登録日:2011/07/04 Mon 04:52:12
更新日:2023/08/18 Fri 10:27:25NEW!
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「剣と心を賭して
この戦いの人生を完遂する!」
それが拙者が見い出した答でござる!!
緋村剣心とは漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。
作品展開の都合上、各作品ごとに微妙な設定の違いがあるが本項目では原作漫画版を基本とする。
■目次
■プロフィール
生年月日:嘉永2年*16月20日
星座:双子座
血液型:AB型
出身:不明(関西?)
身長:158cm
体重:48Kg
特技:口八丁
苦手なもの:薫の料理
CV:(平成版:涼風真世•鈴木真仁(幼少期))/(ドラマCD版:緒方恵美)/(令和版:斉藤壮馬)
実写版:佐藤健
宝塚版:早霧せいな
■人物
左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。
明治の世に「不殺」の信念を掲げて旅をする「流浪人」を名乗る侍。
原作本編を含め主に赤い着物に白い袴姿。扉絵などでは紺色の着物を着ている場合もある。
腰に差している刀は「逆刃刀」という、刃と峰が逆になっている刀。
物腰は穏やかなで一見すると見た目通りの優男。
一人称は「拙者」で語尾に「~に(で)ござる(よ)」と付けるやや間の抜けた喋り方をするが、口が達者で相手を丸め込むのが上手い。
ただし押しの強い相手だと勢いに負けて困り顔をすることも多い。びっくりすると「おろ~」という妙な感嘆も漏らすことも。
よく見ると「拙者」「ござる」「おろろ」というのは『流浪人の緋村剣心』としての意識したキャラ作りらしく、
師匠といる時や取り繕う余裕がない時は「俺」や落ち着いた口調で喋る。師匠「おい、俺に対しても『〜でござる』とか言ってみろよw」
基本的に一人旅の生活を送っているため家事全般に心得があるが、字は作者並に下手。作中で何度かネタにされている。
普段はニコニコした温和な人物だが市井で苦しむ人々の助けになるという信念を持っており、非道な暴力を振りかざす者には逆刃刀を抜き容赦なく叩き伏せる。
その正体は幕末に活躍し「最強」と謳われた維新志士にして伝説の人斬り「緋村抜刀斎」その人。
動乱の中で多くの人間を殺めた彼が太平の世でどう生き、過去の罪と向き合うのか、それが物語の本筋となっている。
ちなみに作者の弟子は『赤髪で顔に傷があり子供に優しく明るいが仲間の事だと鬼になる』キャラクターを描いている。…偶然か?
■来歴
過去(幼少期~流浪人になるまで)
幼い頃に親をころり(コレラ)で亡くし、天涯孤独となったところを人買いに囚われる。
その最中山賊に襲われるが、一人生き残ったところを比古清十郎に救われる。
その際、その素質を見込んだ比古に引き取られ、彼の取っておき(飛天御剣流)を伝授されることに。
その後比古のもとで、地獄のような修行の日々を過ごす。
幼名は「心太」。それでは優し過ぎると比古に「剣心」と名付けられてからはそう名乗るようになる。
ただし「緋村」という姓はいつから、どのような経緯で名乗るようになったのかは不明。
また比古に引き取られた当時、死んだ仲間や人買い、山賊たちに十字型の墓標を作っていたがその背景も不明。
14歳になった頃に「飛天御剣流で動乱を終わらせる」と考えるが、比古とは意見が食い違ったため、そのまま奥義の伝授を残して喧嘩別れをする。
比古と別れた後は長州藩の奇兵隊の試験場へと向かい、そこで桂小五郎に剣の腕を買われる。
以後、彼の命で幕府の要人暗殺を請け持つ人斬りとなる。この頃左頬に一本目の傷をつけられた。
(この辺の詳細は抜刀斎の項目参照)
その後、暗殺の仕事を志々雄真実に任せ、自らは維新志士を新選組などの佐幕派から護衛する「遊撃剣士」の任務に就く。
本来、影働きに徹するはずの彼が表社会に知られているのは、この時期の任務のため。
この頃の活躍で薩長問わず現在も彼を信頼する維新志士*2も多く、「その気があれば今頃陸軍の将校になっている」と四乃森蒼紫から評され、事実陸軍卿の山県有朋が10年かけて彼を捜し回り本人が直々に陸軍の大幹部にスカウトした程。
自身も「自分の一声があれば左之助が(政治家相手に)起こしたトラブルは揉み消せる」と良くも悪くも自分の影響力を認めている。
裏を返せば、仮に「遊撃剣士」になる事なく暗殺を続けていた場合は志々雄と同様に遅かれ早かれ明治政府から「不都合な秘密を知る存在」として切り捨てられた可能性もあったと言える。*3
実際、京都編は剣心を危険視するとある明治政府の重鎮*4による剣心暗殺依頼から始まっている。
鳥羽・伏見の戦いでの薩長の勝利を見届け、維新の成立を確信した後は、志士から身を引き、
一介の剣客として全国を旅しながら、人助けを行うようになる。
ちなみに志士を抜けた直後に会津戦争に遭遇し、本編直前には西南戦争に遭遇していたという裏設定がある。つまり会津戦争にも西南戦争にも参加している斎藤一とはその度にニアミスしていた事になる
剣心がかつての仲間達が争い合う西南戦争をどのような目で見ていたかは定かではない。
本編
東京編
明治に入ってから十年後の明治11年(1878年)、東京を訪れた折に神谷薫と出会う。
「人斬り抜刀斎」を騙った偽者が神谷活心流の評判を落としていたため、これを撃退。
その際薫に「人斬りのあなたじゃなくて流浪人のあなたにいてほしい」と、以後神谷道場に居候する。
その後明神弥彦や相楽左之助、高荷恵といった面々と出会い、神谷道場で暮らす傍らで市井の人々を守り、街中で滅法強いと評判の剣客となっていく。
しかし左之助、鵜堂刃衛、四乃森蒼紫、斎藤一といった強敵たちとの戦いの中で、封じていた人斬りとしての本能を徐々に目覚めさせてしまう。
(刃衛、斎藤との戦いでは完全に抜刀斎の頃の人格になっていた)
そして維新時代の同志だった大久保利通から自身の後任だった人斬り志々雄真実の暗殺を依頼され、最初は断っていたが大久保が志々雄の部下である瀬田宗次郎に殺されたことを受け、志々雄を止めることを決意。
薫にのみ別れを告げて流浪人へと戻り、志々雄一派の本拠である京都へと向かった。
(アニメ版は原作者も認める名シーンである)
京都編
京都に向かう道中巻町操と出会い行動を共にするが、志々雄一派との戦いは続き立ち寄った新月村で志々雄と初対面するも宗次郎によって愛刀の逆刃刀を折られてしまう。
その後十年ぶりに訪れた京都では葵屋の御庭番衆と協力関係を結び、彼らの助けで新たなる愛刀「逆刃刀・真打」を入手。
更にやり残していた飛天御剣流奥義の習得を果たすべく比古の下を訪れ、直後剣心を追って京都までやって来た薫と弥彦との再会も果たす。
彼との再修業の末に九頭龍閃、そして「生きようとする意志」を見出し遂に奥義・天翔龍閃を習得。その際奥義の威力によって比古を殺しかけたりした。
修行完了後は正式な流派の継承を断り比古から破門されるが、もしもの時のため彼に協力を仰ぐことになった。
その後、京都大火の真意を見抜き合流した左之助の活躍で志々雄の鋼鉄艦・煉獄の撃沈に成功。
志々雄の宣言に従い左之助・斎藤らと共に比叡山のアジトに向かい、修羅と化した蒼紫、十本刀最強の宗次郎という強敵たちと再戦し天翔龍閃でこれらを撃破。
最後の志々雄との闘いではその実力圧倒されこれまでにない苦戦を強いられ、一時は昏倒。
仲間たちの助太刀もあり再起し天翔龍閃の二撃目を打ち込み追い詰めるものの、自身も重傷を負っておりこれまでにも無かった「本当の死」を覚悟する。
しかし、死を覚悟した剣心の脳裏によぎったのは日本の未来の為といった使命感などではなく、自分を待ってくれる薫の姿と「一緒にみんなで東京に帰ろうね」という彼女との約束であり、それを胸に再び立ち上げる。
そして、互いに限界を超え命を削り合った長い死闘は己の焔に呑まれた志々雄の死という形で幕を閉じ、なんとか剣心は生き残る。
一連の戦いが集結した後は葵屋に帰還し、療養を兼ねて滞在。
そして志々雄との闘いを通じて薫への気持ちに気づき、帰る場所を得た剣心は、とある墓に初めて花を添える事ができた。
そして仲間とともに東京へ帰った。この時、流浪人になってから初めて(東京編でも言ってたが)「ただいま」という言葉を口にする。
なお、京都編の最中で誕生日を迎えたため満年齢で29歳になっている。
人誅編
しばらく平和な日々を過ごしていたが、突如剣心たちの周囲で奇怪な襲撃事件が多発。
そして、かつて斬殺した妻・巴の弟である雪代縁が15年の時を経て再会。彼は剣心への復讐「人誅」のため、同じく剣心に怨みを抱える「六人の同志」を結集しており、人斬りとしての自身の罪と巴との過去を思い出した剣心はその罪悪感に苛まれ続けることになる。
そして神谷道場での決戦では外印の夷腕坊との戦いを経て、縁と対決するが人斬りの罪を償う答えが得られないまま闘うこととなり、奥義を破られ圧倒されてしまう。
人誅の真意――それは剣心の死ではなく、剣心の最も大切な存在(ヒト)である薫を奪い、生き地獄に突き落とす事だった。
薫を守るため剣心は猛攻するが…。
「薫」
またも愛する者を守れなかった事に絶望、廃人同然の状態となり、逆刃刀を鎖で封印して落人群に身を落とす。
仲間達の声にも応えず、左之助には愛想を尽かされ、夢現に現れた志々雄に地獄への案内を頼んでしまうまでになってしまった。
しかし数日後、燕に「暴れる鯨波を一人で食い止めている弥彦を助けてほしい」と頼まれ、また落人群の住人オイボレに背中を押されたことで復活。
鎖を砕き、弥彦を助けるために駆け付け、鯨波との因縁も決着させることが出来た。
その後、夢の中にふと現れた巴の影が笑いかける。
「あなたの笑顔を一番望んでいる女性が今もあなたを待っています。早く起きて迎えに行ってあげてください。」
それが剣心が見た巴の最後の笑顔だった。
そして薫を助けるために縁の隠れ家がある孤島へ仲間たちと共に向かい、そこで最後の私闘に臨む。
剣心を本気で殺しにくる縁に苦戦する。
だがー。
「今生きている一人でも多くの人たちの笑顔を灯すために、剣が振るえなくなるその日まで、剣と心を賭してこの闘いの人生を完遂する」
縁の作った生き地獄の中で『答え』を得られていたため、結果として勝利を収める。
剣心は黒星が打った弾に右腕を撃たれ、更に剣心に銃口を向けた時、剣心を庇おうとする薫を助ける形となった縁。
「薫殿を守ってくれて、ありがとうでござる」
それが剣心が縁にかけた最後の言葉であった。
そして薫を無事救出し、縁は警察へ連行された。
縁との戦いの後、これまでの戦いの負傷で蓄積していた身体の不調が顕在化しはじめ、恵からは「5年以内に飛天御剣流が撃てなくなる」と通告されてしまう。
その事を知った剣心は「飛天御剣流が撃てなくなる前に、斎藤との決着だけはつけなくてはならない」と斎藤に決闘状を送り付けた(作中唯一、剣心が自分のためだけに起こした戦いである)が、
人斬りでなくなった剣心と決着を付ける気が失くしてしまった斎藤からは決闘をすっぽかされてしまい、以後斎藤と二度と再会することはなかったはずだった。
そして操と蒼紫は京都、恵は会津へそれぞれ戻り、左之助は警察に追われて海外へ、と仲間たちは一人一人旅立っていった。
エピローグ
明治十五年には薫と再婚しており、彼女との間に息子の剣路をもうけている。
肉体への負担から飛天御剣流はほとんど使えなくなったものの元服を迎えた弥彦と手合わせし、彼に逆刃刀を預け、それと同時に自らの思いも託し、妻子と共に作品のラストを飾った。
■戦闘能力
戦国時代に発祥した古流剣術「飛天御剣流」の使い手。
流派そのものや術技については項目を参照。
小柄な優男にしか見えないが、一応飛天御剣流を振るうだけあって、跳躍力は無論のこと、
人並みの体格の荒くれくらいなら刀の柄でアッパーをかまして木製の天井に打ち上げてめりこませる。などというかなりの膂力の持ち主でもある。
ただ、キネマ版においては左之助を拳で攻撃した際に「剣客の拳が俺に効くと思ってるのか」と突っ込まれ、
本編においても観柳を叩き伏せるまでに一度手放した逆刃刀を回収しに行っている事や、斎藤戦で斎藤は最終的に素手での戦闘を選んだのに対し、
剣心は鞘を刀替わりにして戦っている(左之助からも「刀がないと剣心は素手の斎藤に勝てない」と言われている)事から本格的な素手での戦闘は苦手の模様。
また師匠の比古曰く「読みの速さに頼り過ぎ」との事で、そのためかフェイント技にはよく引っかかる。
比古との修行の際は上記の指摘を受けて蹴り飛ばされた後に「そんな事より奥義を伝授してくれ」と訴えたら、さらに双龍閃・雷でフェイントに引っかかるという醜態を晒している。
明治に入って流浪人として過ごした十年は戦うことこそあれ幕末のような死闘を繰り広げるほどの強敵と出会うことも無かったため、本編開始時点では達人級ではあるものの抜刀斎時代に比べると勘が鈍ってしまっていたと言及されている。
京都編での再修業でそこらへんが締め直され、生きようとする意志を見出し抜刀斎時代を超えるほどの技量を獲得するに至った。
しかし奥義習得をきっかけに肉体に蓄積してきた負担が限界を見せ始め、エピローグの明治十五年時点では飛天御剣流はほとんど使えなくなったとされている。
ただしそれでも抜刀術のキレは成長した弥彦でも敵わないほどであり、後述の北海道編では負担こそあれある程度技を使うことは出来るようになっている。
■派生作品
北海道編
原作最終幕から半年後。
逆刃刀を弥彦に譲ってからも倭杖片手に困窮している人々のために飛天御剣流を振るっていた。読者も含めて死んだと思われていた薫の父・越路郎の消息が判明した事がきっかけで、妻子や途中で合流した帰国直後の左之助、新たに道場の居候になった明日郎らと共に北海道へ向かうことに。
それに先立ち、東京に残る事を決めた弥彦から逆刃刀を返却されているが体調については九頭龍閃を撃った反動で苦しむなど体力の衰えがかなり悪化してきている模様。*5
なお、原作最終幕ではバッサリ切り落としていた後ろ髪が半年で5年前と同じくらいの長さに戻っている。あと、二度と会わないと言ってた斎藤とはあっさり再会した
星霜編(OVA)
本編最終回から十年以上後。
本編以後も、家族を想いながらも罪の意識から逃れられない彼は、「本当の意味で自分の身命を賭して人生を完遂する」ために、
既に飛天御剣流の反動や数々の戦いによる負荷でボロボロの身体で、
各地を流浪しながら献身的な奉仕活動のようなことをひたすら続ける彼なりの贖罪の生活を送っていた。
家族の下に帰れば笑顔でいるように努めていたようだが、薫はその笑顔の下にある、不毛と言える活動への疲弊や葛藤を見抜いて心を痛めていた。
息子に対しても深い愛情は持っているものの、
息子から見れば「碌に家にも帰らず、幼少期には理解しづらい理由で自分達を蔑ろにし、剣ももうまともに振るえない情けない男」と軽蔑されて家出される。
更に劇中以前の時点で、弱り切った身体で不衛生な当時の環境に長く身を置いただろうその奉仕活動が原因で、
身体が徐々に壊死するような不治の病(梅毒に似た症状)に侵されている。*6
そうした中で陸軍卿から日清戦争が起こることを知らされる。
陸軍卿の依頼通りに軍師として赴くのではなく、戦地で困窮した人の助けとなるようにと病の身体を圧しての出立を決意。
戦地へ赴く、そして病の身で航海に出る以上は今生の別れになる可能性も高かったので、こんな生き方しか出来ないことを薫に詫び、
「生きて必ず帰る。その時には、自分の本当の名前、心太と呼んで欲しい。」
と約束を交わし、また海へ出た。
しかし、その航海の途中で海難事故に遭い、大陸には何とか漂着するも、疲弊しきった剣心は記憶も殆ど失ってしまった。
自分が何者かすらあいまいな状態で海岸に茫然と座り込んでいたところを、噂を聞きつけたらしい、馬賊として身を立てた左之助の手で救出。
左之助のことは辛うじて覚えているものの、頻繁に咳き込み自ら物を食べることすらままならない程に衰弱し、薫の名を朧気に呟く剣心に左之助は涙する。
その後、彼の献身で少し体力が戻った剣心は彼の協力を得てどうにか東京へ帰還。
歩くのも困難な状態ながら、出会った頃の薫の姿を想い出しながら、彼女の待つ家へひたすら歩き続け桜の咲き誇る道でようやく彼女に抱きとめられ、
「ただいま」と一言告げて穏やかな顔で息絶えた。
この時、恨みが消えない限り、償いが終わらなければ決して消えないと言われた十字傷は、剣心の頬から消えていた。
その後逆刃刀は、弥彦と決闘して、剣心の決意の重さを理解した剣路に受け継がれている。
父親が息絶えた桜道を歩きながら、剣路が生来を誓った恋人千鶴との人生に対して改めて決意を固めていた。
なお、原作終了後の時代設定等から、『るろうに剣心』の公式最終エピソードと誤解される事もあるが、あくまで漫画とはパラレルである。
(作者がキネマ版の扱いを語る際に「アニメ化もゲーム化も小説化も実写映画化も含めてパラレル」と表明しており、星想編もパラレルと事実上表明している。
また近年のインタビューによれば、原作連載当時は「原作最終回後の剣心はあれだけ人を殺してきた以上は死ぬしかない、死なないとしても少なくとも幸せにはなれないだろう」
と考えていたらしく、その当時の構想を映像化したと考えるのがわかりやすいかもしれない。)
キネマ版
マフラーをしている。
性格に変更点があり、原作に比べ若干ふさぎ勝ちで昂ぶりやすく、逆刃刀の鍔を持ったり抜くだけで往年の抜刀斎の人格が若干だが表に出る。
トレードマークの十字傷は通常時は色が付いていないが、刀を握り昂ぶると薄紅色に、そして抜刀斎の状態では深紅色になる変更点もなされている。
本人曰く戦闘になれば手加減も出来なくなるらしいが、不殺の誓いはしっかり守っている。
実写版
ほぼ原作通りだが、最初はトレードマークである赤い着物を着ておらず、浪人らしい風貌だった。
のちに薫からその着物を渡される。(なおそれは薫の父の形見であるという設定がついている)
演じた佐藤健は当初「どうして俺には涼風真世の声が出せないんだ!」と本気で悩んでいたらしい。
■年齢ネタ
少年漫画の主人公でありながら、諸々の事情があるため歳は満年齢で28歳(当時の作者と同い年)である。おまけに結婚歴もあるっていう。
普通の来歴であれば30代以上は確実であり、実際に初期プロットでは30歳という設定だったが、編集者から「少年誌で30代の主人公はマズい」と物言いが入り、ぎりぎり20代に収めたという。このため、わずか14歳で暗殺者になるという凄まじくハードな経歴を背負うことになった。
比古も言っているが、そんな多感な時期に殺人を繰り返せば精神的に不安定になるのも当然であり、このため人斬りと流浪人の間で揺れ動くという設定が説得力を持つようになったが。
また、当時の年齢は数え年(生まれた時点で1歳、以後は正月ごとに加齢)であったが、これに従うとやっぱり30歳になってしまうため、時代考証を無視して剣心だけ満年齢表記にするという苦しい方法で20代にしている。と思われていたが、実は作中「2●歳」と薫に言われていた妙も剣心と同い年であるため満年齢で扱われていた事が原作が終了して大分経ってから判明した
二度の読み切り版、そして本編第一話では、どちらも彼の年齢ネタでオチがつく。
■モデル
モデルとなった人物は、肥後藩の維新志士、河上彦斎(かわかみげんさい)。
小柄で中性的な容貌という特徴は剣心と共通するが、大変な危険人物であり、新しい刀を買えば「切れ味を試させろ」と友人に切りかかろうとしたり、
集会である人物の批判を聞いていたら、フラッと出て行ってその人物を殺してきたりというキレッキレな行動で知られていた。
吉田松陰や勝海舟の師匠である思想家・佐久間象山を暗殺したことで有名だが、それ以外にどんな事件に関与していたのかは明らかになっておらず、謎多き人物である。
なお、るろ剣世界にも存在はしているようで、剣心皆伝における再筆において登場。
抜刀斎とは容姿と戦闘スタイルが似ているため、混同されてお互いにいい迷惑だと考えていて、いつか直接会って話を付ける気でいるという凄まじく物騒な設定になっている。
デザイン上のモデルは、作者のデビュー作『戦国の三日月』の主人公、比古清十郎…のアンチテーゼ。
- 黒髪 → 赤毛
- 長身 → 小柄
- 俺様 → 温厚
…というように、あらゆる面で対照になるようにデザインしていった結果、女のようになってしまったため、苦肉の策で頬に十字傷をつけたのだという。
その比古も作中で女に間違えられているのは密に、密に。
ちなみに剣心の没デザインは関原妙に流用されている。剣心と妙が同い年ってそういう繋がりだろうか
一度や二度の追記・修正で真実の良項目が出るくらいなら、誰も立て方を間違ったりせん
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*2 追憶編では明らかに抜刀斎を嫌っていた山県有朋が本編では剣心の人格を信頼している事からこの時期に打ち解けたと思われる。
*3 実際、本編で明神弥彦が「まかり間違えれば剣心も志々雄と同じように抹殺されていたかもしれない」と言及していた。
*4 タイミングよく剣心の能力を計りたい斎藤が暗殺組織に参入しているため、大久保利通が黒幕の様に見えなくもないが、渋海と赤松が大久保の介入に驚いている事や作者が剣心秘伝で「本筋と関係ない」と言い切っているので違う。ただし剣心秘伝では井上馨黒幕説が上げられており、それは否定されていない。
*5 直接手合わせした弥彦によれば、持久力が急激に下がってはいるが能力のMAXそのものは下がっていないとのこと。また北海道で5年ぶりの再会をした左之助からは体力回復が芳しく無いとのことで、一度全力での戦いをすると長時間の睡眠を必要とし、連戦は無理な状態で有るとのこと。そのため全力を出さなくても息切れする場面もある
*6 「似た症状」というだけで梅毒と明言されているわけではない。また梅毒は傷口から感染することもあり得る
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