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本郷 猛(ほんごう たけし)は、特撮テレビドラマシリーズ「仮面ライダーシリーズ」の作品に登場する人物。
ここでは、彼が変身する仮面ライダー1号についても解説する。
『仮面ライダー』の主人公。バッタの能力を持つ改造人間であり、仮面ライダー1号に変身する。
1948年8月15日生まれ。東京都世田谷区において造船技師の父・本郷勇雄、ピアノ教師の母・本郷弘子の間に生まれ平凡な家庭で育つ。しかし、猛が17歳の時に父が事故死してしまい、母も20歳の時に病死してしまう。途方に暮れていたところ、親身になってくれた立花藤兵衛の励ましもあってオートレーサーを目指すようになる。
城南大学生化学研究所[1]の学生で、知能指数600にしてスポーツ万能という、頭脳・肉体共に類稀なる能力を持つ優秀な人間だが、そのために悪の秘密結社「ショッカー」に拉致され、バッタの能力を持つ改造人間にされてしまう。しかし脳改造の前に脱出。人間ではなくなったことに苦悩するも、人類の自由を守るために「仮面ライダー」となってショッカーと戦うことを誓う。
仮面ライダーシリーズの作品はすべての世界観が同一ではなく、作品によって本郷の人物像にも多少の差異が見られるが、いずれの場合も「仮面ライダー1号に変身する改造人間」という点は共通している。以下、各世界観ごとにその人物像を記載する。
『仮面ライダー』 - 『BLACK RX』までの作品は同一の世界観とされている。
『仮面ライダー』[]旧1号時代(第1話 - 第13話)この時期は科学者らしくブレザーを着用。白衣を着て実験を行うシーンや科学者の友人の登場など、科学者のイメージが強かった。この時期の専用マシンは「サイクロン」[2]。
変身ポーズは無く、ベルト「タイフーン」の風車(ダイナモ)に風を受けることで変身する。そのため、サイクロンで疾走しながら変身したり敢えて高所より飛び降りたりするという描写が多かった。また、密室では風を受けることができないため変身不能になるという弱点もあった。
第11話以降は素顔での登場シーンが激減するが、これは本郷を演じていた藤岡弘の負傷によるもの。
『新 仮面ライダーSPIRITS』では、この頃カメラマンの一文字隼人と出会い、改造人間であることにも気づかれていたという設定が追加された。また、TVシリーズ第11話に相当するゲバコンドルとの戦いの際、変身するところを一文字に目撃されている[3]。
ヨーロッパ時代(第14話 - 第52話)仮面ライダーへの対抗策とするため拉致され、ショッカーに改造されてしまった一文字隼人を救出。一文字が自分のせいで改造人間になってしまった事を謝罪するが、一文字は仮面ライダー2号となる事を決意したため、彼に日本の守りをまかせ、ショッカーの別計画を追ってヨーロッパに渡った[4]。
その後、死神博士がショッカー日本支部に派遣されていた時期(第40話以降)に何度か帰国して、一文字と共に戦う姿が見られる。この頃は、変身後の仮面の色などが以前とは異なり、"桜島1号"と呼ばれる姿になっており、専用マシンも「改造サイクロン」へと移行する[5]。
第53話以前と位置づけられている劇場版第1作『仮面ライダー対ショッカー』で初めて変身ポーズによる変身を行ったが、本来の掛け声である「ライダー…変身!」ではなく、「変身!」と叫ぶだけであった。また、変身ポーズによる変身が可能になった理由は、劇中では語られていない。ちなみに劇場版を除いて桜島1号時の変身手段は直接演出されることはなかった。
新1号時代(第53話 - 最終話)更迭された死神博士を追って南米に向かった一文字に代わり、再び日本の守りにつく。この時期から革ジャンなどのアクティブな衣裳になり、力強さが強調されていった。
変身後の姿は「新1号」と呼ばれる明るい色に変わっているが、その理由は劇中では説明されていない。関連資料でも「特訓によるパワーアップのため」「死神博士にわざと捕まって再改造を受けたため」の2つの説が存在し、どちらが正しいのかは明言されていない。第68話で立花と共に新たなマシン「新サイクロン」を制作、以後これを専用マシンとする。
第79話でショッカーが壊滅した後、新たな組織「ゲルショッカー」が登場してからは危機に陥ることが多く、たびたび重傷を負ったり消息不明になったりした(これは藤岡弘のスケジュールの都合によるもの)が、最終話で一文字と共にゲルショッカーを滅ぼすことに成功した。
『仮面ライダーV3』 - 『全員集合!7人の仮面ライダー!!』[]『仮面ライダーV3』では、大学の後輩である風見志郎が命を狙われたことから、新たな組織「デストロン」の存在を察知。風見の家族がデストロンに襲撃されたころを駆けつけ、その場にいた珠純子を間一髪で助け、風見たちの前でライダー1号に変身する。風見は自分の先輩が仮面ライダーだった事に驚くと共に、デストロンへの復讐のため改造人間になることを、本郷とその後到着した一文字に志願する。しかし本郷は「個人の復讐のために力は貸せない」と風見の申し出を断り、純子の証言から判明したデストロンのアジトに一文字と共に潜入する。アジトにおいて、デストロン首領の罠に落ちて命を落としそうになったが、遅れて潜入した風見が身を挺して二人を救う。自分達を助ける為に瀕死の重傷を負ってしまった風見の命を救う為、一文字と共に彼を仮面ライダーV3へ改造した。その後、東京をデストロン怪人・カメバズーカの体内の原子爆弾から守る為に太平洋の彼方に消えたが、後に生存が確認され、劇場版や第33・34話で帰国してV3と共に戦った。これ以降「普段は世界各地で悪の組織と戦っている」という設定になる。なお、本郷のライダーへの変身ポーズをとるのは『V3』が最後になる(それ以降は変身態のみ、もしくは直接変身を行わない)。
『仮面ライダーX』では、劇場版にて帰国、仮面ライダーX = 神敬介と共にGOD機関と戦った。当初はTV版にも出演予定だったのだが、藤岡弘の都合がつかず回想シーンのみの登場となった。
『仮面ライダーストロンガー』では、終盤で帰国、仮面ライダーストロンガー = 城茂の応援に駆けつける。7人ライダーの力を集結して岩石大首領を倒した。この作品では、ここでの本郷と一文字は伝説とされており、デルザー軍団にはその存在を疑問視されていた。
『全員集合!7人の仮面ライダー!!』では、一文字、風見、結城と共に遊園地にいた立花藤兵衛の元を訪れる(他の3人のライダーは後から到着)。そして、そこに潜入していた暗黒大将軍の軍団と7人ライダーが戦う。出演者のスケジュールの都合からか、敬介・アマゾンが到着してから(引き続き藤兵衛と共にいることになっているが)ライダーに変身するまでの間、その姿が画面に映らなくなっていた。本作以降、映像作品では原則として素顔で登場することは無くなる。
『仮面ライダー (スカイライダー)』 - 『仮面ライダースーパー1』[]『仮面ライダー (スカイライダー)』では、スカイライダー = 筑波洋の応援に駆けつけ、7人ライダーによる特訓でスカイライダーをパワーアップさせた。本郷猛としての登場はなかった。最終話で8人ライダーの力を集結してネオショッカー首領を倒すが、同時に消息不明になる。本作以降、専用マシンを改造サイクロンに戻しているが、ベースになった車種は以前よりスケールが小さなものになっている。第27・28・54話と劇場版に登場したが2号/一文字隼人が客演した第36・37話と第39・40話のうち、どちらかは1号が登場するはずだったという説がある。
『仮面ライダースーパー1』の劇場版で生還。仮面ライダースーパー1 = 沖一也と共にドグマ王国と戦った。
『仮面ライダーZX』 / 『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』 / 『仮面ライダーSPIRITS』[]『ZX』及び『10号誕生』では仮面ライダーZX = 村雨良と共にバダンと戦った。
専用マシンは『ZX』『10号誕生』では改造サイクロンだったが、『SPIRITS』では新サイクロンになっている。
『SPIRITS』では、10人の仮面ライダー(第3部より前は9人)のリーダー格として活躍。BADANとの戦いでは常に冷静な態度を貫く。復活したブラックサタンに殴りこもうとする城茂を諌めたり、一文字・アマゾンと共に囚われた神敬介を救出に向かったりなど、結城丈二と共にライダーの纏め役を務める。自分の存在意義に悩む村雨良に、10人目のライダー、仮面ライダーZXの称号を与えた。『新 仮面ライダーSPIRITS』にタイトルが変更されてからは、一人でショッカーと戦っていた時期の本郷、更に一文字が仮面ライダー2号に改造されるまでの経緯が村枝賢一のオリジナルストーリーで展開される。そしてBADANとの戦いにストーリーが戻る際、「自分の弱さゆえに9人の男たち(2号~ZX)を地獄の道連れにしてしまった」という本郷の独白が入る。詳細は仮面ライダーSPIRITSの記事の本郷猛の項を参照。
『仮面ライダーBLACK』以降[]『仮面ライダーBLACK』では、最終話放送後の特別編『仮面ライダー1号〜RX大集合』における過去の名場面でのみ登場。
『仮面ライダーBLACK RX』では、終盤に歴代の9人ライダーと共に帰国、RX = 南光太郎と共にクライシス帝国と戦った。
歴代ライダー共々素顔での登場はなく、声も藤岡弘のものではない。10人ライダーのリーダー的な役割を果たす。なお、アメリカのアリゾナ州にアジトがある。
時系列的には『仮面ライダー』の頃となる『ウルトラマンVS仮面ライダー』では、ショッカー中近東支部から派遣された毒サソリ男を追って登場。ウルトラマンと怪獣ガドラスが戦っている間近で毒サソリ男と対決した。そしてガドラスと毒サソリ男が融合してサソリガドラスになると、「奇跡」によって巨大化。ウルトラマンと共に戦い、サソリガドラスを倒した。『全員集合!7人の仮面ライダー!!』以来、17年ぶりに新サイクロンを使用。なお、変身シーンと声は過去の映像から流用している。
HERO SAGA[]HERO SAGAでは、TVシリーズの世界観をベースに、TVシリーズで描写されなかった部分の穴埋めとしての作品が多い。『MASKED RIDER DEN-O EDITION -1971年4月3日-』については、後述。
仮面ライダースナックに書いてある設定は、基本的にはテレビシリーズの本郷猛と同じだが、一部現在の公式設定と違っているところがあり、そこを中心に記述する[7]。
11人の仮面ライダーのリーダーとして活躍。(テレビのテレパシーを使わずとも)一文字隼人と以心伝心の仲であり、南光太郎はその境地に達しようとする。ネオキングダークの3号機に乗り込む大胆な面も見せる。
捕われてジェネラルシャドウの細胞から生まれたクローンに模したそのメカ構造を与えられたガイストライダーを作られるが、単独の戦闘力に加えクローン同士ゆえ連係に優れるこの強敵に苦戦する後輩達に抗する合同技を教える[8]。その後エネルギーが尽きながらも、自ら相手の力を利用するジュードーバスターで変身したジェネラルシャドウを下す。シャドウが死ぬ際に起こした風圧(彼曰く「最後のプレゼント」。本郷もシャドウの態度に感服したような描写がある)でエネルギーを回復し、大首領との決戦に臨む。
城北大学生物学研究室の学生。優秀な人間であるためにショッカーに拉致され、バッタの能力を持つ改造人間にされてしまう。しかし脳改造の前に脱出、人間を守るために戦うことを誓い、仮面ライダーを名乗る。感情が高ぶると、改造手術の傷跡が顔に浮かび上がる。
漫画における変身方法は「強化服を身に付け、仮面を被る」というのが一般的な解釈だが、第2話ではこうもり男を追って走りながら変身する描写もあり、実際は明確にはなっていない。なお、変身しても、ベルト「タイフーン」の風車に風を受けてエネルギーを得なければ、体内のメカニズムを完全に起動させることはできない。
第4話でショッカーと戦うための研究所を設立するが、ショッカーが送り込んだ11人のショッカーライダーの攻撃を受け、絶命してしまう。しかし、その際に本郷の攻撃を受けたショックで脳改造から開放されたショッカーライダーの一人 = 一文字隼人によって遺体は研究所に運び込まれ、脳髄のみが研究所の中で生き続けることになった。
一文字とは脳波通信によって感覚を共有することができる。第5話では新たな仮面ライダーとなった一文字をサポートしたが、血気盛んな一文字をたしなめることも多かった。
第6話の終盤で、脳髄を機械のボディに移植して復活、ショッカーのアジトを破壊した。しかし、ショッカーとの戦いの結末は描かれていない。
『仮面ライダーEVE』[]ショッカーとの戦いの後も、様々な悪の組織と戦っていたらしい[9]。しかし、その過程で激しく消耗したため、再び脳髄のみの状態となって研究所内で眠りに就いていた。それ以降は、かつて共にショッカーと戦ったFBI捜査官の滝二郎が影武者を務めたこともある。(この時空に置いては新サイクロンを愛車としていない模様)
蘇ったショッカー首領との戦いを前に、ライダーマン = 結城丈二の協力で脳を機械の身体に移植し復活。9人のライダーと共にガイボーグ = 門脇純に「ライダーシンドローム」で力を与え、彼を仮面ライダーガイアへと覚醒させた。戦いの後、自分が再び目覚める必要が無いことを願いながら、再度眠りに就いた。
城南大学で生化学を学んでいた学生。自動車を運転中に蜘蛛男の襲撃を受けて「ショッカー」に拉致され、組織が新たに開発した改造人間「S.M.R. (System Masked Riders)」の素体にされてしまう。しかし「S.M.R.」の開発者であり恩師でもあった緑川教授の手引きによって脱出。その後「ハヤト」と名乗る男[10]にショッカーのことや自分の身体の秘密を聞かされ、さらに自分の拉致を手引きしたのが、幼い頃に死別した姉を重ねて見ていた楠木美代子だということを知ることになる。しかし、紆余曲折の後、一人でも多くの人間を守るために「ショッカー」と戦うことを決意、ハヤトがショッカーと戦う名前として「仮面ライダー」を名付け、本郷はハヤトと自分の2人の名として名乗ることにした。美代子にも宣戦布告したが、その後美代子が敵とは言いかねる行動を取ることもあり、困惑させられていた。『希望1972』の時点では<ショッカー>との戦いの結末は描かれていない。
「S.M.R.」は素体・強化服・二輪兵器「サイクロン」のセットで構成され、通常は強化服を着てからベルト「タイフーン」のスイッチを入れると強化服のメカニズムが起動、合わせて素体が戦闘体へと変化し、強化服の機能を完全に使いこなせるようになる。特殊能力の大部分を強化服に頼っているため、素体自体の能力は従来の改造人間よりも劣る。しかし何らかの理由で強化細胞が異常に活性化すると「飛蝗(ばった)男」とでも呼ぶべき完全体へと変身し、強化服無しでも従来の改造人間を上回る力を発揮する。但し、その際は意識を失って暴走する危険がある。
改造される前、生身のままでも蜘蛛男を1体倒すほどの戦闘力の持ち主で、改造されたことによってその力は大幅に強化された。オートバイの運転はほとんど経験が無かったが、ハヤトの特訓で乗りこなせるようになった。当初はマフラーを巻いていなかったが、「S.M.R.」としては不完全であったために寿命が残り少なくなっていたハヤトの死を見届けた後は彼の形見となったマフラーを巻くようになった。
この作品では終戦の年(1945年)の生まれと設定されている。
この欄で紹介する本郷は、作品の性質上、映像作品に正式に登場していながらもそれ以外のメディアでは他の歴代ライダーと共演が難しい立場[11]にある。コーヒーに4本もの砂糖を入れる甘党。また、変身ポーズは設定されておらず、TVシリーズにおける変身ポーズは「空手の型」のイメージでライダーへの変身自体とは無関係なものとして取り入れられていたり、必殺技も「ライダーキック」や「ライダーパンチ」の呼称はなく他の平成TVシリーズに多い「叫び」のみである。「仮面ライダー」の呼称も劇中では使われていない。
『仮面ライダー THE FIRST』[]城南大学の研究生。水の結晶を研究する科学者だったが、ショッカーに拉致され、バッタの能力を持つ改造人間「ホッパー」にされてしまう。そしてショッカーのために暗躍し、ショッカーを追っていた雑誌記者の緑川あすかとその婚約者の矢野克彦の命を狙ったが、降り出した雪によって水の結晶のイメージを思い出し、頭脳オペレーションから開放される。あすかに克彦を殺した犯人と誤解され、またまともな人間でなくなったこと、自分の意思とは無関係に与えられた力の大きさを自覚して苦悩するが、立花藤兵衛に「失ったものもあれば得たものもある」と諭され、同時にスーパーマシン「サイクロン1号」を託されたことから、その力であすかを守ることを決意する。刺客として差し向けられた仮面ライダー2号 = 一文字隼人とは、戦いを通じて互いに理解し合うようになる。そして、拉致されたあすかを追って一文字と共にショッカーのアジトを襲撃、あすかを救出した。
本作における改造人間には、「リジェクション」と呼ばれる、改造部分に対する拒絶反応が起こる。放っておくとリジェクションの間隔が徐々に短くなり、やがて死に至るため、これを抑えるために、改造人間は定期的に血液を交換しなければならない。しかし、本郷だけはリジェクションが起こらないため、血液交換をしなくても何の問題もなく活動できる。その理由はショッカー幹部に「改造人間としては初の成功例かもしれない」と推察されているが、本郷だけが成功した理由は劇中では一切語られていないため、謎である。なお、リジェクションが起きない事が判明するまでショッカー三幹部のうち二人は本郷の裏切りを「放って置いてもリジェクションで死ぬ」として放置する方針でいたが、老紳士だけは「それまで待てない」と反論したため、一文字隼人/仮面ライダー2号が刺客として送り込まれる事になる。
変身方法は「変身ベルト・タイフーンの風車を回転させると一瞬で強化服が装着され、その後仮面を被る」というもの。仮面を被るという描写は漫画版に準ずるものだが、強化服が自動的に装着される点はテレビシリーズのイメージに近い。
『仮面ライダー THE NEXT』[]『THE FIRST』から2年の時が流れ、城南大学付属高校の生物教師になったものの、生徒からは馬鹿にされており、受け持つクラスは学級崩壊同然。その一方でショッカーとの戦いは続いており、その激しさを物語るかのように、ライダースーツと仮面は補修やリペイントを繰り返したため前作よりも暗い色になり、仮面には多くの傷が付いている。一文字とは連絡を取り合っていなかったが、互いに固い絆で結ばれており、リジェクションによって蝕まれてゆく彼の体のことを案じている。
教え子の菊間琴美がその親友であるアイドル歌手・Chiharuにまつわる事件を追っていることを知り、協力しようとしたところをショッカーに襲撃されたことから、琴美に正体を知られてしまう。その後、琴美の危機を救ったことで、琴美から信頼されるようになる(だが、その際に改造人間の力を発揮して素手でバイクの前輪を外す姿を生徒に見られたため、琴美以外の生徒からは恐れられるようになり、最終的には保護者からの苦情によって学校を解雇される)。Chiharuの兄である風見志郎 = 仮面ライダーV3がショッカーの刺客として現れたため、当初は望まないまま志郎と敵対していたが、志郎がChiharuの異変を知って真相究明のため行動を共にするようになり、事実上の休戦となる。その後、志郎が全ての真相を知ったことでショッカーを裏切ったため、最後は一文字も加えて3人でショッカーの作戦を阻止した。
本作では変身の際に仮面を被る瞬間が映らないように(もしくは被れるような状態では無い場合も)演出され、よりTVシリーズに近いイメージになっている。
『仮面ライダーSD』では「仮面ライダー1号」としてのみの登場で、素顔を見せたことはない。なお、『仮面ライダーSD』の『マイティライダーズ』と『疾風伝説』では世界観が異なる。
『仮面ライダー電王』では、作品によっては、電王たちの活躍する現代よりも過去の時代に活躍したライダーとされることがある。
本郷猛がベルトの風車(タイフーン)に風圧を受けることで変身した姿。通称「1号ライダー」「本郷ライダー」。後にデザインが大幅に変更された「新1号」と区別する際には「旧1号」と呼ばれる。
活動エネルギーは風で、風力のないところでは変身することや仮面ライダーの姿を維持することができない。タイフーンと呼ばれるベルトの風車から取り入れた風力エネルギーで体内の小型原子炉(ダイナモ)を起動させ動力源としている[12]。なお、人間より広い視界と赤外線による暗視能力、ズーム機能を持つ複眼Cアイ、4キロ四方の音を聞き取る聴覚、電波送受信を行う超触覚アンテナ&対怪人用の脳波探知機Oシグナル(共に探知範囲4km。Oシグナルは怪人が100m以内に近づくと発光して危機を知らせる)、100tの衝撃を吸収する足のショックアブソーバなど、基本的な機能面は1号2号共通である。
第40話で一時帰国した後、何度か帰国して一文字隼人と共闘した。この時期、1号用として新調されたスーツは、複眼がクリアレッドから真紅に変わり、色も微妙に変化した。しかし、細部のカラーリングは初期からも話数によって微妙に変化しており(これは改良や補修を現場で行っていたという制作上の事情である)、この時点の設定では初期と同一の「旧1号」とされている。媒体によっては、この桜島1号を新1号と旧1号の間の途中形態[13]と解釈していることもある。
身長180cm、体重70kg。主な能力は、垂直跳び15.3m、幅跳び48.7mのジャンプ力(改造直後のスペック)と、そこから繰り出すキック力である。これらの能力は、その後の訓練によって向上していった。なお、技とスピードを特徴とする設定は後のものだが、旧2号と交代するまでのわずか13話の間に旧2号とほぼ同数の技を披露している。
本郷猛が再改造を受け、さらなる強化をとげた姿。新1号編OPや第86話の回想シーンでは本郷の再改造シーンらしき新規撮影カットがある(衣装が新1号編のものである)が、再改造については触れられていない。ライダーカードなどでは、「再改造され内部メカを一新し全面的に強化された体となった」とは語られていたが認知度は低かった。改めて後年「ショッカーにわざと捕獲され、死神博士の手で再改造手術を受け、脳改造の際自己催眠によって洗脳を逃れ自力脱出した」との設定が、出版サイド主導で作られ、石森プロや東映サイドもこれを了承した。なお、カラーリングの変更については劇中では特に説明はない。
姿形は2号をベースとしているが、マスクの配色が明るくなり、レザーからジャージー素材へ手袋とブーツは銀色に変更された。腕と脚のラインは2本になり、ベルトも2号と同じ赤色の新しいものに換装されている[14]。一文字とは異なる変身ポーズと「ライダー変身!」の掛け声による能動的な変身が可能になっている[13]。
身長180cm、体重70kg。能力は腕と足の破壊力が旧1号時の4倍、ジャンプ力が25m(資料によっては35m)に向上し、必殺技の数が大幅に増えた[15]。100m走は1.5秒(時速240km相当)と、2号や仮面ライダーV3と比べても0.1秒ながら上である。
また、相手を回転させて投げ飛ばす技で「ライダーきりもみシュート」に代表される幾多の“ライダーキック以上に強力な必殺技”や、ライダーキック級の威力を持つ膝蹴り「ライダーニーブロック」、敵の体内の特定のメカをピンポイントで破壊する「ライダーポイントキック」のように他のライダーにみられないタイプの必殺技までも備えている。こうした技の多彩さゆえに、「技の1号」の異名を持つようになる。
物語の進展とともに、「ライダーキック」という跳び蹴りが必殺技として確立する。ライダーキックは上空へジャンプ、宙返りを経た後に怪人めがけて蹴りこむ技として表現されている。しかし、ライダーごっこの最中にライダーキックの真似をして怪我をする子供が現れたことが問題となり、ライダーキックを真似る子供に本郷猛が注意を呼びかけるシーンや、ライダーの特訓シーンを見せつつ滝が子供達にライダーキックの危険性を諭すシーンも劇中挿入された。
このほかにもライダーは多数の格闘術を決め技として用い、「ライダーダブルキック」に代表される1号・2号の合同技も時に繰り出された。後のシリーズにおいてもライダー達はライダーキックとほぼ同様のキック技を始めとした、多数の必殺技を用いるようになっている[16]。
本作の直前に多くの同スタッフによって制作された『柔道一直線』の技が、仮面ライダーの必殺技のベースになっている。必殺技の撮影では、柔道一直線で多用されたトランポリンを使いジャンプや回転するシーンを撮影し、これを編集でつないでいく手法がとられている。
主な技[]この項では便宜上、石ノ森章太郎による漫画を“原作版”、村枝賢一『仮面ライダーSPIRITS』を“SPIRITS”、改造人間HOPPERが登場する作品を“THE FIRST”“THE NEXT”と記載する。特撮版の本郷猛=仮面ライダー1号は「48の技を持つ」と言われる「技の1号」(新1号時代)の異名を持つため、ここに挙げた技が全てではない。ゲームソフトなどではオリジナルの技も多く設定されている。
以下、特に記載が特にないものは、特撮版の技である。
パンチやチョップなどスタンダードな技は省く。特色として技の威力は力の分、2号が優れているとされているが、児童誌によるとスピードなどの総合力は若干1号が優れているとされている。
ライダーキック1・2号共通してもっとも多用された必殺技。モチーフになったバッタ(トノサマバッタ)の持つ強靭な脚力を活かした技で、凄まじい破壊力を持つ。高くジャンプして片足で放つキック、両足で放つパターン、跳び上がった相手に空中で決めるパターンなど、様々なものがある。怪人の中にはライダーキックが通用しないものもいたが、強化されたキックや他の技で打ち破ってきた。後の作品にゲスト出演した際にも多用しており、デルザー軍団のヨロイ騎士を昏倒させたり、ネオショッカー・ジャガーバンを撃破したりなど、技の切れ味を増している。1号の場合は「月面キック」「反転キック」「スクリューキック]「ポイントキック」などバージョンが特に多く、状況に応じて多用される。電光ライダーキック第13話において、ショッカー怪人・トカゲロンの「必殺シュート」に対抗すべく、立花藤兵衛との特訓[17]で編み出した、パワーアップされたライダーキック。破壊力が従来より倍増しており、その名の通り、ヒットの瞬間、電光のように光る。必殺シュートで蹴り込まれたバーリヤ破壊ボールを弾き返し、トカゲロンと再生怪人軍団を爆破四散させた。足から電撃のようにエネルギーが放出される。SPIRITSの第1部第1話では、新1号の姿で披露している。また、プレイステーションソフト『仮面ライダー 正義の系譜』では1号の最強技として採用されている。ライダーポイントキックライダーキックの破壊力を一点に集中させる技。ゲルショッカー怪人・イソギンジャガーの洗脳装置のみを破壊するのに用いた。ライダースクリューキックライダーキックを放つ前に、身体を錐揉み状に高速回転させて威力を増大させる技。障害物を破壊するのに用いた「ライダークラッシャー」や、衝撃を吸収する材質の部屋に閉じ込められた際、マフラーを併用して危機を逃れた「スクリューキック」などの派生技がある。ライダー反転キック高くジャンプし、1度、壁などを蹴ってからライダーキックを決める技。威力を倍増させたり、敵の弱点(サソリトカゲスなど、主に背中)を攻撃したりするために用いられる。原作では、ベルトの風車から風圧を発生させ、敵の意表を突くと共に、威力を増す「逆風(バックウィンド)キック」という発展形の技を披露した。ライダー稲妻キックライダー反転キックの強化版といえる技。強固な装甲を持つハリネズラスに対し、岩肌を何度も蹴って勢いを付け、稲妻のような軌道を描き威力を増したキックを放つ。『正義の系譜』では、反転するたびに脚に稲妻のようなエネルギーを帯びる。ライダー風車3段キック原作版のみの技。敵の眼前で風車のように高速回転し、ライダーキックを3連続で繰り出す。コブラ男を破った。ライダー月面キック空中高く跳び上がり、ムーンサルトで威力を増幅させるライダーキック。攻撃するチャンスが少ない、鳥類をベースにしたゲルショッカー怪人との戦いで使った。ゲーム『スーパー特撮大戦2001』や『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では1号の最強技に設定されている。ライダーチョップ強力な手刀打ちを敵に喰らわせる技。連続で繰り出すこともある。旧1号時代から使用している技であり、死神カメレオンを葬った。原作ではくも男との初戦で彼を敗退させた技である。ライダーフライングチョップ胸の前で手刀をクロスさせ、体当たりするようにライダーチョップを跳びかかって決める技。クモライオンを葬った。ライダーダブルクラッシャーチョップゲーム『正義の系譜』で登場。ライダーチョップを決めたあと、反転ジャンプしてもう一度跳びかかって強力なチョップを喰らわす。ライダーパンチ強力な鉄拳を相手に喰らわせる技。技名を呼称せず、相手に連続でパンチを浴びせることも多い。これも旧1号時代から使用している技である。ジャンプと共に敵に喰らわせるライダーパンチは、「フライングライダーパンチ」と呼ばれる。ライダー反転ダブルパンチ『正義の系譜』で登場。フライングライダーパンチを一度決めたあと、反転ジャンプしダブルで喰らわせる技。ライダー投げ後述の「ライダー返し」に似た空中でのシンプルな投げ技。第1話の対蜘蛛男戦ですでにそれらしき技は使っていたが、この時は呼称はなく、続く第2話の対蝙蝠男戦から呼称されるようになる(この時は空中から投げずマンションの屋上から投げ落としている)敵怪人のバックに回り込み、抱えたまま跳び上がり、後方に投げ飛ばす。人間蝙蝠(蝙蝠男)を倒した。ライダーシザース両足で頭を挟みこみ投げ飛ばす。プロレス技の「ヘッドシザース」に似ており、相違点は相手も空中で投げるところ。第3話のさそり男戦で初使用された。ライダーヘッドクラッシャー「ライダーシザース」の発展型。違うところは最後に敵の脳天を打ち砕く点。新1号の技で「ライダーきりもみシュート」と並んでもっとも威力のある部類の技。ライダースクリューブロックジャイアントスイングのように、敵の身体を掴み、大きく振り回して障害物に叩きつける技。バラランガを撃破した。敵を弱らせる目的で使うバリエーション技に「ライダーハンマー」「ライダースイング」がある。ライダー返し一本背負いのように、相手を抱え上げて跳び上がり、地面に叩きつける。敵の突進力も威力にプラスされる。旧1号時代から使用しており、改造コブラ男を撃破した。ショッカー大幹部怪人・ガラガランダを怯ませたこともある。ダブルライダーの連携としてツープラトン使用も可能。『仮面ライダー 11戦記』で使用したジュードーバスターは、この技の発展形と推察される。ライダーハンマーキックライダー返しの最中に、キックを放つ合成技。ゲルショッカーの強力な怪人、ムカデタイガーに使用した。ライダーきりもみシュート1号が編み出した強力な投げ技。相手を抱えあげ、高速で錐揉み回転させて空高く投げ飛ばす。敵怪人は受け身が取れず、地面に叩きつけられる。「高速回転で真空状態が起こる」と解説している書籍もある[18]。サイギャングやカミキリキッド(TV版)などの強力な怪人や、海洋生物の特性を持つ改造人間に特に効果があるらしく、イカデビルなどのトドメに使った。対エイドクガー戦では2号も使用している。『SPIRITS』では相手と共に竜巻を起こすように表現されており、作中でZXも会得した。『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では、高速回転で竜巻を起こすように表現されており、ジャイアントデビル(『キカイダー01』)などの巨大な敵にも有効である。『THE FIRST』のHOPPER 1も、きりもみシュートを思わせる、相手を空中で回転させ平行感覚を失わせる投げ技を披露している。ライダーニーブロック新1号初期から使用。空中で「ニーパット」を行う。主にヒットポイント (打撃目標) は敵の「脇腹」。背中に膝蹴りを決める「ライダードロップキック」というヴァージョンもある。ライダーローリング敵をうつ向せにし背中に担いで回転して振り回す。「エアプレーンスピン (飛行機投げ)」に似ており「技の1号」には珍しい力技。2号との協力技[]ライダーダブルキック1号と2号が同時に「ライダーキック」を行う技。タイミングが難しく、相手を戦意喪失状態にしてから合図でタイミングを合わせて放つことが多かった。当初は互いに「ライダーキック」と呼称して放っていたが、イソギンチャック戦から「ライダーダブルキック」と呼称するようになる。戦闘時の最終使用は劇中では『仮面ライダーV3』の劇場作品『仮面ライダーV3対デストロン怪人』である。2人のキック力の単純な合算以上の威力を持ち、ライダー1号・2号単独での撃破が困難とされる強力怪人に使われた。映像本編上での最終使用は『仮面ライダーBLACK RX』の10人ライダーの特訓時に披露している。ただし、この時は「ダブルライダーキック」と呼称していた。それ以降、長らく使われることはなかったが、『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』では本来の「ライダーダブルキック」と言う掛け声で使用された。ライダー返し「ライダー返し」を2人で行う。ライダー車輪超吸引力のあるイソギンチャック戦で使用。一気に敵の足元に入り込み、接近戦に持ち込むための技。お互い組み合って前転を行う。ライダー車輪(対ショッカーライダー用)名称は同じだが内容が異なる。サークル(円)を描いて左右から高速走行し相手にも共走させ、その後同時にジャンプし、自分たちは反転で回避、空中で相手を互いに激突させ自爆させる技。これも藤兵衛との特訓で編み出した。『SPIRITS』では、立花の呼びかけで、復活したショッカーライダー相手に、2号と交信したZXと共に使用している。滝和也曰く「絶妙のタイミング」が必要となる技。ヘッドクラッシャー1号の「ライダーヘッドクラッシャー」とは別の技。ダブルライダーの「頭突き」により強固な壁も破壊する。最終回で敵アジトから脱出する時に使用。ライダーハンマーキック1号の「ライダーハンマーキック」と名称は同じだが別の技。それぞれ怪人と肩を組みジャンプ、空中で怪人同士を叩き付ける技。名称はないが、ダブルパンチの連打や、Oシグナルによる意志の共有などもある。
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