VF-4_ライトニングIII

ページ名:VF-4_ライトニングIII
マクロスシリーズ > 可変戦闘機 (マクロスシリーズ) > VF-4 ライトニングIII

VF-4 ライトニングIII(ブイエフ フォー ライトニング スリー LIGHTNING III)は、OVA超時空要塞マクロス Flash Back 2012』、およびプレイステーション用ゲーム『マクロス デジタルミッション VF-X』などの「マクロスシリーズ」作品に登場する架空の兵器

「ファイター(航空機)」と「バトロイド(人型ロボット)」、そして両者の中間である「ガウォーク」の3形態に変形する可変戦闘機(ヴァリアブル・ファイター=VF)の1つ。愛称(ペットネーム)の「ライトニング」は英語で「稲妻」「雷光」を意味し、実在の戦闘機P-38とF-35(ライトニングII)も同じ愛称で呼ばれている。

メカニックデザインはVFシリーズの生みの親であり、古くから「マクロスシリーズ」に関わりの深いメカデザイナー河森正治によって行われた。デザインモチーフは実在の超音速偵察機SR-71 ブラックバード。テンプレート:ネタバレ

目次

機体解説[]

機体諸元
VF-4 ライトニングIII
(寸法は全て大気圏内仕様S型のもの)
設計製作ストンウェル・ベルコム
全長ファイター:14.9m
全幅ファイター:14.3m
全高ファイター:3.7m
空虚重量13,950kg
エンジン(主機)新中州/P&W/ロイス熱核タービン FF-2011×2
(副機)P&W高機動バーニアスラスター HMM-1A
エンジン推力(主機)14,000kg×2
最大速度(海面上)M1.12+
(高度10,000m)M3.02+
(高度30,000m以上)M5.15+
乗員1名(B型は2名)
攻撃兵装単砲身荷電粒子ビーム砲×2(両双胴ナセルに各1門)
3砲身荷電粒子80mmガトリング砲×1
(ガンポッド形式・胴体下に半埋め込み、投棄可)
セミ・コンフォーマル式中距離誘導ミサイル×12
(各双胴に6発ずつ、射程65km - 120kmまで各種)
30mm6連ガトリング砲(D型、S型)
Gu-11/55m×3連ガンポッド×1(D型、S型)
他、外部ハードポイント用オプション多数

ストンウェル・ベルコム社が、VF-1 バルキリーの後継機種として開発した機体。VF-1で問題視された宇宙空間での機動性強化や活動時間の延長を目標とし、通常装備でVF-1スーパーパーツ(FASTパック)装備型の約40%増しの能力を持つ。

機体形状は独特の三胴形式を採用。ストンウェル社が名付けた公式名「ライトニングIII」の他にも、その形状の特異さと美しさからパイロットや整備員によって「アロー」、「サイレーン」などのペットネームで呼ばれることも多かった。

固定武装として、宇宙空間において温度変化や弾丸数、発射速度の影響を受けにくい粒子ビーム砲を標準装備。他にも、半埋め込み式の中距離ミサイルの装備などの特徴が見られる。これはVF-1が主にハードポイントや、ガンポッドに外部兵装を依存したため、汎用性と引き換えに武装時の速度や航続性能、更にはステルス性が悪化した反省を踏まえ配置されたもので、有効射程も更に延長されている。

なお、本機の40%増しの性能向上の判定は、宇宙空間でのVF-1スーパーパーツ装備型との模擬戦闘テストに於いて、ノーマル状態のVF-4のミサイル射程、命中精度、加速性、及び空間機動性等(いずれもファイター時)に於いての成績を測定した結果である。

生産開始は2012年。「メガロード01」の出航に間に合わせる形で配備が行われ、以後2020年までにはほぼ全ての宇宙航空隊に配備が完了した。しかし大気圏内の性能は、最大速度・加速性は良好なものの、機動性・低空特性はVF-1より幾分劣っていたため、完全な代替とまではならず、並行してVF-1の改修と生産も継続された。2022年の生産終了までに8245機が生産されたが、2020年代後半には大気圏内での機動性に優れるVF-5000 スターミラージュ が量産・配備されたため、本機は宇宙空間を主領域として運用されることとなる。

結局、VF-1の汎用性までをもカバーした完全な後継機は、2030年代に制式採用されるVF-11 サンダーボルトの登場を待たねばならなかった。なお、本機の航宙機としての能力はVF-14 ヴァンパイアに受け継がれる。

2047年のミルキードールズ誘拐事件時のオルフェウス作戦に当たったステルス強襲潜航母艦ヴァルハラIIIにもVF-4Gが搭載されているが、この時点ではもはや旧式機とされている。

設定・デザイン[]

VF-1に次いで2番目にデザインされた。機体のモデルであるSR-71が好きだった河森は、中学生の頃から三胴型の飛行機をよく描いていたと語っている。テレビアニメ版『超時空要塞マクロス(初代マクロス)』の最終話「やさしさサヨナラ」(1983年6月26日放送)に模型として登場した後、『Flash Back 2012』(1987年6月21日発売)でより空力に沿ったデザインに変更されて再登場した。この時はファイター形態の設定しか存在しておらず、アニメ雑誌などでは非変形機として紹介されていた。

1997年2月28日に発売された『VF-X』にて正式なガウォーク、バトロイド形態が設定され、以後定着する。

機体名について[]

初期は単に「ライトニング」と呼ばれた時期もあった。現在でも文献により双方の表記の混在が見られる。このローマ数字のIIIは以下現実戦闘機の命名の歴史にちなんだ事情による。

第二次世界大戦時に連合国各国空軍・陸軍航空隊で使用された双発双胴の戦闘機、ロッキード(後のロッキード・マーティン)P-38は「ライトニング」という愛称で呼ばれた。21世紀初頭から配備が始まったF-22は「ラプター」の愛称で呼ばれているが、YF-23との競争試作および実用試験当初は「ライトニング II」という愛称であった。VF-4はこれらの機体の名を受け継ぐものとして"III"のローマ数字を使用した。このことについては、河森本人も雑誌や各種SFアニメ系資料でコメントしている。

なお、現実において「ライトニング」の愛称がつけられた軍用機としては他にイングリッシュ・エレクトリック ライトニング、F-35 ライトニング II があるが、後者の場合、VF-4 はこれよりずっと以前に設定されており、命名に関しては全くの無関係である。

しかしながら、この設定は1995年以降に各種ゲーム媒体での添付資料から付加されたものであるため、それ以前の資料などでは、同機の試作実証機で形状の細部が大幅に異なるVF-X-4 サイレーンの呼称や、無印のライトニングの呼称が混在している状況である。河森はサイレーンの名が、『超時空要塞マクロス II』に登場する「メタル・サイレーン」なる機体と紛らわしいために改称したともコメントしている。

VF-4 は日本国外でハーモニーゴールド USA (Harmony Gold USA)社がマクロスほか2作品のライセンスを取得、同一世界の異なる時代と世代を描いた、連続する1つの大河ストーリーとして翻案、再編集された作品である『ロボテック』(Robotech)版に於いても、2003年のワイルドストーム(Wildstorm)社DCコミックの子会社)が出版した『Robotech: From the Stars』にも登場。Rick Hunter(一条輝)による飛行試験中に、反乱ゼントラーディ人の待ち伏せで危機に陥った旧式のVF-1A(量産型)や指揮官機VF-1Rで構成された小隊の救援に急行する活劇における「真打ち登場」的な見せ場が用意される等、国内よりも知名度が高い。

バリエーション[]

VF-X-3後の生産型と共通性の少ない実証機。VF-1の部品を30%流用している(変形はファイターとガウォークの2形態のみ。X-4も同様)。VF-X-4後の生産型と共通性の少ない試作機。VF-1との部品共用率10%。VF-4A最初の生産型。当初は不要ということでバトロイドへの変形機能はロックされていたが、パイロットの要望もあり、後期のブロックでは機能付加された。VF-4B複座の攻撃機能強化型。後席は電子戦士官搭乗だが、操縦機能が残されているため、練習機としても使われる。VF-4C大気圏内仕様への換装可能な発展型。大気圏内・外双方の活動機会がある部隊に優先配備。VF-4D上記型の海軍(艦上機)仕様。宇宙用装備を外されて大気圏内専用になった機体も多いが、 機動性が劣るためドッグファイター以外の目的、主に迎撃や、ミサイルを活かしての対艦戦闘攻撃機として使用された。VF-4S上記型の大気圏内専用仕様。Sは海上 (SEA) の略とも言われており、不要装備の除去、エンジン換装、塩害対策などが施されている。VF-4SLエンジンを 新中州 / P&W / ロールス・ロイス plc製 FF-2011 熱核タービン(宇宙空間最大推力165KN×2。チューンナップにより出力20%向上)、その他 P&W 製高機動バーニアスラスターHMM-1A、スラスト・リバーサー、3D機動ノズル装備し、防御用兵装として「エネルギー転換装甲SWAGシステム」一式を搭載。ライトニングIIIの大気圏内仕様であるS型の腕部と一部変形機構をオミットし、対艦攻撃・邀撃機に特化した仕様で“VF-4軽装型”と呼ばれることもある。バトロイドへの変形は行なえず、腕のないガウォークにのみ変形が可能。統合軍の移民船団護衛部隊で愛された同機のほとんどは、VF-11 サンダーボルトVF-14 ヴァンパイア(可変攻撃機の派生型VA-14 ハンターを含む)への機種転換によって民間に払い下げられており、この機体でオストリッチ・レースのように腕部を必要としないレースなどに参戦している姿が描かれている。VF-4Gシリーズの最終型で本来の用途である宇宙戦能力を強化した機体。エンジン、アビオニクス、粒子ビーム砲などが新世代の技術で改良されている。

登場作品[]

・話・編・歴
マクロスシリーズカテゴリ

zh:VF-4閃電三式



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