ミスターシービー(ウマ娘 プリティーダービー)

ページ名:ミスターシービー_ウマ娘 プリティーダービー_

登録日:2023/03/09 Thu 15:20:30
更新日:2024/07/05 Fri 10:55:07NEW!
所要時間:約 23 分ってトコだけど、読む時間は自由だよ



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ウマ娘 ウマ娘 プリティーダービー ミスターシービー 天海由梨奈 吉永正人 自由人 ステイヤー 差しウマ 追込バ 三冠バ トレセン学園高等部 ビート板勢 寺山修司 独り暮らし mr.c.b. boc’z hat on your head! ウマ娘 シンデレラグレイ 才能はいつも非常識だ 高校生 s.h.figuarts clear bliss ターフの演出家 叙情、旅路の果てに 天翔る足取り 弾む大地 キャップ・ビー ターフの偉大なる演出家よ。 キミの番 追込の代名詞 三冠ウマ娘





レースが始まったら、そこはアタシ達の世界。 でしょ?




ミスターシービーMr.C.B.とは『ウマ娘 プリティーダービー』の登場人物である。
CV:天海由梨奈


モチーフ元である競走馬『ミスターシービー』は当該項目を参照。


+ 目次-

◆プロフィール


キャッチコピー:何にも縛られない! 天衣無縫の陽気なウマ娘
誕生日:4月7日
身長:166cm
体重:増減なし
スリーサイズ:B84・W55・H80
靴のサイズ:左右ともに25.0cm
学年:高等部
所属寮:一人暮らし
得意なこと:短歌を詠むこと、放浪の旅、ポーカー
苦手なこと:整列、嘘や適当な誤魔化し
耳のこと:足で耳に触ることができる
尻尾のこと:尻尾用トリートメントはコロコロ変わる
家族のこと:両親は半ば駆け落ちのような形で結婚した


ヒミツ:①エレベーターが少し苦手/②歌舞伎が好きでよく観に行く
自己紹介:レースにしかない風があるんだ。軽くて、澄んでいて……自由気ままな追い風でね。──アタシはミスターシービー。よろしく


83年 菊花賞
そのウマ娘は、タブーを犯した。
最後方から、上りで一気に先頭に出る。


そうか……
タブーは人が作るものにすぎない。


そのウマ娘の名は、ミスターシービー。


才能はいつも非常識だ。


2012年 URA菊花賞CM「The WINNER」より


◆概要

画像出典:【ウマ娘 プリティーダービー】CM「Become a Legend 三冠」篇

© Cygames・JRA


観衆を沸かせるスター性



「最強の戦士」シンザン以来19年ぶりに皐月賞・日本ダービー・菊花賞を制した史上3頭目の三冠馬ミスターシービー』がモチーフのウマ娘
プロジェクト発足時にはウマ娘化はされておらず、アニメSeason1にて1カットであるがサプライズ気味に初登場し、アプリリリース前日の2021年2月23日にキャラクター一覧ページに追加され、同時にCVも公表されている。
リリース以降しばらくの間一切言及されることは無かったが、メインストーリー第4章の配布SSR【Two Pieces】ナリタブライアンのイベントにて初めて言及され、
ハーフアニバーサリーに育成実装されたエイシンフラッシュの育成シナリオで3Dモデルが初登場したのを皮切りにアプリ内でも登場頻度が高まっていった。


癖のあるロング茶髪*1で、耳飾りの代わりか「CB」のバッジがついた小さい帽子を被っている。ただいつも被っているというわけではなく、私服の時は同じバッジのついたリボンを右耳に巻いている。
泰然自若かつ飄々とした振る舞いで、常に自分のペースを崩さない自由人。しかしその自由さにはカリスマ性があるのか、多くの人やウマ娘を惹きつけてやまない。
しかし彼女の方はというと、納得できないことは断固としてしない・やらないだけ。とにかく自分が規則などの何かしらに縛られることをひどく嫌っているため、彼女の生き様は心の行くがまま。
そのためか周囲の無理解や反発も多かった幼少期を送ったこともあり、その点ではとても不器用な性格なのかもしれない。


マルゼンスキーと同じく一人暮らし勢の一人*2
料理はできるが片付けが苦手なマルゼンスキーに対し、シービーは「創作料理」という体で自由奔放、大雑把なのだが出来は悪くないらしい。
また育成イベントではトレーナーを自宅に上げて一緒に鍋を囲むイベントもあるため、料理自体はそこまで苦手ではない様子。


◆アニメでの活躍

Season1第2話の授業風景のシーンにて、近年の三冠ウマ娘としてシンボリルドルフ、ナリタブライアンと共にイメージ映像でビジュアルが初登場。その後もOVA「BNWの誓い」・Season2ともに登場はしたものの数カット分しかなく、また一言も発していなかった。


◆漫画版での活躍

シンデレラグレイ

こちらの世界でも「三冠ウマ娘」の一人となったが現在は一線を退き、シンボリルドルフの補佐役かマルゼンスキーと同行していることが多い。
「領域」に達したウマ娘でもある。
ルドルフが笠松でオグリキャップを見出したのに対し、シービーのほうは大井でイナリワンを見出していた。


ただ作中ではアニメ版と同じく全く喋らない。それどころかふきだしが顔に被るなど少々不憫な目に遭っていた*3


そんな彼女がピックアップされたのは第134R「キミの番」、穴守稲荷神社の前で神頼みするイナリワンの前にて。
「テッペン」ことオグリキャップに気圧され、いつまで経っても「主役」になれない「二番煎じ」と自嘲気に笑うイナリの背後で……


アオハルしてるねー!


やっほー 大井のキミ!


ファミチキ片手にミスターシービーは現れた。
型に嵌まらないその破天荒な走りから「追込の代名詞」とまで呼ばれた彼女はイナリすらも知る大物であった。
オグリの存在に己を見失うイナリに対し、シービーは言う。


…色々考えてるんだねぇ


でもさ


理由わけって必要?


そう微笑みながら、海に飛び込んだ。
季節は12月。真冬の海に飛び込むという、あまりにも突然すぎるその行動に困惑するイナリに対して、彼女は言う。


何月とか 何の為とか そんなの関係ない


飛び込みたいなら飛び込まなきゃ!


理由なんて無くても 何だってできるんだよ


アタシの世界レースの主役は


アタシなんだからさ


さぁ 次はキミの番だよ


キミはどうしたい?


どこまで行っても自由な彼女の瞳に、イナリは己の原点を思い出す。
そして勢いよくシービーのいる海に飛び込んで……


…寒いじゃねえかい


12月だからねぇー


ガタガタ震え上がるのであった。
風邪にはご注意を…。


そんなイナリも、翌話ラストにて燃える炎の渦の中で光明を視い出す。それがもたらすのは突破口か、それとも…


◆アプリでの活躍

性能

バ場芝:Aダート:G
距離短距離:Gマイル:B中距離:A長距離:A
脚質逃げ:G先行:E差し:A追込:A

2023年2月24日……アプリウマ娘リリースから2周年の節目に☆3「Clear Bliss」として実装。また同時に☆1「爆走!ターボエンジン」ツインターボも追加されている。
史実競走馬が数少ないクラシック三冠という偉業を成し遂げていること含め、アプリでの登場当初から人気が高く育成実装を熱望する声も大きかったのだがなかなかそれは叶わずであった。
特に2022年10月20日に発売されたスポーツ雑誌「Number」にウマ娘が取り上げられた際には宣伝大使に就任し、「三冠ウマ娘対談」などメインで取り上げられ、さらに現実でも衝撃的な勝ち方をした菊花賞の時期も近かったということもあり、ついに実装かと期待されていたが実装されず。
一時は実装されなかったにも関わらず「シービー」や「CB実装」などのワードがトレンド入りしていたなど、かつてのタマモクロスのようなポジションになっていた
そして「もしかしたら2ndアニバの目玉として温存しているのではないか?」という予想もチラホラ挙がり始めた中、本当にその通りと相成った。


中長距離の差し・追込を得意としているが、覚醒スキルや固有スキルのかみ合わせを考慮すると追込での育成が基本か。
また史実でも「本来はマイラー」*4と評されたことも受けてかマイル適性もBと高め。


[Clearクリアー Blissブリス]

この服は、アタシがアタシであることの証なんだ。



画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Clear Bliss]ミスターシービー」勝負服

© Cygames・JRA


「シービー」冠名を使用する千明ちぎら牧場の勝負服、「黄山形一本輪白袖」がモチーフ。
緑地に黄色の山形模様が入ったチューブトップに、右腕は白の長袖、左腕はノースリーブとアシンメトリーな構成。
またズボンは膝下まで大きく切れ込みの入った白だが、裏地は緑色。両腿には飾りベルトが3本ずつついたダンサーのようなスタイル。
そして衣装名のイニシャルはしっかり「C.B.」。


成長率はスピード・スタミナ・賢さにそれぞれ+10%。
覚醒スキルでは「天衣無縫(「型破り」上位スキル)」と「迫る影(「直線一気」上位スキル)」のレアスキルを習得可能。
「天衣無縫/型破り」は新規スキル。中・長距離専用で、「最終コーナー前の第3コーナーで後ろの方にいると(わずかに)前に出る」というもので、発動場所を考慮すると史実の83年菊花賞で見せた「まくり」に近いムーブが可能になるスキル。
また実装と同時に全ウマ娘に追加され、特定の条件を満たすことで育成完了直前に入手可能となり、レアスキルがさらに強化される「進化スキル」では、「天衣無縫」が「すごく前に出る」に強化した「天翔る足取り*5に、「迫る影」が視野アップ効果を追加した「弾む大地*6に進化する。
その他、「ウマ好み」や「雨の日〇」を所持している。




この脚は止まらない…!



だって、だって──



心がそう望んでるから!



画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Clear Bliss]ミスターシービー 固有スキル発動」

© Cygames・JRA


固有スキルは『叙情、旅路の果てに』。
発動条件と効果は「終盤が迫ったどこかで後方だと速度を少し上げ中距離か長距離レースで先頭から離れていると効果が増える」というもの。
「先頭から離れている」の条件は、先頭から8バ身以上離された位置であること。


「シービーは叙情詩、ルドルフは叙事詩」と言われることもあったほか、モチーフ馬の大ファンでもあった歌人・劇作家の寺山修司*7が「旅路の果て」というエッセイを刊行しているところから取られたのだろうか。
他にも寺山から引いたと思われるフレーズや表現は多く、キャラストーリーの第1~3話のタイトルは彼の競馬関連の文章から取られている。また育成シナリオ内で解説者が発する「強いねえ、いや、強いねえ」というセリフは寺山が皐月賞でのシービーの走りを目の当たりにして残したコメントが元ネタと思われる。
加えて育成シナリオなどで描写される彼女の自室には「3/83」*8のプレートがあるほか、枕元には何冊かの本があるのだが、考察勢によればそのデザインが寺山修司の著作の表紙のものとほぼ一致するとのこと。


キミにもわかる? アタシ、今…最っ高に楽しい!!


固有二つ名は『ターフの演出家』。
元ネタはヒーロー列伝におけるこの馬のキャッチコピーだろう。
取得条件は「作戦「追込」かつ一番人気で皐月賞、日本ダービー、菊花賞、天皇賞(秋)を勝利し、うち菊花賞は3バ身差以上で勝利し、ファン数が320000人以上になる」というもの。
史実通りクラシック三冠および天皇賞(秋)の制覇に加え、バ身差の指定やファン数320000人が求められる。
菊花賞はスタミナや回復スキルが足りていれば大差勝ちも十分狙うことができるし、ファン数320000人以上はファン数ボーナスを高めに積んで有馬記念やジャパンカップなどを勝利すれば容易か。


サポートカード

長らくRすらなかったが、2022年5月10日に待望のSSR【Dear Mr. C.B】が実装。


SSR【Dear Mr. C.B.】

得意練習は賢さ。
固有ボーナスは「絆ゲージが80以上の時、賢さボーナスとスキルPtボーナス」で、効果を満たした際の効果はそれぞれ+1。
所持スキルは中距離・追込がメインで、追込必須級の「直線一気」のほか汎用的な「中距離コーナー〇」「尻尾上がり」を所持。
トレーニング効果も優秀で、レベルアップによるスピードボーナスのほか固有ボーナスと合わせれば賢さ練習のうま味がグッと増す。最低限のレースボーナス5%、ファン数ボーナス15%を所持しているのも大きい。
連続イベントを完走すると確定でレアスキル「強攻策(「早仕掛け」上位スキル)」のヒントを入手可能。また2段階目で上の選択肢を選ぶと確率で「コーナー回復〇」のヒント+2に絆ゲージ+10と非常においしい。


エピソードは当時ウマ娘参戦前のカツラギエース、あるいはニホンピロウイナー視点での皐月賞回顧録といった感じ。


個別ストーリー

かつて伝説と呼ばれた、通算戦績19戦15勝、史上2人目の三冠ウマ娘*9。彼女はターフに大きな熱狂をもたらした。
しかしそれ以降、彼女を超えたとされるウマ娘は出ず、世間は次の神話を願う想いがあふれていた。


トレーナーが出会ったのは、雨の中グラウンドを走る1人のウマ娘。
目を見張るようなスピード、常識を置いていくかのような加速力。あまりの衝撃に呼吸すら忘れ、もし一緒にトゥインクル・シリーズを走れたら、他では見られない景色が見られるという確信を得た。
声をかけてきたのはウマ娘の方だった。併走相手を探していたようだが、トレーナーと分かるとすぐに踵を返そうとする。


た、担当ウマ娘になってもらえませんか!


持てる言葉を尽くし、先ほどの走りで感じた感動を伝える。
しかしここまで一言も具体的なことは言っていないことに気づく。何か例を示さなければ…


君なら──クラシック三冠だって夢じゃない!


しかしそれを聞いた途端、困ったような表情をする。あえなく断られ、撃沈。


後日聞いたところによると、そのウマ娘の名はミスターシービーというらしい。
母親は名ウマ娘、父親はそのトレーナーで、その娘ということで入学前から噂になっていた。
才能もあり、そのうえ常識破りな走りをするということもあり次の三冠ウマ娘、あるいはかつて"伝説""神話"と呼ばれたあのウマ娘をも超える存在になりうるということで、スカウトするトレーナーが後を絶たないらしいが、
立場も実績も関係なく断っており、その上どんなトレーナーを望んでいるのかも分からないのが現状である。
想像以上に人気があり、分不相応であったと肩を落としていたが、同僚曰く、逆に言えばどんなトレーナーでもスカウトできる可能性があるということでもあり、熱心さをアピールするにはいい機会だという。


というわけで、今度はトレーニング用のメニューとオーダーメイドの蹄鉄を持参し再度スカウトに挑む。
が、受け取ることなくあっさりと二度目の撃沈。


そんなある日の生徒会室。いるのはシービーとルドルフ。


数多のスカウトを即行で断っているとのうわさを聞いてね。

教官からの再三の忠告もすでに行われたが、依然変わらないと。

君にとってこの類の忠告が、この上なく煩わしいことは理解している。が、私もこういう立場なものでね。


要するに、担当トレーナーを見つけてデビューしなければ、出走拒否と見なされて退学もありうる、と。
ルドルフもシービーの高い能力を発揮していない様子は気がかりらしく、理由を知るべくこうして呼び出したのだという。


作りたくないわけじゃないんだよ、本当に。ただ、ピンとくるヒトがいなくって。

アタシにはどうしても栄冠の価値が分からない。『G1勝利』も、『クラシック三冠』っていう伝説も。

彼らが望むものを叶えたいと思えないんだ。一緒に歩んであげられない。

だからってアタシ側に無理に合わせてもらうってのもよくないし。堂々巡りなんだよね。


これを受けて、ルドルフは視点を変えてみるよう提案する。
価値観を無理に合わせる必要はない、ウマ娘本人からは生まれ得ないものを持つのがトレーナーである、と。


納得できなければ絶対にできないし、しない。シービーにとって当たり前の価値観は幼少の頃から敵を作りやすかったのだが、ある日レースの穴埋め要員として参加したレースが、シービーの世界を変えた。


(いつだって鮮明に思い出す。あの日、狭いゲートが開いた瞬間、青々としたターフが、アタシの全部を迎え入れてくれたあの瞬間)

(世界で1番、自由な場所を見つけたと思ったんだ)


買い物帰りのトレーナーが帰路を急いでいると、そこにはミスターシービー。……が、様子がおかしい。明らかに体調を崩していた。
大事ではないと言い張るシービーをとりあえず彼女の自宅へと送り届ける。
寝れば治るとのことで、あまり長居するのも良くないだろうと帰ろうとする……が、呼び止められる。
彼女は一人暮らし、それに水も食料も切らしていたようで、総菜や薬など数日分の雑貨をいろいろ買い込んで調理してと、気づけばしっかり看病していた。


ごめんね。スカウトを何度も断っちゃって。


視線を感じたので向き直ると詫びを入れられる。


キミは優秀で優しいトレーナーでしょう。見ていればわかる。キミが悪いわけじゃないんだ。ただ……。

アタシは、G1勝利にも三冠ウマ娘にも興味が持てなかった。

『トレーナー』にとって、なにより欲しいものっていうのはわかってる。大きな実績で、唯一無二の誇りだっていうのも。

でも、どうしても。どのレースにどう勝てば、どんな栄誉がもらえるだとか、なにに何回勝てば、どれだけすごいんだとか。

そういうことに心底興味が持てなかったんだ。


件のレースのあと加入したクラブチームでも、この性格が影響してか教官とのそりが合わず辞めることになったという。


……いまでもよくわかんないんだ。ルドルフのようなウマ娘の未来のために走りたい、っていうのも。

誰かの笑顔が見たい、なにかを盛り上げたい……そういうのもさ、素晴らしいことだって理解はしてる。

でも、アタシにとってあそこは、そういうものじゃない。ただ走るためにあるもの、それだけのもの。

……それこそが至上の幸福なんだ。


「走り」に対する根本的な価値観が、世間とは大きくずれている。
とりあえずデビューのためにトレーナーと契約を結ぶウマ娘も多く、お互いにうまく妥協できれば簡単に解決しそうな問題だが、できないからこそシービーは悩んでいるのだろう。


それからシービーの話を思い出しているうち、ふとあることに気づく。
トレーナー側がシービーの価値観に寄り添うことができれば、彼女と同じくらいにレースを愛することができたなら……。


シービーを河川敷に呼び出し、聞いてみる。「レースで見ている景色が知りたい」と。
驚いた反応をするが、すぐに受け入れ話し始める。


想像してみて、キミは狭いゲートの中にいて、その向こうには青々としたターフが広がっている。

隣に並ぶは、総勢10名近い選りすぐりのウマ娘だ。ルドルフやエース……面白いレースをしてくれそうな子ばかりが並んでる。

ファンファーレが響いてゲートが開く。狭くて暗いその場所から、青いターフへ飛び出していく!


今日の芝は柔らかい。冷えた空気が体を抜けていく。隣の子たちは次々に、前へ前へと位置取りをするけれど──

キミはそんな気分じゃない。 そうだな……1番後ろに回って、最後方からレースを眺めよう。


……やがて第3コーナー、坂が来る!弾む心のままに加速して、登って下って──最終コーナー!

周囲は一気に加速していく、熱を逃がすな、先頭を捉えろ!もう1度、脚を思いっきり踏み込む、息を短く、吸って吐いて──走るんだ!


風よりも、光よりも、速く速く、全てを脱ぎ捨てて前へ前へ!もう誰もキミを止められない、誰も縛れない……!


どういうものを見ているのかは理解できた。想像だけでも、少し心が躍るようにも思えた。が、説明の熱量と比較すると負けた気がする。シービーが感じているものとは程遠いのだろう。
同じくらいレースを愛することができたら…と思ったのは思い上がりだったのかもしれない。


たぶん、本当に理解はできなかった


正直に話す。シービーも予想していたのだろう反応を見せたが、ここで正直に話せば契約したがったかもしれないのにとまで言ってくる。


それから数日後。ルドルフと共にゲートへ向かうシービーの姿を見かける。併走だろうかと遠くから見ることにした。


……ねぇルドルフ。どうしてキミは誰かのために走れるの?


君がそんな質問をするとはね。誰かのために走ってみたくなったのか?


まさか。ただ……そうあれたらどんな気持ちなんだろうって、ちょっとだけ、気になって。


そうしてレースが始まる。


(アタシの頭がもう少し柔らかかったら、彼をトレーナーにしようとすぐに思えていたのかな)

(もしも、アタシがなにかのために走れるウマ娘だったら……)


徐々にルドルフとの差は開き、第3コーナー。ルドルフが加速し、さらに差が開いていく。
病み上がり故の不調を疑った矢先。ミスターシービーの体が大きく沈む。深く踏み込み、重心を下げ……全てを置き去りにするように飛び出していく。


(楽しい、楽しい楽しい、楽しくてたまらない!)

(これ以上はいらない、これ以上の価値なんて……!これだ、これこそが──!)


シービーとルドルフ、絡み合うようにゴールへと駆け込んでいた。
どっちが勝ったのか分からない。腰が抜けていた。が、高揚感だけが残っていた。
駆け寄るシービーに告げる。


君なら何もかもを超えられる


思えば初めて見た時からそうだった。
考えうるものから非常識と言われているものまで、全ての夢をシービーは超えられる。


なにもかも……。……ああ、そっか。キミが欲しいのは、クラシック三冠だったっけ。


スカウトの時に言った言葉を覚えていてくれていた。しかしクラシック三冠は比喩の一つだった。感じた可能性を表現したかっただけと伝える。


君は夢を見せてくれるウマ娘なんだ


実績や結果ではない。それこそ、人生を導くほどの輝きがあると。


その日の夕方、散歩に誘われる。
どうして散歩に、という問いにこう答える。


前さ、ルドルフに言われたんだ。アタシからはうまれないものを持つのがトレーナーだって。

言われた時は、そんなにピンと来てなかったんだけど……。キミの夢の話──キミがアタシに見ている夢の話を聞いてわかった。

アタシね、縛られるの苦手なんだ。

強制されるのも期待されるのも。誰かのために、なにかの目的のためにレースを走るのも、できない。

今だってやっぱりできないと思うし、これからだってきっとそうだと思ってる。

けど、担当トレーナーに我慢させたくもなくってさ。契約を結ぶなら、利害を一致させたかった。

だからいつまでたってもトレーナーを決められなかったんだ。 けど──


キミが、アタシにただ夢を見てくれるって言うなら、それはピタッとはまる気がする。

キミもアタシも我慢しない。そのうえそれは、すごく心地いい。アタシからは生まれ得ない、不思議な追い風なんだ。


キミはアタシに夢を見てよ。アタシは好きに走るから。

キミも納得できるなら、契約書を用意しておいて。これからよろしく。


返事も聞かずに立ち去るシービーを、カバンから契約書を取り出し追いかけたのだった。



育成シナリオ

育成目標はメイクデビューののち共同通信杯からクラシック三冠、シニア級は宝塚記念から秋シニア三冠を走るもので、メイクデビューと共同通信杯以外の目標レース全てにカツラギエースが出走しており、シービーとエースの対決が主軸になる。
さらに時代が古いこともあってか、クラシック三冠レースにはシービーとエースを除きネームドウマ娘が一切出走しない目標外レースやシニア級になるとどこに隠れていたとばかりにネームドウマ娘が押し寄せるのだが


クラシック級のジャパンカップ・有馬記念を勝利すると隠しイベント「期待を超えて」が発生する。ただこれはクラシック三冠を達成していなくとも発生し、スピードと根性、スキルptに「打開策」のヒント+2が入手できる。
またランダムイベント「小さな恋の物語」で下の選択肢を選んだのち、目標外のレースに出走し勝利すると「世界の涯てまで連いてきて」が発生。体力が回復しパワーも上がると同時に「ペースアップ」のヒント+2が入手できる。


特殊実況は皐月賞、日本ダービーを勝利した状態で菊花賞の最終直線で後続に差をつけた状態で発生する。

+ 特殊実況 ※ネタバレ注意-

さぁミスターシービーが先頭だ!
大地が弾んでミスターシービーだ!
(元ネタ:1983年菊花賞 関西テレビ 杉本清アナ)


◆関連キャラクター

2周年を機に新たに参戦したウマ娘。明朗快活・熱血ウマ娘で、"ウマ娘界のエース"として固定観念や閉塞感を打破すべく片田舎を飛び出しトレセン学園にやってきた。
シービーに対し憧れを抱き、いずれ超えるべき好敵手として日々トレーニングに打ち込んでいるが、普段は会話を交わしたり併走トレーニングをするなど関係は非常に良好。シービーがあまりにも自由人過ぎるせいで、必然的に彼女が常識人のツッコミ役になるという一面も。
育成シナリオでは早速登場し、クラシック三冠レースやジャパンカップなど、目標レースほぼ全部といって頻度で勝負服姿でライバルとして立ちはだかる。
史実におけるカツラギエースはシービーの同期にして最強のライバルであり、特に1984年ジャパンカップではミスターシービーとシンボリルドルフ、三冠馬2頭を撃破して日本馬初のジャパンカップ勝利*10を飾っている。


威風堂々の"皇帝"。
史実ではルドルフの方が1年後輩であるためシービーが先にデビューしている。デビュー前から生徒会長とは一体


道中は最後方に控え、終盤にかけて一気に捲るが安定感に欠け大敗も喫しやすい"凄い"追込のシービーに対し、
好位追走から抜け出し差し切る様はまさに横綱相撲、安定した王道の強さを持つ"強い"先行のルドルフと、レーススタイルはまさに対極。
さらに「自分のために」走るシービーと、「全てのウマ娘のために」走るルドルフという点でも対極。
タマモクロスの育成シナリオでは、脚質が人気に差異をもたらすと考察しており、ルドルフが人気の差を気にする描写もある。


イケイケでナウいチャンネー。
学園内トップクラスの実力者、また学園内でも高学年ということもあり並んで語られることが多い。
サクラチヨノオーの育成シナリオでは、一線を退き後輩…チヨノオーに夢を託そうとするマルゼンに対し、半ばワガママに近い気持ちでトゥインクル・シリーズに引き留めようともしていた。


また2人とも一人暮らしということもあってか、自炊や掃除洗濯などの相談を打ち明けたりしている。


唯我独尊の開拓者。
史実では特に関係はないが、年代が近いため掛け合いはそこそこ多い。
シリウスはシービーのことを「(ルドルフと違って)世界がテメエのために存在しているような振る舞いがなんともそそる」として気に入っており、シービーの方も嘘がないシリウスの振る舞いを好んでいるため、仲は良好。


ホーム会話やクライマックスシナリオのイベントで登場。
ルビーはあちらのサポートカードイベントにシービーが顔を出しており、顔見知りであることが語られている。


史実では世代が異なるため対戦歴はないが、いずれもトウショウボーイの血筋に当たる競走馬である(ダイイチルビーの父、フクキタルの母父、スイープの母母父がトウショウボーイ)。


緑の悪魔敏腕にして俊足の理事長秘書。
共同通信杯への出走に際しては、「思い入れがある」として激励を送っていたほか、おでかけイベントではウマ娘に混ざって水鉄砲バトルに参加しており、
シービーの両手に持った2丁のほか足で持った3丁目に屈した時には追い込みミスターシービーされちゃいました」*11と強者どうし健闘を讃えている。


全く関係無い話だが、共同通信杯の副称はトキノミノル記念である。


  • シービーの両親

シービーは上記の通り一人暮らしだが、両親もそう遠くないところに住んでいるらしい。
彼女の父は担当ウマ娘が「天を駆けているよう」と例えられる逸話があるほどの名トレーナー、母はその担当ウマ娘、しかも「トレーナーが」新人時代に一目惚れしていたことがストーリー中で明らかにされる。
さらに母親側の猛反対を押し切り駆け落ちに似た形で結婚したためか、結婚してしばらく経った今でもアツアツとシービー談。
これは実馬ミスターシービーの出生が元ネタ。
父は皐月賞や有馬記念を制した「天馬」トウショウボーイ、母は重賞3勝を挙げたシービークインなのだが、この2頭は同じ新馬戦でデビューしている*12
さらに当初シービークインとトウショウボーイの交配は本来実現し得なかったところを、トウショウボーイ側*13が独断で交配させた結果産まれたのがシービークインの1、後にミスターシービーと呼ばれる馬である。
その後シービークインは父ハードツービートの仔の出産に際しトラブルが起き結果死産、それ以降不受胎が続いたためミスターシービー以外の産駒を残すことができなかったのである。


余談だが、「トレーナーとその担当ウマ娘が後に結婚した」という事例が実際に提示されたのはこれが初であり*14、トレラブ系二次創作作者達に一石が投じられる事となった。



◆余談

  • 三冠馬と天皇賞(秋)

日本競馬において牡馬クラシック三冠を達成した7頭のうち、「2000mになってから」の天皇賞(秋)を制したのは現状ミスターシービーただ1頭。
ミスターシービー以降、1985年にシンボリルドルフが挑んだが「あっと驚く」伏兵ギャロップダイナに差し切られ2着。メインストーリー第4章でも言及のあった1995年にはナリタブライアンが挑んだが12着。
その後ディープインパクトオルフェーヴル2頭の三冠馬が誕生するがいずれも凱旋門賞に出走したこともあり、そもそも天皇賞(秋)には出走したことがない。
2021年にコントレイルがナリタブライアン以来26年ぶりの三冠馬出走・ミスターシービー以来37年ぶりとなる天皇賞(秋)制覇に挑んだが、皐月賞馬エフフォーリアに1馬身届かず2着に敗れている。
牝馬三冠を含めると、2019年にアーモンドアイが制覇している。


  • ミスターシービーのヒミツ?

どちらにも元ネタがあり、「エレベーターが少し苦手」の方は千明牧場の経営元が華厳の滝にある観光用エレベーターの営業を行っていることに由来している。
2つ目の「歌舞伎が好きでよく観に行く」というのは、その容姿が「歌舞伎町の女形のよう」と例えられたことに由来している。その容姿は、「流星の貴公子」テンポイント以来となる写真集が刊行されるほどであり、女性ファンの獲得にも繋がったとされているほどの美貌の持ち主であった。
また、モチーフ馬の大ファンであった寺山修司が、実現こそしなかったものの晩年には「歌舞伎をやりたい」と言っていたということも元ネタの一つと考察する者も。



追記・修正は淀の坂を全速力で登って下ったトレーナーがお願いします。


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  • シービーが前生徒会長で台頭したルドルフに職を引き継がせた後ふらふら楽隠居してるのかと思ったら、そもそも生徒会無関係だったという -- 名無しさん (2023-03-09 15:34:23)
  • 声が良い。聴力が良くなる。+顔が良い。視力が良くなる。 -- 名無しさん (2023-03-09 16:09:01)
  • 作成乙です。まだかまだかと待ち望んでいたら、まさか2ndアニバの目玉まで引っ張られようとは… -- 名無しさん (2023-03-09 17:47:56)
  • 項目を読む感じだとウマ娘の世界にはトウショウボーイのウマ娘もちゃんといるみたいだな。彼女の父親が元トレーナーってことは既に引退してトレセン学園を卒業しているのかな? -- 名無しさん (2023-03-09 17:54:59)
  • 同じ三冠のルドルフやブライアンに比べると随分勿体ぶられてたよね -- 名無しさん (2023-03-09 22:39:17)
  • ↑2 いや、シービーの出生考えるとトレーナーの父がトウショウボーイで母がシービークインなウマ娘っぽい(母は重賞ウマ娘だったっつってるし、父側牧場が望んだけど母側牧場が断る状況だったのを場長独断で、だし) -- 名無しさん (2023-03-10 00:06:08)
  • 立て乙。CBいいよね… -- 名無しさん (2023-03-10 01:34:29)
  • いつ見ても勝負服の意匠が仮面ライダーサイクロンなんだよなぁ -- 名無しさん (2023-03-10 08:04:49)
  • 美人でイケメン過ぎて胸が苦しい -- 名無しさん (2023-03-10 09:39:23)
  • シングレのシービー結構喋ってない? -- 名無しさん (2023-03-10 10:12:32)
  • ↑5項目を読んでミスターシービーの父親が昔担当していたウマ娘の中にトウショウボーイのウマ娘が居たって解釈していたんだけど違った? -- 名無しさん (2023-03-10 12:47:43)
  • そりゃそんだけ才能があったら楽しいだろうな -- 名無しさん (2023-03-10 22:55:55)
  • どっかで「それって君の感想だよね?」って言いそうってのを見てからそういうキャラにしか見えなくなった助けてくれ -- 名無しさん (2023-03-11 02:03:05)
  • ↑それって君の偏見だよね? -- 名無しさん (2023-03-11 16:27:06)
  • CBのご両親の件知ったら掛かり気味になりそうな子が何人かいますね…… -- 名無しさん (2023-03-11 18:17:18)
  • 冠バってあるけど、三冠ウマ娘の方が正しいんじゃないの?作中でそっちの名前で呼ばれた事ってあったっけ?追込バの方は正しいのかよく分かんないけど -- 名無しさん (2023-03-11 21:15:32)
  • ↑×4 CBは他人に迷惑掛けないなら、自分への誹謗中傷すら咎めない器の広さを持った女だから、どっかのタラコ唇に上から目線で人を嫌味なんて言わないよ -- 名無しさん (2023-03-11 23:06:47)
  • 黒髪から茶髪に変更されたのは黒髪黒服のカツラギエースとのバランスを取る為じゃないかな? -- 名無しさん (2023-03-12 02:42:33)
  • 実装前は気の赴くまま好きに行動してる自由人みたいなイメージだったけど実装後の個別ストーリーで180°反転した。トレーナーも言ってたように周囲の気遣いもきちんとできる真面目さも併せ持つから自由人とは程遠い凄い不器用な子なんだなと。 -- 名無しさん (2023-03-12 08:16:56)
  • 足なっが!腰ほっそ!顔ちっさ!グッドルッキングすぎる -- 名無しさん (2023-03-12 11:13:44)
  • 多分誰も気にしないけど「ミスター」と付くのに女性なのは何故なんだろ。 -- 名無しさん (2023-03-14 16:59:28)
  • 彼女のモチーフになった馬の名前が「ミスターシービー」だから -- 名無しさん (2023-03-15 02:02:12)
  • 「キング」ヘイローとかいるのに今更過ぎる話 -- 名無しさん (2023-03-15 09:53:26)
  • ツルマルツヨシの前でもそれ言えんの? -- 名無しさん (2023-03-15 13:23:49)
  • ↑ナリタブライアンの前でも(ry しかしそうか、彼女も帽子勢だったか -- 名無しさん (2023-04-02 00:30:24)
  • エースシナリオのクラシック三冠はやはり負けバトル枠だった…ローレルシナリオのブライアンよりは落ち着いてたけど -- 名無しさん (2023-07-10 19:07:00)
  • ダービーと菊花のシービーには勝てたが皐月が無理… -- 名無しさん (2023-08-01 19:25:24)
  • ↑4ツヨシは「強し」ともとれるからまあ… -- 名無しさん (2023-10-05 09:57:03)
  • シングレのイナリワンへの激励ホント好き。「レースの主役は自分(あたし)なんだからさ」って台詞はイナリを少しだけ吹っ切らせたと思う。しかし12月の海に飛び込む度胸の強さよ… -- 名無しさん (2023-10-27 23:31:14)
  • チヨちゃんシナリオだと自由の度を超しかなり後輩に対してエゴを押し付けてくるイヤな先輩ポジになってて、当人のシナリオでもそうなんだけど基本的に他者の心情を理解しても汲み取らない(「取れない」ではないのが重要)節がある辺り、追込馬らしい性格がよく表現されてると思った(前述のチヨちゃんシナリオはその後に行動の理由になったゲキマブがきっちり釘刺して怒ってる程)逆に言えば、シービーは作劇のヘイト買いポジもこなせるキャラなのかもしれん。そう思いながら担当してます。 -- 名無しさん (2024-06-12 06:56:01)

#comment(striction)

*1 アニメでは1期・2期ともに黒髪。実馬の方も黒鹿毛なのだが……
*2 実際は美浦トレセンに所属していた。
*3 作画担当の久住先生にもネタにされるほど
*4 「競馬の神様」こと競馬評論家の大川慶次郎の言葉。他にもシービーの適正距離については、主戦騎手を務めた吉永正人(後にJRA調教助手→調教師)や馬主の千明大作が「2000mまでの馬」、吉永騎手と親交が深かった中島啓之(JRA騎手。人情家として知られ、騎手・調教師からマスコミまで多くの競馬関係者と親交を持った好人物だったが、肝臓がんのため現役騎手のまま42歳の若さで死去)は「あの馬の能力は本来スプリンター」、サンケイスポーツのシンボリルドルフ番記者でシービーをあまり評価しなかった(ただ素質自体はルドルフと互角と評している)清水理義は「短い距離で瞬発力があるのはスプリンターの証拠。マイラー型までの馬」とそれぞれ評している。
*5 史実における父トウショウボーイの異名「天馬」から
*6 菊花賞の時の実況「大地が弾んでミスターシービー」より引用
*7 1935年生まれ。1967年に結成した前衛演劇グループ「天井桟敷」での活動が有名で、「言葉の錬金術師」「昭和の啄木」などの異名で知られる。競馬ファンでもあり多数の関連作品を残しており、特に馬たちを扱った詩集の朗読CDである「涙を馬のたてがみに」に収録されている千住明氏作曲のBGMは今もフジ系列の本場馬入場曲として使われているほか、馬主を務めたこともあるほどの人物だった。騎手では人情家として知られながら病のため現役のまま急逝した中島啓之や、ミスターシービーの主戦騎手を務めた吉永正人を贔屓にしており、「(彼らが)ダービーに勝つまで書き続ける」としていたが、吉永騎手がシービーと共にダービーを勝って二冠を達成する少し前に病のため47歳で急逝した。
*8 19「83」年に「三」冠の意と思われる。「寺山修司記念館」にある彼の功績を記した年表はミスターシービーの三冠達成の記述で締められている。
*9 通算戦績や三冠達成という経歴からして、元ネタは十中八九「シンザン」。詳細は当該記事を参照してほしいが、史上2頭目にして戦後初のクラシック三冠馬であり、戦後日本の競馬界に長きにわたって影響を与え続けたことで有名。
*10 この勝利まで、当時の日本馬と海外馬との間には「海を越えて遠征してきた一線級でもない馬にすら完敗するのが当たり前」というほどの力の差がある状況だった。
*11 シービーのスタイルに対して「あれでは現代競馬は勝てない」と批判的であった岡部幸雄がシンボリ牧場所有のマティリアルに騎乗して直線一気の追い込みを見せて勝った1987年スプリングSのあとに「ミスターシービーしちゃった」と述べたのが元ネタ。
*12 実は後にトウショウボーイと共にTTGの一角として語られるグリーングラスも出走していたというとんでもなく濃いメンツ。
*13 厳密に言えばトウショウボーイが繋養されていた日高軽種馬農協の場長。当時トウショウボーイは種牡馬になったばかりで人気が無く、良質の牝馬を求めていた場長と是非ともトウショウボーイを種付けしたい千明牧場側の利害が一致し、独断で種付けの許可が出された。もちろん場長はこの独断で上司からこっぴどく叱られ、シービーが三冠を取るまで非常に肩身の狭い思いが続いたというが、その後シービーが活躍してトウショウボーイが人気種牡馬となると、一転してその評価が上がったという。
*14 ミホノブルボンの父は元トレーナーで娘がウマ娘、という情報があるだけで母親に関する言及自体はない。

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