登録日:2021/04/14 Wed 23:40:02
更新日:2024/05/27 Mon 10:39:38NEW!
所要時間:約 35 分で読めます
▽タグ一覧
ジェームズ・キャメロン タイタニック パニック映画 ラブロマンス レオナルド・ディカプリオ ロマンス 不朽の名作 何故かなかなか立たなかった項目 興行収入200億円突破 傑作 映画 洋画 豪華客船 事故 大西洋 該当日に建てられた項目 純愛 涙腺崩壊 史実 パチンコ化 氷山 沈没 20世紀フォックス パラマウント映画 涙腺崩壊兵器多数 所要時間30分以上の項目 コメント欄ログ化項目 1997年 my heart will go on ケイト・ウィンスレット セリーヌ・ディオン 事実を元にしたフィクション タイタニック号沈没事故 吹替失敗作品
Nothing on earth
could come between them.
『タイタニック』とは、1997年に公開された、レオナルド・ディカプリオ主演のアメリカ映画。
監督は『エイリアン2』や『ターミネーター』等を手掛けたジェームズ・キャメロン。
●目次
【概要】
1912年4月14日から15日に掛けて発生したタイタニック号沈没事故を元に、ラブロマンスを描く。
貧しい青年と裕福なお嬢様が恋に落ちる恋愛ものとして有名だが、沈没する豪華客船と生き延びるために右往左往する乗客たちの描写も多く、パニック映画としての側面も持ち合わせている。シリアスな笑いが度々出てくるのもポイント。
世界全体での興行収入は少なくとも20億ドルを越え、当時の世界興行収入1位であった「ジュラシック・パーク」を追い抜いてトップの座についた。2022年4月現在歴代3位*1を記録している。
日本国内でも同様に大ヒットし、興行収入は少なくとも260億円を突破。国内で公開された映画の歴代興行収入ランキングでは『もののけ姫』を追い越して歴代1位となり、現在は3位*2となっている。
洋画での国内興行収入としては依然歴代1位であり、公開から20年以上が経った現在でも破られていない。
ジャックを演じたディカプリオは当時23歳であり、端正な顔立ちから人気が爆発。
日本でも「レオ様」と呼ばれてブームが起きるなど、一躍スターダムに躍り出た。
ヒット作故に作品の知名度は高く、カナダ人歌手のセリーヌ・ディオンが歌った主題歌「My Heart Will Go On」や、船の先端に腕を広げて立ち、「空を飛んでいる」あのポーズは余りにも有名。
本作を見たことは無いが、この曲やあのシーンだけは知っているという人も多いだろう。歌詞的にもそれっぽいけど「えんだあああああ」ではないぞ
なお上映時間は194分(3時間14分)と非常に長く、気楽には通しで見られない尺の長さである。
何度かテレビ放送されているがこの長尺のお陰で大抵分割され、2夜もしくは2週に渡る前後編構成で放送される。*3
ビデオ版も、当時はVHSテープが主流だったため「2本組」での販売だった。
元々はタイタニックの史実を忠実に映画化する企画だったが、予算が下りなかったのでフィクションのロミジュリ要素を追加しラブロマンス映画になった経緯があり、キャメロンのこだわりが細部に至るまで徹底的に突き詰められている。
中でも実際のタイタニックと同スケールのレプリカを作ってそれを巨大なプールに浮かべ、ついには実際に沈めてしまったエピソードは有名。
また、印象に残るモブも多いがそのほとんどは実在の人物や証言に基づいており、ジャックとローズの関係者以外はほぼ全員が史実と言ってもいいレベルである。
2012年に沈没から100年の節目に3D版が再上映された。
2023年には公開25周年記念として、3Dリマスター版が2月10日~2月23日の期間限定で再上映。
IMAXやドルビーシネマなどより進歩した映像技術でタイタニックを楽しめるようになった。
満席の劇場が続出した為、二週目から上映する劇場や回数を増やすなどの措置が取られた。
公式サイトで公開延長を告知するも誤報だったと撤回されるなど、予想以上の人気を受けて配給側もてんてこまいだった模様。
愛知県の劇場、イオンシネマ岡崎では「タイタニック」を「炊いた肉」と誤植したツイートを投稿して大きな話題を呼んだ。
新宿バルト9では公開最終日に深夜0時30分スタート、終了時間が朝4時(カルパチア号がタイタニックの乗客を救助に駆け付けた時間)の特別枠を用意するという粋な計らいを行った。
【以下ネタバレ注意】
【あらすじ】
時は1996年。トレジャーハンターのロベットはタイタニック号と共に沈んだ「青き海の心」*4と呼ばれた宝石を求めて、潜水艇での調査を行っていた。
マスコミも呼び、大々的に調査を行った結果、一等客室から一つの金庫を回収することができた。
テレビカメラの前で期待を膨らませながら金庫を開けたロベット達だったが、中から出てきたのはドロドロになった札束の残骸と、泥まみれのスケッチブックのようなものだけであった。
落胆する一行だったがスケッチブックに挟まれていた一枚の画用紙の汚れを丁寧に落とすと、美しい女性の裸婦画であることが判明した。その絵は沈没の前日に書かれた物であり、書かれていた女性には例のダイヤモンドが身に着けられていた。
集まっていたマスコミは、タイタニック号からこの絵を回収したことを報じた。
この報道を偶然テレビで見ていた一人の老婆は彼らに電話を掛ける。そう、この老婆こそ裸婦画のモデルであるローズ本人だったのである。
彼女は付き添いの孫娘と共にヘリコプターで調査船を訪れ、裸婦画を発見した経緯を聞く。
そしてローズは潜水艇が映し出す映像で84年ぶりにタイタニック号と再会する。
タイタニック号の姿をその目にしたローズは、自身の体験を彼らに話し始める。
~~~~~~~~~~~~~~~
時は1912年。世界一の豪華客船タイタニック号はニューヨークへの処女航海へと出発するため、準備が進められている最中であった。
サウサンプトン港には大勢の人がごった返し、乗船する者や見送る者の興奮と歓声で溢れかえっていた。
出航の5分前、貧しい絵描きの青年ジャックは酒場のポーカーに勝ったことでタイタニック号のチケットを手に入れ、友人のファブリッツィオと共にタイタニック号へと乗り込む。
そしてジャックは偶然か、それとも運命に導かれたのか、ただ運良く乗ることができたタイタニック号で、ローズという美しい女性と運命的な出会いを果たす。
身分の違いや家の事情など多くの障壁が立ちはだかるが、それでも次第に惹かれ合う二人。
だが、その瞬間は刻一刻と近づいていた…
【登場人物】
★がついているのは実在の人物。
吹替キャストはソフト版/テレビ版(一部のキャストはフジ2001年版・日テレ版・フジ2004年版の順)/機内上映版の順で表記する。
《タイタニック号の乗客》
〔主要人物〕
- ジャック・ドーソン
演:レオナルド・ディカプリオ
(吹替:松田洋治/妻夫木聡・石田彰・内田夕夜/草尾毅)
画家を志す貧しい青年。生まれはアメリカだが、15歳のときに両親が他界し、それ以降はヨーロッパに渡って根無し草のような生活をしていた。
酒場でのポーカーで勝ったことでタイタニック号の乗船チケットを獲得し、友人のファブリッツィオと共にアメリカを目指す。
船上でのある夜、偶々デッキのベンチで煙草を吸っていたときに海へ飛び込もうとしているローズを発見し、間一髪のところで説得して救助した。
そのお礼として豪華なパーティーに招待されたり、「下々の連中」のもとで本物のパーティーに参加したりと、ローズとの距離を縮めていく。
◆ネタバレ
船が氷山にぶつかった後、キャルとラブジョイの策略によってローズが所有していた宝石を盗んだという濡れ衣を着せられ、下層の部屋に監禁されてしまう。*5
だが、アンドリュースに監禁場所を聞いたローズが救出に来たことでなんとか脱出し、ファブリッツィオ達と合流。甲板まで抜け出すことに成功。
ローズを救命ボートに乗せて避難させるが、彼女はジャックと共に海へ飛び込むことを選び、再びタイタニック号へと戻ってくる。
目の前でイチャつく二人を見てマジギレしたキャルに追いかけ回されて下層に追い込まれるが、何とか撒いて再び甲板へ戻る。
しかし救命ボートは全て出てしまったので船尾へと避難し、海へ入るタイミングを計る。
タイタニック号が完全に海に沈んでからは大きな壁の残骸にローズを乗せて救命ボートを待つ。
しかしボートは一艘も戻って来ず、四月の北大西洋の水温は生身の人間が長く耐えられるものではなかった。
絶対に諦めず生き延びることをローズに約束させるも、救命ボートが来た時には自身は海に長く浸かり過ぎた為に既に力尽きていた。
それを目にしたローズは一時は悲しみに暮れるも、彼との約束を果たすべく生きていくことを誓い、彼の遺体はその場で水葬に付され、暗く冷たい海へと沈んでいった。
なお戸板のプロップが大きすぎて「二人で乗れた」と有志に検証・指摘されてしまっており、キャメロンも「もっと小さくしとくんだった」とコメントしている。*6
一方で、25周年記念企画として行われた同条件での再現実験では「二人共乗れるは乗れるが、そうすると戸板はより深く沈み、二人共海水に浸かる」という結果となり、
また別のインタビューでの「生き残る事ができたのはどちらか一人だけだった」とのキャメロン監督の発言と相俟って、
「ジャックは『ローズを確実に生かす』と『一緒に生き延びるか一緒に死ぬかの賭け』の前者を選んだ」とも解釈できる。
だがラストシーンでは…
- ローズ・デウィット・ブケイター
演:ケイト・ウィンスレット
(吹替:日野由利加/竹内結子・冬馬由美・岡寛恵/藤貴子)
名家であるブケイター家の一人娘。絵画が好きで、タイタニック号にもピカソとかいう無名の画家の絵をたくさん持ち込んでいた。(ただし購入したのはキャルの金である)
談話室でイズメイらタイタニックの関係者が未曾有の大型船の建設を褒め称えるとフロイトが唱えた「男性が何故サイズにこだわるか」という学説を持ち出す。
同じ顔ぶれを相手に空しいお喋りをする毎日に絶望を感じ、精神的に追い詰められていた。
船尾から身を投げようとしていたところ、ジャックに説得されて一命と取り留めた。
絶望しか感じられなかった日々に埋もれていた自分を見つけてくれたジャックを愛するようになり、生死を共にすることを決意する。
◆ネタバレ
救命ボートに乗れない者が大勢いるにもかかわらず、傲慢な態度を取る母と絶縁し、ジャックの元へ向かうのを止めようとしたキャルにも唾を吐くなど、完全に過去と決別した。
タイタニック号沈没後は大きな残骸に乗って救助を待ったが、救命ボートが来た頃には既にジャックは凍死しており、自身も衰弱して声が出なくなっていた。
ジャックの死と通り過ぎて行くボートに絶望しかかるも、絶対に生き延びる、最後まで諦めないというジャックとの約束を思い出して奮起。
近くに浮かんでいた乗務員の死体から笛を借り、笛を鳴らすことで救命ボートを呼び戻す。
戻ってきた救命ボートに拾われて奇跡的に生還し、その後駆けつけたカルパチア号に救助された。
カルパチア号ではローズを探し回っているキャルの姿を見かけたが、彼の前に姿を現すことはなかった。
そして事故から生還して以降は"ローズ・ドーソン"としての人生を歩んでいく。
現代でルイスが「ローズ・ブケイターはタイタニック号沈没時に死んでいる」と話していたのはこの為と思われる。
- キャルドン・ホックリー
アメリカの鉄鋼王の息子で、ローズの婚約者。作中ではキャルと呼ばれる。
実在していれば天文学的な価格であろう「青き海の心」を婚約者のために購入したり、婚約披露パーティーのための船旅に一等客室の中でも最上ランクの個室を用意したり、当時の上流階級の絢爛豪華な生活を体現したようなキャラクター。
貧乏人のジャックが自分の婚約者であるローズと仲良くしていることを快く思っておらず、彼に対しては常に見下した態度で接する。*7
それを抜きにしても、元から性根の曲がったヤなヤツで、ローズは彼に対してあまり愛を感じていなかった
そしてジャックに惹かれていくローズに対して怒りを向けるようになっていく。
◆ネタバレ
ジャックを嵌めてローズから引き離そうとするが、彼女自身がジャックを救出したことで失敗に終わる。
そして船の沈没が始まり、ローズを救命ボートに乗せて脱出させるが、生き延びることよりもジャックと死ぬことを選んだ彼女を見てついに怒りに駆られラブジョイの懐から拳銃をひったくり二人を追いかけまわすが、迫りくる海水を見てローズを捨てて脱出することを決意。
マードックを買収し救命ボートの座席を確保しようとしたが失敗。
その直後素性も分からぬ子供を抱え、「私には子供がいる、この子に私以外の身寄りはいない」と偽り救命ボートに乗り込んだ。
その後は、救命ボートに乗り込もうとする人々をオールで振り払うなど身勝手なシーンが見られたが、倒れた煙突の下敷きになる人々を見て我に返る。
最終的にタイタニック号から脱出する。
救助に来た船でローズを見つけるも察しないふりをしてそのまま見過ごす。
後にローズとは別の女性と結婚した。しかし1929年の世界恐慌の波に呑まれて大暴落を被り、拳銃自殺した事がローズの口により語られる。
- ルース・デウィット・ブケイター
演:フランシス・フィッシャー
(吹替:小沢寿美恵/鈴木弘子/不明)
ローズの母。亡き夫が残した多額の借金によって破産寸前のブケイター家を立て直すために、ローズをキャルと結婚させようと画策した。
救命ボートに乗るときにも座席の等級にこだわり混み合うのは嫌だとワガママを言うなど、当時の階級社会をリアルに反映した典型的な傲慢金持ちキャラとして描かれている。
一方で財産を失って上流階級から転落することを恐れており、女性に道は選べないとローズを諭す場面もある。ローズのような出会いや機会に恵まれず、決められた道を進むことしか出来なかったが故の苦悩も垣間見せている。
- スパイサー・ラブジョイ
演:デビット・ワーナー
(吹替:青森伸/稲垣隆史/島香裕)
キャルの命令に忠実に従う冷酷な執事。前職についてはローズが「元刑事(探偵)かも」と言及していた。
常に冷静沈着で、頭に血が昇ることが多いキャルのストッパーにもなっている。
懐にはシルバーの装飾が施されたコルトガバメントを隠し持っている。
◆ネタバレ
終盤では脱出のチャンスを捨ててでもローズに執着するキャルに対し、半ば呆れたような反応を見せるようになる。
キャルが懐の拳銃をひったくり、ジャック&ローズを追いかけ回した後は完全に彼とは別行動となり、何処かへと姿を消す。
その後はタイタニック号が真っ二つに裂けるシーンで手すりにしがみつく様子が見られるが、十中八九海に投げ出されて死亡したと思われる。
未公開シーンではキャルに別れる際にローズのコートにあるダイヤを「取り返したらくれてやる」と銃を返され、2人の後を追いローズを追い詰める。
しかしジャックに報復にされ*8ダイヤの件でジャックを捕まえた際にやった「ホックリー家流の挨拶」と言った腹殴りをそのまま「ドーソン家流の挨拶」という形で仕返しされることとなった。
その後も頭から血を流しながら2人を追うが、ジャックに心理を逆手に取られたことで2人を見失うこととなった。*9
- マーガレット(モリー)・ブラウン ★
演:キャシー・ベイツ
(吹替:谷育子/小林幸子・一城みゆ希・小林幸子/鳳芳野)
一等客室の乗客。主人が西部で金鉱を掘り当てた、所謂新興成金と呼ばれた人々の一人。上流階級のおば様方からは下品な女と陰口を叩かれて見下されているが、本人は平然と受け流している。
一等客用レストランの豪華なパーティーに招待されたジャックに息子用の夜会服を貸してあげたり、海に投げ出された人々を救助しようと提案するなど人格者。未公開シーンではボートを漕いだこともない船員に代わって自らボートを漕ぐという豪胆な場面もあった。
救難ボートに乗っていたことで事故から生還し、後に「不沈のモリー・ブラウン」と呼ばれるようになった。史実では「モリー」は後世のあだ名で、生前は「マギー」と呼ばれていたが本作では乗船時から既にモリーと呼ばれている(スタッフクレジットでも「モリー」表記)。
本作の配役は主役級以外は中堅クラスのギャラで固める方針だったが、キャシー・ベイツは過去にアカデミー主演女優賞を受賞している大物クラスである。
にもかかわらずキャスティングされた理由は「本人に似てるから」。ギャラの一部はキャメロンが自腹を切っている。
- ファブリッツィオ・デ・ロッシ
演:ダニー・ヌッチ
(吹替:檀臣幸/鳥海勝美/成田剣)
ジャックの友人でイタリア出身。ジャックがポーカーでフルハウスを揃えたことでタイタニックの乗船チケットを手に入れた。*10
ジャックがローズに会いに行くようになってからは空気となるが、事故が発生してからは再び活躍する。
彼もノルウェー人のヘルガと互いに惹かれ合っていた。
◆ネタバレ
事故発生後にジャックと合流。三等客の流出を抑えるため、乗務員が封鎖していた柵をジャックたちと協力して強行突破して甲板へと急ぐ。
なんとか甲板へ脱出したが、一等客と女子供を優先的に救命ボートに乗せていたため、沈没するタイタニック号から避難することはできなかった。
その後は死亡したトミーの着ていた救命胴衣を着け、船から離れられずにいるボートの縄を持っていたナイフで切断し離脱に協力する、
結局そのボートには乗れず海に投げ出され、危うく船内に吸い込まれかけても耐え抜き諦めずに泳ぎ続けて頑張っていたが、最終的にタイタニック号の折れた煙突が直撃して死亡する。
- トーマス・“トミー”・ライアン
演:ジェイソン・バリー
(吹替:吉田孝/石野竜三/檀臣幸)
ジャック&ファブリッツィオがタイタニック号で出会い、仲良くなった新たな友人。アイルランド出身で皮肉屋。
ファブリッツィオと同様に一旦フェードアウトするが、事故発生後に活躍する。
◆ネタバレ
事故発生後にジャック達と合流し、船の甲板まで強行突破する。
たが甲板もパニックになった人々で溢れかえっており、すぐに救命ボートに乗って船外に脱出することは不可能であった。
パニックになった乗客を拳銃で牽制していたマードック航海士に直談判するが当然拒否される。
そして後ろの人混みに押され、マードック航海士の前に飛び出てしまったことで、焦っていた彼に拳銃で胸を撃たれてしまう。
胸を貫いた銃弾が致命傷となり、そのまま絶命した。
- ヘルガ・ダール
演:カミラ・O・ローズ
ジャックとファブリッツィオがタイタニック号で親しくなったノルウェー人の女性。
家族と共に乗船しており、ファブリッツィオと惹かれ合っていく。
キャメロンは三等号室の乗客が多くの犠牲者が出た原因の背景を描く為に、ファブリッツィオと彼女とのロマンスを作家として描き込んだが、映画としてはジャックとローズを追うべきだとのことでほとんど省かれた。
その為、彼女の本編での出番は本当のパーティーシーン・沈没直前で何度もローズと目を合わすシーン・ラストシーンと数少なく、未公開シーンでの出演が多い。
◆ネタバレ
未公開シーンでジャックとローズがファブリッツィオとトミーと再会した際に、ファブリッツィオに「一緒に行こう」と手を引かれるが、家族を見捨てられないとのことで拒否をし、最後は彼とキスをして別れることになる。
その後彼女も甲板まで脱出し、船尾が真上を向いた時も柵に掴まっていたが、手の限界で柵を放してしまい落下死した。
- トーマス・アンドリュース ★
演:ヴィクター・ガーバー
(吹替:納谷六朗/小川真司/後藤哲夫)
タイタニック号を造り上げた設計士の一人。劇中ではローズ達にタイタニック号の案内をしていた。
彼曰く、デッキが狭くなる(見映えが悪くなる)という意見を唱える者がいたので、搭載する救命ボートの数を減らしたとのこと。
実際はイズメイが経費削減のため減らしたのだが、VIP客に予算不足の内情を話すのを憚ったかイズメイに忖度したのだろうか。
事故が発生した際には、スミス船長らにタイタニック号の沈没は避けられないことや、沈没までの猶予を説明した。
談話室でローズの(当時としては)過激な言動を目にしてもにこやかに受けとめ、始終ローズには好意的で早い段階で船が沈没する運命であることやジャックの監禁場所を教えてくれた。
最期は「もっと頑丈な船を作るべきだった」と後悔の念に駆られつつ自分用の救命胴衣をローズに渡し、沈み行く船内で広間に置かれた時計の時間をそっと合わせて、タイタニックと運命を共にした。
元々は彼の会社の社長が乗る予定だったが、体調が優れずに彼が代理で乗船することになった。
史実でも最後に目撃されたのは一等船室の中だった。
一人でも多くの人が助かるよう危機感の無い乗客達を救命ボートへの乗るよう説得して回ったり、救命胴衣を着るよう説明して回った他、浮き具替わりになるデッキチェアやイスを必死に海に投げ込んでいたという。
「君も救命胴衣を着て、皆の手本になるんだ」という発言は生還した客室係の証言によるもの。
- ブルース・イズメイ ★
演:ジョナサン・ハイド
(吹替:土師孝也/羽佐間道夫/小島敏彦)
タイタニック号を建造したホワイトスターラインの社長。
タイタニック号のスピードを世界に宣伝するため、スミス船長に高速での航行を提案したが船長には断られている。
作中(及び事故後の裁判)では言外に圧力をかけたかのような表現になっているが真相は不明。*11
「タイタニック号は絶対に沈まない」ことを信じきっており、事故が発生した際にもタイタニック号が沈没することを受け止めきれない様子を見せた。
事故発生後は、船員に混じって救命ボートの昇降を手伝っていたがあまり役に立たずむしろ邪魔に思われていた模様。
結局救命ボートがラスト1艇を残す段階になると、自分も救命ボートに乗り込みタイタニック号から避難した。
救命ボートを勝手にロープから外そうとして航海士に怒られたり、カルパチア号に救助された際に生存者達から冷たい目線で睨み付けられる未公開シーンが存在する。
史実では、事故後のイズメイは「責任は船長、自分は乗客」という態度を取って世間の猛バッシングを浴びた。
これはイズメイをスケープ・ゴートにしたがった船会社の意向もあったとされるが結局職を辞して隠遁生活を送る事となった。
ちなみに「フロイトって?乗客か?」という台詞はイズメイ役のジョナサン・ハイドの発案によるもの。
〔名もなきモブ…ではなく史実の乗客たち〕
- イジドー・ストラウス ★
- アイダ・ストラウス ★
演:ルー・ポルター
演:エルザ・レイブン
メイシーズ百貨店*12を経営し下院議員も務めたイジドー・ストラウスと、その妻アイダのストラウス夫婦。
社交界ではよく知られた仲良し夫婦であったという。
イジドーは高齢かつファーストクラス乗客ということで救命ボートへの搭乗を許可されたが「女性と子供が優先だ」と辞退し、
妻のアイダもまた夫を残して救命ボートに乗ることを拒否したため二人で船に残った。
このやりとりは映画製作中に撮影されており、未公開シーンで見ることができる。
作中ではタイタニック号が沈没していくなか、二人で一緒に部屋のベッドで抱きしめ合いながらそのときが来るのを待っていた。
史実の目撃証言では、甲板に二人で寄り添い被さってきた波にさらわれたとの事。その瞬間まで腕を組んでいたとも言われている。
なお、同行していたストラウス家の家政婦エレン・バードは夫婦の合意のもとで救命ボートに乗せられて無事生還し、
ストラウス夫婦の親族の元に遺品を持って挨拶に向かった。史実に興味を持った方は「ストラウス夫婦」で検索されたし。
後世になってこの夫妻の子孫の旦那がタイタニック絡みで起きた大事故の当事者となるのだが、それはまた別の話である。
- ベンジャミン・グッゲンハイム ★
演:マイケル・エンサイン
(吹替:不明/岩田安生/不明)
アメリカの実業家。船が沈没すると知るとわざわざ最高級の夜会服に着替え、救命胴衣を勧められても断り「紳士らしく正装で死ぬことにする」と答えた。
この発言は着替えを手伝った客室係が生還後証言しており、史実の発言とされている。船旅の多い時代で海難事故が今より身近であったとはいえある意味粋な紳士であることを全うしたとも言える。
沈没の瞬間は秘書と共に最高級のブランデーを手にしたまま波に飲まれた。
史実でも最後に目撃された時は秘書を伴い椅子に座りながらブランデー片手に葉巻を吸っていたという。
同行していたのは愛人のマダム・アウベルトだが、当時は富裕層の愛人は側室や妾同様公式の存在だったので現代のような不倫旅行というわけではない。晩餐会に普通に同伴しているのもそのためである(なおマダム・アウベルトはメイドと共に生還している)。
- アーチボルド・グレイシー大佐 ★
演:バーナード・フォックス
(吹替:佐々木梅治/富田耕生/不明)
アメリカの資産家で一等船客。ジャックとローズが出会った自殺未遂の騒ぎの際に居合わせ、ジャックに礼をするようキャルに提案したり、晩餐会で根無し草の人生を謳歌しているというジャックの演説を称賛するなど好人物として描かれている。
史実ではタイタニックの沈没後裏返った救命ボートに流れ着き生還することができた(未公開シーンのカルパチア号の船上シーンでも一瞬映っている)が、長時間冷水に浸かっていた後遺症のため結局事故から1年も経たずに逝去している。
なお、終盤デッキに逃げ延びたジャックとローズに救命ボートが船首に残っていることを教えてくれるが、この時左右に連れている2名の女性は妻子ではなく(設定上)キャロライン・ブラウンとエディス・エヴァンズと思われる。
当時の船旅では男性の同伴者がいない女性客は乗り合わせた男性客が護衛を申し出ててエスコートする習慣があり、グレイシー大佐もこの習慣に則り数名の女性を救命ボートまで案内してあげたらしい。
- ジョン・ジェイコブ・アスター4世 ★
- マデリン・アスター ★
演:エリック・ブレーデン(吹替:不明/仲野裕/不明)
演:シャルロット・シャットン
毛皮貿易と不動産業で莫大な財産を築いたアスター家の一員。ローズ曰く「船で一番の金持ち」。モリーとは船に乗る前からの友人で、モリーからジャックを紹介され堂々と「ウィスコンシンのドーソン家」と名乗るジャックの雰囲気に上流階級の人物と納得していた。
妻のマデリンは19歳とローズと変わらない年代かつ妊娠中であることをローズが意味ありげに囁いているが(ジェイコブ自身は47歳)マデリンは後妻で、3年前に愛人だったマデリンと再婚するために先妻と離婚したことは大スキャンダルとして扱われた。*13
未公開シーンでは沈没間近の船内で同乗していた犬を探している最中すれ違ったグッゲンハイムと別れの挨拶を交わしている。
映画では大階段の柱にしがみ付いているところを波に飲まれたが史実では遺体が発見されており損傷の状態から(劇中のファブリツィオのように)倒れてきた煙突に押し潰されたとされている。
マデリンは4号ボートで生還しており、ボートの中から犬を甲板に逃がす夫を見たと証言している。
ちなみにジャックとトミーが出会うシーンで散歩させられている犬のうち1匹がそのアスターの犬エアデイル(テリア種)の「キティー」である。
- コズモ・ダフ=ゴードン ★
- ルーシー・ダフ=ゴードン ★
演:マーティン・ジャーヴィス
演:ロザリンド・アイレス
ジャックが招待された一等船客室の晩餐会に同席していた準男爵夫妻。
ローズは「ファッションデザイナー」と紹介していたが正確には上流階級向けファッションサロンのオーナーで通称「マダム・ルシール」。
史実では1号ボートに夫婦で搭乗し生還したが、比較的早い段階で降ろされたため定員40人のボートに12人しか乗船していなかったにもかかわらず、救助に戻ることに反対したうえカルパチア号の上で笑顔で記念撮影をやらかしたため事故後バッシングに晒されたややKYな夫婦。
- ノエル・レズリー ★
演:ロシェル・ローズ
(吹替:北條文栄/不明/不明)
スコットランド貴族ロシズ伯爵夫人。ジャックが招待された一等船客室の晩餐会に同席していた他、ブケイター夫人と親しいらしく、お茶をしたり連れだって散歩するシーンがある。
史実では8号ボートで生還。パニックに陥ることなくボートの舵取りを担当したり周囲の女性を励まし続けたことを水夫に称えられ救命ボートの舷縁に取り付けられていた「8」の数字を記念品として贈呈されている。
同時代を舞台にしたイギリスのドラマ「ダウントン・アビー」にも名前が登場する。
- トーマス・バイルズ神父 ★
演:ジェームズ・ランカスター
船が沈む際に船尾に居合わせた乗客たちに向かって聖書の暗唱を行っていた人物。周りの人々もすがるように祈りを捧げていた。
史実ではアメリカで行われる弟の結婚式へと向かうために乗船し、事件に巻き込まれた。
生存者の証言によると、ボートが全て出払ってしまい絶望する乗客たちの傍らで沈没する直前まで懺悔を聞き届け、赦しを与えていたという。
- スロバキア人の親子
演:マーティン・ハブ(父親)、セス・アドキンズ(子)
キャルに追いかけ回され、下層に追い込まれたジャック&ローズが見かけた親子。
子供が一人で泣きじゃくっており、ジャックが救助しようとした。
しかしパニックになった父親が現れ、ジャックから子供を引き剥がし、出口とは逆方向へと走って行ってしまった。
その直後流れ込んできた海水に押し潰され、どこかへと流されていった。
タイタニックは豪華客船であると同時に移民船の側面もあり、3等船客は英語の解らない移民も多かった。
彼らのように英語の案内図や船員の指示が解らずデッキに出ることすらできなかった者も多かったとされている(生存者は英語のわかるアイルランド系移民の割合が多い)。
- フレデリック・スペドゥン(父) ★
- ダグラス・スペドゥン(息子) ★
ジャックがローズに会うためファーストデッキに忍び込んだ際、コマで遊んでいた親子。
タイタニックの船上で実際に撮影された写真が残っており、ノンクレジットだがフレデリックを演じているのは時代考証に携わっている歴史学者。
母親や同行していたメイド含め全員3号ボートで生還しているが、フレデリックは「男にもかかわらず救命ボートに乗った*14」ことで後日バッシングに晒された。
避難の際ダグラスが持ってきたテディベアを無くしてしまったが、船員が拾ってくれたおかげでカルパチア号の上で再会することができたエピソードを母親が童話にし、後年出版されたのが有名な「ポーラー・ベアの物語」である。
《タイタニック号乗務員》
- ジョン・エドワード・スミス★
演:バーナード・ヒル
(吹替:大木民夫/久米明/有本欽隆)
タイタニック号の船長。作中ではこの航海を最後に引退する予定であったとされているが、実際は別に引退航海ではない。
通信士を通して近隣の船から氷山の警告を受けていたがイズメイに速度を上げるよう指示されていたこともあり「よくある事」と船を最高速度に近いスピードで航行させた。
後年ローズからこの話を聞いたロベットらトレジャーハンターは「氷山を発見してからも避けられると考えた、長年の経験が裏目に出た」と推測していたが真相は不明。(実際は警告を受けて航路を南寄りに変更しており、出していたスピードも当時としては平均的な速度である。)
事故発生後は救命胴衣の着用を乗客に促す、救難信号を送信する、女子供を優先的に救命ボートに乗せるようにするなどの沈没に対する備えを乗務員に指示した。
船が沈む直前ではどこか茫然自失とした様子で話しかけられてもまともに対応せず、
最期はタイタニック号が沈没する際に操舵室へと一人籠り、タイタニック号と運命を共にした。
操舵室のガラスを割って大量の水が流れ込むシーンは演じているのはスタントだが、カメラはダイビングスーツを着用したキャメロン自ら操作して撮影に臨んだ。監督曰く「二度とやりたくない」。
史実ではスミス船長の最期はよく解っていない。
映画のように操舵室に向かったという説もあれば、船内のホール、沈没後の海上で見たという説、カルパチア号で見かけたという生存説まである。
- ウィリアム・マードック ★
演:イワン・スチュワート
(吹替:田原アルノ/原康義/水内清光)
タイタニック号の一等航海士。本人・演者共にスコットランド人。
船長が席を外した夜間に船の指揮を執っていたが、氷山の回避が間に合わず船体を掠めてしまった。
事故発生後は右舷で乗客に避難の指示をする。
◆ネタバレ
キャルに席を確保するように賄賂の札束を渡され一度は受け取るが、金なんか持っていても何の役に立たないと突き返し拒否。
そしてパニックになった乗客を抑え込むために所持していた拳銃を発砲する。牽制のつもりだったが、意図せず前に飛び出してしまったトミーに向けて反射的に銃を撃ってしまい、彼を射殺してしまった。
その責任として敬礼しながら自身の頭に銃口を向けて発砲、自殺すると共に海へと落ちて行った。
この映画ではあまり良い人物として描かれていないが、生還した他の航海士たちは船が沈没する寸前まで乗客や乗務員の避難誘導で活躍し多くの命を救ったと証言しており、地元では英雄と称えられる人物であったため映画公開後に抗議を受け、キャメロンもメイキングにおいて「配慮が足りなかった」とコメントし後に20世紀フォックスの副社長が遺族に謝罪している。
一方で自殺説の証言もあり、この説を採用したタイタニック作品もある。
- ヘンリー・ワイルド ★
演:マーク・リンゼイ・チャップマン
(吹替:石塚運昇/内田直哉/堀川仁)
タイタニック号の航海士長。
事故後は乗客らの避難誘導をしつつマードックの暴走を止めようとしたりボートの切り離しを指示したりしていた。
◆ネタバレ
タイタニック号沈没後は海に投げ出され、ジャック・ローズの近くで海面に浮かぶ椅子にしがみつき、ホイッスルを吹きながらボートを呼び戻そうとした。
だが、次第に力尽き、椅子に掴まった姿のまま凍死した。
しかし彼が持っていたホイッスルがローズの命を救う事になる。
史実では目撃証言が少なく、最期はおろか事故後は何をしていたかすらよく分かっていない。
航海士長は船長の側近の立場であるため、船長の指示を各部署に伝えて回る伝令的な役割をしていた事で救命ボートに乗った人にはあまり印象に残らなかったためと考えられている。
- チャールズ・ライトラー ★
演:ジョニー・フィリップス
(吹替:諸角憲一/家中宏/不明)
タイタニック号の二等航海士。
事故発生後はマードックとは反対側の左舷救命艇を担当した。制服ではなくセーター姿なのは事故当時非番だったから。
アンドリュースに空席だらけの救命艇を降ろしているのを叱られるが「満杯に乗せたら沈んでしまうかもしれない」と目を剥いて言い返している。
避難訓練や救命艇に関する周知がいかに杜撰だったかを表す台詞である。
彼は婦女子優先を厳守して空席があっても男を救命艇に乗せなかったため、キャルは上述の通り反対側のマードックを買収して席を確保する。
史実では沈没後転覆していた救命艇にたどり着き、一晩中逆さまのボートの上でバランスを取り続けて生還した。映画の中でも裏返ったボートにしがみ付いている姿が一瞬映っている。
実はタイタニック以外にも帆船で難破するわマラリアに罹るわゴールドラッシュですっからかんになるわと散々死にかけては生還し、二度の世界大戦に従軍してそれも乗り越えた人。
- ハロルド・ロウ ★
演:ヨアン・グリフィズ
(吹替:後藤敦/森田順平/不明)
タイタニック号の五等航海士。本人・演者共にウェールズ人。
ライトラー同様に婦女子優先を厳守して救命ボートに群がる男に拳銃を突きつけて下がらせている。
14号ボートの責任者として搭乗したが、タイタニック号の沈没後海上でボート同士を繋ぎ合わせて固定したうえで14号ボートの乗客を他のボートに移動させ沈没現場に救助に戻った。
ただし準備に時間がかかりすぎ(意図的に静かになるまで待ったとも言われている)ジャックをはじめ海に投げ出された人々は凍死した後だった。諦めて戻ろうとした瞬間、ローズの鳴らすホイッスルの音が響く。
史実では口が悪く気性の荒い船乗り気質の男でボートに移動するのを怖がる女性に怒鳴りつけたり、男性客が女物のショールを被ってボートに乗り込んでいたのに気付くと突き飛ばしたりしている他、作中のローズ同様木のドアの上で生存していた中国人を発見したが非白人であることを理由に素通りしようとしたとされている*15。
航海士の中で一番のイケメンだったらしく演じているのは後のMr.ファンタスティック。
先輩の上級航海士達を差し置いて、唯一タイタニックのプリクラに登場した。マードックは泣いていい。
- フレデリック・フリート ★
- レジナルド・リー ★
演:スコット・G・アンダーソン(吹替:柳沢栄治/不明/不明)
演:マーティン・イースト(吹替:星野充昭/不明/不明)
氷山衝突時に見張り台に居た二人組の船員。見張り台の右舷側にいるのがフリート、左舷側がリー。
フリートは「氷山が近付けば匂いで分かる」と豪語していたが、抱き合うジャックとローズに見とれていた隙に氷山が近付き、大慌てで鐘を鳴らすと共にブリッジに氷山接近を伝えた。
この時のムーディ航海士とのやり取り*16は概ね史実通りの様である。
劇中では描かれていないが、フリートは事故後も生還している。とはいえその晩年は、事故の影響からかうつ病に苦しみ、妻に先立たれ、妻の兄弟に家を追い出され、義兄弟の家に住むも自ら命を絶つというあまりにも悲劇的な最期をむかえることになる。
- ジャック・フィリップス ★
- ハロルド・ブライド ★
演:グレゴリー・コック
演:クレイグ・ケリー(吹替:不明/桐本琢也/不明)
無線会社から派遣されて乗船していたタイタニックの通信士たち。フィリップスが上級無線通信士、ブライドがアシスタントの下級無線通信士である。
船客の電報に忙殺されつつも近隣の船から氷山の警告を受けて船長に報告している(当時の無線は航行のための設備ではなく乗客のためのサービス設備であり、電報の方がメインの業務だった)。
氷山の衝突後、船長からCQD(遭難信号)を打つよう指示され事態を把握し蒼白となる*17。カルパチア号から応答があったが最速でも到着まで4時間かかるという連絡であった。
未公開シーンでは通信で手の塞がっているフィリップスにブライドが救命胴衣を着せる場面がある。
史実ではスミス船長から任を解かれ避難許可が出た後も電力の供給が途切れるギリギリまで救信号を打ち続けた。
海に投げ出された後は運よく転覆したボートに辿り着きブライドは生還しているが、フィリップスは力尽きて救助が来る前に凍死している。
なお、有名な「タイタニックが史上初のSOSを発信した」というエピソードはガセ。
ブライドが事故後のインタビューで「”新しい”信号SOSを発信した」と語ったのが”史上初”と誤って広まった模様。
当時導入されたばかりの新規格という意味で史上初ではない。前述の未公開シーンでもSOS(・・・---・・・)を打っているのが聞こえる。
- ジョセフ・ベル ★
演:テリー・フォレスタル
(吹替:塚田正昭/斎藤志郎/不明)
タイタニック号機関士長。
出港時に機関士達に号令を出すシーンなどで登場。職務の性質上、登場シーンは専ら機関室であった。
氷山衝突時にもブリッジからの指示に従い、機関操作を部下に迅速に命じた他、自ら機関を操作する場面も見られた。
史実ではタイタニック号が沈没濃厚となった時には部下に脱出を許可したが、彼含めほぼ誰も持ち場を離れる事無く機関を維持し続けたという。
劇中でも斜めに傾斜した機関室で部下と共に懸命に電力供給を続ける場面がある。
船体が真っ二つになるまで電気が点いていたのは文字通り彼等の決死の努力によるもので、やはり史実でも沈没寸前まで電力は維持されていた。
- フレデリック・バレット ★
演:デレク・リー
(吹替:北川勝博/小島敏彦/不明)
タイタニック号の火夫長。ボイラー室に逃げ込んだジャックとローズに怒っていた。
氷山との衝突後13号ボートの責任者として乗り込んでいたがほぼ同時に降ろされた15号ボートが真上に来てしまい大慌てでロープを切っている(史実のエピソードである)。カルパチア号でキャルがローズを探し回っている際にも一瞬後ろに映っている。
- チャールズ・ジョーキン ★
演:リアム・タオイー
タイタニック号の乗客に食事を提供する料理人の一人で、パン焼きの職人。
タイタニック号沈没寸前の場面で登場し、転んだローズが起き上がるのを助けた他、ジャック・ローズが船尾に逃げた時もローズや他数名の乗客をフェンスの上に引き上げるのを手伝っていた。
スキットルを常に携行して酒を飲んでいるがこれは死の恐怖を紛らわせるためで、要はやけになって飲んだくれていただけである。
海に投げ出された人々の中でも生還できた数少ない人物。*18
生き延びた彼はタイタニック号沈没事故に関して多くの証言を残しており、本作の製作にも大きな影響を与えたという。
このことから、バラエティ番組等でタイタニック号のことが取り扱われる際に名前が出てくることも多い。
最終盤、ボートに乗るキャルにスキットルの酒を分けてやる人物も彼と紹介される事があるが、
救命胴衣を着ていない事や服装・髪型・髪色が異なるためそちらとはおそらく別人である。
- ウォレス・ハートリーほか音楽隊 ★
演:ジョナサン・エヴァンス=ジョーンズ
(吹替:伊藤和晃/納谷六朗/不明)
一等客向けのレストランなどで演奏を行う音楽隊*19。
食事のときも、船が沈没するときにも誰も彼らの演奏を聴いていなかった。???「溺れるときにも音楽が聴けるのか、贅沢だな!」
一通り演奏し終え、もう船が限界を迎えたところで避難を開始して解散した…と思いきや再び集結し、最期の一仕事を全うする。
『主よ御許に近づかん』を演奏する場面は沈みゆく船内での人々の様子と相まって涙なしでは見られない名シーン。*20
多数の証言によれば最後の最後まで演奏を続けていたという。演奏のせいで乗客達が危機感を持たずに避難が遅くなったという批判もあれば、演奏のおかげでパニックを防いだという意見もある。
余談だがバンドマスターでバイオリン奏者のウォレス・ハートリーの使っていたバイオリンは本人の遺体と共に発見されて現存しており、
オークションにかけられた際は90万ポンド(約1億4200万円)という高額で取り引きされた。
- オラフとスウェン
厳密には乗客でも乗員でもなく史実の人物でもないが便宜上ここに記載。
酒場でポーカーをしていた二人組。ジャックのフルハウスによって敗北して有り金とナイフ*21とタイタニックの乗船券を奪われる。
結果的には命拾いした形になる。同室の人物がスウェンのことを知っていたので友人を失った可能性も高いが…。
名前は後にアナと雪の女王でそのまま引用されている。
《現代》
- ブロック・ロベット
演:ビル・パクストン
(吹替:石塚運昇/堀内賢雄/井上倫宏)
三年間タイタニック号に眠る宝石「青き海の心」を探し求めていたトレジャーハンター。
沈没したタイタニック号から美しい女性の裸婦画を発掘したことで、当事者であるローズと出会う。演じているのはキャメロン作品ではお馴染みの俳優であり、エイリアン2のハドソンやトゥルーライズのスケコマシ男サイモンで有名。
ローズの話を聞き、タイタニックのことを何もわかっていなかったとして「青き海の心」を諦めた。そして「青き海の心」を見つけたときに吸おうとしていた、とっておきの葉巻をタイタニック号に捧げた。
- ルイス・ボーディーン
演:ルイス・アバナシー
(吹替:池田勝/岩崎ひろし/江川央生)
ロベットの相棒のトレジャーハンター。
被災者本人を前にして沈没の過程を嬉しそうに語る無神経なデブメガネだが遠隔ロボットの操作の腕はピカイチ。当初ローズの事を世間の注目を浴びたい婆さんとしか見ていなかったが、徐々にローズの話に引き込まれて行く。
キャメロンが友人のタイタニック研究者をモデルに描いた人物で演じているのは本人である。
- リジー・カルバート
演:スージー・エイミス
(吹替:山像かおり)
ローズの孫娘で、彼女の身の回りの世話をしている。
祖母のタイタニックの出来事をロベット達と共に聞き、その悲しい結末に涙を流す。
最後は葉巻を海に捧げたロベットと共にタイタニックが沈んでいる夜の海に目をやる。
- ローズ・カルバート
演:グロリア・スチュアート
(吹替:佐々木すみ江/京田尚子/山口奈々)
101歳となったローズ。事故後はアメリカで女優をしていたらしい。
ルイスの話によると、「ローズ・デイヴィッド・ブケイター」としてはタイタニック号沈没に際して死亡した扱いとなっている様子。
夫と死別した後、現在はシーダーラピッズで一人の孫娘と一緒に暮らしている。
裸婦画が発掘されたことからロベット達と連絡を取り、彼らに過去の出来事を話す。
◆ネタバレ
実はロベット達が探し求めていた「青き海の心」は彼女がずっと持っていた。
宝石はキャルが彼女に着せた上着のポケットに入れっぱなしで、カルパチア号に救助された後に気づいたのであった。
今回タイタニック号と再会したことで、「青き海の心」を海へと沈めた。
青き海の心を捨てた後に眠りにつき、タイタニック号の船内と思われる大階段を白いウェディングドレスを着た若い頃のローズが、
2時20分(=タイタニック号が沈没した時刻)を指して止まっている時計の前でかつてのように待っていた当時のジャックの元に行き、
その周囲を事故で亡くなった当時の乗員や乗客達*22が祝福の拍手をしているシーンで終幕となる。
これは、「この後ローズが亡くなりジャック達がいる天国で84年越しに結ばれた*23」「眠ったローズが見ている幸せな夢*24という二つの説*25があり、
DVDチャプター名は英語版で「A Promise Kept(約束は果たされた)」日本語版では「かなえられた夢」となっており、メイキングやDVDのオーディオコメンタリーでキャメロン監督は「観た人それぞれで解釈してほしい」としている。
【パロディ作品】
本作のパロディ作品として、親指に服を着せ、顔をCG合成したキャラクターで進行する親指タイタニック(原題「Thumbtanic」)が作られている*26。
このテの作品にはよくある事だが内容は全体的にお下品かつブラックジョーク満載である。
その他にも本作のヒットに便乗し公開後にタイタニック沈没をテーマにしたアニメーション映画が2作品公開されているが、内容は……。
2010年には「タイタニック2012」という、
タイタニック号沈没事故から100年後となる2012年にタイタニック2世号と名付けられた豪華客船がまたも氷山と衝突事故を起こすという映画が作られている。
原題はそのものズバリTitanic IIだが、本作とは一切関係無い。内容もロマンス要素は無く純然たるパニック映画である。
なおこのTitanic IIを製作したアサイラム社は数々のパロディB級映画やシャークネードシリーズで有名である。
また、吉本興業が運営に関与しているCSの「大阪チャンネル」では友近とロバート秋山によるパロディコント「船と氷山」を制作・配信している。
パロディとはいえ完成度は非常に高く、現在はYouTubeで無料配信されているので見てみることをお勧めする。屋形船がどうやって東京湾に沈むのかと小一時間(ry
勿論エロパロもあり、だいたい「パイパニック」なるタイトルが付けられているのがお約束。
【余談】
- 後半が修羅場だらけでキャスト陣も負傷した映画の撮影現場でディカプリオとゼインは場の雰囲気を和らげるムードメーカーとして活躍していた。
- ジャックは架空の人物ではあるが、偶然にも事故に巻き込まれた人物にイニシャルが同じ「ジョセフ・ドーソン」氏が実在しており、映画を見たファンが氏の墓所を訪れる事もあった様子。
- ディカプリオとウィンスレットはこの作品をきっかけに親友になっている。映画と同じくウィンスレットは違う男性と結婚したが、公開から20年以上経った今でも2人の友情は続いており映画同様、2人は深く固い絆で結ばれている。
- ローズの裸婦画を描くシーンを描いているのはキャメロン監督の手である。キャメロンとジャック(ディカプリオ)は利き手が逆なため映像は左右反転している。
また当該シーンで服を脱いだローズにジャックがうっかり「ソファーに」と間違えて「ベッドに横たわって」と口走ってしまったのはアドリブ……というよりディカプリオの素。本来ならミスだったのだが、キャメロン監督が「この方が『らしい』」と判断した事でそのまま採用されたという。 - キャルが終盤乗り込んだ右舷側最後の1艇(A号ボート)は予備の組み立て式だったが、完成する前に映画の通り波に流されてしまったため縁と海面がギリギリの状態だった。海水が流れ込み膝まで冷水に浸かってる有様で、ボートの中にいた人は夜の間に半分以上凍死してしまい、生存者は夜が明けた後ロウが指揮する14号ボートに移動したらしい。ということはキャルとローズはカルパチア号が救助に来るまで同じ14号ボートの上にいたことになるが…はて?
- 本作のラブロマンスという作風はアクション系を主とする監督の作品としては異質と思われがちだが、男女の運命的な出逢いと交流、逆境に立ち向かう姿勢といったシナリオは出世作である『ターミネーター』と重なっていることから、実は原点回帰の作品ともいえる。
- 本作が世界的ヒット作になった事で今日の日本で「映画タイタニック」と言えば特に断りが無い限り専ら本作を指すが、「タイタニック」というタイトルのタイタニック号沈没事故を描いた映画は本作以前にも複数存在する。
タイタニック号沈没事故をモチーフにした映画自体は更に多く、中には1912年5月14日封切作品(タイタニック号沈没の一ヶ月後!)というものも*27。
本項目の作品を敢えて呼び分けるならば「1997年版タイタニック」「キャメロン版タイタニック」となるか。 - 映画『アルマゲドン』は本作のヒットの影響を受けて感動路線に変更、ラストの展開が当初の予定から修正されたとの逸話がある。
- 日本の地上波では2001年にフジテレビが初放送。超話題作のテレビ初放送ということで大規模な宣伝が行われ、視聴率も映画番組では異例となる35%を獲得したが、ジャックとローズの両主演の吹き替えキャストが
案の定というべきか滑舌が悪いなどで評判が悪く、タレント吹き替えの悪例の一つとして今なお引き合いに出される事が多い。そして当のフジテレビも2004年に主演の吹き替えを差し替えたバージョンを制作している*28。 - 日本語吹替で一番評判が高いのが日テレ版で、同局の「金曜ロードショー」ではリクエスト企画でも放送された。この放送についてはジャック役の石田彰も放送に際して感謝のツイートを述べている。また、シャア・アズナブル等でお馴染みの池田秀一がモブとして複数役を演じている。あくまで地上波向けということでソフト化に恵まれなかったが、2024年に発売された4K UHD Blu-rayで日テレ版吹き替えが初収録された。
- 吹替のキャストに「機内上映版」とあるように、本作には旅客機の機内でのみ上映された吹替え版が存在する。何とこれは劇場公開より前に上映されたとされ、ジャックの声を吹き替えた草尾毅も、「あのタイタニックを日本で初めて吹き替えたのは僕だ」と自負しているという。しかしこの版は現状ソフト化されておらず*29、吹替を行った草尾ですら未だに観られていない幻のバージョンとなっている。本人も何とか観たいと熱望している。
- 史実におけるタイタニック号乗客のうち、最後の生存者となったミルヴィナ・ディーン氏は、当時なんと生後二ヶ月。晩年は困窮し、老人ホームの費用にも事欠く状態であったが、本作の主演二人が援助を申し出たことで無事入居を続けることができたという。そのわずか一ヶ月後、2009年5月31日に逝去。これによりタイタニック号乗客の全員が鬼籍に入ることになった。
貴方はここにいる
恐れるものは何も無い
私の心は貴方と共にあると確信している
私たちはずっとこの道を共に歩む
貴方はいつまでも私の心の中に
私の心は貴方と共に生き続ける
追記・修正は毎晩夢の中で出会える大切な人と共にお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,16)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
#lsd()
#comment_num2(num=30)
*2 2位は『[[千と千尋の神隠し]]』、1位は『[[劇場版 鬼滅の刃 無限列車編>鬼滅の刃]]』。
*3 2021年現在、地上波ゴールデンタイムで全編通しで放送されたのは2004年のフジテレビ系での放送が唯一である。
*4 訳によっては「碧洋のハート」ともされる。ハート型の青いダイヤモンド、実在する宝石ホープ・ダイヤモンドがモデルと思われる。
*5 宝石関連はキャル達のマッチポンプだが、その辺にいた金持ちが置いていた上着と帽子を無断で借りパクするという犯罪を実際にやらかしていた
*6 一応、劇中では「二人で乗ろうとしたら沈みかけたので、ジャックがローズだけ乗るように促した」と描写されている
*7 キャルを演じたゼイン曰く「彼は悪人ではなく、端的に言えば男らしさという社会規範の犠牲者」
*8 最後の登場場面で頭から血を流していたのはこの時に負った傷
*9 船の底から水が入ってくるので下の階には絶対に行かないと心理を逆手に取られ階段の所でジャック達が下の階へ行ったのに対し、上の階へと行ってしまった。
*10 ちなみに彼と男Aの手札はブタ、男Bの手札はツーペアだった。
*11 スミス船長が氷山の警告を受けながら高速で船を運航させた理由は諸説あり現在でもはっきりしていない。
*12 現在も存在するアメリカ最大級のデパートチェーン。
*13 当時は愛人は普通の存在で離婚する方が大問題だった。大金を積んでも式をあげてくれる牧師がなかなか見つからなかったほど。
*14 実際にはボートのナビゲーションを任されたという事情があったためだが。
*15 この様子の未公開シーンもあるがやや抑え目の表現で、さすがに素通りはしていない
*16 「何が見えた?(Yes, what do you see?)」「前方に氷山がある!(Iceberg rightahead!)」「ありがとう(Thank you.)」
*17 後に「SOS」も発信している。
*18 海に投げ出される寸前までアルコールを大量に摂取していたことで、冷たい海に浸かっていても体温を保つことができたと考えられている。但し、通常は「酒を飲んで体温を高める」メリットより「酔う」「眠くなる」デメリットが上回るため、海に投げ出された時の飲酒は推奨されない。あくまで例外、特別な事例と見るべきであろう。
*19 船会社の職員ではなく音楽事務所から派遣されて乗船していた楽団員であり、正確には乗務員ではなく2等船客の立場である。
*20 この曲を演奏していたというのが当時からの通説で楽団長の墓碑にも刻まれているが、当時から別の曲だったという証言もある。
*21 これはファブリッツィオが持っていて、後に救助ボートに結ばれたロープを切る際に使っていた
*22 ただし、イブニングドレスを着た一等船客らしき女性が10人以上いるが史実では1等船客の女性で亡くなったのは4人だけである。
*23 101歳という年齢を鑑みれば老衰でも全く不思議は無い。
*24 主題歌の歌詞の内容も「あなたをいつも夢の中で感じている」「あなたは私の中で生きている」という内容である。
*25 これに対してスチュアートはキャメロンに対して「息を止めたほうがいいのか、止めないのか?」と聞き、「息を止めてください」と返されたとのこと。
*26 以前には同じく親指でスターウォーズをパロディしている作品もリリースされている。
*27 なお、この作品「Saved from the Titanic」はフィルムが火災で喪失しているため現在は視聴不可能。
*28 キャスト一覧にあるようタレント吹替にはラスボスこと小林幸子も参加しているが、こちらは差し替えを免れている。
*29 機内上映版は原則としてソフト化等2次利用の契約がされていないため、上映後は廃棄される例がほとんどとされる。但しフィルムは残されているものもあり、発掘されてCSで放送された作品もある。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧