登録日:2017/06/05 Mon 23:21:13
更新日:2024/02/06 Tue 11:22:37NEW!
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銃 兵器 狂気 英国面 米国面 変態兵器 産廃 なにこれ…ふざけてるの どうしてこうなった ネタ兵器 試行錯誤 所要時間30分以上の項目 武器 コメント欄ログ化項目 変態銃 技術者のロマン
変態銃とは文字通り変態的な銃である。
変態兵器や英国面、米国面と若干被るものがあるが、銃に限定して紹介していく。
●最初に
さて、この項目を読んでいる貴方は「銃」と言われて何を想像するだろうか?
王道を征く戦場の華、 AR-15系列。
数多の兵士と共に世界中の戦場を駆け抜けた、AK一族。
稀代の天才銃工が遺した世紀の大発明、コルトM1911とその子孫。
あらゆる特殊部隊から絶大な支持を受ける短機関銃の傑作、[[MP5>H&K MP5]]。
鉄砲鍛治の老舗が産み出した自動拳銃のニュースタンダード、[[ベレッタM92>ベレッタM92]]。
斬新な設計で銃器開発の新境地を拓いた、FN-P90。
信頼と実績の汎用散弾銃、レミントンM870。
未開の荒野に新たな時代を齎した西部の征服者、コルトSAA。
開発から80年以上を経てもなお世界中の軍隊で主力兵器の座を担い続ける重機関銃の決定版、ブローニングM2。
世に名銃と呼ばれる銃は星の数ほどあるだろう。だが忘れてはならない。
それら名銃は、銃器開発者達の数えきれない試行錯誤の末に産み出された物だということを。
数々のトライ&エラーの果てに無数の試作銃、マイナー銃が産まれては消えていったということを。
人類の歴史は決して華々しい成功だけではない。その栄光は夥しい数の失敗と敗北の記録の上に築かれた物なのだ。たまに正気を疑うような代物が出てくるのは何故だろうね
そうして生まれた凡百の銃の中でも、一際異彩を放ち我々の心に訴えかけてくるインパクトを感じる銃こそがこの変態銃である。
●何故変態銃は生まれるのか
実際の所、変態銃が生まれる背景は大体次の様な理由に集約されると思われる。(筆者の個人的見解です。批判点等あったらぜひ追記修正してください)
- 力こそパワー!
- 古来よりよくあるパターン。
ボディアーマーや装甲を備えたハードターゲットをぶち抜いたり、対象に効果的にダメージを与えるためには高威力の弾丸を撃てた方が当然有利である。
貫徹力やストッピングパワーを追求して、大口径の強装弾を採用するのは至極真っ当な発想と言えるだろう。
だからといって威力だけを追求しすぎると剛性や安定性の為に銃本体も巨大化、その結果取り回し・射手への負担・利便性・果ては実用上の安全性など諸々をかなぐり捨てた代物が完成してしまう。
つまり「銃自体は確かに強いが、あまりに強力すぎて普通の人間には到底扱えない」という、良くも悪くも男のロマンに走りすぎた物になる。ある種の決戦兵器ならまだしも、信頼性や普遍性が求められる制式の組織などでは余程でない限り嫌がられるパターン。
典型的なのは「対戦車・対物ライフル」だろう。「歩兵でも運用できる低コストな対戦車兵器」という式から「超高威力大口径の弾丸でブチ抜いて破壊する特大ライフル」というシンプル過ぎる解を導いた結果生まれた怪物である。
完成直前まで歩兵用の銃である事を忘れていたかの如くデカい、重い、うるさいといった欠点があるものの、下のケースに比べればまだ設計的にマシな方ではある。
- 強力な弾薬を撃ちたい、けどコンパクトにしたい
- 上の派生パターン。大型の弾薬は威力や射程距離に優れるが、それを撃つ銃は重厚・長大になり取り回しが悪くなってしまう(バレル長が射撃性能に与える影響に関してはブルパップの項目に詳しい)。
このジレンマを解決しようとして、弾薬の威力に対して不自然にコンパクトな銃になるというもの。
小さい分、強烈な反動やマズルフラッシュをどうするかという問題が出てくるが、
「銃自体に更なる独自の変態機構を組み込み軽減を図る」「多少のデメリットには目をつぶり使う人に我慢してもらう」のいずれかになる事が多い。このサイズの銃でフルサイズNATO弾なんか撃てるか!なFRオーディナンス・MC51などは甚だしい例と言える。
実際、ここの解説で弾の名前を聞いてもピンと来ない時は九分九厘「不相応にデカい弾」ということでほぼ間違いない。
- 弾を連射したい、けどコンパクトにしたい
- 更に上の派生パターン。
火力(ファイアパワー)とは1発の威力だけを指す言葉ではなく、連射性能もまた重要な要素になる。
装弾数を増やし、リロードの回数を減らせればそれだけで火力(時間辺り投射弾量)がアップするし、
機関銃の様に高速で大量の弾丸を撃てるなら、敵を釘付けにして抑え込める(制圧射撃)。
だが、連射力や多装弾を求めるあまり、道具としてのバランスを後回しに投げてしまった面白残念な銃が生まれてしまう事がある。
2挺以上の銃を単純に括り付けた懲りない構想や、撃っている内に重心がズレてくる螺旋マガジンのキャリコなどはこの典型例だろう。
ちなみに所謂「マグナム弾」として有名な.44弾や.50AE弾もあくまで拳銃弾なので、実際には大半のライフルや軽機関銃が使う「ライフル弾」より単発の威力は低かったりする。
ならば、バケモノじみた威力のライフル弾を平然と連射する銃器が本来どれだけ負荷のかかる代物なのか、そして設計段階でバランスを崩した結果どれだけクレイジーな銃が誕生するのかは…推して知るべし。
- 強力な弾薬を連射したい、けどコンパクトにしたい
- 火力と連射力のどちらか片方だけでも尖りすぎるととんでもない化け物になるのは上で散々述べているというのに、それを両立させた挙げ句コンパクトにしたいという発想がまともな銃を生み出す訳がないだろ!!
当然強装弾の反動が機関銃の連射力で襲いかかってくる上にコンパクトな銃は反動を打ち消しきれないという三重苦で射手への負担は激増し、更に弾薬も大量に持ち運ぶ必要があるとなれば、まともでない人間ですら扱うのは困難を極める。…それでも作ろうとする狂人はいるんだよなぁ…(恐怖)
故に「威力を高めたい」「連射したい」「取り回しを改善したい」という発想は同じであるのにその目的は上記に述べてきた「普通の銃器」の延長線にある変態銃とは全くもって異なる。すなわち、
本来人間が扱うことを想定していない兵器を、扱いにくさすら覚悟の上で無理やり人間の手で扱うことで発揮されうる圧倒的な破壊力を狙って作り出された超兵器である。
その一例が本来軍用ヘリなどでドアガンとして用いられるM134ミニガンを歩兵用にダウンスケールする形で開発されたXM214マイクロガン。当然使用弾薬も小銃用のものだが上述の通り大口径の拳銃弾よりも小口径の小銃弾のほうがはるかに反動も強烈な訳で…
- 武器としての理想的な合理性の追求
- 上記の例が所謂設計ミスと言い捨ててもやむなしな例に対し、こちらは至極真面目に既存の銃の短所を克服して「扱いやすく高性能な銃」を開発するために、システムの配置を人体工学や運用する組織の性質に合わせて最適化した結果生まれたもの。
例えるなら「最速」という目的のために極限まで合理化した結果変態と化したTASといったところか。
代表的なのは曲がりくねったグリップ周りと寸詰まりなブルパップスタイル、マガジンを銃上部にセットして下方向へと排筴する設計、挙げ句その銃のための新弾薬と専用の拳銃まで開発しちゃったFN-P90だろう。
このタイプの銃は伝統的なフォルムなんざ知ったことかと言わんばかりに合理性重視でデザインされる傾向があるため、見た目が気持ち悪くなる事が多い。
実情に関しては奇抜さの割には使いやすい銃も多いが、一方で机上の空論や作ってから多大な欠点に気付くケースも多い。
- 新開発の技術の導入により技術的ブレイクスルーを目指す
- 上記の変態銃が既存技術の改良と再配置によるものとすれば、こちらは新技術により今まで不可能だった事を可能にしようと試みた物。
性質上、銃という兵器自体のあり方を変えてしまおうとする試作品が多く見られる。
技術の進歩の為にも挑戦は不可欠であり、実用化・普及に成功すれば偉業となるのだが、常に上手くいくとは限らず…。
例としてはG11(ケースレス弾薬)、ジャイロジェットピストル(ロケット推進弾)、ステアーACR(フレシェット弾を飛ばそうとした)等。
- 多機能化
- 世界のあらゆる場所で重火器を用いた戦闘も想定されるようになったため、戦場ごとに最適な銃器や弾薬に持ち換える必要に迫られるようになった。
一丁の銃で全て賄えるなら使用者側も生産側も効率的であり、必然的に銃の調達費用も安くなるだろうと考えた結果、ありとあらゆる機能を盛り込んだ万能兵器を作りたくなるのは誰もが通る道であるらしい。
結果、技術的な限界や理想と現実の乖離などにより、理想通りの物が生まれることは稀である。
成功する物は使用者の実情に合わせた少々の機能追加・廃止程度のものが多い。
冷戦期、特にアメリカ主導で開発された試作銃にはこの手の物が大量にある。往々にして先述のブレイクスルー狙いとも複合して二重の変態銃と化している。
- ニッチな需要を突く物
- 射撃競技や狩猟、その他特殊用途など、軍民問わず既存の銃器では都合が悪いといった微妙な空白地帯に生まれるニッチな需要を見込んで開発されたもの。
特定の用途に一点特化したが故に変態的な設計になる場合が多い。
射撃競技のためにフレームをちょん切って上下逆にしちゃったMC-3などが代表例。
- 趣味。
- 実用性なんか必要ねえんだよ!
主に民間市場での需要を見込み、実用性も何もかもかなぐり捨てて変態や変態に向けて作った変態銃。
惚れ込んだ人なら欠陥も無視して買うため、よりフリーダムでカオスな銃が生まれやすい。
また実用銃として開発されるも失敗した変態銃がそのネタ話題性を再評価され、各地域の規制に則ったマイナーチェンジを施した上で民間市場での販路を切り開いた例もある。
実用と趣味の境界線上の例としては、ギリギリで実用されているがメーカーが「射手の健康は保証しません!」と言い切ってしまったスミス&ウェッソン・M500が挙げられよう。
場合によっては狂気のガンスミスによって更なる魔改造を施されてしまうことも…
●変態銃一覧
銃種ごとの主だった変態銃を解説する。
◇ライフル(小銃)
- .905口径ライフル
- まずライフル(小銃)というのは文字通り個人用の小火器であり、対戦車ライフルでも20mm口径で基本的に携行火器ではない。
しかし世の中にはとんでもない物を作る人間が少なからずいる。その一つがこの「.905口径(約22.9mm)」仕様ライフル。
弾丸一発が栄養ドリンクのビンぐらいのサイズという冗談みたいな大きさで、特注なので一発40ドルもする。
台座に設置した半固定状態で100kg超の屈強な男性であっても、撃った反動で銃が跳ね飛んでしまう。
アメリカで作られた数量限定生産モデルで3丁しかない。Youtubeで試射の様子が公開されている。
出典: 61.世にも奇妙な珍銃 10選
- SCR
- ARES Defence社(現FightLite Industries)が開発した曲銃床タイプのAR-15クローン。
え、それだけ?と思うかもしれないが、AR-15系の作動方式はその特性上バッファチューブ*1という部品が後方に突き出てしまうため、直銃床以外には出来ないとされてきた。
が、この銃はボルトキャリアとロアレシーバーを独自に設計しバッファチューブを斜めに生やしてグリップに収めるという力技で曲銃床化を実現している*2。
わざわざこんな変な構造を編み出したのにはもちろん理由があり、「フルオート禁止」「伸縮/折り畳みストック禁止」「独立グリップ禁止」「サムホールストック禁止」…といった米国の一般的なライフルの法規制をかいくぐるための策。コレなら既存のAR-15系とある程度互換性のある銃を合法的に所持できる、という訳である*3。
…ただそれだけならともかく、ソウドオフショットガンよろしくストックレス&ショートバレルの「SCR Pistol」なんてものまで発表している辺りどうなんだと問いたくもなるところ。
出典: https://modernfirearms.net/en/civilian-rifles/u-s-a-civilian-rifles/ares-scr-eng/
◇突撃銃
- TWIN AR Double Devil
- 銃を二丁繋げれば火力も二倍だぜ!!!!ヒャッハァ!!!!!
バカじゃねぇの?
アメリカにおいてある種の突撃銃のスタンダードとなっているAR-15系(M16シリーズ)から突如として現れた、同じ銃(AR-15)を横に2丁くっつけた突撃銃。というか、それ以外に表現のしようがない。
2つで1セットの銃のはずなのにどういう訳か引き金も2つあり、しかも左右の機関部は独立している。つまり右側の引き金を引くと右側の銃しか発砲しないし、左側の引き金を引くと左側の銃しか発砲しない。何でくっつけたの?
ちなみに、既存のAR-15のコンバージョンキットとして販売されており、組み込むとちゃんと左側の銃は左方向に排筴するようになる。
専用のバイポッドマウントもあり伏せ撃ちもできる…というより銃の両側から排筴するのでストックがあるのに頬付け射撃ができない。結果、銃架に据え付けて軽機関銃のような撃ち方をするしかない。しかもピカティニーレールが真ん中に無いため光学機器は左右別々に用意しなければならない。何これ?
出典: Quora「笑えるアタッチメントは何ですか?」
- AR-57
- こちらもARシリーズの一つ。一見するとただのAR-15のカスタム銃のように見える。
銃上面はハンドガード部分までフラットトップになっておりむしろ全体的なフォルムはHK416系に近いか。
しかし本来マガジンが刺さっているべきマガジンハウジングにはマガジンが見当たらない。
当然である。レシーバー上部からハンドガードまで貫いて鎮座する物体…P90用の弾倉こそがこの銃のマガジンなのだから。そう、AR-57はAR-15系列で無理やりP90用の5.7×28mm弾を撃つための代物なのだ。
因みにマガジンハウジングの様に見える部分は排筴ポートであり、本来弾が入ってくるはずの部位から逆に排筴する。*4
FN社はP90の民間仕様としてセミオートオンリーのPS90という銃を販売しているが、AR-57はPS90よりも一丁辺り400$ほど安価(コンバージョンキットのみなら更に安い)であり、
お手頃価格でP90の射撃を楽しみたい層や使い慣れたAR-15系のインターフェースが好きな層から人気を博しているそうな。
あまりにマイナー過ぎる本銃だが、何故か香港のトイガンメーカーS&Tが電動ガンとしてモデルアップしている。
日本のサブカル界隈だと、ソードアート・オンラインのアスナが家庭用ゲームシリーズ「フェイタル・バレット」で初期装備としてAR-57を携えている。
敏捷性と命中率重視で接近戦メインのアスナには適したチョイスではあるが…相当のガンマニアが制作に参加しているものと思われる。うん、誰かいたね…。
近年ではCoD(リブート版):MW2に登場したことを切っ掛けに知名度が上昇しつつある。*5
出典: Wikipedia
- MC51
- イギリス陸軍「特殊空挺部隊のために、7.62mm×51NATO弾撃てるサブマシンガン作ってくれない?(無理難題)」
FRオーディナンス「えっそれは…(ドン引き)」 - イギリス陸軍がSAS(イギリス陸軍特殊空挺部隊)に配備しようとFRオーディナンス社に開発を依頼した、サブマシンガン並みに短小化されたG3ライフル。またお前か。
G3がベースということでパッと見MP5っぽい外見だが、フルサイズNATO弾を撃つまごう事なきアサルトライフルである。
7.62mm×51NATO弾は大型のバトルライフルですらも持て余すような強装弾で、まだNATO標準弾薬になる前の「T65弾」と呼ばれていた頃からフルオート射撃には到底向かないほどのキツい反動が問題視され、ベトナム戦争ではAK-47相手に苦戦を強いられていた程。
こんな短小銃でそんな強装弾を撃つのだから、テストした人に「(強烈なマズルブラストと反動で)目眩がする」「二度と撃ちたくない」とボロクソに貶されてしまった。そらそうよ
少数が導入されたものの大して使われず、結局は似た様なコンセプトでより小口径のHK53(5.56mmx45NATO弾仕様)にお株を奪われる羽目に。
…と本国では不遇だったMC51だが、HK53を目の当たりにしてイカれたのか、アメリカのF.J.ボルマー&カンパニーと言うガンスミスメーカーが民間仕様にマイナーチェンジしてHK51というさもH&Kが開発したかの様な紛らわしい名前をつけてアメリカ国内で売り出したところこれが大ウケ。なんとMP5K並の短銃身カスタムモデルだのベルト給弾式まで登場する始末。コンパクト&ハイパワーというクレイジー極まるコンセプトが、大口径信仰の根強いアメリカ人の琴線に触れたのかもしれない。
ちなみに東京マルイが電動ガンとしてモデルアップしており、そちらは実銃のデメリットを完全に無視できるため「小型で取り回しやすくそれでいて500連射マガジンを使用可能」という優秀さで、販売から20年以上経つも未だにカタログ落ちしない古株の商品である。
なおHK53はKSCが電動ガン化しているが、電動であるにもかかわらずピストンをシアで保持する手動コッキングガンの様な機構を持つ変態銃に仕上がっている。なぜ変態性が逆転したし
出典: FRオーディナンス MC51 - MEDIAGUN DATABASE
- G11
- お馴染みH&K社が次世代型アサルトライフルとして設計した一丁。旧エヴァ劇場版で戦略自衛隊が使っていた箱、じゃなくて銃。
取っ手のついた角材にグリップをポン付けしたかの様な特異な外観の本銃最大の特徴は何と言ってもケースレス弾薬だろう。文字通り薬莢を廃した弾薬で、銃弾が直接成型された火薬に包まれているのが特徴(この弾薬の開発を担当したのが、あのダイナマイトの父でノーベル賞で有名なアルフレッド・ノーベルが興したパンツァーファウスト3の開発でも知られるダイナマイト・ノーベル社である)。
弾薬を四角く成型することで弾薬同士を隙間なく密着させられ省スペース化が実現でき、薬莢の分だけ金属資源の消費を抑えられ、排筴機構が要らないので銃自体の構造も単純化、
更に機構の単純化により実現した分間2000発というSMG以上の射撃サイクル*6は反動が腕に伝わる前に発射することで高精度と高い制圧力の両立もできると、良い事ずくめという触れ込みだった。
が、薬莢の無い弾薬は湿気に弱くなり、そのせいでリロードの際はわざわざ専用の密閉容器からマガジンに弾を移すという面倒臭い手順が必要になった*7。
この余計な入れ物が増えたせいでせっかくの省スペース化も帳消し。しかも機関部内の熱を薬莢に逃がせなくなった為に熱がこもり易くなり、その熱の影響でケースレス弾薬が自然発火、暴発してしまう等々致命的な欠陥が次々発覚。
更に弾の価格が(試作段階とはいえ)1マガジンで約5万円という非常識極まる高コスト。少数は納入されたものの開発計画自体が中止になり、のちにH&K G36が正式採用された事でこの銃もお蔵入りと相成った。
なおG11は1980年代末にアメリカ軍が企画したACR計画(Advanced Combat Rifle。次世代型戦闘用ライフルの略。)の一環で開発されたもので、他にも当時注目されていたフレシェット弾を使用したステアーACRなど、同計画は珍銃奇銃のオンパレードだったそうな。
出典: Wikipedia
- XM29 OICW
- StG44(のボーザツラウフ)
- StG44自体は現代のアサルトライフルというカテゴリの先駆けとなった名銃なのだが、とある専用アタッチメントの変態性が有名。
なんと曲がった銃身を先端に取り付けられる。勿論きちんと照準・射撃できるし、暴発もしない。詳しくはStG44の記事へ。
出典: Wikipedia
- APS水中銃
- (奇妙な形状のマガジン以外は)ロシア辺りじゃ割と普通にありそうな雰囲気の突撃銃だが、実は旧ソ連が特殊作戦用に作った水中で発砲可能なライフル。
マガジン形状が奇妙なのは使う弾薬が抵抗の大きい水中での発砲を前提にした、独特な針状の弾丸とその弾丸に対して異様なまでに太い薬莢を使っているから。
弾薬の特殊さに加えて水中じゃあまり意味ないから、とライフリングが刻まれていない滑腔式なので陸上での使用はあまりお勧めできない。また180発以上撃つと銃が壊れる恐れがある。
1960年代に開発されたがソ連以外の輸出は共産国相手にも行われなかったらしく、北朝鮮が手に入れようとこっそりアレコレしたらKGBが出張ってきたとか何とか。
89年のマルタ会談で警備していた特殊部隊員が携行していたのが一般に公開された初めての、そして数少ない事例。もしくは『BLACK LAGOON』で知った人もいるのでは。
なおロシアでは2010年代に入ってこいつの後継にあたるADSてのも開発されたらしい。好きだねえ……
こっちは弾薬の改良のおかげでマガジン回りの見た目も普通になった前方排莢式のブルパップ銃。え、前方排莢式て時点で十分変態だって?パクり他国の銃のクローン生産で有名な中国ノリンコ社がQBS-06というクローンモデルを生産している。
出典: Wikipedia
- L85A1
- みんな大好き弾の出る鈍器にしてジャムおじさん。
あろう事に嘗ての敵国ドイツのH&Kの改修が加えられた現行モデル(L85A2/A3)は至ってマトモになったが、かつては……個別記事参照。
アフガンやイラクで英国軍が銃剣突撃しまくるんで(しかもちゃんと成果を出すのが英国クオリティ)、巻き添え食らう形で変態認定され続けている感じが強い。
元々の銃だけなら目新しくもない普通の(普通の基準がおかしいって?気にするんじゃない)アサルトライフルなのだが、そこは英国紳士。
何を思ったかL85に電子制御によるレートリデューサー機構を組み込んだEIWなる変態アサルトライフルを開発しようとした。結果?バッテリーの小型化に難航して外部電源になるなど開発はグダグダ。試作品のまま終わりましたとさ。
- TKB-072-1
- 名前がもうヤバい。
乳首感じるんでしたよね?
冷戦期にロシアのトゥーラ造兵厰で研究されていた試作銃。見た目は木製の曲銃床にバナナマガジンといかにもなソ連スタイルだが、
毎分500発の標準的なフルオート射撃に加え、分間2000発という凄まじいサイクルの高速バースト機能もあったらしい。
当時のソ連は西側諸国に対抗するためか様々な先進的な設計を盛り込んだ試作銃を多数研究開発しており、その中には何を考えて作ったのか分からない意味不明な銃器や、時代を先取りしたような興味深い設計の銃も多い。
TKB-072を開発したジャーマン・A・コロボフ技師はそれ以外にも独特の設計で先進的な機構を実現させた事で知られており、実用突撃銃としては世界で初めてブルパップ方式を採用したTKB-408や、プラスチック製の外装と奇妙なブルパップ方式の設計ながら先進的なフォワードエジェクション機構を備えたTKB-022PM等といった実にイカした銃を開発している。
他には銃の後部がぐにゃりと湾曲した気持ち悪い形状ながらFN-F2000から遡ること実に40年前に既に同様のフォワードエジェクション機構を実現していたTKB-011、グレラン付きアサルトライフルを目指したはいいがグレランとアサルトライフルのボルトが中で連結されてるので同時使用不可能という意味不明さ、ついでに名前の由来も意味不明な80.002、最終型のAN-94完成に至るまでに2連銃身式のAO-63やその他珍銃奇銃ゲテモノ銃の百鬼夜行を作り上げたアバカン計画等々この時期のソ連製兵器は面白い物が多い。
- TKB-059
- TKB-408など昔は比較的真っ当な設計*8をしていたコロボフおじさんことジャーマン・A・コロボフ技師だが、後年には本気で何を考えて作ったのか分からないような変態銃を多数設計しており、変態銃マニアの間では旧ソ連期最大のゲテモノメーカーの一人として有名である。*9
上で挙げたTKB-072の時点で既に相当の変態なのだが、TKB-059はそれ以上に見た目のインパクトが強烈。
その恐るべき実態はなんと水平三連銃身式のアサルトライフルである。
銃を二丁繋げて火力2倍なら三丁なら3倍って言いたいんですね?分かります。バカじゃねぇの?
左右の銃身はともかく、真ん中の銃身の薬莢はどうやって排筴する気だったんだろうか。日本語の資料に乏しいため詳しい構造等は不明だが、海外の資料を漁ってみたところどうやらストック内部が排莢ルートになっておりそこを通して後ろ側からストックの真下に排莢するらしい。
ネタ気味に書いたが実際そのファイアレートは常軌を逸しており、なんと6000発/分。つまり1銃身辺りですら2000発/分というサブマシンガンを超える速度で弾をバラ蒔いていることになる。火力3倍どころではない。バルカンか何かでも作るつもりだったんだろうか?*10
更に言えばこの銃は歩兵が手に持って射撃するアサルトライフルである。こんな連射の反動が射手の頭を直撃する様など想像したくもない。しかもベルト給弾式の機関銃と違い、一度放てばわずか1~2秒で3つ束ねたマガジンの残弾が空になる。
何より一番おかしいのはこの狂気の変態銃があのAK-74の後継となる次期主力小銃選定トライアル計画に大真面目に提出されたという点である。本当にこんなものが採用されると本気で思っていたのだろうか?真相はコロボフおじさんのみぞ知る。*11後述する正式採用されたAN-94も含め、この計画で提出された銃は大半がトンデモ設計の変態銃なのだが。
それ以外にもまるで角のように大きく上方に突き出したフロント・リアサイトや3つの銃身に弾を供給するために太いってレベルじゃない程に肥大化したマガジンなどネタ的な見所も多い。
出典: Wikipedia
- APT
- AK-74の後継銃選定トライアルの「アバカン計画」で設計、提出された旧ソ連製試作銃のうちの1本。
何がヤバいのかというと雷管突破*12を故意に引き起こし、その吹き戻しを利用してボルトのロックを解除するという最高にイカれた設計である。当然あまりに危険すぎて即刻没になった。
- AEK-971
- AK-74の後継銃選定トライアルの「アバカン計画」で設計、提出された旧ソ連製試作銃のうちの1本。こちらはガスルートから引き込んできた燃焼ガスを利用してカウンターウェイトを前方に押し出し、その反作用でリコイルを相殺する
無反動砲かなんかみたいな変態機構を搭載することで限りなく反動を抑えつつ900発/minの高速フルオート射撃*13が可能というこれまたトンデモ設計のブツとなっている。
AN-94と共に最後までトライアルに残ったがあえなく落選。複雑な設計ゆえの製造コストの高さが仇となったが、フルオート時の射撃制度の高さが評価され、特殊部隊向けとして改良型のA-545が2017年に制式化されている。
- AN-94 アバカン
- あのAK-74の後継として開発された自動小銃。
画期的な反動制御システムを有し、またプーリー駆動バースト機構なる奇っ怪なシステムにより初弾に限り1,800発/min相当(フルオートの場合3発目からは600発/min相当)というえげつない連射能力の2点バースト機能を持つ。その速度たるや初弾の反動で銃口が跳ね上がる前に既に2発目が発射されているというハチャメチャなもの。
しかし納入したロシア軍から信頼性の低さを指摘され、改修作業を行おうとした矢先に設計者が急逝。残された設計班は誰一人としてその複雑怪奇極まる設計を理解できず、そのまま改修計画は大☆失☆敗。
出典: Wikipedia
- K11複合型小銃
- 韓国版XM29 OICW。問題点・欠陥共に本家とまんま同じ。
一番の問題は2010年からこいつを本気で配備した事。当然不具合が続出し、2012年に配備中断してリコール。でも2018年になっても諦めずに戦力化を目指していた。そんなとこまで本家リスペクトしなくていいから(良心)
なお、それでも50発撃つとリチウムイオン電池が爆発したり、磁石を近づけると誤作動する危険性があるなど本家よりヤバいシロモノになりかけた為か、2019年になってようやく配備中止が正式決定となった。
出典: Wikipedia
- ガリル
- イスラエルの国産小銃。同世代の小銃と比較しても性能としては平々凡々だが、なんと栓抜きが付いている。
ガリルの導入初期に装弾不良の多発に悩んでいたイスラエル国防軍が原因を調査した結果、前線の兵士達が弾倉の給弾口でビンの王冠を開けていたのが原因と判明。
これを解決すべく、ハンドガード根元にあるバイポッド固定具に栓抜き用の機能を追加したのがこの結果である。それ普通に栓抜き配れば良かったんじゃないですかね…
なおこの珍妙な部品が付いているのは分隊支援火器仕様のARMだけで、標準的なライフル仕様のARなどではバイポッドごと省略、ARMの後継とも言える他の7.62mmNATO弾採用モデルも引き継がれなかった模様。当たり前だ
出典: Wikipedia
- ShAK-12
- 2017年にロシアのイズマッシュ社が開発したボディアーマー絶対殺すマン。
具体的には12.7×55mm弾をフルオート発射可能なブルパップアサルトライフル。ロシア人は脳ミソをウォッカにでも浸けてんのか?
この対物ライフルだかバトルライフルだかワケわからん代物は、市街地戦においてフルアーマーを装備した兵士を完膚なきまでに叩きのめすことをコンセプトに開発された(らしい)。
その理由はAK-74の使用弾薬である5.45×33mm弾の威力不足によるもの。最近のボディーアーマーの進歩は目覚ましく、西側東側問わず小口径高速弾を受け止められるものが出始めている。つまり、1970年代開発の小銃どころか現行の小銃ですらこれからは威力不足になっていくということである*14。
おまけに、現在の正規軍の主な敵は反政府武装組織や武装テロリストであるが、彼らですら『ボディーアーマーの進歩』の恩恵を受けており、下手したらアメリカ中国以上に国内外に敵を作りまくってるロシアにとってこれらはとてもよろしくない状況だと思っていたらしい。そしてそういう存在との主な戦場は市街地。つまり、現状打破のために産み出されたのがこの奇天烈ライフルである。
本銃は徹底的に近接戦闘及び市街地戦を想定して開発されており、ブルパップ方式なのもそれ。というか想定し過ぎて12.7mm弾を使うにも関わらず有効射程は僅か300m。大口径弾を使用する特性上、反動もまた凄まじいものになるため、マズルブレーキ2個+ゴム製尾筒という通常のアサルトライフルでは考えられないどころかやり過ぎの反動軽減システムを取り入れている。
更になぜか消音器(!?)が装着可能な上に上下左右のピカティニーレールを利用してグレネードランチャーやコリーメーター、光学照準器がポン付けできる。属性盛りすぎヒロイン爆誕
出典: Wikipedia
- FAD
- 2018年にペルーが開発した5.56x45mm NATO弾を使用する初の国産ブルパップ式アサルトライフル。ある一点を除き、その性能に目を見張るものはないのだが、円形のグリップ、グニョンと湾曲しボロンと出たハンドガードなどP90並みに
キモい特徴的な外見を持っている。
そして上述のある一点とは、その有効射程。940mという同口径の自動小銃の中でもダントツの長さを誇るのだ。山がちの国土でそんな有効射程は必要になるんですかね……
出典: Wikipedia
◇短機関銃/マシンピストル/PDW
- タンペレーン Jatimatic
- 「ヤティマティック」と読む。フィンランドにあったタンペレーン社(現在は倒産)が開発していた短機関銃。
銃口が斜め上にひん曲がっているように見えるが、実は銃口が斜めなのではなく銃本体が斜めに設計されているという素晴らしい変態っぷり。そのため銃口が地面に対して水平になるよう若干斜め下に構えるのが正しく、アイアンサイトもそれを前提にした配置になっている。
無論この変な構造にもちゃんと理由があり、ボルトを斜め上方に後退させることで水平方向への反動エネルギーの一部を下向きのエネルギーに変換してマズルジャンプを抑えようとしたんだとか。実際にはほとんど効果無かったけどな!*15
それ以外にもコッキングハンドルとセイフティも兼ねた折り畳み式フォアグリップや当時としては画期的なプラスチック部品の導入など独特の設計で軽量化を図りつつ部品点数を可能な限り抑えて整備性を向上させる野心的な試みがなされている。
MP5Kやミニウージー等に対抗して開発された銃だが既にMP5に制圧された市場には食い込めず、トドメと言わんばかりにタンペレーン社から盗まれた本銃がギャングに使われ殺人事件に発展するという大惨事が発生。タンペレーン社は倒産し、本銃の生産も打ち切られた。
かように不遇の歴史を歩んだ本銃だったが、そのユニークなフォルムや独特の合理的設計などはいわゆる「画面映え」するものだったらしく、特にアクション映画「コブラ」でシルベスター・スタローン演じるマリオン・コブレッティ刑事の咥えタバコにグラサンの出で立ちでレーザーサイト付きの本銃を構えた姿は強烈なインパクトを残した。
出典: Wikipedia
- FN P90
- PDW(Personal Defense Weapon、個人用防衛火器)という新たな銃のジャンルを生み出した傑作*16。多数の軍隊・特殊部隊に制式採用され、1996年-1997年の在ペルー日本大使公邸占拠事件で使用されるなどメディアに露出する機会も多いため知名度も非常に高い。
しかし冒頭の通り、(ライバルのH&K MP7のようにコンパクトなUZIスタイルとは逆に)既存の銃の常識を彼方に投げ捨てた奇抜な外観・特異なシステム配置は十分変態と呼ぶに相応しいと言えよう。
一見異様な見た目ながら、
・弾倉を銃身と平行配置にすることで上下の出っ張りを減らし服などに引っ掛かりづらくする。
・なおかつ装填される弾の向きを銃身と直交にすることで装弾数を増やしマグチェンジの回数を極力減らす。
・人体工学に基づきグリップ周りの形状を工夫し握りやすくすることで射手への負担を軽減。
・銃身長を確保しつつ全長を短縮し取り回しの向上を図ったブルパップ構造。
・利き手を選ばず使えるアンビ設計を徹底し、セレクターレバー、チャージングハンドルは左右どちらからでも操作でき、下向きに排夾する。
・ポリマー部材の採用により軽量化。
・専用弾はボディアーマー等への貫通力を確保しながら人体等の軟目標へのストッピングパワーも兼ね備え、貫通による二次被害も防止する。*17
などその奇抜なデザイン含む全てにおいて無駄無く合理的に設計されていることが分かる。「変態=産廃ではない」ことを雄弁に物語る一丁。
出典: Wikipedia
- Kriss Vector
- 米軍「軍と法執行機関のために .45ACP弾撃てて反動少ないサブマシンガン一緒に作ってくれない?(無理難題)」
TDI社「あっ、いいっすよ(快諾)」
米軍「マジすか(素)」 - こちらもP90と並び高い知名度を誇る、変態銃の優等生。詳細は個別項目を参照。
「強力な弾薬を撃ちたい+けどコンパクトにもしたい」という王道の変態銃誕生コースに乗っかりながら、「Super V」と呼ばれる独自の内部機構の導入でなんとかなっちゃった稀有な一丁。
更なる小型化を目指したK10、Super Vを拳銃に組み込んだKARDなどの弟分がいるが、過去にはなんと .50BMGや12ゲージ弾をぶっ放すトチ狂った派生モデルも設計されていたらしい。なお、無事にお蔵入りとなった模様。
出典: Wikipedia
- シテス SpectreM4
- イタリアのシテス社が1983年に開発した短機関銃。
プレス鉄板で形成された古めかしい構成ながら独特の角ばったフォルムや特徴的なマズル周辺などどこか近未来的な雰囲気を感じる一丁。
Vz-61のように銃上部へと折り畳む方式のフォールディングストックを標準装備している。
が、問題はそこではない。この銃の最大の特徴は何と言ってもそのマガジン。
なんとダブルカラムマガジンを横二列に並べて詰め込むクアッドカラムマガジンという掟破りの変態設計によりコンパクトながら50発という多弾数を実現。また前後二つに分割されたボルトにより後方のボルトが撃針のついた前方のボルトにぶつかってハンマーの役割を果たす構造になっていて、簡素なストレートブローバック方式ながらクローズドボルト式になっており命中精度も良好。またこの特異な構造ゆえにデコッキングレバーとダブルアクション機能(初弾のみ)を備えるなど新機軸のシステムも盛り込んだ意欲作となっている。
但し商業的にはあまりヒットしなかったようで、一部の国の特殊部隊に少数が導入されたのみに留まっている。
出典: Wikipedia
- コッファー
- スーツケースに収まるよう改造され、そして一体化されたMP5K。
要はスーツケースに巧妙に偽装された短機関銃である。
スーツケースの握りの部分に内部のMP5Kのものと連動するトリガーが取り付けられており、これを握ることでトリガーを引く事ができる。
この銃は性能よりも「ぱっと見銃に見えない」ことに価値があり、要人警護のSP等が利用しているそうな。
「物々しく銃を持ったSP達を配置して怖いと思われるのはイヤ」「でも暗殺もイヤだから銃の警護は必要」という要人……例えば民衆からの支持が仕事に不可欠な政治家や超大物俳優などに需要があるとのこと。
見ての通り銃本体に沿った照準器(固定金属照準器やスコープ)をつける事が出来ないが、レーザーサイトがオプションとして装備可能。カッコいい。
出典: https://armourersbench.com/2018/10/26/heckler-kock-mp5k-briefcase-gun/
- イジェマッシPP-19 ビゾン短機関銃
- かのAK一族を産み出したことで知られるイジェマッシ社が開発した短機関銃。
プレススチールを用いた古めかしい外観だが開発は1993年と結構最近。
その下面にはロアレシーバーと並行するように黒くて固くて長くてぶっとい棒状のアレが屹立している。…そう、ヘリカルマガジンである。
このマガジンの恩恵により銃自体の出っ張りを減らしてコンパクトに纏めつつ9mmx18マカロフ弾を64発装填できる大容量を誇り、主にロシア軍特殊部隊で採用されている。なお生産性・整備性を高めるため部品のほとんどをAKS-74から流用しており、見た目はともかく内部設計自体は結構手堅い。
マガジンの位置や長さから射撃の間に重心変化が大きいというのが欠点らしい欠点とのこと。*18
後に30連ボックスマガジンを使用するバージョン「ヴィチャージ」も開発されているが、ヘリカルマガジンを廃したため変態性は無くなり、単なるAKS-74の短機関銃モデルになってしまった。残当。
余談だがこの銃はAK-47を開発したミハイル・カラシニコフ氏の息子、ビクトル・カラシニコフ氏とドラグノフ狙撃銃を開発したエヴィジェニー・F・ドラグノフ氏の息子であるアレクセイ・ドラグノフ氏が共同開発したという結構凄い経歴を持っていたりする。
出典: Wikipedia
- ブリスカヴィカ
- WW2当時、ポーランドで製造された短機関銃。基本設計は英軍のステンガンや独軍のMP40を参考にしたもの。名前はポーランド語で「稲妻」を意味する。なんで枢軸連合両方の銃を参考にしてるのかって?理由は後述。
基本性能や構造に特にブッ飛んでいる所はない。…が、この銃の真の変態性はそこではない。
この短機関銃を設計・製造したのは「ポーランド国内軍」という反ナチスのレジスタンス組織の密造工場。
すなわち、レジスタンスが自前で新規に設計した密造銃なのである。既存の銃の模造品を密造して戦力にする例なら多々あるが…。
使用弾薬(9mmパラベラム弾)、マガジン共に当時のドイツ軍の主力短機関銃MP40の流用。おそらくドイツ兵から分捕ったり密買する事を想定して作られたのだろう。
歴史背景を鑑みるに、この銃も変態銃を名乗る資格があるのではないだろうか。
出典: Wikipedia
- 折畳式短機関銃
- 短機関銃として極限のコンパクトさと携行性を目指した結果辿り着いた変態の極致。
個別記事参照。
出典: Wikipedia(出典・画像はFMG-9のもの)
- エンフィールド ステン短機関銃 / ステンガン
- ダンケルク撤退戦で武器を大量に失った英国が急遽作った水道管…もとい、簡易短機関銃。元はドイツが開発したMP28というサブマシンガンをイギリスが
パクって参考にして開発したランチェスター短機関銃を前身とした銃。一般に知られている外観は簡易生産型のMk-Ⅱ仕様。
なんせとりあえず大量に作れて前に弾が出りゃ良いとばかりに性能度外視で徹底的な簡略化が図られた結果、誇張でも何でもなくぶった切られた水道管のような金属パイプに銃の機関部をブチ込んでトリガー付けただけという代物と化した。グリップすらない。
また原型銃のMP28がWW1の頃の設計のため、この時代の銃には珍しく左側面にマガジンハウジングを備える形式となっている。*19
初期は申し訳程度の木製ストックとグリップ、Mk-Ⅱ以降は軽量化・簡略化の為にそれすら無くなり「金属パイプを折り曲げてストックの形にしたスケルトンストック」「金属棒の先にショルダーパッド代わりの金属板を取り付けたただけの物」に置き換えられた。保持する時は狩猟用ライフルやショットガンの様に、ストックと本体の境目の部分にある適当に溶接された板切れグリップ代わりの鉄板を握る。
なにしろ急造品なので(個体によるが)精度もガッタガタ、すぐジャムるわ*20仕上げは適当だわ*21操作性も最悪だわ*22と散々。特に徹底的に簡略化を推し進めたMk-IIIの評判は最悪で、前線の兵士からは名前を捩って「ステンチガン(臭っせぇ銃)」「ウールワースガン*23」「プランパーズデライト(デブ女のディ●ド)」等の散々な蔑称で呼ばれた。
その一方で製造が容易、銃弾はドイツ軍標準の9mmパラベラム弾を流用しているので滷獲品で賄え、かつ単価の激安ぶり(なんと一丁7ドル60セント)から、武器不足に喘ぐ開戦当初の英軍や欧州のレジスタンス活動を支えた名銃であることもまた事実。単純な構造故に分解組み立ても容易で、分解状態ならコンパクトで隠し持ちやすいために隠密作戦でも重宝されるなどカタログスペックでは分からない多くの長所も有していた。
実際にオーストラリア産の「オーステン」など連合各国でも独自改良が重ねられていたり、MP28やMP40を開発したドイツ自身が大戦末期にはこの銃のコピー品*24をせっせと生産したり、大戦後も改良を重ね続けてSASに配備されたり*25、設計を流用した改良型が大成功していることからも基礎設計自体のポテンシャルは非常に高いことが伺える。
実際に、きちんと作られ丁寧に整備された個体はM1A1(いわゆるトンプソン短機関銃)やM3グリースガンより動作不良も少なく反動もマイルドで扱いやすかったという証言もある。*26
後に実質的な改良型としてスターリング短機関銃が開発される。こちらはステンの設計をブラッシュアップして問題点を解決*27し、より洗練された扱いやすい傑作短機関銃となっている。
出典: Wikipedia(画像はスケルトンストックタイプのMk-IIモデル。)
- 9mm機関けん銃
- 自衛隊が採用する国産SMG、あるいはマシンピストル。
幹部の自衛用として空挺を筆頭に即応近代化旅団である第12旅団、西部方面普通科連隊改め第1水陸機動連隊といった精鋭部隊に配備されている。あとM3から更新する形で戦車乗員用装備、空自の基地警備や海自艦艇の艦内装備*28にも。
設計面では
・一分当たり1200発という早い発射速度を持つ*29のに、どういう訳かこの手の装備にはほぼ必須のストックが無い。後端部に何かがハマりそうな形状になってるのは気のせい
・その代わりなのか、ぐにょんと前にせり出したフォアグリップがある
・デカくて複雑な形状のフラッシュハイダー*30
・動作方式はどちらもUZIなどに採用され信頼性に定評のありSMGじゃ今更感のあるシンプルブローバック方式
・MP5以降命中精度の低い時代遅れ扱いなオープンボルト方式
これらを組み合わせていながら「セミオートで50m先の40cm四方の的に7割が当たれば性能試験合格」という性能を持つというだけでも変態度が高い。だがここまでしてもやっぱりフルオートは扱いづらいという声が散見される。第一狂ってる団の皆さまなら何とか扱っちゃいそうだが。
だが最大の変態性は、普通SMGは「プレス製法(金属板からプレス機で打ち出す)」「ロストワックス製法(鋳造の一種)」で部品を作り安価に数を揃える所を、こいつは頑丈さや確実性を求められたのか手間とコストをかけて金属塊から部品を削り出して作成している事。二昔位前のアサルトライフルか何かか?なので元々限定的な装備というのもあり、40万円前後とお値段高め。
ついでに2.8kgという拳銃サイズとしてはちょっとどころかM4カービンに匹敵する重めな重量。
問題は99年採用と遅い登場で、既にある良装備な89式小銃の折曲銃床式と用途が微妙に重複していること。その設計の古臭さやじゃじゃ馬っぷりも相まって「以前機関銃持ち込みで政治的に揉めたPKO用の装備」*31「製造元のミネベアに仕事をさせるため」とか揶揄される。
まあ89式はライフルなので取り回しに限界がある事や、89式の調達ペースが2000年代前半まで遅かった*32ため64式を使う部隊・場面も多かった事を考えるとこっちも必要*33な理由も分らないでも無いのだが……
出典: Wikipedia
- RSC 1918SMG
- 正式名称はショーシャ-リベイロールス1918サブマシンガン。(Chauchat-Ribeyrolles 1918 submachine gun)
名前の最初でもう嫌な予感しかしなかったあなたは大正解。
その名の通りショーシャ軽機関銃をサブマシンガン化…ではなく、そのベースとなった第一次世界大戦中にフランスで試験的に開発・生産されたセミオート式ライフル「RSC 1917」を同じくベースとした別系統の銃。
作動方式をセミオートからフルオートに変更し、SMGという様に可能な限りコンパクト化を図ったのは、設計当初の目的が「戦車を操縦する兵士が故障や破損等でやむ無く戦車から降りる事になった際の自衛火器」、つまりは意図せずして現代に於けるPDWとして設計されたからである。
使用弾薬は「世界初の無煙火薬採用弾薬」としても知られる8mmルベル弾だが、この弾薬はベースのRSC 1917やショーシャ軽機関銃と同じで、更に言えば当時のフランス軍が正式採用したルベルM1886小銃が使う、いわゆるフルサイズライフル弾。
そんな弾をバイポッド等の補助も無しにコンパクトな銃身でフルオート射撃なんかした日には反動があまりにも凄まじ過ぎて、狙った所にはまず飛ばない暴れ馬と化していた。
更には上述の様に元は戦車操縦員の自衛火器がコンセプトだった為、片手のみで扱うマシンピストル的な運用も設計上では視野に入れられていたと、使い心地を宇宙の彼方まで全力で投げ捨てた様な代物である。
当然ながらテスターになった兵士達からはその凄まじ過ぎる反動を始めとして案の定大不評であり、結局は試作品が数丁作られただけで終わっている。
出典: Wikipedia
- GIAT ADR
- 鉄砲好きにはFAMASで知られるフランスの国営総合軍需企業、GIATインダストリー(現Nexter)が1980年代に試作したPDW。
銃に関する知識があり、かつ初見の人がこいつを見たら困惑するであろう。なぜなら、前後にグリップとトリガーが2つついてるから。これはグレネード等を撃ち分ける為では無く、後は連射用、前は単射用という意味不明な……というかセレクターレバーを使えと言いたくなる物である。
なぜこの仕様になったのかは不明だが、この銃は上記のP90の競合相手であり、性能自体はほぼ一緒であった。結果的にP90が採用されこちらは落選。そりゃ性能が同じだったらセレクターレバーがあるP90の方を選ぶわな
出典: Gun Wiki - Fandom
- UZIグレネード
- 1951年、建国当初のイスラエルが不足気味な自動火器を補うべく開発した汎用短機関銃…それがUZIである。
戦後第一世代を代表する傑作短機関銃であり、今なお優れた性能と信頼性を誇って第一線で活躍している。イスラエルのみではなく中小諸国で愛されている。
当時武器の輸入ができなくなったイスラエルでは工業基盤が貧弱だった中で、なんとか自軍の火器を賄う為にこれ一丁で様々な戦局に対応すべく格闘していた。
そのため初期型にはオプションに白兵戦用の銃剣、特殊部隊での運用を前提に専用のサプレッサー及び亜音速弾などもあった。
後年は諸外国がパクリまくって様々な亜種UZIが誕生したのだが、その中でも特に異質なのが実はイスラエル製最初期型にあった。
対戦車グレネードを発射するライフルグレネード型アタッチメントである。しかも拳銃用空砲で発射するとかいうイカれたした素敵仕様。
ちなみに当然命中精度や射程は度外視であり、こんな危ないもん使う位なら素直に手榴弾使った方がよっぽどマシだろう。
そもそもSMGは奇襲や偵察任務等で主に市街地や屋内で用いられる物であり、射程も短めで対戦車戦に持ってくる方がどうかしている。
屋内中で下手にグレポンをぶっ放せば良くて相打ち、最悪自爆になるのでSMGのオプションとしては相性が悪い
…のだが、後に暗黒米国面によりベトナム戦線で本作とは別の形に本格採用する事になる。
画像出典: Twitter
- KBP PP-90
- ロシアの開発した折り畳み式の9mm短機関銃。
着火システムが独特で、弾薬を送るボルトが薬室を閉鎖しきらないうちに発火させるという、聞くからにヤバそうな方式だという。
また折り畳むと箱の様な形に擬装できる。但しどう考えてもバレずに済むのは一回だけであった。
開発者もそれに気付き、めげずに新たに後継機PP-90Mを作った模様。 - 出典: 頑住吉 元ガンスミスの部屋
- CBJ-MS
- スウェーデンのカール・ベルティル・ヨハンソンが立ち上げた、CBJテックABによって開発された怪銃。そして、恐らく世界最強のPDW(個人防衛火器)。ちなみに型番のMSは「モジュラーシステム」の略。
一度は恐らく誰もが考えるであろう、銃の弾を全て特殊弾薬*34にした上で、世界最硬の金属タングステンで弾丸を製作するという個人の妄想レベルのぼくのかんがえたさいきょうのだんがんを大真面目に製造。
……その結果、PDWでありながら、最大射程400mというアサルトライフルレベルの超射程と、7.62x51mmNATO弾では破壊不可能な歩兵戦闘車の装甲を容易に貫通して中の人間を殺傷する破壊力、そして毎秒830mという他のPDWを遙かに凌駕する異常な連射性能を持った悪魔のような銃が誕生した。
弱点は釘打機みたいな見た目とコストのみ。そのせいで誰も使ってくれない
◇拳銃
- Thunder.50bmg
- Triple Action社が技術デモンストレーション目的で開発し、2004年のショットショーに出品した試作拳銃。通称「サンダー」。
マガジンは無く、銃後部の蓋を開いてチャンバーに直接弾を込め、1発毎に手動で排筴と再装填を行うといういつの時代の銃だよと言いたくなるような前近代っぷり。
だがそれも当然だろう。なにせこの銃が放つ弾は .50bmg弾。
バレットM82等の対物狙撃銃やM2といった重機関銃に使用される、12.7mmにもなる超大口径実包である。
つまり対物ライフル用の弾を拳銃で撃つという狂気の代物。拳銃にしてはやたらとでかい砲身は、とんでもない威力の代償なのだ。
言わばアーマーマグナムやドアノッカーのようなモノ。余りに強烈過ぎる反動を受け止めるために、銃自体の重さも何と5.5kg。
平均的な中型以上の拳銃が1kg前後であり、他の画像のある拳銃と見比べてみればそのデカさが分かりやすいだろう。
その衝撃はマズルジャンプを押さえるためのバカでかいマズルブレーキと駐退機まで搭載してなお殺し切れない程。
油断すると凄まじい勢いで跳ね上がった銃身が射手の顔に激突しかねない。ハンドガンというより「ハンドキャノン」である。
勿論試作のみであり、一般には流通していない。していないはずだが…
出典: yahoo知恵袋
- COP.357
- アメリカのカリフォルニア州にあったCOP社が開発した、いわゆるデリンジャータイプの小振りな自動拳銃。但し銃口が4つもある。
銃身は中折れ式になっており、リアサイトも兼ねたラッチを引いて銃身を跳ね上げると4つのバレルそれぞれが独立したチャンバーになっている。
なんと自動拳銃も当たり前の存在になった1970年代に突如として現れたペッパーボックス式の変態銃である。
しかもペッパーボックス式の銃はチャンバーも兼ねた銃身が回転するのが普通だが、この銃はバレルごとに撃針まで独立。
そのためトリガーを引く度にハンマーの付いた部品がグルグル回転して反時計回りに撃発してゆくというトンデモ構造。
使用弾薬は名前の通り.357マグナムで、当時警官の携帯拳銃としてメジャーだったS&W M19と共有できるようにしてある。
銃の名前は社名のCOPに警官を意味する「cop」を掛け、「Compact Off-duty Police」を当てた洒落の効いたネーミング。
その名の通り非番の警官が護身用に持ち歩くというニッチな用途を狙って作られたらしい。
…そう、あの.357マグナムである。かの次元大介が愛用のコンバットマグナムことS&W M19から放つ必殺の強装弾である。
そのM19ですらあまりの反動に持て余し、現実ではより反動がマイルドな同口径の.38スペシャル弾が主に使われているというのにである。
当然だがそんな強装弾をデリンジャーで撃とうとすれば当然反動がキツくて狙いがブレるし、バレルが短いためせっかくの強装弾も威力を発揮しない。
おまけにペッパーボックスという特異な構造ゆえにバレルがサイトの真下に無く狙いに癖があり、照門線も短いので狙いが付けづらい、といった問題があった。
またポケットピストルとして見ても強装弾を撃つために構造を強化したせいで部材の厚みが増して重くなり、しかもデカいので携帯性が劣悪。
強装弾を使うのに低威力、護身用に持ち歩く用なのに持ち歩きに向かないという、結局問題だらけでセールスは振るわなかった。
お世辞にも流行ったとは言えない本銃だが、その特異な外観がフィクションで映える事からSF映画*35のステージガンとして人気がある。
またマルシン工業から通常仕様のもの以外に架空のロングバレル仕様のものがガスガンとしてモデルアップされている。
出典: Wikipedia
- Welrod
- 我らがイギリスが作り出してしまったボルトアクション式拳銃。いつもの。
静粛性の高い隠密用拳銃を作ろうとした結果スライドの作動音が問題になり、ボルトアクションで一発一発手動で装填と排筴を行う方式になった*36。
グリップは弾倉も兼ねていて、携帯時は取り外すことでコンパクトに収めることができ秘匿性を高めるとされた。
銃身には複雑な構造のサプレッサーが内蔵されており、発射ガスを受け止めるだけでなく弾丸を亜音速まで減速させることで衝撃波の発生を抑えて極限まで発砲音を消す事ができる。
またマズル先端には僅かに窪みがあり、柔らかい物にぴったりと密着させることで更なる消音効果が期待できた。
一見ゲテモノでしかないがその隠密性・秘匿性はかなりのもので、信頼性の高いボルトアクション方式も相俟って隠密作戦で重宝したようだ。
変態ながらもニーズにマッチした立派な逸品と言えるだろう。実は現在もスイスのB&T社がよく似た「VP9」という銃を製造している。
こちらは住宅街に侵入した危険な動物の鎮圧や、家畜を安楽死させるといった目的で獣医師や法的機関等に供給されているという。
出典: Wikipedia
- トカレフ TT-33
- 日本では銀ダラ等の隠語でヤクザの拳銃としてマカロフPMと並び悪名高い、ソ連が第二次世界大戦の頃に採用した軍用拳銃。
本銃唯一にして最大の変態ポイント、それは安全装置が無いこと。
充分に訓練を積んだ将校の使用を想定し、ロシアの過酷な環境下でも撃てるよう信頼性を重視した結果の割り切りなのだが、いくらなんでも割り切り過ぎである。
当然というか訓練の過程で誤射したり、ふとした衝撃で発射してしまったり、訓練を積んだ将校ですら誤射してしまう事故が起きた。
人間にミスをしない完璧さを求めてはいけない教訓の一つ。
ハンガリーや中国などで作られた派生型にはちゃんと安全装置が追加されているらしい。
ちなみにKSCから出てるTT-33も実銃再現を優先という理由でマニュアルセーフティが付いていない。暴発にはご注意を。
出典: Wikipedia
- ドッペルグロック
- 銃を二丁繋げれば火力も二倍だぜヒャッハァ!!!!!(二度目)
この人達頭おかしい…
なんとグロック二丁を向かい合わせに繋ぎ合わせた狂気の変態銃。
映画等で二丁拳銃のガンマンが登場する際、グリップを外側に向けつつ水平に構えるオサレなスタイルで銃を撃ちまくるシーンを一度は目にしたことがある人は多いだろう。
だが、この銃はそれ以外の構え方を許さない。
連結のための金具の上には20mmピカティニーレールが設置されており、ここにダットサイトを取り付けられる。
2丁のグロックを同時に撃てばスライドの反動が相殺し合って高精度の射撃ができる…という理屈らしい。完璧に同時に発砲しないと意味ないんですが大丈夫なんですかね…
その余りに威圧的なフォルムが一部のマニアに人気だとか。
出典: 世界のド変態銃図鑑
- AF2011-A1
- 銃を二丁繋げれば火力も(ry(三度目)
お前ら精神状態おかしいよ…
イタリアのアーセナルファイアーアームズ社が作り出してしまった、コルトM1911を2丁横並びに繋げた化け物銃。
既存の銃2丁をコンバージョンキットで連結しただけの前述のdouble devilやドッペルグロックと違い、3DCADを使ってわざわざフレームから新規に設計するなど手の込んだイロモノシロモノ。
トリガーは左右独立しているように見えるが内部では連結されており、片方を引くともう片方も自動で引かれる。
横二列に並んだガバメントから2発同時に射撃できるという触れ込みの銃だが…
ただでさえ.45ACP弾を収めるために太くなっているガバメントのグリップを、二つも並べたもんだから常人ではまともに握ることすら困難な太さ。
まるで角材の上にスライドが乗っかっているかのような有り様になった。
出典: Wikipedia
- キャリコM100
- アメリカのキャリコ社が開発した拳銃。
元々は民間向けに拳銃弾を使用するピストルカービンとして開発されていた銃で、なんと装弾数100発という規格外の大容量マガジンが最大の特徴。LMGか何か?
拳銃のくせに銃上部にマガジンをセットして下向きに給弾するという異様なビジュアルも変態ポイント高し。個別記事参照。
出典: Wikipedia
- ジャイロジェットピストル
- 1960年代にアメリカで開発された拳銃。火薬の力で弾丸を射出するのではなく弾丸自体に推進機構が備えられており、着火後徐々に加速しながら飛んで行く。
要するに手のひらサイズの超小型ロケットランチャーという実に変態的な代物である。個別記事参照。
出典: Wikipedia
- FP-45 リベレーター
- ディアーガン
- 暗器じみた小型拳銃はリベレーターが最後かと思ったか?残念だったな!
ベトナム戦争時、CIAが南ベトナム陣営のゲリラに向けて供給する為に開発したリベレーターの後継。素材はアルミとプラスチック。
リベレーターとの目立った違いはアルミ鋳造製な事と9mmパラベラム弾を使う事、装填で一度銃身を外す必要がある事。
ライフリングは施されたので命中精度は若干改善されたが、お値段が4ドル弱と倍近い。
1000挺が作られたがベトナム戦争の本格化で役立つ場面が無くなり、やっぱり大半は廃棄されたらしい。
出典: Wikipedia
- S&W M500
- スミス&ウェッソン社が2003年に開発した大口径リボルバー拳銃。脅威の50口径マグナム弾を使用し、とにかくデカい、太い、重い。一応実用性を高める為の努力は各所に成されており、例えば全体サイズを押さえつつシリンダーの肉厚を確保する為に装弾数は5発留まり。それでも実用性や謳い文句の方は「何故変態銃は生まれるのか」の末尾でも触れた通りなのだが、実は当時低下していたブランド力の回復の為にあえてこの様なロマン砲じみた代物を作った模様。その甲斐あってかデビュー当初は注文殺到、実用性はともかく販売面では大当たりしS&W社の復活に大いに貢献したとか。
- 出典: Wikipedia
- Pfeifer Zeliska(パイファー・ツェリスカ)
- もはや拳銃と言っていいのかどうかわからないブツだが形だけなら曲がりなりにも拳銃なので一応ここに追加。
その実は全長550mm、重さ6.0kgのクソでかい鉄塊。価格は1丁200万円ほど。
世界最強の拳銃として認知された本銃だが、本銃で使う.600.N.E.弾のエネルギー自体は上記のThunder.50bmg弾の55%程に収まっているため、単発の威力では劣っている。しかし、こちらは装弾数5発のリボルバー。総合的な火力ではやはり最強の拳銃なのだこんなもん連射出来る人間が居るならな…
そして気がついただろうか。ここまで一言も世界最大クラスとは言ってないことに。
出典: gigazine
- トビーレミントン
- とあるガンスミスが作ってしまった世界最大の拳銃。
ベースは南北戦争頃に開発されたシングルアクション式リボルバーのレミントンM1859。
その大きさはなんと全長1260mm、口径は28mm(.50bmgの二倍以上)、弾頭重量は136g、総重量はしめて約45kg。
「拳」で握れないのにこれは拳銃なのか?…というかもはや「銃」と呼んで良いのか怪しいほどの代物。口径28mmって最早装甲車とか船舶に載せる機関砲並なんですがそれは…
ちなみに名前は製作者のリシャルト・トビス氏の名前から取られている。
出典: カラパイア
- コリブリ2.7mmピストル
- 世界最大があるなら世界最小も勿論ある。
第一次世界大戦の真っ只中であった1910年、オーストリアのある時計職人が特許を取得して設計・開発をした、ハチドリの名を冠するこの拳銃のコンセプトはズバリ「究極の護身用拳銃」。
その為に何よりも隠密性と携帯性、即ち何処へでも隠し持てていつ何時だろうと発砲可能という事を突き詰めるだけ突き詰めた結果、全幅にして僅か約75mm、弾は何と2.7mmコリブリ弾という専用弾薬となった。
大人の掌ですっぽり握り隠せる程と言えば大体のサイズの想像が付くかもしれない。いやらしい銃だ
…さて、ここまで読んだ人なら…というか勘の良い人なら名称の所を見た時点でこの銃に実用性が全く無いと気付くだろう。
まずはその超小口径っぷり。大雑把に言えば弾丸が縫い針サイズ。当然ながら火薬量もタカが知れるし、銃自体も小さすぎてライフリングを施せない、つまりは純粋に火薬の力のみで弾丸を飛ばす滑空銃。
これでは例え人体に命中したとしてもせいぜい針先で軽く刺された程度のダメージしか与えられない。しかも弾が縫い針サイズという事は相手が軍服や作業服のような分厚く丈夫な服を着ていればそれだけで弾かれる可能性が非常に高い。
撃ち方も親指と中指でグリップを摘み、猫の爪並に細くて小さなトリガーに人差し指を掛け、針の穴の様に小さなアイアンサイトで狙って撃つ。想像するだけで目が疲れそうである。
最終的にはその産みの親の時計職人さんも良く良く考えたら実戦じゃ役に立たねーわこれと数年で製造を中止してしまったがコリブリは湧かなくなってしまったが(最初から気付けよ)、それでも約100丁以上の生産が行われたとそこそこ人気を博し、現在でもレアなアンティーク銃として弾丸共々中々の値段で出品される事もあると言う。
勿論その人気の理由は武器としてでは無く、軍人達が故郷へ帰った時のお土産品の一つとしての人気である。吐いてる鳥のAAや我々のいやらしいコピペとは関係ない
出典: Quora「最も軽量な半自動拳銃(セミオートピストル)はなんですか?」
- ナガンM1895リボルバー
- 世にも珍しい暗殺用リボルバー…と言っても最初からそう作られた訳では無い。
設計・開発を行ったのはロシアが誇る傑作小銃モシン・ナガンを世に送り出したベルギーのガンスミス兄弟、レオン・ナガンとエミール・ナガン。
モシン・ナガンの成功により帝政ロシアの軍人達の間で広く知られる様になったこの兄弟にまたロシアが依頼したのは将校や兵士の為の近代的なサイドアームだった。
通常、大半のリボルバー拳銃と言うものはその構造上シリンダーとバレル間に小さな隙間を作ってシリンダーが回る様になっており、その隙間(シリンダーギャップ)から発砲時に必ず少量のガスが漏れ弾速の低下をどうしても招き、またセミオートマチック拳銃と比べ発砲音が大きくなる原因にもなっていた。
ナガン兄弟はまずこの点に目を付けて改良を施し、M1895ではトリガーを引く際に連動してシリンダーがスライドし、銃身の段差部分に押し付ける事でガス漏れをほぼ完全に防止する仕掛けになっており、更には専用弾薬として7.62×38mmR弾と言う弾薬をベースに弾丸の真上に少しヒダを付ける等の加工を行った7.62mmナガン弾を使う事で、M1895は発砲時の推進ガスのエネルギーを無駄にする無く発揮しその初速は秒間272mと言う数値を叩き出した。
またこの設計の副次的な効果としてリボルバーとしては珍しくサプレッサーを装備させればちゃんと消音効果が出るという利点もあった。
しかしその密封性を保つ為に、既にブレークオープンしスピードローダーを使って素早いリロードが出来るリボルバーが現れ始めた中で敢えて旧式の装填方式、つまり弾を装填口から手動で一発ずつ込めるという手間の掛かる構造にしていた事、及び弾薬が専用品と言う事で調達に手間やコストが掛かり、更にはその仕掛けのせいでリボルバーの利点の一つである整備性がイマイチだった事もあって将校や士官は兎も角、前線の兵士達からはやや不評だった。
それでもM1895は何だかんだで生産が続けられ、第一次どころか第二次世界大戦まで跨ぎ、そして最大の利点の一つであるサプレッサーが使えるリボルバーとして輝く時代がやって来た。
世界中のスパイの最盛期であった「冷戦」である。
整備性に難ありとはいえリボルバーの端くれ。並のオートマチック拳銃より信頼性は遥かに高く、特にかのKGBを始めとするソ連のスパイ達の中にはこの銃を好む者も少なくなかった。もしかしたら現ロシア大統領のあの方も使ってたかもしれないけど、迂闊に聞いたら医者を送られかねないのでやめておこう。
もう一つの難点リロードだってそもそもサプレッサーを付けてそっと近付き、相手の頭に数発撃ち込んで即逃げる様な暗殺スタイルなら実質あまり問題無い。
こうしてM1895はT33等の近代的な拳銃が現れてもその特性から尚生産が続けられ、恐ろしい事に21世紀に突入した現在でも新造品が作られ続けており、治安部隊の隊員がアサルトライフル等の近代的な銃を構える傍ら、サイドアームのホルスターには古風なこれが収まっている写真が撮影されたりと途方も無いロングセラーぶりを誇っている。
そして忘れてはいけないのがこのM1895こそ、かの最後のロシア帝国皇帝・ニコライ二世とその一家、そして何より当時のロシア国民の憎しみを集めていた怪僧グリゴリー・エフィモヴィッチ・ラスプーチンの暗殺事件で使われた、ある意味では帝政ロシアの幕を引いた銃でもある。
出典: Wikipedia
- セミオート式リボルバー
- 名前からして意味不明だって?説明しよう、セミオートリボルバーとは射撃の反動を利用してシリンダーの回転とハンマーのコッキングを行うリボルバー拳銃である。射撃を行うとその反動で銃の一部が後退し、その力でシリンダーの回転とハンマーのコッキングが行われる。
普通の人ならまずこの時点でダブルアクションがあるのに何でそんな面倒くさい構造にしたんだと違和感を感じるだろう。至極当然の疑問だが、これにはきちんとした訳がある。
そもそもダブルアクション機構というものは、トリガーから加えられた力でシリンダーを回転させる動作とハンマーを起こす動作を両方同時に行わなければならないため、予めハンマーを起こしシリンダーを回転させておくことでトリガーを引く際に必要な力がハンマーをリリースする力だけになるシングルアクション式に比べてトリガーが非常に重いという欠点がある。精密な射撃を行う必要がある場合にはこの欠点が響き、トリガーを引くために指に強い力を込めると力んだ際に手が震えて弾道がブレてしまうのだ。
その点セミオート方式ならハンマーのコッキングとシリンダーの回転はガス圧を利用して自動で行われるため、シングルアクション並のトリガーの軽さでありながらダブルアクションのようにコック無しで連射を可能とするという理想的な銃を実現出来るということになる。
もっとも構造が単純で扱いやすいというリボルバー最大の利点を殺してしまったために殆ど流行らなかったが。
攻殻機動隊でトグサが使っていた銃のモチーフになったマテバオートリボルバー「6unica」が有名だが、中には「ランスタッドリボルバー」というグリップ内部に仕込んだマガジンから弾をシリンダーに送り込み、挙げ句に自動で排筴するという本格的に何がしたいのか分からないような代物まである。
出典: Wikipedia(画像はマテバ・オートリボルバーのもの)
- マテバMTR-8
- 上述したマテバ社だが、6unica以外にも独特の機構と異様な外観が目を引く変態リボルバーを多数開発していることで知られる。MTR-8もそんな銃の一つ。
まずシリンダーがトリガーより前にあり、まるで引き延ばしたポケットピストルのフロントにリボルバー弾倉をぶら下げたかのような異様な外観をしている。そのため銃全体の長さに対してスナブノーズガンのようにバレルが短い。
撃発機構は自動拳銃のような形式になっており、見た目に違わずリボルバーと自動拳銃を足して二で割ったような構造。自動拳銃の利便性とリボルバーの機構的信頼性を両立するという後のマテバオートリボルバーに通ずる発想はこの時点ですでにあったようだ。またリボルバーとしては極めて珍しい八連発という点も大きな特徴と言える。*37
詳しい日本語の資料が少ないため詳細は不明だが、どうもこのキテレツな設計はリボルバー弾倉の重量を前に持ってくることでフロントヘビーにしてマズルジャンプを抑えるためのカウンターウェイトにしようとしたらしい。そのせいで重心が前に偏って構え辛く、おまけに変に凝った設計から部品点数が増え機構が複雑化、しかもトリガープルが重く精密射撃に向かないなど問題だらけだったらしく結局普及しなかった。
その後も独特な設計のリボルバーを多数開発したマテバだが商業的に成功した例は少なく、2005年には事実上の倒産を迎えることとなる。この時マテバ社からチアッパ社に移籍した設計技師が開発した銃こそが実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』でトグサが使っていた銃「チアッパ・ライノ」である。
出典: Wikipedia
- ダーディック Model1500(ダーディックピストル)
- リボルバーなのか違うのか今一判然としない奇妙なシステムの銃。塗装用のスプレーガンのような異様な形状をしており、FP-45のように本体からダイレクトにバレルが突き出している。
機構も実に独特で、グリップ内部にプラスチック製の三角柱型薬莢に入った専用弾薬をダブルカラム方式で収め、それを銃上部の三角形の切り欠きがあるシリンダー状の部品へと送り込む。
切り欠きは三角柱型の薬莢がぴったりはまるようになっており、シリンダーの回転で送り込まれた弾薬を撃発位置まで運び射撃する。
この手の銃にありがちな専用弾薬を使う銃は流行らないの法則により全く普及しなかった。
ちなみにこの切り欠きのついたシリンダーで薬莢を運ぶ方式はオープンチャンバー方式と呼ばれ、このダーディック式ピストルを発明したデヴィッド・ダーディックによってパテントも取得されたれっきとした銃器の一ジャンルであり、ダーディックピストル以外にもSPIW計画*38で試作された銃の一つにもこれを採用した試作品がある。三角柱型のサボットから釘状のフレシェット弾を3発同時発射するグレラン付きの銃という、およそ正気とは思えないようなブツだったが。
出典: https://ja.topwar.ru/13992-pistolety-dardick.html
- コーナーショット
- 2000年代に入って「最新の映像技術や無線技術を使えば、壁に隠れたまま拳銃を撃てるロボットアームみたいなのが出来るんじゃね?」という感じでイスラエルで公的機関向けに開発された曲射用アダプタ。要は現代版ボーザッツラウフ。
一番最初に発表された装置が「拳銃を取り付けて使うアーム」なので便宜的に拳銃に分類するが、5.56mm弾を使う超小型ライフルや40mmグレネード、暴徒鎮圧用の37mmグレネードが取り付けが可能なものもあり、かつて展示会ではパンツァーファウスト3の発射機を取り付けたものも披露されたとか。
構造は前の部分に小型カメラやライトと銃の取り付け用部品、後ろの部分にカメラの映像を映すモニターや遠隔操作式のトリガー、グリップなんかがあり、それが左右どちらにも曲がる蝶番で連結されている。
しかし全体で大体4kg位の重さになり、サイズもちょっとしたライフル並。でもって銃そのものの性能は当然取り付けた拳銃と同じなので、そこまでして警察の特殊部隊辺りに欲しがる人間がいるかというと……
同じくイスラエル出身のCAA Tactical RONIのように「ピストルを組み込んで簡易ないし疑似カービンとする」カービンコンバージョンキットは人気を博しているので、ちょっと惜しかったというか機能を盛り過ぎた、ニッチな利用法に走り過ぎた感じもある。
なお擬装用のアクセサリーとしてKitty CornerShotなるものも提案されている。まあ銃本体を隠すネコのぬいぐるみな訳だが。つまりネコーナーショット
ただこのアクセサリー、銃弾を通す穴などは考えていないらしく発砲するとぬいぐるみの中のワタも飛び出してしまう重大な欠陥がある。
出典: 世界のド変態銃図鑑
- ビッグバン・ピストル
- ニューヨークの高級拳銃メーカー、カボット・ガンズが製作した2丁の拳銃。パッと見はちょっとデコって重厚感を出してみたコルトM1911といった趣だが、その重厚な外見の理由は素材にある。この銃は4億5000年前に飛来した重さ35kgの隕石を素材としている、流星刀ならぬ流星銃なのである。
隕鉄は銃の素材に適しているとは到底言えず、加工には非常に苦労したとのこと。スライド部分には刻印をせずになめらかな光沢を演出し、トリガー部分には星の装飾、グリップには隕鉄独特の模様を残しており、美術品と言っていいほどの美しさを備えた拳銃である。
隕鉄を利用した武器というのは東西の洋を問わず、紀元前から行われている。流星刀が日本で制作された理由はロシア皇帝が所持していた流星刀に海軍中将の榎本武揚が憧れて刀匠に制作を依頼したというものである為、日本人も似たような感性をしていたと言えなくもない。
ちなみに隕石を使った銃自体は史上初ではなく、同社は以前にもグリップ部分のみが隕鉄によって作った拳銃を販売している。買い手や落札価格については不明だが、100万ドル(1億2000万円)の値でオークションに出品されたらしい。事実なら間違いなく世界最高額の銃と言えるだろう。
出典: カラパイア
- 試製拳銃付軍刀
- 大戦中では日本もよく作っていた珍兵器の一つ。
「馬上で戦う時、いちいち拳銃と軍刀を持ち換えるのに手間かかるなあ…→せや!合体して一つの武器にしたろ!!」という気持ちは分かる理屈で開発されたのだが…。
三十二年式軍刀+南部拳銃(もしくは十四年式拳銃)という素材から爆誕したのは、拳銃の上から刀が生えているという珍妙極まりないクリーチャーであった。お前らの好きなガンブレードだぞ、喜べよ
もちろん銃剣とは違い、扱いづらくてたまったもんじゃないので試作品がちょっと作られた後にお蔵入りに。作る前に気付け
出典: http://koh-nisi.zuya.jp/gun/kikaku/guntou/guntou.htm
- アパッチ・ピストル
- 拳銃+ナックルダスター+ナイフの機能を合わせ持つ拳銃版十徳ナイフ。銃として使う際にはナックルダスター部がグリップになる。
携行性に特化させた為銃身が存在せず、有効射程が異様に短いという銃としては致命的な欠陥のせいで軍や警察には向かないが、一方で近接武器にもなり携帯も隠蔽もし易い造りがウケ、悪い大人達(要はギャングやゴロツキ)には大人気になってしまった。
ステゴロしながらいざという時は至近距離でバーン!だの、すれ違いざまにバーン!だの、悪い扱い方のせいで悪い意味で有名になった。
出典: Wikipedia
- リングピストル
- Gaulois Palm Pistol
- Protector Palm Pistol
- バックルピストル
- どれも19世紀末期から20世紀初頭にかけて流行した小口径ハンドガン。
奇妙なのはその構造で、円盤状だったり指輪型だったり、およそ拳銃とは思えない形状。トリガーを引くのではなく手で強く握りこんで撃発する。
「Palm(手のひら)」の名の通りこの銃は手のひらにすっぽり収めて隠し持てる護身用として開発されており、指輪やベルトのバックルに擬態させた製品も作られている。方式も単発式から放射状にチャンバーを配したタレット型まで形状の都合に合わせて様々。
もっとも小口径&短銃身のデリンジャーなので威力と射程はお察し。どちらかと言えば至近距離の相手に突き付けて威嚇するナイフじみた使い方が主だった。
出典: https://news.militaryblog.jp/e754778.html
※画像はリングピストルのもの
- MC-3
- 競技用拳銃の銃口の跳ね上がり抑えたいなぁ…→上下逆にしたろ!
マーゴリン社の競技用ピストルをベースにソ連で作られた射撃競技特化拳銃。
そもそも銃口の跳ね上がりとは銃身の延長線が重心を通っていない為に発生するものであり、銃身と腕が一直線上にあれば跳ね上がりを大きく抑える事が出来る。
そのような理由から該当銃のフレームを切断、更に上下を逆にして新しくグリップを取り付けるという奇妙な設計の銃を生み出した。これにより構えると銃身が人差し指より下に来るため、理論上は跳ね上がりをゼロに抑えることが出来る。
こうして誕生したMC-3だったが、なんと1956年のメルボルン夏季オリンピックにてこの本銃を使用したソ連チームが銀メダルを獲得、その他国内外の様々な競技会で記録を塗り替える大活躍を遂げた。数少ない想定通りに活躍できた変態銃である
しかしあまりにも急激な活躍の結果、国際射撃連合はルールを改定。「銃身の軸は手首上部より下に来てはならない」というMC-3を狙い撃ちしたレギュレーションが追加され、短い天下は幕を閉じた。
設計自体は跳ね上がりを押さえる上で合理的な為、現代の極一部の銃でも似た様な設計のものは存在する。
出典: Wikipedia
- VAG-72/73
- 1970年代のソ連で開発された試作型拳銃。
この頃のソ連は来る冷戦を見据えてか、よく言えば先進的・独創的、悪く言えば頭のおかしい兵器を大量に研究開発していた闇鍋状態だったのはTKB-072-1の項目でも触れた通りだが、この銃もご多分に漏れず。
その実態はケースレス弾を使った拳銃である。恐らくケースレス弾を使用する銃器としては世界最古。変なところで画期的なのもソ連クオリティ。
ケースレス弾だがG11のように炸薬で撃ち出すのではなく、あろうことかあのジャイロジェットピストルでも散々な結果に終わったロケット推進式弾薬を使用。また弾倉は装弾数を増やす為に複列式だが、何を思ったか左右ではなく前後2列。トドメに安全装置無し。
これだけでも狂気の産物と言う他無いが、改良型のVAG-73ではフルオート射撃機構まで搭載された。は?(困惑)
出典: 世界のド変態銃図鑑
- Standard Manufacturing S333 Thunderstruck
- 銃を二丁繋げなくても弾を二発同時に撃てば火力も二倍だぜヒャッハァ!!!
アメリカのStandard Manufacturingが作りだしたダブルバレルショットガンならぬダブルバレルリボルバー。
DAOでトリガーを引くと.22WMRが二発同時に発射される。銃を二丁繋げた変態と違って実用性は割と高いが...エジェクターロッドが短いのでリロードし辛かったり
装弾数が8発なので8/2=4回しか撃てないがそこは個人の護身用なのでご愛嬌。
出典:Wikipedia
- 12ゲージリボルバー
- ブラジルの麻薬の売人から押収された手作りの散弾拳銃。
コルトパイソンの様なベンチレーテッドリブとどデカいシリンダーが無駄にカッコイイ目を引く。
装弾方法はコルトSAAの様なリローディングゲートからの装填で12ゲージショットシェルが5発装填できるらしく、発射方法はシングルアクション式と思われる。
携帯が物凄く不便そうな上に、同じ12ゲージのソードオフショットガンですら結構な反動が来るのに発射する際は大丈夫だったのだろうか、構えるだけでも大変そうであるし実用性に色々と疑問が残る。
ちなみに同じブラジルの銃器メーカーであるトーラス社もショットシェルを発射できるリボルバーを製造しているのがなんとも皮肉。
出典: The Firearm Blog
- HK P11
- ドイツのヘッケラー&コッホ社が1970年代に開発した水中用拳銃。主に水中からの侵入・破壊工作を行うダイバー用の銃として開発された。
装弾数5のペッパーボックス型拳銃で、各部にポリマーを使用しており発火は電気式。弾の交換は取り外し容易なバレルごと行う(バレルへの弾込めは工場限定)。
先達である米国の水中用拳銃「Mk1」も参考にしたらしく、よく似ているという。なお米国でも後に、Mk1に加えて本品を追加採用したとのこと。
発生しうる全ての問題を丁寧に解決し完成した為、性能は高く、地上での射撃も可能とされている。
が、潜入工作はまず無理という事と、仮に工作が成功しても効果が薄いという事が既に証明されていた為、どう使うかが問題となり、さしたる戦果を上げる事なく消えた不遇な銃となってしまった。
なお本品は機密扱いでカタログにも載らず、H&C社も採用国も厳重に秘匿していたが、1980年代にイタリアの演習において誤って展示物に加えられた事で世に知られる事となった。 - 出典: Wikipedia
◇狙撃銃
- Mauser Tankgewehr M1918
- マウザー社が第一次世界大戦時に生み出した今日に於ける全ての対物・対戦車ライフルと言うジャンルの開祖。「タンクゲヴェール」と読む。
当時ドイツ軍にとっての大きな脅威の一つがイギリスを始めとする連合国側の新兵器である戦車であり、それに対してドイツ側も小銃用の徹甲弾を開発したり地雷等の罠で何とか凌いでいたものの、いずれはより重装甲・高火力な戦車が現れて通用しなくなるだろうと悩んでいた。
そこでマウザー社に「歩兵に扱えて尚且つどんな戦車の装甲もぶち抜ける銃を」と半ば無茶苦茶なリクエスト。
それに対してマウザー社の出した答えは…
マウザー社「新開発した13mm徹甲弾の為にウチで出してた小銃をそのままおっきくしてみました!」何言ってんだコイツ。
…詳しく言うとこの銃のベースとなったのは当時のドイツ軍の主力小銃「Gew98」。その基本構造自体は殆ど変えないまま(強いて言えばライフルグリップのままだと流石に太過ぎて握れないのでピストルグリップへの変更程度)一回り以上サイズアップさせて13mmと言う大口径に対応させたというとてもシンプルな代物。
当然ながら重量もサイズアップして約17Kgとなり、それを支える為に標準装備されたバイポッドはMG08重機関銃の物を流用していた程。
性能テストの段階ではドイツ軍の上層部を満足させた…満足させてしまった代物だったが、いざ実戦に投入されてみれば「反動が強すぎてバイポッドの先端を埋めたりして固定しないとロクに撃てない。これで歩兵に戦車に立ち向かえと?」「クソ長くて重いこれをクソ狭い塹壕で持ち運びしろ?現場見て物を言え。」「ちゃんと正しい姿勢で撃っても2、3発位で並の奴は肩が死ぬし、訓練された筋肉モリモリマッチョマンでも頭痛か目眩待った無し」と、使い心地に関しては不満が続出。そりゃそうだ
お陰でこれを送り付けられた部隊は少しでも取り回しを良くしようと勝手にバイポッドを取り外すわ銃身を寸詰めするわと、精度とか反動とか色々犠牲にした加工を施す連中が続出したが殆ど効果が無かったので只の改悪に終わったとか。
とはいえ兵の不満に目を瞑ればその対物威力は当時としては非常に驚異的であり、連合国の戦車乗りにしてみれば装甲をまるで薄紙の如く、時にはエンジン等の内部機構や乗員ごとぶち抜く弾丸が突然の轟音と共に何処からともなく飛んでくるというのは恐怖以外の何物でも無く、最終的には約3万挺程が生産された。
なお大戦終結後に大口径銃の新規製造を禁止されたドイツは、これを弾薬と共に800挺程保管。時代も技術も進んだ第二次世界大戦ではナチスドイツが新型の対戦車ライフルも使う一方、これを予備兵器として対戦末期に使用していたという。
出典: Wikipedia
- Chey-Tac M200
- アメリカのチェイ・テック(Cheyenne Tacticalの略)社が開発した大口径ボルトアクション長距離狙撃銃。
ピストルグリップにスライドストックを備え、バレル下部には何に使うのかよく分からないハンドルがついているという不思議な外観をしている。
使用弾薬は独自開発の専用弾薬「.408Chey-Tac弾」。L96の使用弾薬である.338ラプアマグナムより強力だがバレットM82で使用される.50bmgよりは小口径の弾薬で、マイルドな反動ながら.388ラプアマグナムをも超える2000m以上もの超長距離狙撃を可能とする優れもの。
ところで、長距離狙撃というのは一人で行うものではないのはご存知だろうか。
1000m超えの長距離狙撃ともなれば放たれた弾丸は着弾までに風の影響を受けて弾道がぶれてしまう為、正確な狙撃を行うには風向きや風速等を調べる観測手が別途必要になる。狙撃手はこの他に必要に応じて通信手等も加えた数名でチームを組み行動するのである。
一方、本銃にはなんと風向きや風速等の気象条件を弾道に反映させる為の計算を代行してくれる簡易コンピューターが付属している。つまり観測手による調査や経験から来る勘による弾道補正の計算を代わりにやってくれるのだ。しかも電池切れや故障も想定して計算データを印刷した資料も付属する親切仕様。まさか銃本体以外で変態要素を見せつけてくるとは…
だが専用弾の宿命か製造コストが高く、また弾道計算コンピューターも高価で商業的なヒットには結び付かなかった。
そもそも観測手の仕事には周辺の警戒などもあるから、余程の事情が無い限りは複数人態勢でこなすようにしたいしね。
出典: Wikipedia
- KACリボルバーライフル
- SR-15系列用のRASシステム(レイルアダプターシステム。いわゆる四面レイルのこと)等を発案した事で有名なナイツ・アーマメントが何を思ったか作ってしまったリボルバー式の狙撃銃。*39
44マグナムを撃つハイパワーリボルバーのスタームルガー・スーパーレッドホークをベースに作られており、100m以内での高精度さと超消音性、しかも排筴不要という滅茶苦茶な要求仕様を満たす為に開発された。
バレルには上から18インチもの長さのサプレッサーを被せる事になっていたらしい。
ナガンM1895の項でも述べた様に本来リボルバーという物はシリンダーギャップからガスが漏れるのでサプレッサーでも消音出来ないのだが、この銃は射撃時にバレル入り口のゴム製Oリングと密着する特殊なカバーで覆われた専用の弾薬を使用する事でこの問題を解決するという変態ぶりを見せつけている。
これらの効果によりなんと7dbという発砲したかどうかさえ不明瞭なほどの消音化に成功しているが、結局装弾数や専用弾薬が必要になる点等から何処からも採用される事無く廃れてしまった。
出典: Quora「完成はしたものの実戦投入はされなかった、革新的な兵器は存在しますか?」
- VSS
- 旧ソ連の軍用特殊兵器開発部門、ツニートチマッシで開発された特殊消音狙撃銃。
兵器界隈で見られる典型的な局所武器で、日本語で表現するなら突撃アサルト狙撃銃という一見さんから見れば意味不明な役割を与えられている。
当時冷戦の真っ只中であったソ連は各地で抱える紛争に虎の子の特殊部隊を投入すべくゲリラ作戦向けの消音狙撃銃を作ろうとしていたが、当時AKの流れを汲む銃器で広く使われていた5.45x39mm弾では銃弾初速が音速を超えてしまい、発生した衝撃波から音が出てしまうという欠点があった。初速を下げるには装薬量を減らす必要があるのだが、それだと元が小口径弾なので射程距離も短いし弾道もへろへろ、ストッピングパワーもへなちょこと三重苦に陥る。かといってNATOよろしく追加パーツでその問題を解決するのはソ連の工業精度の都合上難しい…。
そこでソ連特有の徹底した役割分担思想により大胆にも弾丸から発射する銃まで一から新規に作るという思い切った計画をブチ上げ、結果異様に切り詰められたアサルトカービンの様なAK-74にスケルトンストックとこれまた異様に長いバレル一体型サプレッサーを取っ付けた変態銃が爆誕してしまった。
使用される弾薬は専用の9x39mm弾。弾頭重量が重く射程が短い代わりに初速が音速を下回るため消音効果が高く、また狙撃対象への打撃力が高いという特徴を持つ。
そのため狙撃銃の癖に有効射程が400m程しかない。もっともこの点は最初から敵の懐に潜り込んでの運用が前提の特殊部隊向けなのであまり問題視はされなかった模様だ。
謂わば狙撃銃版Welrodとでも言うべき銃と化しており、至近距離にいなければほぼ完全に無音というレベルにまで消音に成功している。
ちなみに上述の通り突撃銃としての要素もあるので狙撃銃の癖に何故かフルオート射撃機能が搭載されている。*40
そのネームバリューと濃すぎるキャラのせいか、アニメやFPSでもしばしばお目にかかる。
出典: Wikipedia
- XM109ペイロード
- 『バレットM82の反動吸収が思ったより優秀だなぁ……もっと大口径弾も撃てそうだな……あ、できた。』という訳で傑作対物狙撃銃バレットM82のバリエーションとして爆誕した25mm対物狙撃銃。
大口径化した事で使用可能な弾種は徹甲弾、徹甲焼夷弾、多目的榴弾、徹甲榴弾、成形炸薬弾、開発中のBORS信管を用いた空中炸裂弾など多岐に渡り、「主力戦車以外なら普通に食える」恐るべきクリーチャーガンになった。こんなもの人に使おうものなら……
ちなみにグレネードランチャーのXM25IAWS(通称:パニッシャー)と口径や用途が似た為か時々混同されるが、両者は全く異なる存在である。
出典: Quora「十分すぎるほど武器への愛は分かりました。でも、まだアレを答えてないですよね。一番好きな武器は何ですか?思いの丈をぶつけるのを期待しています。」
- QLU-11/LG5スナイパーグレネードランチャー
中国軍が採用し輸出もしている狙撃グレネードランチャー。QLU-11/LG5はそれぞれ同じ銃の口径違い。
狙撃銃の射程から榴弾の火力を撃ち込むことができるまさに変態銃。対人榴弾のほか対物徹甲弾なども使用できるらしい。
歩兵に大口径変態ライフルを使わせる発想は上のXM109ペイロードと方向性が似ている。
◇ショットガン
- パントガン
- 19世紀から20世紀初頭にかけて商業狩猟(Commercial hunters)用に使われた大型の散弾銃。「パント」とは棒で進む小舟の事を意味する。
1度の射撃で大量の水鳥を撃ち落とす為に開発され、その多くは特注品のワンオフモデル。1度の射撃で水上にいる水鳥を50羽以上撃ち落とす*41。
但し見ての通り非常に大型で人間より大きく(約2.7~3.5m)、200口径という馬鹿げたサイズから発射される散弾の重量は1ポンド(0.45kg程度)を超える。
その反動は下の画像の様に構えて撃てるものではなく、射撃時は船底等に固定せねばならず、射撃時の反動で船が数インチ後退する程。
場合によっては撃った反動で船が壊れるという事故もあり、反動時に人体が接触しようものなら簡単に骨折する。
米国ではパントガン猟による乱獲が水鳥の大幅な減少を招いた為、1860年代までに大部分の州で禁止猟具に指定された。
但しイギリスなどの一部では式典等で今でも使われており、近年だとエリザベス女王のダイヤモンド・ジュビリー(60周年記念式典)で21丁ものこれが祝砲として轟音を響かせた。
映画でも稀に登場し、並の銃が通用しない怪物相手に使われたりしている。
出典: 61.世にも奇妙な珍銃 10選
- SIX12
- アメリカの新興銃器メーカー・Crye Precision(クライ・プレシジョン)が2016年に発表したブルパップリボルバーショットガン。
ストック部に馬鹿でかいシリンダーを内蔵、12ゲージ弾をセミオートの6連射でバラ撒く。無駄にロマンあふれるデザインをしているのがまた腹立たしい。
マスターキーとしての運用も考慮されていて、発射機構周りだけを取り外して突撃銃などの銃身下部にレールマウントで取り付ける事もできる。この銃頭おかしい。
更に言うならば、クライ社が公式に発表しているデモムービーが物凄くシュール。具体的にどんな内容かというと、まず最初にクライ社のカッコいいロゴアニメーションが出てきた後、SIX12のモジュラー機構を説明するムービーが流れる。
ここまでは普通なのだが、画面が切り替わりいざ実射シーンに突入すると…少しずつ盛り上がっていく「山の魔王の宮殿にて」の伴奏と共に、だだっ広い射撃場に設けられた無数のドアをひたすらSIX12でぶち破り蹴破っていくという、新手の前衛芸術か何かの様な映像が1分近く続く。
この会社にしてこの銃あり、と言ったところか。
一応アメリカ軍の方にも売り込みをかけていたらしいが、敢え無くトライアルで不採用。クライ社と本銃の将来やいかに…。
出典: https://www.recoilweb.com/recoiltv-gun-room-video-vantage-arms-six12-shotgun-121204.html
- メタルストーム MAUL
- オーストラリアのメタルストーム社が開発したセミオート式ショットガン。
MAULはMulti-shot Accessory Underbarrel Launcherの略で、文字通りライフル等の銃身下に懸下する所謂アドオン式ショットガンである。ピストルグリップと専用のストックを取り付けて単独で用いる事も可能。
どの辺が変態かというと、この銃、弾倉がない。バレル内にケースレス弾薬が複数装填されており、前にある弾から順番に発火。リロードの際は弾薬が詰まったバレルをまるごと取り外して交換するというトンデモ構造。
つまりバレル自体がマガジン兼チャンバーなのだ。
「後ろにある弾が発火したら全弾に火がついて大惨事じゃないか」と思うだろうがそこは承知の上。縦並びに込められている弾はバレル内面に加工された電気配線で電気信号を炸薬に取り付けられたセンサーに送って着火し、前にある弾が先に着火されるように配線が工夫されているという変態機構。着火用の電源はトリガーガード前方に収められた乾電池から供給する。
5連発散弾銃でありながら煩雑なリロード機構を持たない、どころか物理的に運動する部分がほとんど無く、発射機構と呼べるものはバレルの電気配線だけ。リロード時にバレル丸ごと交換するから火薬カス汚れの問題*42も知らんぜHey
…という確かに合理的だが変態極まる設計により信じられないほどコンパクトで軽量な為、従来のアドオンランチャーよりも射手に対する負担を軽減できるものと考えられている。
メタルストーム社は自社の名前である「メタルストーム」を冠した電子制御式の変態銃シリーズを開発している事で知られており、本銃もそのシリーズの一つである。
出典: Quora「一番変わっている弾薬は何ですか?」
- RDIストライカー
- 南アフリカのRDI社が満を持して送り込んだ変なショットガン。
バカでかいドラム型リボルバー弾倉を搭載した異様な外観をしている。
一般的なマガジンチューブに比べコンパクトでありながらショットガンとしては非常に多い12発という多弾数を実現。但し弾倉が大きすぎるので回転させるためにゼンマイによる補助が必要*43で、発射の前に手動でネジを反時計回りに回してゼンマイを巻く必要がある。
弾倉は固定式で、装弾は排筴孔も兼ねたポートから一発一発シリンダーを回転させながら入れる必要があり、おまけに自動排筴システムが無いので撃ち終わったらバレル脇にあるエキストラクターロッドでまた排筴孔から一発一発手動で取り出すというコルトSAAか何かみたいな方法である。後期型では代わりにコッキングハンドルを設け、これを操作する事で排筴と弾倉の回転を行う仕様に変わった。
後には作動方式をダブルアクション方式に変更し、自動で排筴する機能を追加した改良型の「プロテクタ」も開発。射撃の反動でエジェクターロッドが作動、シェルが排筴孔から後ろ向きに飛び出し、そのまま銃の出っ張りにぶつかって止まった後コロンと側面に転げ落ちるという中々に奇妙な排筴方法になっている。
本家の生産が終了した後もアメリカの複数の企業がクローンモデルを生産しており、フォアグリップをバレルジャケットごとぐいっと捻る事で弾倉を回転させるといった更なる変態機構を組み込んだ派生タイプも発売されている。
ちなみにこの銃は暴動鎮圧を目的としており、その為か「Streetsweeper」という物騒な二つ名がある。
出典: Wikipedia
- M30 Luftwaffe drilling
- 読み方は「ルフトヴァッフェ・ドリリング」。その名の通り第二次世界大戦時に主にドイツ空軍パイロットの護身用武器として1941年から42年の僅か一年間だけ、それもギリギリ二千丁に届くかと言う少ない数が銃器メーカーの「ザウアー&ゾーン社」により設計・製造された銃。
その実体は中折れ3連装式のショットガン兼ライフル。わけがわからないよ
銃の上半分はごく普通の中折れ2連装式のショットガンなのだが、その下に9.3×74mmマウザー弾と言うライフル弾を使用する為の3本目の銃身がある。ドリリングと言う名称もドイツ語で「3本、3倍」と言う意味から来ている。
散弾とライフル弾を別々に使用する為の切り替え機構もちゃんと設けられているが、そもそも製造メーカーのザウアー&ゾーン社は軍用ではなく狩猟用等を主とする民間向け銃器メーカーであり本銃もそのラインからの転用品である。
護身用とは銘打たれては居たものの実際は、敵兵士以上に恐ろしい熊等の獣から身を守りサバイバルする為の銃としての側面が強い。なおライフル弾の方は本来は象やサイ、ライオン等の大型動物や猛獣相手に使われるビッグゲームハンティング用の大口径弾である。こんな物を人間相手に撃ったらどうなるかは容易に想像出来るだろう。
結局そうした複雑な機構に加え、銃自体も航空機のコックピット内中に置くにはやや嵩張る大きさだったのがパイロットらから不評で、製造期間は僅か一年だった。
出典: Quora「What weapons were German pilots issued during WWII?」
- Taser X12
- スタンガン・テーザー銃といった電圧式の非致死性兵器でお馴染みのテーザー社と、ショットガンの巨塔モスバーグ社のシビれるコラボ。
黄色と黒のビビットカラーが目を引く、殺意満々の非殺傷ショットガン。
普通のテーザーは有線なので射程が短いが、これは『海底二万里』のライデン瓶式電撃銃の様に電撃を与えるテーザー自体を弾にして発射する。
専用小型テーザー弾はショットガンのパワーで撃ち出され安定翼を展開しながら30mも飛び、電部が対象に刺さるとケーブルを伸ばして電極ユニットが垂れ下がり高電圧をブチかます。
しかも簡単に抜かせない様に、垂れ下がった電極ユニットにもサボテンの如く放電用の電極を生やした鬼畜仕様。慌てて掴むと更にビリビリするという隙を生じぬ二段構え。
出典: 世界のド変態銃図鑑
- AA12
- アメリカのMPS社が開発したショットガンという名のミンチ製造マシーン。
射的屋のコルク銃の様なのっぺりとした見た目に反し、ドラムマガジンに満載された12ケージ弾を、特許技術により片手での射撃が容易いレベルの低反動でフルオート連射可能。
というかそもそも切り替え機能が無くフルオート射撃"しか"出来ない。一応連射速度は意図的に抑えられているので、トリガーをリズムよく緩める事でセミオート射撃っぽくは出来るが…。
使用弾薬にもバリエーションがあり、分厚い装甲を簡単に貫く専用のスラッグ徹甲弾や、高性能爆薬を搭載し独自機構で遠くまで飛んでいく長距離グレネード弾等、装填する弾によってはショットガンを辞める。
出典: Wikipedia
- Pancor JackHammer
- アメリカのPancor社から発売されたフルオートショットガン。1987年に特許を取得された。
おそらくフルオートショットガン、しかもブルパップ方式としては世界で最初の銃の一つ。
そんなショットガン界の草分け的な存在であるにも関わらずこの銃が変態とされる理由は特殊すぎるマガジン構造にある。
この銃は巨大なリボルバー型のマガジンに弾を10発装填できるが、マガジンリリースボタンが見当たらない。それもそのはず、
「リロードしたけりゃ分解するか撃ち尽くした銃を工場に送ってね^^」
(゚Д゚)ハァ?
そう、なんとこの銃分解しなければシリンダーを外せず、リロード不可能というとんでもない欠陥を抱えているのだ。なぜ作る前に誰も止めなかったのか…。
当然ながら全く売れず、特許取得から30年以上が経過しても、あらゆる軍隊や警察機関から採用される事はなかった。
そして現代では上述のAA12というほぼ上位互換が生まれた事で、完全に歴史の闇へと葬られている。合掌。
但し、その厳つくSF的な見た目は人気があるのか、一部の映画やゲームではその姿を拝む事もできる。しかしそのリロードが忠実に再現される事はない。
出典: Wikipedia
- MP-155 ULTIMA
- あのAK-47で有名なロシアの銃器メーカー、カラシニコフが2021年に販売する新規のショットガン。
MP-155自体は元々存在していたショットガンだが、それを全面的に改修しアルミ合金とポリマーフレームを多用した現代感あふれるシャープな見た目のショットガンとなった。
それだけなら別に変態性は見られないが、この銃の上部にはなんとカメラが標準搭載されている。
このカメラは動画撮影機能があり、同じく標準搭載された液晶ディスプレイで映像を確認し、Bluetoothによってスマートフォン等に映像を送信し記録することすら出来る。
その上カメラを照準システムとしても使用可能で、
発砲回数と着弾数、時間、射撃速度、倒した標的の数を自動で記録する機能やコンパスやGPSまで搭載されている。まさに近未来FPSゲームに登場しそうな武器である。
一見未来を先取りした非常に合理的に見えるこのショットガンだが、実は実戦向きとは言い難い。
というのも、カメラレンズや液晶パネル等は光を反射し、敵に位置を悟らせる恐れが高く、戦闘時はそもそも液晶ディスプレイを見ている余裕など無いからだ。
販売元のカラシニコフもこの点はよく把握しており、あくまでも「若者をターゲットにしたスポーツ、レジャー向けのショットガン」としている。
ただ、ARグラスを用いて上述の欠点を払拭する計画もあるらしく、よくも悪くも有用性を模索している段階と言える。
- ウィンチェスター リベレーター/コルト ディフェンダー
- 1960年代に考案された多連装中折れ式ショットガン。
大体ペッパーボックス式を大型化したような構造で、リベレーターは4連16ゲージ、ディフェンダーは8連(!)20ゲージ。COP.357のショットガン版と言えば話は早いか。
ディフェンダーは軍や警察その他法執行機関用、リベレーターは反共ゲリラ用と冷戦真っただ中なネーミング。
うん、名前でもなんとなーく察しがついた人もいるだろうが、つまりディアーガンとは別ベクトルにFP-45の後継的存在。
まあ「こんなイロモノ使わせるよりはちゃんと反共ゲリラを米軍軍事顧問に訓練させた方が早い」と採用される事は無かったが……
一方のディフェンダーは発砲する銃身を選択して弾薬を撃ち分けられたり、中心軸からは催涙ガス弾が発射出来たりとこちらもなかなかトリッキー。
頑丈で信頼性は高かった、と言われるが結局こちらも採用は(ry
なお上でCOP.357のショットガン版、と書いたが、実は前後関係は逆で、こいつらを開発したロバート・ヒルバーグがその後に開発したのがCOP.357。物好きというか、こんなもの開発する人間が他にもいてたまるかというか……
◇グレネードランチャー/ロケットランチャー
- ダネルMGL
- 南アフリカのアームスコー社が開発したグレネードランチャー。
ストライカー同様バカでかいドラム型のリボルバー弾倉がついた異様な外観の一丁。南アフリカは何かリボルバー式に拘りでもあるんだろうか?
銃本体はシリンダー上部のシャフトを軸に回転する回転式、弾倉に直接弾を込められるようになっている。撃発機構はダブルアクション拳銃に類似しており、トリガーを引くことで自動的に弾倉が回転し次弾が装填、発射される。
但し例によって回転させるためにゼンマイバネの補助が必要になり、射撃の際は予め巻いておく必要がある。
グレネード以外にも非殺傷用弾を装填して暴動鎮圧などにも用いられる。排筴動作無しで連射ができる単純な構造と多用途が評価され、アメリカ軍でもシリンダーを延長し、M4タイプのストックを取り付けハンドガードをRAS仕様 に改修したMGL140がM32の名前で制式採用されている。
最近ではVRゲームにて、金髪少女がファンタジー世界で鍛えた腕力を活かし2丁持ち乱射していた。
出典: Wikipedia
- チャイナレイク・グレネードランチャー
- アメリカ海軍のチャイナレイク武器センターが1968年に製作した、ポンプアクション式40mmグレネードランチャー。見た目はショットガンをぶっとくした感じでやや不格好ながら実射性能はよく、
計4発(チューブマガジン3発+チャンバー1発)を瞬時に発射可能。熟練者なら1発目が着弾する前に全弾狙って撃てるとか。
特殊部隊向けに支給されたので現存数が少なく、現在確認されているのは海軍が博物館に展示している4丁のみ。後に計画のみで終わったEX-41グレネードランチャーとよく混同されるが、全くの別物。
2004年に復刻が試みられ、米海兵隊なども興味を示していた事から近代化バージョンの開発が進められたが完成せず、計画は頓挫したらしい。
ロシアではKBP GM-94等が現役とポンプアクションのグレネードは細々と生き残っている。ちなみにチャイナレイクはGM-94に比べて初速が劣る代わりに1kgほど軽い。
フィクションでは『BLACK LAGOON』ンや『CoD BO』等で登場している。
出典: Wikipedia
- PIAT、ブラッカー・ボンバード
- 砲兵将校ステュアート・ブラッカーが発案し、第二次世界大戦下のイギリス軍やイギリスの民兵組織「ホームガード」が使用した対戦車迫撃砲。グレネード弾側には推進用の炸薬が無く、バネの力で弾を飛ばす変態グレラン。
筒の中には撃針の取り付けられた強烈なコイルバネが仕込まれており、バネの力で弾頭を押し出しつつ撃針を叩き付けて撃発、そのまま弾を飛ばす形となる。一応弾側にも少量の黒色火薬が仕込まれており、発射後は炸薬の反動で再びバネが押し込まれて再度発射可能になるのがロケットパンチ玩具との違い。
ブラッカー・ボンバードは設置型、そしてそれを携帯サイズに小型化したのがPIATである。
発射の際に火薬を用いないので、RPG-7とかの対戦車兵器にありがちな「一発撃って派手な発射炎でバレてハイおしまい」ということが起こりにくい…というメリットは一応あるのだが、当然ながら飛距離を稼ぐには強力なバネが必要で、装填の際にトチるとバネが弾けて自爆するわ、所詮バネなので発射された弾の速度が遅くて、敵がちょっと遠かったり動いてたりすると命中率が悪かったりするわ、PIATは装填しても弾を中で固定出来ない構造ゆえ斜め下に向けて撃とうとしたら弾が滑り落ちてくるわ……
余談だが、かのジェレミー・クラークソンの嫁の叔父は第二次大戦中にPIATでドイツ軍の戦車を倒した功績で、ヴィクトリア十字勲章を授与されている。
出典: Wikipedia(画像はPIATのもの)
- M388 デイビー・クロケット
- 冷戦期に開発された兵器の一つ。超乱暴に説明するなら核バズーカ。しかも実際に製造された。
「ソ連戦車師団の数の暴力が怖いンゴ…」→「せや、核撃って足止めしたろ!」という発想で、携帯(?)サイズの核砲弾を開発した結果がこれだよ!!!
トンデモ兵器であるブルーピーコックとか対空核ロケット「AIR-2ジニー」の親戚と言える。
なお、核兵器ではあるものの爆発威力に関しては諸々の理由から極限まで爆発力を抑える事により通常爆弾を多少上回る程度。しかし400メートル離れた位置でもまず死亡する放射線は放つとのこと。もちろんそれ以上の距離でも何らかの要素がなければ重度の被爆に繋がる・周辺の放射能汚染もするという非道兵器。
ちなみに全備重量約100kgなので、並じゃないヤツでもMGS3みたいに手持ちで撃つことは不可能。それにそんな使い方だと飛距離と効果範囲の関係で自分も被曝する。設置して→離れて→遠隔操作で撃つというのが本来想定された正しい使い方。
なお、製造当時(1950年代)の放射能の認識は現在よりもかなり甘く、「発射したら物陰に隠れて後で埃だけ払っときゃ大丈夫大丈夫」という感じの杜撰極まるマニュアルであり(内部被ばく・ガンマ線・中性子線等々は考慮外)、結局一発も使用されていないらしい事は敵味方双方に幸いだった。
出典: Wikipedia
- ヴァリアント M202A1 FLASH
- アメリカ陸軍が1960年代に開発した四連装ロケットランチャー。アニヲタ諸君にもお馴染み「コマンドー」でシンディが後ろにぶっ放したり、メイトリックス大佐がジープにぶっ放したアレである。
「同時にいっぱい撃てれば命中率上がるんじゃね?」「お前天才だな」みたいなノリで開発されたコイツは対物兵器として活躍するはずだった。が、当たり前だがロケット弾頭四発担いだらクソ重たい上にコスパ最悪という結果になり、肝心のベトナム戦争では火炎放射器に取って変わられた。
しかし、1980年に『CCW(特定通常兵器使用禁止制限条約)』で「火炎放射器」の使用が『反則』になると、途端にコイツに注目が集まる。なぜならコイツは「テルミット焼夷弾」を使う事が出来たからだ。
このテルミット焼夷弾、着弾すると700~1200℃の火炎で周囲を焼き払う、あまりにも激しい熱で火炎の周囲に居るだけで火傷するというトンデモ兵器なのだ。オマケに化学燃焼なので水をかけても消えないし余計に悪化する。汚物は消毒とかそういうレベルじゃない。
出典: Wikipedia
- 1.59インチ・ブリーチローディングヴィッカースQ.F.ガンMk2
- 今日に於けるロケットランチャーやS.M.A.W等と言った対物及び対装甲目標用火器の先駆けの一つとも言える、お馴染みヴィッカース社が第一次世界大戦初期に開発した「歩兵砲」。
当時既に泥沼の塹壕戦と化していた戦場で、その突破策の一つとして大砲による砲撃が極めて有効であるという事は既に立証されていた。
しかし大砲はそんな簡単には動かして持ってこれる物では無いし、発射にも手間が掛かる。
その解決策の一つとして生み出された戦車は、まだ数が少ない上に信頼性にも難を抱える代物だった。じゃあどうすれば素早くかつ大砲に匹敵する火力を前線に持ち込んで叩き込めるのか?
その答えの1つがこれ、歩兵が持ち運びできる大砲である。
乾燥重量約21.3kg、口径40㎜、使用可能な弾種は榴弾、徹鋼弾、焼夷弾と多岐に渡り、またその凄まじい反動を軽減する為の巨大なバイポッドにマズルブレーキ、そして油圧とバネの複合型反動抑制機構が装備されていた。
流石に本職の大砲と比べれば射程や威力等の面で劣り、発射方式もシンプルブローバックで排薬と装填も手動と手間の掛かる代物だったがそれでも塹壕やバンカーへの攻撃手段としては十分な効果があり、大戦中盤にドイツ等同盟国側も積極的に戦車を繰り出すようになると、連合国側の対戦車攻撃手段としても活躍した。
また意外な所では試験的ではあったものの航空機に搭載して観測用気球や飛行船への攻撃手段としても使われ、兵士やパイロット達からは特に焼夷弾発射時の発砲音や見た目からヴィッカース・クレイフォード・ロケットガン、或いは単にロケットガンと呼ばれいざと言う時の頼りにされた。(※本器にロケット弾は付属しておりません)
流石に末期になると戦車の発達や砲撃に頼らない対塹壕・対バンカー戦術が編み出され、またやはり21kgと言う重量の問題もあってこれの重要性は薄まっていってしまったが、それでも今日に於ける大威力の歩兵火器と言うジャンルの立役者となったのは間違いないだろう。
◇軽機関銃/重機関銃
- ミトライユーズ砲
- ガトリング砲やボルトアクション式ライフルより先に、フランスで生まれた懸架式重機関砲。
ライフリング付きの銃身を多数束ねて既存の火砲用砲架等に据え付け、レバー又はハンドル機構によりライフル弾を連射するもので、レフィー・ミトライユーズ等幾つか種類かある。弾も鉄製ブロックに数十発並べて収めた物を一斉装填できるので、ブロック交換は手動ながらも装填速度は同時期の銃とは段違いであった。
こんな新時代の兵器を開発したにも拘わらずフランスは世界初のボルトアクション式ライフルを使うプロイセンに敗れ去った。それは何故か?
対歩兵用にも関わらず多数の将兵が存在すら知らなかったというほど開発が秘密裏すぎたため、さほど量産できず局地的運用に留まった上に使い方までわかっていなかった事。
そして何よりも1km以上先を見れるという照準器が存在せず、また連射時に縦ブレしやすいという欠点があったせいでどうにも命中させにくかったからである。
また運用もまずく、当初は歩兵支援ではなく「ぶどう弾大砲の代用品」としていた為、1.4km~2km超えといった長射程*44で撃っており、これでは成果は望むべくも無い。 - この兵器自体の評価は散々だったものの、「ミトライユーズ」の名は今なお機関砲を意味する言葉として、フランスのみならずオランダ語・ノルウェー語・ポルトガル語・イタリア語等々…にも綴りを変えつつ残っている。
- 出典: Wikipedia
- ショーシャ軽機関銃
- おフランス製の瀟洒で上品な、もとい繊細な機関銃。フランス版L85、もしくはフランス版62式機関銃。
個別記事参照。「一人一丁軽機関銃」の構想は、当時の技術力ではまだまだ遠かった。
- XM214 マイクロガン
- 歩兵でもガトリング砲担いでヒャッハー!の現実化のためにM134ミニガンを更に小型・軽量化して一人でも扱える事を目指してみたよ!結果?…だめでした。
M134から半分以上軽くなったとはいえ一式揃えて38kg。要するにあなたは10kgの米袋4つ担いで満足に動けますか、という事です… - だがしかし、手持ちのガトリングガンというのはやはり憧れるのか5.56mm弾を使用してアサルトライフル並のサイズかつ7kg前後にまで重量を抑えたXM556 マイクロガンなるものが開発中だったりする。
- 62式機関銃
- 戦後初の日本の国産機関銃…もとい、言うこと聞かん銃。無い方がマシんガン。62式単発機関銃。和製L85。
軽量化の為か64式小銃よりも銃身が薄く、この薄さのせいで薬莢が張り付きやすい不具合を独自の構造で解決。当然無駄に複雑になった。*45
ただ当時の情勢や自衛隊側の都合*46もあり、開発側は「米軍の弾薬とそれより火薬を減らした自衛隊の弾薬のどちらも使える事が求められ」つつ「自衛隊が使う弾薬の仕様が固まる前に試作を終えるスケジュールだった」フシがある*47ので、これだけなら「悲運の機関銃」と言えなくもない。
なので62式から派生しかつ重量制限の緩い74式車載機関銃では欠点が潰されているハズ…な一方で、製造元が2013年にバレるまで70年代から延々と検査データの改竄をやらかしていた事からも察せられるように、日本の機関銃製造技術はあんまり高くないときた。
その対象はライセンス生産品のM2重機関銃からMINIMIに至るまで。M2は半世紀以上前の兵器だぞおい……
そんなこんなで他国と比較したらノウハウの乏しい中で戦前から続いていた国産機関銃であったが、海外輸出無しで自衛隊のみが相手なのはいかんせん無茶だったのか、戦後の完全な新規開発は62式が最初で最後。2021年には製造元の撤退声明に至り、今後が危ぶまれる状況となっている…
- KAC ChainSAW
- ナイツ・アーマメント社(KAC)が2009年に発表した、汎用機関銃のコンセプトモデル。
最大の特徴はグリップで、銃後端に奇っ怪なU字型のグリップとトリガーがあり、ぶっといキャリングハンドルの様なものは実はフォアグリップ。
…これチェーンソーのグリップ配置だよ!構えもチェーンソー同様ヒップ・ポジション(腰だめ)が基本、というかそれ以外の構え方を想定していない。名前の由来も「チェーンソー」と「SAW(分隊支援火器)」を掛けたオシャレなもの。
一応理屈はあり、「SAWなんだからどうせ狙って撃たないし制圧射撃用の弾幕だけ一杯張れればええやろ」という発想の元、射手が疲れにくい姿勢を追求した結果とのこと。
…という割には何故かアンダーバレルに37mmグレランがくっついてるのも変態ポイント高し。
インパクト抜群のビジュアル故か、CoD:Ghostなどゲームでときどきお呼びがかかる。
- メタルストーム 36 barrel prototype
- メタルストーム社の試作銃。名前の通り36もの銃身がある機関銃っていうか設置式タレット。
もちろんメタルストーム社自慢の電子制御が使われており、9mmパラベラム弾を自由なレートで発射できる。同時発射も出来るがさすがにかなり反動があるらしく浮き上がってしまう。
どうもメタルストーム社は「連射力上げるならウチの銃身いっぱい使おう」みたいな考えをしており、これ以外にも銃身が2つも4つもあるハンドガンとか12連装の設置式グレネードランチャーとか用途がよく分からないものを作ってはPR動画で紹介したりしている。
いやまあ、見てる方は面白いからいいんだけど…
- 6P62
- ロシアのGRAUが開発した……何これ?
12.7x108mmの大口径弾を反動制御システムで無理矢理反動を消し、その上でサプレッサーを搭載してかつフルオートで撃つ歩兵銃というウォッカを脳に注射した様なコンセプトで作られたナニカ。
やりたい放題しまくった結果、機関銃としては中途半端な装弾数の癖して18kgという下手な軽機関銃より重いゲテモノが誕生した。狙撃しようにもめっちゃブレる、バトルライフルとして見るとやたら重い…と在り方も中途半端。
ただ、当初の注文である「大口径弾を消音しつつフルオート連射」という動作自体はちゃんとできる。おそロシア。
銃種が迷子過ぎてWikipediaの説明が「多分バトルライフル」「おそらくマシンガン」「一応軽機関銃じゃね?」「対物ライフルじゃねえかな…」と各国で違う。これもうわかんねぇな。
- ビラール・ペロサM1915
- 当初は航空機関銃として設計されていた、拳銃弾を用いるイタリア製の機関銃。
特異なのはその見た目で、上向きにマガジンが刺さった銃身を2つ連結した様な見た目となっている。銃身が2つなら火力も2倍だぜヒャッハー…ってもういいわ。
連射速度は片側だけで1200~1500発/分とマシンピストル並であり、左右合わせて3000発/分相当となる。
でもさすがに拳銃用の9mm×19グリセンティ弾では航空機へのまともなダメージは見込めず、対人用の地上機関銃として運用する事になったものの、航空機搭載を前提としていた本器には銃床やグリップなどが存在せず、また発射レートも過剰で片側25発の少量マガジンを1秒足らずで撃ち切る問題が露呈。
最終的にレートを抑えた上で単装化して、「カルカノM1891カービン」の銃床を取り付けた「ベレッタM1918」という短機関銃へと転用される事となる。
なお、この機関銃の連射速度に衝撃を覚えたハンガリーは、Frommer StopピストルのフルオートモデルであるFrommer M.17を2連結して上下逆さにして三脚を取り付けてデュアル・マシンガン化したモデルを作っていたりする。お前もか。
出典: Wikipedia
◇航空機関砲
- GAU-8 アヴェンジャー
- 言わずと知れたA-10 サンダーボルトⅡの御神体、もとい固定兵装。
30mm径の弾丸を毎分3900発でばら撒き、戦車を地面ごと耕してしまう、対戦車機関砲*48。
但しその分デカくて重くて反動も強く、飛行機用としてもCIWSとしても『搭載するという前提で』機体等を設計しなければならない代物。なのでまともな採用例はA-10の他には(競合となった)YA-9やゴールキーパーCIWS位しか無い、という難点を抱える、機関砲版パイファーツェリスカ。
出典: Wikipedia
- GSh-6-30
- だが上には上がいた。同じく30mm弾をばらまくソ連版アヴェンジャーなこちら、何がおかしいって電動式でも油圧式でもなくガス圧作動式。それでいて最低発射レートの時点で毎分4000発とアヴェンジャーをも上回る頭おかしい機関砲。
出典: Wikipedia
- GSh-30-1
- 発射速度は1800/分と一見普通の航空機関砲とそん色がないように見えるが、本砲の変態ポイントはその軽量さであり、なんと30x165mm弾使用で本体重量50kg。(一回り小さい30x113mm弾を使うADEN砲でさえ87kgある。)それもそのはずで、本砲の作動方式はリボルバーカノンではなく、古典的な反動利用方式。普通の反動利用方式では重い遊底を往復させるため1800発/分の高速射撃は困難なものの、本砲では遊底の役割をラマーと尾栓に分担させることで往復部質量を軽量化。結果、このような軽量化の化け物が誕生したのである。
◇CIWS
- 1130型CIWS
- 中国海軍の空母「遼寧」に搭載されているCIWS。上述のアヴェンジャーが裸足で逃げ出す30mm11連装砲身の怪物対空兵器。発射レートも毎分10,000発とマジキチ仕様。
- メロカCIWS
- スペイン海軍が軽空母やフリゲート艦に搭載しているCIWS。その見た目たるや20mm機関砲12門を縦二列横六列にズラッと並べただけ。発想としては「機関砲をたくさん並べて撃てば手数増やせるんじゃね?」というもの。
素直にガトリング砲使えや。現代に蘇るポンポン砲。
◇古式銃
- 大狭間筒
- 日本が世界一製造したという火縄銃の中でもとびきりでかいやつ。お城の銃眼から撃つため有効射程を求めた狭間筒より、更に大きなものを指す。銃の全長は1.5メートル以上と古式銃としては平凡だが、後世の古式銃と比べると治金技術の差が大きく一丁辺りの重量が20キロ以上もある。当然一人では扱えず、三人掛かりで持ったらしい。
- ノックガン
- 7本の銃身を束ねたフリントロック銃。但し次弾を連射する為ではなく、全弾(ほぼ)同時発射という漢仕様。軍艦上で敵兵を一度になぎ倒す事を目論んだもので、史実では18世紀末辺り(ナポレオンがいた頃)に英海軍が導入したものの、反動が極悪・思ったより弾が拡散しない・重くて扱いにくい等と問題が多く、あまり用いられなかった模様。しかしその独特な外見や運用法から、稀に映画などの創作物に登場する事がある。
- ちなみにこうした斉射・連射式の単発多身銃は総じて「ボレーガン」と呼ばれる。自動装填機構等が無い時代に、単発銃一丁で一斉射撃(Volley fire)を行おうと目論んだが為の代物だという。
- 他の例としては銃身を水平に並べた「オルガン砲」や、扇型に並べた銃「ダックスフット」等がある。
追記・修正は各銃の経歴に思いを馳せつつお願いします。
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*2 アッパーレシーバーはAR-15との完全な互換性があり、SCRのロアレシーバーに他のアッパーを載せたりも可能とのこと。このため「AR-15を曲銃床にするキット」とも言える代物で、実際ロアレシーバー単体でも売られていた。
*3 「どうにかしてAR-15を持ちたい」という需要は根強いようで、競技用ライフルメーカーCobaltKinetics社の「Model27」など、脱法ライフル・改造キットは他にも存在する
*4 写真ではマガジンのようなものがぶら下がっているがこれはマガジン風カートキャッチャー。とはいえ見た目重視なだけに容量はお察しであくまでファッションアイテム程度の意味しかないが。
*5 ただし、作中のモデルはM16の面影が強く、チャージングハンドルやボルトリリースボタンが備わっていたりフルオート射撃可能などアレンジが多いが
*6 短機関銃のイングラムM11より速い。繰り返して言うがこいつは「アサルトライフル」である。
*7 まず密閉容器にマガジンを差し込んで弾を装填し、マガジンを銃上部のマガジンハウジング部に前方から差し込む。その後銃側面のハンドルを数回捻って回してようやく準備完了。固定弾倉じゃあるまいし戦場でこんなことモタモタやってたらどうなるのかなんぞお察しである。
*8 と言っても当時の情勢ではブルパップ構造自体一般的ではなくまだゲテモノの部類だったが
*9 といっても変な銃ばかり作っていた訳ではなく、AK-47の後継銃のトライアルの提出されたTKB-517がAKMとともに最終選考に残っていたりなど優れた銃器開発の才能を持っていた。
*10 ちなみにアメリカ海軍などで採用されるCIWS「ファランクス」の最大ファイアレートは分間4500発。…あれ?
*11 一説には「政治指導部に技術力を見せ付けて予算を貰うためのデモンストレーションであり、実態はソ連版XM214マイクロガンをを開発する計画だったのでは」とも言われている。マイクロガンのファイアレートはこの銃と同じ6000発/分であり、実際そうだと考えると合点がいく点もある。
*12 撃針が銃弾の後部の雷管をぶち抜いたことで薬莢内の火薬の燃焼ガスが漏出する現象。当然吹き戻しが射手に当たれば重傷を負いかねない大事故である。
*13 先述の連中のおかしさに隠れて霞みがちだが分間900発のフルオート射撃は一般的な突撃銃としてはかなりハイレートの連射である。
*14 1970年代から現代まで、西側は5.56mm弾、東側は5.45mm弾が主流となっている。
*15 単発射撃ならともかくフルオートで連続射撃を行うのでは断続的に来る反動を打ち消しきれなかったらしい。
*16 なおPDWは元々H&K社が開発していたものに付けられた名称だったが、こちらはMP7と言う名称が付いたため個人用防衛火器の総称になった。
*17 ボトルネック形状の薬莢に尖った弾頭の小型ライフル弾のような形だが、尖った形状ゆえに拳銃弾よりも初速が速いのでボディアーマーをぶち抜くが、人体に食い込むと弾の重心の関係でそのまま横転して停弾することで確実に大きなダメージをターゲットに与えつつ貫通しないようになっている。
*18 これ以外にも給弾不良がやや多い(要するに細長いドラムマガジンみたいなもんなので給弾のためにゼンマイを巻いておく必要があり、しかもこいつがなかなかの曲者だった)、マガジンの取り付け方が煩雑で素早いリロードに不向き、バレル下にアタッチメントを懸架したりフォアグリップを取り付けたりできない、そもそもマガジン1個の値段がクソ高くて量産に向かないなどの問題もあった。ほぼ全部マガジンのせいじゃねぇか!!
*19 そのため伏せ撃ちしやすい形状になっており、遮蔽物の少ない平地での撃ち合いに有利な点は評価されていた。
*20 マガジンのバネが粗悪で弾上がりが悪く、頻繁に給弾不良を起こした。そのため前線の兵士は最大装弾数より1、2発程度装弾数を減らして使うなどの工夫を余儀なくされていた。おまけに異物の侵入に構造的に非常に弱かった。
*21 見ての通りの廃材アートの如き安っぽさから粗悪品のイメージが最後までつきまとい続けた。
*22 コックせずにマガジンを挿しっぱなしにしておくと取り落とした際に暴発する危険性があったりと色々ヤバい仕様があった。
*23 ウールワースは当時アメリカにも進出していたオーストラリア発の安売り雑貨店。いわゆる100均ショップ的な激安スーパーを運営していたのでそこで売ってそうな粗悪品という意味でこう呼ばれた。また粗悪な作りだった後述のFP-45も同様の蔑称で呼ばれていた。
*24 鹵獲したMk-Ⅱのコピー品(ゲレート・ポツダム)を改良したゲレート・ノイミュンスターことMP3008。設計を簡略化するためにMP40用マガジンを流用しており、ある意味ブリスカヴィカの兄弟銃だといえる。ナチスはどうやらこれを大量生産して一般市民を寄せ集めて作った国民突撃隊に配布し、ドイツ版ホームガード的なことをやらせようと目論んでいたらしい。
*25 最終生産型のMk-Vにサプレッサーを装備したMk-VI
*26 粗悪品というイメージは過分に誇張された面もあり、また給弾不良に関しても現場の兵士がマガジンをフォアグリップ代わりに握って射撃した事でマガジンが変形してしまったという運用面での問題もあったりする。
*27 下方に折り畳めるフォールディングストック、螺旋状の溝を彫り火薬カスなどのゴミを自動排出できるようにしたボルト、装弾不良対策にローラーを組み込みつつステンとの互換性も備えたマガジンなどなど
*28 主に立入検査隊用
*29 小型サイズの短機関銃は内部構造の都合上この程度の発射速度になりがち
*30 外見上ではわかりにくいがコイツの銃身長は120mmと短くて銃口っぽく見えるハイダーの先端よりかなり内側で切れている
*31 実際にPKOで9mm機関けん銃を持ち込んだ例は確認されていない
*32 大体年平均3000丁前後
*33 類似例としてはイギリス軍もL85採用以前はFALとスターリングSMGを併用していた
*34 サボット弾。ワッヅというプラスチックで弾頭を包んだ物で、発射と同時にライフリングに食い込み弾頭と共に回転、その後ワッヅは分離して離脱。弾丸は強力な回転運動により、独楽の原理で安定した命中率を叩き出す……という代物。ちなみに一般的なショットガンに使われるスラッグ式のサボットですら、一発500円以上する高価な弾丸なのでもはや察して欲しい。
*35 有名な所では映画「ブレードランナー」。作中敵対することになる4人のレプリカントの一人がこの銃を獲物としている。
*36 MGSシリーズの麻酔銃をイメージしてもらうと分かりやすいか。
*37 他に有名なところではスミス&ウェッソンの「M327 M&P R8」などが挙げられる。リボルバー形式だと装弾数を増やすためにはシリンダー径を大きくするか弾を小口径にするしかないため、普通は5発か6発が限界なのだ。
*38 アメリカ軍が実施した次世代携行火器開発計画G11の辺りでも触れたACR計画のご先祖様。この頃のアメリカ軍は変な銃を試作しては「別に今あるやつで良くね?」とポイ捨てする謎計画を度々ブチ上げていた。
*39 一応回転式弾倉を備えた小銃の例は19世紀中頃にもあったが、シリンダーギャップから噴き出す発射炎で射手が負傷する欠陥があったため、レバーアクション式が開発されると早々に廃れてしまった。
*40 ゲリラ作戦の都合上敵軍兵士と至近距離でばったり遭遇してしまう危険性を伴う為、武器を持ち変えずにそのまま撃ち合いができるよう、また余計な装備が増える事による全備重量の増加を回避する為と考えられる。一応この突撃銃としての側面を強めた兄弟銃として同時期にAS Valが開発されている。
*41 最大で90羽もの数を撃ち落とした記録もあり、100羽以上撃ち落とす事もあったらしい。
*42 散弾銃はその性質上、火薬カスでの汚れによる作動不良に気を使う必要がある。
*43 弾倉の周径が大きいため補助がないとトリガーストロークが長くなり、しかも弾倉自体が重いのでトリガープルが極端に重くなってしまう。
*44 大砲としては中近距離かもしれないが機関砲的な本器にとっては遠すぎる。例えばM60機関銃だと、最大射程は3km超えでも有効射程は1.1km程度としている
*45 なお64式小銃も開発時に類似するトラブルに見舞われたという。こちらは銃身の厚さを改善して対処しており、62式開発陣にもその情報を伝えたらしいのだが……
*46 例えば米軍が供与したM1919機関銃の扱いづらさや設計レベルの古さ
*47 機関銃にとって銃弾の細かい仕様一つを取っても動作の確実性を左右する重要な要素である
*48 通常、航空機に搭載される機関砲は軍用トラックのような防弾設備がない物を想定している
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