登録日:2021/02/02 Tue 20:09:35
更新日:2024/05/24 Fri 13:39:38NEW!
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わくわく!びくびく?大騒動!
『PUI PUI モルカー』とはパペットアニメである。
監督は見里 朝希。
○概要
主役(?)は人ではなく、羊毛フェルトで作られた「モルモットが車になった」生物のパペット……もとい、モルカー。
1話あたり3分のショートアニメで、人間を載せて頑張って働くかわいいモルカーたちの日常生活や、ちょっとした(?)騒動が描かれる。
未就学児向け番組のということで、もちろんその内容は幼児向けの当たり障りのないおはなしとでも思っていたのか?
テレビ東京系番組『きんだーてれび』にて毎週火曜日朝7:30から放送されていた。
また、BANDAI NAMCO Arts チャンネルの公式Youtubeにて、約1週間の見逃し配信も行っている*1。
2021年2月からは、Amazonプライム等の動画配信サービスでも視聴可能となった。
映像ソフトは2021年7月28日にDVD&ブルーレイが発売(ブルーレイは受注限定生産)。
2022年10月から第二期作品となる『PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL』が、同じく未就学児向け番組『イニミニマニモ』*2の1コーナーとして放送されている。
○「モルカー」とは
ざっくり言うと、「モルモット+自動車(Car)」で「モルカー」
モルモットの足が車輪になっているが、移動の際にはタイヤを足のようにしてプイプイ動く。
個性豊かなモルカーたちが登場するが、みな性格は基本的に臆病で、食欲旺盛。また猫はどの個体も共通して苦手らしい。
特にその食欲は尋常ではなく、お腹が空けば目の前の仕事をほったらかしてでも、本能のままに「道草を食う」のだ。
野菜を好んで食べるが、中には花や肉、時にはゴミすら食べるなど雑食というか悪食である。
描写されている範囲での内装としては、シート1列で3人まで搭乗可能*3。ハンドルは中央にある。*4
車である以上人が乗って運転するが、どちらかというと「生物」に近く、餌を食べたり、モルカー自身が勝手に動いたりすることもしばしば。
生物としての生理現象も持ち合わせており、汗をかく、涙を流す、お腹を下すなど、実際のモルモット以上に感情豊か。
食べる以上排泄も当然するが、時として勝手に車内の物を漏らしたり、中の人も一緒に出してしまったりという困った面も*5。
そんな訳で、当然ながらこの世界にはモルカー用公衆トイレなど彼ら専用の公共施設だってある。
知能も人並みに高く、与えられた仕事には従順。それどころか、スマホを弄って他のモルカーと連絡を取り合うことだってできちゃう。
他にも、目を閉じることで車内に第二の眼を開く事まででき、これで車内の様子をうかがう。そのビジュアルは結構衝撃的。
○あらすじ
(公式サイトより)
舞台はモルモットが車になった世界。
癒し系の車“モルカー”。
くりっくりな目と大きな丸いお尻、トコトコ走る短い手足。
常にとぼけた顔で走り回るモルカー。
渋滞しても、前のモルモットのお尻を眺めているだけで癒されるし、ちょっとしたトラブルがあってもモフモフして可愛いから許せてしまう?!
クルマならではの様々なシチュエーションを中心に、癒しあり、友情あり、冒険あり、ハチャメチャアクションもありのモルだくさんアニメーション!
○主なモルカー
◆ポテト
白とオレンジのボディをした、この物語の一応主人公。
勇敢な性格の持ち主だが、運転手の操作を時々無視するという、車としては大問題な一面も。
運転手はスーツ姿の女性(演じているのは見里監督の姉)。何故か笑い声が若干ゲスいが良くも悪くも普通の現代人といった感じで、相対的にまともな部類の人。
◆シロモ
白い体と緑の足(タイヤ)が特徴。レタスが大好物。
初期設定の段階では目の周りも黒いパンダのような模様をしていた。
数いるモルカーの中でも特に臆病で甘えん坊な性格らしく、泣き顔を晒す事が多い。
そんな性格にもかかわらず、不幸なことに何かとトラブルに巻き込まれ易く、初主役回となった第2話では銀行強盗に拳銃を突き付けられ、逃走車として乗り回され、
第6話では何とゾンビに噛まれてゾンビシロモと化してしまった。
そして2週間ぶりに再登場した第9話でも、ゾンビ姿のままで他のモルカー達と壮大なフラッシュモブに参加していた。
あの姿で人間やモルカーを襲わなかっただけでも幸いか……尚、第10話以降は経緯は不明ながら元に戻っていた。
設定ではシロモ自身、あの姿となった事は然程気にしていないらしく、生活面に関しても好物がレタスから肉になっただけらしい。
運転手は白いパーカーを着た男性。乗せてもらったあとには好物のレタスを与えて褒めてあげたり、炎天下では日陰に駐車してあげたりとシロモをとても可愛がって大事にしており、視聴者からは劇中屈指の聖人との呼び声も高い。そして最新話が放送される度に細かな気遣いが発見され、株が上昇している好漢でもある
◆アビー
初心者マークを付けて頭部が盛り上がった形状をしている*6モルカー。
ややプライドが高いが、苦手な猫の為に勇気を出したり、レースの景品の野菜を皆で分けて食べたりする心優しい性格。
体の初心者マークは自身のコンプレックスになっている一方、早くマークを外せるようになって、一人前のヒーローになることを夢見ている。
運転手が複数おり、まずはエプロン姿の女性。モルカーが嫌う猫をアビーに乗せた上、炎天下に放置して熱中症の危険に晒すなど短慮なところが目立つ。
レース回以降はオタクの男性。ジェットエンジンを取り付けたり、痛車に改造するなど奇行が目立つがアビーの事は大事にしている様子。
◆チョコ
耳(サイドミラー)に花を付けた可愛らしいモルカー。綺麗好きでお洒落にも気を遣っている。高級モルカーになるのが夢。シートがフカフカになるとかそういう感じ?
爽やかでおしとやか……かと思いきや、そこそこ頭も良く、名案を思いついたりテレビゲームが強かったり、アグレッシブなアクションを展開したりなど文武両道な一面も。
決して出番が少ない訳ではないが、メインモルカー5匹の中で唯一単独主役回が作られなかった。彼女が何をした
それ故に私生活描写も無く、運転手の姿すら映らない。
このことは見里監督も悔いが残っているようで、インタビューにて「2期があれば必ずチョコ主役回を作る」と力強く宣言している。
◆テディ
なんでも食べる食いしん坊なモルカー。性別はメス。
大胆かつ突拍子もない行動で、いつも周囲を驚かせるトラブルメーカー。
シロモからは姉御のように慕われているらしい。
第6話では迫り来るゾンビ軍団に対しトゲ付きドーザーブレードとガトリングを装備した、何ともマッドマックスな姿を披露。本当に子ども向けアニメか?
パペットでは再現されなかったが、設定イラストでは他にも窓枠に支柱を付けたり足にチェーンを履いたりしている。
運転手は若い男。ゴミをポイ捨てしてテディに食べさせたり、路駐から発進する際に無理なUターンをして他のモルカーを困らせたりするなど自分勝手なことばかりする困った人物。そんな訳で渾名は「畜生」
ちなみに他のモルカー共々ぬいぐるみとして立体化されることが決定した……が、その内「ぶるぶるずマスコット」において
ポテトに「にんじん」、シロモに「レタス」と食べ物が付属する中、テディは「ごみ」という原作通りとはいえあんまりにもあんまりなラインナップであった。
流石に視聴者からも賛否の声が上がり、その声が届いたのか「ブーストにんじん」が付け替えパーツとして付属する事が急遽決定した。むしろそっちだけにした方が良かった気が……
◆パトモルカー
黄色いボディに真っ赤な目、赤いランプが目印のパトカー型モルカー。
何かと治安の悪い作中世界では出番が多く、複数の個体がたびたび顔を出している。
「モフモフして可愛いから」で許されないレベルの罪を犯した人間の元に素早く駆けつけるが、犯人追跡より食欲を優先してしまう迂闊な一面も。
運転手の警察官達はシロモの運転手に並ぶモルカー世界の良心と名高い。
◆救急モルカー
白いボディに赤いランプの救急車型モルカー。パトモルカー同様目が赤い。緊急車両モルカーの共通点なのだろうか*7。
乗せている患者の身を思って涙を流すなどとても優しい心の持ち主。
◆DJモルカー
紫一色の体に巨大なスピーカーとヘッドホンを備えた異様な風体のモルカー。
運転手はスマホを弄っていて青信号に気づかず渋滞を引き起こすなどかなり自分勝手な人物であり、記念すべき(?)劇中初の逮捕者となった。
なお運転手を演じているのは見里監督本人。
そんなDJモルカーだが、ミュージシャンとしての腕は確かなようで、第9話では意外な大活躍をすることに。なお、彼の演奏はなぜかテディのやらかしフラグになっている
◆トレジャーモルカー
まるで某インディ・ジョーンズを彷彿とさせるルックに身を包んだ冒険帰りのモルカー。
だが、冒険中全く体を洗わずに過ごしてきた事で他のモルカーが慄くまでに汚れ切ってしまっており、
洗車に行かせようと思っても洗車機に怯えてしまっていた。
しかしモルカー達の機転によって、彼を洗車に導くことに成功するが逆にそれが楽しくなってしまい、
最終的には元の姿をとどめないさらさらヘアーのきれいなモルカーになってしまった。
続く第8話ではその状態のままで、悪人たちに捕えられたヒロインとして登場。
◆タイムモルカー
名前の通り時を越えて過去・未来を行き来する能力を持ったモルカー。まんま『BTTF』である
灰色のボディに、片目がメカニック風になっている。
運転手はドク白髪の科学者とマーティ少年。
メイン回以前にも、第9話で審査員として登場している。
◆モルモット
正真正銘モルカーでなくモルモット。モルカーの先祖に相当する存在で、人間と比較するとマンモスほどの巨体を有している。
現代の文献によればとても穏やかな性格で、人間にとっては癒しを与えてくれる存在であり乗り物になってくれることもあった……とされている。
しかし、氷河期の人間たちには怯えて逃げられていたり、狩猟の対象にされていると思しき壁画もあったりと、実際のところどういう経緯で人間と共存しモルカーとなったのかは結構謎。
タイムモルカーの運転手達は、氷河期の寒さに震えるモルモットの為にニットをプレゼントしたが、それが思わぬタイムパラドックスを招く事態に……!
演じているのは見里監督の家族であるモルモットの「つむぎ」。
○エピソード
第1話:渋滞はだれのせい?
第2話:銀行強盗をつかまえろ!
第3話:ネコ救出大作戦
第4話:むしゃむしゃおそうじ
第5話:プイプイレーシング
第6話:ゾンビとランチ
第7話:どっきり?スッキリ!
第8話:モルミッション
第9話:すべってサプライズ
第10話:ヒーローになりたい
第11話:タイムモルカー
第12話:Let's!モルカーパーティー!
○『PUI PUI モルカー』のここがすごい
1:モルカーがかわいい
本作のモルカーはマジでかわいい。
大きな頭と大きな瞳のシンプルなデザインがかわいい。
足は一見タイヤのようだが、車輪走行ではなく短い足でぺたぺた歩くのがかわいい。
鼻をヒクヒクさせて食べ物を探る仕草、恐ろしさにプルプルと震える姿、特徴的な口の開き方など、モルモット由来の仕草がいちいちかわいい。
仕事よりエサを優先してしまう、ちょっとオツムが足りない所もかわいい。
監督が元々モルモットを飼育しており、実際のモルモットに対する深い観察に基づいて、モルカー達はまるで生きているかのように生き生きと動く。
あたかもモルモットのかわいさを抽出したような……いや日本語でも地球上のあらゆる言語でもモルカーのかわいさなんて表現しきれないのでとにかく『モルカー』を観てください。
鳴き声もかわいい。劇中でモルカーが歩くたびにたてる「ぷい」という音は本物のモルモットの鳴き声だ。
走れば「ぷいぷいぷいぷい」とピッチを上げ、パトカーは「ぷいっ!ぷいっ!」とサイレンを鳴らし、落ち込むと「ぷゅ~」と残念そうな声を漏らす、その全てがモルモットの鳴き声によって構成されている。
徹底してモルモットに取材することで、モルカーはそんな動物が実在するような、温かみのあるかわいさを出すことに成功している。
そして、モルカーは純粋で健気だ。
愚かな人間のために毎度トラブルに巻き込まれながら、それでも人間のために働くことをやめない。
見ず知らずの人間が苦しんでいたら涙を流し、本当は怖いネコも助けようとする。
知性を持つがゆえに愚かな人間に対し、モルカーは徹底的に純粋な存在として描かれており、それがまたモルカーの優しさ、健気さを引き立てる。
監督によれば、モルカーはモルモットなので、「意思があるのかないのか無自覚で動いている感じ」なのだと言う。
だが、モルカーの瞳は問いかける――意志ある私達はモルカーほど優しく生きているだろうか?
2:アニメのクオリティが凄い
モルカーは「ストップモーションアニメ」、いわゆるコマ撮りの手法で撮られている。
古くは1933年の『キングコング』などでも使われている極めて古典的な特殊撮影技法で、とにかく手間がかかる。
1枚写真を取り、人形を微妙に動かして写真を撮り、また微妙に動かして写真を撮り……の繰り返し。
監督インタビューによれば、1日に進む作業量はせいぜい1~5秒程度、3分×12話の本作を作るのに1年半もの時間が必要だったという。
膨大な時間をかけただけあって、そのアニメーションの質は本当に凄い。
モルカーは手間を考えれば止まっていても良さそうなシーンでもキョロキョロ、クンクンしており、とにかく動物らしい。
第2話ではストップモーションアニメでハリウッドばりのカーチェイスを行うというとんでもない行為を実行。モルカー達がカーブでドリフトし、10台以上のモルカーと無数の人間が行き交う交差点を強引に突っ切る様子をスピード感抜群で描写して見せた。
メインとなるカーチェイスするモルカー達のスピードは勿論凄いが、その間画面上ではピントすら合っていない背後の高速道路上のモブモルカー達が1匹1匹意思を持って動いている辺りは脱帽するほかない。
Youtubeには動画を1/4倍速で見る機能があるが、これを使うと見るたびに新たな発見があると評判である。
3:人間は愚か
『モルカー』の世界はそのかわいらしい見た目に反し治安が悪い。
教育用ビデオでもないのに「第1話と2話のわずか6分で人間が4人逮捕された」と言えばその治安の悪さがお分かりいただけるだろう。
基本的に幼児向けアニメは、ばいきんまんが毎度襲ってきたり、きかんしゃトーマスやその仲間がしょっちゅう事故を起こしたりと、誰かしらがトラブルを起こすことで話を回す作品が多いが、
『モルカー』ではその原因がモルカーではなくもっぱら人間に割り振られている。
かわいいモルカー達は、毎度毎度人間の強欲さ、自己中心的な行動、不注意などによって窮地に陥り、
それをひらめきや勇気や生理的欲求によって解決する。そしてやらかした人間は毎回きちんとしっぺ返しを食らう。インガオホー!
そんなわけで、『モルカー』の放送時間になると毎度twitterのトレンドに「人間は愚か」「NIN GEN オロカー」という言葉が上がってくるように。
毎回人間の愚かしさをえぐり出し、純朴なモルカーと対比させるそのブラックな作風は、本作の大人ウケに大いに貢献した。
勿論ただ人間=悪という単純な割り振りになっているわけではなく、時には善良な人間が登場し、モルカーと共に活躍したり、彼らに真っ当な愛情を注ぐ姿が描かれたりすることもある。
また、とあるエピソードでは上述した視聴者からのイメージを逆手に取り、「本当に愚かなのは自分達の方だったのかもしれない」と膝を打たせるような展開が取り入れられたことでも話題を呼んだ。
ちなみに見里朝希監督はインタビューで「渋滞や割り込み、煽り運転など、イライラする車の出来事が数多く存在する世の中。『もしも車がモルモットだったら…』癒し系の車「モルカー」ならそんなストレス社会を打破することができるのではないかと思いました」とコメントしている他、過去にもストップモーションアニメ作品『あぶない!クルレリーナちゃん』(ACジャパンCM優秀賞)で運転マナーの問題を取り上げている。
その他、母校である東京藝術大学大学院の卒業制作で童話『おおかみと7ひきのこやぎ』にグロテスク描写や児童虐待問題などを混ぜた短編ストップモーション映画『マイリトルゴート』を制作している他、
参考にしてしまったアニメとしてかの『星のカービィ』を挙げており、人間の愚かさを際立たせる作風は偶然ではなく意図してやっている模様。その結果、本作は「令和のアニカビ」とも呼ばれることがある。ちなみに2021年はアニカビ20周年でもある。
また、見里朝希監督はアメリカのアニメ『おくびょうなカーレッジくん』の大ファンだと公言しており、同作からも若干の影響を受けている。
○モルカー人気、爆発!
放送前は「幼児向け枠の短い3分アニメ」という事で全くと言っていいほど注目されておらず、見里監督としても「モルモット好きの間で少し話題になったらいいなー」程度に考えていたという。
しかし放送開始されるやいなや、愛らしいモルカーの仕草や、意外な社会派要素、高いクオリティなどからハマる人が急増。
1話3分未満で他人に勧めやすい手軽さもあり、人気の高まりを受けて各種動画サイトでの公式配信も始まるとさらに爆発的な人気を獲得。
公式twitterのフォロワー数もあっという間に数十万人規模となった。
間違いなく2021年冬クール最大のダークホース、いやダークモルモットとなった作品である。
グッズ展開も全く予定されていなかったため、初期にはフェルト生地からモルカーたちを自作しようと奮闘するファンの姿が見られたが、放映からだいぶ遅れてではあるがキーホルダーやフィギュアを始めとしてだんだんと充実していった。
再放送も度々行われている。
○劇場版
2021年7月には、全話一挙放送する形での劇場版『とびだせ!ならせ!PUI PUI モルカー』が3D・MX4Dで公開された。
入場者特典として、モルカーをモチーフにデザインされた「ならせ!モルカーボール」が配布され、上映中にこれを鳴らしてリアクションを取る、所謂応援上映形式。
先述の通り本作の映像は製作に大変時間がかかるため、残念ながら新規映像はなかったが、元々非常によく出来ていたことから劇場での視聴にも十分耐えるものになっていた。むしろ「大画面で鑑賞して、改めてクオリティの高さを実感した」という意見もちらほら。
また、パンフレットには番組の絵コンテが収録されており、フルカラーで全62ページの大ボリュームであった。お値段以上!
○謎の幅広いコラボ
子ども向けということもあってか、ファミリー層を意図したと思われる飲食店との企画メニューが放映中にあった他、
モルカーが野菜をかじかじする姿から野菜ジュースとのコラボCMがある。
1話から救急モルカーの健気に患者を思う姿が映ったこともあって看護師さん向けのグッズも作られ販売されている。
だが『モルカー』の人気の高まりにより、コラボ活動の幅はそういった作品と直接関係しそうな範囲にとどまらず、
(本物の)自動車専門メディアである『ベストカー』で特集が組まれて「夢のようなクルマ」「交通マナー啓発作品」「癒し」として紹介されたり、
映画化された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』とのコラボポスターが作られたり、確かにモルカーもバトルアクションやったけど!
Twitterで隙あらばぷいぷい言って『モルカー』のファンを公言していたミステリー小説家にして人呼んで「モルカーおじさん」綾辻行人の『人間じゃない〈完全版〉』という作品の宣伝キャラクターに使われたりも。まあモルカーも確かに人間じゃないけどさあ……*8
○余談
人間も登場はするがセリフらしいセリフは無い。
つまり海外勢も配信さえ見られれば内容が理解できる為、海外でも人気が出ている。プイプイは国境を越えるのだ。
台湾では『天竺鼠車車』として愛されており、警察機関の公式Facebookアカウントも本作から交通マナーについて触れたほど。
また本放送の翌年には、フランスNetflixのTwitter公式アカウントが第一話を丸々Twitterに投稿して紹介し反響を呼んだ。
なお、添えられていたコメントはTwitterの投稿上限である140文字丸々「?」で埋め尽くされていた。
劇中では上記の通り割と迷惑を被っているモルカーたちだが、有志の証言によるとその声はいずれもモルモットの機嫌の良い時の声らしいのでご安心ください。
追記!修正?大編集!
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*2 日本語では「どれにしようかな神さまの言うとおり」といった意味に近い言葉。
*3 外見は一般乗用モルカーと変わらない救急モルカーもいる為、この限りではない。
*4 作中世界がどこの国が舞台かは判らず、道路交通法もどうなっているのかは不明だが、少なくとも日本国と同じ左側通行らしい。ハンドルが中央にあったら運転しづらい気がするのだが、そこはモルカー自身がうまく位置取りしてくれるのかもしれない。
*5 ただし、これがきっかけで事件の解決につながっているケースもある。ちなみにそのときと中の人が排泄されたときの描写を比較すると、シートベルトをしていれば排泄されないのではないかという説も。
*6 公開された設定イラストを見ると毛が逆立っている様子。アビーという名前と合わせて考えると、おそらくモチーフはアビシニアンモルモットと思われる。
*7 緊急車両が緊急走行する際には赤色灯の点灯(及びサイレンの吹鳴)が義務付けられているので、その反映か。
*8 ちなみに作者の希望ではなく版元の講談社からの提案だそうで、綾辻氏は嬉しさの一方『モルカー』と自作のギャップに少々困惑している模様。「『人間じゃない』は決して「可愛い」小説ではありませんので、ご注意を。」と、氏自ら補足を入れている。
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