石勝線

ページ名:石勝線

登録日:2014/05/20 (火曜日) 22:17:45
更新日:2023/12/18 Mon 10:48:53NEW!
所要時間:約 4 分で読めます



タグ一覧
jr jr北海道 アニヲタwiki北海道ツアー 北海道 単線 非電化 夕張市 鉄道 路線 根室本線 室蘭本線 幹線 脱線事故 秘境駅 夕張支線 半分以上信号場 スーパーおおぞら スーパーとかち 不祥事の発端 石勝線



石勝線(せきしょうせん)は、南千歳駅と新得駅を結ぶJR北海道の鉄道路線(幹線)である。


*1


概要

ここではかつて新夕張駅と夕張駅間を結んでいた支線についても説明する。


JR北海道の鉄道路線において北海道の空の玄関である新千歳空港、道央と十勝・道東を結ぶ広域輸送が主体の路線。元は夕張の炭鉱の輸送の為に作られたとあって貨物列車も多く運行されていたが、炭鉱衰退後は今は帯広・釧路方面とのコンテナ輸送列車が通過するのみとなっている。その中には本州方面の列車もある。


元々は「夕張線」という名前で、追分駅~夕張駅間の本線と紅葉山(現新夕張駅)~登川駅間の支線からなっていた。
その後、道央地方と道東地方を結ぶ短絡線として千歳空港駅(現南千歳駅)~追分駅間、新夕張~根室本線上落合信号場~新得駅間が開業し、名前を現在の「石勝線」に改称された。
これにより、かつての本線だった新夕張~夕張間が支線となり、追分~新得間が本線となった。
この際、紅葉山駅が新夕張駅に改称されたのと同時に支線部だった紅葉山~登川間は廃止となっている*2
2019年3月16日、夕張支線が廃線となった。


◎沿線概要

・南千歳~新夕張間

旧夕張線区間と新設された区間で成り立っており、特急の他に普通列車も運行している。
かつてあった東追分と十三里の2駅は一部の普通列車が通過していたが、2016年3月のダイヤ改正で廃駅となってしまった…。
普通列車も走る区間だがその本数は少なく、南千歳~追分間は6往復、追分~新夕張間に至っては2.5往復ときっぱー泣かせの区間となっている。


・新夕張~新得間

旅客列車はぶっちゃけ特急しか走っていない。それもそのはず、日高山脈を通過する為に一駅の区間が2~30km以上離れている。
駅が4駅に対して信号場が11と、信号場の方が多いという状態になっている。
元々11ある信号場は駅候補として建てられたのだが、誰もいないという事からそのまま放置されている。
楓信号場に至っては元は駅だったにも関わらず秘境駅状態だった為、2004年に信号場へ格下げとなってしまった…。
特急しか走っていないため、この区間内のみの乗車に限り乗車券だけで普通車自由席を利用できる特例がある(青春18きっぷもOK)。
但し、一部のおおぞら号は新夕張を通過する。また、追分~新夕張間の普通列車は前述の通り非常に少ない上に新夕張での接続が悪く、2~3時間ほど待たされることが殆ど。そのため、この特例はかなり使いにくい。


■使用車両

○普通・快速列車

  • キハ40系・キハ150形…千歳線千歳~新夕張間の普通列車で使用。南千歳始発・終着の列車はない。

○急行・特急列車

  • キハ261系1000番台…キハ183系置き換え用として2006年に「スーパーとかち」としてデビュー。2020年3月14日以降は「とかち」・「おおぞら」両方で使用されている。キハ281系やキハ283系のような振り子式ではなく、車体傾斜装置を搭載している*3。営業最高速度は130km/hで運転していたが、2014年8月29日以降は最高速度120km/hで運転。

  • キハ283系…特急「おおぞら(旧スーパーおおぞら)」で使用。昔は「スーパーとかち」でも使用されており、営業最高速度は130km/hを誇っていたが、2011年の脱線事故と一連の不祥事の影響で2014年8月29日以降は110km/hまで落ちている上、「スーパーとかち」での運用はなくなった。2022年ダイヤ改正にて定期運行終了。

○貨物列車

  • DF200形…線内の貨物列車で使用。

◎駅・主な信号場一覧

  • 南千歳…千歳線(本線・新千歳空港支線)乗り換え。もちろん全列車停車で当路線で一番利用者が多い。昔は千歳空港の空港連絡駅だったが、移転後も空港支線と特急を結ぶ重要なターミナル駅。
    なお千歳線の新千歳空港支線を追分駅まで貫通させて石勝線の新線を作る構想があり、実現の暁には単なる途中駅に転落していまう可能性大。


  • 東追分(信)…廃駅前は牛山氏の全国秘境駅ランキングに137位だった。
    サントリー・金麦のCMでも使用された。2012年にこの駅で貨物列車が脱線している。

  • 川端…由仁町の駅でバスもないが、夕張以東に比べるとまだ栄えている。

  • 滝ノ下(信)…追分~新夕張間では唯一元から信号場。近くに川端ダムがある。

  • 滝ノ上…駅名の由来となった千鳥ヶ滝や夕張市の農協銘産センターが近くにあるが、当駅に止まる本数は(ry

  • 十三里(信)…2016年に東追分駅と共に信号場へ降格。読み方は「とみさと」と意外に難読。命名からして追分駅を起点としたら13里だからというシンプルそのもの。周りはメロン畑のみ。

  • 新夕張…昔は「紅葉山」という駅名で、夕張支線の分岐駅だった。夕張支線廃止後の代替バスも発着。ホームは2面4線あるが1面は使用停止で立入禁止になり、少し寂しい。

  • 楓(信)…新夕張から一つ目の信号場。
    かつては石勝線本線上にあった3代目の楓駅で、新夕張方面折り返し専用線路が1本と占冠方面へ繋がる線路が2本あった。
    停車したのは普通列車のみで新夕張方面のみにしか列車は発車しなかったが、全ての線路にホームが設置されている。
    開業当初は1日6往復あった列車も減便を繰り返し、廃止前は7:02発の新夕張行1本のみとなっていた*4
    2004年3月12日に駅が廃止。

  • 清風山(信)…新夕張から4つ目の信号場。
    2011年に特急「スーパーおおぞら」が脱線・炎上する事故が発生、この件でJR北海道の当時の社長が自殺に追いこまれた。
    これが以後に発覚していくJR北海道の不祥事の発端となる事に…。

  • 占冠…占冠村の中心駅。が、市街地は南に1km離れている。隣駅のトマムと並びこの区間の数少ない駅。また、おおぞら号の大半は通過するため、意外と到達するのが難しい駅。
    因みに新夕張駅とこの駅の距離34.3kmは、2014年3月15日に海峡線津軽今別~木古内間に抜かれるまでJRの在来線で最長駅間距離だった。
    北海道新幹線開業後は海峡線の在来列車が全廃したため、2016年3月26日以降は石北本線の上川~白滝間の37.3kmが在来線最長距離。

  • ホロカ(信)…トマム駅に改称する前はこちらがトマムを名乗っていた。

  • トマム…全列車停車駅。元は石勝高原駅として開業。
    JR北海道で一番標高の高い(538m)の駅で、リゾートホテルがある上、この周辺で数少ない居住地域であるが市街地からは離れているからか牛山氏の全国秘境駅ランキングに146位に入っている。因みに漢字で書くと「苫鵡」である。

  • 上落合(信)…トマム駅から2つ目、新狩勝トンネル内にある根室本線との実際の合流点。ここから新得駅までは24km離れている。

  • 新得…根室本線乗り換え。新得町の中心駅で全列車停車。一応終点駅だが、石勝線の列車は全て帯広・釧路方面に直通。駅舎は結構おしゃれ。

◎夕張支線(新夕張~夕張、廃線)

超過疎路線。
その昔は石炭輸送で栄え、旅客も最盛期は15往復が設定されていたが、石炭輸送は1990年に終わり、廃止時は旅客のみ5往復になっていた(廃止直前の2週間は、全列車臨時列車扱いで8往復運転)。


もともとが夕張~室蘭直通で石炭を運ぶために造られた路線であるため、地図で見ると分かるが札幌へのアクセスは遠回りになっている。
そのため、炭鉱最盛期ですらバス乗り換え込みで札幌直通可能な夕張鉄道線に対して旅客輸送で苦戦を強いられていた。
その後も一般道を経由しながらも旧夕鉄線ルートを踏襲して札夕間を直線的に結べる高速ゆうばり号が優位なことや、夕張市の人口の減少と市自体が財政破たんしている事からも容易に想像がつくと思うが、利用者がほとんどいなかった。
廃線前の輸送密度は、札沼線北海道医療大学~新十津川間に次ぐ110人という低さである。
何せつい最近まで財源不足で、夕張駅のトイレが使用できなかったほどである。
それでも集落を結んで走っていたからか、牛山氏の全国秘境駅ランキングには1駅も入っていなかった。


2016年8月8日、なんと夕張市側から廃止も含めた交通体系の再構築をJR北海道に提案。
そのわずか9日後の8月17日、支線区間の廃止が正式に決定されてしまった。
決定までの早さもさることながら、自治体側から廃止提案を出されるのは異例なことであった。
そして2019年3月16日、全区間廃線となった。


駅一覧

  • 新夕張…本線新得方面乗り換え駅だった。

  • 沼ノ沢…無人駅なもののそれなりに町はある。

  • 南清水沢…財政破たんの際、廃校を免れた夕張高校の御蔭で少し市街地がある。

  • 清水沢…意外にも有人駅だった。夕張警察署の最寄駅。

  • 鹿ノ谷…昔は炭鉱の拠点駅の一つで、1975年まで夕張鉄道が接続していた。
    今は何もないが、日本映画の名作「幸福の黄色いハンカチ」のロケ場所になった『幸福の黄色いハンカチ想い出広場』の最寄駅。

  • 夕張…終着駅。財政破たんの影響でトイレまで使用不可能になった駅。
    今の駅舎は3代目でホテルマウントレースイに隣接している。

支線にあった沼ノ沢、南清水沢、清水沢の各駅には炭鉱を結ぶ路線(旅客営業もあった)があって接続していたが、1987年までにその全てが廃止されている。



追記・修正宜しくお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,1)

[#include(name=テンプレ3)]


#comment

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/kiha261b.jpg 日時:2016/01/03
*2 途中駅であった楓駅は本線上の駅として名前は残ったものの、石勝線の本線が支線部を流用せずに新しく敷き直したため支線当時の場所とは別の場所に作られた。
*3 5次車以降は搭載されていない。搭載されている車両も2014年8月30日から使用停止となっている。
*4 2001年7月からはこの列車も日曜日は運休していた。なお、この駅に到着する列車も新夕張6:45発楓行のみであった。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧