騎士選考におけるミレウスの介添人の一人となる。
過去の経験でも懲りた様子はなく行く先々の街で女性を口説いてまわる軽い男だが、そのうちの一人が涙ながらに自分と逃げようと縋った際には、
「魔神どもからロードスにいる自分の女達を守る」ために踏みとどまって戦う決意を語るなど、その信念は揺らがない。
ミレウスとの冒険を終えた後は、彼女と共にアラニアへと戻っていった。
- アジール
風と炎の砂漠出身の精霊使い。炎の部族の神官であり、故郷には妻子もいる。
宿敵である風の部族を倒すすべを求めてロードスを放浪する中、たまたま訪れたハイランドで、竜騎士を勧誘するためにミレウスの選考の介添人を引き受ける。
ミレウスを「坊っちゃん」と呼び、パーティの最年長として常に冷静沈着な判断を行い、一行を導き続けた。
新たな息子アズモが生まれた事もあり、ミレウスとの戦いを終えた後は風と炎の砂漠へと帰還を果たす。
- オッドアイ
ミレウスが自身の相棒として選んだ双子の竜の一匹。雌。
名前の由来となった金と銀の瞳には不思議な力が宿っており、視認した魔神の幻術を打ち破る事ができる。
黒羽のガラドの策略により狂角のゴディスと相打ちになって命を落とすが、その死の間際にミレウスへ金と銀の宝玉を託す。
「我が肉体が滅びようとも、竜騎士との絆は永遠なり!」
竜騎士と竜は、決して竜笛を介して繋がっているのではなく、心と魂によって固く結ばれているのだ。
- フォルド
ミレウスのライバルである竜騎士見習いの若者。
竜騎士選考においてミレウスと張り合うも一歩遅れを取り、本来は竜騎士になれなかったのだが、生まれた竜が双子だったことで片割れクリスタルクローを愛竜とする。
クリスタルクローはオッドアイと異なり特殊能力はないものの、屈強で成長が早いという能力を持っていた。
魔神との最初の会戦においても参加し、生き延びたようだが、その後の動向は不明。
- ティーナ
モス公国スカードに仕えるマイリーの女神官。
魔神たちとの戦いからナシェル王子と共に脱出し、スカードの宝剣を取り戻すための協力をミレウスたちへ求めた。
戦いの中で魔神たちに囚われてその本拠地に投獄されるが、その際に「たとえここが最も深き迷宮であっても」と発言。その名の由来となった。
- プッペ
自由都市ライデンの若き商人。オーディアの婚約者。
決して悪い男ではなく、オーディアの事も心から愛しているのだが、事あるごとに「愛しのオーディア」と歌い出すなどの性格から全く相手にされていない。
商人としては優秀でありオーディアを探すためにモス公国中に支店を開き、また魔神との最初の会戦では損害を顧みずに支援を行うなど男気も溢れている。
しかしこれによって自由都市ライデンに大きな不利益をもたらしたとして逮捕、極刑を宣告されてしまった。
その後は帰還したオーディアによって助命されたようだが、以降の動向は不明。
【魔神召喚】
- ルーセント
アラニア王国に仕える若き魔法戦士。
魔術師として屈指の名家の生まれだが、魔術師としての才能にはあまり恵まれず、騎士である魔法戦士として身を立てる道を選んだ。
導師グラディカルが賢者の学院で引き起こした陰謀に巻き込まれ、魔法戦士団に背負わされた導師殺しの汚名を濯ぐために魔神との戦いに身を投じる。
やがてグラディカルを追ってたどり着いた魔神宮で、自分たちが失敗した場合はロードスが滅亡するという未来を目の当たりにする。
しかしグラディカルの陰謀を打ち砕く事には成功したものの、召喚された第二の魔神王の依代とされてしまった事で、その解放を防ぐために自ら石化される事を決断。
いずれ優れた召喚術師が第二の魔神王を送還する日が来るまで、「最後の魔法戦士」は魔神宮の奥底で眠りにつくのであった。
- フェリオ
元はルーセント家のメイド見習いだった女魔術師。
ルーセントの従者として学院に通う内に素質を開花させ特待生として認められた才媛だが、いささかそそっかしくドジで天然ボケな面が否めない。
導師グラディカルのもとで魔術を学んでいたが、彼の起こした陰謀に対処すべく、表立って協力できないラスカル学長の采配によって放校処分という名目でルーセントに動向する。
魔神宮の戦いでは、第二の魔神王に敗北して操られた未来の自分たちと対決。
「こんな未来なんか、いらないやい!」と言い放ち、未来の自分を殺して元の時代に戻り、歴史を変えるべく奮闘することになる。
しかし戦いの果てにルーセントは石に、グラディカルは儀式の失敗によって赤子となってしまったため、
グラディカルを優れた召喚魔術師として育ててルーセントを助ける事を決意する。
その後はスカーフェイスと共にルーセントを育てていたが、養育費を稼ぐために魔神退治に乗り出す事もあった。
しかし「世界の滅亡を防ぐよりも大切な仕事」、すなわち子育てをするために百の勇者には加わらなかった。
- マルムス
鉄の王国出身のドワーフ。リスターの悪友。
「すべての道を知るドワーフ」と豪語する道オタク。ちなみに祖父は大マルムス、父は中マルムスで、彼は小マルムスらしい。
石の王国の陥落によってロードス中に張り巡らされたドワーフの大トンネルが魔神たちに悪用されるのを防ぐべく、その出入り口を封鎖するためにアラニアへと旅立った。
測量の協力を求めて訪れた賢者の学院で導師グラディカルの陰謀に巻き込まれ、彼がトンネルを悪用している事から魔神との戦いに身を投じる。
グラディカルの陰謀を阻止した後もリスターと行動を共にし、その友情は百の勇者として最も深き迷宮で命を落とすまで変わらなかったという。
- リスター
ターバ出身のマーファの神官。神殿でもそれと知られた乱暴者の若者。
マーファの慈愛を力ずくでも広める正義と真実の司祭を自称し、その荒っぽい性格から問題児扱いだったが、神殿に下った神託によって魔神たちと戦うべくマルムスに同行した。
その際に鎖の絡まった謎のフレイルを授かるが、魔神との戦いにおいてのみ封印が解かれる聖なるフレイルであった事が発覚。
やがてスカーフェイスの村でマーファ像を手にした事により、かつて魔神を封じた聖者アーカイルの力を解き放つ事ができるようになる。
精霊王にも匹敵する膨大な精神力、強大な石化と治癒の力、10分間限定の一時的なレベルアップを発揮する事で、スーパー・リスターを自称する。
第二の魔神王を封じるため心ならずもルーセントを聖なるフレイルの力で石化して封印した後も、百の勇者の一人として、マルムスと共に最後まで魔神たちと戦い続けた。
- ウィニフレッド
鏡の森出身の女エルフ。愛称はウルフ。
ティエルの数少ない幼馴染であり、故郷を出奔した彼を心配して、その後を追って賢者の学院までやってきた。
そこで導師グラディカルの引き起こした陰謀に巻き込まれ、その際にティエルの身体を乗っ取ったブレストディベアと対峙。ティエルの身体を取り戻すために戦いへ身を投じる。
ティエルにとっても彼女の存在は大きかったようで、再会した事で一時的に自我を取り戻したティエルからは警告と故郷へ帰るよう促す連絡を貰ったが、
それでもなおティエルを助けるために魔神王と対決した。
ティエルを救った後は故郷の鏡の森へ戻り、そこで魔神たちから森を守るべく奮闘することになる。
- スカーフェイス
盗賊団「マーファの瞳団」の頭を務める屈強な若者。
聖者アーカイルの末裔であり、彼の封印した魔神将の復活に備えて隠れ潜み続けていた。
その中で花嫁としてフェリオを誘拐したことでルーセント一行の冒険に関わり、最終的には村を出て魔神たちと戦う事を選ぶ。
かつてアラニアを訪れた際に色々あって以来、部類の魔法使いフェチになってしまったという。
戦後はフェリオと協力して子育てをしているが、フェリオ曰く結婚はしていないらしい。
- グラディカル
賢者の学院の導師。専門は召喚魔術。
温厚な性格で知られ、フェリオからは「お師匠様」と慕われる良き教師でもあった。
しかし自らの死を偽装して魔法戦士団に濡れ衣を着せ、その裏では第二の魔神王復活に向けて様々な陰謀を張り巡らせる。
実はグラディカルは権力争いに巻き込まれて逆賊として処刑された魔法戦士の息子であり、母はグラディカルを義父に託して失踪したという過去を持つ。
そしてそれ故に貴族や自らの母を含めた、魔法の使えない者を奴隷として見下す魔術至上主義者でもあった。
第二の魔神王を召喚して肉体を乗っ取り、第一の魔神王を滅ぼした後、その強大な力を用いての古代王国復活を画策、魔神宮にて魔神王召喚と支配の儀式を執り行う。
グラディカル単独では成功確率は五分五分でも、協力者として心酔していたブレストディベアの協力があれば成功すると確信していたが、
ブレストディベアにとってグラディカルは所詮は野蛮人に過ぎず、土壇場で裏切られて肉体が崩壊してしまう。
最後には赤子となってしまい、フェリオのもとで再び召喚魔術師として育てられることになるが、長じて後に家を出奔したという。
- ブレストディベア
古代王国時代の付与魔術師。
ネックレスにその魂を封じて長い年月を生き延びており、魔神襲来に際してティエルに力を貸し、その代償としてその肉体を貰い受ける契約を交わす。
その時点ではティエルの肉体を案じつつ、彼に知恵を貸すなどの良き協力者であったが、身体を奪ってからは冷酷な魔術師としての本性を顕にする。
魔神戦争の裏側で暗躍を繰り返し、グラディカルと手を組んで第二の魔神王復活の陰謀を企んでいたが、その目的は魔神王の肉体を奪っての古代王国の再建であった。
しかし彼にとってグラディカルはしょせん蛮族に過ぎず、彼を裏切って自分一人で魔神王を乗っ取ろうとして失敗、魔神王の魂に飲み込まれて消滅してしまった。
そして皮肉にも彼の魂が消滅したことによってティエルは自由を取り戻し、ブレストディベアから奪った知識を魔神たちとの戦いに活用する事になる。
【魔神討伐】
- スナ
裏の世界では知らない者のいない、凄腕の女暗殺者。
しかしあまりにも名が売れ過ぎた事と魔神の襲撃で仕事がやりづらくなってしまい、足を洗って一介の盗賊として冒険者となる事を選んだ。
孤児出身でドライな拝金主義者のように見えて、どこか情や義侠心を残しており、その夢も「お城を建てる」という少女じみたものであったりする。
新型魔神兵の脅威と盗まれた黄金樹を巡る冒険でミレウスたちに同行するが、
旅の中で暗殺者だという事がバレても態度を変えず気にしないでいてくれた皆のため、得意武器のギャロットを駆使して最後まで戦いに同行した。
その後は百の勇者の一人として、最も深き迷宮へと挑んだ。金にならない殺しはしないと嘯きながら、魔神王の首を狙って。
- ジオレン
知識神ラーダに仕える優秀な癒やし手。
屈強な体躯に似合わぬ温厚な人物だが、生物や人体の肉体構造に対する知的好奇心が高じて医学や治療に長けるようになったという経歴の持ち主。
魔神の肉体について研究すべく、そのサンプルを求めて魔神たちとの戦いに身を投じた。
新型魔神兵と盗まれた黄金樹の枝を巡る冒険でもその力を発揮し、優れた治療で大いにミレウス達の戦いを支える。
百の勇者との戦いでもそのた類稀なる治癒の力を発揮し、多くの勇者たちを助けたという。
魔神
- 狂角のゴディス
牛の一族の長を務める魔神将。
恐るべく屈強な肉体と、体毛を針のように変えて敵を貫く能力や、逆に柔らかく変えて魔法を吸収する能力を持っている。
モス連合軍との会戦では、単純な性格ながらもその武勇でもって王の首にあと一歩まで迫るものの、
迎え撃つミレウスらとの戦いの中でガラドの策謀によってオッドアイと相討ちとなって滅んだ。
- 黒羽のガラド
鏡像魔神、カラスの一族の長を務める魔神将。
他の魔神たちと異なり人間を軽視せず、その優れた力を巧みに利用して侵略を進めていく智謀の持ち主。
ゴディスのような同胞であっても愚かと見限り、容赦なく切り捨てていく残忍な性格をしている。
モス連合軍との会戦では、ミレウスたちの雇った傭兵イッキを殺してすり替わり、オッドアイとゴディスを相討ちにさせるという策謀を働く。
これによってミレウスにはオッドアイの仇として狙われる事になり、新型魔神兵と黄金樹の枝を巡る最終決戦において、火竜山の火口へと沈められた。
- 第二の魔神王
異界に存在する魔神王と同格の力を持った、もう一体の魔神王。
ブレストディベア、グラディカルの二人によって古代王国復活のための依代として、グラディカルの母親を生贄とする形で召喚された。
二人がかりならば魔神掌握の杖の力と血の絆によって、スカードの魔神王と異なって支配できる可能性は十分にあったが、
ブレストディベアがグラディカルを裏切って一人で支配しようとして失敗したことで、完全に制御を離れてしまう。
当初はグラディカルの母エマに憑依し、若く美しい少女にまで巻き戻したその肉体で大鎌を振るってルーセントらと戦ったが、
召喚直後の不安定な状態で力を振るったために肉体が崩壊してしまう。
しかし自由となった魔神王は次なり依代としてルーセントを選ぶ。
【作品リスト】
長編小説
- ロードス島伝説 亡国の王子(1994年9月/角川スニーカー文庫)
- ロードス島伝説2 天空の騎士(1996年7月/同上)
- ロードス島伝説3 栄光の勇者(1997年4月/同上)
- ロードス島伝説4 伝説の英雄(1998年4月/同上)
- ロードス島伝説5 至高神の聖女(2002年11月/同上)
短編小説
- ロードス島伝説 太陽の王子、月の姫(1996年11月/角川mini文庫)
- ロードス島伝説 永遠の帰還者(2000年1月/角川スニーカー文庫)
RPGリプレイ
- ロードス島伝説I 魔神襲来(1994年11月/角川スニーカーG文庫)ロードス島戦記RPGコンパニオン
- ロードス島伝説II 魔神召喚(1995年11月/同上)ロードス島RPGベーシックルール
- ロードス島伝説III 魔神討伐(1996年11月/同上)ロードス島RPGエキスパートルール
漫画
- ロードス島戦記 ファリスの聖女I(1994年5月/ドラゴンコミックス)
- ロードス島戦記 ファリスの聖女I・II〈新装版〉(2001年11月/ニュータイプ100%コミックス)
- ロードス島戦記 ファリスの聖女 完全版(2015年6月10日/角川書店)
雑誌掲載
- ロードス島伝説 ライブノベル「がんばれ、ナシェルくん!」(執筆:小川直人)
- ロードス島伝説 ライブノベル「魔神を討伐せよ!」(執筆:栗原聡、GM:水野良
この項目を追記した者たちに
これから修正してゆく者たちに
そして、この項目を訪れたすべての者たちに
“アニヲタWiki(仮)よ、永遠なれ”
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- おおお作成乙! 敵側のとんでもなさ、絶望っぷりが素晴らしいので未読の方にはぜひ読んでもらいたい。漫画版は若干アレンジあってこっちもこっちで面白い -- 名無しさん (2019-09-17 10:00:32)
- 魔神将としては、以降の戦いでイブリバウゼン(四本腕の魔戦士)とデラマギドス(こちらは多分三体目?無制限の洗脳能力を持つマリグドライ系の上位だったかな)が登場しているようですね。四人目がどういった奴かは不明ですが。前二体はTRPGSWのロードスガイドで名が記されていたかと思います。漫画版のフラウスの夢の中に出てきたのはガランザンの上位に当たるザワンゼンでしょうかね。たしかあれが指揮官だったらしい話でしたので。 -- 名無しさん (2019-09-17 10:36:30)
- 漫画の方だとマンモスみたいな魔神がいた覚えがある -- 名無しさん (2019-09-17 14:05:11)
- ラグアドログってラグナカングの上位種もいた気がする。確か5回攻撃してくる奴 -- 名無しさん (2019-09-17 19:56:12)
- 大人になってから読み返すとナシェルに期待していたウォートの気持ちが少しわかる。そんであんなことになったら、そりゃきついよなぁ。ナシェルに何の野心もなかったってのが余計にひどい ↑ ナシェルが倒したやつかな -- 名無しさん (2019-09-17 23:44:37)
- ↑ウォートってやっぱナシェルが生き返ったこと知らなかったのかな? -- 名無しさん (2019-09-18 02:14:51)
- ↑知っていても歴史の表舞台に -- 名無しさん (2019-09-18 08:17:55)
- ↑ミス 知っていても歴史の表舞台に引っ張り出そうとは思わないだろうね。 -- 名無しさん (2019-09-18 08:20:45)
- 公式設定だと魔人戦争が終わってからファーンが国王に即位したりベルドがマーモに渡るまで二十年位空白があるんだけどその間何してたんだろう? -- 名無しさん (2019-09-18 18:44:11)
- フラウスを主人公にした漫画があったよね。絵がすごい綺麗だった。 -- 名無しさん (2019-09-19 07:34:34)
- 山田章博先生だっけ。ばけもんよねあの人 -- 名無しさん (2019-09-19 11:25:10)
- 懐かしいな…最後のファーンとベルドの一騎打ちの件が雑誌掲載時からけっこう書き直されててがっかりした思い出 -- 名無しさん (2019-09-19 11:39:55)
- 名もなき自由騎士とか頭と呼ばれた男とか、結構いいキャラもいたよな。あいつら全員死んだというのが残念だ…。 -- 名無しさん (2019-09-19 12:27:36)
- 百の勇者にスポット当てたリプレイもあるんだけど、どうせこいつら死ぬんだよなと思うと… -- 名無し (2019-09-19 21:52:01)
- アレクラスト大陸にも魔神王って封印させているのかな? -- 名無しさん (2019-09-20 14:35:42)
- 能力的には魔神王はドッペルゲンガーの上位種というよりもガランザンの上位種な気がする -- 名無しさん (2019-09-20 19:42:22)
- 魔神は性格が「体調悪い時に見る悪夢」みたいなシュール・理解不能・悪質・不気味な連中なので、他のシリーズ作品と違った一種異様な雰囲気をかもしだしている -- 名無しさん (2019-09-23 21:26:57)
- 魔神王が聖者の前に姿を変えて現れてたのも鏡像魔神ドッペルゲンガーの最上位種説の根拠の一つですな(クリエイトイメージとウインドボイスかもしれんけど -- 名無しさん (2019-09-24 10:02:52)
- 実はこの物語に出てくるキャラクターの中ではナシェルが一番長生きした可能性もあるんだよな -- 名無しさん (2019-09-24 18:43:59)
- この項見るまで5巻が出ていたことを知らなかった…これを機会に1巻から再読してみるか -- 名無しさん (2019-09-28 22:46:23)
- ベルドはそれぞれ存命ならナシェルに従う気があり、フラウスの望む英雄にもなろうとしたというのは、アシュラムが知ったらどう思うだろうか。二人ともアシュラムが目指す「マーモ的支配者」からほど遠いタイプなので -- 名無しさん (2019-09-30 17:32:27)
- 新ロードス島戦記に出てきた老薬師ってタトゥスとナシェルどっちだろう? -- 名無しさん (2019-10-29 04:34:57)
- フラウスのモデルはやっぱジャンヌ・ダルクかな? -- 名無しさん (2019-12-12 02:26:22)
- ↑3 アシュラムからすればあのベルドが心を開いていた人間がいたって事実のが驚きだろうな。案外「陛下にもそんな時代があったのか…」で納得するかもしれないけど -- 名無しさん (2020-02-27 23:53:25)
- ↑2ジャンヌダルクモチーフっぽいけど処女性なんて知らん!とばかりに普通にベルドとセックスする描写は斬新だったw -- 名無しさん (2021-07-06 18:57:52)
- 魔神王はドッペルゲンガー系の最上位種っぽいことが示唆されているが、個人的にはガランザン系の最上位っぽい雰囲気も感じる。魔神王は魔界に複数存在するようだが、他の魔神種の最上位にあたる魔神王もいるのかなど、気になる部分は多い。 -- 名無しさん (2024-02-17 07:58:31)
- マーファには対抗できずに退散したけど消滅はさせられなかったあたり、魔神王は本当に下級の神に匹敵するくらいの力はありそうだな。漫画版ではウォートに「神どころか始原の巨人並み」なんていわれてたりもしたが、それはさすがに過大評価だろう -- 名無しさん (2024-02-17 08:00:07)
#comment
*2 “法の剣”、“正義の鎧”、“光の盾”という一揃いの魔法の武具。ヴァリスの王権の象徴であり、ファリス教団が聖戦と認めた戦いの際にのみ使用が許可される
*3 ただし中には百の勇者を標榜しながら、実際には魔神とは戦わずタカリや強盗を行うならず者も少なくなかった。アラニアでは百の勇者を名乗る者はそれだけで捕まる程であった
*4 竜の卵の中で眠りにつくことで、完全に回復するという魔法
*5 自ら行使するタイプのコールゴッドには対象が生還する判定が設けられているが、それを成し遂げるにはSWでいう6ゾロなど大成功を収める必要がある。クリスタニアリプレイでも判定機会があったが結局失敗している。一方でロードス島をもりこんだソードワールド特殊ルールでは英雄ポイントというものがあり、それを消費すれば判定を大成功にできるので、大ニースはおそらくこの要領で生き延びたのであろう
*6 その身に神を降臨させる事自体が高位の司祭にしかできず、さらに降臨後に生き延びる者はその中でもほとんどいない
*7 ファリスが創造したとされる天界の住人。神話によると神々の大戦では魔神と激しい戦いを繰り広げたとされているが、魔法王国の魔術師達も召喚には成功しておらず、今のところ伝説上の存在とされている
*8 魔神達が数の少なさを補う為に黄金樹を利用して創成魔術によって創り出した魔法生物。魔神戦争では大量に創造され雑兵として使役された
*9 但し完全版にデータは未記載
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧