登録日:2011/06/22(水) 09:30:19
更新日:2023/10/30 Mon 13:25:07NEW!
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フロントミッション front mission ヴァンツァー 兵器 ロボット 量産機 カスタマイズ 架空の兵器 wap
ヴァンツァー(Wanzer)とは、フロントミッションシリーズに登場する兵器の名称である。
ちなみに「WAP」と略される。
シリーズ1作目のSFC版「フロントミッション」では、ヴァンツァーは「ヴァンドルング・パンツァー(歩行戦車)」の略称とされていたが、文法上の誤りを指摘され、後のシリーズで「ヴァンダー・パンツァー」の略称と改められた。
◆ヴァンツァーの歴史◆
WAPの前身であるWAW「ヴァンダー・ヴァーゲン」(独語で歩行車両)は2025年に試作機が完成。
当初は瓦礫撤去や地雷除去の作業で好成績を出していたWAWだが、2035年に武装したWAWが紛争地域へ実践投入され戦果を挙げたことがきっかけでWAWは「兵器としての有効性」を見出だされる。
2040年代には技術発達し進化した新型WAW、すなわちヴァンツァーを世界の各国が正式採用し軍の主力兵器として配備、WAWは兵器として昇華した。
フロントミッションの世界(約100年後ぐらいの地球)においては最も普及している陸戦兵器の一つであり、戦車と比較すると非常に高い機動性と不整地への対応力・武装換装による柔軟性・汎用性の点で優れ、戦車に代わる新兵器として活躍している。
一方で絶対的な火力や装甲においては戦車に敵わず、機動力ではヘリに劣る。
そのため市街戦や強襲戦に向いており、平地での撃ち合いではその力を発揮しにくい。
歴史の浅い兵器であるため運用面でも手探りの部分が多く、盛んに戦術研究が行われている。
そして何よりWAPを語る上で重要なことは機体本体が、
- エンジンやコクピット部分である胴体部
- 武器を装備し、命中率を左右する腕部
- 回避・移動性能を決める脚部
- 特殊機能を追加するバックパック
の4個のパーツと
- 機体を統合、制御するCPU
に別れていることである。(バックパックは無くても動くが)
これは開発黎明期、構造が複雑なWAPは一社で全てのパーツを揃えるのが非常に困難であり、複数の企業が各パーツを分担して開発、製造していた事に起因する。
技術が蓄積された現在ではヴァンツァーのボディ、アーム、レッグのパーツを連結する部分の形や操縦装置の方式などを統一し、ブロックを組み替えるようにいろいろなメーカーのパーツを自由に組み合わせられるMULS-P規格(Multi Unit Link System-Pspec)によって自由にセットアップが可能になった。
物語世界の現代(21世紀末~22世紀初頭)では全パーツを生産、販売するメーカーも多いが、特定の分野に特化した変態企業も存在する。
そして、この構造の最たる利点は、使用者が容易に思い思いのカスタマイズをすることができることに尽きる。
具体的に見てみる。
例)敵の攻撃をガンガン避ける高機動機体を作りたい。…と思ったら
- ボディを、回避が下がらない且つ、エンジン出力が高い物を選ぶ。
- 足に回避性能の高い物を選ぶ。
- 両腕・武装は軽く、最低限の物を使う。(重量オーバー回避の為)
- 当然コンピューターも回避率重視の物を積む。
等、方針に限りなく近い機体を組むことができる。
つまり、君だけのヴァンツァーを作れるぞ!って事。
…勿論自身が入手できる範囲内ではあるが。
※重量オーバーについて
簡単な話、ボディに設定されてるエンジン出力の値以上の武装は積めない。
例えば、出力1500なら機体の総重量は1500まで積める。
1501以上だと重量オーバーで出撃出来ない。
似たようなシステムを持つ別メーカーの別ジャンルの某ゲームをやってる方は「多少の重量過多なんて撃ちきってパージすればいいじゃない」と思われるかもしれないが、出撃出来ないから諦めよう*1。
- バックパック
ある意味機体構成の最重要パーツ。例を挙げると
リペア・弾倉を積む「アイテム」
エンジン出力を上げる「ターボ」
機体の修復ができる「リペア」
敵機体にシステム障害を発生させる「EMP」
ミサイルを誘導する「センサー」
などがある。
ラジオ・ステルス・ジェット・ECM系統のバックパックなんてのもあるが、登場作品が少なくマイナー。ただラジオはガチでお世話になる性能だが。
細かい物では、「リペアEMP」とか「アイテムターボ」等の複合型もある。
■武装について
とにかく種類がある。肩に積むミサイルやロケットランチャーに格闘武器(ロッドとかトンファーとか)や射撃武器(マシンガンやライフルや火炎放射器)がある。
最悪素手で殴ってもそれなりに強い。
- 腕武器
射撃武器はマシンガン、ショットガン、一部のガトリング砲、ライフル、バズーカ、キャノン、火炎放射器…など。
格闘武器はロッド、ナックル、パイルバンカーなどなど。
本シリーズのパイルはWAPの機動力が常識の範囲内にあるため普通に当たる。
また殆どの作品では、武器を持っていない腕で殴ることが可能。
- 肩兵器
ミサイル、ロケット、グレネード、シールドの4種類。シリーズによってはガトリング砲なども。
シリーズにもよるが精度と一撃のミサイル、発射数の暴力のロケット、範囲のグレネードといった感じ。
両腕両肩に装備されたガトリングを振り回すヴァンツァー……ロマンである。
- 腕内蔵武器
意外と種類があり上記に書いてある腕武器、肩武器のほとんどが腕内蔵武器として存在する。
中には、ロケットとバズーカの両方を内蔵してる「どういう構造してんだよ」って物も。*2
武器重量+腕重量なので当然重いが、通常腕+武器と比べると大して変わらないか、ちょっと軽い程度。
また作品によっては「武器を捨てて殴る」ができなくなるため、不便な場合もある。
- ボディ内蔵武器
2ndのみ存在。
マシンガンとか、やっぱりバズーカとか。
両腕が破壊されても尚ボディに内蔵された武器で攻撃の手を緩めることのないその姿は、味方なら「いや、腕リバース(回復)しようよ」と思われ、敵にすると「往生際の悪い」存在。
□主なヴァンツァーメーカー□
- ジェイドメタル=ライマン
WAWの時代から開発を続けているO.C.U.老舗メーカー「ジェイドメタル社」がE.C.イギリス「ライマン社」を吸収合併して形成したメーカー。
「ゼニス」など標準的な性能の、やや機動性を重視したWAPを供給しつづける方針から支持されているO.C.U.軍シェア最大手。
子会社ヴァンタムはWAP専用兵器を扱い本社は専らMULS-P規格パーツやCOMを製造。しかしウィニーライフルやホットリバー火炎放射器などベストセラー武器も多数生み出している。
代表作はゼニス・シリーズ、ゾラ・シリーズ、ザイゴート・シリーズらWAP機の他、軍のグランドガンポート構想に基づいたゴールトン、グルッグ系の大型機動兵器。
- レオノーラエンタープライス
搭乗者を保護する機体設計や操縦性の良さに定評があるジェイドメタルに次ぐ大手メーカー。
WAP製造他、軍事用車両や砲台、家庭用COM等の設計・製造まで幅広く手がける。
汎用機に特化したWAP「ギザ」シリーズはO.C.U.メーカー製でありながらU.S.N.軍に採用された珍しい機種。
代表作はギザ・シリーズ、レイド・シリーズ、ウォーラス・シリーズ、ワイルドゴート・シリーズ。いずれも踏破性に優れ、海外への市場開拓にも熱心。
- ヴェルダ
主に強力な火砲を搭載したWAPを製造することで名高い。
- イグチ
元は下請け。ハフマン紛争時はアーマーリペア等周辺用品で第一人者。そしてサカタインダストリィ事件にてWAP部門もろとも同社を買収。一気にに日本国内でトップシェアまで上り詰めたメーカー。
火器類と漢字名は世界で人気。粒子砲搭載WAP「112式 法春」を開発するなど技術力は高い。
一方でテロ組織「グリムニル」との関係が疑われるなど暗い一面も。
代表作、砲臣/凱砲・シリーズ、アルコ/クイント・シリーズ、月弓・シリーズ、強盾・シリーズ。
- 霧島重工株式会社
近年WAP製造に着手した新参メーカー。イグチと並ぶ日本の双璧。
創業時は内燃機関の開発製造に始まり、部品業からカーメーカー、更に発電装置、船舶、重機、果てはバイオテクノロジーに航空・宇宙産業まで進出したクールジャパンの権化。
独自の先端技術を活用した画期的な設計に基づく機体の性能は非常に高い。
大型機動兵器も手掛けており、巨大戦車が変形して巨大ヘリとなる「鋼錬」などのトンデモ兵器を開発している。
代表作は109式炎陽、111式春陽、四脚大型兵器ガルセイド。そして粒子砲車J10。
- ディアブル・アビオニクス
2029年にシュネッケ社と共同でWAPを初めて製作した企業。
U.S.N.圏最大、というか「ファイアバレー」「フレイマン」「ホープライズ」ら国内ライバルを残らず傘下に収めた独占社。
名機「フロスト」を始めとした同社を象徴する重WAP群はU.S.N.軍そのものと言っても過言ではない。
重WAP以外にもレクソンやガストのような細身、というか特化型をリリースする傾向にあるようだ。
代表作はフロスト・シリーズ、レクソン・シリーズ、グラップル・シリーズ、カーム・シリーズ、ガスト・シリーズ、ナムスカル・シリーズ他、S型デバイス専用複座機グラシリス等。
- シュネッケ
WAPの前身であるWAWを開発した最古のメーカー。本社はE.C.ドイツ
ツィーゲのような手堅い武装から、半ば作業機と思わせるアームに剥き出しコクピットのテンダスと言った通好みの機体、
吉田戦車社と共同開発の「嫌なヴァンツァー」や格闘武器と言った色物も多数販売するなどあらゆる分野でインパクトを(闇の部分でも)残す懐の広いメーカーである。
ヴァーゲ系、シュッツェ系らWAW黎明機の他、シケイダ・シリーズ、テンダス・シリーズ、グリレ・シリーズらWAPに加え大型WAPゲパルト・シリーズ等も開発。
- センダー
英国面。
航空機部品製造業から参入。しかしその正体は大型機動兵器の開祖。アフリカや東南アジアで見かける足生やした戦車は大体センダー製(他はジェイドメタル製)
空挺WAPに宇宙事業、果ては食品事業に調理用器具にまで進出。貴方イギリスの企業ですよねぇ。
代表WAPはモス・シリーズ、ハスキー・シリーズ、ウィスク・シリーズ。
大型兵器はプロトタイプ、トーラ(兆竜4型)。
多脚戦車はパウーク・シリーズ、ウラガン。
多脚WAPティルデンa、ラバントa。
- パペール
砲弾の製造からWAP用武器の製造・ソフトウェアの開発事業に移行したメーカー。何気にWAW時代からの老舗。
独自開発のパラント・シリーズを開発している。
- サカタインダストリィ
世界有数の日本メーカーであったが、ジェイドメタル社のゼニスVに性能面で水を開けられた上に
第二次ハフマン紛争終結直後に非人道的技術開発の事実が露見しその際に社長と一族が全員消息を絶ってしまったことも追い打ちとなってメーカーは解体、イグチ社に吸収合併され消滅した。
「サカタ90式」は作中でも人気が高いWAPの一つ。後のシリーズだと和製ゼニスな見た目がよくわかる。
- ドミトーリ公社
ザーフトラ共和国の国有企業。丸みを帯びたボディパーツが特徴的な「テラーン」、ステルス性を意識してそうな構成の「ウィーザフ」など、個性的かつ高性能なWAPを開発している。
建前上、兵器の輸出は行わないことになっているが、様々な理由をつけてモンキーモデルと見られるWAPを流通させている。
母国と合わせて黒い噂が絶えない企業でもある。詳しくは1stや4thで。
◇余談
各企業毎の特徴溢れるパーツやカスタマイズ性から某ロボットゲームを想像させる方もいると思われるがあちらは一応組織で管理され搭乗には資格が必要であるのに対し、こちらは(能力や財力などの制約はあるものの)一般人でも入手し乗り回せると言う面が決定的に異なっている。
シリーズ中には民間や闘技場での参加者としてのヴァンツァー乗りが多く登場しており、この世界においてポピュラーな乗り物としての位置づけであることを匂わせている。
ローラーダッシュ機能、操縦の際は基本的にゴーグル着用、入手しやすい面、機体サイズなどから某ロボットアニメの影響も強く受けているようだ。
用語は共通しているが世界観の違う外伝作品であるSFCソフト・ガンハザードでも様々なヴァンツァーが登場している。
こちらは物語の基幹を成す衛星エレベーター・アトラスの建設時に使われた二足歩行機械などがルーツになっており、はじまりからして別な代物である。
同作の主人公アルベルト軍曹は人間であるためヴァンツァーに触れると轢殺されるが、パイロットスーツを着るだけでヴァンツァーと同じく大気圏突入ができる。
追記・修正はセットアップBGMを各自流しながらお願いします。
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- ヘリや戦車に劣る面もあるっていうのはフルメタのAS思い出すね -- 名無しさん (2014-04-12 11:16:24)
- ポジション的には都市部における装甲車の立ち位置 -- 名無しさん (2015-02-15 13:02:07)
- ただし装甲車違って飛んだり跳ねたり小回りが効いて、手を使ったクレーン的な作業が出来るのが装甲車との違い -- 名無しさん (2015-02-15 13:05:44)
- その上、搭乗人数が一人ですむという効率のよさもヴァンツァーや装甲車との違いでもある -- 名無しさん (2015-07-22 21:35:03)
- ガンハザードでは完全にスーパーロボットに。 -- 名無しさん (2015-10-18 08:12:44)
- パイロットスーツ…頑丈とかそーゆーレベルじゃねえ… -- 名無しさん (2015-11-12 19:45:56)
- ガンハザードのヴァンツァーはACに近い機動性 -- 名無しさん (2017-03-14 00:05:12)
- 変態企業といえば隠し武器に定評のあるホープライズ社だな。あとラジオバックパックは普通に美味しかったです -- 名無しさん (2017-05-05 17:40:51)
- 女子大生でもサラリーマンでも乗れて、そこら辺の町工場でも整備できる装甲機動兵器 -- 名無しさん (2017-08-26 22:54:26)
- おまけに拾い物でも動いちまう -- 名無しさん (2018-02-18 15:29:12)
- 企業の部分ちょっと加筆しましたm(__)m -- 名無しさん (2018-09-11 23:32:19)
- 人型マシンって「重機械化工兵」としての仕事が一番向いてる(実際WAWはそうだった)と思うが、それだけじゃ割高なんだろうねぇ -- 名無しさん (2018-09-23 09:42:27)
- 「戦車やヘリに劣る部分もある」ってのはフルメタのASに、カスタマイズが自由自在ってのはアーマードコアに、入手しやすく町工場でも整備できる整備性はボトムズのATによく似てるよな。むしろそれぞれのいいとこ取り? -- 名無しさん (2018-09-23 10:34:26)
- ACやフルメタはFMより後発だが、ボトムズの影響はほぼ確実に受けているな。脚部にローラーダッシュ機構があったり、武装にパイルバンカーがあったり、ヴァンツァーの闘技場があったり -- 名無しさん (2018-10-05 23:17:48)
- オルタナティブの序盤の戦車は冗談抜きで強い。ある意味ではリアルなゲームだな -- 名無しさん (2018-10-05 23:19:41)
- ↑×2 聞いた話によればガンダムよりボトムズという感性の人たちが打ち立てたシリーズらしいからね。ちなみに自分もこっち寄りかな -- 名無しさん (2019-02-03 18:16:09)
- 戦場に出向いてダウンした機体からパーツ剥いで組み立てても無理すれば使えるから、ジャンク加減はボトムズと同等かそれ以上 -- 名無しさん (2019-02-03 19:10:24)
- 3rdでは民間のトラック1台にヴァンツァーを3機搭載可能だった。トラックが凄いのかヴァンツァーが軽いのか… -- 名無しさん (2019-02-15 23:13:44)
- ↑実はヴァンツァーにはちゃんと重量の設定がある(25tぐらい)。なのでトラックが凄い。 -- 名無しさん (2021-05-30 02:02:22)
- 霧島重工は日防軍と癒着関係にあり、霧島製大型機動兵器をテロリストが使用していたりと、イグチ社と同レベルで問題のあるメーカー。というか日本のヴァンツァーメーカーは全部アレな気が… -- 名無しさん (2023-07-23 13:15:05)
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*1 アーマードコアも、2系までは重量過多は出撃不可だった。要はそんな感じである*2 4thに「ミノタウルス」という武器が登場しているが、これが隠しパーツ枠ということもあってか恐ろしく高性能である。
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