登録日:登録日:2016/12/10 Sat 21:55:08
更新日:2024/02/01 Thu 13:42:24NEW!
所要時間:約 6 分で読めます
▽タグ一覧
シン・シティ フランク・ミラー ロバート・ロドリゲス アメコミ 白黒 エロ グロ 復讐 エヴァ・グリーン ミッキー・ローク ジョシュ・ブローリン ブルース・ウィリス クリストファー・ロイド ジェシカ・アルバ シン・シティ 復讐の女神
シン・シティ 復讐の女神
『シン・シティ 復讐の女神(原:SIN CITY A Dame to Kill For)』は14年に公開された米映画。
鬼才フランク・ミラーの同名コミックスの二度目の映画化作品である。
05年に公開された『シン・シティ』の9年振りの続編であり、監督は前作と同じくロバート・ロドリゲス。
タイトル通り、前作では未映像化となった人気エピソード『ア・デイム・トゥ・キル・フォー』を中心に、原作者書き下ろしの新作エピソード2編+αを加えた構成となっている。
元々は前作公開後直ぐに、同一キャストを使った早い段階での制作がアナウンスされていたものの、監督のロドリゲスの他の仕事との兼ね合いや、複数人が携わった脚本の遅延により制作が危ぶまれていた時期も長かった。
しかし、11年頃から企画が具体的に進行を開始。当初に名前が挙げられていたキャストに変更を加えられつつ、漸く14年に9年越しの公開へと漕ぎ着けられた。
前作からの一部キャストにも逝去や諸々の事情により変更が出たことを惜しまれつつも、吹替版では前作と同じ声優を揃える事で違和感を無くそうという配慮もみられる。
【構成】
前作『シン・シティ』と同様に、それぞれに別のキャラクターが主人公となる物語が時間軸こそバラバラなものの、伏線を張りつつ配置されている。
ただし、完全にオムニバスとなっていた前作とは違い、今作では登場人物の数がかなり絞られており、中でも魁偉な見た目の大男マーヴは全エピソードにて、重要な役割を以て登場してくる。
尚、エピソード中でも『ア・デイム・トゥ・キル・フォー』のみは、他のエピソードとは大きく時間軸も登場人物も違う過去の物語となっており、前作の『ビッグ・ファット・キル』の直接の前日譚である。
また、本作にて語られるエピソードは新作も含めて前作の『イエロー・バスタード』から『ハード・グッバイ』までの時系列に納められており、原作、映像化を含めて描かれた『シン・シティ』の物語としては前期~中期に位置づけられる。
【物語】
EP:0 ジャスト・アナザー・サタデー・ナイト
ナンシーが愛しのハーティガンと再会した夜(『イエロー・バスタード』)。
ショックから飲んだくれていたマーヴは、通りでホームレスがガキ共の悪戯で焼き殺されているのを目撃する。
止めさせようと声を掛けたマーヴに、悪ガキ共は発砲。その悪辣さにキレたマーヴは本能のままに彼らを追い詰めていくのだった。
EP:1ジ・ロング・バッドナイト*1
1.若く、才覚に溢れた天才ギャンブラーのジョニー。
「悪徳の街」の中心部に乗り込むことを決めた彼は、景気付けのスロットで大量の資金を集めた後に、今夜の「幸運の女神」であるダンサーのマーシーを従えて街の有力者が興じる、バーの奥の部屋で行われているポーカーに意気揚々と参加。
そこで、ジョニーは王者であるロアーク上院議員相手に大勝ちした上に、度を越した挑発までしてしまうのだった。
マーシーと共に勝利を祝して「悪徳の街」を遊び回っていたジョニーだが、いつの間にか狭まっていたロアークの息の掛かった者達の包囲網に捕まり、遂にはロアークの眼前に引きずり出された末に利き腕を潰されてしまう。
2.ロアークに利き腕を潰され、足に銃弾を撃ち込まれたジョニーは持ち金も奪われて放り出される。
傷ついた身体を引きずり、マーシーを待たせていたモーテルに戻ったジョニーだが、周到で偏執的なロアークは既にモーテルを突き止めており、ジョニーの眼前で肉体から切り取られた「幸運の女神」の両手と頭を見せつける。
命を賭けた復讐を誓ったジョニーは、噂に聞く闇医者のクローニグに40ドル分のオペをしてもらい街へと戻っていく。
水を恵んでもらう為に訪れたダイナーで出会った二人目の「幸運の女神」であるバーサから僅かなお金を受け取ったジョニーは、それで手に入れた一枚のコインでスロットを回し、再び資金を集めるとロアークの待つ遊戯テーブルへ。
利き腕を潰されたジョニーに対し、ロアークは前夜とは打って変わって優位にゲームを進めるが……。
EP:2ア・デイム・トゥ・キル・フォー
カメラマンのドワイトは、ある男の不倫の証拠写真を撮る「イヤな仕事」を終えた夜に、かつての恋人エヴァからの連絡を受ける。
魔性の魅力を持つエヴァを警戒していたドワイトだが、再会を果たした彼女の色香に当てられたのか、彼女の言葉を確かめる為にエヴァの夫であるダミアン・ロードの屋敷に潜入。……するも、失敗して運転手にしてボディーガードも兼任する巨漢のマヌートに散々に傷め付けられてしまう。
ドワイトが気づくと、そこは自分のアパートの前。……部屋では、裸のエヴァが彼の帰りを待っていた。
エヴァを罵り、打つも、感情のままにエヴァの肉体に貪りついたドワイトは情欲を散々に吐き出す。
暗闇で絡み合い続ける二人の前に現れたマヌートに、今度は正面から立ち向かったドワイトだったが通じず、巨大な拳を受けて二階の窓から通りに放り出されてしまう。
エヴァを救うべく、己自身が封じていた「獣」を解き放つことを決意したドワイトはマーヴを誘い、再びダミアンの屋敷へと突入するが……。
EP:3ナンシーズ・ラストダンス
四年前の事件(『イエロー・バスタード』)により、愛するハーティガンを喪ったナンシーは事件の悪夢に魘され、酒と煙草に溺れる日々を過ごしていた。
荒んでいく生活の中で敵であるロアーク上院議員を狙うが、それも果たせず、自分への失望が更なる堕落を呼び、トラブルの種にもなってしまうのだった。
そんなナンシーを見守り続ける二人の男……マーヴと、死んで亡霊となったハーティガン。
ナンシーを守る為の行動が彼女の命を救う反面、自分への愛が足枷となり苦しめ続けていることを苦悩するハーティガンだが、彼の姿に気付くものは居ない。
そんな中、自らの息の掛かった警官の密告によって、ロアークは四年前にハーティガンが命を捨ててまで守ろうとした存在=自分の息子イーサン(ロアークJr.)の死を呼び込んだ存在こそがナンシーであり、彼女が自分の命を狙っていることをも知る。
それと時を同じくして、遂に自らの怒りと狂気を押し留められなくなったナンシーは自らの美しい顔を傷つけた後に安い嘘でマーヴの協力を取り付け、ロアークの屋敷へと向かう。
遂に、殺人にまで手を染め「復讐の女神」と化したナンシーは想いを遂げられるのか……!?
【主要登場人物】
■マーヴ
常人離れした肉体と常人離れした面相を持つ大男。
権力や法に縛られず、街の流儀に生きる生粋の戦士。
意外にも音楽やクルマに造詣が深く、ファッションにも拘りがある(たいていは誰かから奪ったものだが)。
■ナンシー・キャラハン
バー「ケイティズ」の踊り子で、負け犬達の女神。
四年前の愛するハーティガンの行動を理解しつつも受け入れられず、絶望の中で身を持ち崩していた。
■ドワイト・マッカーシー
明るい世界での生活を求めてカメラマンをしていたが、かつての恋人エヴァの奸計に嵌まり、傷つけられたことで再び裏の世界に舞い戻る。
■ジョニー
野心家で天才的な技量を持つ若きギャンブラー。
ロアークとは意外な関係が明らかになるも、特に動じることもなく、彼に敗北を刻もうとする。
■ゲイル
娼婦街「オールドタウン」のリーダー。女豹にして娼婦。
ドワイトのかつての恋人であり、彼が表の世界に出ていってからも愛し続けていた。
■ゴールディ/ウェンディ
娼婦街「オールドタウン」の顔役として力を付けている高級娼婦の姉妹。
■ミホ
刀と忍術を使いこなす東洋人の少女で、娼婦街「オールドタウン」最強の用心棒にして娼婦。
■クローニグ医師
アルコールと耄碌で腕は震えているが止まりさえすれば、値段に応じた確かな治療を期待できる。
演じているのはBTFのドク。
■エヴァ・ロード
ドワイトのかつての恋人にして、現在は億万長者の妻となった女狐。
自らの魔性により、欲望のままに何人もの男を支配する。
■マヌート
エヴァ付きの運転手にして、ボディーガードでもある怪力の巨漢。
ドワイトを警戒し、憎んでいる。
■ロアーク上院議員
ロアーク枢機卿の弟で、兄の威光と汚い手段でのし上がり、権力を欲しいがままにしている。
溺愛していた息子のイーサンを、ナンシーを守る為の戦いの末にハーティガンに殺されている。
■ジョン・ハーティガン
『シン・シティ』最後の正義と呼ばれた伝説の男。
四年前の戦いで自らの命を絶つも、その魂は愛するナンシーの側に留まり彼女を見つめ続けていた。
【余談】
エピソードの内『ジ・ロング・バッドナイト』と『ナンシーズ・ラストダンス』が書き下ろしの新作シナリオとなる。
それぞれに、ロアークJr.=イエロー・バスタードの本名がイーサンであると明かされたり、原作でも不明だったナンシーのその後とロアーク上院議員の末路が描かれた、原作読者からも興味深い話題が明らかにされる重要なシナリオとなった。
【キャスト&吹替】
■マーヴ(ミッキー・ローク/安原義人)■ナンシー・キャラハン(ジェシカ・アルバ/小林沙苗)■ドワイト・マッカーシー(ジョシュ・ブローリン/堀内賢雄)■ジョニー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット/内田夕夜)■ゲイル(ロザリオ・ドーソン/本田貴子)■ジョン・ハーティガン(ブルース・ウィリス/樋浦勉)■エヴァ・ロード(エヴァ・グリーン/朴璐美)■ロアーク上院議員(パワーズ・ブース/若本規夫)■マヌート (デニス・ヘイスバート/銀河万丈)■ジョーイ(レイ・リオッタ)■ウォレンクイスト(ステイシー・キーチ)■ゴールディ/ウェンディ(ジェイミー・キング)■クローニグ医師(クリストファー・ロイド)■ミホ(ジェイミー・チャン)■ボブ(ジェレミー・ピヴェン)■モート(クリストファー・メローニ)■サリー(ジュノー・テンプル)■ダミアン・ロード(マートン・チョーカシュ)■リボウィッツ(ジュード・チコレッラ)■マーシー(ジュリア・ガーナー)■バーサ(歌姫レディー・ガガ)/下山田綾華)■ギルダ(アレクサ・ヴェガ)■ダラス(パトリシア・ボンヌ)■サム(原作者フランク・ミラー)■サムの友人(監督ロバート・ロドリゲス)
『アニヲタwiki(仮)』の裏路地を歩けば、追記修正が見つかる。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,1)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
*1 前後編がEP:2を挟んで展開される。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧