VF-19 エクスカリバー (ブイエフ・じゅうきゅう エクスカリバー、Excalibur)は、テレビアニメ『マクロス7』および、その他「マクロスシリーズ」作品に登場する架空の兵器。
「マクロスシリーズ」世界での主要な兵器である可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター=VF)シリーズの一つ。愛称(ペットネーム)の「エクスカリバー」は、アーサー王伝説に登場する聖剣の名に由来する。機体デザインは、河森正治が実在の戦闘機「Su-27 フランカー」と、同じく実在の実験機「X-29」を参考に行った。
概要[]
OVAおよびアニメーション映画『マクロスプラス』にて、主人公・イサム・ダイソンがテストパイロットを務める試作機YF-19として初登場。デザインの特徴として、X-29に基づいたファイター形態時の前進翼や、バトロイド形態時にコクピットが胴体内部に格納される変形機構など、従来のVFシリーズとは異なるアイディアが取り入れられている。
『プラス』より後の時代が舞台の『マクロス7』では、当初はVF-1 バルキリーのデザインを踏襲したVF-11 サンダーボルトをメインに展開する予定だったが、商品化が見込めないという理由でYF-19のデザインが転用された[1]。『7』の物語序盤から、主人公・熱気バサラの専用機であるVF-19改、通称「ファイアーバルキリー」が登場し、中盤からは量産型のVF-19S・VF-19F(共に通称は「ブレイザーバルキリー」)が特殊防衛部隊「エメラルドフォース」用の上級機として登場する。VF-19改は、従来のマクロスのイメージを意図的に壊す試みから、人間のような双眼と口を持つ頭部、両肩に内蔵されたスピーカー、ギター型の操縦桿で演奏しながら操縦するという設定が採用された。
『7』の後日譚であるOVA『マクロスダイナマイト7』や、それよりさらに未来の時代が舞台のプレイステーション用ゲームソフト『マクロス デジタルミッション VF-X』『マクロスVF-X2』、アニメーション映画『劇場版 マクロスF』、小説『マクロス・ザ・ライド』などにも、作品ごとのオリジナルを含むさまざまなカラーリングの機体やバリエーション機が登場している。
愛称の「エクスカリバー」は、ムービック刊の『マクロス7 設定資料集』に掲載されている設定画に表記はあるものの、劇中では型式番号や上述のように個体や部隊ごとの通称でしか呼ばれていない。これは『プラス』のYF-19も同様で、劇中ではイサムのコールサインである「アルファ1(OVA版)」「イーグル1(劇場版)」、または単に「19(じゅうく)」と呼ばれている。
2010年に行われた『マクロスエース Vol.006』の読者投票では、YF-19は2位、VF-19改は7位を獲得するなど、歴代VFシリーズの中でも人気の高い機体でもある[2]。
バンダイ・ハセガワ・やまとといった玩具・模型メーカーからは、プラモデルや彩色済みの可変トイなどが発売されている。
機体解説[]
機体諸元VF-19 エクスカリバー |
設計・製造 | 新星インダストリー |
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全長 | ファイター:18.62m |
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全幅 | ファイター:14.87m(主翼展開時) |
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全高 | ファイター:3.94m(主脚含まず) バトロイド:15.48m(19改) |
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空虚重量 | 8,750kg(YF-19)、8,400kg(C型)、 8,550kg(F型)、8,620kg(S型) |
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エンジン | (主機)新星/P&W/RR熱核バーストタービン×2 FF2200(YF-19初期型)、FF2500E(YF-19)、 FF2550F(F型)、FF2550J(S型) (副機)P&W高機動バーニアスラスター HMM-6J(YF-19)、HMM-6R(C型)、HMM-7(S型、F型) |
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エンジン推力 | 56,500kg×2(YF-19初期型)、67,500kg×2(YF-19) (宇宙空間瞬間最大推力) |
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最高速度 | (高度10,000m) M5.1+(19改はM5.5+) (高度30,000m以上) M21.0+(19改はM25.0+) (ノーマル仕様のまま衛星軌道上に進出可能) |
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乗員 | 2名(F型以降は1名) |
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攻撃兵装 | マウラーREB-30G 対空レーザー砲 (C / F型×1、S型×4) マウラーREB-23 半固定レーザー機銃×2(腰部装備) ハワードGU-15 ガンポッド×1 マイクロミサイルパレット×2 (内装式標準兵装、他の兵装パックに交換可能) |
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防御兵装 | 防弾シールド×1(左腕に装備) ハワードPBS-03F ピンポイントバリアシステム(YF-19) アクティブステルスシステム一式 |
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選択装備 | 専用スーパーパーツ フォールドブースター サウンドブースター(19改専用) |
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AVF(Advanced Variable Fighter:次世代全領域可変戦闘機)開発計画、通称「スーパーノヴァ計画」に基づき開発された新地球統合軍の主力VF。VF-17 ナイトメアなど一部の特務機や試験機に搭載されていた新世代エンジン熱核バーストタービンを汎用主力機として初めて搭載した機体であり、オプションなしでの大気圏外活動が可能となっている。
基本的には前世代主力機VF-11の発展型で、当時の試作機YF-19の競合機として開発されたゼネラル・ギャラクシー社のYF-21(後のVF-22 シュトゥルムフォーゲルII)に比べ、最新OTMの導入は必要最低限に抑えられている。その分実用機としての信頼性・完成度の面で優っており、結果的に従来のVFシリーズを凌駕する性能を持つに至った。超AIシステムの導入を始めアビオニクス面も大幅な改良がなされ、片道20光年のみという制限はあるものの、フォールドブースター装備による単独フォールド航行が可能である。
また、VF-22と共にピンポイントバリア(PPB)システムとアクティブステルスシステムを搭載した初のVFであり[3]、防御力や隠密性にも優れている。従来は格闘戦(≒殴り合い)になった場合にマニピュレーターを破壊する可能性が常に付きまとっていたが、その可能性はPPBシステムによって大幅に低下し、その破壊力も向上している(ピンポイントバリアパンチ)。エンジン出力の70パーセントを必要とするためバトロイド形態でしか使用できないという制約があるものの、従来VFの構造的問題であった陸戦格闘時の装甲の脆弱性の解決と有り余る高出力の活用が、運用上の制限が多いプロテクター・ウェポンシステムに頼ることなく実現されたとして問題にはならなかった。
最大の特徴はVF-9 カットラス以来の前進翼の採用であり、大迎角飛行での空力特性に優れている。この主翼は通常の可変翼としての機能も有しており、最大戦速時に完全に折り畳むことも可能である。また一部の型式を除きカナード翼も装備している。ほかにも、機首周りの菱形のスリットに収められたVFC[4]や肩部のアクティブ空力制御装置など、大気圏内での空力運動性能を極限まで追求した設計がなされている。こうした優れた運動性能を最大限に生かすため、バトロイド形態での外景表示スクリーンの広面積化に加え、ファイター / ガウォーク形態においてもコクピット下部にキャノピー視界以外の範囲をカバーする外景スクリーンが設けられ、パイロットの視認性を高めている。
可変構造は頭部・腕部の接続されたバトロイド形態の上半身が機体後方から前方へ覆い被さる様に移動する斬新な方式が採られている。これにより変形所要時間が20パーセント短縮されただけでなく、VF-1 バルキリーやVF-11のバトロイド形態では胸部前面にあるコクピットが本機では背中側に配置され、パイロットの生存性が向上した。ほかにも、従来機では背中に配置されていた主翼が本機では腰部に刀の鞘のように位置する。この主翼の根元にマウラーREB-23半固定レーザー機銃×2が装備されており、デッドウェイト対策になっている。またこの(VF-19Aの)バトロイド形態時に腰にある主翼は『マクロス VF-X2』で急降下ダイビング中に腰の翼を横に開きパラシュートのように空気抵抗を担う存在になる。
YF-19と初期生産型のVF-19A以外は、足首周りの装甲がVF-17に似た「ズボンの折り返し」のような形状に変化している。この形状はVFCやカナード翼のような機能を果たしており、安定性や操縦性を高めている。
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開発・改良[]
YF-19は、単独での敵防空圏突破や拠点制圧能力に優れる高性能機として設計された。ライバルのYF-21が脳波コントロール(BDIシステム)などの特殊技術を用いたのに対し、YF-19は各種の空力制御装置を駆使した運動能力向上機としての特性を持つ。カナード翼+前進翼という組み合わせは空力的に不安定だが、それを逆利用し、わざとバランスを崩してアクロバティックな機動に繋げることを狙っている。VFCやアクティブ空力制御、推力偏向ノズルなどの装置も、失速するような無理な姿勢での飛行を追求するためにある(『マクロスプラス』作中のイサム・ダイソンが大空に竜鳥の「落描き」をするシーンで、その驚異的な運動性が示されている)。
だが、YF-21に対抗するためにピーキーな調整が施されたYF-19の飛行特性は、「じゃじゃ馬」と称されるほどの非常に扱いづらいものとなった。学習型AIに制御の一部を代行させようとしたが、パイロットの操縦感覚と噛み合わず、腕自慢のテストパイロット達でも予想外の挙動に泣かされた。リタイア続出、機体大破という窮地に陥った新星インダストリー社は、ポテンシャルを実証するため軍の問題児イサム・ダイソンの天才的操縦センスに賭けるしかなかった。
再開後の過酷なテストメニューを経て大きくポイントを挽回したYF-19だったが、無人機ゴーストX-9への高評価によるスーパーノヴァ計画の凍結や、シャロン・アップル事件への関与疑惑などにより開発中止の危機に陥るも、調査の結果逆にゴーストを含めた自動防衛システムの危険性が露呈し、疑惑も解消されてスーパーノヴァ計画も再開した。最終的にYF-19は採用コンペティションに勝ち、VF-19 エクスカリバーとして制式採用されることになった。初期生産型VF-19Aもやはり高度な操縦技量を要するため、少数精鋭の特殊作戦部隊に配備され、反統合テロリストの掃討作戦などで活躍した。その後は新統合軍主力機として量産化の運びとなり、量産試作型のVF-19PやVF-19改では、徐々に過激さから扱いやすい方向へリファインが行われた。そして、量産型VF-19Fおよび指揮官用VF-19Sでは一般兵士向けに若干性能を落とし、安定性重視の方向で全面改修が行われた。前進翼はむしろデルタ翼に近くなり、VFCやカナードが撤廃され、各部のバーニアスラスターで姿勢制御を行うようになった。また、艦隊護衛など宇宙空間での行動時間延長のため、VF-1やVF-11のようなブースター付き大型ファストパックが復活した。
後に遠隔操作型ゴーストの導入により有人機への性能要求が大幅に引き下げられたため、VF-17を汎用機として再設計した「VF-171 ナイトメアプラス」に主力機の座を奪われることとなったが、2050年代には再び本機の流れを汲む高性能試作機YF-29 デュランダルが開発されている。
バリエーション[]
マクロス7[]VF-19改マクロス7船団で活動中のロックバンド「FIRE BOMBER」に所属するボーカリスト熱気バサラが搭乗するカスタム機。正式名称はVF-19改エクスカリバー・熱気バサラスペシャルだが、その燃えるような真っ赤なカラーリングにちなみファイアーバルキリー[5]の通称で呼ばれる。元新統合軍人でもあるFIRE BOMBERのリーダーレイ・ラブロックが軍時代のコネクションを利用して調達した。とはいえ、単なる軍の流出品や放出品という訳はなく、ミュージシャンとしてだけでなくVFパイロットとしても人並みはずれた腕前を持つとされるバサラの手に機体を委ねることで、歌エネルギーの実証テストと、マクロス7船団におけるVF-19の制式採用を検討するための評価試験運用という重要な役目を担っている。非公式ながら軍のバックアップのもとにメンテナンスとデータ収集が定期的に行われている。ただし、軍の関与は一部にしか公にされておらず、バサラが戦場に進出し歌を披露する姿がシティ7市民の人目に多く触れる段階となっても、あくまで民間機という扱いである。マクロス7船団統合軍に正式に配備前の貴重な数少ないテンプレート:要出典範囲とされる。VF-19Fのデルタ翼状の前進翼からYF-19やVF-19Aのような通常のデルタ翼に変更されており、カナード翼も付けられている。つまりYF-19やVF-19Aのように先祖返りをした形状に戻されている。エンジンはさらなる改良が加えられ、最大速度は大気圏内でマッハ5.5、大気圏外ではマッハ25以上に達する。この速度は何もパックを装備されていない通常時のVF-25より速い。VF-19改はVF-19Aの形状に比べて機首から主翼へ繋がるストレーキが直線的になり、前進翼が大型化し、垂直尾翼の位置が後方にずらされるなど、より空力バランスを考慮した形状に変更されている。また、各部にバーニアスラスターが追加され、特にバトロイド形態での運動性が高められている。後述する量産化されたVF-19FやVF-19Sが安定性・操作性に重点が置かれた調整をなされているのに対し、本機の調整はYF-19やVF-19Aな機体特性に近いものにされており、操縦者には高い技量がもちろん求められる。VF-19改は特徴的な変更点は非常に人間に近い形状の頭部である。メインカメラは双眼式(YF-19の整備シーンでも、ゴーグル下に双眼式カメラアイのディテールが確認できる)で、フェイスプレートの下には「口」が設けられている。これらはバサラのビジュアル的好みによる特注仕様と言われている。当人は「口がないと歌えない」としているが、実際に歌に合せて口が動くわけではない(後にDr.千葉のサウンドエナジー理論を元にした、歌エネルギー変換技術を搭載した小型スピーカーシステムを装備する改造が施される)。この部位はフェイスプレートを展開し覆い隠すことも可能であるが、使用されることは少ない[6]。操縦システムも特別で、コクピットには操縦桿とスロットルレバーが存在せず、代わりにギター型コントロールスティックが配置されている。ギターの胴体そのものが操縦桿となっており、これ自体を動かすことで機体を制御する。ネック部分にあるグリップを上下させる事によりスロットルのコントロールを行う。他にもブリッジとナットの部分がタッチセンサーとなっており、各種の操作が可能である。また、ギターシンセサイザー機能も備えているため、もちろんこれを使用して演奏を行う事も可能。YF-19で設置されていた後部の補助シートを排した完全な単座式とし、パイロットシート自体も若干後退しているため、内部は多少の余裕が確保されている。後期にはコントロールスティックとシートがサウンドエネルギー変換装置を兼ねるタイプに換装された。これは座席の背もたれ部分から分離し、パイロット(演奏者)が背中に担いで機体の外で「演奏」することも可能である。武装は頭部、主翼のレーザー砲や脚部マイクロミサイル、VF-19シリーズの基本システムであるピンポイントバリアなどを除き基本的に搭載していない。その代わりに、「相手に歌を聴かせるため」の装備として、両肩のスピーカー・照明ユニットや小型のスピーカーを撃ち込むランチャーポッドを装備している。一見して戦場において無意味にも思えるこれらの音響装備だが、歌の効果はボドルザー戦におけるリン・ミンメイの歌唱によって有効性が確認されており(通称「ミンメイ・アタック」)、これの更なる研究を目的として、本機の運用を軸とした「プロジェクトM」が立案された。当初は単純に空気が無い宇宙空間で周囲の機体や構造物などの中に音を伝達するための装備が中心だが、サウンドエナジーはプロトデビルンに対しても有効であり、さらに物語の途中からは歌をエネルギー変換し相手に伝えるサウンドブースターやガンポッドなどの追加装備も使用する。非公式本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー』では、ベースとなった機体はVF-19Eとされている[7]。サウンドブースターDr.千葉が提唱したサウンドエナジー理論を基に開発されたオプションユニット。歌エネルギーをより実体的なサウンドエナジーに変換・増幅し広範囲に放射する。通常兵器の通用しないプロトデビルンに対して絶大な効果を与えるが、10万チバソング以上の値で歌わなければ実用的な効果は望めない。VF-19F本格的な量産移行モデル。搭載エンジンはFF-2550Fに換装。可変機構は共通だが、カナード翼、ベントラルフィンといった空力デバイスが撤廃され、より宇宙戦を重視した仕様となっている。VF-19FはVF-19Aの形状に比べて機首から主翼へ繋がるストレーキが直線的になり、主翼の前進翼が大型化し大面積のデルタ翼に近い形状の前進翼になっている。垂直尾翼の位置も後方にずらされ、より空力バランスを考慮した形状に変更されている。また、各部にバーニアスラスターが追加され、特にバトロイド形態での運動性が高められている。頭部に小口径ビーム砲1門を装備する。左腕シールドは従来の可変戦闘機(ヴァリアブルファイター)より小型化している。配備後数年でVF‐171に主力戦闘機の座を奪われ、本機を主力として扱えた船団は数少なく、今のところはマクロス7船団以外確認されていない。これはVF-19系の機体を新地球統合軍本部から生産許可されるには高危険度の宙域を航行する機会や既存の兵器で対処できない敵との遭遇率が高い船団に開示されるとの説がある[8]。マクロス7船団はメガロード-13や新地球統合軍の特務調査船団がバロータ3198XE第4惑星で消息不明になった宙域近くを航行するために新地球統合軍本部からVF-19Fの試作機データまたはVF-19Fの本体が開示されたと言われているが詳細不明である。VF-19Aが新地球統合軍本部から開示されなかった理由は不明。マクロス7船団所属の特務部隊エメラルドフォース隊の主力機として採用される。VF-19SF型をベースとした指揮官機。エメラルドフォース隊の隊長機として配備された機体。搭載エンジンはFF-2550J。頭部に小口径ビーム砲1門と対空レーザー機銃4門を装備する。F型との共通オプションとして、YF-19のそれよりも大型(VF-11等と同等のサイズ)のファストパックを装備する。可変機構の関係上、ファイター形態時の背部ブースターはバトロイド形態では両肩先端に位置する。なお、F型とS型については、エクスカリバー以外にブレイザーバルキリーという通称も存在する。マクロス ダイナマイト7[]VF-19POVA『マクロス ダイナマイト7』に登場する。辺境の惑星ゾラの銀河警備隊に1機だけ導入評価用に配備された新型機。警備隊の操縦能力向上を目的のために惑星ゾラの銀河警備隊に送られてきた機体である。しかし実際にVF-19系の機体はかなり高次元の機動や運動ができるがパイロットへ負担が激しいために使いこなせる者がいるかも含めての導入を評価検討中の機体である。星間移動用に長距離航行の装備も最初から付加されている。VF-19Fから開発をしているためにVF-19FやVF-19Sのボディとほとんど同じ形状だが、前進翼のデルタ翼からVF-19改の様な通常の前進翼に戻されているために、VF-19Pの全体的形状はVF-19改にかなり似ている[9]。そしてカナード翼や脚部にベントラルフィンが設置されている点などはYF-19やVF-19Aとの類似点も見られる。それによりYF-19やVF-19Aと同等に高性能だが扱いの難しい機体になっている。またパトロール用に宇宙でも大気圏内でも航続距離を伸ばすために長距離航行モード用の電子機器や熱核バーストタービンやプログラムの開発もされており航続距離が従来のVF-19シリーズより伸びている。肩部に着脱可能なベントラルフィンを持つ機体も存在する。惑星ゾラの銀河警備隊用に合わせた武装を装備しているが、なんら統合軍機が標準的に搭載しているものと変わらない武装を搭載している(惑星ゾラでは銀河警備隊は惑星ゾラの軍の役目も兼ねている)。武装内容はバトロイド形態の頭部に小口径ビーム砲1門と対空レーザーガン2門、脚部マイクロミサイル、脚部中距離ミサイル、腰部レーザー機銃、ガンポッドを装備している。VF-19P(小型スピーカーシステム搭載機)導入評価用の機体であるVF-19Pに銀河クジラの研究者ローレンスが考案した歌エネルギー変換型小型スピーカーシステム(こちらはサウンドエナジーを発するのではなく、歌を歌エネルギーに変換しなおかつ広域に電子機器等に直接干渉し、音声と歌エネルギーを電子機器に流し込むシステムである。劇中では小型スピーカーシステムの調整不足のために音声はハスキーボイスのようになる)を試験的に搭載した機体である。肩部ベントラルフィン(取り外し可)に円形の小型スピーカーを片方4基、両肩で計8基装備している。フェイス部は一面がレンズで覆われたバイザーを装着する。バイザー内はVF-19改の様な小型スピーカーシステムを持つ顔が存在する(設定画でバイザー内にツインアイが描かれている線画が存在する)。なお『マクロスアルティメットフロンティア』では設定に存在しないスピーカーポッドを所持している。劇中では熱気バサラが搭乗。銀河クジラ密漁団の放った反応弾の衝撃を消そうと白い銀河クジラが放射した赤い光(花粉)を浴びて、機体の大部分が赤一色に染め上げられる。なお、その際に赤く染まった頭部のバイザーをマニピュレーターでぬぐい、光るツインアイと口が付いたVF-19改に似た顔となる。バトロイド形態で機体内に格納されている部分は染まらず、ファイター形態では赤と白のツートンとなる。バトロイド形態時は赤一色である。銀河クジラの事件後、熱気バサラは辺境の惑星ゾラの銀河警備隊からこのVF-19Pを勝手に借用する。マクロス デジタルミッション VF-X[]VF-19A2041年に就役した最初の型式。ゴーグル下のカメラアイの方式が異なるなど、細部に違いはあるものの、基本的にはYF-19とおおむね同一形状である。部品も量産体制が整えられているために安定性や強度も高く、YF-19と比較してもちろん同性能以上の能力も出せる事が可能な高性能機体である[10]。そのためVF-22Sと同じく上級パイロット用の特殊作戦機として使用される。ピーキーな操縦性もそのまま受け継がれている(YF-19のテストフライト時代から創り上げられた操縦補助プログラムを切りYF-19 2号機時代の操縦補助プログラムに戻せば本当に当時の暴れ馬状態の飛行も理論上可能である。)。: プレイステーション用ゲームソフト『マクロス デジタルミッション VF-X』や『マクロス VF-X2』などに登場する。『マクロス VF-X2』では地球統合軍第727独立戦隊VF-Xレイヴンズのエイジス・フォッカーが搭乗する機体[11]である。小説版『マクロスフロンティア』では民間軍事プロバイダS.M.Sにも配備されている。公式設定にはない機能だが、ピンポイントバリアをファイター形態で展開出来る。また、主翼の前進翼部分を後方に折り畳み、推力偏向ノズルだけで姿勢制御を行う高速移動形態[12]も登場する。ちなみにシートは完全な単座とされている。マクロス・ザ・ライド[]VF-19E『電撃ホビーマガジン』誌上の小説『マクロス・ザ・ライド』に登場するVF-19EFの元になったとされる機体である。『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー』で紹介された機体との関係は不明。VF-19EF カリバーン小説『マクロス・ザ・ライド』、小説『劇場版マクロスF』に登場する機体。VF-19Eのモンキーモデルで、ペットネームはカリバーン。VF-19Fから継承したデザインラインも見受けられる。マクロス・フロンティア船団などのVF-19Eの量産を企図した船団に対して地球本国が高性能機の輸出を露骨に渋った。そのためにVF-19Eのモンキーモデルのデータからフロンティア新星とLAIの共同開発という建前で制作された機体である。VF-19Eのモンキーモデルであるために当初のデータではいくつかの機構にもリミッターがかけられていた。劇中では2058年時点で156機が製造され、多数がS.M.Sに配備されている。またVF-19EFの開発の際に大手購入先のS.M.Sのために大気圏内戦闘を重視するS.M.Sのドクトリンに従ってカナードおよびVFCが装備できるように開発している。フロンティア新星とL.A.Iの共同開発という理由により(VF-19Eの機体管制AIやセンサー系は情報開示されておらず)機体管制AIやセンサー系などは、フロンティアの独自開発(どこの製作かは詳細に記述されていない)である。小説『劇場版マクロスF』では2059年の第一次バジュラ遭遇戦後にフロンティア大統領補佐官のレオン・三島が量産化プランを提示し[13]、3か月後のオペレーション・ヒプノシス実行前にはフロンティアの新統合軍に実戦配備されている[14]。フロンティアの新統合軍に実戦配備VF-19EF カリバーンの内の一部はフロンティア新統合軍特殊飛行隊“ラウンドテーブル”に配備され、対テロ特殊任務機という触れ込みで(主に人気取りに)活躍する。VF-19EFs 隊長機仕様も存在し、本国仕様S型に準じて指揮通信装置の拡充およびレーザー機銃の増設が施されている。指揮官仕様を非公式にEFs型と呼称する場合もある。VF-19EF S.M.S仕様『マクロス・ザ・ライド』に登場する。S.M.S仕様は操縦系統にプロトタイプのEXギアシステムを試験的に採用している。今までのVF-19系の機体を端的に言い表わせば無謀な高次元の機動や高次元の運動も可能ではあるがパイロットへの負担が相当に大きい機体設計であった。つまり一般的なパイロットには機体の持つ性能を簡単に引き出せる設計ではなかった。しかしVF-19EFはプロトタイプEXギアシステムを取り入れてパイロットへの負担(主に肉体的に)がかなり軽減されており、実質的により高次元の機動や高次元の運動を以前より遥かに引き出しやすくした機体になっている。しかし相応の高等な操縦技術(肉体的負担が少なくなり操縦し易くはなったが、操縦性が上がり過ぎてよりじゃじゃ馬になり易い)やプロトタイプEXギアシステムの高度な扱い方や肉体的頑強さや先鋭さ(三半規管や反射神経や空間把握能力など)や精神力をパイロットには求められるためにVF-19EF S.M.S仕様を乗りこなせる者はやはり限られる。S.M.Sによって収集された本機のデータ(ISCやEXギアシステムも含めて)はVF-25、およびVF-171EXという形で結実することになる。VF-19EFs S.M.S仕様 隊長機仕様も存在し、本国仕様S型に準じて指揮通信装置の拡充およびレーザー機銃の増設が施されている。指揮官仕様を非公式にEFs型と呼称する場合もあるRVF-19EF航空管制用のVF-19EF。『マクロス・ザ・ライド』ではS.M.Sのアポロ小隊にて航空管制を行っている。VF-19ACTIVE ノートゥング『マクロス・ザ・ライド』に登場する。VF-19EFを元に、データ収集用実験機としてS.M.SがLAIから委託を受けて試験運用を行なっている機体。ACTIVEは「Advanced Control Technology for Integrated Valkyries:先進制御技術統合可変航空機」を意味する。翼端へ装備された可変型ウィングレットは、かつてYF-21に装備されたOTM自由変形素材が使用されており、空戦のあらゆる局面に応じて翼断面や翼型を変化させる。ただし、正式なBDIシステム(脳波操縦システム)やインプラントに頼ることなくこのように複雑な操縦系統をコントロールする技術は未だ発展途上であり、乗りこなすにはハイエンドAIの支援とEXギアによる直感的なインターフェース(簡易BDIシステムなども)、そして熟練パイロットの手腕が必要不可欠で、乗り手を選ぶ機体となった。新技術評価のための実験的な意味合いの強い本機だったが、前述のような理由でS.M.S内でも投入される局面が限られ、チェルシー・スカーレットの乗機となる“ノートゥング”を含め、本機の生産機数は極めて少ない。今期、バンキッシュレースにその姿を表し投入されたのも、さらなる次世代型可変戦闘機開発のためのデータ収集の一環であると考えられている。VF-19C/MG21『マクロス・ザ・ライド』に登場。地球本星のライセンスを得たマクロス・ギャラクシー船団がVF-19Cを元に独自に生産したタイプ。MG21は21番目の新マクロス級であるマクロス・ギャラクシー製であることを示す。バルキリーレースのヴァンキッシュ星天カップにてペガッスス隊の機体が展示され人気を集める。VF-19A2地球本国仕様のエクスカリバー。A型との差異の詳細は不明。アクロバットチーム「エンジェルバーズ隊」のものは伝統的な白地に赤と青のラインが入ったカラーリングとなっている。同隊の機体は変形時の強度の確保のために主翼基部の砲塔が排除されている。マクロス・ギャラクシーで星天カップが行われた際にデモ・フライトを披露したとされている。劇場版マクロスF[]VF-19(イサム機)『劇場版 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜』にてS.M.S所属機として登場、イサム・ダイソンが搭乗しバジュラ母星における戦闘に参加する。YF-19やVF-19Aと似た形状で機体色はマクロスプラス登場のYF-19に準ずる。2050年代後半の技術による性能向上が行われており[15]本来のVF-19用のスーパーパックに加え前進翼にVF-25用スーパーパックから大型ブースター[16]を流用、肩部に新規のパーツが装着されている。設定考証担当の千葉昌宏によれば、機体はVF-19E型をベースにA型のパーツを寄せ集めて組上げた「YF-19レプリカモデル」でYF-19に近い空戦プログラムを入手して組み、VF-25用のスーパーパックは能力不足を補うため装着している[17]。小説版『劇場版マクロスF(下) サヨナラノツバサ』では、「VF-19ADVANCE(エクスカリバー・アドバンス)」、通称「イサムスペシャル」と名づけられており、S.M.Sマクロス・クォーター級クレイジー・ホース所属の機体とされている[18]。YF-19のピーキーな特性をそのまま再現してあり、搭載AIもYF-19のものが流用されている[19]。目次に戻る
その他のバリエーション[]
『モデルグラフィックス』2002年6月号の特集記事では同誌オリジナルのバリエーションが創作され、これを元にハセガワ製「マクロスオプションデカール」も発売された。これらの図版や作例は塗装や一部のデザインを変更しているものの、機体形状はYF-19のキットに準じている。ムック本『THIS IS ANIMATION SPECIAL マクロスプラス』に掲載された各VFカラーバリエーション設定のスタイルに則り、製作スタッフも一部重複しているが、以下は厳密にはオフィシャル設定として承認されていないため、その点に注意されたい。
VF-19A+第8721戦術戦闘飛行隊 (8721TFS) に当初配備予定だった機体。地球環境適合型として尾翼が大型化されたブロック45型生産機である。しかし、8721TFSに配備を急いだために間に合わず、実際は増加試作機と同じ垂直尾翼を持つブロック2Dの生産機であるA型が配備された。「A+(Aプラス)」は通称名である。VF-19CVF-19Aをベースに操縦性を向上させた機体。機体の形状をVF-19Aよりもより流線形にした機体である。脚部に「ズボンの折り返し」の様な形状の物体が付いておりVFCやカナード翼の様な機能を果たしており、安定性や操縦性を高めている。エンジン出力自体は増加しているが、出力コントロールの反応速度を一段下げ、機体の反応と合わせるようにソフトウェアも書き換えられている。また、機体上面のアクティブフローコントローラーも換装され、より安定性の高いものとなった。頭部に小口径ビーム砲1門を装備する。ただし、VF-19Aに慣れたパイロットには「反応にフィルターがかかっている」として不評である。愛称は便宜的に「ランサー」と呼称することもある。なお、VF-19改はVF-19Cを改造した機体ではない。VF-19ES民間企業をスポンサーとしたフォールドブースターによる速度記録飛行プロジェクト「フェートン」で使用された特別機。かつて開発に関わっていた一技師がスクラップを寄せ集めて再生した機体で、ペットネームは「ミステリー・シップII」と名付けられている。惑星エデンのニューエドワーズ空軍基地から地球のエドワーズ空軍基地へと1時間52分で到達し、新記録を樹立する。目次に戻る
YF-19[]
OVA『マクロスプラス』に登場するVF-19の試作型。新統合軍の時期主力可変戦闘機選定トライアル「プロジェクト・スーパーノヴァ」参画のため、2034年に開発計画が始動し、2040年には惑星エデンのニューエドワーズ基地において、VF-22の試作機であるYF-21とのコンペティションを行う。コールサインはα1(アルファワン)[20]。設計主任はヤン・ノイマン、テストパイロットはイサム・ダイソン中尉。彼以前にも何人かのテストパイロットが搭乗していたが、飛行テスト中の事故によりその全てが死亡もしくは後送されている。なお劇中ではイサムが搭乗するYF-19は2号機という設定である。
作中では上記の通り運用試験が行われるが、地球においてYF-19及びYF-21を含むあらゆる有人機を超える運動性を持つ無人機ゴーストX-9の開発が優先されたために試験は中止される。その後イサムとヤンによってX-9に一泡吹かせるために奪取され、地球へとフォールドを行う。追撃に向かったYF-21との戦闘の後に、自動防衛システムをジャックしたシャロン・アップルによって起動されたX-9と交戦する。最終的には損傷を負うもののマクロスシティに突入し、SDF-1マクロスの頭部にあるシャロン・アップルの中枢を破壊することに成功する。なおコクピットは基本的に1人乗りだが、この際ヤンは後部の非常用補助シートに搭乗してイサムのサポートを行う。
バリエーション[]
設定上ではYF-19は1号機から3号機まで存在している。また模型雑誌『モデルグラフィックス』誌上ではオリジナルバリエーションとして4号機、6号機が発表され、『ヴァリアブルファイター・マスターファイル』では8号機まで存在すると記述されている。
YF-19 1号機2度目の飛行試験で大破、テストパイロットは死亡。YF-19 2号機劇中でイサムが搭乗する機体。YF-21との総合的な性能比較試験が行われ、「シャロン・アップル事件」時にYF-21およびX-9ゴーストと初の実戦を行う。操縦桿を握らないと機体のシステムが起動しないグリップセイフティ機構になっており、大気圏突入時にアクティブステルスを切る他、風に任せて機体を飛ばす「龍鳥飛び」時にもセイフティ機構を利用する。『スケールアヴィエーション』2010年1月号には、制式採用後にデモンストレーション用として2号機にロイ・フォッカー・スペシャルの塗装を施したという設定の作例が掲載された[21]。この塗装はフォッカーを直接知るマクシミリアン・ジーナスの監修を受け、マクロス7船団を皮切りに各移民船団や移民惑星でイサムによってデモンストレーションが行われたとされる。この設定は非公式本の『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー』(ISBN 978-4-7973-5693-9)にも登場している。YF-19 3号機構造試験用の機体。カラーリングはF/A-18の試作機風に、白地にオレンジとなっている。ペットネームは「バード・オブ・プレイ」で、20世紀にTV放映されていた人気SFシリーズに登場する宇宙船[22]にシルエットが似ていることから名付けられたという設定である。その他のバリエーション[]
『モデルグラフィックス』2002年6月号の特集記事では同誌オリジナルのバリエーションが創作され、これを元にハセガワ製「マクロスオプションデカール」も発売された。これらの図版や作例は塗装や一部のデザインを変更しているものの、機体形状はYF-19のキットに準じている。ムック本『THIS IS ANIMATION SPECIALマクロスプラス』に掲載された各VFカラーバリエーション設定のスタイルに則り、製作スタッフも一部重複しているが、以下は厳密にはオフィシャル設定として承認されていない為、その点に注意されたい。
YF-19 4号機「シャロン・アップル事件」後再開されたテスト飛行において主にファイター形態での飛行特性のデータ採取に用いられる。3号機で再度徹底して行なわれた変形テストのデータを基にして各部品を新たに変更、そして信頼性を向上させた機体である。カラーリングは2号機と同様に、テスト機伝統のカラーリングである白地に紺色と黒色のラインが施されている。テストパイロットである「エイミー・カニンガム大尉」がVF-0「フェニックス」のテストパイロットの一人「オリバー・カニンガム」の血縁者だったことから、「0」を並べた「ダブル・ナッツ」のペットネームが与えられた。4号機では長距離作戦行動を想定して、大気圏内機動、大気圏外機動そしてフォールドブースターによる亜空間航行などでの耐久試験も行われる。これらのテストは既にイサム・ダイソンが搭乗した2号機によりある程度データが得られていたが確実性がなく、より信頼性を上げるために旧式のアームド級「ライホウ」を試験母艦として、様々な惑星や宇宙空間で長期間に渡り過酷な状況で何度も徹底し航行試験を行っている。VF-19が正規導入された後に、この単機による長距離作戦行動のデータはVF-19Pを誕生させるきっかけになっている。YF-19 6号機制式採用決定後に、地球のエドワーズ空軍基地における主にバトロイド形態でのエンジン・兵装の運用確認に用いられるが、ガンポッドの試射中に爆発事故を起こし廃棄処分となる。カラーリングはF/A-18の試作機風に白地に青となっている。追加兵装[]
フォールドブースターVF-22と共用タイプ。ファイター形態の機体上部に接続され、片道分の使用後は分離される。『マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!』では、熱気バサラがバトロイド形態の小脇に抱えた状態でフォールドブースターを使用する場面がある。ガンポッドΓ(ガンマ)巨大スピーカー内蔵弾(スピーカーポッドΓ)と大型ランチャー(ランチャーポッドΓ)から成る対艦用装備。VF-17T改が分割して搬送する。発射後、スピーカーポッドΓ先端にはピンポイントバリアが展開される。設定段階ではΓではなくΣ(シグマ)と名づけられていた[23]。追加・拡張装備[]
ファストパックYF-19、VF-19A用ファストパックステルス性の保持およびフォールドブースターとの併用のため、小規模のコンフォーマルタイプに限られている。推力を増す機能は付いていないが、推進剤は搭載されており宇宙での航続距離を伸ばすことができる。小型のミサイルも搭載されている。VF-19F/S用ファストパック大気圏内外両用。可変構造の関係上、機体上部のブースターパックが両肩の先端に接続されている。劇中では『マクロス7』第44話の「オペレーション・スターゲイザー」で使用される。VF-19改用ドラマ版ファストパックドラマ「リン・ミンメイ物語」に一条輝役として出演することになった熱気バサラにあわせて、バサラ所有のファイアーバルキリーに装着される張りぼて。VF-1用ファストパック風のデザインのものを前進翼を後退させた状態で取り付けることでVF-1風に見立てる。YF-19用陸戦パック「プロジェクト・スーパーノヴァ」におけるYF-19のテスト時に陸戦用オプションと見られる装備が登場し、内蔵火器で標的機のデストロイド・モンスターを一撃で破壊する。サウンドブースターVF-19改の背中にドッキングし、両肩上に大型の時空共振サウンドエナジースピーカーを展開する。大気圏内外での使用可能の追加ブースターも備えているためにファストパックの性能も兼ねている。VF-19改のいる範囲の区域まで自律航行で飛行も可能である。バトロイド形態での使用を確認されており、他のサウンドフォース機のように変形最中にも装備したまま変形できるかは確認されていない。3DCGモデル[]
制作当時にファイター形態の3DCGモデルが制作されており、『マクロスプラス』でのYF-19フォールド航行シーンや『マクロス7』OPのVF-19改発進シーンなどに使用されている。
また、『マクロスゼロ Blu-ray Disk BOX』購入者特典の『All That VF -Version Zero-』ならびに、『マクロスF』第1巻購入者特典の『All That VF -Version F-』ではアクロバット飛行を披露するVF-0とSV-51及びVF-25に混じってYF-19とYF-21の姿が確認できる。
関連書籍[]
ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー[]
「ヴァリアブルファイター・マスターファイル」シリーズの第2弾。2010年6月にソフトバンククリエイティブより発売。「2050年にマクロスシティで刊行された」という想定で執筆されたVF-19の研究書。YF-19の1号機からオリジナル機体を含む27種類のバリエーション機をその歴史とともに詳細に解説。執筆には千葉昌宏、岡部いさくらが参加し、スーパーバイザーとして河森正治も名を連ねているが、巻末にて「公式設定」ではないと断り書きが入っている。全128ページ。定価2600円+消費税。
バリエーション機[]以下、本書のオリジナルバリエーション機を記す。
XVF-19-1VF-11に前進翼を取り付けた改造機。2038年9月建造。飛行テストを行いVF-19開発のためのデータ収集が行われた。XVF-19-14XVF-19-4に新型熱核タービンエンジンの試作型(FF-2199.1.00)を組み込んだ実験機。2038年12月完成。飛行実験中にエンジントラブルが発生し機体は爆散。YF-19-8YF-19の8号機。複座型で後部座席には体験搭乗者が座る。ギャラクシー・デモンストレーションツアーでは白とオレンジ色の塗装が施された。YVF-19YF-19の1~8号機の後、2040年11月に生産された先行量産型。仕様としてはVF-19Aと同じ。3機のみ生産され、そのうちの1機は複座型。VF-19BVF-19Aと同時に発注された複座型。コックピットとノーズ部分以外はVF-19Aと同じ形をしている。VF-19DVF-19Cの複座タイプ。VF-19E宇宙用特化型の試作量産機。エンジンがrev.2になり脚部の形状が大きく設計変更されている。F型の原型となった。VFA-19A アサルトカリバーVF-19Aを改造した攻撃型。機体下部に2門のレーザー砲塔が追加されている。ファイター形態でもピンポイントバリアが展開可能となっている。A型からの改造の他、新造で24機が追加生産されている。VRF-19D リコンカリバー偵察型。ベースはVF-19D。非武装。VEF-19D ウォーニングカリバー早期警戒型。ベースはVF-19Dで、上部に四角いレドームを搭載している。VEF-19E ウォーニングカリバーII大気圏外での使用を前提に、大型の三角形のレドームが設置された早期警戒型。ベースは宇宙用のVF-19EVC-19V VIPカリバー要人護送型。ベースはVF-19C。要人の救出にも使用された特殊作戦機。乗員は5名。改修により変形機能はオミットされた。VF-19S+VF-19Sの改良型。外観の違いは無く、主にアビオニクスが改良されている。VEF-19D ウォーニングカリバー+早期警戒機「ウォーニングカリバー」の改良型。探知能力が向上している。脚注[]
テンプレート:脚注ヘルプ
- ↑ 『B-CLUB vol.145』バンダイ、1997年。
- ↑ パイロットの人気も高く、男性キャラクター部門の人気投票では、バサラは4位、イサムは5位に選ばれている。
- ↑ アクティブステルスについては『マクロス プラス』ならびに『マクロス7』制作当時の設定。後に『マクロス ゼロ』でVF-0とSV-51が搭載しているという設定が作られたため、時代的には初ではなくなった。
- ↑ Vortex Flow Controller(渦流制御器)とは、機体表面に微量のガスを噴射して気流に渦を発生させ、負圧により機首の動きを制御する装置(野球の変化球をイメージされたし)。これを用いると尾翼がほとんど不要となり、大迎角飛行でも機敏な姿勢制御が行える。
- ↑ 『マクロス7』第23話以降の本編冒頭に挿入されるナレーション部分の表記より。当時バンダイから発売された玩具の商品名は「DXファイヤーバルキリー」となっている。
- ↑ 『マクロス7』第27話「七色の歌エナジー」において、声が出なくなったバサラがフェイスプレートで口を隠した状態で操縦し、声を取り戻した直後にこれを開いて口を露出させるという演出がある。
- ↑ 『ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-19 エクスカリバー』ソフトバンククリエイティブ、2010年、125頁。
- ↑ VF-19の開示を渋る理由の一つには2041年にイサム・ダイソン搭乗のYF-19 2号機が単独で地球防衛網を突破し地球に降下、新地球統合軍の本部であるSDF-1マクロスマクロス頭部にあるシャロン・アップルの中枢を破壊したことに由来する可能性がある。
- ↑ 一部ではVF-19改の開発データや運用データを基に開発された説がある。バトロイド形態時の肩のパーツもVF-19F型よりもVF-19改型に似ている。
- ↑ 2051年に反統合政府組織のエイジス・フォッカーが搭乗するVF-19Aがギリアム・アングレート(搭乗機体は不明だがVF-22Sと言われている。)とたった2機で地球防衛網を突破後にマクロスシティの防衛部隊を一掃し、SDF-1マクロスの頭部を破壊したこの様にイサム・ダイソンの搭乗するYF-19 2号機と同様の結果を出したことからも同等以上の性能が伺える。
- ↑ ハセガワから発売された「1/72 VF-19A RAVENS」のネームデカールはエイジス機ということになっている。
- ↑ この形態はゲーム『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』においてもYF-19にて再現された。また、『マクロスアルティメットフロンティア』ではYF-19・VF-19A・VF-19改・VF-19Pのブースト中に再現されている。
- ↑ 小太刀右京『劇場版マクロスF(上)イツワリノウタヒメ』83頁。
- ↑ 小太刀右京『劇場版マクロスF(下)サヨナラノツバサ』165頁。
- ↑GA Graphic
- ↑ 『OFFICIAL COMPLETE BOOK 劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜』角川書店、2011年、79頁。
- ↑ 『グレートメカニックDX17』 双葉社、2011年、102頁。
- ↑ 小太刀右京『劇場版マクロスF(下) サヨナラノツバサ』265頁。
- ↑ 小太刀右京『劇場版マクロスF(下) サヨナラノツバサ』266頁。
- ↑ YF-21のΩ1(オメガワン)と対をなしているが、劇場版ではコールサインがイーグル1へ変更されている。
- ↑ 同号はロイ・フォッカー・スペシャルの元になったジョリー・ロジャース特集であったことと、ハセガワ製1/48スケールのプラモデルが新発売されてから間もない時期でもあったため、それに合わせたものでもある。
- ↑ 『スタートレック』シリーズのバード・オブ・プレイ。
- ↑ 『マクロス7 アニメーション資料集』小学館、1995年、101頁。ISBN 978-4091015839
関連項目[]
- X-29(VF-19のデザインモチーフとなった実在する前進翼実験機。VFCも搭載している)
- Su-27(VF-19とVF-11のデザインモチーフとなった実在する戦闘機)
- Su-47(実在する双発前進翼機。マクロスプラス発売より3年後の1997年に初飛行し、YF-19と同じ双発前進翼機であることを始め、デザイン上の共通点がモチーフとなったX-29より多く存在する)
- 運動能力向上機
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