サカナクション

ページ名:サカナクション

登録日:2022/11/02 Sun 23:55:00
更新日:2026/07/14 Mon 00:31:06NEW!
所要時間:約 22 分で読めます



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サカナクション(sakanaction)とは、日本で活動中の5人組ロックバンドである。



目次



【概要】

2005年に北海道で結成し、2007年に上京の上でビクターエンタテインメント傘下のBabeStar Labelからデビュー。
元々は、山口と岩寺が高校の同級生と組んでいた「ダッチマン」(当初は「ダッチマンtheサンコンズ」)というバンドが原型であり、デビューの際に他3人が入って今の形となる。


バンド名は、「魚」「アクション」から成り立った造語。
山口がファンに覚えてもらうために珍しいバンド名を考えたところ、あまり使われない単語の「サカナ」が山口の「良い意味でふざけたい」という想いから使用。
そこに「変化を恐れずにやっていこう」という願いを込めて「アクション」と合わせて作られた。
ただ岩寺は初めてこのバンド名を聞いたときかなり嫌がっていた。

実は本当の考案者は山口自身ではなく、彼のいとこである。
「ダッチマン」として活動していた当時の山口は、いとこと共に定職に就かず遊び歩いており、趣味の魚釣りで盛り上がっていたという。
その頃にいとこが「魚」釣りと、2人して活動的(アクティブ)であることから取って「サカナクション」という造語を作り、携帯電話のメールアドレス(sakanaction@...)に使っていたのを山口が気に入り、ダッチマン解散後の新バンド名として採用した、というのが真相である。


いとこは現在、岐阜県にてクライミングジムを起業しており、店名もサカナクションをもじった「魚動」である。
上記の真相も、サカナクション黎明期には同ジムの利用者の間で知れ渡っていたそうな。


ロックだけに留まらず、ハウス・テクノなどのダンスミュージックを融合させた先鋭的なサウンドが持ち味。
音楽だけでなくミュージックビデオにも定評があるアーティストとされている。構想の段階から山口も深く携わっており、一度見れば印象に残る独創的ながらも味のある映像に魅了されるものも少なくない。


楽曲の制作は主に、山口の自宅にメンバーとマネージャーが集まって行われている。
ちなみに山口の自宅は特に防音壁が使われている訳ではないため、普通に隣の住人にも音が漏れる。たまたま隣人がロック好きなため、むしろ応援してくれたという。さらに大家にもバレた。
また莫大な量の機器も使うため電気代が20万くらいになったこともあった。しかも事務所に伝えていなかったため費用は自腹。


バンドのライブでも音に異常に拘りを持っており、自称「音の変態」
アリーナクラスの会場では世界初となる6.1chサラウンド音響の導入や、独自の音響規格「SPEAKER+」を考案するなど工夫を重ねており、どんな席でも最高の音を届ける事を信条としている。
そのため完売しないと赤字になる。映像作家の田中祐介監督と組んでからは、ビジュアルエフェクトにクリエイティブ集団の「Rhizomatiks」を迎え入れ、それそのものがMVとして成立するレベル。
その音の拘りと演出力により、2020年コロナ禍で行われた無観客オンラインライブ「SAKANAQUARIUM 光 ONLINE」は大盛況。ただし最初は予算3000万だったものの、最終的に1億何千万円に膨れ上がった。


2021年のオンラインライブ「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」では高さ13m、4階建てビルに相当する巨大セット「アダプトタワー」を建設
このタワー、分離・合体することで全国のライブ会場に移設できる変態仕様。こいつだけで3億円かかった。*1
ファンからは全国ツアー終了後に何処かに移設されるか、「ベルリンの壁」のようにバラした部分を売り出すのかと思われていたが、なんと即日処分したらしい。岡本太郎イズム



【メンバー】

  • 山口やまぐち 一郎いちろう

1980年9月8日、北海道小樽市生まれ。VoボーカルGtギター担当。大半の楽曲の作詞・作曲も彼が受け持っている。
本名は「一郎」だが、メディアによっては「一路」と表記することもある。
好物はグミ。喫煙者で現在は加熱式たばこを愛用。


両親が喫茶店を営んでおり、そこから流れている音楽を聴いて育ったため音楽に触れる機会は多かった。
自身の音楽の始まりはフォークソングとも語っており、最初に弾けた曲はイルカの「なごり雪」だった。
大の釣り好きでもあり、「オリンピックの種目に釣りがあったらミュージシャンになっていなかった」と語るほど。
バンド名の「サカナ」も先述の理由以外にも自身の釣り好きからも来ていて、レーベルに「ナイトフィッシング」の名前を冠している。


幼少期から特撮「TAROMAN」の大ファンでもあり、グッズも多数コレクションしている音楽界一のタローマンマニア。
小中学生は野球部、岐阜県出身の父の影響で熱狂的な中日ドラゴンズファンとしても知られ、ナゴヤ球場の外野フェンスの広告枠を自費で購入したほど。その縁もあり、2026年には球団の創立90周年広報アンバサダーに任命された。


17歳の高校在学中の頃からビクターの育成枠として音楽活動し、「ダッチマン」解散後「サカナクション」としてデビューした。
「僕らはすごい人達じゃない、ただの音楽好きの兄ちゃん姉ちゃんなんだ」とは本人の弁。これは一躍有名人となってしまった経験からきている。*2


2010年、体の不調をおして全国ライブツアーを決行後、突発性難聴を発症し片耳(右耳)がほとんど聴こえなくなってしまう。*3
当時は何も聴こえなかったが、2015年に『情熱大陸』に出演した際は低音であれば多少聞こえるほどには回復した…
…のだが2020年には持病として群発性頭痛を患っていることを公表。自身のInstagramにて「群発性頭痛を発症してから、もう何年も経ちます」と投稿した。
群発性頭痛は別名「自殺頭痛」とも呼ばれ、一定期間*4に集中して起こり、1日の間に発作を何回も繰り返す。
最大で約3時間ものあいだ、目の奥をえぐるような激痛に見舞われ、『人類最悪の痛み』とも呼ばれており、別名のように耐え切れず命を絶ってしまうケースもある。
一郎氏も症状について「信じられないくらいの痛みが頭の片側、目の裏辺りを襲う」と語っている。


2022年には体調不良のため、一定期間休養することを発表。15周年の配信ライブを終えた頃、コロナ禍もあり過酷な状況で鬱病を患う。*5
その後、YouTube配信を経て自身の現状と向き合い、両親や旧知の友人、メンバーやファン、様々な人に支えられ2024年に復帰を果たした。


近代美術への関心が深く、日本を代表する芸術家・岡本太郎の影響も濃い。音楽的影響を受けた曲はスピッツの「スパイダー」。
今でも楽曲を制作する際に「スピッツ+テクノ」「スピッツ+エレクトロニカル」と軸にすることがあるとのこと。



  • 岩寺いわでら 基晴もとはる

1981年3月11日、北海道小樽市生まれ。GtギターChoコーラス担当。
ファンからの愛称は「モッチ」。ギター担当だが器用なので、多種多様な楽器を弾きこなせるという特技を持つ。
その才能を活かした「プロギタリストはギターで注文できるのか?」や、マイナーな初見楽器を弾きこなせるか試す「楽器仙人」などの企画を受けた事もある。


実家は風呂屋*6で、趣味はゲームとサウナ巡り。
ダッチマン時代からの唯一のメンバーであり、当時は山口のDJに岩寺がアドリブでギターを合わせるというスタイルだった。
大のゲーム好きでもあり、ラジオ「ゲームミュージックの世界」では非常に詳しい解説を行なっている。
あまりにも詳しすぎて山口からは「音楽よりゲームの方が詳しいんじゃないか」とツッコまれたほど。
サウナ巡りも好きで、江島とサ活に興じている。
音楽的影響を受けた曲は、くるりの「ワールドエンド・スーパーノヴァ」。



  • 草刈くさかり 愛美あみ

1980年4月30日、東京都生まれ。BaベースChoコーラス担当。メンバーの中では唯一の北海道以外の出身で、その後に北海道へ引っ越している。
ファンからの愛称は「姐さん」。10代の頃からいろいろなバンドで演奏した経験がある。
家にピアノやギターがある環境で育ったため、幼少期から音楽に触れる機会は多かった。そんな中、それまでとは違う楽器を弾きたいと考えた末に今のベースを弾き始めた。
サカナクションの結成時、当時入ってたバンドが活動休止になったのを機に合流。その優れたセンスは他のバンドやアーティストも注目する。
その後一般男性と結婚、2015年には第一子を出産した。大ヒットを記録した「新宝島」は彼女と生まれた赤ちゃんに向けた歌。


緑色のアイテムを好んで使用しており、「ミドラー」を自称している。
初めてのエフェクター選びは、自分がプレイしたい音楽が鍵とのこと。
色んなジャンルの音楽を聴いて育ち、特に憧れていたベーシストはMr.BIGのビリー・シーン。
音楽的影響を受けた曲はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「strawberry garden」。



  • 岡崎おかざき 英美えみ

1983年10月5日、北海道小樽市生まれ。KeyキーボードChoコーラス担当。
ファンからの愛称は「ザキオカ」「ザッキー」。
幼少期からピアノを弾いており、当時の夢は「ピアノの先生」だった。
パンが大好物。道内有数の進学校出身。


結成前に山口と同じCDショップでアルバイトをしており、ピアノができると知った山口から誘われて合流。
ちなみにバイトの頃は先輩だが年齢的にはメンバーで一番年下であり、山口とは3歳差。
個性的な衣装にでかいサングラスと見た目はメンバーの中でも奇抜だが、本人は至って常識人。また非常に無口。


かつては1年で数10分しか喋らないとも言われていたが、最近は結構MCや配信などで喋っている姿を見掛ける。
ほわほわした人柄と喋り方が特徴で、少し天然のドジっ子。2020年からイタリアングレーハウンドの愛犬「ぐーたん」を飼い始めた。
音楽的影響を受けた曲はYMOの「ライディーン」。



  • 江島えじま 啓一けいいち

1981年7月8日、北海道札幌市生まれ。DrドラムChoコーラス担当。
ファンからの愛称は「エジー」「えじまんぼう」。
幼少期は友達のお兄ちゃんから音楽を聴いて育ち、中学生の頃にギターを始め、当時はHelloweenなどの楽曲をコピーしていた。
その後バンドを組むにあたり、メンバーの中にドラムを演奏できる人が居なかったためドラムを始めたのが経緯。
ドラマーの面白さに目覚め、サカナクション加入前には「刀狩り」というバンドに所属していた。
実はダッチマン時代からのファンで、知人からの紹介でバンドに合流。サポートメンバーから正式メンバーに昇格した。


山口からはよくぞんざいな扱いを受けるが、本人達曰く「プロレス」でありじゃれ合い(パフォーマンス)らしい。
「NFパンチ」内のコーナー『ヒトリテクノ』をもとにしたギター岩寺基晴とのユニット「フタリテクノ」としても、NFでライブを披露している。


サカナクションとしての活動だけでなく他のアーティストの制作に携わり、映画・舞台・CMで使用される楽曲の作曲も手掛けるマルチクリエイター。
DJとしても活動しておりクラブイベントなども開催しているなど多彩な才能を持つ、縁の下の力持ち的存在。
憧れのドラマーはMiles Davisのトニー・ウィリアムズで、同バンドの曲「Four&More」は青春時代によく聴いていたという。
音楽的影響を受けた曲はAOKI takamasaの「War&Peace AOKI takamasa Remex」。AOKI氏は一部楽曲にもリミックスとして参加している。



【来歴】

1998年、山口と岩寺が高校の同級生と「ダッチマンtheサンコンズ」を結成。学生にしてビクターの育成部門に所属し、UKロックを中心に活動していた。2000年に「ダッチマン」に改名。
しかし2004年、山口以外のメンバーが脱退。このときにUKロックに限界を感じた山口は、ダンスミュージックを音楽に取り込むスタイルを模索。
2005年に岩寺が復帰して2人組ユニットになり、ユニット名を「サカナクション」に改名。当初は山口のDJに岩寺がアドリブでギターを合わせるというスタイルだった。
2006年頃から草刈・岡崎・江島がサポートメンバーとして参加し、本格的にバンドとしての活動を始める。


下積みを続けた後、2007年にアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャーデビュー。正式メンバーも今の5人となった。
デビューからしばらくは地元・北海道で活動を続けていたが、2009年に東京に拠点を移す。
上京後初のアルバムとなった3rdアルバム『シンシロ』がオリコンチャート8位にランクイン。翌2010年には2ndシングル『アルクアラウンド』がオリコンチャート3位を獲得し、知名度を高めていく。さらに4thアルバム『kikUUikiキクウイキ』もオリコンチャート3位を獲得し、世間に彼らの音楽が受け入れられていく。
2013年、6thアルバム『sakanaction』で初となるオリコンチャート1位を獲得し、年末にはNHK紅白歌合戦への出場を果たした。
その後も精力的に活動を続けていたが、2022年、山口の体調不良が続いたことで、予定していたツアーが延期・中止に。最終的に休養期間に入ったことで、バンドとしての活動がしばらくストップする。


2023年、山口がソロでのツアーを開催し、千秋楽にはメンバー全員がサプライズで出演し『新宝島』を披露。2024年にはアリーナツアーを見事完遂し、復活を果たした。
2025年、3年ぶりの新曲『怪獣』をリリース。アニメチ。-地球の運動について-』の主題歌として制作され、鬱病からの復活、初のアニメ主題歌などで、サカナクションのファン以外からも注目を集め、オリコン週間デジタルシングルランキングにて、自身初となる1位を獲得した。後に自身初となる累計再生回数3億回を突破し、バンド史上最大のヒット曲となった。
また同年には通算2回目となる紅白に出場し、『怪獣』と『新宝島』のメドレーを披露。『怪獣』では「漫画(原作のアニメ)作品の主題歌」要素と「公式MVの続編」要素をと融合させた演出を行った事、それと『新宝島』のMCで『TAROMAN』ネタも披露した事で話題となった。



【ディスコグラフィ】

本項目では、暫定的にマキシシングルのみを解説する。


  • セントレイ

2008年12月10日発売、記念すべき1stシングル。
3rdアルバム『シンシロ』の制作過程で生まれた楽曲で、先に配信リリースされた後の約1か月で発売された。
タイトルの由来は「1000と0」。そこから「宇宙と自分」の「狭間」が繋がっていく軌跡という意味で名付けられた。
本楽曲を引っさげて初めて音楽番組に出演したのだが、収録後に山口が「音楽番組に出た」という事実を許容できず、「こんなことやるために音楽やっているんじゃない」と多摩川で号泣したというエピソードがある。
MVも真っ黒な背景で演奏しながら時おり宇宙のような演出が入る、まさにタイトルらしい映像に仕上がっている。


  • アルクアラウンド

2010年1月13日発売の2ndシングル。1stから1年以上空いてのリリース。
オリコン3位を獲得し商業的にはヒットした曲だが、山口自身はこの楽曲を「自分たちらしさがない」と悲観している。
MVはカットなしの一本撮りで、山口が幕張メッセ内をひたすら歩き、メンバーが背景で演奏する一見シンプルなもの。
だが歩いていると、歩幅に合わせ次々歌詞を視覚化したタイポグラフィを模したオブジェが現れ、白い文字が黒い背景に重なった時だけ見えるトリックが施されている。
ちなみに映像はループしており、楽曲が終わると映像と合わせて最初からとなる。
CGや合成を一切使っていない映像美は高く評価され、様々な賞を獲得している。
アルペン「kissmark」CMソング。


  • アイデンティティ

2010年8月4日発売の3rdシングル。
サビの盛り上がりとMVに出てくるパチンコ台が印象的な楽曲。
人の顔を模したパチンコ台の両目(=玉の射出口)から出た大粒の涙(=パチンコ玉)、そして大きな口(=画面)がMVを流す様子はまさに「叫びたくて僕は泣いている」の歌詞通り。
カップリング曲の「ホーリーダンス」は、元々作っていた「ルーキー」がシングル用に回されたことで、新たにもう一曲作ることになったが、当時山口は多摩川でナマズが釣れると知って釣りスイッチが入っていたため、その時の「仕事をしたくない、曲も作りたくない、全部放り出して釣りに行きたい」という思いが込められている*7。その甲斐あってか、ライブでも頻繁に演奏される人気曲となった。
山口はシングル内3曲をそれぞれ「皮(アイデンティティ)」「実(ホーリーダンス)」「種(3曲目の『YES NO(AOKI takamasa remix)』)」と述べている。
サカナクションのファンを公言している橋本環奈が、自身が主演した映画『セーラー服と機関銃-卒業-』の公開直前イベントのミニライブで歌っている。
東進「340万人の高校生へ」篇CMソング。


  • ルーキー

2011年8月4日発売の4thシングル。
当初は「アイデンティティ」のカップリングとして制作されていたが、プロデューサーが「これは売れる」と判断し、表題曲へ格上げされた。
タイトルは「こんな新人が出てきたら嫌だ」というコンセプトで本楽曲が制作されたことに由来するもので、歌詞の内容とは何ら関係がない。最後のサビ前で「あれ?CD壊れた?」と思ってしまうのは誰もが通る道
MVは山口主演のドラマ形式で、ループもののような演出が施されている。
カップリング曲のひとつである「montage」は、2010年10月にUstreamで生配信された公開レコーディング『Visual Music Session』で制作されたもの。
先にMVが作られており、それを見て得たインスピレーションを基に作曲・演奏をするという方法で制作された。
東進「未来のリーダーたち」篇CMソング。


  • 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』

2011年7月20日発売の5thシングル。
タイトルが長く、カギ括弧『』まで含めて正式名称。山口が「ちょっと気になるっていうところを狙ってみたくて」つけたとのこと。
当初は「エンドレス」という楽曲のカップリングになる予定だったが、「エンドレス」が作詞に8か月もの期間を要したためシングルとしての発表を中止し、代わりに本楽曲がリリースされた。*8
MVでは山口と彼を模した人形による奇妙なダンスや、麻生久美子氏演じる謎の女性とのラブシーン(?)が繰り広げられ、楽曲らしい「ねじれていく世界」が描かれている。ややリアルな山口人形や、女性だったダミー人形がかなり不気味。
前衛的な演出が多いサカナクションのMVの中でも特に前衛的な作りとなっている。ちなみに、本作が現在のサカナクションのライブ・映像演出を手掛ける田中裕介氏との初仕事である。
インパクトの残るこの山口人形はかなり重量があった(約20kg)上、4体分を両手両足を使って動かさなくてはいけない重労働だったことから、下記の新宝島発売後、情報番組のインタビューにおいて山口は「(歴代MVの撮影で)一番大変だったのはバッハ」と語っていた。
山口人形はライブでもこの楽曲を演奏する際に登場することがあるのだが、2021年のライブ『アダプト ONLINE』では「新宝島」でも登場し、ダンサーとともに手にポンポンを付けて踊っていた。
東進「16歳の転機」篇CMソング。


  • 僕と花

2012年5月30日発売の6thシングル。バンドとしては初のドラマ番組主題歌。
MVは花の作り物を持った山口と花風の衣装の人物が演劇仕立てに歩いていくというもので、所々遠近法を用いた演出が加えられている。他メンバーはサビ部分の背景で演奏している。
カップリングには電気グルーヴの石野卓球がリミックスした「ルーキー」が収録されている。サカナクションがダメ元で依頼したところ、見事実現したとのこと。
フジテレビ系ドラマ『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』主題歌。


  • 夜の踊り子

2012年8月29日発売の7thシングル。
MVでは富士山の麓で、舞子さんが踊る中メンバーが和服で演奏するというもの。
ちなみにMV撮影は夏場に行われ、大サビはカメラを何回も移動させて撮影したためかなり時間がかかり、アップの際には顔にライトが当たってめちゃくちゃ暑かったとのこと。しかも夜にも撮影が行われたため大量の虫が集まってきた。
学校法人モード学園・2012年度CMソング。


本曲リリース以後の公式ライブで毎回必ずセットリストに加えられるくらいには、サカナクションに欠かせない曲として一定の評価を得ていた。
ところが2026年1月、サカナクションのファンだという韓国のYouTubeユーザーが、インドネシアの伝統的なボートレースにて男の子が踊っている映像に本曲を組み合わせたショート動画を投稿。
これが世界中で大バズりとなり、少し遅れた4月頃にはサカナクションの大元である日本にも到来。山口自身もYouTube配信内でブームに乗っかったことで人気が急増し、何とリリースから14年越しにオリコン1位(デイリーストリーミングランキング)に躍り出る快挙を成し遂げた。


  • ミュージック

2013年1月23日発売の8thシングル。バンド初のワンコインシングル(500円)で発売された。
メンバー5人が山口の自宅に集まって製作され、メンバーが「学生時代の遊びのように曲を作ることにチャレンジした」結果生まれた楽曲。
ファンからも人気が高い楽曲であり、「サカナクションの一つの集大成」とも評されている。
MVは中央で山口が音楽を聴いている背景である女性の「物語」が進行していく、楽曲の世界をスタイリッシュに仕立てたもの。
フジテレビ系ドラマ『dinner』主題歌。ドラマでは尺の都合上、残念ながら最後の大サビは流れなかった。


  • グッドバイ/ユリイカ

2014年1月15日発売の9thシングル。バンド初となる両A面形態。
本作及び次作は、6thアルバム『sakanaction』の大ヒットにより多忙を極めた山口が「一度メジャーシーンから離れ、昔の時代に戻ろう」と思いを込め好きなように製作した楽曲となる。
自分たちの好きなように作ったため、「新宝島」リリースまでセールスの面ではあまり恵まれなかった。
前者のMVはメンバーメインではなく、珍しく「グッドバイ」をテーマにした男女の切ない物語が描かれている。
後者は裸体で横たわる女性たちと東京の情景が交差するいつもの前衛的な映像となっている。一瞬TENGAが映っている


前者はスクウェア・エニックス配信のソシャゲ『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』CMソング、後者は映画『ジャッジ!』エンディング曲。


  • さよならはエモーション/蓮の花

2014年10月29日発売の10thシングル。前作に続き両A面形態で発売。
蓮の花は元々、芥川龍之介の作品である「蜘蛛の糸」がそのままタイトルになる予定だったらしく、作中の蜘蛛の糸で地獄から抜け出そうとする主人公・カンダタと、作詞をしている曲内の自分を照らし合わせたとのこと。
前者のMVは「過去をミル」をテーマとしており、山口が入ったモノクロの建物内で過去の自分を見つけ、過去・今・未来がクロスしていくというもの。
後者は山口が蜘蛛の姿をした謎の人物と一緒にドライブや商店街へ行くというシュールなもの。中身がダンサーの蜘蛛男のキレのある動きでよりシュールさが増している。
この蜘蛛男は歌詞内に出てくる「あの日逃がした小さい蜘蛛」のことで、その蜘蛛が山口を応援する様子を描いたもの。最後のダンスのシーンまで山口は蜘蛛男が見えてない設定とのこと。


前者は東進「2013全国統一高校生テスト 全国統一中学生テスト」篇CMソング、後者は映画『近キョリ恋愛』主題歌*9


  • 新宝島

2015年9月30日発売の11thシングル。
タイトルの元ネタは山口が楽曲研究の際に見つけた、手塚治虫作の漫画史に残る不朽の名作『新宝島』より。
同年の1月からメンバーの草刈が出産のためバンド活動を休止しており、同作で活動再開となった。
バンドの最近の作品とは異なるポップ・ミュージック要素が取り入れられ、「バンドの新たな姿勢」と評する者もいれば「原点回帰」と評する者もいた。
Billboard Japan Hot 100チャート週間1位ゴールドディスク認定と世間からも高い評価を受けている。
MVも非常に特徴的で、『ドリフ大爆笑』をオマージュした昭和の歌番組風のレトロな仕上がりとなり話題となった。
MV中のメンバーがしたステップも一部で流行り、当時のネット界隈を大いに盛り上げた。
YouTubeの公式MVも1.8億回以上再生されている、名実ともにバンドの代表曲となった。
「深さ」という独自の基準で曲順が組まれたベストアルバム『魚図鑑』でも一番初め(浅瀬)の収録楽曲となっており、現在では文字通りバンドの「顔」と言える楽曲。
ちなみに草刈は出産後間もなくのMV撮影だったため、山口は冗談交じりに「ビクターはブラック」と話していた。
余談だが、山口はこの楽曲の作詞が難航し、半年もの期間を費やしたのだが、当時していた禁煙をやめて再びタバコを吸い始めたところ、3日で書けてしまったという。
映画『バクマン。』主題歌。バンドは同作の劇判も担当しており、そちらはロックバンドでは初となる第39回日本アカデミー賞で最優秀音楽賞を受賞。


  • 多分、風。

2016年10月19日発売の12thシングル。本来予定されていた8月10日から約2か月延期されてのリリースとなった。
日焼け止めのCMソングだったからか、夜をイメージした楽曲が多かったバンドにとっては珍しい昼をイメージして作られた楽曲となった。
歌詞も山口の地元である小樽市をイメージした情景を伝える言葉が使われており、商品イメージに合うように書かれている。
歌詞内の「僕(中3)」と「あの子(高1)」をプロファイリングするという、バンドとしては初の試みで製作された。
MVはメンバーが浜辺で演奏しながら、メンバーと赤い服の女性がしきりにそれぞれの着ぐるみ(?)を脱いでいくもの。映像のシュールさと楽曲の爽やかさが混ざり合った傑作MV。
資生堂の化粧品ブランド「ANESSA」CMソング。


  • 忘れられないの/モス

2019年8月21日発売の13thシングル。通算3度目の両A面形態であり、7thアルバム『834.194』からのリカットシングルでもある。
楽曲のイメージに合わせてか、現代ではほとんど見ない8センチCDでの発売となり、元々は1万枚限定での販売になる予定だったが予約が殺到したためすぐ追加発注が行われた。
「忘れられないの」は、山口が松任谷由実との出会いに触発され、AORなどの1980年代の音楽と現代の音楽を組み合わせて制作された。
MVはメンバーが白い衣装で一昔前の出で立ちの面々と踊り歌うレトロチックなもの。後述のタイアップCMにも登場した嶋田久作氏も出オチ要員として出演する。*10
この楽曲も作詞が難航し、『834.194』の発売が2か月延期される主な要因となった。
「モス」は「C-C-Bやトーキング・ヘッズと山本リンダを合わせたらどうなるのか」という実験として制作された。
タイトルは元々、歌詞に頻出する単語通り「マイノリティ」となる予定だったが、諸般の事情で「(たとえ世間から嫌われる蛾であっても、繭を破って飛び立つ)モス」へ変更した。
MVはタイトル通り「繭」が2分間映され、中から山口が出てきてアパート(!?)を出る前衛的なことこの上ない内容。ラストに出演する女性はジェンダーレスモデルの井手上漠(男性として生まれ、女性的なモデル活動をしている)であり、様々な「繭」から飛び立ったことの表現。


前者はソフトバンク「通信制限マン」篇CMソング、後者はフジテレビ系ドラマ『ルパンの娘』主題歌。





初心者の方はとりあえずベストアルバム「魚図鑑」を聴いてから追記・修正お願いします。



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  • ギターの表記ってGtじゃない? -- 名無しさん (2022-11-03 03:09:17)
  • バンドのことよく知らないからボーカルの山口さんがタローマンの熱烈なファンということぐらいしか知らない -- 名無しさん (2022-11-03 16:28:02)
  • サカナくんショー? -- 名無しさん (2022-11-03 21:23:10)
  • 今でも下北沢でゲリラライブやってるんだっけ -- 名無しさん (2022-11-05 01:10:33)
  • ↑3 自分もタローマンマニアの印象が強いなあ。曲もいくつか知ってはいるけど -- 名無しさん (2022-11-05 08:22:12)
  • 個人的な感想だけど、聴けば聴くほど中毒性が増すスルメ曲が結構多いなって思う。もちろん大好きです -- 名無しさん (2025-07-16 15:00:23)
  • っていうか、バンドなのにソロ出演の動画ばっかり。なんでだろ。 -- 名無しさん (2026-02-15 18:47:02)
  • 鬱のドキュメンタリー番組で見てて故郷の友達とか裏方のスタッフとはよく話すのに、バンドメンバーには電話もメールもしないでマネージャー通してコンタクト取ってるの違和感あった。『怪獣』の時もそうだし、『いらない』を発表した時もソロなのも少し不満。 -- 名無しさん (2026-02-15 18:51:33)
  • サカナクションってバンドなんだから発表する時も5人でやらないと。そこら辺が独りよがりな性格が出てるなと思った。 -- 名無しさん (2026-02-15 18:54:42)
  • サカナクションもライゾマティクスと組んでたのか。Perfume以外で組んでるアーティストがいたとは -- 名無しさん (2026-05-06 05:58:38)
  • 夜の踊り子のリバイバルヒットが想定以上で衝撃すぎる -- 名無しさん (2026-05-16 01:40:01)

#comment

*1 “舞台×MV×ライブ“というコンセプトで造られており、演奏中に舞台女優による演技・演出が行われたり、ボーカルの山口だけが飛び出してMVの撮影が行われたり、オンラインライブの映像とリアルタイム同期する事で再現したり、DJをしながらタワーまるごとプロジェクションマッピングでライゾマ演出に組み込んだりもしている。
*2 「メジャーに行くこと、売れていく過程っていうのは本当に大変なんですよ。今までは好きな時に好きなタイミングで曲を作ればよかったのが、何か企業と結びついて、自分が書きたいと思わないタイミングでも曲を書かないといけなかったり、全然会ったことがない人にライブに足を運んでくださったお礼を言ったり……。そういう、みんなが仕事とか学校で苦しい思いをしているのと同じことが、ミュージシャンの背景にもいろいろあるわけです。」
*3 突発性難聴は原因不明で起こり、発症して約1カ月で聴力は固定してしまうため、早期発見、早期治療が非常に重要である。山口は当時、初の日本武道館でのライブやオリコン上位維持など多忙を極めており、バンドとしても重要な局面だったので自覚があったのに無理をしてしまった。
*4 1ヵ月から数ヵ月続き、これを『群発期』と呼ぶ。
*5 なお他にも頸椎ヘルニア、帯状疱疹など様々な病気を患っており、ベッドからも出られない生活が何度も続き、スイカと枝豆しかのどを通らなかった。
*6 札幌では有名な銭湯で、リゾートスパやビジネスホテルなども経営している大手。
*7 「ホーリーダンス」という言葉も、「放り出す」がダジャレのように変化して生まれたものである。
*8 後に「エンドレス」は5thアルバム『DocumentaLy』のリード曲として発表された。
*9 実際に使用されたのは「蓮の花-movie version-」であり、これを一部生楽器で録り直したものがCDに収録されている。
*10 後に2021年のライブ『アダプト ONLINE』(及びその映像を基に作られた2022年の楽曲『ショック!』のMV)、2024年のライブ『turn』の背景映像、2025年の楽曲『怪獣』のMVにも出演している。

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