登録日: 2017/04/07 Fri 13:53:05
更新日:2024/02/06 Tue 10:50:47NEW!
所要時間:約 20 分で読めます
▽タグ一覧
鉄血のオルフェンズ ガンダム 愛すべき漢達 架空の組織 組織 時代の徒花 鉄華団 愚連隊 少年兵 会社 家族 希望の花 クリュセ・ガード・セキュリティ cgs 参番組 傭兵 子供 時代の敗北者 ガンダム組織項目 マクギリス・ファリド事件 徒花 矛盾を抱えた組織 ブラック企業 コメント欄撤去記事 火星を舐めるなよ アウトロー集団 スケベ多し 民兵組織 決して散らない鉄の華 戦いしか知らぬ子供達 逆主人公補正←2期 止まらなかった者達
「鉄華団」
え?
俺達の新しい名前。「CGS」なんてかび臭い名前を名乗るのは、癪に障るからな
テッカ…。“鉄の火”ですか?
いや。……“鉄の華”だ。決して散らない…鉄の華
鉄華団とは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する組織。
ここでは、前身の「クリュセ・ガード・セキュリティ」についても触れる。
概要
オルガたち少年兵がCGSに対して、クーデターを起こし、CGSの基地や設備をそのまま乗っ取る形で発足した傭兵組織。
CGSにおいては「参番組」と呼ばれ、大人達が率いる「壱軍」に使い捨ての駒同然の扱いを受けていたが、ギャラルホルンとの戦闘で自分達を囮にして逃げ出した挙句、三日月の活躍で生き残ったらノコノコ戻ってきて偉そうな態度を取る壱軍に反逆。落とし前として隊長とその腰巾着を射殺し、会計担当のデクスターを除いた他の連中には「ここで死ぬか出ていくか」を迫った。
その後、オルガ発案の「決して散らない鉄の華」を意味する鉄華団と改名した。筋を通さない事を嫌うオルガの方針によって、退職した殆どの一軍の奴らにもきっちり退職金を払うホワイト企業。
火星の経済的自立のため地球に交渉に向かう若き活動家・クーデリア・藍那・バーンスタインを護衛しながら地球へ向かう旅を始め、大きな運命の渦に飛び込んでいくことになる。
後にテイワズ、タービンズと同盟を結び、晴れて893兄弟の盃を結ぶことになった。
これによりテイワズから機材の提供や所属MSの修理やバージョンアップを受けられたり、タービンズのエースパイロットであるラフタやアジーにより作戦の支援や技術指導を受けられ、テイワズ銀行部門からのメリビット出向により運営面も改善する恩恵を得た。
またクーデリアとも長旅の間にビジネス的な関係でありながら絆を育み、クーデリアも道中識字率が低かった団員に文字の読み書きを教えていた。
メンバーはCGSだった少年兵と雪之丞・デクスター・トドの大人3人と元出入り業者の店員だったアトラという構成からスタート、クーデリアと共に向かった地球への道中で裏切っていたトドを放逐、宇宙海賊ブルワーズとの戦いで何人かの犠牲を出したものの、ブルワーズ所有だったヒューマンデブリ少年兵数名を仲間に加えた。
途中でギャラルホルン側と何度か交戦する中で優秀なブレーンかつオルガのストッパーであったビスケットを失うもどうにかクーデリアの地球での目的を果たす。この過程でモンタークに扮したマクギリス・ファリドと接触をもち、2期ではマクギリスとの関係が大きく運命を動かすことになる。
アーブラウでの戦い以降は、ハーフメタル利権を手土産にテイワズの直系組織へと格を上げ、地球支部が出来るなど規模も拡大。新進気鋭の急成長企業として名を上げ、新たに新入隊員も迎える。
一方でオルガを中心とした「寄り合い所帯」から「大企業」に変革しきれておらず、創立時代からの「家族」であることを意識した横の繋がりを重視し、縦の繋がりを意識した体系的な命令、指示系統に不安を残したまま人員だけが膨れ上がってしまった。
2期での新入隊員を含めて多くの団員にまともな修学歴がないため会社としての実務面を少数の大人に頼らざるを得ない状況には変わりなかった。
その結果、組織全体として家長であるオルガに指針を丸投げする傾向もあり、創立メンバーと新規メンバーの思想や価値観のズレが静かな歪みとして燻っている。
また、彼等の活躍がギャラルホルンの腐敗や治安維持能力の不足を暴き、抑止力としてのギャラルホルンの権威に傷をつけた事で世界全体の秩序が乱れ始め、ヒューマンデブリをはじめとした少年兵の増加を招くなど、平穏を望む彼等の意思とは裏腹に、彼等自身が世界の争いの火種となってしまっている。
以下、ネタバレ
オルガの「真っ当な仕事のみを請け負う会社に早く移行したい」という焦りもあり、海賊退治などの仕事を経由して、マクギリス・ファリドとの距離が近くなりすぎ、マクギリスと彼と対抗するギャラルホルンのラスタル・エリオンとの権力抗争に巻き込まれることになる。
それでも最初は兄貴分の名瀬・タービンとタービンズというストッパー兼後ろ盾がいた為、まだマシだった。
経済圏同士の戦争を起こしてマクギリス失脚を目論むラスタル側のスパイにそそのかされたラディーチェの背信行為や戦闘が原因で多数の支部員を失い、結局地球支部は閉鎖。
急速な拡大から元々タービンズに悪意を持っていたテイワズ幹部のジャスレイ・ドノミコルスと、彼に乗せられたギャラルホルンのイオク・クジャンの手で後ろ盾のタービンズを喪失。
流石に揉め事を起こすの不味いと分かっていたので何とか耐えたものの、卑劣極まりない追い討ちでラフタが落命したことで遂に決起。
ジャスレイに落とし前を付けるとともにテイワズ傘下を離れ、クーデターを起こしたマクギリスの傭兵となるも、さらにギャラルホルン側に追われる身となる。
ラスタル・エリオン率いるギャラルホルンの大軍勢に包囲され情報網からも切り離され、トップの首付きでの降伏も突っぱねられてギャラルホルンの掃討を受けるのは時間の問題となった。
しかし、本部施設内に厄災戦時代のトンネルが残っていたこと、タービンズ後継組織と蒔苗東護ノ介の助力を取り付け、クリュセ住民のID管理元である地球のアーブラウに一旦脱出してIDの書き換えにより生き延びる方法を模索し始める。
希望が見えたかに思われたが、脱出準備の最中リーダーのオルガが暗殺され、アリアンロッドによる本部襲撃もついに開始。他メンバーが逃げるまでの時間稼ぎで迎撃した三日月らのMSパイロットが数名戦死し本部施設を破壊され壊滅。
しかし特に恐れられていたバルバトスを含むガンダムフレームMS2機の全壊とパイロットの死亡で脅威ではなくなったとみなされたのか、敗走したメンバーへの掃討は行われなかった。
壊滅後、生存者達はIDを書き換えて綺麗な身分を手に入れて気持ちを切り替えそれぞれの道を歩み、何人かはクーデリア・藍那・バーンスタインの下で働いている。ただ、ライドを中心とした数名だけは憎しみを引きずりある行動に出る。
ちなみに、監督インタビューによれば元は鉄華団はライド以外は全滅予定であり、バルバトスの首を掲げるシーンからラストのライドの行動でエンド予定であった。この団員生存エンドやそれに沿ったID・トンネル脱出・商会前でのオルガ死亡などの終盤の展開はラスト五話前に「救い」を望む脚本側の提言で決められたものだという。
組織の元ネタは幕末に京都等で活躍した新撰組。物語の展開や登場人物にも新撰組をモチーフにした名残りが多く見られる。
余談ながら、ガンダムシリーズで幕末と新選組をモデルにした作品にはガンダム・センチネルの「ニューディサイズ」が存在する。
前身:クリュセ・ガード・セキュリティ
通称「CGS」。鉄華団の前身である名目上警備会社(実質は傭兵会社)。戦力は旧式モビルワーカーが多数と、装甲宇宙母艦「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」。
成人の戦闘員チーム「壱軍」と未成年の非正規部隊「参番組」がある、未成年たちのほとんどは貧困層出身で、人身売買される奴隷「ヒューマンデブリ」も多い。ヒューマンデブリ組でない者もほとんどは身寄りも学もなく、基本的な読み書きができるメンバーも少ししかいない。
未成年には阿頼耶識システムの施術が強制されるブラックな条件。
基本的に壱軍には子供達をガス抜きで虐待するような屑野郎しかおらず、参番組とは相当な格差が存在している。昼食ひとつとっても、壱軍はハムとサラダ付きのタコスなのに、参番組はおかゆなのか丼モノなのかよくわからない、スプーンで食べる茶色い食事がデカい丼に一杯。
とは言え後ろ盾のない孤児にとっては数少ない職場であることも確かで、ヒューマンデブリ組のように買われてくる子供もいる一方で、ビスケットやビルスのように自ら率先して入隊する者もいた。
ギャラルホルンの襲撃に際しては参番組を囮に脱出するが、オルガとビスケットが仕込んでおいた照明弾を遠隔発射させられ逆に囮にされる。命からがら帰ってきたあと、オルガ達のクーデターで一切合財を乗っ取られ、消滅した。
鉄華団関係者
第1期時点からのメンバー
◆三日月・オーガス(みかづき―)
CV.河西健吾(少年時代:諏訪彩花)
主人公。オルガからの愛称は「ミカ」。参番組時代はMW搭乗員だったが第1話でバルバトスを起動し、以後鉄華団のエースとして転戦する。
滅多なことでは揺るがず、敵対者にはとにかく容赦しないタイプ。別に女みたいな名前だと言われても急にキレたりはしない……と思う。
詳細は当該項目を参照。
◆オルガ・イツカ
CV.細谷佳正(少年時代:東内マリ子)
長身に銀髪と褐色の肌が映える鉄華団団長。高いカリスマ性とリーダーシップを備え、多くの少年兵達から慕われている。
なお「オルガ」という名前は女性名であるが、彼はれっきとした男性。
筋を通す事はきっちりしており、壱軍の退職者にもきっちり退職金を払った。その代わり鉄華団はいきなり資金難に陥った。
三日月とは幼い頃からの付き合いで、実の兄弟よりも深い絆で結ばれている。
一方で自分の頼みならばどんな事でも躊躇いなく実行し、全幅の信頼を寄せてくる彼からの期待に「応え続けなくては」という重圧を感じている面や、腕っ節で突っ走ってきた「家族」への信頼と抱え込みがちな責任感から、世間的に見て青少年で構成されている鉄華団への周囲の反応や自分達の組織としての足元の覚束なさを軽視する傾向も見られる。
「家族」や「胸を張って帰れる場所」へのこだわりは人一倍強く、鉄華団という家族の家長となるべく奮闘する。
火星帰還後はさらに鉄華団が大所帯になったこともあり、臙脂色のスーツを身にまとい慣れないデスクワークに追われている。
また孤児院に資金援助をしたり、阿頼耶識手術の義務化を撤廃するなど鉄華団を真っ当な企業へと成長させようとしている。893のフロント企業とか言うな!
しかし、「一刻も早く普通の仕事だけでやっていけるようになりたい」という焦りもでてきて、他者が目くじらを立てたり、嫉妬を買いそうな行動も構わず採る傾向があり、その危険さを名瀬に注意されたりもしている。
以下、ネタバレ
マクギリスを疎んだラスタル・エリオンの仕掛けた戦争やラディーチェの裏切りで地球支部を失うも、マクギリスから「ギャラルホルンの改革成功の暁には、火星支部の権限を譲渡する」という取り引きを持ち掛けられ、「火星の王」を目指すことにした。
しかしジャスレイの裏切りによって名瀬たちが死亡、その報復のためにテイワズを脱退。
結果的にこれでストッパーも後ろ盾もいなくなってしまい、なし崩しでマクギリスの革命に参加。アリアンロッドと交戦する。
だが、マクギリスの革命は失敗。追い詰められて火星へと撤退した後、団員たちを助けるべく、マクギリスと自身の首をラスタルに差し出そうとするが、既にそれで済む状況ではなく、ラスタルからは無情にも「ギャラルホルンの名誉回復の為、鉄華団とマクギリスは生贄になってもらう」と告げられる。
流石に自分だけでなく家族全員までも殺されるとなれば話は別なので地球への脱出作戦を図る。
蒔苗やタカキの助力による戸籍改竄を踏まえたギャラルホルンの追及の振り切り、新生タービンズによる地球への移動ルートの確保、デクスターやメリビットによる凍結された組織資金の確保、雪之丞による地下トンネルの発見、盟友マクギリスによる命を賭した時間稼ぎといったこれまでオルガが築き上げてきた多くの希望を見出すが、アドモス商会の前でノブリスの刺客に現場判断で襲われ、ライドを庇って銃弾を受けて負傷。
三日月から借りた銃で刺客を退けながらも既に虫の息で、最後まで前のめりで死んでいった。
家族を守るため、必ずしも最適な方法を選べた訳ではなくても最短の道を先導し続けたオルフェン。オルガ・イツカの激動の生涯はここに終わりを迎えた。
それでも、その指し示す先は彼が歩み続けることを主張するかの如く、鉄の血が流れ続けるのだった―――
オルガが家族のことを第一に考えていたのは紛れもない事実であり、オルガの死後、彼の願い通り生き残った団員たちのほとんどは真っ当な仕事で食べていけるようになった。
それは当初の理想だった派手で華やかな暮らしではなかったかもしれないが、皆が幸せそうな顔を浮かべていた。
また、オルガの決断によって鉄華団が守り通したクーデリアは、火星の代表としてヒューマンデブリ廃止といった多くの政策を実現。
一方で武器商人として世界に戦火をもたらす厄災そのものだったノブリスはオルガの仇としてライドに暗殺された。
鉄華団がテイワズから脱退したオルガの決断も結果的にテイワズがラスタル政権の弱みを握ることでラスタルに対する抑止力となった。
このように、オルガが世界へ与えた変革のうねりは大きく、団員たちの幸せのみならず、次世代へ悲劇が伝染していくことも防いでみせた。
ある意味では歴史に名を遺したアグニカ・カイエルやマクギリス・ファリドといった偉人にも引けを取らない救世主だったといえるかもしれない。
ちなみに制作スタッフの発言によると、当初の案ではアドモス商会を訪れた後にライドの提案でドライブスルーに寄った際、自動販売機に飲み物を買いに行って射殺されるという最期であった。
これは流石にあまりにもあんまりすぎたことと、これまで自動販売機が一切登場していなかった作劇上の不都合によって撤回されている。
※ただこの自販機の件が死亡の原案であると誤解されることが多いが、この案は前述の「救い」に沿った団員たちの脱出生存ルートを前提にした48話の別案である。
オルガについては48話よりももう少し前に死亡する更に前の案があったと監督の長井が語っているので、自販機の件が原案ではない。
近年のガンダムシリーズのキャラクターとしては非常に人気が高く、日本のアニメが公開されてから100周年を記念してNHKで行われたニッポンアニメ100の企画ではあらゆる古今のアニメ作品から「あなたが好きなアニメキャラ」第二位に視聴者の投票で選出されている。
この結果を踏まえて公式及びオルガの声を担当した細谷氏からも祝辞のコメントが寄せられた。
加えて平成30年5月5日に行われた全ガンダム大投票ではあらゆるキャラクターの中から作品別部門で一位に選出された。作品別の集計ではアムロ・レイやシャア・アズナブルを上回るなど昨今では群を抜いた知名度と人気を誇り、ガンダムシリーズの代表的なキャラクターとなっている。
ちなみに、Gジェネレーションクロスレイズでは、SEEDに同名のキャラ「オルガ・サブナック」がいる。
その為かクロト・ブエルの援護台詞「うっせーよオルガ」というものがあるのだが、このイツカさん相手にも言うという謎のファンサービスがある。
◆アトラ・ミクスタ
CV.金元寿子
鉄華団炊事係。元々はクリュセの雑貨店で働いており、CGSに食料の搬送を行っていた縁から少年兵たちとも親しい。
10才の頃は娼館と思わしき施設で下働きをしていたが、過酷な仕事とイビリに耐え兼ね脱走。行き倒れかけたところを三日月の仲介で雑貨店のおかみさんに拾われたことで、三日月に淡い恋心を抱いている。
鉄華団に来たのも彼のそばにいたいがためである。
優しく面倒見の良い性格だが、幼児体型が災いしてかお姉さんぶると年下の少年兵からはからかわれてしまう。
三日月にお揃いのブレスレットをお守りとして渡している。三日月もこのお守りを大切に扱っており、敵兵を射殺する際、意図的にお守りを付けた手を背中に回していた。
三日月への恋心からクーデリアを警戒しているものの、嫌っているわけではない為、ギスギスした感じにはなっていない。
むしろ関係は良好で「と言うか3人で一緒になっちゃえばいいじゃん!」という結論になりつつある。タービンズに妙な影響を受け過ぎである。
火星帰還後も引き続き鉄華団メンバーとして働いている。
以下、ネタバレ
最終決戦前、三日月の子を身ごもっていたため、クーデリアの勧めで一足早く本部を出る。その後、前の勤め先であった雑貨店に匿われ、最終決戦後もアドモス商会で保護され生存。
数年後、桜農園に居を構えクーデリアと同居しながら、三日月の忘れ形見「暁」を育てている。出産後から背丈も髪も著しく伸びてポニーテールになっていた。
放映終了後の公式イベントにて、同性婚によりクーデリアの嫁になっていたことが判明。
◆ビスケット・グリフォン
CV.花江夏樹
鉄華団の、もといオルガの参謀役で、恰幅のいい穏やかな少年。参番組で唯一就学経験があるため、世情にも詳しい。
元はドルト2のスラム街出身で、両親が事故死した後に火星で農園を営む祖母サクラの元へ移ってきた。
祖母と幼い双子の妹、クッキーとクラッカを養うためにCGSに入隊した苦労人。
以下、ネタバレ
ドルトコロニーの労働争議に鉄華団が介入する事態になった際、実兄サヴァランと再会。
しかし、ドルトの武装蜂起を押しとどめるため、クーデリアをアリアンロッドに引き渡そうとするサヴァランと鉄華団の家族を切れないビスケットは決別。
武装蜂起は決行され、アリアンロッドの鎮圧により多数の市民が犠牲となる。
サヴァラン自身は難を逃れるが、流血を招いた事を苦に自殺。ビスケットに堅気の仕事に就くよう忠告を遺した。
ビスケットは地球降下後に兄の自殺と遺言を知り、なおも危険な道を進もうとするオルガと衝突。鉄華団を抜けることまで考える。
オルガと話し合おうとするが、その暇もなく地球外縁軌道統制統合艦隊の襲撃を受け、指揮車の操縦士を引き受けることに。
そしてカルタ機に乗機を狙われ、外に身を乗り出していたオルガを振り落して庇うものの、自身はソードの一撃を受け、落命する。
古参かつ貴重なブレーキ役だった彼の死は団員全員に衝撃を与え、彼の願いとは裏腹にギャラルホルンへの報復を決意させるきっかけとなった。
そして、愛用していた帽子は同じく妹を養うタカキの手に渡った。
後にタカキは鉄華団を退団。最終的に帽子はアトラの元にわたり、亡き団員の遺影とともに桜農園に安置されている。
団の頭脳ポジションであり、(第二期での顛末もあってか)オルガに対等の立場から、他の陣営も含めた客観的で冷静な視点を基に
諫言できる人物であった彼の早すぎる死が、鉄華団の運営に暗い影を落としたという意見は多い。
◆ユージン・セブンスターク
CV.梅原裕一郎
オルガが入隊する前に参番組をまとめていた金髪の青年。オルガが乗る指揮車の操縦士になることが多い。
考えが浅く仕切りたがりな所があるため、オルガが来た後は一気に人が離れた。その為、当初はオルガに何かと反発していたが、彼の能力やカリスマは認め、憧れてもいる。
シノ曰く「中身はお坊ちゃん」だが、何だかんだで肝は据わっており、オルガからの信頼も厚い。
優れた阿頼耶識操艦技術で難所の航行を担当したり、オルガ不在の際はイサリビの指揮を務めるなど、肝心な時にはキッチリバッチリ決める副長的な存在となっている。
女性との関係は「純愛」を重視しているらしいが、結局歳星でシノに連れられて「男」になった。とは言え純愛に拘る所は変わらなかったようだが。
火星帰還後は正式に副団長に就任、デスクワークで忙しいオルガに代わり戦場で指揮を執ることも多い。
以下、ネタバレ
オルガの死後、副団長として、彼らを導き、脱出作戦においては、オルガの形見の専用獅電を駆って戦った。
当初は死ぬまで戦うつもりだったが、三日月に「副団長としての務めを果たせ」と脱出後以降の団員たちのことを頼まれ、年少組やダンテを連れ撤退。三日月と昭弘に後を任せ、脱出班に合流する。
脱出後は、クーデリアのスタッフとして働いている。仇敵のラスタルと対面した際には怒りが込み上げながらも抑え、ライドの対ノブリスのこだわりに対しては「まだ、あの時のことを」と心外な様子であったので、全部を許したわけではないが、過去よりも未来を見据える道を選んだことが覗える。
◆昭弘・アルトランド(あきひろ―)
CV.内匠靖明(少年時代:村中知)
ヒューマンデブリ組のリーダー格。ガチムチのあんちゃん。元々は商船団の子だったが、海賊に大人達を皆殺しにされた挙句、奴隷として売り飛ばされ弟と引き離された過去を持つ。
仲間意識こそ強いが内心は相応に荒んでおり、当初はオルガのクーデターにも「上が誰に変わろうがどうでもいい」という立場だった。*2
しかしオルガから売買証明書を譲渡され、改めて誘いを受ける形で正式に鉄華団に加わった後は、久し振りに得た「家族」を守るために活躍していくことになる。
阿頼耶識の手術を2度受けており、三日月に次ぐ操縦技術を持つ。三日月には何かとライバル心を抱いているが、関係自体は良好。
鹵獲したグレイズ改のパイロットとなったが、操縦席が阿頼耶識システムに対応していないため不慣れながらも自力で奮戦し、タービンズと合流後には姉さん達をMSのシミュレートに頻繁に誘う。
その後、ガンダム・グシオン鹵獲後には阿頼耶識を搭載したグシオンリベイク→グシオンリベイクフルシティに乗り換える。
趣味は筋トレ。それは守るべき者のために悔いを残さない為である。
火星帰還後は実働2番隊(シノ曰く「筋肉隊」)の隊長として引き続きMSのパイロットを務める。
タービンズのラフタ・フランクランドからは異性として好意を寄せられているが、鈍感ゆえに気づいていない。
以下、ネタバレ
タービンズと鉄華団の排除を目論むジャスレイの策謀の果てに「鉄華団の方から手を出させる」最後のトリガーとして、ラフタを暗殺されてしまう。
ラフタの無念を晴らすためにもジャスレイ組との戦いに臨み、戦いの最中、ガランに言われた言葉を思い出すが、「これ以上、大切なものを失うぐらいなら、マトモさなど捨てる」と守るべきもののために戦う決意を新たにする。
アリアンロッドとの最終決戦では三日月と2人最後まで戦場に残り、団員脱走の時間を稼ぐ。三日月と共に獅子奮迅の活躍を見せるも、ダインスレイヴで瀕死に追い込まれる。もはやマトモな戦闘など出来るはずもないが、それでも立ち上がり戦う意志を見せる。そんなときイオクの名乗りを耳にして奮起、シザーでイオクを乗機ごと引き倒して挟み潰す。
慌てて駆けつけたイオク部下が主君を救出するため昭弘をコクピット外から刺すも、最後の気力でイオクを完全に潰しタービンズメンバーとラフタの仇を討てたことに満足し、「いい土産話ができた」と呟いて、三日月より先に力尽き、両親と弟、ラフタの後を追って逝った。
ヒューマンデブリの昭弘の手でラスタルはガランに続いて、イオクも喪うことになり、「ヒューマンデブリ問題を放置しておいたら、どうなるか」を改めて知ったので、ラスタルにもダメージを与えたといえる。
だが、ジャスレイ同様にタービン夫妻やラフタの仇であるイオクに昭弘が怒りを燃え上がらせるシーンは最終回で初めて描かれた為、半分は取ってつけたような感じであるのも否めない。
◆ノルバ・シノ
CV.村田太志
陽気で面倒見のいい青年。年少組からよく慕われている。「ピアスのバカ」。ネーミングセンスは悪い。名字で呼ばれているのは、名前がCGS社長のマルバと似て紛らわしいため(それを指摘したのは三日月)。
食い意地が張っていたり、女の体への興味を恥じらいもなく力説したりと、ある意味リアルなティーンエイジの描写を担当。
ユージンとはバカ騒ぎもするし喧嘩もする、よき悪友関係にある。ユージンに女を教えたのも彼。ユージン曰く「詰めが甘い」とのこと。
鉄華団ではMW隊を1つ任されているが、体格を生かした肉弾戦も強い。
その一方で鉄華団の現状を冷静に見て取れる知性派にして、仲間の生死に過敏な人情家でもある。
愛機をピンクに塗装して「流星号」と呼ぶ拘りがあり、昭弘のグレイズ改を引き継いで以降もそれを通している。
エドモントン市街地戦でグレイズ・アインと対峙するも撃墜され深手を負ったものの生還。
火星帰還後は実働1番隊「流星隊(シノが勝手に呼んでいるだけで隊員からは不評)」隊長となった他、新兵教官として新入りをしごいている。
後にクリュセで発掘されたガンダム・フレーム、ガンダム・フラウロスを乗騎とした。
以下、ネタバレ
地球軌道上でのアリアンロッド艦隊戦において、倍の戦力差を挽回すべくラスタルの乗艦するスキップジャック級への狙撃を敢行。
レアアロイ弾頭を搭載したダインスレイヴ、自称スーパーギャラクシーキャノンでラスタルを狙う。
しかし三日月と交戦中だったジュリエッタ・ジュリスがこれに気づき、壊れかけていた自機の片腕をもぎ取って投げつけるという捨て身のインタラプトを受ける。
結果として射出の瞬間に射角を上にかち上げられたため、最後の魔弾は虚しくスキップジャック級の艦橋を掠めて空を切った。
万策尽きたシノは雄たけびを上げ特攻、護衛艦隊による一斉射撃を受けて果てる。
なお、最終回当日に行われた公式イベントによる監督発言で「バイセクシャル」であると語られたが、老若男女を受け入れる素地があるという意味合いが強く、バイではなくパンセクシャルなのではという解釈など、視聴者間では意見が分かれている。
ただし、後述する「ザックに知られた秘密」の正体でもあるため、案外男相手に朝チュンした経験は一度や二度では済まないのかも…。
ヤマギが自分に密かに恋をしていることには気づいていたが、彼を「家族のようなもの」と思っていたのですぐに応じることはできなかったものの、好いてもらっていることには悪くは思っておらず前向きに捉えていた。シノが生存していればヤマギの思いが叶っていた可能性もなくはない。
こういったネタ要素やキャラクター性の甲斐あってか、視聴者とキャスト陣の中には今も生存を願う人たちが少なくない。
◆ナディ・雪之丞・カッサパ(―ゆきのじょう―)
CV.斧アツシ
鉄華団整備士。腹巻きと両足の義足がトレードマークのガチムチ黒人。いわゆる「おやっさん」ポジ。
CGS社長マルバ・アーケイとは昔馴染みだった。
オルガのよき理解者であり、他のメンバーからも信頼は厚く慕われている貴重な大人。年長者らしくメンバーを宥めることもしばしば。
壱軍が逃亡した時もただ一人基地に残り、バルバトスの起動に貢献。鉄華団の結成後も残る事を選ぶ。
本職はMW専門で、当初は何かと勝手が違うMSの整備に悪戦苦闘していた。後にはクタン参型の操縦に駆り出されることも。
体臭がかなりキツイのだが、メリビットと交際を始めてからは、体臭問題は改善された。MSの整備に関しても、テイワズ傘下にいる期間にかなり学び直して腕を上げている。
以下ネタバレ
CGS時代からの知識で地下トンネルの存在を教え、このおかげで多くの団員が命を拾った。
鉄華団が追い詰められる中ギリギリまで残り、脱出トンネルの爆破準備をしていた整備班、前線から下げられたユージンらとともに脱出。
その後は元メンバー数人を雇って「カッサパファクトリー」というMWの整備などを行う工場を経営。メリビットと結婚し、子供も生まれ幸せに暮らしている。
年若い鉄華団を宥めることは多く理解は示すものの、具体的に行動についてアドバイスをしてやることはほぼ無く、静観することが多い。
そのため、「もっとしっかり叱るなり諭すなりするべきではないのか」等と言った意見もあり、彼の在り様は賛否が分かれる。
ただ、彼自身も少年兵同様に元はCGSの下っ端にすぎず、子供たちを導けるほどの器量はないのも妥当なことではあるか。
◆メリビット・ステープルトン
CV.田中理恵
鉄華団とタービンズが義兄弟の契りを結んだことで、マクマードの指名で鉄華団に派遣された女性職員。元はテイワズの銀行部門員だった。
事務作業や通信、医療など多彩な分野に通じ、団長のオルガのサポートを行うようになる。
時には大人の女性として彼にアドバイスを送ることもあるが、「カッコつけたい」オルガからはよそ者扱いされており、その関係は一筋縄ではいかない。
鉄華団では一番視聴者の目線に近いキャラクターであり、成長していったクーデリアに代わり、「一般人の反応」を担当するようになっていく。
一見すると邪魔なおばさんだが、復讐心にかられていく少年兵達を止められず涙するなど、メタ的には非常に重要な人物。
火星帰還後はお互い慣れたのか、一歩引きながらも程よい距離感でオルガをたしなめる立ち位置に落ち着いている。
さらに、雪之丞とも交際を始めたのだが、オルガとの間にフラグが立っていたと思われただけに仰天した人は多い。彼の前では結構乙女っぽく可愛らしい一面も見せる。
名前がどこかのパープルトンさんを彷彿とさせるが無論関係はないし、むしろいい女の部類に入る。
以下、ネタバレ
鉄華団がテイワズを離れた際、テイワズに退職届を出して鉄華団と歩む決心をする。
脱出の際は整備班から一足先に他メンバーを引率してトンネルに向かう。
その際雪之丞と死亡フラグっぽい会話をしていたがフラグをボッキリ折って生存。雪之丞と結婚して二児の母となった。
◆チャド・チャダーン
CV.石谷春貴
黒人のヒューマンデブリの青年。フミタンと共にイサリビの索敵・艦内管制を担当する。
首脳陣を除いたブリッジクルーの中では出番が多め(といっても彼とフミタンしかいないが)だが、彼がどんな声かすぐにイメージできる人は少ない。
第一クールのオープニングではシノとユージンのケンカを無表情のシャドーボクシングで煽っている。
火星帰還後は鉄華団がアーブラウの軍事顧問となったこともあり、地球へ降り地球支部のリーダー役として動いていた。
しかし蒔苗を狙った爆弾テロで重傷を負い、頭を失った地球支部の面々は謀略に踊らされることになってしまう。
結局地球支部は撤収となり、火星に戻ってからは実働2番隊のMSパイロットに転属した。
雪之丞がメリビットと付き合っていることについて、しばらくしても「信じられねぇ……」と語るなど妙に引きずっている。
地球支部在籍時もオルガへの全幅の信頼は揺るがなかった一方、年少組と違って「ラディーチェは自分達が馬鹿過ぎて見切りをつけたのかも」等と口にしていた。
行動には移せなかったが、地球支部の運営上の問題点も彼なりに理解しており、まとめ役の年長組として冷静さや配慮はしっかり持っているキャラクターである。
以下、ネタバレ
最終決戦前、オルガやアトラとともに一旦クリュセに出ていたところオルガ暗殺の際流れ弾で負傷していたため本部には戻れず、ライドと共にトンネルの出口側で待機して脱出組を迎える。
その後はアドモス商会に就職している。
オルガ暗殺を目の当たりにしたが、ライドとは違い復讐に燃えることはなかった。
◆ダンテ・モグロ
CV:濱野大輝
オレンジ髪のヒューマンデブリの青年。彼もMW隊を1つ任されている他、非常に高い電子戦技能を持つ。
第一クールのオープニングではシノとユージンのケンカを口笛吹いて煽っている。
運送目的でバルバトスへと搭乗しようとした際、三日月用にギリギリまで阿頼耶識のリミッターを外してあるバルバトスの膨大なフィードバックを受け失神するという憂き目に遭った。
火星帰還後はMS乗りに転向し、1番隊の隊員となった。調子に乗りやすい性格でラフタやアジーからしごかれている。
そのお調子者な性格のせいか、いつの間にかライドから呼び捨てにされていた。
―以下、ネタバレ
「夜明けの地平線団」との戦いでは倒した敵機からデータを抜いて解析した上味方に配布、首領のサンドバルを捕らえることに貢献。
最終決戦で一旦は前線に出たが、乗機の腕が破損したことで昭弘の強い勧めによりユージンらと一緒に撤退し生存。
最終回エピローグにおいて、デルマと一緒にアドモス商会傘下の孤児院で働いている。
◆タカキ・ウノ
CV.天崎滉平
年少組のリーダー格である13歳の少年。上が金髪、下が黒髪のツートンカラーの頭が特徴。
堅物に片足を突っ込みかけている委員長系の真面目な男の子で、少年兵としては例外的なまでに温厚。三日月の大ファン。
6歳下の妹・フウカを学校に入れるため、伝令や雑用、MWのオペレーターなど、様々な仕事に精を出す。
火星帰還後は妹を地球の学校に通わせるという目標を叶え、自身も地球支部の配属となり、妹やアストンと共に暮らしている。
以下、ネタバレ
「無音の戦争」に巻き込まれ、生来のお人よしが悪い方向に作用し、ラディーチェとガランにいいように利用され、アストンを始め多くの友を失う。
事態終結後はラディーチェを処刑して、ケジメをつけるが、フウカとの「今そこにある幸せ」を優先し、更なる拡大を目指す鉄華団からの脱退を決意。
餞別代りにオルガの斡旋で新たな職につき、地球で第二の人生を歩み始めるのであった。
実は再就職先というのが蒔苗東護ノ介の事務所。蒔苗と共に鉄華団メンバー脱出を陰ながら支援した。
成長後は蒔苗の後を継いだラスカー・アレジ議員の秘書として奮闘中で、将来の立候補を見込まれており、元鉄華団やクーデリアとも交流を続けている。
視聴者からは、優柔不断さに付け入れられたとはいえ、一切自分で判断もせずただ流された彼の責任が一切問われなかった点や、ヒューマンデブリなのに地球圏の政治家の仕事に就ける設定等に疑問を投げかける声も存在する。
◆ヤマギ・ギルマトン
CV.斉藤壮馬
金髪の鬼太郎ヘアが特徴の寡黙な少年。だが結構遠慮のないところがあり、言うときは言う。
機械いじりの才があり、雪之丞の助手を務める。シノになにやら複雑な感情を抱いており、彼が夜のお店に行くと不機嫌になる。
火星帰還後も引き続きメカニックの一員として鉄華団を支える。
以下、ネタバレ
シノへの感情はやはり明確に恋愛だったことが判明。とはいえ監督の言葉が正しければシノはバイなのでワンチャンなかったとはいえないのだが。
最終決戦でも他メンバーとともに生存し、戦後は雪之丞の経営する工場で働く。髪は少し伸ばして結んでおり、アドモス商会に就職した元団員たちとも交流を継続している模様。
その作業着には流星号に描かれた「目」のマークが付いておりシノへの想いは持ち続けている模様。
なお、元々整った顔立ちだったことや伸ばした髪などの影響で成長した姿は女性にも見える中性的な容姿になっており、謎の美少女(らしき)団員に視聴者諸兄が驚いたことは言うまでもない。
◆ライド・マッス
CV.田村睦心
オレンジ髪の活発な少年。年頃らしくやんちゃな性分だが、自分よりさらに年少の子供達を気遣う優しさも持つ。
絵心があり、暇があればイサリビの艦内に様々なストリートアートを書き連ねている。オルガは彼に鉄華団のエンブレム作成を依頼した。
エドモントン突入作戦で陽動をかけた際に乗機のMWごと橋から転落するもののなんとか生還。
火星帰還後はMSパイロットとなり実働2番隊員として昭弘を支える。
シノがフラウロスに乗り換えると専用獅電こと三代目流星号を受け継ぐことに。なお黄色ベースに塗り替え、「雷電号」に改称した。シノからは文句を言われたが、ライドは頑として譲らず、他の面子はどっこいだと笑っていた。
以下、ネタバレ
オルガの暗殺時、彼に庇われて一命をとりとめ、チャドとともにトンネルの向こう側から脱出組に情報を送る。
成長後はクーデリアたちと行動をともにしていたが、オルガの仇であるノブリスが火星に帰還したという情報を掴むと鉄華団の元メンバー数人と行方をくらます。*3
その後ノブリスを暗殺し、オルガの仇を討ったライドは雑踏へと消えていった。
これまで散々安全圏で暗躍、多くの悲劇を生みながらも報いを受けることがなかったノブリスに落とし前をつけさせたことには喝采を送る声も中にはあるが、
商人にすぎないノブリスだけを権力者側の報いの対象とする演出への是非・彼を庇ったオルガが望まないであろう修羅道を選んでしまったこと、など各々複雑な思いを抱く視聴者も多い。
ちなみに監督によれば元案では鉄華団はほぼ全滅予定、バルバトスの晒し首から平和パートはないままライド復讐でエンドであったため、こちらのエンドであればまた違った印象の作品になっていただろう。
スタッフによると、その後は少なくとも、「まだ絵を描いています」とのこと。
◆ダンジ・エイレイ
CV.山下大輝
「男児・英霊」とかいう死ぬために名づけられたような少年。1話ではタカキと行動を共にすることが多かった。
ギャラルホルン襲撃の際にMW搭乗を志願し、シノの隊に加わるが、オーリス機に武器も使われず蹴り殺されてしまう。
乗機の残骸からは遺骨すらも残らず焼失し、遺品は阿頼耶識のピアスのみ。それを手にしたシノの慟哭は、良くも悪くも本作の方向性を決定づけた。
「クソッ! お前言ってたじゃねぇか! 死ぬときはでっけぇおっぱいに埋もれて死にてぇって!
おっぱいは柔らけぇんだぞ……こんな堅いコックピットとは違うんだ! なぁ、ダンジぃ! 返事しろよぉ、おい……」*4
◆アストン / デルマ
CV.熊谷健太郎 / 室元気
顔に傷がある / 茶髪のヒューマンデブリの少年兵。元・ブルワーズのMS乗り。
苛烈な戦いを生き残った他のヒューマンデブリ達と共に、過去の遺恨を引きずらないオルガによって鉄華団に引き取られ、エドモントン突入作戦ではユージンらと共に増援に駆け付けた。
◆デクスター・キュラスター
CV.江越彬紀
鉄華団経理担当。紐フレームの眼鏡をかけたおじさん。身の安全が保障されるなら職務には忠実なタイプで、少年兵たちにも柔和に接する数少ない人間。
クーデター時には真っ先に退職しようとしたが、少年達に金回りを管理できる人間がいるはずもなかったため、名指しで残らされた(拒否すれば射殺)苦労人。
とはいえ、壱番組が参番組の身体の小さい者にも暴力を振るう様を止められなかったことに罪悪感を抱いていたことから、現在の鉄華団に安らぎを感じてもいるようで、残留組の子供たちと共に穏やかな顔でシャトルを見送る姿も見せている。
二期でも各種事務担当として所属しており、戦闘の関わらない所では現場を任される事もあるなど、地味ながら鉄華団の大黒柱の一人となっている。
以下、ネタバレ
鉄華団がマクギリスの協力者として指名手配され口座凍結で資金が動かせなくなる中、
別口でプールしていた資金の回収に成功。これが地球への脱出を計る最後の資金として用いられる。
その後は火星連合議長となったクーデリアに代わり、アドモス商会の運営に携わることになった。
第2期時点からのメンバー
◆アストン・アルトランド
CV:熊谷健太郎
名前が変わったので改めて記載。
鉄華団に加入後、昭弘の弟分的存在として彼の姓を貰い、鉄華団地球支部に配属。チャド、タカキと共に中心メンバーとなる。
タカキとフウカとの交流を経て徐々に普通の生活に順応しつつあるが、ヒューマンデブリとしての考え方が染み付いていて、危うい言動をこぼしてしまうことも。
彼を初めとした、元ブルワーズは大人への敵意と対抗心は人一倍であり、仕事先のア-ブラウ防衛軍や同僚のラディーチェと揉めることも玉に瑕となっている。
以下、ネタバレ
SAUとの戦争、通称「無音の戦争」において、ガランとラディーチェの謀略に違和感を覚えつつもタカキに従う形で黙殺。結果マクギリスとの交戦を押しつけられ、突出したタカキを庇って致命傷を負う。
最期はヒューマンデブリに染み付いた諦観と彼への感謝を吐露し、友に看取られて息を引き取った。
◆デルマ・アルトランド
CV:室元気
こちらもアストン同様、昭弘から姓を貰い鉄華団実働1番隊の所属となる。
MS操縦経験が長いためパイロットとしては優秀で、同隊のダンテのフォローに回ることも多い。
―以下、ネタバレ
地球支部撤収後はアストンの無念に報いるため、ヒューマンデブリの象徴的な機体であるランドマン・ロディに乗り換える。
アリアンロッドとの戦いで片腕を失い、最終戦時も殿組に志願するが昭弘に却下されてメリビットらと脱出。
その後は義手をつけてダンテと共に孤児院で働いている。
◆ハッシュ・ミディ
CV:逢坂良太
規模を拡大した鉄華団に入ってきた新人。スラム街出身の青年。17歳。
普段は気だるげな態度を見せているものの、生きるための「力」を強く求めており、その根幹には幼い頃、彼にとって兄貴分の少年だったビルスの存在がある。
ハッシュ達を養うためにCGSへ出稼ぎに行ったビルスは阿頼耶識の施術に失敗。
CGSに打ち捨てられた姿は生々しい施術痕と下半身不随という後遺症を抱えるというあまりにも悲惨なものだった。
例え施術に失敗しても兄貴分であることに変わりはないと看護に励むハッシュの努力も虚しく、ビルスは自責の念から自害してしまう。
健全なライバル精神ではなく、逆恨みに近い嫉心から、施術に三度耐えた三日月を超えるべき存在として何かと突っかかっていたが、実戦で三日月の実力を目の当たりにさせられたことで考えを改め、彼にMS乗りとしての弟子入りを志願。
遊撃隊2番機として経験を積むことになり、色々な意味でハードな三日月の研修に耐える日々を過ごす。
だがその手のひらを反したかのような気持ち悪いまでの敬意は周りを困惑させ、当の三日月からもストレートにウザがれている。
彼が三日月にやった「お米様抱っこ」は色々話題になった。
以下、ネタバレ
ウザがられながらも三日月に献身的に尽くし、徐々に信頼を勝ち得ていく。
バルバトスの性能を引き出したため、自力での歩行が不可能となった三日月を運ぶ役割を担っている。
MSパイロットとしても飛躍的な成長を遂げ、タービンズから譲渡された辟邪のパイロットに任じられて何度も活躍を見せた。
しかし、鉄華団脱出作戦の時間稼ぎでは辟邪に地上戦のデータが不足していたために上手く動かせず、その隙に迫ってきたグレイズこそ撃墜したものの相討ちでコックピットにバトルアックスを叩き込まれて致命傷を負う。
助けに来た三日月にここは任せて行くように告げ、絶命した。三日月の方も死にゆく彼に「任せた」と声をかけ敬意を払う。
Gジェネレーション クロスレイズでは鉄血最終ステージにて撃墜されなければ、
三日月に「後は任せたぞ」と原作通りの言葉をかけられ、撤退し生存する。
この生存で何かが変わったかは語られてはいないが、散った三日月の弔いを済ませた後、新たな戦いに身を投じているだろう。
◆デイン・ウハイ
CV:木村昴
規模を拡大した鉄華団に入ってきた新人。糸目の巨漢。体躯に似合わず精密な作業が得意。
穏やかな性格で口数は少なく、ザックの戯言やハッシュの述懐の聞き役に回ることが多い。名ありの新入りたちの中では良心的存在。
若干の周りと馬が合わないこともあり、ハッシュから「急に喋るとビックリする」と言われたり、彼の筋トレに付き合うため腕立て中(しかも片手)に背中に乗っかる等、悪意はないが噛み合わないことが多い。
以下、ネタバレ
だが、その外見や性格とは裏腹に殺人を犯した過去を持ち、そんな自分を受け入れてくれた鉄華団に大変感謝している。
最終決戦時は雪之丞らとともにギリギリまで残り、脱出組が全員トンネルに入った後に通路を爆破する仕掛けの設置を担当。
その後はザックと一緒にカッサパファクトリーに入社した。
◆ザック・ロウ
CV:古川慎
規模を拡大した鉄華団に入ってきた新人。デカいサザエさんヘアーリーゼントが目立つ青年。
数少ない就学組で恐らく高学歴、実家も裕福で親も健在と珍しく恵まれた出身。
学校でメカニック系を専門に学んだため電子情報関係に強く、モビルアーマー戦でののっぴきならない状況下でガンダム・フレームと阿頼耶識のリミッター制御構造を即座に見抜く程に優秀。
鉄華団に対する憧れから入団したものの、あまり訓練に身が入らないので教官役の先輩達に怒られてばかりいる。
団員の中では恵まれた育ちのため、人殺しも平然と行う貧民出身組との感覚には違和感がどうしてもあり、初陣で同期の死を目の当たりにし一時は凹むが、シノと昭弘の励ましで吹っ切れたのか、その後は憧れから来る出世欲を頻繁に口走るようになった。
ハッシュとデインにも茶々を入れる良き悪友関係を築いている。
風俗関係の知識もあるようで、シノと共に夜の街へ繰り出すことも。これに当たってシノの弱みを握ったらしく、上下関係が入れ替わった様子。何があった。
一応、育ちが良かったので昔から悪い遊びが出来たから、という理由が本編外で明かされたが…。
以下、ネタバレ
だが、ジャスレイへの落とし前を付けて以降、鉄華団の方針に疑念を抱くようになる。
新参の彼からすればテイワズという巨大組織の庇護を自ら離れ、ギャラルホルンの反逆者に共鳴して火星の独立戦争をしかける、などという方針は荒唐無稽な与太話であった。
アリアンロッドとの戦闘で火星に撤退後、オルガの解散命令に賛同し、同じ賛同者たちと共に脱退。
学問を修め、外には家族という帰るべき場所を持つ彼が鉄華団しか居場所がないメンバーを思って涙するシーンは視聴者の共感を誘った。
しかし、脱退を試みるもすでに鉄華団は火星に降り立ったギャラルホルンに包囲されていた。
包囲網から生き延びる為、鉄華団に戻り、脱出トンネル掘り作業に協力。辛うじて脱出できたが、殿を担ったハッシュの戦死を知り、涙を流す。
最終決戦後は他メンバーとともに生存し、デインと一緒にカッサパファクトリーで働く。本編でもデインに犯罪歴がなければ実家が経営する会社に彼をコネ入社させられる立場であったため、恐らく将来は実家に戻り、最終的には経営者になるであろうと思われる。
ちなみにスーツ姿でリーゼントはやめ、オールバックにした模様。
◆エンビ
CV: 石上静香
◆エルガー
CV: 芳野由奈
◆トロウ
CV: 久保ユリカ
◆ヒルメ
CV: 大地葉
一期では裏方作業を手伝っていた年少組の少年達で、クーデリアに読み書きを習っていた。エンビとエルガーが双子。
二期からはMWにも乗り込み新人であるハッシュ達に激を飛ばしており、宇宙ではイサリビ及びホタルビのオペレーターを務めている。
以下、ネタバレ
最終決戦に4人とも獅電で参加したが、エルガーがハッシュの死亡直後に討たれて戦死。
撤退を言い渡されたダンテ、ユージンとともに3人が撤退して整備班とともにトンネルから脱出して生還。
◆ラディーチェ・リロト
CV:深川和征
新たにエドモントンに設置された鉄華団地球支部の監査役としてやってきたテイワズの男性社員。
年齢は二十代半ばから三十代半ばといったところだが、それに似合わない年季のある渋い顔をしている。目はやや細めで表情は常に暗く、不機嫌ではないかと思わせるような表情を浮かべている。
地球支部で唯一会計や事務の業務が可能だという理由で、その分野を担当する。
現実でも監査は現場から敵視ないし倦厭されがちだが、この鉄華団でも例に漏れず、「テイワズ本部から自分達を監視、牽制する為に派遣されたスパイ同然の輩」として、チャドとタカキ以外の地球支部メンバーからは疎まれている。
ラディーチェ自身も大人らしく合理的・理論的な行動に重きを置くため、現地のアーブラウ軍とよく揉め事を起こす少年兵達を快く思っておらず、
ラディーチェを嫌ってはいないチャドやタカキからも「家族」という精神論で不満を片付けられてしまっているが、仕事自体は真面目にソツなくこなしている。
―以下、ネタバレ
仕事自体はこなし続けていたものの、鉄華団地球支部がアーブラウ防衛軍の発足式に参加する頃にはラディーチェは鉄華団と完全に道を違えていた。
ガラン・モッサと手を組んだ彼は、式典会場の爆破事件を皮切りにしたアーブラウとSAU間の紛争を利用して地球支部への打撃を画策する。
チャドの負傷で指揮官代理になったタカキに意思決定権を委ねるという立ち位置を確保しつつ、戦争長期化のために鉄華団本部と地球支部の連絡網を絶つといった情報操作を続け、ガランを指揮官として介入させることで戦局に大きな影響を及ぼした。
しかし予想以上に早く火星本部からの応援が到着し、頼みの綱のガランはラディーチェを見捨てて逃走してしまう。
そのため、彼はガランに対して対等な立場を保てるように独力で調べ上げた隠れ家の情報を鉄華団本部メンバーに渡して保身を図った(ガランは追撃した昭宏により戦死、情報こそ正しかったものの情状酌量はつかなかった)。最後は激しい尋問の末、改めて話を聞いてくれることになったタカキとの対峙の末、タカキに射殺された。
背信行為自体は彼の非だが、同時に鉄華団が抱えていた組織における問題点や不幸な点が浮き彫りになった事例でもあった。
- 地球支部には雪之丞のように「愚痴や不満を聞いてくれたり、論してくれる大人」がいなかったことから、ラディーチェと少年兵の溝は深まるばかりだった。
- 団長のオルガは事務経理関係の知識を吸収したが、彼の抱え込みがちな気質が災いして「オルガ以外の少年達は誰一人、事務方の知識がない(乏しい)」ままであり、人事配置に関しても配慮が足りなかった。
- アーヴラウの防衛任務を担当する以上、現地の正規軍との関係性は可能な限り穏便に済まさなければならないところ、団員と正規軍の間で率先して揉め事を起こしてしまった。*5
外部監査に自社の経理関係を一任するのは、言わば弁護士や検察官と裁判官を一人が兼任するに等しい異常事態である。ラディ―チェに最初から悪意があれば、不正会計の捏造等、財政を破壊した上でテイワズ本部に報告出来たため、スパイに全て曝け出しているに等しい。
それまで身内だけで「家族」として活動し続けた鉄華団内における、組織として人を動かす意識や危機管理意識の希薄さが見て取れる。
また、たった一人で地球支部の規模を支えるのは尋常ではなく、ラディーチェの有能さが証明されていたことが、彼を粛清した後に分かったことは皮肉としか言いようがない。
だが、ラディーチェも鉄華団に不満があるのなら、異動願いを出すなどの他にも手段がなかった訳ではなかったろうに嫌がらせを込めて地球支部を消耗・壊滅させたのも紛れもない事実である。
少なくとも劇中では異動願いなどができない理由などは描かれてはいない。
少年兵に理解を示すデクスターと配置が逆だったら、相容れなくても裏切りまではしなかったかもしれない。
おやっさんやデクスターにメリビットと、鉄華団は「少年兵の叛逆からのスタート」という出自に反して年長者にはそれなりに恵まれていた逆説的な証左でもあったと言えよう。
こうした背景を踏まえるとラディーチェと鉄華団のどっちが悪いかといった単純な問題ではなく、どちらももう少し歩み寄る姿勢があれば最悪の事態は防げたかもしれない。
とはいえ、ラディーチェがまともに仕事をしていた時期からタカキ以外の鉄華団メンバーの風当たりは非常に強かった。一部のメンバーに至っては事務仕事を専任していたラディーチェのことをいつまでここにいるのかと文句を言うほどであり、ラディーチェから歩み寄るのは無理があったと擁護する意見もある。
加えてラディーチェの一件の事後処理において、ラディーチェ一人に事務仕事を押し付けていた問題を副団長のユージンはラディーチェが地球支部を乗っ取っていたと解釈し、団長のオルガも仕方ないの一言で済ませてしまった。
こうした大人達による支配からを目指しつつも自分達は子供だから仕方がない部分があるという姿勢のまま迎えてしまったのが『マクギリス・ファリド事件』であり、団長のオルガ・イツカ始め幹部メンバー数人の死亡及び鉄華団自体の壊滅という最悪の結末を迎えてしまう。ラディーチェは鉄華団の問題点と始まりから終わりまでの縮図ともいえるキャラクターともいえるかもしれない。
CGSのメンバー
◆マルバ・アーケイ
CV.宝亀克寿
CGS社長。厳つい小太りの中年男性。
昔なじみの雪之丞曰く「昔は犬好きのいい奴だった」そうだが、今ではリアル肉壁としてヒューマンデブリを買い漁り、志願してきた少年兵には阿頼耶識の手術を強制し、軍人でも躊躇うような仕事をやらせるクズ野郎となってしまった。
ただし阿頼耶識の手術も「識字能力も無い孤児でも、難なく情報をインプットさせる」という効率上の利点あってのことで、
使い潰す前提とはいえヒューマンデブリの参番組にも家族を養える程度の給金は与えていたりと、
これでもヒューマンデブリを扱う経営者の中では比較的まともな意識と振る舞いをしており、オルガもマシな部類と評価している。
ギャラルホルンの襲撃時にはありったけの現金を抱え、先陣を切って逃亡。そのまま行方をくらましている内に会社が乗っ取られ、路頭に迷うことになる。
火星のPMCの経営者の中ではマシと看做されていたからか、馴染の名瀬に拾われ、会社を取り戻せるように仲裁して貰う手筈となったが、阿頼耶識を扱っていることがバレてしまい、ケジメとしてテイワズの資源衛星で強制労働をさせられることになった。
◆ハエダ・グンネル/ササイ・ヤンガス
CV.山口太郎/野川雅史
一軍隊長とその腰巾着。どちらも参番組を捨て駒扱いし、暴力で言うことを利かせるクズ。
楽だから、という理由だけで普段から任務を参番組に押し付け、訓練もサボっていた。そのため、目立った能力もなく、オルガからは酷評されている。
ギャラルホルンの襲撃時は率先して逃亡し、それをオルガに囮として利用されるが、辛うじて生還。
帰って来た途端にオルガを見せしめにボコ殴りにしたため、「経営者としてはマシだったマルバとは比較にならず、こいつらが新社長になったら会社はお終い」と参番組首脳陣の危機感を煽り、睡眠薬入りの飯テロで昏倒・拘束される。
仲間の犠牲を出した落とし前としてハエダは三日月に射殺されるが、その直前まで、圧倒的不利な状況におかれた自分の立場を認識できずに怒鳴り散らしていた。
ササイに至ってはハエダの射殺直後に、何をトチ狂ったのか(銃を構えたままの)三日月に突進する暴挙に及んだ。
……ノコノコ戻ってきた後に「トットとズラかろう」と、遅すぎる相談をしている点といい、参番組の決断が正しかったことをその命にかえて証明した点は評価されるべきか。
◆トド・ミルコネン
CV.青山穣
参番組の監督を押し付けられている下っ端のちょび髭。痩せぎすだが腹だけ出ている所を見ると、彼も貧しい食生活で育ってきたことが覗える。
サボり癖の為に子供達の監視はあまりきつくなかったようで、少年兵からは大して相手にもされていない。
壱軍の大部分が退職する中、彼はアドバイザーを気取って自ら鉄華団に残留。情報を売って甘い汁を吸おうとしたが、オルガには最初から見破られていた挙句、内通先からも切り捨てられた。
タコ殴りの上でパンツ1枚で宇宙漂流刑に処され、ギャラルホルンに拾われるが、そのアングラなコネをマクギリスに見いだされ、なんとクーデリア確保のための手回しにこき使われるようになる。
上品な服を貰ってしれっと立っている姿は視聴者を呆気に取らせた。
悪役はとことん「悪役」をしている『鉄血』だが、その中でも彼は珍しい「笑える悪役」。
ある意味一番厄介な立場故に、クーデリア役の寺崎裕香女史にはラジオで「ゴキブリ」「さっさと始末しておけばよかったのでは(意訳)」などと言い放たれた。
その後もちゃっかりモンターク商会の専務にまでなっており、鉄華団とのパイプ役として動いている。
蝙蝠一辺倒かと思いきや、崖っぷちになったマクギリスの最後の出撃寸前まで付き合うなど彼なりの義理はある模様。
専務にまで取り立てるなど、何かといい思いをさせてくれたマクギリスに対する恩義は相当強かったことが伺われる。
死の出撃を決意したマクギリスに武運を祈る言葉をかけ、どこか優しげな視線を彼に向けて劇中から退場した。
監督によるとマクギリスの死後はモンターク商会を引き継ぎ、どうやったのかは不明だが彼の遺産も無事に相続できた模様。
保有戦力・艦艇等
◆ガンダム・フレーム
厄祭戦末期に開発されたフレームで、エイハブ・リアクターを2個積みした圧倒的大出力が特徴。厄祭戦後の現存機は26機と数少ない。
ここでは鉄華団所属のものだけを記載する。
- ASW-G-08 ガンダム・バルバトス:火星の砂漠に放置されていたのをマルバが発見し、基地動力炉として使用していた。
- ASW-G-11 ガンダム・グシオン:海賊組織ブルワーズから接収し、改修されて配備される。
- ASW-G-64 ガンダム・フラウロス:火星のハーフメタル鉱脈にて発掘された重砲撃機。
◆グレイズ・フレーム
ギャラルホルンの最新鋭量産フレーム。汎用性の高い万能機。
- EB-06/tc グレイズ改:鉄華団が鹵獲したグレイズを修復したもの。後に「改弐」として再改修され、「流星号」と名付けられる。
◆その他のモビルスーツ
- ランドマン・ロディ:元・ブルワーズの主力機。売れ残りを地上戦仕様に改修したもの。
- STH-20 辟邪(へきじゃ):百錬・百里の長所を統合した次世代機。
- STH-16 獅電(しでん):機動性・戦闘力・換装装備のバランスに優れた汎用機。詳細はテイワズ・フレームMSの項目を参照。
鉄華団では通常のタイプの他、シノ(後にライド)専用改修機と、オルガに用意された白い専用機が存在している。
◆JEE-M103 クタン参型
エウロ・エレクトロニクス製輸送機。エイハブ・リアクターは未搭載ながら、推進剤タンク付き大型ブースター2基を用いて圏外圏の長距離運用を実現した。
テイワズ傘下に加わったことで、鉄華団にも数機が供給され活躍した。
◆NOA-0093 強襲装甲艦「イサリビ」
漁火。鉄華団の宇宙戦闘艦として活躍する。CGS時代の旧名は「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」。
詳細は強襲装甲艦(鉄血のオルフェンズ)を参照。
◆NOA-0132 武装輸送艦「ホタルビ」
強襲装甲艦の両舷船腹から船尾にかけてを2基の大型コンテナブロックに改装した鉄華団の輸送艦。
MS戦力の大半はこちらに搭載される。
追記・修正をお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,22)
[#include(name=テンプレ3)]
分離独立元の機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズのコメント欄の事情を鑑みて、コメント欄なしで記事を作成しています。
コメント欄新設を希望する場合は、必ず項目議論用スレ・コメント欄リセット及び撤去専用スレ・およびコメント欄復活相談スレへの相談(必ずageること)の上、
数人からの了解を得てからにしてください。ご理解の程よろしくお願いいたします。
*2 1期の冒頭で壱軍に殴打されるシーンでは他のヒューマンデブリと同じく抵抗する事なく上の命令に従う等、すっかりヒューマンデブリとしての立場を受け入れていた。
*3 ライドの失踪を知ったユージンが「あいつ、まだあの時のことを」と口にしていたことから、ノブリスがオルガの仇である事実が既に元鉄華団のメンバーの間で知れ渡っていた模様。
*4 ムードメイカーであるシノのセリフにはこういった『思春期の青少年らしいバカ話』も多いが、一方でこのセリフからは「彼ら少年兵たちは親の顔も知らず母性に飢えていた者も多い」というハードな事実を察することもできる。
*5 アーブラウ防衛軍結成式典の時には一部の団員が「あんな使えねえじじい共が防衛軍かよ」と陰口を叩いていた。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧