登録日:2016/06/15 (水) 19:55:52
更新日:2024/01/23 Tue 13:56:34NEW!
所要時間:約 12 分で読めます
▽タグ一覧
絶対ナル孤独者 川原礫 能力バトル シメジ ライトノベル 電撃文庫 宇宙生命体 web小説 拳銃>能力
絶対的な《孤独》を求める・・・
だから僕のコードネームは《アイソレータ》です。
『絶対ナル孤独者』(ぜったいナルアイソレータ)は、電撃文庫より刊行されているライトノベル。
作者は「ソードアート・オンライン」シリーズや「アクセル・ワールド」シリーズの川原礫。イラストはシメジ。
既刊4巻。
元々は川原礫が自身のサイトで2004年から執筆していた小説で、加筆修正をして、電撃文庫にて文庫化された。
現在はwebの方の連載は休止されている。
いわゆる能力者バトルものだが、主人公側だけでなく、敵側の視点で描かれた部分が非常に多いのが特徴。
☆あらすじ
二〇一九年八月。
地球上の、いくつかの都市部に、人類が初めて接触する地球外有機生命体が複数落下した。のちに《サードアイ》と呼ばれるその球体は、
接触した人間たちに、現代科学では解明できない《力》を与えた。
ある者には、音さえ追い越す《速さ》を。ある者には、鋼さえ断ち切る《刃》を。そしてある者には、万物を噛み千切る《歯》を。
十七歳の少年、空木ミノルもその中の一人だった。彼がただ一つ望み、そして得た能力。
それは《孤独》。
絶対的な孤独を実現するその《力》は、しかしミノルを望まぬ戦いに巻き込んでいく。
平凡だが平穏な義姉との暮らし。そのひとときが壊されるとき、ミノルは絶対なる《孤独者(アイソレータ)》として覚醒する――!
☆用語
★サードアイ
2019年9月に宇宙から飛来した謎の有機生命体。赤色のルビーアイと黒色のジェットアイの2種類が存在する。
外見は直径2cm程度の球体で、人間に寄生する。その外見が眼球に似ていることからサードアイと呼ばれている。
これに寄生された人間は身体能力や治癒力が向上するほか、本人の欲望や過去を反映する特殊能力を得る。
寄生主が死んだ場合、サードアイは寄生した人間を離れ、宙へと飛び去って行く。
ある程度の範囲内であれば、サードアイの保持者は同じ保持者が能力を使っていると感知できる。
政府はサードアイの存在を把握しているが、一般には秘匿されており、サードアイの存在を知った一般人や、
手術などによってサードアイを摘出された人間は精神衛生の保護と機密保持のためにサードアイに関わる記憶を消される。
識別されたサードアイ保持者には《○○者》というコードネームがつけられる。
◆ジェットアイ
サードアイの内、黒い球体のもの。
空木ミノルや安須ユミコなどの《特課》メンバーがこれの所有者に該当する。
ジェットとは黒玉と呼ばれる黒い宝石のこと。
◆ルビーアイ
サードアイの内、赤い球体のもの。
ジェットアイと違い、身体能力と特殊能力の他に宿主に強い殺人衝動をもたらす。
そのため、ルビーアイは発見され次第《特課》によって捕えられて手術によってルビーアイを摘出される。
また、捕えることが困難など、やむ負えない場合は殺害される。
★SPNシグナル
サードアイが宇宙から飛来する前、2019年7月に電波望遠鏡が観測した電波信号。
一定の周波数の電波が2,3,5,7,11,13,17回繰り返された。
数字が最初の7つの素数であることから「SPN(Seven Prime Number)」と名付けられた。
一般でも一時話題になったがその正体などに関する追加発見が得られなかったため次第に忘れ去られていった。
サードアイとの関連性は今のところ不明。
★《特課》
殺人衝動のあるルビーアイ保持者の捕獲及び無力化を目的として日本政府が秘密裏にジェットアイの保持者で結成した組織。
正式名称は《厚生労働省安全衛生部特別課》。
現在確認されているジェットアイの保持者の大多数が所属している。
★《組織》
ルビーアイ保持者が結成した組織。規模の大きさや正式名称は不明。
《組織》に所属するルビーアイ保持者は殺人衝動こそ克服しているものの、人を殺すことに関しては忌避感を持っておらず、時には大量殺人を引き起こすことすらある。
衝動ではなく理性で殺人を行っている分たちが悪いといえる。
目的は不明だが、中心人物の一人である《液化者》は「組織の目的は全人類の殲滅」と語ったことがある。
☆登場人物
★ジェットアイ保持者
◆空木ミノル/孤独者
この物語の主人公の少年。高校1年生。8歳の時に家に押し入った何者かによって自分以外の家族全員を殺されている。
家族が殺されたことと、自分が一人だけ生き残ってしまった強いトラウマと罪悪感から「自分は他者とかかわるべきではない人間」と考えている。
そのため、他者とつながりを持つことを避け、自分の存在が他人の記憶に残ることも、自分の中に他人の記憶が残ることも恐れている。
また、事件のストレスから髪の色素が抜けやや灰色がかった髪色になっている。
上記の理由からかなり卑屈な性格で、本来は優しく親切な性格でありながら、「自分がとった他者のための行動は全て自分の偽善」と自分に言いきかせている。
《咀嚼者》との一件を経て「全てのルビーアイを根絶した後、自らを知る他人の記憶から、自分の記憶を消してもらう」ことを条件に《特課》に加入する。
しかし、その後の数々の事件を経て多くの人と触れ合ううちに、少しずつではあるがその心境にも変化が生じ始めている。
コードネームは《孤独者》。
全身を透明な《防御殻》で覆い、外部からのあらゆる干渉を防ぐことができるが、代わりに内部からの音も遮断してしまう。
この殻は物質ではなく何らかのエネルギー場のようで、物質だけではなく熱や音、酸欠状態なども防ぐが、可視光だけは通す。
外から触れた防御殻の体感は鋼鉄よりも硬いため、彼のパンチや体当たりは鉄の塊で殴るような破壊力がある。
非常に謎が多い能力であり、未知の部分が多い。ミノル曰く、「《拒絶》ではなく《親愛》の表れ」らしい。
◆安須ユミコ/加速者
本作のヒロイン。《特課》に所属している少女。ミノルと同年齢。《咀嚼者》を追う途中ミノルと出会い、ジェット所有者である彼を《特課》に迎え入れる。
長い黒髪が特徴で、赤い髪止めを使用している。また、常日頃から黒いブレザーを着用している。
かなり強気で負け惜しみの強い性格。
かつてパートナーであった生駒サナエをルビーアイとの戦闘で失い、以降ルビーアイへの敵意と、ルビーアイの無力化に強い義務感を抱いている。
時にはその義務感に押しつぶされそうになることも。
中学では陸上部でエースとして活躍していたが、その活躍を妬んだ先輩に暴行されて重傷を負い、サードアイが寄生するまでは杖無しでは歩くことすらできなかった。
彼女の能力はこの出来事が由来していると思われる。
コードネームは《加速者》。
自身の速度を操り、音速を超える速さで動いたり、跳躍時の速度を高めることで大ジャンプを行ったりすることができる。
逆に落下速度を低下させることで高所から安全に着地することなどもできる。
自身が触れているものに対しても効果を及ぼすことができ、バイクなどに乗りながら使ったり、他の人間と共に加速することもできる。バイクの速度を加速させるとマッハ0.8まで加速できる
反面、直線的にしか動けず小回りが利かないという弱点がある。
また、ほかの物質を突き抜けることもできないので、加速中に何かにぶつかれば大けがは免れない。能力の性格上攻撃力は低く、単独での戦闘には不向き。
ルビーアイとの戦闘ではスタンバトンやナイフを用いて戦う。
◆小村スウ/屈折者
本作のヒロインの一人。《特課》に所属している少女。中学3年生。肩のあたりでカットされた茶色の髪が特徴。
物静かではかなげな雰囲気を持つが、案外茶目っ気があり、少々天然なところもある。
サードアイが寄生する前から「他人の視線に色を感じ、そこから相手の気持ちを把握する」という能力を持っていた。
その能力のために他人が自分に抱く悪感情を即座に察知してしまい、他人とかかわることを避けている。
常に能力を展開させ続けていたため、《特課》内でも彼女の姿を見たことがある者はほとんどいない。
似たような一面を持つミノルとは次第に心を通わせ始める。
しかし、ミノルと共に《液化者》が仕掛けた罠に落ちてしまい、罠からミノルを脱出させるために瀕死の重傷を負ってしまう。
コードネームは《屈折者》。
あらゆる光を避けて通らせるエネルギー場を自身と自身の周りの物体の表面に展開させる。
瞳孔部分にだけは場が展開されないので、自分自身が周りをうかがうことはできる。
サードアイ間の被能力検知範囲は50㎝と狭い。
その能力の性質から、能力を展開した彼女を他者が発見することはほぼ不可能であり、相手に悟られないまま麻酔やテーザーの必中距離まで近づくことも容易。
これまでに多くのルビーアイを捕縛しており、「《特課》最強のジェットアイ」と位置付けられている。
◆氷見/???
《特課》の課長。武士のような堂々たる佇まいをした30代後半くらいの年齢の男性。コードネームは不明だが、人の記憶と意識を操作する能力を持つ。
《四元素》の《水》担当とは関係ない。
◆伊佐理々(教授)/思索者
《特課》の課長代理兼作戦指揮官。小学四年生の少女。能力によって優れた頭脳を得ており、そのために年齢不相応な大人びた口調と考え方をしている。
白衣をよく身に着けており、メンバーからは教授と呼ばれている。
他のメンバーに妙なあだ名をつける癖がある。
謎が多いミノルの能力に着目している。
コードネームは《思索者》。
脳の機能を劇的に向上させ、答えのある疑問ならほとんどの疑問にすぐに答えを出せる。
この能力によって彼女は年相応の思考回路を失っており、「悩む、迷うという人間の特権を失った」と言っている。
◆大門伝二郎(DD)/探索者
《特課》に所属している小柄な少年。名前のイニシャルからDDというあだ名で呼ばれている。
曲者がおおい《特課》のメンバーの中では比較的常識人だが、その分周りに振り回されることもしばしば。
料理が趣味で、料理に関しては強いこだわりがある。
主にバックアップを担当しているが、射撃も得意としておりその腕は確か。
よくオリヴィエとタッグを組む。
コードネームは《探索者》。
本来ならば数センチから数メートルが限度の通常のサードアイ保持者よりも遥かに広範囲で、サードアイの能力使用を感知できる。
◆斉藤オリヴィエ/分断者
日本人とフランス人のハーフの男子高校生。美形で眼鏡をかけている。
ゲームが大好きだが、「セーブアンフェア論」という主義を掲げており、一度全滅してしまったゲームはもうやらないことにしている。
飄々とした性格だが、《特課》の仕事には強い誇りと責任を感じている。
《凝結者》とは何らかの因縁があるようで、雨の日になるとDDと一緒によくパトロールに出かけている。
しかし、その具体的な理由については明かしていない。
コードネームは《分断者》。
刃物の刃からエネルギー派を出し、あらゆる分子結合を切断する。分子同士の結合を切断しているので、物体の硬さは関係ない。
非常に強力な能力ではあるが、刃物以外の刃以外からはエネルギーを出すことはできず、遠距離戦にも弱いという欠点がある。
得物には日本刀や両刃剣を使用する。
◆生駒サナエ/狙撃者
かつてユミコのパートナーだった弓使いの少女。
《発火者》を相手にした作戦で、車内にいた時に強力な酸欠攻撃を受けた結果、脳死状態となってしまった。
コードネームは《狙撃者》。
視認した相手に確実に矢を当てる能力。ユミコの能力とは相性が良く、多くのルビーアイを捕縛した。
★ルビーアイ保持者
◆???/液化者
《組織》の上位メンバーの女性。ルビーアイの中でも特に危険視されているルビーアイの一人。本名は不明。《発火者》に目をつけており、彼をたびたび勧誘している。
変装が得意であり、化粧と服装、髪型を変えることで20代半ばに見えるキャリアウーマン風の姿と10代半ばに見える女学生風の姿を使い分けている。
正式な年齢は不明だが、飲酒を行う描写はある。
非常に冷酷な人物で、人の命はおろか仲間の命すら何とも思っていない節がある。
《組織》の目的について「全人類の殲滅」と語る。
識別名は《液化者》。
現在判明しているサードアイの能力の中でもとりわけ凶悪な能力。直接触れたあらゆる物体を液状に変化させたり、元に戻したりすることができる。
ガラスやコンクリート、さらには人体すらも液化させることが可能で、もし彼女に触れられればたちまち肉体を液化させられ、即死は免れられない。
また、液化させた物質が元に戻るまでの時間を遅らせることで落とし穴のようなトラップを作り出したり、
液化した岩石を槍状の形に変化させて相手を攻撃したりと非常に幅広い応用性がある。地面を液化させることで相手の動きを封じることも可能。
◆三川霤/凝結者
《組織》に所属するルビーアイの一人である少年。
《液化者》とは師弟関係にある。「三川霤」の名前は偽名で本名は不明。雨が好きで能力の相性もあり、雨の日を好んで行動する。雨傘をコレクションしている。
リキダイザーの弟子と言う事もあって、能力を非常に使いこなしている実力者。
オリヴィエとは何らかの因縁がある。
識別名は《凝結者》。
水を自在に操る能力。水を相転移させ、瞬時に凍らせたり逆に高温の水蒸気を作り出したりもする。
応用性に富んでおり、作中では路面を凍結させて多くの人が死傷する玉突き事故を引き起こしたり、高温の蒸気を相手に浴びせたりした。
能力の性質上乾燥した日や晴れの日には能力を発揮できないが、逆に雨や雪の日の彼は非常に強力な能力となる。
◆???/共感者
《組織》に所属するルビーアイの一人。詳細は不明。
他者の記憶を読み取る能力を持つ。
◆高江洲晃/咀嚼者
有名なグルメ評論家。幼少期に母親から受けた虐待によって自身の歯をすべて失っており、「噛む」ということに異常なほどの執着を持つ。
非常にプライドが高い性格であり、自分を侮るような存在は決して許さない。
識別名は《咀嚼者》。
身体強化系の能力であり、頭部を鮫のような形に変化させて驚異的な咬合力を発揮する。
頭部の形は自分の意思で自由に変形し、元に戻すことができる。
金属やアスファルトなどを含めたありとあらゆるものをかみ砕き、自身の栄養とする。さらに、食らったものの性質を自身の肉体に反映させることもできる。
また、能力によるものかは不明だが、治癒能力が高いサードアイの中でもとりわけ高い事故再生能力を持つ。
これまでに若い女性を4人食らっている。
◆須加綾斗/発火者
ルビーアイの中でも特に危険視されているルビーアイの一人。これまでに何人もの人物を発火によって殺害してきた。
酸素と空気に対して強い執着を持ち、自宅は植物であふれている。喫煙者をことさら嫌う。
たびたび《組織》からの接触と勧誘を受けて売るようだが、断り続けている。
以前《特課》と交戦した際にはそれを退け、一時行方をくらませていたが、再び姿を現した。
識別名は《発火者》。
殺害の手口から火を操る能力であると考えた《特課》によってつけられたコードネームだが、彼の能力は炎ではなく酸素を操る能力である。
発火は酸素濃度を高め、小さな火種を大きくすることで引き起こしていた。
逆に相手の周りの空気から酸素を消失させることで相手を酸欠状態にすることも可能。
発火攻撃に火種が必要となることを考えると、酸欠攻撃の方が危険。
最初の襲撃時に《特課》は彼の能力を見誤った結果強力な酸欠攻撃を受け、生駒サナエを失った。
◆???/刺撃者
本名どころか正体不明。ルビーアイでありながら、ジェットとルビーを区別せずに襲う謎のサードアイ保持者。
血のように赤いフード付きのレインコートを目深に被っているので、その面貌も覗えない。オマケに寡黙で性別や年齢も不詳。
戦闘力は異常なまでに高く、あの《液化者》が戦闘不能に追い込まれる程。純戦闘力では現状作中最強と思われる。
識別名は《刺撃者》。
全長七ミリと小型で遠隔操作可能、下手に衝撃を与えると爆発する窒化鉄製のドリル《スパインバグ》や、しなやかで強靭な延性を持つ《ワイヤーワーム》等の疑似生命を創る能力……と《特課》は考えている。纏ったコートもこの能力で生成したもので、液化者の液化攻撃を防いでいる。
殺す事に特化した能力と戦闘スタイルで、《特課》や《組織》に所属するサードアイ保持者を終始圧倒、一度もまともなダメージを負っていない。
★そのほかの人物
◆由水典江
ミノルの義姉。ミノルとはいとこ違い。ミノルよりも5歳年上。
自身も8歳の時に母親を事故で亡くしており、同じく8歳で家族を失ったミノルを父親とともに引き取った。
その父も病気で亡くなり、現在はミノルと二人暮らし。
明るく陽気な性格で、ミノルのことを溺愛している。ミノルが唯一心を許している人物。
県庁で副主査として働いている。
◆箕輪朋美
ミノルの通う高校の陸上部に所属している女子。ミノルとは同じ中学だった。
早朝のランニングでミノルと再会し、以来交流を深めていく。
《咀嚼者》にターゲットとして狙われ、襲われるがミノルとユミコによって助けられる。
その後、精神保護と機密保持のため氷見によってルビーアイやミノルに関する記憶を消された。
追記・修正お願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,2)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- 今のところスティンガーだけ別格すぎる -- 名無しさん (2017-05-28 16:29:10)
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧