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テンプレート:架空の人物リン・ミンメイ(鈴明美)は、テレビアニメ『超時空要塞マクロス』および関連作品に登場する架空の人物。同作品の主要登場人物の一人。声の出演は飯島真理。
テンプレート:ネタバレ
『超時空要塞マクロス』をはじめとする「マクロスシリーズ」の基本要素のひとつ、「歌」を象徴する作品世界のディーヴァ(歌姫、女神)的なキャラクター。日本のアニメ史においてもエポックメイキングな「架空のアイドルキャラクター」である。その歌唱曲が従来のアニメ主題歌や挿入歌とは異なり、現実の音楽市場でも当時の流行に即したポップソングとして認められ、大ヒットしたことは画期的な事であった。また、その人気が声優担当の飯島真理の歌手デビュープロモーションにつながった点は、アニメキャラクターと音楽のメディアミックス戦略の先駆例ともいえる。劇場版主題歌「愛・おぼえていますか」はオリコンチャートのトップテンに入り、飯島は『ザ・ベストテン』などのテレビ音楽番組にも出演した。この方向性はアニメ作品中に架空の歌手を登場させるという傾向を生み、後のバーチャルアイドルのような動きにも絡むことになる。
作中では主人公も顔負けの強い印象を放つが、企画当初はサブキャラクターのひとりに過ぎなかった(中華料理屋の看板娘で、マクロスのブリッジへ出前を届けるシーンも考えられていた)。しかし、制作スタッフの趣味でアイドル歌手に仕立てられ、恋愛ドラマの「憧れのマドンナ役」となる(芸能路線はキャラクターデザイナー美樹本晴彦のアイデアで、当時熱中していた松田聖子や中森明菜がモデルとなった)。作品序盤で目立ちつつ本命のヒロイン早瀬未沙と交代し、物語の本筋に絡まないまま終わるはずだったが、制作過程で「歌(文化)」というキーワードが浮上したことから、それに関わる重要な役柄が与えられていった。
制作スタッフの河森正治と美樹本晴彦は性格が良く可愛いという従来の「都合の良いヒロイン」へのアンチテーゼとして、多少性格の悪い部分もある、全員に好かれなくてもいいキャラクターとしてミンメイを設定した[1]。アニメファンの理想像よりも等身大に近い現実的な少女像を優先した描写から、当時の視聴者はビジュアルと性格のギャップに戸惑い、人類の存亡をかけた宇宙大戦への無邪気すぎる態度から「わがまま」、「ぶりっ子」という反感を憶える者も少なくなかった(当時の『アニメージュ』誌上の読者投票企画で「嫌いなキャラクター1位」に選ばれもした)。劇場版では落ち着いた作風に合わせて「努力家」へ設定変更され、従来のアニメファンも比較的感情移入しやすいキャラクターとなった。以降のシリーズ作品ではさらに「歴史上の偉人」として、偶像崇拝的な描かれ方もされている。『マクロス7』第11話「ミンメイ・ビデオ」ではアイドルの虚像が美化され、巨大化していく現象への問いが投げかけられている。
西暦1993年10月10日生まれ(井上敏樹による小説版では西暦1993年11月28日生まれと表記[2])。第1話時点で15歳。横浜出身。父は鈴宝雄(リン・パオチュン)、母は鈴しげよ。父の弟、鈴少江(リン・シャオチン)と鈴慧中(リン・フェイチュン)夫妻の息子が従兄の鈴海皇(リン・カイフン)。
名前の漢字表記は「鈴明美」。中国語圏におけるテレビ放送では姓を林(リン)とした「林明美」表記が見られる。アルファベット表記は「Linn Minmei」(ピン音表記では「Ling Mingmei」)。ポスター・アルバム等では「LynnMinmay」表記が多く見られる。企画初期の名前は「斉明美(サイ・ミンメイ)」であった。
横浜中華街で中華料理店の明謝楼(ミンシャロウ)を経営する両親の一人娘。元子役スターの叔母の影響で、幼少時より芸能界に憧れる。15歳のときレコード会社の歌手オーディション予選に合格するが、宇宙戦艦マクロスの進宙式を観ようと遊びに訪れていた南アタリア島で、異星人との交戦に巻き込まれる。自身を救助した一条輝とともにマクロスに乗艦し、艦内に収容された市街地に住むことになる。
性格は明るく屈託がなく、艦内で叔父の中華料理店「娘々(ニャンニャン)」を再開しようとするなど、環境に順応する積極性を持っている。しかし、一部自己中心的で八方美人という現代的な少女という性格で、他人の感情や立場を配慮することが不得手である。このため、自身も一条輝への好意を持っているにも関わらずそれに無自覚なために、結果的に恋愛に疎い彼を振り回すことになり、二人の思いがすれ違っていく原因となる。
しばらくは店の看板娘という以外は平凡な高校生であったが、艦内放送開局イベント、ミス・マクロスコンテストでの思わぬ優勝をきっかけに芸能界入り。瞬く間に人気アイドルとなり、レコード、コンサート、ラジオDJから、カンフー映画「小白竜(シャオ・パイ・ロン)」の主演まで華々しく活躍する。この映画で共演した従兄のリン・カイフンから求婚され、のちに婚約者となる。宇宙戦争という現実にも霞むことのない天真爛漫な魅力は、流浪のマクロス市民を励ますだけでなく、異星人ゼントラーディ軍の兵士までも魅了し、やがて戦争終結に大きな役割を果たすこととなる。弱小ビッグスター・レコードに所属するが、艦内市民を癒すアイドルを育てるため、軍部が影で強力に支援したと噂されている。
終戦後は地球各地を回り復興に尽力するが、アイドル人気凋落の悲哀を味わう。歌うことの意味に迷いカイフンと離別。そうやってようやく認識した一条輝への想いも失恋に終わり、ひとり歌手として生きる道を選ぶ。
劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の設定では歌手になるため勘当覚悟で実家を飛び出し、マクロス進宙式典のミス・マクロスコンテストで優勝。作品冒頭からすでにトップアイドルとして活躍している。年齢は17歳に変更されている。辣腕マネージャーの実兄リン・カイフンとともに強いプロ意識をもつが、しばし人気に疲れ、ファンである一条輝との幸せに憧れる。しかし最後には天職を選んで、大スターへの道を歩みだす。
本作品は公開当初はテレビシリーズとの違いはパラレルワールドという解釈であったが、後に「第一次星間大戦の戦勝20周年を記念して(マクロス世界における)2031年に作られた映画」という設定となった。戦局を勝利に導いたリン・ミンメイの功績をフィーチャーしたことから、クレジットでは本作の「主演」と記されている。
なおテレビ版第2話にて、一条輝の駆るバルキリーから空中に放り出され、アクロバットの末に機内に収容されるシーンがあるが、劇場版序盤で同様のシチュエーションが再現される場面では、落下して間もなく気を失う。後に『マクロスF』第2話でも同様のシーンが登場する。
超時空要塞マクロス THE FIRST[]2009年に『マクロスエース』にて連載開始された漫画『マクロス THE FIRST』では美樹本晴彦によってデザインがリニューアルされている。新しいチャイナドレスはゆづか正成のデザイン。また、新たに「おこげ」という耳の長い謎の小動物を飼っている。
超時空要塞マクロス Flash Back 2012[]『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』では、戦争終結から2年後の2012年、第1次超長距離移民船団への乗船を決め、同年夏にさよならサマーコンサートを成功させる。作中ではそのステージと、メガロード級移民船1番艦メガロード-01に乗っての旅立ちが描かれる。劇場版の身の上話で語られた家出シーンがある他、10年後のイメージ(喪服姿)など様々な未来像が登場する。
後日談[]「マクロスシリーズ」の公式年表では「2016年、メガロード-01とともに銀河系中心部で消息を絶った」と設定されている。プレイステーション用ゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の特典「リン・ミンメイのさよならメッセージカード」には、2016年7月7日付けで「ブラックホールから聞こえる謎の歌声を追って、メガロードは未知の宇宙へと旅立ちます」と記されている。なお、この情報を政府が非公開にしたため、公にはメガロード-01は宇宙を航行中と信じられている。その後、2031年公開の映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が大ヒットし、ミンメイブームが再燃。主題歌「愛・おぼえていますか」を含む往年のヒットナンバーも愛唱歌(懐メロ)として定着する。ミンメイは宇宙大戦を終結に導いた伝説の歌姫として歴史に名を残し、「マクロスシリーズ」の作品に度々その名が登場することになる。
超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-歌による異星人撃退戦術が「ミンメイ・アタック」と命名される。小説版では「ミュージカル女優に転身し、生涯独身だった」と語られている(ただし、作品自体がパラレルワールドと見なされている)。マクロスプラスヒロイン、ミュンの友人ケイト・マッソーがカラオケボックスで『私の彼はパイロット』を歌う。マクロス7マクロス7船団の居住区(シティ7)において、伝記ドラマ「リン・ミンメイ物語」が放送され、視聴率94%を記録する。ミンメイ役はミレーヌ・ジーナス、一条輝役は熱気バサラ。また、ミンメイの功績をもとに統合軍内部でプロジェクトMが進行し、彼女の熱狂的ファンである軍医Dr.千葉は独自に「歌エネルギー理論」を考案、実証し、対プロトデビルン戦において絶大な威力を発揮する。マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!リン・ミンメイに憧れるエミリア・ジーナス(マックス、ミリア夫妻の五女)が登場する。マクロス7 トラッシュ功績を讃え毎年オーディションで「ミス・ミンメイヴォイス」が選ばれる。ヒロインのエニカ・チェリーニは2046年度の合格者。マクロス・ジェネレーション再来といわれる歌手カナリー・ミンメイが登場する。ヒロインのパッセルはミュージカル「リン・ミンメイ物語」の主役を目指している。マクロス VF-X2最終ステージの作戦コード「Remember Love(愛・おぼえていますか)」にちなみ、部隊コードが「ミンメイ」となる。マクロスF伝統の祭典として「ミス・マクロスフロンティア・コンテスト」が開催されており、出場したヒロインのランカ・リーが「伝説の曲」である「私の彼はパイロット」を熱唱する。またランカをスカウトした芸能プロ社長エルモ・クリダニクの名刺の絵柄やメールアドレスがミンメイになっており、ランカの兄オズマを説得する際にも戦争を終結に導いた彼女の偉業を引き合いに出す。最終話ではS.M.Sのオーナーであるリチャード・ビルラーがミンメイの写真をロケットの中に入れていた。本作の脚本家吉野弘幸は2人のヒロインについて、ランカはテレビ版のミンメイ、シェリル・ノームは劇場版のミンメイをモデルにしたと述べている[3]。なお彼女の名声もあって知名度を得た「娘々」は、その後向かいに住んでいた知人の少年・よっちゃんが引き継いで各移民船団にチェーン展開を行い、『マクロスF』では50周年を迎えている(第1話では彼女をモチーフにしたキャラクターの登場する店のCMが登場する)。
アメリカのADVフィルム社が2006年より発売しているDVD、Super Dimension Fortress MACROSSでは、オリジナルを演じた飯島が22年ぶりに英語の台詞でミンメイ役を務めている(日本国内では未発売)。
以下、説明中に作詞者・作曲者が記載されていない曲は、阿佐茜作詞、羽田健太郎作曲である。
テンプレート:脚注ヘルプ
it:Lynn Minmayko:링 밍메이sr:Лин Минмејzh:林明美
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