登録日:2016/12/23 (金) 10:43:00
更新日:2024/02/01 Thu 13:54:03NEW!
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シムシティ シミュレーション 都市 市長 シリーズ項目 ゲーム マクシス 都市開発 センスが問われる 市政
マクシスが開発している、都市開発シミュレーション。
シリーズにはいくつかの作品があるが、すべきことはどの作品も変わらない。
住宅や職場、インフラ、公共施設を提供したり、市民の不満を解消して、街を発展させていくことである。
資金に余裕があれば見た目にこだわってみたり、あるいは浪漫たっぷりの街を目指してみるのもいいだろう。
総じて市長の腕とセンスが問われるゲームである。
作品一覧
SimCity / シムシティー
1989年に発売された、シリーズ最初の作品。後に様々なプラットフォームにて発売された。
ちなみにスーパーファミコン版は「シムシティ」ではなく「シムシティー」が公式名称である。
CM
今日からあなたが、市長です。
僕が…市長…!?
誕市
生長
市長になって、街を作ろう!
次々起こる問題を、君はどう解決する!?
公
害
税
金
渋
滞
犯
罪
新しい都市作りSLG
スーパーファミコン
simcity
シムシティー
新発売!
学校の宿題くらいやっといてくれたまえ、僕は忙しいんだから。
時代が時代なので、後発作品と比べると非常に簡素な作品である。
しかし、すでに「住宅・商業・工業」という分類や「地価」「公害」といった後発作品でもおなじみの要素が確立されている。
SimCity 2000 / シムシティ2000
1994年に発売されたシリーズ第2作。
後にスーパーファミコン、セガサターン、プレイステーション、ニンテンドウ64などにも移植されており、プラットフォームごとに細かな相違点があったりする。
前作から大きく変わった点は、やはりグラフィックであろう。
街を真上からではなく、斜め上から見た「クォータービュー」となり、建物の高さが分かりやすくなったり、地形の高低という概念が生まれた。
更に区画の設置も3x3ではなく1x1単位で設定できるようになり、街作りの自由度が高くなった。
建物の種類も大幅に増えており、より華やかな都市が作れるようになっている。
最終的には都市機能を内包し、数万人規模の市民が居住できる未来の超高層ビル「アルコロジー」の建設が可能になり、これを用いて人類を宇宙に進出させるのが一応の目標となる。
SimCity 3000 / シムシティ3000
1999年に発売されたシリーズ第3作。
シムシティ2000から引き続きクォータービューを採用。
シムシティ2000のシステムをそのままに様々な追加要素を加えた発展型。
建物は5タイル以内ならば電力を供給できるようになり、道路をまたぐ送電線を設置する手間が省けるようになった。
区画が低密度、高密度に加えて「中密度」が追加され、密度ごとの建物の違いがより分かりやすくなった。
よりリアルな都市経営がテーマになっており、アルコロジーのような現実に存在しない要素はなくなっている。
その代わり世界各国の著名な建築物を都市に設置できるランドマークを建てることが出来る。
市民の幸福度(オーラ)やゴミや水質汚濁、近隣都市との取引の概念が追加されたのも本作。
ハエがたかる埋立地や、煙をもうもうと上げるゴミ焼却炉がどうしても必要となってくる。
このような幸福度を下げるNIMBY(Not In My BackYard 訳:必要なのはわかるがウチの隣に造らないでくれ)効果をもった建物の設置に終始頭を悩ませる事になる。
2000と比べて便利な建築物に頼った力技の都市経営が通用しづらくなっており、難易度は向上している。
後に発売された「シムシティDS」「シムシティDS2」「シムシティクリエイター」等は、本作がベースとなっている。
SimCity 4 / シムシティ4
2003年に発売されたシリーズ第4作。
今作の最大の特徴は、都市間の相互連携。
今までの作品では、近隣都市との取引はおまけのようなものであったが、今作はひとつの「地域」に複数の「都市」を作ることができるので
余っている電力や水を隣の都市から購入したり、市民が往来することにより住宅・商業・工業の需要が変動するなど、ゲームに大きな影響を及ぼすようになっている。
他にも、グラフィックや表現での面の進歩が著しい。
「3000」までと違い本作の建物はドット絵ではなく、ディテールも細かいため、ズームしても美麗である。
発売当時はハイスペックPCを持っていても、都市が大きくなってくると処理落ち等の問題に悩まされていたようだが
PCのスペックが追いついてきた現代では、市販のノートパソコンでも問題なくプレイできる。時代の進歩は恐ろしい。
忘れてはいけないのが「地形」の進化。
起伏が細かくなり、なだらかな斜面から険しい山まで自由自在。斜面が緩やかならば、道路や建物を建設することもできるようになったため、
今までの作品では難しかった「斜面に建つ街」も、今作では難なく作ることができる。
また、公式から配布されているツールを使用することで、ゲームに新たな建物や公共施設を追加することができる。
発売から10年以上が経過した現在でも、有志によってクオリティの高い作品が数多く投稿されている。
後に、拡張パックである「シムシティ4 ラッシュアワー」、無印と拡張パックを同梱した「シムシティ4 デラックス」が発売されている。
2010年には「シムシティ4 デラックス」がSteamで販売開始(残念ながらSteam版は日本語化されていないが)。
旧来のパッケージ版と比較すると「マルチコアCPUに対応」「ディスクの出し入れを必要としない」等のメリットがある。
2015年9月のWindows UpdateでSafeDiscが無効化されてしまった都合上、現在のWindowsでは起動することができなくなっている。
KB3086255をアンインストールすることで起動可能となるが、セキュリティ上の問題が生じる点に注意。
また、Windows10では最初からSafeDiscが無効化されており、ディスクによる起動は不可能。
こういうこともあり、今から遊びたい人は、Steam版を購入することをオススメする。
英語が苦手な人でも、英和辞典と試行錯誤があればどうにかなる。
SimCity Societies / シムシティ ソサエティーズ
2007年に発売されたシリーズ第5作。そしてシリーズ最大の異色作である。
とにかく異色なので、今までのシムシティを期待するとがっかりすること請け合いである。
今作をもって、ついに建物が3D化。都市を自由な方向から眺められる。
今作では区画という概念はなく、建物が生えてくるのを待つ必要もない。建物は自分で設置するものである。
同じ種類の建物ばかり設置してもダメで、バランス良く様々な建物を設置していかなければいけない。
シムシティというよりは、イーフロンティア社の「シティーライフ」の方が近い。
SimCity / シムシティ(2013)
2013年に発売されたシリーズ第6作。
タイトルは「シムシティ」だが、第1作と紛らわしいので、「シムシティ(2013)」と書かれることが多い。
プレイするためには、デジタル配信プラットフォーム「Origin」のインストールが必須。
街は「ソサエティーズ」同様のフル3D。そしてカメラワークの自由度は更に増加。
真上から街全体を見下ろしたり、市民の目線の高さから摩天楼を見上げることもできるようになった。
今作では、自由に曲線道路を引くことができるようになった。
区画は道路の脇を塗るように指定し、道路に面するように建物が生えてくる。
今までの作品では不自然になりがちだった「碁盤状でない都市」も、今作では比較的自然な仕上がりになる。
都市の相互作用は、「シムシティ4」よりも更に大きな影響を及ぼすようになった。
「シムシティ4」であった労働者の通勤、都市間の電力・水道・資源・ゴミの取引などはもちろん、
犯罪率の高い都市が近くにあれば犯罪者が流入してきたり、定員割れのある他都市の学校からスクールバスが派遣されたりもする。
理想の都市を作りたいならば、相互影響をきちんと理解することが、今まで以上に重要な要素となる。
ひとつの地域を複数人で共有し、それぞれの都市を作っていくオンラインプレイもできる。
身内でやるも良し、不特定多数のプレイヤーを募ってみるのも良し。
リリース当初はサーバーへの接続が必須であったが、サーバーのキャパシティが接続人数に見合っておらず
「途中で切断される」「データが保存されない」「そもそも接続できない」等の問題が相次いだ。
しばらくしてサーバー増設によりキャパシティ問題が解決され、アップデートによりオフラインプレイも可能となった、現在ではサーバー接続に関する問題はほぼ無いと言ってよい。
拡張パックである「シムシティ シティーズ オブ トゥモロー」も発売されたが、今なお解決できないバグや大規模マップの実装断念など、総じて「未完成」なゲームとなっている。
SimCity: BuildIt / シムシティ ビルドイット
2014年に発表されたモバイル端末(iOS/Android)向けのシリーズ第7作。
シムシティ(2013)をベースとしているが、スマホ向けに税収や区画整備などのゲームの主要な要素が簡略化されている。
工場や商業施設で資金・資材を生産して住居を建築したりアップグレードを施すことで、少しずつ都市を広げていくというソサエティーズに近いゲーム内容となっている。
無料のスマホゲーという性質上、時間を早めたりチートコードで資金を増やすと言った要素は課金が必要になる。
すべての建物が自由に移動できるようになり、アップデートで様々な建物が追加されているので、都市をデザインするという点における自由度の高さが魅力。市長クラブというギルド機能によってオンライン協力も可能になっている。
一方で、それぞれの都市に災害を起こして破壊し合うことでポイントを競うクラブ大戦が実装されるなど、都市開発ゲームと言うにはピントのズレた要素もある。
主な要素
交通
シムシティの世界は車社会。道路がなければ何も始まらない。
しかし道路ばかりでは、溢れかえった自動車が交通渋滞と大気汚染を引き起こすことになる。
車だけでなく、余裕があれば公共交通機関も活用していきたい。
地区と需要
多くのシムシティシリーズに存在する、街づくりの根幹となる要素。
住宅(Residential)、商業(Commercial)、工業(Industry)の3種類の地区が存在し、市民に住居や仕事を提供するために必要不可欠である。
画面の片隅に見える3本のバー(需要インジケータ)は、それぞれの需要と供給のバランスを表している。
需要過多ならば空き地から建物が生えてくるが、供給過多ならばすでにある建物が廃墟となってしまうかもしれない。
これを考えながらバランスよく3種類の地区を設置していく必要がある。
インフラ
都市には電力や水道を供給することが不可欠。
電気がない場所には、どんな貧乏人であろうと住んではくれないだろう。
水がなければ都市の発展は滞り、高所得の住民は去ってしまう。
公共施設
犯罪率を減らし、市民を幸せにする「警察署」、
火災を抑制し、都市を災害から守る「消防署」、
市民に教育を施し、裕福で公害の少ない仕事に就けるようにする「学校・図書館」などが存在する。
すぐには効果が現れないので、無くても良いと思うかもしれない。
しかし、公共サービスに費やしたお金は、巡り巡ってよりよい街を作るための原動力になるだろう。
地価・幸福度
都市の発展に大きく関わってくる要素。周囲の公共施設や、公害などにより変動する。
地価や幸福度の高い地域では、高いグレードの建物が生えやすくなり、より多くの人口を保有できるようになる。
市民が住みたい場所は、きっとあなたも「住みたい」と思える場所である。
公害
どのシリーズでも市長の頭を悩ませることになる、都市の発展の妨げとなる要素。
シムシティシリーズでは技術があまり発展していないのか、建物から出る公害が大きく、工業地域や火力発電所はたいへんな公害を生み出す。
もちろん住民は公害を嫌うので、どうにかして解消する必要があるが、公害を完全になくすことは不可能。
大抵の場合、住宅地区と工業地区を離すのが一番手っ取り早い。シムシティは公害をマップの端へ追いやるゲームなのだ。
災害
難易度に応じてランダムに発生する。
大地震、洪水、竜巻、怪獣、飛行機事故などがあり、規模は様々だが建物を損壊させ火災を発生させる。
放置しておくと都市が壊滅してしまうので、延焼を防いだりインフラを回復させたりして被害を最小限に食い止めて復興を急ごう。
作品によってはオフにすることも可能。
なお災害コマンドを実行することで任意で発生させることも可能。メリットは飽きた時のカタストロフごっこくらいにしかならないが。
税収
都市を開発するにも、インフラや公共サービスを維持するのにも資金が必要である。
その資金は、市民からの税金である。
時には税率を変えるのはいいが、増税すると都市の需要が減るため
税率を引き上げる→需要低下で人口が減少する→増税前よりも収入が減る、という悪循環になってしまうことがある。
街作りに慣れていない市長は、税率を初期値からあまり変えないのが得策であろう。
当座を凌ぐために借金(債権の発行)もできるが、よく考えないと返済と支出の板挟みに陥りやすい。
なお、税収はゲーム内の月末や年末など、決まった時間に一括で精算される。
そのため、普段は無税を謳って街を繁栄させ、年末や月末の一瞬だけ税率を引き上げて暴利を得ようとする悪い市長もいるらしい。
小ネタ
あちこちに小ネタを仕込んでくるのも「シムシティ」シリーズの特徴のひとつ。
「クスリと笑える」程度のものから「コレ、大丈夫か…?」と心配になるものまでいろいろある。
- 時間の経過する速度を変更するときの設定項目が動物で示されているが、「カメ」→「ラマ」→「チーター」→「アフリカツバメ」など個性的な表現になっている
- ゲームを進めていくと「市長官邸」を建設できるようになるが、建設後に建物のパラメータを調べると「投げ込まれた卵の数」が表示される
- 一部の作品では災害で出現する怪獣がどう見てもゴ〇ラだったりクッパだったり。また出現した怪獣に某クリプトン星人のようなヒーロー「マクシスマン」が立ち向かう姿がたまに見られる
- 町で刊行されている新聞を読むことができる。記事は町の状態を知る情報源でもあるのだが、中には「僕らもシミュレータで生かされている存在だとしたら…」などというものも。
おめでとうございます、市長!
都市の人口が1,000人になったので、追記・修正ができるようになりました!
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▷ コメント欄
- アプリ版もあったよね -- 名無しさん (2016-12-23 15:35:38)
- 中世ファンタジーみたいなデザインで出たりしないだろうか…。 -- 名無しさん (2016-12-23 21:51:28)
- ↑開発チームのマスシスが解散したから多分新作はもう出ない。気持ちは非常にわかるが。 -- 名無しさん (2016-12-23 22:19:58)
- ↑あらら、開発チーム解散しちゃったのか…それは残念だ… -- 名無しさん (2016-12-23 23:30:23)
- 2013のバグがね… -- 名無しさん (2016-12-24 03:47:39)
- アプリ版のbuilditはアイテムや拡張要素が加わった代わりに町運営や区画整備がコンパクトになって初心者向け。中1で2003DSに手を出したワイは泣いていい。 -- 名無しさん (2016-12-24 15:52:37)
- 市長「街をイケニエにクッパを召喚!」 -- 名無しさん (2016-12-24 15:58:06)
- 1、2が大都市のイメージなのに対し、3は田舎町みたいなイメージがある。プレイしてみての感想。 -- 名無しさん (2016-12-29 17:59:54)
- SFC版はレトロゲーマーから相当な需要があると思うが、地震・メルトダウン・津波がある以上配信は無理だろうねぇ -- 名無しさん (2020-07-25 08:50:16)
- 災害でわざと建物の一部を削って、空いたスペースに別の建物を建造して人口アップとか荒業があったな -- 名無しさん (2023-02-13 00:44:21)
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