コンボデッキ(TCG)

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登録日:2015/01/16 Fri 00:12:18
更新日:2024/01/12 Fri 10:21:16NEW!
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「《クラーク族の鉄工所》と《起源室》と《研磨基地》が出るまで待っててよ。あっと、あと2枚目の《マイアの回収者》もいるな。」


《Johnny, Combo Player》のフレーバーテキストより



コンボデッキはTCGにおけるデッキの分類のひとつ。



概要

TCGの「コンボ」とは、2枚以上のカードの相乗効果でカード単体での結果以上の結果を出すことを指す。
例えば「相手にカードを引かせる呪文」と「相手がカードを引いたらダメージを与えるクリーチャー」という2枚のカードを組み合わせて、
相手に一気にダメージを与えることが「コンボ」である。こちらも参照?


そしてコンボデッキはその名前の通り、「特定のコンボを主軸にした」デッキのことである。



TCG黎明期では単にシナジーがあるカードを合わせただけのデッキもコンボデッキなんて呼ばれた時期もあったが、
現在ではビートダウンやコントロールでも軽度のコンボは展開補助などの当たり前の理由で仕込まれているため、
「コンボ一つの成立で勝利がほぼ決定する」コンボ、つまり「即死コンボ」をメインとすることが多い。
またコンボの成立のための時間稼ぎに若干のコントロール要素を含んだデッキが増えつつある。


デッキの勝ち筋を分類したものを『アーキタイプ/Archetype』と呼ぶ。
この中で最も大きい分類では「ビートダウン」「コントロール」「コンボデッキ」の3分類に分けることができる。
また異説では6つとも9つとも基本のアーキタイプは存在すると言われているが、
この場合ビートダウンとコントロールが細分化される一方でコンボデッキ自体は単独で扱われることが多い。
基本的にはどちらにも分類しにくいからだろう。


この3分類では相性があるといわれている。
大昔は、ビートダウンの稼いだダメージをひっくり返すことが出来るためコンボはビートダウンに有利。
コントロールは打ち消すべきものが分かりやすく明確なのでコンボはコントロールに不利。
と言われていたが現在では逆転している。


ビートダウン相手にはコンボ成立前に殴りきられてしまうことも多いため、基本的には苦手。
一方コントロールは攻めてくるまでに時間がかかるためその間にコンボを成立させやすく、戦い易い相手である。
もちろん、デッキのコンセプト次第で「意外なところでひっかかる」ことはあるので油断は禁物。
また、カウンターを搭載しているコントロールデッキなら、止める点さえわかっていればコンボデッキは簡単に対処できてしまう。


優れたコンボデッキは製作者が賞賛され、時にはそのプレイヤーのレシピがコピーされることも多い。
だがコンボ成立のために余計なものをそぎ落としていることが多いため、多様性は少なくなりがちで、
かつ勝ち筋も同じ、決まった瞬間にどうしようもないことからメジャーになるにつれてヘイトを稼ぎやすくなる。


また最近では「ループコンボ」をメインとしたデッキが増え、ソリティア性をしばしば指摘される。
こうなると公式もキーカードを規制する方向に動き、やがてデッキ自体が息しなくなる。


とくにコンボデッキのキーカードは単体ではどうしようもないスペックのカードも多いため、
主流な他のデッキには影響を与えにくいことから規制に反対するプレイヤーが少ないこともあり、コンボデッキは流行してから衰退するまで短い。


ただし開発者になれれば逆に憧れの対象となることは間違いなく、
遊戯王の【ドグマブレード】やデュエル・マスターズの【ヒラメキドレーン】なんかは開発者は多大なリスペクトを集めた。
フォロワーはプレイを拒否されることも多かったようだが……。



用語集

  • 即死コンボ

そのコンボが決まった瞬間、勝敗が決するようなコンボ。


  • ループ・無限ループ

例えば「場にあるカード1枚をコストにカードを1枚引けるカードA」と「カードを引いたときに場にカードを1枚出せるカードB」が揃ったとしよう。
Aの効果でドロー、するとBの効果でカードが場に出せる。そしてBで出したカードをコストにまたドロー……
という様に特定のカードの組み合わせにより同じ行動を繰り返す事をループと呼ぶ。
その中でも本当に無限に続けられるものが無限ループである。
上記の例でいえば大抵のTCGではドローしていけば最後には山札が尽きるのでそこでループは終わり。もしドローではなくライフ回復なら無限に続けられる無限ループという事になる。
ドローが絡むコンボでも山札を回復させる手段を挟み、本当に無限にループすることが可能なものも存在するが。
無限ループとは言っても終わることの無い狭義のの意味での無限ループは少なく*1、実質無限に繰り返せるループを無限ループと呼ぶことが多い。


  • 即死ループ

そのループが決まった瞬間、勝敗が決するようなループコンボ。
ループが開始した段階で相手が気付くことも多く、時にはカット要求されることもある。
ちなみにカットしないと7時間にわたってゲームが続くことすらある。
また、むしろ「制限時間を使い切る」ために無限ループを挿入するパターンもある。*2


  • 瞬殺コンボ

すぐにキーカードを揃えられ、すぐに勝ちに行けるコンボ。
コンボの開始が早い、という事は妨害手段も少ない。しかもコンボが決まるかどうかで文字通り一瞬で決着がついてしまう。
どんな相手でもメタを読むことなく勝利できる一方、相応のヘイトは稼ぐ。
一説には「コストを支払っていない」のではなく、「友人の減少という多大なコストを支払っている」とされる。
TCGではなによりもきついディスアドバンテージではある。


  • チェイン・コンボ

何らかのドローカードを連打し、それから引き当てたコンボパーツを発動して勝負を決めるタイプのデッキ。
Mtgのストーム系デッキや、下記の【ピットサイクル】、遊戯王の【図書館エクゾディア】等がこれに該当する。
上記の即死コンボデッキとは違い、「ドローの為のカードを大量に使う」事そのものがアドバンテージに繋がる物が多い。
性質上少ない手札からでも強引にコンボを起動していける反面、リソースが尽きる前にパーツを引けないと死ぬという欠点も持つ。
そのためコンボを始動してゴールまで到達できるかという見極めが重要であり、習熟難度は高い。


  • デザイナーズ・コンボ

カードの開発段階から意図してデザインされたコンボ。「デザイナーズ・デッキ」とも。
遊戯王OCGにおけるテーマ(カテゴリ)やヴァンガードにおけるクランなどが良く挙げられる。
これらでは、切り札召喚までのカードの組み合わせや一定のダメージを与える流れ(勝ち筋)までは開発段階で調整されている。
また、墓地肥やしが得意、ダメージを与えるのが得意など、テーマ毎に個性が与えられることも多い。
また、特定のカードを指定する効果や公式のガイドブックやカードカタログに掲載されているコンボはデザイナーズコンボと言っても差し支えがないだろう。
国産TCG(特にコスト制でないもの)ではデザイナーズ・コンボによる動きを中心にデッキが組めるように調整されたものが増えている。
コンボに必要なカードが分かりやすいため初心者でもデッキを組みやすいというメリットがある一方で、デッキの多様性やコンボを考える楽しみが減る要因として嫌う人も少なくない。


逆に意図していないカード同士を組み合わせたコンボは「非デザイナーズ・コンボ」などと呼ばれる。
開発段階で見落とされていた凶悪なコンボの場合、規制されてしまうこともしばしば。


  • コンボパーツ

特定のコンボを完成させるのに必要なカードのこと。
基本どんなコンボでもコンボを成立させるカードはこう呼ばれるが、
特に注意がない場合はそのとき流行りのコンボデッキに使われているカードを指す。


  • シナジー

複数のカードや能力による相乗効果のこと。
コンボは基本的に勝利に直結するようなものを差すが、「勝利に直結しなくても、良い相乗効果が見込める」組み合わせをシナジーと呼ぶ。
「コストで手札を墓地に送るカードと墓地から使用できるカードはシナジーがある」という風に使用される。
逆に悪い相乗効果を発揮する(相性の悪いカードの)組み合わせを「アンチシナジー」や「ディスシナジー」と呼ぶ。


  • 出張(パーツ、ギミック、セット)

特定のコンボパーツ(特にデザイナーズ・コンボ)を別のデッキに投入すること。
数種類で完結可能なコンボパーツが選ばれることが多く、新たなコンボが産まれたりする。


  • グッドスタッフ

コンボを意識せず、単体でも機能する汎用性の高いカードを詰め込んだデッキのこと。コンボデッキとは対極の存在。
コンボデッキの弱点である手札事故とはほぼ無縁であり、小難しいコンボも覚える必要がないが、爆発力は控えめ。
遊戯王OCGの【グッドスタッフリンク】のように、グッドスタッフと名が付くものの実態としてはコンボデッキという場合もある。



コンボデッキの例

Magic: The Gathering

コンボという概念を生み出したTCG開祖。
ここでは紹介しきれていないが、必要なマナがかかり過ぎたり、コンボパーツが多すぎるため現実的でないコンボも多数存在する。
逆に言えばトーナメントレベルのコンボは必要カード枚数も必要マナ数も非常に少なく収まるようなものである。


ちなみにだが、回避方法の無い無限ループが成立してしまうとその場で引き分けとなってしまう。
例えば《卓越》により「ライフ20以上で敗北」が成立したが、場に《白金の天使》が出ていて「敗北しない」状況。
《卓越》の敗北条件は常時チェックされるが、これを《白金の天使》で打ち消してしまうと「敗北する→しない」が無限ループしてしまうので引き分けとなる。
《白金の天使》+勝利条件or敗北条件カードは結構な割合で回避不能無限ループ引き分けが発生するので、両者の併用にはご注意を。
とはいえ相手の《ダークスティールの反応炉》+こちらの《白金の天使》で無限ループになってしまうこともあるが。


ライフをマナに変換する《チャネル》+マナ加速を使いX=20で《火の玉》をぶち込んで殺すという分かりやすいコンボデッキ。
TCGの元祖であるMtGの一番最初のセット「リミテッドエディション・アルファ」だけで完結するというコンボデッキの始祖
最速パターンは《山》+《Black Lotus》+上の2枚。正確には(緑)(緑)(赤)と任意1マナなので《森》《Mox Ruby》《Mox Emerald》《Mox Jet》みたいな形でも代用可能。
対抗呪文》一発や火の玉にスタックして《猿人の指導霊》+《稲妻》で自分が焼けるという難点を抱えている。


ミラージュ・ブロック構築という狭いカードプール(ミラージュとビジョンズだけ!)で生み出されたの芸術的なコンボデッキ。
パーツのひとつだった《資源の浪費》が禁止になった。


MoMaの冬」と呼ばれる暗黒期を生み出したコンボデッキ。
今では古参の語りぐさになる存在。


  • 【カニクラフト】

大地の知識》を利用した【クラフト】と呼ばれる無限コンボのひとつで
《カブトガニ》と《繁茂》を使って大量のマナを生み出して天才がひらめいたりそこら辺が燃えたりする。
結果、《大地の知識》が規制された。


  • 【波動機リアニメイト】

《波動機》によってサイクリングコストを軽減してライブラリを掘り進め、
最後に《生ける屍》を撃って捨てたカードを全部出すというサイクリングの存在意義が間違っている気がするデッキ。
やはり間違っていたらしく波動機が規制対象に。
今でもサイクリングでクリーチャーを投げ込んで《死せる生》でリアニメイトする【リビングエンド】がモダンに存在、WotCもサイクリングの存在意義を忘れた模様。


《記憶の壺》と《偏頭痛》で相手に28点ダメージを与えるうえ、コンボパーツがなぜかコンボサポートをしているデッキ。
DCI緊急声明で《記憶の壺》が規制されて終了。使用可能になると同時に禁止という伝説を残した。


《ヨーグモスの取り引き》をキーカードにした【バーゲン】と呼ばれるコンボデッキの中でも特に有名。
ライフを手札に、手札をマナに、そしてそのマナを用いて相手のライフを吸収して再び手札を回復する。
日本の誇る名デッキビルダーがデザインし、自らのリソースどころか相手のライフをもコンボに組み込んだ高い完成度から「MtG史上最も美しいコンボデッキ」とも謳われた。


  • 【補充】

墓地のエンチャントを全て場に出せる《補充》をキーカードにしたデッキ。
スタンダードでは【パララクス補充】、エクステンデッドでは【パンデバースト】で猛威を振るった。


キーワード能力「ストーム」を持つ呪文を用いたコンボデッキ。
広いカードプールの強力なマナ加速とドロー加速(大半が制限カード(MtG))をありったけ投入した大変頭の悪い構築(褒め言葉)が特徴で、
最盛期の1kill率は6割を超える【ロング・デック】、
最凶最悪のストーム呪文《精神の願望》を使用したストーム・コンボである【デザイア】、
当時の世界王者を射止めた【ドラゴンストーム】が特に有名。
ターン中自分が唱えた呪文の数だけ1ライフ回復、50ライフの支払いで相手に50点ダメージを与える《霊気貯蔵器》を利用したデッキも、構造がストームと似ているためにストーム亜種の扱いをされる。
クソデッキの人*3がよりによってこのデッキでライブ中継されるマッチに登場してしまい、しかも2本ともこのコンボを決めて2-0勝利したことで有名。


MtGのキーワード能力・「発掘」を利用した高速リアニメイト系コンボ・ビートダウン。
特に亜種の【マナレスドレッジ】は土地をサイドにしか用意しないというとんでもないデッキである。


リアニメイト系コンボデッキ。《欄干のスパイ》などを用いて自分のライブラリーを全部落とすのが特徴。
《欄干のスパイ》の効果を最大限活かすため、デッキ内の土地が0枚が基本である。
最近では両面カードの登場によってパイオニアやモダンでも成立。結果パイオニアではキーカードが禁止されてしまった。


《ゴブリンの放火砲》を超高速でぶっぱなして勝つ、ただそれだけのコンボデッキ。
効果を最大限に活かすためメインデッキの土地が0枚ということも珍しくない。
サイドに爆弾のように仕込まれることもある。


  • 【欠片の双子】

《欠片の双子》と《詐欺師の総督》を利用し、無限に速攻持ちトークンを出して一斉攻撃するコンボデッキ。
元のデッキは【キキジキアラーム】で、仕組みとしては「戦場に出た時にクリーチャーをアンタップする」クリーチャーに、「タップでコピートークンを出す《欠片の双子》をエンチャント」することにより、「トークン出す→クリーチャーが出るのでアンタップ能力が誘発する→《欠片の双子》付きのクリーチャーをアンタップする」を繰り返すと好きなだけトークンが出せる。
当時のスタンダードで活躍した後、モダンに活躍の場を移し、モダンでは《欠片の双子》が禁止になった。
現在はレガシーでたまに見られる。


  • 【コピーキャット】

《サヒーリ・ライ》、《守護フェリダー》を使い、無限にトークンを出して(ry
《サヒーリ・ライ》の-2能力を起動→《守護フェリダー》のコピートークンを出す→守護フェリダーが戦場に出た時の能力でサヒーリ・ライを追放して戻す→忠誠度カウンター&使用回数がリセットされた《サヒーリ・ライ》が出てくるので-2能力を使用、以下ループで速攻持ちの守護フェリダーのトークンが無限に出る。
スタンダード環境で最速4ターンキルも可能という何かおかしいデッキであり、スタンダードでは《守護フェリダー》が規制された。その後制定された「パイオニア」でも同じ理由で投獄されている。モダンは4キル許容なのでセーフ。
規制タイミングがいつも定期規制で数枚規制した一週間後に緊急追加されるというとんでもないタイミングであったため大混乱が起きた。
現在ではモダン以下で《太陽のタイタン》を利用した無限コンボデッキが考案されている*4
《サヒーリ・ライ》の墓地送りと《太陽のタイタン》の釣り針を兼ねられる《ドルイドの誓い》が使えるヴィンテージではさっそくオース系デッキ内でもトップメタに。
グリセルやエムラと違って、コンボ成立と同一ターンに勝負がつくというのが大きい。


  • 【ハイタイド】

エクステンデッドで上記MoMaと同時期に登場し、そのMoMaが退場したことで環境を席巻したデッキ。
《High Tide》と《時のらせん》のシナジーが凶悪無比。


アイスエイジのゴミレア《Illusions of Grandeur》とウルザズ・デスティニーのクズレア《寄付》が奇跡の化学反応を起こす。
特に《ネクロポーテンス》を使用できたころが最強で、【ネクロ・ドネイト】の名で呼ばれる。


  • 【超起源】

「適当に続唱呪文プレイ→《超起源》プレイ→手札のデカブツをたくさん出すよ!」というわかり易いデッキ。
分かりやす過ぎたため超起源が規制されて終了。


生贄に捧げて効果を発揮する効果を持つパーマネントを《第二の日の出》を利用して戦場に戻してまた効果を使ってということをひたすらループするデッキ。勝ち手段は非常に多く、ストームしたり、ループコンボにダメージギミックを追加したりする。
エクステンデッドでも姿を見せたが、本格的な活躍はモダンでほぼ同じ効果を持つ《信仰の見返り》が加わって以降である。
動きが複雑・同じ行動を延々と繰り返す等々の要因によりプレイ時間が尋常でないほど長く、普通に30分程度はかかる。
曰く「一人回しのデッキとしては最高峰」。
当時はプロツアーにもモダンが採用されていたため、トーナメントの進行を妨害するというすさまじい理由で規制された。


  • 【アイアンワークス】

冒頭の一文にも出てくる《クラーク族の鉄工所》によって大量マナ生み出して勝利するコンボデッキ。
アーティファクトを生け贄にマナを出し、《蔵の開放》で再展開してさらにマナ変換、最後は《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《黄鉄の呪文爆弾》などで決める。
数枚をめくっては墓地に落としてその墓地を回収して…という、1ターンが長い上に完走しないこともあり、さらにコンボの動きも難解という対戦相手もジャッジも泣かせるとんでもないデッキだった。
こちらもサニーサイドアップ同様に、時間を潰し過ぎて大会を妨害するからという理由で規制を喰らっている。


  • 【ハルクフラッシュ】

《閃光》のエラッタ改訂が生み出してしまった怪物。
《閃光》で《変幻の大男》を出すだけでゲームが終わる、最速0ターン。な…何をいっt(ry*5
とあるトーナメントで大暴れし、そのまま《閃光》は禁止に。文字通り「閃光」の如き活躍となった。


  • 【クロノステイシス】

上記のものとはちょっと違うが決まれば即死級のデッキ。
《停滞》《宿命》で今後出す相手のパーマネントすべてが永久にタップ状態になるようにしてから、《時エイトグ》で自分のターンを飛ばし続け停滞を永久に維持しする。
決まれば相手はドローしかできない無限ターンを与えられたも同然となり、いずれライブラリーアウトするという寸法。
いわゆる「やる気デストラクション」系デッキ。
ずっとお前のターン!(もぐもぐ)


  • 【Vault Control】

存在自体がバグとエラッタである《Time Vault》を、外部コストでアンタップ→起動を繰り返し無限ターン。
後は相手が手出し出来ないのを良いことに好き放題やるデッキ。
アンタップ役には同じ軽量アーティファクトの《通電式キー》が一番メジャー。次点が《Time Vault》を自分の能力で探せる上にアンタップも可能な《求道者テゼレット》。
ヴィンテージでは求道者テゼレットを倒す手段が少ない(クリーチャーや火力を持っていないデッキが多い)ため、実質1枚コンボと化す。
《通電式キー》+《Time Vault》もコンボ完成までに4マナで済んでしまうため、《Black Lotus》+《Mox Sapphire》から1ターン目に決まってしまう可能性もある。
色マナが必要なく、色マナを考えなければ1ターン目から平気で4マナ出せる環境なこと、青タッチの場合が殆どで《修繕/Tinker》が使える事などから
メインコンボが通らない場合の追加の勝ち手段として《Time Vault》が刺されていることも少なくない。


  • 【スニーク・ショー】

《騙し討ち》《実物提示教育》から素出しの難しいクリーチャーを踏み倒して好き放題するデッキ。
スニークアタック】の発展系デッキであり、マナ加速などを採用した結果1ターンでエムラやグリセルブランドが降臨するようになった。


  • 【サルベイジャー】

《Black Lotus》から(白)(白)(白)を出す→(白)(白)を支払って《オーリオックの廃品回収者》の能力*6を起動し、墓地にある《Black Lotus》を回収
→1ループごとに(白)が増えるって怖くね?
これを10億回ぐらい繰り返して、今度は《Black Lotus》から他の色マナを出す→1億ぐらいある白マナから(白)(白)を支払って《オーリオックの廃品回収者》の能力を起動、《Black Lotus》を回収
→あれ、他の色マナも3億ぐらいあるんだが?
あとは天才がひらめいて相手を廃人にしたり、起動すると2点ダメージが飛んでそれ自体は墓地に行く《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》を《Black Lotus》の代わりに何度も使い爆殺等、フィニッシュ手段につなげてエンド。
ちなみに自身の無限ドローも《彩色の宝球》を使いまわす事により可能。
ヴィンテージだけでなく、レガシーでも《彩色の宝球》を先置きしておけば、《ライオンの瞳のダイヤモンド》を《Black Lotus》の変わりにするだけで無限マナ、そこから無限ドローでフィニッシュ手段に持ち込めば成立する。


  • 【Super Crazy Zoo】

近年になって開発された、比較的新しいモダンにおけるコンボデッキ。ちなみに開発者は日本人のクソデッキ愛好家伊藤敦氏。
1マナながら13/13という驚異のサイズと、自分のライフのぶんだけPTが下がる(=残りライフ12でようやく1/1、残りライフ1になれば12/12だが《さまようもの/Wandering Ones(MtG)》に本体を殴られただけで死ぬ)ロマンカード《死の影》と、自分のライフを削れるカードを山程詰め込むことで、3ターン目には《死の影》+《強大化》などで1ショットを狙うというもの。
1ターン目に赤土地を配置して《稲妻》を自分に撃つなどのまさしくCrazyな戦術が光る。邪王炎殺黒龍波かなんかか。
このデッキを始めとするオールイン3キルコンボが暴れすぎたため、共通の重要カード《ギタクシア派の調査》が禁止されて終了。
しかし自分からライフを投げ捨て《死の影》へと繋ぐという流れは【デスシャドウジャンド】などに引き継がれる。


誕生の経緯は伊藤氏本人によるコラム『Super Crazy Zoo調整録』を参照。
簡単に言うと「クソデッキのつもりで作ったら思った以上にどころかプロツアーも狙えるシロモノができあがった」という内容である。
なお【Zoo】とは緑のクリーチャーと赤の火力呪文、その他の色の呪文で構成されたアグロデッキのこと*7
本来は緑のクリーチャーで殴って赤の火力で焼くというデッキであり、緑クリーチャーで邪魔者を排除して赤の火力やファイレクシア呪文で自分を焼く、Super CrazyなこのデッキをZooと呼んでいいかは意見が分かれる。
一応《野生のナカティル》、《ステップのオオヤマネコ》という【Zoo】おなじみなクリーチャーはいる。


  • 【ペインター・グラインドストーン】【ヘルムヴォイド】

前者は《絵描きの召使い》+《丸砥石》*8、後者は《虚空の力線》で墓地に行くカードが追放されるようになっている状態で《Helm of Obedience》の能力を起動する*9事により、相手のライブラリを一発で吹き飛ばす豪快なコンボ。
どちらもアーティファクトがメインなので、ヴィンテージだと《修繕》で呼び出して奇襲する前提で、他のデッキに仕込まれている事も。


遊戯王OCG

近年のテーマデッキは大体コンボ(それも無防備で受けたらほぼ即死級)を有しているので、主にそれ以外の物を紹介。
なお、中には主要カードのエラッタやルールの変更でできなくなったものもある。


特殊勝利

揃えたら勝てるエクゾ・パーツを色んな手段で揃える。
黎明期より存在し、そのころは《強欲な壺》も《天使の施し》も無制限だったため、決まり易さは現在の比ではなかった。
このころのデッキは未だに遊戯王OCG史上最強とされる。もちろん上記カードの規制後も様々なデッキタイプが考案されている。
遊戯王OCGにおいて「初手5枚で勝てるコンボ」は「その初手でエクゾディア揃えられる」と揶揄されたりもする。実際は制限カードとか諸々があるが。


デッキ破壊

サイバーポッドを太陽の書や浅すぎた墓穴などでぱたぱたさせる何度もリバースさせ、相手のデッキをすべて使い尽くさせるデッキ。
先攻1ターンでデッキが尽きて相手は死ぬ。


ビートダウン

2010年以降の遊戯王では後攻1ショットキルは出来て当たり前なため、それ以前のものを紹介。

"サイエンカタパ地獄"とも呼ばれる暗黒時代を生み出した凶悪なデッキ。
《魔導サイエンティスト》+《カタパルト・タートル》の二枚のみでLP8000を削りきる。


1ターンキルデッキのひとつ。
レベル8で攻撃力2400の《終焉の王デミス》で相手のカードをすべて除去し、そこにレベル7で攻撃力2600の《ダーク・ダイブ・ボンバー》を召喚、両者の攻撃を叩き込んだあとに《ダーク・ダイブ・ボンバー》の効果で多量の効果ダメージを叩き込み勝利するデッキ。
初期ライフ値である8000ポイントぴったりの総ダメージを与えることから「遊戯王において最も美しい数式」と呼ばれることもある。
2400+2600+200×8+200×7=8000。ふつくしい……


バーン

  • 【マジエク1キル】

墓地に存在する魔法カードの数だけダメージを与える罠カードである《マジカル・エクスプロージョン》によるバーンデッキ。
このゲームのドローカードは軒並み魔法カードということもあるため、ドローカードを連打してコンボパーツを集める過程で勝手が貯まって火力が上がっていく。
とはいえこのカードの火力だけで相手ライフを削り切ることは流石に困難であるため、別途ライフを減らすギミックと併用することになる。
後述の【ドグマブレード】もこのデッキの派生デッキの1つ(《D-HERO ドグマガイ》でライフを半分に→マジエクで止め)。
時期によってデッキ構築は異なるが、特筆すべき点は最末期に存在した【マジエク閃刀】というタイプ。
閃刀姫】と【帝王】の一部カードをドローギミックとして組み込んだタイプであるのだが、
【閃刀姫】自体が少ないデッキギミックで戦えるコントロール系デッキであるためワンキルできずともこちらである程度戦える上、
サイドチェンジすることで【帝王】というこれまた非コンボ系のハイビートダウン系コントロールデッキに化けることが可能。
そのため、マッチ戦に弱いワンキルコンボデッキとしては珍しく環境でも地雷的に結果を残した。
現在は《マジカル・エクスプロージョン》自体が禁止カードとなったため構築不能。


ジャンクデッキ(あっちのジャンクじゃないよ)とも勘違いしそうなカードリストで、レシピ見ただけでは動かすのが難しい上級者向けデッキ。
デッキ40枚全てがコンボパーツという多くのプレイヤーが「美しい」と褒めるようなデッキでもある一方で、高額なデッキパーツや規制の遅さ、挙句の果てに相性のいいカードの追加にも恵まれるなど、使い手とコナミは多大なヘイトを稼いでいた。
事実上の先攻ワンターンキルができるデッキとして高い知名度を誇るが、マッチ戦の性質上、実は公式大会では意外な程結果を残していない。
結局キーカードが規制され姿を消した。また一部カードはエラッタされたため、全盛期の姿を拝むことは不可能となっている。
ちなみに「ドグマブレードシミュレータ」なる当時のドグマブレードを回してワンキルを目指すためだけのサイトが存在している。
詳細は項目にて。


ガエルの中でも《イレカエル》を利用した1killデッキ。
時期によって二つに分けられ、その内一つは世界大会をも制した。


最低手札2枚から始まり、全盛期の成功率は8割(相手の妨害想定無しの場合)を誇った驚異の先攻1キル。
僅か1枚のカードがまるで繋がりのないカード達を結びつけてワンキルに向かうのはある意味芸術。
ノーデンが先行登場した韓国の環境で猛威を振るっており、日本でもノーデン来日前から騒がれていた。
来日後の大会でも優勝した経験がある……が、そのときの環境が魔界すぎたのと、対策も研究されていたため、日本では大きな成果は出なかった。


ロック・コントロール

  • 【ゴーレム】

相手のモンスターを強制的に生け贄にしつつ自らを押し付ける大型モンスター《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》と、
相手に奪われたモンスターを取り返すカード《洗脳解除》を組み合わせたデッキ。


本来、大型モンスターを出すためにはそれに応じた下準備や対価が必要なのが遊戯王のルールなのだが、その対価を相手に無理矢理肩代わりさせつつ肝心の大型モンスターだけ頂く、というもの。


TOD*10を前提にしたヘイトを稼ぐために作ったとしか思えないデッキ。
ドグマブレードの派生デッキであり、安定性こそ落ちるが、先攻1ターン目でマッチに勝利できるという最高クラスの勝利を得られる。
ここまで来ると狙う勝利がどこかずれている気がしないでもない。
ずっと俺のターン!


  • 【コスモロック】

上の面々に比べると知名度は低いが、決まればソリティアよりえげつない事になる凶悪なロックデッキ。
《宇宙の収縮》と言う場に出せるカードの枚数を制限するカードと、《おジャマトリオ》《心鎮壷》を使って相手のカードゾーンを不要なカードで埋め尽くし、本来使うはずだったカードを使えなくさせるデッキ。
カードを使うためのスペースを文字通り隙間なく埋めてしまう関係上、決まれば相手は全く身動きが取れなくなる。
そこから《ステルスバード》や《波動キャノン》等で嬲り殺しにする、《終焉のカウントダウン》の時間稼ぎをすると言った戦術を取る。
その後リンク召喚の登場によりトークンを簡単に処理できるせいでまともにロックが効かなくなったとか


  • 【トランス】

ロックデッキとしてはコスモロックと並ぶ強固さを誇る。上記のワールドトランスの語源だが、構築や動かし方は全く異なる。
相手の場のモンスターが三体のみの場合に相手の魔法、罠、効果モンスターを全て封殺する《サイバー・ブレイダー》と、
これまた《おジャマトリオ》や《地盤沈下》と言った相手の場を固定するカードを使い、相手の動きを完全に封じる。
本来はそこから《現世と冥界の逆転》を使って延々とデュエルを引き延ばしTODを狙うデッキだったのだが、
ルール変更によりその戦法は不可能となった。
しかしロック機構自体は健在なので、他のロック同様《黒魔導師クラン》や《波動キャノン》等を使って一方的にライフを削る戦法も……


上記のトランスやコスモロック等の遅延・封殺系のデッキの派生。
強固なロックで相手の身動きを封じた後、ヴィクトリー・ドラゴンを呼び出して先攻マッチキルを目指すと言う狂ったコンセプトのデッキ。
手札交換系の札の多さやロック要素が強い性質上、三原式に習ったデッキデス等にも無理無くスイッチ出来るのが強み。
「マッチキル封じに違反行為」等、リアルファイトじみた番外戦術も発生させた禁断のデッキである。


  • 【ラストバトル!】

上記のトランス・コスモロック等のロック系デッキの派生その2。
敵の身動きを封じた上でラストバトル!を発動させて強制勝利を狙う反則ぎみなデッキである。
ジョウゲンで特殊召喚をメタる等、意外とラストバトル!での勝利条件を満たす事自体は簡単なので、コンボデッキとは真逆のメタビ等でもラストバトル!は採用可能だった。


  • 【チャルアイーター】

コスモロックやトランスに比べると成功度は低いが、こちらも中々に凶悪。
《タイム・イーター》という、相手モンスターを戦闘破壊することによって相手のメインフェイズをスキップするモンスターと、
地縛神の一体《地縛神 Chacu Challhua》の「守備表示の時相手はバトルフェイズを行えない」と言う効果を組み合わせる事で、相手はドロー以外実質何も出来なくなる
だが、どんなデッキにも入る《サイクロン》や《月の書》一枚で瓦解するので、過信は禁物。
タイムイーターを抜いて【竹光】を混ぜてドローロックも狙えるになった派生デッキがある他、《虚竜魔王アモルファクターP》と《端末世界》を入れた【ドライトロン】でも似たような動きができる。


その他大量展開コンボデッキ

シンクロ召喚登場以降、遊戯王OCGはコンボによる大量展開に優れたデッキが環境・非環境問わず多数誕生しており、2020年代においてもこれが主流の1つとなっている。
そして大量展開したモンスターをエクストラデッキのモンスターを出すための素材とすることで、先攻ならば制圧、後攻であれば相手の場を除去しながらワンショットキル、というのがごくごく普通のことと認識されている。
ここではそういった大量展開デッキの中でも特徴的なものを紹介する。


手札0枚の時に使える強力な効果を持つテーマの「インフェルニティ」を主軸としたデッキ。
言うまでもなく手札が0枚というのは一度返されればワンショットキルされずともそのまま敗北必死であるのだが、
その代わりとばかりに本カテゴリの主力カードはサーチや蘇生といった強力な効果にも同名カード発動回数制限が殆ど掛かっていないため、
効果発動→各種召喚の素材にする→墓地等から再度特殊召喚→効果発動→ryで延々とループすることが可能。
その結果ひたすらループコンボでデッキをぶん回して強力なモンスターを多数並べ、相手に返される前にワンショットキルで削り切るor返すことが不可能なほどに制圧するというのが基本戦術。
そのループコンボは実践的なものから非実用的な文字通りの無限ループコンボまで多数存在し、
極まったものになると相手の手札・デッキ・墓地をすべて除外するだの
宣言したカード名1つをプレイ不能にするカードを使いまわして自分の使うカード以外全てを宣言して相手を何もできなくするといったものまで存在する。
どちらもループにかかる時間が長すぎるため実用性は全く無いのが幸い。


そのあまりに異質なデッキコンセプトから「インフェルニティ」に魅せられたデュエリストも多数存在し、彼らは満足民と呼ばれて今日も満足を追い求めている。
上記のようなループコンボの発展は言うまでもなく満足民の飽くなき研究の結果であるのだが、極まった結果として
「新規カード発表後十数分で無限ループを絡めた先攻1ターン特殊勝利コンボを発見」
「ミラーマッチではお互いの初手手札を見せるだけで勝敗が決まった」
という、デッキ本体に負けず劣らない尖ったエピソードも豊富。
なんだったら先述の全除外コンボも新規発表後1時間と経たずに考案されたコンボである。


環境での活躍時期も異なるデッキだが、いずれも連続してシンクロ召喚を行うデッキ。
シンクロ召喚に成功する度に1ドローできる《TG ハイパー・ライブラリアン》を絡めることで、手札を減らすことなく次々とシンクロモンスターを呼び出していく。
殆どの大量展開デッキがサーチでリソースを補充することが多い中で、このデッキはドローによってリソースを補給する、チェイン・コンボ型の展開デッキという珍しい存在。
そのため、ドロー内容(および《調律》といったカードのランダム墓地肥やし結果)によって展開を変えていくアドリブ力を強く要求される。
よって安定性は皆無なのだが、ぶん回った際には高攻撃力・高い制圧力を持つシンクロモンスターを複数並べて制圧、
氷結界の龍 トリシューラPSYフレームロード・Ω×3による先攻4ハンデスといった強烈な爆発力を魅せる。
天敵は特殊召喚を連打するため相手に大量ドローを許してしまう増殖するG
本デッキの場合はあまりに特殊召喚を連打することから、気づいたら相手がデッキの半分以上引いていたということも珍しくない。
ただし、大量展開の過程でこちらもドローを繰り返すため、《手札抹殺》を無理矢理掘り当てて相手をライブラリーアウトも不可能ではない
……というか公式の全国大会でこれが発生した次回の制限改定で地雷デッキにも関わらず大規模制限喰らった原因とも。


  • 【イグナイト先攻1キル】

イグナイト】をベースしたデッキだが、その実は《ファイアウォール・ドラゴン》、《氷結界の虎王ドゥローレン》、《地霊神グランソイル》といった同名カードの発動制限のないバウンス効果持ちモンスターを展開し相互にバウンスし無限ループを発生させ、そこにバーン効果を絡めたデッキ。
……と、これだけ書くと上記【グッドスタッフリンク】派生の「バーンもできる先攻ワンキルデッキ」の1つに過ぎないが、
このデッキ最大の特徴は文字通り全ての初期手札から100%先攻ワンキルできるという、先攻ワンキルのコンボデッキとしてあってはならない領域に突っ込んだデッキであること。
遊戯王が手札誘発による妨害前提のゲームであるため実戦での成功率はさておくとしても、相手がそういった妨害を引けなければ文字通り先攻後攻のコイントスだけで勝負が決するため、存在することそのものが不健全というレベル。


この事態には流石にKONAMIも放置することができず、新規カードの発表によりこのデッキが成立して1週間程度で《地霊神グランソイル》に同名カードの発動回数制限をかけるエラッタが発表、未曾有の先攻1キルデッキは早々に消滅した。
ファイアウォール・ドラゴン》をこのときエラッタしなかったことが、後年大量の禁止カードを出すことに繋がるのだが。


  • 【グッドスタッフリンク】

2018年頃に活躍したリンクモンスターを切り札とするコンボデッキ。
少ない手札消費で様々なリンクモンスターを並べて先攻では制圧、後攻ならワンショットキルする様は圧巻の一言。
他のTCGからすれば「グッドスタッフなのにコンボデッキ」という不思議なデッキだが、こういったデッキが環境レベルで主流となっていたのがこの時期の遊戯王の特徴。
カードプールの変化によって、出張ギミックを多数組み合わせたり、汎用カードだけでも単なるシナジーを超えたコンボが可能となっていたのである。
後に数々のカードが規制されることとなったが、その中でも《水晶機巧-ハリファイバー》、《ファイアウォール・ドラゴン》といったカードは、
緩い素材から出しつつもさらなる展開に繋げられるカードとして(規制が後手に回り続けたこともあって)後年まで猛威を振るった。
なお、グッドスタッフということでデッキの派生も多い(後述)が、派生デッキの中にはサブプランとして先攻ワンキルができるという更に異質なデッキも存在した。


上記【グッドスタッフリンク】の派生デッキで、リンクモンスター展開ギミックを植物族に寄せたもの。
中でも、場に《トポロジック・ボマー・ドラゴン》+墓地に《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》という布陣を作ると、
最終的に墓地に落ちた植物族の数だけ800バーンするループが発生するため、
展開過程でアマリリス以外に植物族を墓地に10体溜め込めばバーンによる先攻ワンキルが可能なのが特徴。
もちろん【グッドスタッフリンク】の派生であるため先攻なら制圧、後攻ならワンショットキルできる器用さもあるので、
先攻ワンキルが狙えない場合は制圧する、後攻であればある程度殴った上でアマリリスのループで削り切る【ビートバーン】じみた戦術もとれる。
最終的に《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》が禁止カードとなったことで、先攻ワンキルデッキとしての【植物リンク】は消滅した。


  • 【ドラゴンリンク】

上記【グッドスタッフリンク】の派生デッキで、リンクモンスター展開ギミックをドラゴン族に寄せたもの。
ドラゴン「リンク」とあるが、ハリファイバー等の関係からシンクロ召喚も組み込まれている。
当初は守護竜を中心としたモンスターで展開しながら《アークロード・パラディオン》を自身の効果で攻撃力8000まで上昇させた後、
破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える《破滅竜ガンドラX》で破壊して先攻ワンキルするデッキだったが、
ガンドラX禁止後はその展開力を先攻制圧・後攻ワンショットに回すタイプに以降して環境を席巻した。
最終的には守護竜を始めとするメインパーツが軒並み規制され環境からは退く形となったが、一方でドラゴン族自体が遊戯王OCGでも人気が高くテーマカードも豊富なカテゴリということもあり、
規制後も後年登場したドラゴン族カテゴリのカードを取り込むことで往年とは違う形ながらデッキとして成立している。
融合・シンクロ・エクシーズ・リンクと様々なカテゴリのドラゴン族エースモンスターが次々と呼び出されるのは圧巻


  • 【ユニオンリンク】

上記【グッドスタッフリンク】の派生デッキで、元々お手軽に制圧モンスターを出せる【ABC】をベースにリンクモンスター展開ギミックを追加したもの。
制圧orワンショットキルデッキはもちろんだが、サブプランとして《ファイアウォール・ドラゴン》+《アサルト・コア》+《キャノン・ソルジャー]》等の射出モンスターの3枚でバーン効果の無限ループによる先攻ワンキルを狙えるのが特徴。
最終的には射出系モンスターが軒並み禁止となるという遊戯王OCG史上稀に見る大規模規制を招くことに。
……この時も無限ループの原因である《ファイアウォール・ドラゴン》が放置された*11ので、結局何の解決にもならなかったのだが。


  • 【ドラグーンビート】

圧倒的な制圧力を持つ融合モンスター《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を出すことに特化したソリティアデッキ。
緩い条件で出せる《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》がデッキ融合をデッキからコピーする効果を持つため、
【グッドスタッフリンク】のエンジンを用いることで様々な手札からこのモンスターを安定して出せるのだが、
研究が極まった結果相手は一切の特殊召喚ができない状態でドラグーンを突破しなければならないという布陣を手札1枚(+手札コスト)から成立させる【リリーサードラグーン】というギミックが確立。
残りの手札を使うことで更に盤石な制圧布陣を組めるということもあって早々に規制が入り、最終的にはドラグーン本体が禁止になりデッキとしても消滅した。
なお、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》は何故か禁止を免れたため、後年の別のデッキで再び猛威を振るうことになる。


緩い条件から強烈な制圧布陣を敷けるということもあって当然環境を席巻した……と言いたいところだが、
このデッキが成立したのは2019年冬ごろ……新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会そのものが開催されない時期であったため、
大会で殆ど結果を出してないのに大規模規制されたデッキという他に類を見ない経歴を持っていたりする。


  • 【イシズティアラメンツ】

「墓地に送られると墓地のカードをデッキに戻して融合召喚」を基本戦術とする【ティアラメンツ】をベースに、
お互いのデッキを墓地に送る効果を持つ「イシズ」こと【現世と冥界の逆転】関連のカードを混合したデッキ
*12
【ティアラメンツ】側の効果で【現世と冥界の逆転】カードを手札から墓地に送る
→後者の効果でデッキから墓地にカードが落ちる
→デッキから落ちたカード効果の効果が発動、【ティアラメンツ】なら融合、【現世と冥界の逆転】なら追加の墓地肥やし
……といった感じに、一度効果が起動すると連鎖的に墓地効果が発動してものすごい勢いでデッキが墓地に落ちながら融合モンスターが並ぶ。
本来は安定しないはずのランダム墓地肥やしを圧倒的な墓地肥やし回数の暴力でねじ伏せており、開発されるや否や一気に環境トップへ上り詰めた。
その異常なまでの墓地効果の連鎖は遊戯王でパチンコやってると揶揄されるほど。
一方、大量のランダム墓地肥やしという都合上、プレイヤー側にも高いアドリブ能力を要求される上、
【現世と冥界の逆転】自体の本来のデッキコンセプトであるライブラリーアウトも狙えるため、戦術をスイッチする判断力も要求される。


なおこのデッキ、コンボデッキの宿命である「先攻取られたら致命的なメタカードを先に出されると詰む」……なんてことは一切無い
どういうことかというと、このデッキは「相手ターンに手札のカードを捨てて発動する効果を持つモンスター」
「相手ターンに【現世と冥界の逆転】関連カードと一緒に手札から墓地に捨てて相手の効果をカウンター」といったギミックが仕込まれており、
その結果「先攻1ターン目の相手の動きに反応して捨てたカードが墓地に送られる→墓地肥やし効果が起動→墓地に落ちたカードの効果が起動」という流れが発生する。
すなわち、相手の先攻1ターン目でも平然とコンボしながら展開してくるのである。誰が言ったか後攻0ターン目
この後攻0ターン目でのコンボ展開こそが本デッキの最も特徴的な点言えるだろう。
……その結果、先攻だろうが後攻だろうがアドリブ展開が多数発生するため、大会での時間管理が非常に難しいデッキでもある。


流石に後攻0ターンで大量展開するのは許されるはずもなく、その後2度の制限改定にて関連カードが大規模に規制を受けた。
特に2度目の制限は【ティアラメンツ】側のメインカードが軒並み禁止・制限という類を見ないほど厳しい規制だったのだが、
【ティアラメンツ】側に新規カードが実装されたのもあってその後も環境トップを引き続き席巻した


デュエル・マスターズ

クリーチャーによる攻撃を前提とするゲームシステムを否定するようなものが多数。
DMデッキ開発部においてはコンボデッキ紹介役のユウヤ君という名物キャラを生み出した。


  • 【セイバードラピ】

2コストセイバーを立てて、そこに条件を満たしていないはずの《緑神龍ドラピ》を突っ込んじゃうデッキ。
早ければ2t目にTBが登場するデッキだがデュエル・マスターズのルール上覇権を握るほどではなく、コンボ成立=勝利とならないデッキである。
どちらかと言うとコンボというよりシナジーを利用したデッキか。


  • 【ジェームズゾルゲ】

わぁいの大好きなデッキ。【紅蓮ゾルゲ】はカレーパン旋風を引き起こしていたのだが、
ユウヤのおかげか成立は難しいがそれなりに強いと認識されているデッキ。


  • 【フォーミュラエクストラウィン】

多種多様な形があるがどのみちコンボにつながる上、エクストラウィン(特殊勝利)を前提にするためまさしく安全な即死デッキ。
ハルくんちゃんさんに「ユウヤさん《偽りの名 iFormulaX》を与えた世界が悪い」とまで言わしめた。
ユウヤといえばフォーミュラというイメージの強い方も多いのではないだろうか?
もともと【メルゲループワンショット】もユウヤくんの【メルゲループエクストラウィン】からフォーミュラを抜いて
ワンショット軸に切り替えたものである。


  • 【アレフティナエクストラウィン】
  • 【イレブンエクストラウィン(Σループ)】
  • 【キャヴァリエエクストラウィン】

以上、全部ユウヤくんのデッキ。ユウヤくんはエクストラウィンが大好きなのだ。
ユウヤくんのおかげでキャヴァリエは再評価が進んだ。
なおイレブンのデッキは「相手ターン中にループを起動してそのまま勝利する」という、
なにを食ったらそんなえげつないことを企むのかわからんデッキではあるが、
運次第では実際イレブンエクストラウィン(Σループ)は相手ターン中に勝てることは指摘されてはいた。
誰もそれをメインに組もうとかしなかったわけだが。ユウヤくんはやっぱりおかしい。


  • 【ターミネーターループ】

《世界の果て ターミネーター》の効果でひたすら《黒神龍ザルバ》を使いまわしてライブラリアウトに追い込むデッキ。
もうここまで読んだらわかるだろうが当然わぁい。
誰か彼からフォーミュラとザルバを取り上げてくれませんか。


  • 【ヒラメキドレーン】

デュエル・マスターズにおける開発者がリスペクトされたデッキ。
既にメタに上がっていたとはいえユウヤくんが公式で紹介してしまった。
純粋なコロコロ好きの子供たちの前でこんなん紹介しなくていいから……


なお、ユウヤくんは「殴ってる」という理由だけで美学がないとして却下しているが、
実際の環境ではまさにここで話題にしている「即死コンボ」をさくさく決めて行くデッキなので規制が強く望まれていたほどのデッキである。
なおアンノウンデッキとして銘打たれたくせに《偽りの名 スネーク》3枚以外アンノウンが入っていないのは有名。


  • 【エザワカンタービレ】

ドラゴンデッキの1つで《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》(略称エザワ)でデッキの殆どのカードを墓地に送り《偽りの王 カンタービレ》で墓地のドラゴンを全てマナに変換する豪快なコンボ。
決まった後はマナの暴力でワンショットキルしたり、《黒神竜ザルバ》を《無限龍ファタル・スパイラル》で使いまわしてライブラリアウトさせたりできる。


  • 【ラララオプティマス】

SC-光で墓地の呪文を回収できる《常勝ディス・オプティマス》とマナゾーンのカードが5文明になるスノーフェアリー《薫風妖精コートニー》がいる状態で、スノーフェアリーがいると0マナで唱えられるマナ加速《妖精の裏技ラララ・ライフ》を唱えると、1マナ増えた状態でラララ・ライフが手札に帰ってくるので無限にマナブーストできる。
シールドに埋まったカードはオプティマスのSC-水で、マナに埋まったカードは《セイレーン・コンチェルト》で回収可能なのでパーツがどこにあっても手札に持ってこれる。
主な勝ち手段はコンボ成立時間が短い《水上第九院 シャコガイル》のエクストラウィンを成立させるパターンが多い。
他には《術英雄 チュレンテンホウ》でコンチェルトを2回唱えられるようにするループを組み込みマナを余らせつつ呪文を回収する機構を作って好きなだけ好きな呪文を唱え続けたり、《獰猛なる大地》で《ボルバルザーク・エクス》ともう1体Cip能力持ちを延々と出し続けてCip能力をループしたりすることもできる。
この為ライブラリアウト負けの可能性を排除したりしてやったりすれば理論上の勝ち手段は非常に多い。勝ち筋の多さと動きの複雑さ、プレイにかかる時間など類似点が多く、DM版【サニー・サイド・アップ】と言っていいかもしれない。
コンボデッキながらデッキの息が非常に長く、《常勝ディス・オプティマス》が登場した2011年から存在する。オプティマスが殿堂入りするまで6年、その後も時折大会に顔を出す、古豪と言ってもいいデッキである。


  • 【転生サイクリカ】

究極の魔境である殿堂ゼロデュエル(殿堂・プレミアム殿堂問わずすべてのカードが4枚使用可能な特殊ルール)において最強クラスの座に君臨するデッキ。
名前からして嫌な予感しかしないデッキだが勿論その通り、《転生プログラム》を《龍素記号Sr スペルサイクリカ》で使い回してループするデッキである。
以前から存在していたデッキだが、超天篇から導入されたGR召喚《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》の登場で進化を遂げ、ループが可能となった。
《♪銀河の~》はGR召喚したあとに3コスト以下の呪文を手札から踏み倒すことができる呪文である。お察しの通り、GR召喚したGRクリーチャーに《転生プログラム》を撃ち込む事が可能なのである。
そしてデッキ内のクリーチャーを《サイクリカ》だけにすればあら不思議、3マナでスイッと《サイクリカ》が降臨する。そして《サイクリカ》の効果で先ほど使った《転生プログラム》を撃ってまた次の《サイクリカ》を踏み倒し……。
これがループし、最終的にどうなるかといえば、12体のGRクリーチャーと1体の《サイクリカ》が3ターン目に並ぶ事になる。
後は《ダイヤモンド・ソード》を撃つなり、《ミラクル・ストップ》でトリガーを封殺して殴り倒すなりすれば良し、いずれにせよ相手は死ぬ。
コンボ始動に必要なのが《転生プログラム》と《♪銀河の~》とたったの2枚だけで済み、2マナのオーラが用意できれば最悪《転生プログラム》だけでもいいのが最大の強み。後はサーチとトリガーを入れるだけ入れて完成。
そしてなんといっても安価で構築できるのが非常に魅力的。SRのカードは《サイクリカ》くらいであり、核となる《転生プログラム》も現在は殿堂環境では使えないので非常に安く入手できる。ついでにサイクリカも今は非常に安い。
ミクセル対策としてGRクリーチャーも殆どを2マナ以下で抑えなければならないので、高額になりがちなSRのGRクリーチャーを使う事もない。GR召喚を駆使する都合上、最近発売されたパックのカードを使う事になる点も見逃せない。
カードの価格によっては諭吉どころか樋口一人でも作成でき、それでいて無差別級最強の力を誇るこのデッキで君も無法地帯デビューしよう!


Z/X -Zillions of enemy X-


  • 【アニムスループ】

精神の魔人アニムス』を使ったZ/Xでは唯一といえるループデッキ。
決まったらほぼ勝利である代わりに、通常のアニムス軸デッキよりも構築が偏るため回しづらい。
詳しい手順はこちらを参照。


  • 【青イェーガー】

リソースに『突き刺す尖晶石スピネルペンギン』とセットで置かれていれば自ターン中に限り相手ゼクスのコストを2下げる『牙の猟師イェーガー』を使ったデッキ。
Z/Xでは破壊よりもバウンスの方が査定が緩いことを利用し、青のバウンス能力持ちで相手ゼクスを手札に戻しまくる。
リソースリンクはリソースに置くことで効果を発揮するため出すコストを必要とせず、色が合わなくてもそれだけタッチで入れられるため構築も融通が利き易い。
またランデスが皆無なためイェーガーのような永続タイプが出せばずっと効果を発揮するのもメリットか。


  • 【バウンスマシャカ】

互いの手札をデッキに戻し、2枚ドローする『暁十天クテール・マシャカ』を使ったデッキ。
バウンスは相手の手札を増やしてしまうことが欠点だが、クテール・マシャカで強制リセットすることでそれを補うことができる。
上記の青イェーガーと組み合わさった日には相手のストレスがマッハ。


  • 【リアンブレイバー】

コンボでもあるがどちらかというとビートダウン寄りのデッキ。
基本はチャージに5コスト以上のエンジェルがいるとイグニッションアイコンを得る『魂を結ぶ天使リアン』を軸とし、通常のIG枠をブレイバーで埋めるだけ。
元々ブレイバーが登場するたび2000火力をまき散らす『日出る国の女王 卑弥呼』の存在からブレイバーはイグニッションによる捲りが強く、そこにパワー8500のリアンを踏み倒すという追加要素がかみ合ったため、一時期のCSはこのデッキが大流行した。
現在では対策も考えられある程度下火にはなったが、それでも十分すぎる強さを発揮する。


ちなみに初期は考案者や関係者が「捲りのオタク(=とにかくひたすらイグニッションする)」と称していたいうことで、
【オタクブレイバー(オタブレ)】とも呼ばれていたが、由来が分かりづらいということなどもあって現在のリアンブレイバーに落ち着いた。


バトルスピリッツ

ゲーム開始後はデッキのシャッフルを行わないTCG。
デッキ全体から探すサーチカードが存在しないため、コンボデッキは組みにくい。
それでもトーナメントレベルになる場合は大半がループソリティア系に属するため、ソリティア(TCG)の紹介の方が詳しい。
ここではループ以外のコンボデッキを例に挙げる。


  • 【颶風ガルード】

「颶風高原」を張った状態で「鳥獣烈神ガルード」を召喚するとコアが5個増える。
爆発的にコアを得られるだけではあるのだが、バトスピはコアさえあれば何でもできるTCGであり、これを元手にドローそして2枚目以降のガルードを引き当てて召喚…とどんどんアドが増えていく。
最後は増えたコアと手札でデッキ破壊カードを連打することで勝利する。


  • 【バラガンオライオン】

ミブロック・バラガン」は自分のスピリット1体を手札に戻し、戻したコスト以下の合計になるように相手スピリットを手札に戻す。
これで召喚時にデッキ破壊を行う「巨人猟兵オライオン」を再利用するというデッキ。
当時は「巨人港」が存在したためこの3枚で強固なロック体制を構築できた。


  • 【タウラスワンショット】

金牛龍神ドラゴニック・タウラス」と「光龍騎神サジット・アポロドラゴン」を場に揃え、
更に神星または光導を合計5体召喚し、タウラスのアタックで5点ダメージをたたき出すワンショットコンボ。
サジット・アポロドラゴンの効果により相手はフラッシュタイミングのカードを使用できず、対処不能の一撃となる。
基本パーツ自体は2枚だが追加の光導や神星なども含めどれもこれもコストが重く、ロマンの域を出ない。


  • 【νジークフリード】

「煌龍銃剣ガンズ・バルムンク」を召喚し、「秩序龍機νジークフリード」を《煌臨》させる、これだけ。
これでカードの効果を受けない、ブロックされない、3点ダメージ×2回のアタックを行える。
バトスピは初期ライフが5なのでこの時点で6点ダメージのワンショットキル、しかも防ぐ手段が極めて少ないのである。
なんとこの2枚、どちらも同じ構築済みデッキの看板カードで各2枚ずつ収録されている
デザイナーズ・コンボでありながらいくらなんでもやり過ぎであり、構築済みデッキ発売からわずか半年で秩序龍機νジークフリードは制限カードとなった。


  • 【アルケーパラディン】

どちらかのライフが減るかスピリットが破壊されたときというゆるい条件で踏み倒し召喚でき、追加コストを払うとライフダメージを叩き込めるコスト7の青スピリット「アルケーガンダム」と、
コスト7以上の緑か青のスピリットを手札に戻すことで場に出して相手のトラッシュ除外やコア回収などで盤面を制圧しつつライフを狙う「インペリアルドラモン パラディンモード」によるコンボ。
特筆すべきはそれぞれ機動戦士ガンダム00デジモンアドベンチャー02とのコラボカードであることで、コラボデッキの範疇を超えて緑と青のグッドスタッフデッキのフィニッシャーとして名を馳せた。
コラボカードが制限カードになった前例がなかったため注目されていたが、2021年に揃って制限カード指定。
とはいえ単体でも十分のパワーカードである*13ことや青が手札交換を得意とすることから、コンボが決まること自体は減ったものの依然として強力なコンビとして名を馳せている。
今やプレイヤー間では【緑青グッドスタッフ】や【緑青GS】*14よりも【アルケーパラディン】【アルパラ】の方がよほど通りが良いほど。
ちなみにパラディンモードは本来は【緑青デジモン】のフィニッシャーではあるのだが、前段階である「リリモン」「パイルドラモン」「インペリアルドラモン ファイターモード」の殺意も十分すぎるほど高くパラディンが出てくる前に相手が死んでいるので、デジモンデッキが割を食ったという認識はさほどされていない。
アルケーガンダムの方は青のモビルスーツデッキの主流である「ソレスタルビーイング」に属していないこともあり採用するかはまちまちな上、そもそも【ソレスタルビーイング】*15がコラボカード第3の制限カード*16を産むほど強力だったためやはりアルケーの規制で本来のガンダムデッキが割を食ったという認識は薄い。


カードファイト!!ヴァンガード

全体として使えるコストが少ないためループやチェインコンボが成立しづらい。デザイナーズコンボ系統は多いが明確にコンボデッキを名乗るデッキはあまりない。
しかし稀に環境に顔を出すような凶悪コンボデッキが登場することがある。
またクラン制限のないエクストリームファイトではかなりの数の無限コンボ即死コンボが存在していた。


  • 【バッドエンドエンペラー】【バッドエンドオーグル】

強力なブレイクライド(BR)効果を持つ「バッドエンドドラッガー」から「魔王ダッドリー・エンペラー」にBRして「バッドエンド」の効果でパワーを、「エンペラー」の効果でバトル回数をガンガン増やして一気に殴り倒すことに全てを賭けたスパイクブラザーズのデッキ。
コンボを決めたターンで全リソースを吐き切るため、そのターンで勝てないと返しのターンでこちらが死ぬ非常にピーキーな構成となっている。
後に「ブラッディ・オーグル」&「フローズン・オーグル」が登場すると「エンペラー」はこちらに置き換わりさらにパワーとバトル回数が増したが高パワーで相手が死ぬまで殴り続けるという動きに変わりはなく決め切れないとこちらが死ぬのも相変わらずであった。
というかVシリーズに入るまでのスパブラはどのデッキもだいたいこんな感じである。


  • 【リフロスループ】

自身を山札送りにすることでダメージゾーンのカードを入れ替え+1ドロー効果を持つスタンドトリガー「ドクトロイド・リフロス」を使用したエンジェルフェザーのループコンボ。
このリフロスをダメージゾーンに1枚、リアガードに1枚、山札を残りのリフロス1~2枚のみとすることでリフロス単独で無限ループが成立する
あとは「ダメージゾーンにカードが置かれたときパワー+○○」系のユニットと組み合わせることで無限パワーを得た上でリフロスのスタンド効果を使用して連パンして勝利、という形になる。
ダメージ・リアガード・山札という3領域にリフロスを置く必要こそあるものの、リフロスが自身がリアと山札をグルグルしつつ
ダメージゾーンを入れ替えていくので手札に来たリフロスの効果を使いながら山札を削っていけばループに突入することが出来る。
ヴァンガードでは恐らく初めての実戦級無限ループコンボであり、リフロスと極めて相性の良い「ノキエル」と組むことで大きな実績を残した。
しかし山札という非公開領域を経由しシャッフルを挟む為、ルールに厳密に従うとループ作業の省略が出来ず、1ループ毎デッキカット作業が必須。
山札を削り切るという性質上ループに入るまでも時間が掛かるデッキ構成だったということもあり、使われる側からはクッソ嫌われた非常に賛否を呼んだデッキであった。後にリフロスが規制入りし消滅。


  • 【ターロループ】

ソウルからドロップゾーン移動したときに山札に帰ることでリアガードをスタンドさせる「春眠の女神 ターロ」をソウル→ドロップゾーン→山札→ソウル→ドロップゾーン……と
ループさせることで何度もスタンド効果を使用して多大な攻撃回数を稼ぐデッキ。
ループの名を冠してはいるがリフロスとは異なり有限ループであり必要パーツも多い。
もっともループの弾が尽きるころには相手は死んでいるためあまり問題にならない。



あとは追記と修正を引ければコンボが成立するのに…


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*1 試合や大会運営に支障をきたすためルールや裁定で、終わらせることができない無限ループコンボは不可能となっているTCGもある。
*2 大抵のTCGでは一戦辺りの制限時間が設けられており、制限時間いっぱいになると強制的にターン制限が設けられ規定ターン終了までに決着がつかなかった場合盤面に関わらずライフ差等で勝利が決まるルールが採用されている。意図的に制限時間を使い切る事でルールによる勝利を狙いに行くれっきとしたプレイングの一つであるが当然ながらかなり嫌われる行為なので注意。
*3 下記の【Super Cravy Zoo】開発者「伊藤淳」氏。
*4 サヒーリが場と墓地合わせて2枚以上にある状況で《太陽のタイタン》をキャスト→3マナ以下のパーマネントを墓地から戻す能力が誘発、墓地からサヒーリ・ライ》を釣る(1枚戦場1枚墓地の場合、この段階にてレジェンドルールで能力を使ってある方を1枚墓地に送る)→-2能力を使用、《太陽のタイタン》のトークンを出す→3マナ以下のパーマネントを墓地から戻す能力が誘発、墓地から2枚目の《サヒーリ・ライ》を釣る→レジェンドルールに従い1枚目のサヒーリを墓地に落とす→2枚目のサヒーリで-2能力使用、《太陽のタイタン》のトークンを出す→以降ループ、1000体ぐらいの速攻持ち《太陽のタイタン》でアタック、相手は死ぬ。
*5 解説すると、先手のターン中に後手がワンキルする。自分の1ターン目が来る前の勝利なので0ターンキル
*6 墓地にあるマナコストが1以下のアーティファクトを手札に戻す。
*7 同じ色でもマナクリで加速して高マナ域を即座に出すランプデッキ【ステロイド】もある。
*8 《絵描きの召使い》で相手のデッキの色に共通な1色を加える事により、カードを2枚墓地に送り、同じ色のカード2枚が落ちた場合もう一度繰り返す《丸砥石》の能力がライブラリが空になるまで持続するようになる。
*9 クリーチャーX体が出るまで相手のライブラリーをめくり、めくれたクリーチャーをこちらのコントロールで出す…だが、クリーチャーに限らず墓地に落ちるはずのカードが追放されるので、結果として全てのカードが追放される。
*10 タイムオーバー・デス。時間切れでの勝利
*11 当時《ファイアウォール・ドラゴン》はアニメの主人公の切り札であったため、容易に規制ができない事情があったものと思われる。その後アニメ放送期間中に《ファイアウォール・ドラゴン》も禁止カードに指定されたのだが。
*12 「イシズ」は遊戯王原作での【現世と冥界の逆転】使用者の名前
*13 特にアルケーは色を問わずまさしく傭兵として暴れている。
*14 バトスピは緑の方が属性の順序が先のためこう記述するが、実際のところは語呂の良さから【青緑】の方がメジャー。
*15 作品名である【ガンダム00】と呼ばれることのほうが多い。
*16 母艦「プトレマイオス」のこと。【ソレスタルビーイング】のバトスピ最高峰とも言われる手札交換を支えていたネクサス。

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