しかし、貴様は童貞なのだろう?(もんむす・くえすと!)

ページ名:しかし_貴様は童貞なのだろう?_もんむす_くえすと__

登録日:2021/09/20 Mon 02:16:56
更新日:2024/06/03 Mon 13:59:06NEW!
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「人間はこんなに汚い連中なのだから、虐げても構わない」

「人間はこれだけ悪辣なのだから滅ぼされても仕方ない――」

「そんな理由を探しに、自分を納得させたかったのだ。」


「しかし、当てが外れてしまったようだな」






注意

本記事には18禁要素が含まれます



【概要】



「しかし、貴様は童貞なのだろう?」とは人気モンスター娘系逆レ同人ゲーム『もんむす・くえすと!』の名言にして迷言であり、人々が驚愕し、我に返り、納得する瞬間である。




【そこに至るまでのあらすじ】



人と魔物が共存できる世界を目指して旅をする少年、勇者ルカ。
そんな彼の動向を見守り、旅に同伴する美女、魔王アリスフィーズ16世。
彼らは今、ついに魔物たちの本拠地、ヘルゴンド大陸へと向かうため、神鳥ガルーダを蘇らせるべくオーブを集めていた。
しかし、神鳥の卵を持っていたのは魔物ではなく人間のテロ組織「イリアスクロイツ」、そしてルカにとって因縁の相手であり、嘗ての父の親友、ラザロであった。


【主な登場人物】



ルカ
「誰も怨まずに立派な勇者になるのよ」という母ルシフィナの遺言を元に勇者を目指す少年。
ただし出発の日に女神の洗礼を受けられなかったがゆえにニセ勇者*1
魔物、それを率いている魔王を倒すのではなく「人間と魔物が分かり合える世界」を目的としている。
ここまでの道中で多くの人や魔物を助け、心身ともに順調に(ニセではあるが)勇者として成長している。


基本的には明るく前向き、お人好しな楽天家だが、かなり暗い生い立ちの持ち主。
彼の父、マルケルスはかつて魔物に脅かされる人間を救うために勇者として旅立ったのだが、いつしか道を間違え、魔物根絶を目指す犯罪組織「イリアスクロイツ」を結成。
人間を苦しめる魔物はおろか、人間に対して有効的で共存を果たしている魔物たちを含めて無差別にテロ行為を繰り返すという愚行を重ねていたが、因果応報と言うべきか、魔物達の報復に合って殺害されたという。
そして母親ルシフィナはイリアスヴィルという村で幼いルカと共に暮らしていたが、流行り病にかかり死去。
幼いルカは母の命を救うため村人たちに助けを求めたが、当時のイリアスヴィルは閉塞的な村社会だったため、よそ者であったルシフィナ達は見捨てられた*2


旅立ちの頃はスライム娘一人追い払うのに全力を尽くすほどのへっぽこ勇者だったが、この時点での彼は成長を重ね、並の人間では遠く及ばない剣の技量を持ちながら、「風・地・水・火」の四精霊との契約を果たしたことで圧倒的な実力を持っており、各魔物種族の頂点であるクイーンクラスの魔物をも下すほど。
しかしその信念ゆえか絶対に殺しを良しとせず、どんな魔物が相手でもアリスから授けられた愛剣「堕剣エンジェルハイロウ」によって封印するにとどめていたのだが……



アリス
現役の魔王にして旅のグルメ。本名アリスフィーズ・フェイタルベルン。
ラミアのような外見をしており、上半身はスタイル抜群の紫肌の美女だが下半身は長い蛇のような尾を持つ。
魔王アリスフィーズとしては16世で、22歳と若い。
歴代の魔王達の中でもトップクラスの実力を持つ最上級妖魔。人前に出る際には騒ぎにならないよう人間の姿へと変身している。


「人と魔物の共存」を掲げるルカに興味を示し「その化けの皮がはがれる瞬間が来るのを見届けてやる」と嘯きながら彼の旅に同行。
「同行はするが協力はしない。他の魔物に屈することがあれば容赦なく見捨てる」という約束の元、魔物との戦いには基本的に力を貸すことはないが、何のかんので彼に対して剣の修業を付けてあげたり、旅の指針にアドバイスをしたりと面倒を見てくれている。旅費は全てルカ持ちだけど。


口癖は「ドアホ」で、魔王らしく誰に対しても尊大な態度。しかし根は真面目で非常に繊細な性格の持ち主。
魔物でありながら人間に対してもフラットな目線で接しており、若いながらに為政者たる魔王としての素質を持つ。
それ故に魔王でありながらルカからも信頼されている。
そんな彼女にもルカと同じく自分を縛るような辛い過去があり……



◇ラザロ
ルカの父、勇者マルケルスのかつての仲間。
ルカが産まれる前にマルケルスと共に魔王を倒す旅をしていたが挫折。魔物達にテロ行為を行うようになってしまう。
マルケルス亡き後のイリアスクロイツを引き継いで犯罪を繰り返していたが、この度その息子、ルカと改めて向き合うことになる。



【詳しい経緯(ネタバレ注意!)】


長い旅の末に4つの精霊を契約を終え、勇者としてさらなる成長を遂げたルカ。
しかし最後の精霊である火の精霊サラマンダーとの契約には骨を折り、重傷を負った所をアリスに運んでもらい、宿に連れられて休むことに。
しかし、その宿屋で眠りについたルカは妙な夢を見た。



「母様…母様…」

「ごめんなさい……母様……」




どこか聞き覚えのある少女の嘆きの声により、意識だけ覚醒したルカは、奇妙な光景を目にした。
先ほどの少女が牢の中に閉じ込められており「母様……!ここから出して!」と泣きながらガンガンと鉄格子を叩いている。
普通の少女が叩いたところでどうにもならなさそうな鉄格子だが、その鉄格子には特別な封印の力が込められているようだ。
そして鉄格子の外には彼女を閉じ込めた張本人である彼女の母親がいた。ルカは見ただけでこの女性を魔王だと悟った。
一見「牢の中に実の娘を閉じ込める」という虐待まがいなことをしているようだが、娘を見る魔王の視線には慈愛が籠っていた。
魔王は娘に「しばらくの間ここで大人しくしてなさい」「アリス、強く生きるのですよ」と語り掛け、その場を後にした。


娘に別れを告げ、謁見の間に向かう魔王の元に部下である妖狐が駆け寄る。
その妖狐はルカもよく知る妖狐たちの長、たまもだった。
たまもは「今この魔王城に勇者が魔王様の命を奪いにやってきている。会わせることはできない。」と懸命に魔王を止める。
たまも曰く、魔王の力は強大で地上において及ぶものなし、人間の勇者では一太刀浴びせることも叶わないはず。しかしこの魔王はあえて勇者に殺されに行っているというのだ。
自らの死をもって魔物と人間の争いを止めるために――
魔王は自分の命を守るために行く手を阻むたまもに、不意を突くようにして「眠りの魔眼」を発動。
「どうかあなたも平和な世の中に生きて……そして、幼くして母を失うことになるアリスを支えてやってくださいね。」
そう言い残し、魔眼の力で眠ってしまったたまもを後にし、自らを討たんとする勇者たちの元に赴く。




「まさか……魔王も、人と魔物の共存を願っていたなんて……」

「ちくしょう、なんだよ……こんな後味の悪い終わり方しかなかったのか……?」

「魔王は邪悪な存在じゃなかったとはな……だがこうするしかなかったのじゃろう……魔王も、我々も……」

「己を犠牲にして人間と魔物の共存を成し遂げようとした魔王……その信念、私たちが継いでいかないと」




そして念願の打倒魔王を成し遂げた勇者達に、喜びの色はなかった。
魔王の思いは無事彼らに受け継がれていたのだ。
自らの命を差し出してまで共存を訴えてくれた魔王の意志を引き継ぎ、平和な世界を築こう。
勇者たちがそうやって新たな決意を抱いていると――


幼い少女が――魔王にアリスと呼ばれていた――魔物の少女が勇者たちの元にやってきたのだ。
勇者たちは「自分達はもう敵じゃない。もう魔物と人間は争い合ったりしないのだから――」と語り掛ける。


しかし、その時だった。




「よくも……母上を……」


「殺したなァァァァァ!!」




激情と共に魔力を暴走させる少女。
眩い閃光に包まれる勇者一行――


――ルカはそこで目が覚めた。


目が覚めたルカはアリスに「いつまで寝ぼけているつもりだ」とボヤかれるも、次なる旅の目的について話し合う。
ルカはアリスと呼ばれた魔物の少女が出てくる夢の内容と、目の前にいるアリスについて思う所はあったものの、特に言及はしなかった。
まず第一の目的である四精霊との契約を果たした。
次の目標は四精霊の力を使いこなすこと、そして魔物達の本拠地の魔王城がそびえたつヘルゴンド大陸に向かうこと。
そしてヘルゴンド大陸に行くためには神鳥ガルーダの卵を孵化させる必要があり、そのためには世界中に散らばる6つのオーブを集める必要があること。
ルカたちはこれまでの道中でいくつかのオーブを集めていたため、残るオーブを集めようと町を後にした。



オーブ集めの冒険については中略するが、多くの困難を乗り越え、ついに6つのオーブをすべて集めたルカ。
後はガルーダの卵を孵化させるばかりだったが……神鳥の祠に行っても、そこには卵も何もなかった。


まさかもう孵化してしまったのだろうか、と疑問に思うルカだったが、6つのオーブを捧げない限り孵化することは絶対にない、と断言するアリス。
一体どこに行ってしまったのだろう…と、悩んでいると、物陰から人の気配がする。


誰かいるのかとルカが尋ねると、一人の戦士が木陰から姿を現す。
「なんだ人間か」と胸をなでおろしたその男に、ルカは名前を尋ねた。


「俺はイリアスクロイツの団員だ!聞いて驚くな、幾多の魔物どもを八つ裂きにしたルプトンとは俺のことだ!」


次の瞬間、ルカは衝動的にルプトンと名乗る男の襟首をつかみ、近くの大木に押し付けていた。
ルカの全身に地の精霊がもたらす剛力が流れ込み、押し付けられた大木がぐらぐらと揺れ、男の身体がきしんだ音を立てる。
「やめろルカ!殺す気か!」と制止するアリスの声もルカには届かない。
助けを求める男の声を無視し、ルカは問い詰める。


「本当か……?」

「うぐ……な、なにが……」

「魔物をたくさん殺したってのは本当なのか!?」


「そんなに簡単に魔物が殺せるわけない、調子に乗ってホラを吹いただけ」と息も絶え絶えになりながら否定する。
それを聞いたルカは少し冷静になれたようで、男を解放する。


ルカの強さに恐れをなしたその男は一気に媚びた態度を取り、言われるがままに事情を説明する。
先日イリアスクロイツのメンバーがこの祠で巨大な卵を発見。
化け物の卵なんて壊してしまおうとその場で卵を叩き割ろうとするが、どれだけやっても卵には傷一つ入らなかった。
仕方ないので次の機会に卵をイリアスクロイツの本部に持ち帰ろうという話になったのだが、その男は遅刻してしまい、先ほど祠に付いた時には既に卵が運ばれてしまった跡だったという。
要するに今ガルーダの卵はイリアスクロイツの本部にあるのだ。
そこまで白状したルプトンと言う男はその場から立ち去った。


アリス曰く人間の力で神鳥の卵を破壊することは不可能とのこで、そのことに関して恐れることはない。
なら話は早い。イリアスクロイツの本部に行って取り返してしまえば済むことだ。
そう思ったルカだったがアリスが「今の貴様が行くには不安がある。余が代わりに行ってやろうか?」と申し出る。
珍しい申し出に驚くルカだったが「心配無用。相手はチンピラ同然の連中なんだ。四天王やポセイドネスに比べれば紙クズ同然の奴等さ」と断る。
心配無用と語るルカの彼らしくない乱暴な物言いにアリスは眉を顰める。今の彼女が案じているのはルカの身ではない。
今の精神状態のルカが、身内の恥として憎んでいるイリアスクロイツに乗り込んでしまえば、人を殺しかねない。彼女はそのことを心配していたのだ。
ルカは少し口をつぐむが「親父は親父、別の話として割り切っている」と述べ、結局いつも通りルカ単独でイリアスクロイツ本部に向かうこととなった。


卵の行方をめぐり、精神的な危うさも見せたルカは卵を取り返すべく、それを奪い去ったイリアスクロイツの本部に単身で向かう。


「マルケルスの息子ルカがラザロに会いに来た。」
初代総長である父の名前を出すだけで、本部には意外なほどあっさりと迎え入れられた。
案内された先は地下に作られた大きな広間。


そこいたのは巨大な卵、そしてその卵と向き合う男、総長のラザロだった。



「やっぱりお前さんだったか」


ラザロがルカと会ったことは一度しかなかったものの、彼はとっくにルカがマルケルスの息子だということは見抜いていた。
曰く「あいつとは棒切れ振り回して野原を駆けまわってた頃から何十年もの付き合いだった」「マルケルスのガキの頃にそっくり」とのこと。
そして今度はラザロが尋ねた。「目的は何なのか。マルケルスの復讐に来たのか」と。



「復讐……?親父の?何のことだ、それ……?」



父マルケルスは魔物に殺されたのだ。
その原因はイリアスクロイツの活動にあるが結局は父の築いた組織、完全に自業自得であり、誰かに償わせるつもりはない。


首をかしげるルカを見てラザロは「お前は何も知らないんだな」「実の息子にまでそう思われているとはマルケルスも浮かばれない」と鼻で笑う。
混乱するルカにラザロは真実を告げる。
確かにマルケルスは“表向きは”魔物に報復で殺されたことになっている。
しかし実態は違った。




「……お前の親父を暗殺したのは、この俺だってことさ。」




一瞬にしてルカの視界が暗転する。
理解が及ばず困惑するルカを、ラザロは歪んだ笑みで嘲笑う。
掠れた声で何故そんなことをしたのかルカが問うと、ラザロは真実を明かす。



「マルケルスは団長でありながら組織を裏切ったのさ」

「魔物根絶という理念を放棄し、影でこっそり魔物どもを保護してやがった……」

「だから俺が粛清してやったんだよ!魔物の仕業ってことにして極秘裏になぁ!!」



イリアスクロイツ結成当初、マルケルスは本気で魔物を根絶しようとしていたはずだった。
しかし行動を共にしていたはずなのに、マルケルスはラザロも気付かないうちに変わっていた。
攻撃予定のアジトから事前に魔物を逃がしたり、わざと情報を漏らしたり、挙句の果てには魔物の集団を移住させたりと、いつの間にかイリアスクロイツの暴走から魔物達を守る立場になっていた。



「そんな……!親父は魔物を憎んでいたはずだ……!」

「ああ、俺もそう思っていたぜ!魔王城の一件以来、俺もマルケルスも修羅になったはずだったんだ!」

「魔物への復讐と根絶のためだけに生きる、復讐の権化にな!」



怒りに身を震わせながらラザロは話を続ける。
ルカは父について「魔王退治を目指していたが途中で挫折した」としか知らなかったが、かつてマルケルスは勇者として剣士ラザロ、そして老魔法使いマーリン、女僧侶カレンと共に平和を夢見て世界を旅したパーティだった。
そして実際に魔王城に辿り着き“込みいった事情”こそあった物の、とにかく魔王を倒すことに成功した。


(そんなまさか……)


それを聞いて思い出したのは、かつてルカが見た奇妙な夢。
アリスらしき少女の母親が勇者に倒される夢。
あれは現実に合った夢だったのか?
そしてあの夢に出て来た勇者こそが父マルケルスだったのか?
つまりアリスの母親を殺したのは――魔王を倒した父の目の前に現れたのは――



「だがな……魔王を殺った瞬間、次の魔王が現れたのさ。」



自ら命を差し出した、全く戦意を持たなかった旧魔王と違い、新しい魔王の力は圧倒的だった。
暴走と共に発動された圧倒的な魔力により、何もわからないままマルケルスもラザロも瀕死の重傷に追いやられ
老魔法使いのマーリンは首がねじ切れ、女僧侶カレンに至っては上半身を引きちぎられた。



「俺もマルケルスもなぁ、カレンに惚れてたんだぜ。」

「それを魔王は、俺たちの目の前で引き裂きやがったんだ!まるで、紙クズを引きちぎるみたいになぁ!」



やはりあの夢は現実にあったことだったのだ。
あの時乱入した魔物の少女はアリス。
幼い彼女が繰り出した一撃でラザロたちは瀕死に、仲間二人は命を落とした……


その後、何とか生き延びたマルケルスとラザロは、修羅と化した。
しかし魔物への憎しみを滾らせながらも、魔物と正面から戦うことを放棄した。
もうまともに戦える身体ではなかったし、何より格の違いを見せつけられたからだ。
そして非合法の暴力を使って魔物を排斥する、テロ組織イリアスクロイツを結成したのだった。
しかしラザロが知らないうちにマルケルスは変わってしまった。魔物を排斥するどころか、保護するようになるなんて……
あいつはすっかりイカれてしまった、元同志として俺は悲しい。
ラザロはそう嘆いた。
ルカは振り絞るような声で「親父は……イカれてなんかない」「人と魔物は共存することができる」と訴える。
しかしラザロは激しい剣幕で否定する



「――できねぇってんだよ!人と魔物は断じて相容れねえんだ!」

「たとえ友好的なツラをしてる魔物がいたとしてもそりゃ向こうの気分の問題なんだよ!」

「奴等は紙クズみてぇに人の身体を引き裂くことができるんだぜ!俺はそれを身に染みてわかってんだ!!」



しかしルカは「向こうがそういう力を持っていたとしても共存はできるはずだ」と言い返すが、ラザロはさらにそれを「それは強者の理屈」と否定。
魔物は気分次第でいつでも人間を引き裂ける強大な存在。
ルカのようにどんな魔物とも渡り合える強い人間はまだいい。だがちっぽけな人間がなぜそんな怖い奴等と共に過ごさなくてはならないのか。
ルカは人と魔物、お互いが理解し合えば道は開けると言うが、お互いを理解しようとすれば理解しようとするほどお互いの決定的な違いは浮き彫りになる。
ルカの言い分は「弱者の言い分を踏みにじっている。強者に怯える弱者の気持ちをまるで理解していない夢物語に過ぎない」と主張する。



「ち、違う……僕は…!」

「何が違うんだ?なぁ甘ちゃんよぉ……?」


「いいや、違うな。少なくとも貴様には現実が見えていない」



答えに窮するルカの元に現れたのはなんとアリスだった。
「誰だてめぇは!」と詰るラザロの言葉を黙殺し、アリスはルカの発言を補強する。
人と魔物との間に力の差がある以上、恐怖による拒絶をすることは無理もない。
だがそれが全てではない。
ルカとアリスはこれまで世界中を旅して、様々な村や町を訪れた。
そしてその多くの場所で、それぞれの地域ごとの形で、人と魔物はそれなりに上手くやっていたのだ。
ルカとアリスは自らの目でその光景を見て、ある時は彼らを助け、ある時は彼らに助けられた。
まだまだ世界の全てで、とは言えない物の、この世界には種族の偏見を超えて共存を果たしている人間と魔物が確実に存在している。
ラザロの主張は一理あるかもしれないが、そういった現実から目を逸らしているに過ぎない。


一方的に物言いをつけた来訪者をラザロは怒鳴りつけようとしたが、アリスの顔を見た瞬間にその顔が急に引きつる。
その顔は忘れたくても忘れられない、彼が道を踏み外したきっかけを作った今代の魔王のものだったのだから。
しかし彼が抱いた恐怖はすぐさま怒りへと変わる。
その時のアリスの反応でルカは確信に至った。やはり自分が見たあの夢は過去のアリスを映した物。
アリスは母親を失ったショックで我を忘れ、ラザロの仲間を殺害したのだ。




「人間と魔物の共存だってか?俺達が倒した魔王も死に際に言ってたよなぁ……」

「俺達だって、少しは信じたんだぜ?これから人間と魔物は共存していくべき――そう思ったんだ。」


「てめぇが飛び込んできてマーリンとカレンを肉クズに変えるまではなぁ!!」




その怒号を耳にしたアリスは一瞬だけ悲しい表情を浮かべるが、いつもの無表情でそれを塗りつぶした。
アリスは冷静な様を維持することを努めて、言葉を返す。
「そのようなことも確かにあった、しかし今の自分は先代と同じように人と魔物の共存がなることを信じている」
当然ラザロは怒りに震えた。「俺の戦友をむごたらしく殺した張本人がどの面下げてそんなことを言うのか」と。


「もうやめろ!やめてくれ!!」


アリスが傷つけられる様を見て、居てもたっても居られなくなったルカは、割って入るようにしてラザロを説得する。
だがラザロは決して己を曲げようとしない。


たとえ今、魔物と上手くやっている人間がいたとしてもいつかは気付く。
人間と魔物は『違う』のだと。『違う』存在である限り決して相容れることはないのだと。
その信念を曲げて、魔物を助けるなんて真似をしたマルケルスは殺されて当然の男。
マルケルスはマーリンとカレンの死を踏みにじった裏切り者だった。
息子であるルカに対してそこまで言い切った。


そのラザロの言葉に、ルカの中で復讐心が芽生える。
衝撃の事実を知ったせいでマヒしていた頭が回り始め、ふつふつと怒りが燃え始めた。
そして相手を封印する堕剣エンジェル・ハイロウではなく、殺傷能力を持った普通の剣に無意識のうちに手が伸びていたのだ。


その様を見てラザロは嘲笑する。


復讐したければやればいい、親父の仇はここにいる。
だが俺は死んでも己の信念を曲げることはない。今更生き方を覆すならば死んだ方がマシだ。
ここで殺さなければ俺は生きる限り魔物を憎み、殺し続ける。
殺したければこの場で俺を殺せ。


己の命をもかけた挑発に、ルカは激情のままに剣を向け、ラザロを貫こうとした。


「そこまでだ」


しかしすんでのところでアリスによって剣を止められる。
呆然としたルカは、今の自分の行動を振り返る。


(僕は今……自分の意志で剣を止めたのだろうか。それとも止めなかったのだろうか――)


ルカが落ち着きを取り戻したとみるや否や、ラザロは再びアリスに噛み付く。


俺はお前の母親の仇なんだ。憎くてたまらないだろう。
あの時やったみたいに俺を引き裂いて見ろ。


ルカ相手と同じように挑発を繰り返すが、アリスは表情を崩さない。


「貴様が死に場所を探しているのはわかっている。だが、殉教者としては死なせてやらんぞ」


そしてアリスは「石化の魔眼」を発動。困惑したラザロの身体が見る見るうちに石と化していく。
この状態ではラザロは身動き一つとれないが、アリスの意志でいつでも人間に戻すことができる。
これでラザロは死ぬことはないが、もう悪さをすることも叶わない。
非常に後味の悪い形ではあるが、彼との決着はついた。


決着はついたというのに、ルカはすっかり消沈していた。
アリスが止めてくれなかったら自分はラザロをこの手で殺していたかもしれないのだ。
そんなルカをアリスは慰めた。


ラザロはわざとルカを挑発して殺されようとした。
それができないと見ると今度は彼女に挑発の矛先を向けた。
恐らくラザロはもう生きるのが辛かったのだろう。
自らの行いが間違っていると誰よりも自覚し、その挙句に親友まで殺めてしまった。
どれだけ間違っていたとしても、殺してしまった親友のために今更己の信念を否定することなどできない。
そうして蛮行を続けているうちに、己の人生に引導を渡してくれそうな、親友の息子が現れた。



「もはや、この男は自分で止まれなかったのだろう」



まるで自分のことのように、アリスはそう呟いた。


その後、紆余曲折の末にラザロがやられたことを知ったイリアスクロイツの団員は散り散りになった。
元々団員たちはラザロのような信念など持ち合わせておらず、悪事を働きたいだけの者ばかりだったようだ。
これでイリアスクロイツは壊滅。もう無実の魔物達が襲われることはない。
オーブもガルーダの卵も揃った。
ここで目覚めの儀式を行えば、今すぐにでもヘルゴンド大陸に向かうことができる。


先を急ごうとするルカだったが、今の彼の顔は酷く青ざめていた。
精神的に参ってしまっているようだから、少しでいいから休憩しておけ、とアリスは彼を見晴らしのいいところに連れて行き、休ませることにした。



「……人間と魔物は、理解し合えないのかなぁ……」




アリスに連れられた見晴らしのいい屋外で、ルカはぼそりと呟く。
ラザロを理解できず、ラザロからも理解を得られなかっただけでなく、あまつさえ自らの手で殺そうとした。
「魔物はおろか同じ人間ですら理解し合うことができなかった」という現実に、ルカは敗北感を抱いていた。
貴様にしては珍しい発言だなと、問いかけるアリスに、ルカは弱り切った自分の内面を討ち明かす。


ルカは母ルシフィナの遺言に従って勇者になった。
そして勇者として失敗して蛮行へと走った父マルケルスを反面教師として「人と魔物が共存できる世の中を作る」という目標を掲げた。


しかしそれは、逆に言えば亡き母に託された願いから、よそ者として村から迫害された憎しみも全部飲み込んで勇者になるしかなかったということでもあり、
そして「魔物との共存」という目標も、父に対する反発と罪滅ぼしが入り混じった、ある意味不純ともいえる目的でしかなかった。
なぜ魔物との共存を目指したのか、どうして魔物と共存したいと思ったのか、魔物との共存とはどういう意味なのか、深く考えたことが全くなかった。




「アリスの言ったとおりだったね……」

「すっかり化けの皮が剥がれちゃったよ……」




「魔物と人間の共存を望む勇者」という理想像を掲げ、そんなお題目を唱えることで現実逃避していた自分。
そんな化けの皮が剥がれ、その下から出てきたのは――
トラウマと矛盾、そして現実逃避にまみれた己の姿だったのだ。


会って間もない頃、アリスは「貴様の化けの皮がいつ剥がれるか見ていてやる」という理由で付いてきた。
あの時の自分はそれを強く否定したが、今の自分こそまさに化けの皮の剥がれたニセ勇者そのもの――



「……いいや、化けの皮など剥がれはしない。」

「ルカ、貴様こそ真の勇者だ。」



そんな弱り切ったルカの言葉を、今度はアリスが強く否定した。
ルカは確かに不器用で考えなしで無鉄砲な大馬鹿者。
そのせいで今まで剣の振り方を間違えて何度も失敗してきた。
だがルカはそもそもなぜ剣を振るってきたのか?
ルカが語った「化けの皮」ではない、ルカの根底にあったもっと根源的な動機のためのはずだ。



「貴様は許せなかったのだろう、他者への迫害が。」

「誰かが他の誰かに暴虐を振るったとき、貴様は怒り、剣を振るった。」



アリスが見たルカは、どちらが正しいのかわからないとき、常に弱者の味方に付こうとし、それで失敗したこともあった。
それでもいつも弱者を見捨てることはしなかった。



「迫害され、苦しむ弱者を見捨てられなかった――かつて貴様自身が迫害される弱者であったがゆえに。」



そして彼にこう語ったこともあった。世の中に二種類の者がいる。
苦しみを受けたが故に、他者にもそれを与えようとする者。
そして苦しみを受けたからこそ、決して他人に与えまいとする者。
ルカは常に後者であり、いつどんな時も弱い者のために剣を振るってきたのだ。



「これ以上に勇者的な動機が、この世界のどこにある?」



かつてないほどに力強く訴えるアリスだが、ルカの心はそれでも晴れない。
たとえそうだったとしても、同じ人間であるラザロを一時でも殺そうとした事実は変わらない。
あの時アリスが止めてくれなかったら――


しかしアリスは続ける。
あの時自分が止めなかったとしても、ルカは自分の意志で刃を止めていたはずだ。
そう語りながら、アリスはルカの隣に腰かけ、静かに微笑んだ。



「ラザロとは分かり合えなくても……余と貴様は分かり合ってると思ってる。」

「これは余の勝手な錯覚なのか……?」



ルカとラザロのように分かり合えない人と人がいれば、分かり合えない魔物と魔物もいる。
魔王であるアリスにだって、四天王のように気心の知れている者もいれば、分かり合えない魔物も存在する。
これは種族の違いではなく考え方の違い。最初から種族の差で線引きして相互理解を諦めてはいけない。
ひょっとしたら分かり合えたというのは錯覚に過ぎないかもしれない。
お互いがお互いをどこまで理解し合えているのかわからないこともあるだろう。
だが、分かり合えないという認識で諦めるのではなく、分かり合えたという互いの認識を持つことが大事なのだ。



「魔王は決して勇者の味方などしない」
かつてこう言っていたアリスがここまで慰めてくれる。ニセ勇者と魔王が、旅を通して少しずつ分かり合えた。
この事実がアリスの訴えのこの上ない裏付けとなって、ルカの心を解きほぐした。


そして落ち着きを取り戻したルカにとってさらに救いとなったのが、父マルケルスが魔物への憎しみを乗り越えて、共存の道を目指してくれたこと。
何がきっかけなのかまではわからないし、道半ばで命を落としてしまったのは事実だが、報復の連鎖の中で死んだわけではなかった。
おかげでルカは「父の罪滅ぼし」という後ろ向きな理由ではなく「父の誇りと信念を継ぐ」という前向きな理由で己の理想に進めるようになったのだ。


アリスとの対話の末、マルケルスとその仲間達の死にまつわる真実、己がラザロに向けた感情などをめぐる苦悩から立ち直ったルカ。
彼を「その意気だ」と優しく称賛するアリスだったが、余裕の出来たルカもここになって初めて気づく。


今のアリスも、先ほどまでのルカに負けず劣らず鬱々としているのだ。


その理由はすぐにでも思い当たる。イリアスクロイツ本部にて明かされた、アリスが過去のマルケルス一行の仲間を殺した事実。
それをラザロに指摘された時、一瞬ではあるがとても悲痛な顔をしたのを思い出す。


ルカの様子が再び変わったのを感じてか、アリスは今度は自分の胸の内を解き明かす。


アリスの母、先代の魔王アリスフィーズ15世は人間と魔物の長きにわたる対立を「自分が魔王として勇者に倒される」という締めくくりでもって終わらせようとした。
そして魔王城まで進むことができた勇者一行、ルカの父マルケルス達にあえて討たれた。
ラザロの言ったところによると、その時に自身が人間との共存を望んでいることを伝え、マルケルス達にも理解を得られていたらしい。
全てが終わるまでアリスを牢の結界に入れておくつもりだったのだが、アリスの潜在能力は母の想定を超えており、牢を破壊して脱出してしまう。
そして愛する母の屍を見た瞬間、感情の高ぶりを抑えられなくなったアリスは魔力を暴走させ、マルケルスの仲間二人の命を奪い――人間との共存を望む母の願いを踏みにじることとなってしまった。


しかしルカにはアリスに罪があったとは思えない。
悲しい事故だった、で片付けるにしてはあまりにも悲しい結果を、アリスの手でもたらしてしまったのは事実。
だが幼いアリスからしてみれば母親が人間の手で命を奪われたのもまた事実だった。
ただ不幸なことに幼い彼女には自分でも制御できない程の力を持っていたということ。
その時のアリスに殺意があったわけではないこと、ラザロに伝えてもよかったんじゃないのか、そうルカは言った。
あんなにも悲しいアリスの顔を――そしてその辛い表情を噛み殺し、堂々と自分が殺したと述べたアリスに対し、ルカは釈明する権利があると思った。



「……ラザロの前で、あの二人を殺めたことを詫びろというのか!?」

「そんなことをして、あのラザロが喜ぶと思うのか!?」



そこで今度はアリスが感情を爆発させた。
どれだけ状況が仕方なかろうが、どれだけアリスが悔やんでいようが、かつて彼女がラザロの仲間の命を奪った事実は変わらない。詫びる手段など一切ない。
その事実がある以上、ぬけぬけと謝罪してもラザロは余計に苦しみ、怒り狂うだけ。
贖罪する手段のないアリスにできるのはラザロが深く、まっすぐ自分を憎めるように冷酷な魔王の仮面をつけ続けるより他なかった。



「ずっと……ずっと、悔やんできた……」

「余があんな軽率なことをしなければ……」

「母上の、理想通り人と魔物の共存が成ったかもしれんのに……」


「……アリスのせいじゃない。不幸な事故だったんだ」



すっかり小さくなってしまったアリスを、ルカは優しく撫でる。
今まで共に過ごしてきた時間の端々で感じた、彼女の抱え込んでいた悲しさがわかる。
彼女はずっと無理をして、母親のことと、自分が殺してしまった人間のことを抱え込んできたのだ。
そして彼女は母に対する罪滅ぼしのために人と魔物の共存を願っていた――



「罪滅ぼしとかじゃなくて……アリスの意志で母さんの遺志を継ぐんだ」


「僕は、人間と魔物が共存できる世界を築きたい。」

「父さんの遺志を継いで――そして、僕自身の意志として。」


「アリスも、母さんの遺志を継ぐんだ。」

「そして、一緒に頑張って行こうよ!」



「ドアホめ……一緒にするな、このドアホめ……」


憎まれ口をたたきながらも、アリスは目を閉じ、ルカの胸に顔を埋める。
しかしすぐさま立ち上がっていつもの済ました顔に戻る。


「ふん……魔王たる余が勇者に慰められることなどない。勘違いするなよドアホめ。」


「僕だって……勇者なんだから魔王に慰めてもらったりなんかしてないよ」


こうしてみるとすっかり似た者同士。
勇者と魔王という立場の違いはあるけれど、二人とも互いの立場に縛られ、親の遺志を継ぎ「共存」という同じ理想に向けて突き進んでいるのだ。


ルカは改めて、想いの丈を吐いたアリスに問う。
なぜアリスは魔王なのに世界を回ろうと思ったのか。それは人と共存する道を探していたからなのか。
しかしアリスの答えは逆だった。
アリス個人は母の跡を継いで共存の道を進みたかったが、魔王と言う立場がそれを許さなかった。
人間が魔物を攻撃するならそれを許してはならない。人間との全面戦争をも覚悟した。
そして旅に出て、人間の醜さを目にすることで「人間は共存不可能な滅ぼされてもしょうがない存在」として己を納得させようと思った。
だが実際は違った。
ルカと旅をして、世界にはイリアスクロイツのような人間が多くいる一方で、形はどうあれ、魔物を受け入れる人間がたくさんいた。
これならきっと人と魔物が共存できる世界を成せる。アリスはいつの間にかそう確信するに至った。


「ああ、きっと成せるさ。人と魔物が共存できる世界が。」


「……信じているぞ、貴様を。」


ここにきてアリスとより深く心が通じ合った。自分の信念もより強く深まった。ルカはそう感じた。
自分の理想のためだけではなく、アリスのためにもこの理想を成就させたい、強く決意した。


そしてアリスは改めてルカに問う。
これからルカは魔王城、即ち魔の大陸ヘルゴンドに向かうことになる。それがどれだけ危険なのかを分かっているのかと。
今までとは比較にならない程の危険が待ち受けている、それくらいルカにはわかっていた。
だからこそ覚悟も決めている。



「貴様の旅は、途中で果てることになるかもしれん。」

「しかし、貴様は童貞なのだろう?」

「女の味を知らないまま、力尽きるのはあまりにも不憫――よって、余が女と言うものを教えてやろう。」



いきなり何を言ってるんだこいつは
と先ほどの繊細な会話に心を動かされていた大多数のプレイヤーが困惑するようなセリフがアリスの口から飛び出す。
それに対するルカも「魔姦の禁を破ることになるから絶対ダメだ!」というもっと他に言うべきことがあるだろという言い逃れで逃げようとする。
しかしアリスは再び人間態に変身。
「人間態が相手なら魔姦の禁を気にすることもあるまい」「大陸の魔物達はより強力な性技を使うのだからここで女を知っておくべき」「訓練だと思っていれば余が快楽の世界へと導いてやる」
とあれこれ理由を付けながらもがくルカを押し倒す。
ルカは「だめぇ…やめてぇ……」という先ほどのアリスを慰めていた時の男らしさのかけらもないあひぃワードを言いながら抵抗するが欲情したアリスの魔王の腕力と勢いに敵うはずもなく、そのまま跨られる。
アリスは魔王の正統血統の自分の女性器がどれだけの快楽を男性器に与えるかを「余の魔王まんこ」なるパワーワードで言葉責めを交えつつ解説。
「くくっ……口では抗いながら、ちんぽは大きくなっているではないか」というゲスい竿役ならぬゲスい壺役のようなセリフを吐きながら、抵抗するルカの童貞を奪うのだった――



【解説】


  • ここまで読んで頂いたらわかるように主人公の勇者ルカとヒロインの魔王アリスがラザロと言う共通する因縁を通し、己の胸の内に抱いた心の弱さを晒し合い、今まで以上に絆が強固なものになる……という重要なエピソードで唐突にしんみりした雰囲気をぶち壊す迷言がぶっこまれた後、
    アリスのデザイン担当の健康クロス氏が手掛けた「恍惚としたサディスティックな笑みを浮かべながら騎乗位でルカに跨る人間態アリス」という美麗なエロイラストと共に情事シーンが始まるという大変ありがたいサービスカットが挟まるという感動の涙とハイセンスなギャグとハイクオリティなエロが入り混じった『もんむす・くえすと!』という作品を象徴する欲張りセットな名場面である。

  • 普通にプレイしているプレイヤーはこれまで何度もルカがもんむす達に敗北して童貞を奪われて、飼われたり、吸い殺されたりしてるシーンを数百回は目にしていると思われるが、所謂「正史」においてルカが童貞を奪われたのはこのアリスの一件が初めてであるサキュバス村のレベルドレインのアレは妖しいが
    読んでいて「あれ?見晴らしのいいところで休憩していたはずじゃ?」と思った方もいると思われるが、まさしくその通りで青空を背景にした完全な野外プレイ。
    それも「魔王まんこ」と豪語するだけあって大層具合がいいようで、あっという間に10発以上の射精をした末に精力の限界からその場で寝込んでしまっている。
    色々な意味でルカさんの初体験パネェっす。

  • 「魔姦の禁」という宗教上の理由で魔物であるアリスを拒もうとしたルカだったが、抵抗していたのは最初のうちだけで挿入してからは「中が動いてすごいよぉ…!」などといつも通り情けない台詞を吐きながら快楽に悶えてほぼ無抵抗。
    挙句に「女性の中に、それもアリスの体内に精を注いでしまう悦び――」なるモノローグがあるため、内心はノリノリだった様子。
    アリスはアリスで行為中に「くくっ……ずっと貴様を犯してやりたいと思っていたのだ」という汚い愛の告白までする始末。
    お似合いと言うべきか。

  • アリスの「人間を滅ぼしていいと思える理由を探していた」という描写は前章の序盤の頃に描かれており、出会って間もない頃の傷ついたアリスに対してド畜生な選択肢を取ると「自分は人間にとって恐れられる存在になることを決意した」という旨の発言と共に彼女と敵対することになるのがそれ。
    アリスの決意がどちらに転ぶのかはルカ次第なのである。スライム娘に負けてたらどうなってたんだろうか。

  • 上記のようにかなり唐突に見える濡れ場への突入であるが、アリス自身の心情と、後に彼女が取る選択との符合を考えると、「せめて一度くらいは最愛の相手と繋がりたい」という悲壮な乙女心の表れとも言える。

  • マルケルスを殺害した張本人がラザロというのは上述の通りだが、後のシナリオにおいてはこの一件の実情についてより一層踏み込んだ真相が明かされることとなる。


くくっ、ごちそうさま。
追記・修正も、今晩は満足だ。


まあ……初めてにしては上手くできたようだな。


それ…僕が?


ドアホめ、余のことだ!


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  • ゲスい壺役というパワーワード -- 名無しさん (2021-09-20 03:50:33)
  • 後味が悪い展開からのこれ。本当このゲームは侮れない。抜きゲー、バカゲーだと思って安易に買ってビックリしたよ。 -- 名無しさん (2021-09-20 07:04:26)
  • 前置きが永いわ -- 名無しさん (2021-09-20 08:54:48)
  • 上げて落とさないと伝わらんが、それに慕って38分は… -- 名無しさん (2021-09-20 11:22:40)
  • かく言う私も童貞でね… -- 名無しさん (2021-09-20 11:41:52)
  • あれだよ、タイタニックやターミネーターだって「いつ死ぬか分からんから体を確かめ合おう」はあることだし…さ -- 名無しさん (2021-09-20 11:43:45)
  • 経緯いくら何でも長すぎないか もうちょっと省略できると思うんだが -- 名無しさん (2021-09-20 14:13:21)
  • それ以前に、この項目いるだろうか? 項目名をダシにしてネタバレを書き連ねているだけでない? -- 名無しさん (2021-09-20 16:21:17)
  • ネタバレ描いてるだけだからいらない、とか言い出したらこのwikiのあらゆる漫画、アニメ、映画、ドラマのエピソード項目が不要ってことになってしまう。 -- 名無しさん (2021-09-20 16:50:14)
  • 項目の特筆性はさておいて、さすがにこれだけ延々と劇中のセリフ込みであらすじ書き連ねてるとファスト映画とかそういう系統のモノになってしまわない…? というところはある -- 名無しさん (2021-09-20 16:55:08)
  • 私は好きだ、この項目 -- 名無しさん (2021-09-20 21:03:51)
  • いや、これがダメなら他にもいくらでもダメになる項目がある。自分の文体で書いてある(はずの)補足も解説も十二分だし良い項目だと思います。 -- 名無しさん (2021-09-20 23:44:47)
  • 他にこういう項目があるから良いって訳でもないし、だめだと思う -- 名無しさん (2021-09-21 02:33:15)
  • 経緯長いのは認めるけど、超絶シリアス展開からの落差を伝えるにはやむを得ない気がする -- 名無しさん (2021-09-21 04:27:41)
  • いやダメな項目はこのwikiで敷かれてるルールに明確に違反してるものなのであってこの項目はそれに反してないんだから。全体のまとまりを考慮してあまりに膨大すぎるからコンパクトにしない? って指摘なら分かるけどさ。 -- 名無しさん (2021-09-21 11:58:17)
  • 「ネタバレ書きたいだけ」「ファスト映画に当たらない?」ここら辺の理由では現行のルールでは削除理由にはならないね。問題と思うならしたらばの方でルール確認とか、ルール変更に動くべきかと。 -- 名無しさん (2021-09-21 12:24:37)
  • 間違いなく名&迷シーンなのだが記事の長さに関するコメントばかりで草 -- 名無しさん (2021-09-21 13:15:21)
  • 感動的なBGMからシームレスに敗北BGMに切り替わる演出で盛大に笑った記憶。 -- 名無しさん (2021-09-21 13:32:47)
  • もんくえが名作たるゆえんを思い出したわ、ありがとう -- 名無しさん (2021-09-21 14:17:07)
  • やっぱり名作だよな、いろんな意味で。あとそういう議論って記事でするものだっけ? -- 名無しさん (2021-09-21 14:39:08)
  • 強者の胸先次第でいつでも覆る共存など受け入れられないと主張する敵役、それを説得ではなく石化(=力尽くで屈服)させ「共存を認めない」という選択すら奪った直後、心を通わせた主人公が(一応形式的には)拒んでいるのに口説くとか説得とかではなく逆レするのか……これは……なんというか……中々に上質というか、素晴らしいな、こうでなければいけない、素晴らしいよ あとそれを書ききったこの記事もついでに素晴らしい -- 名無しさん (2021-09-21 22:31:58)
  • だが、EDの逆NTRツアーのせいで皮肉にもラザロの正しさが証明されてしまったのだった -- 名無しさん (2021-09-22 20:45:10)
  • しかしこれスライム娘に堕とされて終わってたらどうなってたんだろう、この場合ルカさんとアリスは遭遇しないよね -- 名無しさん (2021-09-22 20:59:32)
  • くえの方にスポットが当たるのは最近では珍しかったから嬉しい -- 名無しさん (2021-09-23 00:06:57)
  • この記事でいうところの「アリスの後悔」の場面で、アリスが叫ぶときの一人称がいつもの「余」じゃなくて「私」になってるんだよね。感情的になって素が出てる様子がよく表現されてる。 -- 名無しさん (2021-09-23 19:42:17)
  • ↑終章でのプロポーズの時も「私」だったから素はこっちなんだろうね 他にも基本的に母親の呼び方は「母上」なのにたまに「母様」になる -- 名無しさん (2021-10-01 10:11:22)
  • なんていい項目なんだと感動しかけたら一気に笑いの坩堝に叩き込まれた -- 名無しさん (2023-10-20 16:16:27)

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*1 ここで言う女神の洗礼とは単なる宗教儀式ではなく、本当に創世の女神イリアスが地上に顕現し、勇者の力を与える儀式のことを指す。洗礼を受けると魔物から精力を狙われなくなるほか、教会から正式に勇者として認定を受け、打倒魔王の為に各町から宿泊料金の割引等のサポートを受けられるようになる
*2 結果的にこの流行り病でイリアスヴィルは村人の大部分が死亡してしまい、大量の移民を受け入れたことで、ルカはむしろ村の中の古参住民となったため、旅立ちの頃にはすっかり村に馴染んでいた

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