サカナクション

ページ名:サカナクション

登録日:2022/11/02(日) 23:55:00
更新日:2024/06/27 Thu 11:20:03NEW!
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ロックバンド サカナクション 北海道 ロック バンド アクション 山口一郎 音楽 新宝島 sakanaction ビクターエンターテインメント banestar_lebel



サカナクションとは、日本で活動中のロックバンドである。



【概要】

2005年に結成し、2007年にビクターエンタテインメント傘下のBanestar lebelからデビュー。
元々は山口と岩寺がメンバー外と組んでいた「ダッチマン」というバンドが原型であり、そこからデビューの際に他3人が入って今の形となる。
名前の由来は「魚」「アクション」から成り立った造語。山口が覚えてもらうために珍しいバンド名を考えたところ、あまり使われない単語の「サカナ」が山口の「良い意味でふざけたい」という想いから使用され、そこに「変化を恐れずにやっていこう」という願いを込めて「アクション」と合わせて作られた。(岩寺は初めてこのバンド名を聞いたときかなり嫌がっていた)


ロックだけに留まらず、ハウス・テクノなどのダンスミュージックを融合させた先鋭的なサウンドが持ち味。
音楽だけでなくミュージックビデオにも定評があるアーティストとされている。
構想の段階から山口も深く携わっており、一度見れば印象に残る独創的ながらも味のある映像に魅了されるものも少なくない。
楽曲の制作は主に山口の自宅にメンバーとマネージャーが集まる形で行われている。
ちなみに山口の自宅は特に防音壁が使われてるわけじゃないため普通に隣の住人にも音が漏れる上(隣人はロック好きなためむしろ応援してくれた)、莫大な量の機器も使うため電気代が20万くらいになったこともあった(しかも事務所に伝えていなかったため費用は自腹)。


【メンバー】

  • 山口一郎(Vo&Gu)

1980年9月8日生まれで北海道小樽市出身。大半の楽曲の作詞・作曲も担当している。
本名は「一郎」だが、メディアによっては「一路」と表記することもある。好物はグミ。
両親が喫茶店を営んでおり、そこから流れている音楽を聴いて育ったため音楽に触れる機会は多かった。
自身の音楽の始まりはフォークソングとも語っており、最初に弾けた曲はイルカの「なごり雪」だった。
大の釣り好きでもあり、「オリンピックの種目に釣りがあったらミュージシャンになっていなかった」と語るほど。
バンド名の「サカナ」も先述の理由以外にも自身の釣り好きからも来ている。
17歳の頃からビクターの育成枠として音楽活動し、「ダッチマン」解散後「サカナクション」としてデビューした。
2010年、体の不調をおして全国ライブツアーを決行後、突発性難聴を発症し片耳(右耳)がほとんど聞こえなくなってしまう。
最近では何も聞こえなかった当時から、低音であれば多少聞こえるほどには回復した。
音楽的影響を受けた曲はスピッツの「スパイダー」。今でも楽曲を制作する際に「スピッツ+テクノ」「スピッツ+エレクトロニカル」と軸にすることがあるとのこと。


  • 岩寺基晴(Gu&Cho)

1981年3月11日生まれで北海道小樽市出身。実家は風呂屋*1
ファンからの愛称は「モッチ」。ギター担当だが器用なので多種多様な楽器を弾きこなせる*2
「ダッチマン」時代からの唯一のメンバーであり、当時は山口のDJに岩寺がアドリブでギターを合わせるというスタイルだった。
大のゲーム好きでもあり、ラジオ「ゲームミュージックの世界」では非常に詳しい解説を行なっている。
あまりにも詳しすぎて山口からは「音楽よりゲームの方が詳しいんじゃないか」とツッコまれたほど。
音楽的影響を受けた曲はくるりの「ワールドエンド・スーパーノヴァ」。


  • 草刈愛美(Ba&Cho)

1980年4月30日生まれで東京都出身。メンバーの中では唯一の北海道以外の出身で、その後に北海道へ引っ越している。
ファンからの愛称は「姐さん」。10代の頃からいろいろなバンドで演奏した経験がある。
家にピアノやギターがある環境で育ったため、幼少期から音楽に触れる機会は多かった。
そんな中今までとは違う楽器を弾きたいと考えた末に今のベースを弾き始めた。
サカナクションの結成時、当時入ってたバンドが活動休止になったのを機に合流。
色んなジャンルの音楽を聴いて育ち、特に憧れていたベーシストはMr.BIGのビリー・シーン。
音楽的影響を受けた曲はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「strawberry garden」。


  • 岡崎英美(Key&Cho)

1983年10月5日生まれで北海道小樽市出身。
ファンからの愛称は「ザキオカ」「ザッキー」。
幼少期からピアノを弾いており、当時の夢は「ピアノの先生」だった。パンが大好物。
結成前に山口と同じCDショップでアルバイトをしており、ピアノができると知った山口から誘われる形で合流。
個性的な衣装にでかいサングラスと見た目はメンバーの中でも奇抜だが、本人は至って常識人。また非常に無口。
音楽的影響を受けた曲はYMOの「ライディーン」。


  • 江島啓一(Dr&Cho)

1981年7月8日生まれで北海道札幌市出身。
ファンからの愛称は「エジー」。
幼少期は友達のお兄ちゃんから音楽を聴いて育ち、サカナクション加入前には「刀狩り」というバンドに所属していた。
知人からの紹介で合流。ボーカルの山口からはよくぞんざいな扱いを受けるが、本人達曰く「プロレス」でありじゃれ合いらしい。
「NFパンチ」内のコーナー『ヒトリテクノ』をもとにしたギター岩寺基晴とのユニット「フタリテクノ」としても、NFでライブを披露している。
憧れのドラマーはMiles Davisのトニー・ウィリアムズで、同バンドの曲「Four&More」は青春時代によく聴いていたという。
音楽的影響を受けた曲はAOKI takamasaの「War&Peace AOKI takamasa Remex」。AOKI氏は一部楽曲にもリミックスとして参加している。



【来歴】

1998年、山口と岩寺が高校時代に組んでいた「ダッチマン」というバンドから始まり、UKロックを中心に活動していた。
しかし6年後の2004年、山口以外のメンバーが脱退してしまい、このときにUKロックに限界を感じ今のダンスミュージックを音楽に取り込むスタイルを模索。
その後「ダッチマン」を抜けた岩寺を再度誘い、2005年に「サカナクション」が結成となった。
他3人がサポートメンバーとして参加し下積みを続けた後、2007年にアルバム「GO TO THE FUTURE」でメジャーデビュー。正式メンバーも今の5人となった。
その後は北海道で活動を続け、3rdアルバム『シンシロ』がオリコンチャート8位にランクイン。その後2ndシングル『アルクアラウンド』がオリコンチャート3位を獲得し知名度を高めていく。
東京に拠点を移した後、4thアルバム『kikUUiki』もオリコンチャート3位を獲得し世間に彼らの音楽が受け入れられていく。
6thアルバム『sakanaction』で初となるオリコンチャート1位を獲得。そして『ミュージック』『夜の踊り子』『新宝島』等のヒット曲を立て続けに作り、現在でも精力的に活動を続けている。



【ディスコグラフィ】

※()内は発売日
本項目ではひとまずマキシシングルとのみを解説する。


  • セントレイ(2008年12月10日)

記念すべき1stシングル。アルバム『シンシロ』の制作過程で生まれた楽曲で、先に配信リリースされた後の約1ヵ月に発売された。
タイトルの由来は「1000と0」。そこから「宇宙と自分」の「狭間」が繋がっていく軌跡という意味で名付けられた。
MVも真っ黒な背景で演奏しながら時おり宇宙のような演出が入る、まさにタイトルらしい映像に仕上がっている。


  • アルクアラウンド(2010年1月13日)

2ndシングル。1stから1年以上空いてのリリース。
オリコン3位を獲得し商業的にはヒットした曲だが、山口自身はこの楽曲を「自分たちらしさがない」と評価している。
MVはカットなしの一本撮りで、山口が幕張メッセ内をひたすら歩き、メンバーが背景で演奏する一見シンプルなもの。
だが歩いていると、歩幅に合わせ次々歌詞を視覚化したタイポグラフィを模したオブジェが現れ、白い文字が黒い背景に重なった時だけ見えるトリックが施されている。
ちなみに映像はループしており、楽曲が終わると映像と合わせて最初からとなる。
CGや合成を一切使っていない映像美は高く評価され、様々な賞を獲得している。
アルペン「kissmark」CMソング。


  • アイデンティティ(2010年8月4日)

3rdシングル。この楽曲から拠点を東京に移して作られている。
サビの盛り上がりとMVに出てくるパチンコ台が印象的な楽曲。
人の顔を模したパチンコ台の両目(=玉の射出口)から出た大粒の涙(=パチンコ玉)、そして大きな口(=画面)がMVを流す様子はまさに「叫びたくて僕は泣いている」の歌詞通り。
山口はシングル内3曲をそれぞれ「皮(アイデンティティ)」「実(2曲目のホーリーダンス)」「種(3曲目のYES NO)」と述べている。
橋本環奈も自身が主演した映画『セーラー服と機関銃-卒業-』の公開直前イベントのミニライブで歌っている。
東進「340万人の高校生へ」篇CMソング。


  • ルーキー(2011年8月4日)

4thシングル。2010年の武道館ライブで新曲として初披露された。
最後のサビ前で「あれ?CD壊れた?」と思ってしまうのは誰もが通る道
MVは山口主演のドラマ方式に製作され、ループもののような演出が施されている。
東進「未来のリーダーたち」篇CMソング。


  • 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(2011年7月20日)

5thシングル。タイトルが長く『』までがタイトル。
タイトルは山口が「ちょっと気になるっていうところを狙ってみたくて」つけたとのこと。
MVでは山口と山口人形による奇妙なダンスや麻生久美子氏演じる謎の女性とのラブシーン(?)が繰り広げられ、楽曲らしい「ねじれていく世界」が描かれている。
ややリアルな山口人形や女性だったダミー人形がかなり不気味。
前衛的な演出が多いサカナクションのMVの中でも特に前衛的な作りとなっている。
インパクトの残るこの山口人形はかなり重量があった上、4体分を両手両足を使って動かさなくてはいけない重労働だったことから、
下記の新宝島発売後、情報番組のインタビューにおいて山口は{「(歴代MVの撮影で)一番大変だったのはバッハ」と述べていた。
東進「16歳の転機」篇CMソング。


  • 僕と花(2012年5月30日)

6thシングル。バンドとしては初のドラマ主題歌タイアップ。
MVは花の作り物を持った山口と花風の衣装の人物が演劇仕立てに歩いていくというもので、所々遠近法を用いた演出が加えられている。
他メンバーはサビ部分の背景で演奏している。
カップリングには電気グルーヴの石野卓球がリミックスした「ルーキー」が収録されている。
サカナクションがダメ元で依頼したところ、見事実現したとのこと。
フジテレビ系ドラマ『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』主題歌。


  • 夜の踊り子(2012年8月29日)

7thシングル。
MVでは富士山の麓で、舞子さんが踊る中メンバーが和服で演奏するというもの。
ちなみにMV撮影は夏場に行われ、大サビはカメラを何回も移動させて撮影したためかなり時間がかかりアップの際には顔にライトが当たってめちゃくちゃ暑かったとのこと。
しかも夜にも撮影が行われたため大量の虫が集まってきた。
学校法人モード学園・2012年度CMソング。


  • ミュージック(2013年1月23日)

8thシングル。バンド初のワンコインシングル(500円)で発売された。
メンバー5人が山口の自宅に集まって製作され、メンバーが「学生時代の遊びのように曲を作ることにチャレンジした」結果生まれた楽曲。
ファンからも人気が高い楽曲であり、「サカナクションの一つの集大成」とも評されている。
MVは中央で山口が音楽を聴いている背景である女性の「物語」が進行していく、楽曲の世界をスタイリッシュに仕立てたもの。
フジテレビ系ドラマ『dinner』主題歌。ドラマでは尺の都合上、残念ながら最後の大サビは流れなかった。


  • グッドバイ/ユリイカ(2014年1月15日)

9thシングル。バンド初となる両A面シングル。
本作から10thシングルまでは、アルバム『sakanaction』の大ヒットにより多忙を極めた山口が「一度メジャーシーンから離れ、昔の時代に戻ろう」と思いを込め好きなように製作した楽曲となる。
自分たちの好きなように作ったため、新宝島リリースまでセールスの面ではあまり恵まれなかった。
前者のMVはメンバーメインではなく、珍しく「グッドバイ」をテーマにした男女の切ない物語が描かれている。
後者は裸体で横たわる女性たちと東京の情景が交差するいつもの前衛的な映像となっている。一瞬TENGAが映っている
スクウェア・エニックス配信のソシャゲ『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』CMソング/映画『ジャッジ!』エンディング曲


  • さよならはエモーション/蓮の花(2014年10月29日)

10thシングル。前作に続き両A面シングルとして発売。
蓮の花は元々、芥川龍之介の作品である「蜘蛛の糸」がそのままタイトルになる予定だったらしく、作中の蜘蛛の糸で地獄から抜け出そうとする主人公・カンダタと、作詞をしている曲内の自分を照らし合わせたとのこと。
前者のMVは「過去をミル」をテーマとしており、山口が入ったモノクロの建物内で過去の自分を見つけ、過去・今・未来がクロスしていくというもの。
後者は山口が蜘蛛の姿をした謎の人物と一緒にドライブや商店街へ行くというシュールなもの。
中身がダンサーの蜘蛛男のキレのある動きでよりシュールさが増している。
この蜘蛛男は歌詞内に出てくる「あの日逃がした小さい蜘蛛」のことで、その蜘蛛が山口を応援する様子を描いたもの。
最後のダンスのシーンまで山口は蜘蛛男が見えてない設定とのこと。


東進「2013全国統一高校生テスト 全国統一中学生テスト」篇CMソング/映画『近キョリ恋愛』主題歌。


  • 新宝島(2015年9月30日)

11thシングル。タイトルの元ネタは山口が楽曲研究の際に見つけた、手塚治虫作の漫画史に残る不朽の名作「新宝島」より。
同年の1月からメンバーの草刈が出産のためバンド活動を休止しており、同作で活動再開となった。
バンドの最近の作品とは異なるポップ・ミュージック要素が取り入れられ、「バンドの新たな姿勢」と評する者もいれば「原点回帰」と評する者もいた。
Billboard Japan Hot 100チャート週間1位ゴールドディスク認定と世間からも高い評価を受けている。
MVも非常に特徴的で、『ドリフ大爆笑』をオマージュした昭和の歌番組風のレトロな仕上がりとなり話題となった。
MV中のメンバーがしたステップも一部で流行り、当時のネット界隈をも大いに盛り上げた。
YouTubeの公式MVも1.8億回以上再生されている、名実ともにバンドの代表曲となった。
ちなみに草刈は出産後間もなくのMV撮影だったため、山口は冗談交じりに「ビクターはブラック」と話していた。
映画『バクマン。』主題歌。バンドは同作の劇判も担当しており、そちらはロックバンドでは初となる第39回日本アカデミー賞で最優秀音楽賞を受賞。


  • 多分、風。(2016年10月19日)

12thシングル。本来予定されていた8月10日から約2ヵ月延期されてのリリースとなった。
日焼け止めのCMソングだったからか、夜をイメージした楽曲が多かったバンドにとっては珍しい昼をイメージして作られた楽曲となった。
歌詞も山口の地元である小樽市をイメージした情景を伝える言葉が使われており、商品イメージに合うように書かれている。
歌詞内の「僕(中3)」と「あの子(高1)」をプロファイリングするというバンドとしては初の試みで製作された。
MVはメンバーが浜辺で演奏しながら、メンバーと赤い服の女性がしきりにそれぞれの着ぐるみ(?)を脱いでいくもの。
映像のシュールさと楽曲の爽やかさが混ざり合った傑作MV。
資生堂の化粧品ブランド「ANESSA」CMソング。


  • 忘れられないの/モス(2019年8月21日)

13thシングル。通算3枚目の両A面シングル。
楽曲のイメージに合わせてか今はほとんど見ない8センチCDシングルでの発売となり、元々は1万枚限定での販売になる予定だったが予約が殺到したためすぐ追加発注が行われた。
どちらも『834.194』からのリカットシングルとなり、80年代の音楽カルチャーに大きく影響されている楽曲である。
前者のMVはメンバーが白い衣装で一昔前の出で立ちの面々と踊り歌うレトロチックなもの。
後者はタイトル通り「繭」が2分間映され、中から山口が出てきてアパート(!?)を出る前衛的なことこの上ない内容。もともとは歌詞に頻出する単語通り「マイノリティ」という曲名となる予定だったが、諸般の事情で「(たとえ世間から嫌われる蛾であっても、繭を破って飛び立つ)モス」というタイトルへ変更した。ラストに出演する女性はジェンダーレスモデルの井手上漠(男性として生まれ、女性的なモデル活動をしている)であり、様々な「繭」から飛び立ったことの表現。
ソフトバンク「通信制限マン」篇CMソング/フジテレビ系『ルパンの娘』主題歌。





初心者の方はとりあえずベストアルバム「魚図鑑」を聴いてから追記・修正お願いします。


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  • ギターの表記ってGtじゃない? -- 名無しさん (2022-11-03 03:09:17)
  • バンドのことよく知らないからボーカルの山口さんがタローマンの熱烈なファンということぐらいしか知らない -- 名無しさん (2022-11-03 16:28:02)
  • サカナくんショー? -- 名無しさん (2022-11-03 21:23:10)
  • 今でも下北沢でゲリラライブやってるんだっけ -- 名無しさん (2022-11-05 01:10:33)
  • ↑3 自分もタローマンマニアの印象が強いなあ。曲もいくつか知ってはいるけど -- 名無しさん (2022-11-05 08:22:12)

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*1 札幌では有名な銭湯で、リゾートスパやビジネスホテルなども経営している大手。
*2 その才能を活かした「プロギタリストはギターで注文できるのか?」や、マイナーな初見楽器を弾きこなせるか試す「楽器仙人」などの企画を受けた事もある。

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