登録日:2022/08/01 Mon 21:20:00
更新日:2024/06/24 Mon 13:59:27NEW!
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アニメ 鳥山明 j.c.staff 1988年 ova ジャンプ・アニメ・カーニバル イベント上映
うむ。力丸、腕を上げたではないか!
いえ、まだまだ兄上には敵いません!
「小助さま力丸さま -コンペイ島の竜-」は、1988年に作成され、同年に行われた週刊少年ジャンプ20周年のイベント「ジャンプ・アニメ・カーニバル」で上映されたアニメ作品である。
上映時間は50分。製作はJ.C.STAFF。
脚本、キャラクターデザイン、カラーリングデザインは漫画家の鳥山明。
概要
絶滅に瀕する竜が生息する島を守る、2人の兄弟の活躍を描いたコミカルアクション劇である。
舞台は海に浮かぶ小さな島、コンペイ島。
この島の自由と平和を守る警備隊、小助と力丸の兄弟は今日も夕飯の食料を得るために狩りに出ていた。
そんな中、「東京から来た学者を迎えに行く」という約束を思い出し、港へと走る。
東京から来た学者の狸小路桜子は竜の研究のために、竜に会いたいと頼むが、小助は
「竜は島の守り神で、竜がいなくなると島の人々も生きてゆけない。臆病な性格だから島から逃げられては困る。」と断る。
その次の日、桜子の持っていたチョコを食べた2人は、竜と会わせる代わりに「チョコと自転車をもらう」という約束で、竜に会わせることになった。
一方その頃、島の上空では山田大八郎の一味が竜の額に輝く「竜の石」を自分のコレクションとするため、島に向かっていた・・・
主な登場人物
は、はうどよど!
●小助(こすけ)
声 - 松岡洋子
本作の主人公その1。
コンペイ島の警備隊として島の平和と竜を守っている少年。褐色肌とちょんまげ頭と着物が特徴。
両親を2年前のとある事故で失っているものの、誠実かつ正義感の強い元気な超自然児である。
警備隊の仕事は大昔から代々伝わる役目であるが、なぜ警備隊を務めるのか理由を尋ねられても「知らん。大昔からそうなってる。」と答えている。
年格好は小学校低学年ほどだが、その体格からは信じられないほどの身体能力を持っており、
- 自分の身長の数十倍の高さの木々や岩々を飛び翔ける。
- 槍の投擲で木々をなぎ倒し、怪物を一撃で仕留める。
- 槍で丸太から精工な天狗の面とゲタを一瞬で作り出す。
- 垂直の壁を走る。
- ミサイルよりも速く走る。
- 至近距離でのマシンガンを初見なのに避ける。
- 巨岩を軽々と持ち上げ投げつける。
- 蓮の葉で空を飛ぶ、上空に打ちあがった後に自在に滑空する。
- 崖が崩れるほどの衝撃で叩きつけられて岩石に埋まってもほとんど無傷。
など、もはや超人的といえる運動能力と戦闘力を誇る。
生まれてこの方、島から出たことがないためか世間知らずな一面があり、劇中では
「自転車に乗る者は不良」「自転車に乗るには免許証が必要」「2万円あれば城が建つ」
などと色々と勘違いをしており、桜子含め東京者は英語で会話するものと思い込んでいた。
せんきゅーべるまっち!
●力丸(りきまる)
声 - 太田貴子
本作の主人公その2。
小助の弟。小助のことは「兄上」と呼ぶ。白い帽子と着物が特徴。年恰好は幼稚園児ほど。
小助を尊敬しており、桜子に自分たちを様付けするように注意したりと尊大な態度をとることもあるが、自転車をねだったり、寝言で「母上…」と呟くなど、見た目相応に子供らしい一面もある。
兄と同等の超人的な身体能力を持っており、兄に遅れることなく竜の山を駆け上がり狩りをする。
刀を武器とするほか、口から火炎を吹くこともできる。
剣術の腕は凄まじく、大量の木材を一瞬で作り出したり弾丸を全て弾き飛ばすことも可能。
だが、これでも兄の小助には敵わないらしい。
あの山にいる竜が驚いて逃げてしまうじゃありませんか!
●狸小路桜子(たぬきこうじ さくらこ)
声 - 西原久美子
東京から竜の研究に来た学者で、眼鏡をかけた若い女性。小助と力丸の家に世話になる。
おっちょこちょいで怖がり屋な性格で、うっかり竜の居場所を口漏らしてしまったり、小助と力丸が仕留めた怪物に驚いて悲鳴をあげたり、竜に会いに行く際は山を縦横無尽に駆け上がる2人に付いていけず、終始叫び声をあげていた。
●三平じいさん(さんぺいじいさん)
声 - 及川ヒロオ
本土とコンペイ島を結ぶホバークラフトを運転する老人。桜子を竜の島まで送迎する。
海の上で桜子を水着に着替えさせようとしていた。
「自分は年寄りだからエッチなことは考えたりしない」と言いながら、実際は下心丸出しというスケベジジイである。
●杉作(すぎさく)
声 - 千原江理子
力丸の友人。お面をかぶっている。ブザー付きの三輪車を持っており、小助にうらやましがられる。
●ポチ
声 - なし
コンペイ島に生息する竜。黄色の肌と額に青色の宝石のような「竜の石」を持つ。
普段は島の山の頂上にある湖に生息している。
竜は謎が多く、非常にデリケートな生き物とされており、本来島には多くの竜と人々が暮らしていたのだが、竜を目的に本土や外国から飛行機でやって来た人々の影響で、多くの竜が死んでしまったという。島には最近まで二匹存在していたのだが、一匹は嵐で岩に当たって死んでしまい、ポチが生き残った最後の一匹の竜である。
奇妙なことに、島にいる竜の死と同時に、小助と力丸の両親を含む島の人間たちも謎の死を遂げ、現在の島の人口は20人くらいだという。「昔から島の人は言っている。我々は竜と共にしか生きられない。最後の一匹が死んだらこの島はお終い。」と小助が言うほどで、それを聞いた桜子は「竜はまるで神様ね」と驚いていた。
竜の石が珍しくて綺麗という理由だけで竜は乱獲の対象にされてしまい、世界中から竜がいなくなってしまった最大の要因と言われている。
以上のことから、竜の保護のため、コンペイ島は飛行機での接近が禁じられている。
よって詳しい生態なども明かされないのだが、劇中ではポチは湖面に生えている「プットの花」と称される植物の蕾を食べていた。また、最近は小助が持ってくる夏みかんを好んで食すという。この夏みかんは桜子が悶絶するほど酸っぱい。
性格は臆病で争いを嫌い、初対面の桜子の存在に驚いて飛んで逃げてしまうほどである。
しかし、崖から桜子を落そうと脅していた山田らには何故か果敢にも襲い掛かるのであったが・・・
さあ言え!竜はどこだ!?
●山田大八郎(やまだ だいはちろう)
声 - 大塚周夫
軍服を身にまとった小柄な老人。部下からは「山田様」と呼ばれる。
シャチかサメのような形をしている飛行船と下記の通り様々な兵器を所持している。
飛行船は砲台を装備しており、警告に来た飛行艇を打ち落としていた。
所有する兵器や制服には▲に8と描かれたマークがある。
喜怒哀楽と顔芸の激しいコミカルな人物であるが、珍しい物を集めるためなら手段を選ばない卑劣な性格で、「竜の石を奪ってワシの部屋の飾りにする。こんな島の奴らよりワシのコレクションの方が大事。」等と宣う悪逆非道のクズである。
●マイケル・コマンドー
声 - 小関一
山田がはるばる外国から大金を払って雇ったウルトラ強力な助っ人。スーツ姿の寡黙な黒人の大男で、小助は「異人」と称していた。
櫛でモヒカン頭を整えていたり、靴を磨いていたりとお洒落な一面もある。
格闘技の達人であり、その戦闘力は小助と力丸にも匹敵するほどの凄腕の用心棒。
また、鞭の扱いにも長けており、攻撃の他、ロープ代わりにするなど器用に使いこなす。
初陣では2人を同時に相手取り、後ろ回し蹴り一発で蹴り飛ばしていた。
作中、台詞はほとんどなく、基本唸り声を上げるのみであるが、山田の言うことは理解しているようだ。
●部下
声 - 亀山助清、矢尾一樹
山田の部下たち。状況報告や部下への指示を主とする副官、天誅5型のパイロットなどを勤めた。
警備隊を名乗る小助と力丸を笑いながら抑え込もうとするが、力丸によっていとも簡単に蹴散らされた。
●よこずなくん
声 - 島香裕
巨大な力士型のロボット。常に「どすこい」としか喋らない。普段は山田の座席代わりとなっている。
部下を一蹴された山田が繰り出すも、力丸一人に敵わずに海まで叩き飛ばされた。
●天誅5型(てんちゅうごがた)
山田ご自慢のロボット。
- エンジンは3000ccDOHCツインターボ(推定出力は900馬力)
- 臀部に空中戦用のロケットエンジン
- 両腕に20ミリ機関砲が二門
- 背中に誘導ミサイルを二基
などといったスペックを所持していると山田が自信満々に説明しながら繰り出すも、小助と力丸に攻撃をすべて避けられ、破壊された。
●村人
声 - 鈴木勝美
コンペイ島の村人。桜子を迎えに行く小助と力丸に声をかけていた。
余談
本作は1988年に作成されたアニメであるが、バブルの豊潤な予算と、全盛期の鳥山明氏がキャラデザ・カラデザ・脚本を務めているだけあり、島の背景や戦闘シーンの良質な作画、勧善懲悪の快活なストーリーは子供から大人まで楽しむことができ、非常に評価が高い作品である。
惜しむらくはソフト化がVHSのみで、DVDやブルーレイ化はされていない。滅多に目にする機会がないのが残念である。
追記修正よろしくお願いします。
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▷ コメント欄
- マイケル登場シーンで、退屈そうに爪切りで切り飛ばした爪を自分にまとわりつく虫に当てて落としているのが強者感出てて好き -- 名無しさん (2022-08-01 21:39:52)
- 項目が存在しない声優にリンクを貼るのはやめて下さい -- 名無しさん (2022-08-02 07:27:14)
- ↑修正しました。 -- 名無しさん (2022-08-02 08:36:40)
- アラレちゃんの芦田豊雄と鳥山明という才能の化学反応が面白さに繋がっている。鳥山先生は芦田先生の仕事ぶりを高く評価していたり、芦田先生もこの作品が気に入っていたのか、プロットを転用したOVA「超幕末少年世紀タカマル」を後に制作した(これも制作がJ.C.STAFFである)。 -- 名無しさん (2022-08-02 12:00:38)
- まんだらけに売ってたのを買ったわ。姪っ子がめちゃ好きでうちに来るたびに見てた。今はVHSの機械がないから見られないけどまだ置いてあるよ -- 名無しさん (2022-08-08 01:12:19)
- ↑5 その直前の「この辺のハエでかいね!」「山田様、これはでかいハエではなくアブです」で笑った -- 名無しさん (2022-09-06 13:34:41)
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