刻の封印(遊戯王OCG)

ページ名:刻の封印_遊戯王OCG_

登録日:2021/02/11 (木) 11:21:07
更新日:2024/05/24 Fri 13:47:12NEW!
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遊戯王ocg 罠カード tod 遊戯王 通常罠 マッチキル コントロール ドローロック 制限カード 元禁止カード curse of anubis -アヌビスの呪い-



とき封印ふういんとは遊戯王オフィシャルカードゲームのカードの1つで罠カード。
初収録は2期の「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で「DUELIST LEGACY Volume.1 」「BEGINNER'S EDITION 1(4期)」で再録されておりどれもノーマル。
現在は制限カード(元禁止カード)であり、現行ルールではデッキに1枚しか投入できない。



カードの性能

通常罠
(1):次の相手ドローフェイズをスキップする。


フリーチェーンのノーコストで発動しただけでドローフェイズを潰すという八汰烏の様な凶悪な効果を持っている。
八汰烏と違い使い回せないとはいえ戦闘ダメージを与える必要もなく、罠カードを発動するだけで良いため確実性は上。
更にフリーチェーンのためサイクロンなどの除去の無駄撃ちを誘う事も可能でブラフとしても優秀。


基本的にカードをドローしないと行動を起こせないTCGにおいて、気軽に使えるドローロックという逆転の要素を否定したこのカードの罪は重く2006/03/01の制限改訂において無制限カードから一気に禁止カードへ指定された。
同改訂で禁止カードになったヴィクトリー・ドラゴン同様、記念すべき(?)無制限から一気に禁止になったカード第一号となった。


禁止カードになってから14年以上経つがインフレが進み罠カードの採用率が低下した現在でも、禁止カードから1度も緩和されないことから公式もこのカードの危険性を警戒しているということだろう。





追記・修正はドローロックコンボからヴィクトリー・ドラゴンにダイレクトアタックを喰らった人にお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]























上記の説明は全くの嘘ではないのだが実際は少し違う。



実際の所の性能

ぶっちゃけ言って単体のカードとしては強くない。
使用可能だった当時ですら汎用カードとしての活躍は殆どなかった。


ノーコストでほぼ確実にドローロックできるとはいえここで遊戯王のルールを思い出して欲しい。
罠カードはセットした次のターンから発動できる」と「原則的にドローフェイズのドローの前にはカードの発動はできない」の2点である。
つまりこのカードをセットして最速で発動した場合相手のドローフェイズのドロー後であり、封じられるドローは次の次のドローフェイズのドローと非常に遅い
一応王家の神殿などの罠カードをセットしたターンに発動できるカードを併用すれば直後のドローフェイズのドローを封じる事はできるのだが、次にドローロックという戦術自体の問題点が立ち塞がる。


ドローロックと言うのは逆転の要素を完全に潰すという凶悪な物ではあるが、相手との優位差を作った後の話である。
その為、相手のリソースに触れない遅効性の1:1交換に過ぎない。
つまり、ダメ押しの一発程度にしか役に立たないこれを入れるぐらいなら、相手のカードへの除去や妨害などを入れた方が即効性も柔軟性もあるのでよっぽど役に立つ。
実際墓地に落としてしまうとはいえ、事実上ドローを潰せるはたき落としシリーズが全く使われていないのである。
強烈なはたき落としはドロー潰し以外にもサーチへのカウンターとしての運用は可能だが、刻の封印にはその様な他の用途でも使える様な要素はない。
先程王家の神殿などを使えば次のドローを潰せると言ったが、コンボ性の高い2枚を使ってまで相手の1枚を潰しに行くのは効率が悪すぎるという話になる。


当時ですら遅いのだから高速化が進んだ現在では相手の次の次のドローフェイズを封じるという悠長な事にリソースを使っている暇などなく、そもそもそのタイミングが訪れる前に決着がつくことも珍しくはない
仮に今禁止カードから緩和されても普通に使うには弱すぎて全く使われないと言って良い。



では何で刻の封印は禁止カードになったの?

確かに普通に使う分には弱いのだが、相手に対して優位に立った上で発動すれば相手は抵抗手段をドローできず何もできなくなる状況を作れることには変わりはない。
普通に考えるとその状況を作ってしまえば後はトドメを刺せばいいだけなのでやっぱりダメ押しにしかならない様に思えるが、マッチ戦においてはこの状況を作った後に意味がある。


刻の封印が主に使われていたデッキはVドラコントロール【TOD】*1であり、サイドデッキを使われる前の1戦目にマッチ勝利を確定させることを目標とした所謂マッチキルと言われる系統のデッキである。
闇の仮面と月読命で無限に刻の封印を回収できるコンボを成立させ、その時点で相手に打破できるカードがなければ相手は完全に身動きが取れなくなってしまう。
【Vドラコントロール】ではゆっくりとヴィクトリー・ドラゴンの効果で勝利する準備を整える事ができる。
【TOD】では「マッチ1本目で時間切れになった場合エキストラターンを行い、エキストラターン終了時にライフの多いプレイヤーの勝利とする」というルールを利用して、上記のコンボで時間を稼ぎ勝利を目指すと言った戦術になる。
公式大会ではシングルデュエルでのサレンダー(投了)は認められないためこの様な状況に陥ってしまったら後は相手がマッチキルを決めるまで眺めているか、マッチでのサレンダーをするかしかできなくなる。


上記のマッチキル狙いのデッキでの活躍が目立ち禁止カードになった経緯があり、コンボパーツとしての活躍だったのである。



結局何で刻の封印は禁止カードのままなの?

公式からの声明はないので本当の理由は不明ではあるが、プレイヤーからはカードパワーよりも緩和する理由が特にないという説が囁かれている。


前述したマッチキル系統のデッキはルール上の問題が多いデッキである
マッチ1戦目で決める事を目標としているためサイドデッキでの対策を許さず、環境に出てくるとメインデッキからの対策を余儀なくされてしまう。
つまり、マッチ戦の意味そのものを脅かすことになってしまう
また、故意にデッキを崩すなどの反則行為をすることで反則負けのシングルロスとはなるがマッチ敗北を回避できるというルールの穴を突いた対策があり物議を醸すことになった。
明らかなマナー違反と引き換えに、ルール上は一応のコンティニューができる…という、ヘルカイザーも真っ青なジレンマを素直に歓迎するプレイヤーはまずいない。
【TOD】に関しては上記に加えて時間を長く使うデッキのためデュエルが長引き大会の運営に悪影響が出てしまう。
後で言う所のこれに近い問題点を抱えている訳である。


結局の所は緩和しても普通には全く使われず、使うのは前述の様なルールを揺るがしたり大会運営までに支障をきたす物議を醸す様なデッキだけであり、ゲームの幅を広げたり面白くするようなカードでもないという事だろう。
現在でも闇の仮面と月読命の様な無限回収コンボが実用性があるかはさておき、それでも使われてしまったら公式であるKONAMIを含めて大半の人間が得をしない結果になるだろう。
カードパワーだけでなく、それ以外の要素でゲーム的な問題を孕んだカードとして指定されている可能性があるという事である。



そして緩和へ……

2022年10月1日のリミットレギュレーションでエラッタ無しで制限カードに緩和された。
当時よりサポートは増えているとはいえ、やはり単体では大したことがないと判断されたのだろう。
願わくば、以前のように悪用されないことを祈るばかりである。
活用方法などは考案されているものの、現在の所目立った活躍はしていない。



原作・アニメでは

アニメDMで闇遊戯が使用している。
原作におけるレア・ハンター戦において時間稼ぎのために使用したが、この時なぜか通常のドローより前に発動している。
上で述べた通りOCGでは不可能な挙動である。



OCG以外の刻の封印

ボードゲームと化したPS2時代の異色作、真DM2では魔法カードとして登場。デスティニードローで引けるカードの一つでもある。
相手フィールドの最も攻撃力が高いモンスター一体を永続呪縛する効果を持っている。
呪縛とは移動も戦闘も効果の発動もできなくなり、それでいて場札枚数制限には含まれるという厄介な状態異常で、
基本的には1~2ターンで解除されるが永続呪縛はその名の通り自然回復せず、何らかの方法で始末しなければ完全な置物と化してしまう。
しかも永続呪縛は多くは「倒された時に相手モンスターに対して発動する」効果を内蔵したモンスターが持っているが、
これはフィールドのどこからでも発動できるという利点を持っている。
短所はコスト50とかなり高い*2事と、転生*3でしか入手できないという入手難度の高さ。
総じて、かなりテクニカルなカードであるOCGとは異なり普通に強力なパワーカードである。





追記・修正はデッキを崩しながらお願いします。



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  • ルールに関わるやつはあかん… -- 名無しさん (2021-02-11 11:53:52)
  • 禁止カードの中でも超マイナーな部類。コナミも果たして覚えているのやら・・・ -- 名無しさん (2021-02-11 13:05:00)
  • カードプールが年々増大している環境なら下手に緩和して悪用される未来が見える -- 名無しさん (2021-02-11 13:18:44)
  • 強そうに見えて普通に使う分にはそこまで強くないが凶悪なコンボパーツに使われかねないからというある意味珍しいタイプの禁止カード。ひたすら使い回してロックをかけ続けるデッキとかロマンはあるが使われるのは嫌過ぎるな -- 名無しさん (2021-02-11 13:22:15)
  • 満足「使っても構わんよ?」 -- 名無しさん (2021-02-11 13:41:14)
  • 実用性があろうがなかろうが「ゲームの幅を広めるものでもない緩和する理由もない」カードは永久投獄と同義なのがよく分かる -- 名無しさん (2021-02-11 13:45:14)
  • 「こいつが釈放されて楽しいデッキが生まれる」メリットよりも「こいつが釈放されてクソつまらないウンコの山が生まれる」デメリットの方を重く取ってるわけか -- 名無しさん (2021-02-11 15:54:03)
  • 雑魚だが過去にループのパーツとして使われて禁止になりそのまま -- 名無しさん (2021-02-11 16:14:42)
  • ラッシュの方で導入したらヤバそう -- 名無しさん (2021-02-11 20:57:26)
  • ↑ドローを一枚減らすくらいにするだけなら…いやでも面白くねえな… -- 名無しさん (2021-02-11 22:54:06)
  • デュエル中に1度しか使えないとかにしないとループのパーツにされるのは目に見えるな -- 名無しさん (2021-02-12 14:15:19)
  • 海外で制限復帰か… -- 名無しさん (2022-05-18 01:29:38)
  • 日本でも復帰来たな。でも使われるかどうか -- 名無しさん (2022-09-11 21:09:51)
  • なんか八咫烏みたいな記事になっているな。 -- 名無しさん (2023-02-17 14:56:11)
  • ↑1 追記 少し前までの八咫烏の記事ね。 -- 名無しさん (2023-02-17 14:57:19)
  • バックアップ見ればわかるけどこの記事は元々「ぶっちゃけお世辞にも禁止カードになるようなスペックではない。では何が問題だったのかというと~」っていう流れで建てられた記事だからね。逆にヤタは「誰が見てもぶっ壊れ!もう二度と帰ってくることはない!」みたいに大げさな記事として建てられたから修正しづらくなっちゃったけど。 -- 名無しさん (2023-02-17 15:53:21)
  • ドローロック効果ってわかりやすく逆転される可能性を低減できる効果だけどあまり実装されないね -- 名無しさん (2023-10-10 19:52:04)
  • 通常罠を扱うデッキの有力候補であるラビュリンスですら使われてるの見たことないけど、あいつらの存在で緩和は制限止まりなんかな。マッチ戦でシングルサレを認めるような動きが公式で出てきているから、完全にそうなったら無制限でも良い感。 -- 名無しさん (2023-11-03 10:53:02)

#comment(striction)

*1 Time Over Deathの略。
*2 同コスト帯には死者蘇生、ブラックホール、攻撃力2500~2600程の主力級モンスターといった強力なカードが並ぶ。
*3 5戦毎に1回、カード1枚と引き換えに同程度のコストのカード3枚を入手できる機能。何が出るかはコスト以外ランダム。刻の封印の場合はコスト50前後のカードを別で用意してそのカードを捨てる必要がある。

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