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メガロード-01(メガロード ゼロワン)は、OVA『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』に登場する架空の宇宙船。人類の種や文化の存続を主眼において立案された「銀河播種計画」を実行する第1次超長距離移民船団の旗艦。
テンプレート:ネタバレ
1999年2月、地球に異星人の宇宙戦艦、識別名ASS-1(エイリアン・スターシップ・1)が墜落。異星人の存在を察知した人類は、地球統合政府と地球統合軍を樹立し、地球を防衛する手段としてグランドキャノン構想と宇宙艦隊構想を考案する。その宇宙艦隊の中核として、ASS-1をSDF-1マクロスに改修し、その過程で得たオーバーテクノロジー技術のフィードバックを受け、月面アポロ基地の地下工場にてマクロス級2番艦(SDF-2)の建造が始まった。墜落船の未知のシステムをほぼそのまま流用した結果様々なトラブルに見舞われたSDF-1に対し、SDF-2は統合軍による運用を前提とした全くの新設計艦である。巨大艦隊中の単なる1砲艦にすぎぬと思われるASS-1と異なり、SDF-2は単艦で長距離長期間の作戦行動を可能とすべく、莫大な新機軸の元に製作された。艦のサイズもSDF-1の1,200mよりも二周り程大型化し1,620mとなるが、地球側の技術展開により総質量の増加は比較的軽微な物である。当初はマクロスより遅れて4年後に進宙し、2番目の恒星間宇宙戦艦として就役する予定であった。ゼントラーディ軍との第一次星間大戦中も建造が進められ、月面であることが幸いしてゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊の地球軌道爆撃を免れることができた。
終戦後しばしの中断を経て、種の保存を目的とした新統合政府の宇宙移民政策(銀河播種計画)の第1陣として、宇宙戦艦から宇宙移民船へと計画が変更されることになった。この際、艦級がマクロス級からメガロード級へと改められ、「メガロード級移民船1番艦メガロード-01」となった。設計も全面的に見直され、透明スクリーンに包まれた都市区画を核とする構造となった。全長は1,770m、全備重量は3,030万t、長旅に備え物資の備蓄・生産区画を拡げたため、乗員はSDF-1の半分以下の25,000人とされた[1]。移民船であるため戦闘能力は低く、SDF-1では市民生活を混乱させたトランスフォーメーション機能は採用していない。道中の有事に備えゼントラーディ艦を含む新統合宇宙軍の護衛艦隊が随行した。
メガロード-01率いる第1次超長距離移民船団は2012年9月に地球を出発し、人類の居住可能な惑星を探して銀河系中心方面へと旅立っていった。艦長はSDF-1の航空管制主任を務め、新統合政府の要職でもあった早瀬未沙(後に一条未沙)。当初よりSDF-2艦載機として開発されていた新鋭可変戦闘機VF-4ライトニングIIIを主力とする護衛部隊には、一条輝指揮下のスカル大隊が就いた。また、第一次星間大戦を勝利に導いたアイドル歌手リン・ミンメイも、地球各地で「さよならサマーコンサートツアー」を成功させた後、本艦に乗艦している。なお、メガロード-01就航直後には宇宙航路の調査を兼ねた先遣隊として、SDF-1の量産型SDFN級12隻が順次地球を発っている(乗員は軍人・民間人あわせて1万人規模)[2]。
しかしながら、2016年7月頃、メガロード-01は銀河系中心付近で新統合政府との連絡が途絶え、以後消息は確認されていない(未知のメロディーの正体を探るべくダークホール内に侵入し、別の銀河へ転移したとの非公式情報もある)。新統合政府が宇宙移民政策の動揺を懸念してこの件を公表しなかったため、一般にメガロード-01と乗員達は航海中であると信じられており、リン・ミンメイやスカル大隊の功績が伝説化して語り続けられている。
その後も、2030年に後継である新マクロス級超大型移民船が出航するまでの間、メガロード級が建造され、第2次以降の超長距離移民船団の中核として銀河系各方面へ旅立ち、人類の宇宙生活圏拡大に大いに貢献した。
以下は『マクロスF』初期アバンタイトルに映る移民船団の航路図より抜粋。メガロード級はすべて地球から出発している。なお、この航路図ではメガロード-04が2013年に惑星エデンに到着しているが、『マクロスF』以前のシリーズ年表では惑星エデンは「近距離移民船団が2014年に発見した」とされている。
メガロードの名は『超時空要塞マクロス』の企画時の仮題『バトルシティー メガロード』に由来する。'Mega Road'(偉大な道)と'Mega Load'(過積載)を掛け合わせた造語で、過積載とは宇宙戦艦の中に一般市民が暮らす不条理を言い表したものである。その姿は『超時空要塞マクロス』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の作中に登場せず、テレビ最終話の会話で軽く触れた程度だった。実際は最終話に登場する予定があり、「SDF-2メガロード」のデザインや早瀬未沙の艦長コスチュームも描かれていたが、シナリオ変更によりお蔵入りとなった。これらの設定画は放送後に発売されたムック『超時空要塞マクロス パーフェクト・メモリー』(みのり書房 1983年)に掲載された[4]。宮武一貴が描いたSDF-2メガロードはサイズや艦橋、両腕にアームド級宇宙空母が備わっている点以外はマクロスのマイナーチェンジ版に近い。『アニメージュ』の記事[5]には2013年9月9日に進宙式が挙行され、2014年2月に銀河系中心方面へ出発予定、乗員は8万人とある。
『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』において初めて映像に登場するが、これは河森正治デザインの「ビデオバージョン」で宮武のテレビ設定版とは大きく異なる。マクロスでは主砲だった艦首部分に大きく居住スペースが割り当てられ、移民船としての印象を強くするデザインとなった。名称は作中の看板から「MEGAROAD-0×」と読める。この作品はイメージビデオとして年代や人物の設定が特に決められておらず、移民船団がいつ出発したのか、リン・ミンメイが乗艦したのかは明らかにされなかった。
続編の『マクロスプラス』『マクロス7』は宇宙移民が進む2040年代を舞台とし、それに至るシリーズ年表も制作された。メガロードに関しては移民船への変更に伴いSDF-2をメガロード-01に改名したこと、メガロード-01は2012年に出発し2016年に消息不明となったこと、メガロード級が量産されたことなどが新たに設定された。『マクロス7』ではアバンタイトルでビデオ版メガロード-01の出発シーンが描かれ、謎の異星人勢力バロータ軍はメガロード-13が発見したバロータ星系から出現したとされた(プロトデビルンを参照)。当時の『アニメージュ』の記事[6]ではミンメイはメガロード-01に乗らず芸能界を引退したと説明していたが、のちにゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の特典「リン・ミンメイのさよならメッセージカード」において、ミンメイを乗せたメガロード-01は謎の歌声を追って未知の宇宙へ向かったと記された。
『マクロスF』のアバンタイトルでもビデオ版メガロード-01の出発シーンが描かれているが、2059年でも依然消息不明の模様である。分冊百科『マクロス・クロニクル』No.14にはメガロードの2種類のデザインに関し、宮武版(テレビ設定)が宇宙戦艦SDF-2の完成予想図で、河森版(OVA設定)が移民船に設計変更後のメガロード-01であるとの新解釈がある。
「マクロスF カブキ・ウォーバード」ではメガロード級「オーディーンII」が登場する。指揮官はバッキーニ提督。艦載機はVF-4GライトニングIII。超長距離移民任務終了後の2040年、既知宙域で単独の移民任務についていたところ、所属不明機の攻撃を受ける。艦載機を撃墜され、逃れるために惑星セフィーラへ緊急フォールドしたところ、重力制御バランサーが故障し惑星に墜落しそうになるが、すんでのところで救助される[7]。
『超時空要塞マクロス トゥルーラブソング』においては、西暦2043年に第2次以降の超長距離移民船団の中核となるメガロード級同型艦「オーディーンIV」が護衛艦隊とともに処女航海へと出る。その帰途に何者かの工作によるフォールド・システムの暴走によりやむなく座標計算を行う間もなく緊急避難的にフォールドを行うが、当初の航路からは26光年も離れた座標にデフォールドしたため、当初の移民の目的を中止し、地球への帰還を目指す。
アメリカ版マクロスこと『ロボテック』の独自設定ではSDF-2は月面地下ではなく地球のマクロスシティで建造され、湖の中にSDF-1と背中合わせで立っている。アニメ版にこのような描写はないが、1989年発売のコミック版最終巻では2014年にKyron(カムジン・クラヴシェラ)一派の奇襲を受け、SDF-2はKyronの戦艦の体当たり攻撃で大破し、Lisa Hayes(早瀬未沙)以外のブリッジクルーが全員死亡する[8]。続く『Robotech II:The Sentinels』では、2022年にLisaやRick Hunter(一条輝)らがゼントラーディ艦を改修したSDF-3 Pioneerで宇宙航海に旅立つ。(遠征艦隊軍(UEEF) / Robotech Expeditionary Force)
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