デイン(デルトラ・クエスト)

ページ名:デイン_デルトラ_クエスト_

登録日:2020/08/07 Fri 19:12:00
更新日:2024/05/20 Mon 13:50:41NEW!
所要時間:約 8 分で読めます



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デルトラ・クエスト ライバルキャラ 黒髪 斎賀みつき ネタバレ項目 デイン 世継ぎ...? ゲーム版では...





出典:デルトラクエスト、39話『トーラ族の誓い』、2007年1月6日~2008年3月29日まで放送。
OLM、テレビ愛知、電通、デルトラクエスト製作委員会、
(C)2006デルトラクエスト製作委員会・テレビ愛知




『デイン』とは、小説『デルトラ・クエスト』に登場するキャラクターである。


CV:斎賀みつき



概要


主人公であるリーフと同い年くらいの少年。
礼儀正しく、物静かで気品がある。
ただし「細身で、少女のようなやさしい顔をし、長い黒髪を無造作に垂らしている」ため、実年齢より幼く見える。


本編より一年前、両親が経営する農場を盗賊(アニメ、漫画版ではデインの幼少期に影の憲兵団)が襲撃。
置き去りにされたところを謎の男:ジョーカーに助けられ、影の大王に抵抗する組織「レジスタンス」に加入した。
両親からは「離れ離れになった時は、母の親戚がいる魔法の都:トーラで待っている」と伝えられていたため、トーラへ行きたがっている。


しかし、レジスタンス内のスパイの存在を疑っているジョーカーはこれを「他の者に知れ渡れば、デインの両親が危険な目に遭う」と口止めし、
「トーラは影の憲兵やオルを始めとしたスパイに占領されている」と、デインがトーラへ行かないように忠告した。


幼いころから両親より、「デルトラが解放された日のため」として、あらん限りのデルトラの歴史を繰り返し教え込まれている。
また弓による戦いも、幼いころからの練習によりある程度こなせるようである。
ちなみに父親の親戚はデル族、母の名前はヤーン。



リーフはデインの、穏やかな顔の裏に秘められた何かを感じ取り、彼の端麗な容姿や勇敢な振る舞いなどに対してコンプレックスにも似た感情を抱えている。






各巻の活躍

4巻「うごめく砂」


リスメアの街で行われる競技大会にて、ジョーカーに協力して給仕の少年として潜入。
この大会にまつわる「恐ろしい計画」を暴くため、野蛮な男:グロックを優勝させようとしていたが、そのグロックが毒入りジュースを飲んで倒れてしまったため失敗。*1
やむなくジョーカーがジャスミンに負ける形で大会を終わらせ、その後はうまく脱出したものと思われる。








6巻「魔物の洞窟」
ここから本格登場。
トル川付近で2人組のオルに襲われそうになったリーフたちを救出し、何にでも変身する怪物:オルの脅威を教えた。
しかしその際に負傷してしまったため、レジスタンス西の隠れ家までリーフたちに同行してもらうことになる。 *2


ジョーカーがリーフ一行を監視室に閉じ込めて3日目、彼らを「トーラまで同行する」という条件で開放。
その後、蒸気船リバークイーン号で盗賊、オルが起こした騒ぎにより連れ去られてしまう...








7巻「いましめの谷」
盗賊たちに身売りされようとしていたが、不思議な生き物:ポリパンが彼らに反乱を起こしたことでリーフたちに救出される。


その後は念願通りトーラの街を訪れるが、街はもぬけの殻。
街の人々が初代国王アディンのために灯した誓いの火は消え、その大理石はひび割れていた。
さらに歴代国王からの形式的な手紙の数々や、破かれたエンドン王からの親書...




そう、トーラの人々は王家への信頼を失い、アディン王の時代から続く誓いを破ったのだ。
現代のトーラ族は、古の魔力はもう力を失っていると考えたのだが、まだその魔力が生きていたため、永遠の追放...魔境「いましめの谷」を生きながら彷徨う罰を与えられた。
ジョーカーがデインにトーラへ行くなと忠告していたのも、トーラが既に無人だということを見抜いていたからであった。



そのことが余程ショックだったのか、デインの顔は青ざめ、自力で立てないほどに弱ってしまう...
何とか立ち直った後は追いかけてきたジョーカーに連れられ、レジスタンスへと戻っていった。





最終巻「帰還」
ジョーカーとともに解放された「いましめの谷」を訪れる。
そこで両親から習った知識を生かし、「デルトラのベルトの魔力を完成させるため、七部族を結集させる」ことを提案する。


リーフたちと一時別行動を取り、一足先にベタクサ村...レジスタンス東の隠れ家へ到着。
道中のガブリ草原で重傷を負ったバルダの看病を率先して行う。




そして七部族が集結し、いよいよ誓いの儀式が始まる...








【以下、ネタバレ注意】











誓いの儀式の最中、リーフはデインを「探し求めてきたデルトラの世継ぎ」だと確信する。
デインという、初代アディン王から取った名前...そして両親からデルトラの歴史を繰り返し教えられたということ。
デインの責任感の強さは父王エンドンに、謎めいた繊細さは母シャーン妃に似たのだろうと。




そして、リーフがデインを守ると誓い、完成したベルトを渡そうとしたその時...









突如、魔女テーガンの子供たちの生き残り:イカボッドが襲来!
レジスタンスの隠れ家は崩壊し、デインは連れ去られてしまう...
先端にどうしても拭えない血のシミがついた、愛用のナイフを残して...


デルトラの世継ぎを救出するため、一行はデインが捕らえられているデルの街へ急ぐ...








【以下、さらなるネタバレに注意...】





















おれは、いい気分だよ、人間め。おまえに、やっとおれの正体がわかってな。おれは、いつだって、おまえがどれほどおろかなやつか教えてやりたくて、うずうずしていたんだ。






世継ぎだと思われたデインの正体。それは影の大王が心血を注ぎこんで作り上げた怪物:Aオルだった。*3
つまり、作中で度々噂されていたスパイとはデインのことである。
世継ぎに当てはまりそうな人物像を演じ、影の大王に歯向かう者を内部から崩壊させる計画だったのだ。
レジスタンスの人員を全員捕らえた暁には、影の大王の第一の部下となり、デルトラの支配権を手に入れるつもりでいたようだ。*4
なのでデイン自身はこの手の悪役にありがちな「主人公達と一緒に居る間に絆されてしまった」というような事は全く無く、自分を仲間と信じるリーフ達を内心嘲笑うと同時に「いっそお前達を殺してやろうかと思った」とぶちまける程にストレスを溜めていた様子。



イカボッドはデインを連れ去ったのではなく、デインが短剣に化けてその場に残ったのだ。*5
リーフの腰に短剣の姿で同行し、その仲間たちの行動を逐一影の大王軍に報告していたため、ベタクサ村~デルの街までの作戦は全て筒抜けだった。*6
そして情報を集め終わった後にリーフの体から離れ、デルの広場へ来て部下の憲兵やオルとともに、レジスタンスの面々を罠にかける準備をしていた。




トーラの街に入った途端弱ってしまったのも、邪悪なものを裁くトーラのトンネルの力が働いたというだけの話だった。
そしてガブリ草原で弱ったバルダ...偽の国王夫妻の遺書を見破った人物に毒を盛り始末しようとしたが、
皮肉にも誘拐劇のゴタゴタで解毒作用のあるエメラルドがバルダの体に触れ、彼は完治した。




影の大王軍を鼓舞し、死角から立ち向かってきたジョーカーを殺そうとするが、一瞬のスキを突かれてリーフがベルトを奪還。
ベルトにはまった七つの宝石の力にはさしものAオルも勝てず、あえなく溶けて消えていった...
死に際には彼の体から今までデインが浮かべた優しげな顔、勇ましい顔、からかうような顔、様々な表情の顔が現れては消え、リーフは思わず目を背けたという。






謎めいた経歴や、リーフのライバルポジション的な立ち位置から「もしや彼が世継ぎなのでは?」と推理した読者を最後の最後に欺いた、
いわばミスリード用のキャラであった。
とはいえ

  • 「王国で最も安全な場所に姿を隠している」筈の世継ぎが、レジスタンスという危険な活動に身を投じている
  • 「農家の息子」と自称しているにも関わらずデルトラ年鑑を読み慣れている様子で、劇中ではリーフより先にダイヤモンドの情報が記載されたページを見つけている
  • そもそもデイン自身は世継ぎであるなどと一言も名乗っていない

など伏線と思える描写もあり、そこから彼の存在に不自然さを感じた読者・視聴者も少なからず居た模様。
しかし劇中のデインは結果としてレジスタンスを一人も倒すことができず、さらに禁じられていた影の大王との接触を図り彼から叱られるなど、終わって見れば色々と抜けが目立つキャラでもある。
本人もそれをリーフに指摘されて激昂していた。
そして彼(と腑抜けきったファロー)の失敗によって、影の大王はオルそのものを見限り、開発・製造を一切打ち切った事が後の第2部で語られる。





ちなみにデインがいなくなったことで振り出しに戻ったかに見える「世継ぎ探し」だが、これもさらなる大どんでん返しが待っているのであった...







アニメ版では設定が補強され、たとえ体の一部を切り落とされてもそこが硬化、再生しさらに強化されるという難敵へとグレードアップ。
リーフはオルの急所である右胸を狙うが、狙いが数ミリ外れたことで周囲の皮膚が硬化、急所を突けなくなるという事態に陥った。何やってんだ。



敵としての姿を現した後も、かつての優しい表情を見せリーフを欺くなど狡猾。(それで騙されるリーフも大概だが) *7
しかしデインを快く思っていなかった大王の腹心:ファローが一時的にリーフに助力したことで形成が逆転、原作と同じ末路を辿った。


倒された次の回からはEDでの登場が無くなっている。







ゲーム版

リスメアでの出番がカットされたため、6章からの登場になる。
こちらでは最初から「デルトラの世継ぎである」という偽の経歴を自分から明かしている。



その後はほぼ原作通りのストーリーを辿るが、7章~最終章の間にジョーカーを裏切りレジスタンスを離脱。
誓いの儀式の最中にイカボッドを差し向け、自分はベルトを奪ってデルの街へと逃亡する。








【以下、ゲーム版のネタバレ注意。】








ゲーム版でも、デインの正体がオルだということは変わらない。



原作を読んだプレイヤーは「きっと最終章の中盤で、裏切ったデインとボス戦になるのだろう。」と予想していたが...






なんとゲームでのデインは影の大王を裏切り、リーフたちの側に着くのだ。



確かにベルトは奪ったが、それはあくまで影の大王に近づくための餌であり、あわよくば大王(もしくは腹心のファロー)と刺し違えようとしていた。
(ちなみにベルトは安全な場所=リーフの家に隠した)





しかしファローとその部下たちの攻撃に遭い、オルの本能が暴走してリーフたちと戦うことになってしまう...


ボス戦では3方向に弓矢を撃ち、HPが減ると5方向に撃ってくるようになる。
さらに一度倒しても、剣の姿になって復活する。






最後はリーフたちに見守られながら息を引き取る...
ボス戦後に手に入る「デイン」のキャラクターカードでの、リーフのコメントには(原作を知っていれば猶更)感慨深いものがある。


さらにベルトを家で見つけたリーフは「デイン、ありがとう!」と感謝の言葉を述べるなど、ゲーム版のデインは原作とは正反対のキャラである。






追記、修正はAオルの正体を現してからお願いします。




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  • 人生で初めて触れた裏切りキャラ。彼のおかげで物語を考察する楽しみを覚えたし、そういう意味ではデルトラの中で一番感慨深い存在 -- 名無しさん (2020-08-07 19:37:02)
  • 基本温めなアニメ版でも最後まで改心せず敵のままだった、というのは個人的にちょっと意外だったかな。しかし本人は王子だと一言も口にせず「勝手にそう思ったお前が間抜けなだけ」というスタンスなのが何とも -- 名無しさん (2020-08-07 19:49:37)
  • なおデインの失敗により影の大王はオルに対して見切りをつけ、第2シーズンでは冷遇され、第3シーズンでは登場すらしなくなる -- 名無しさん (2020-08-07 20:08:22)
  • ↑まあプランディンとファローも間抜けな末路辿ったしな。それでも別に人間以外の物にだって変身出来るし元の姿だと急所突かれなかったら死なないチートぶりなのに転換計画が成功したらもう影の憲兵団共々いらなくなるってのは謎だったけど -- 名無しさん (2020-08-07 20:17:12)
  • 人間そっくりに変身したまんまなせいで死ぬ条件まで人間と同じになってしまったプランディンに比べたら本来の姿に戻って戦ったデインは賢いわ -- 名無しさん (2020-08-07 20:21:05)
  • ↑ 同じ規格で作られてもオツムまでは規格化できなかったんだろうか。 -- 名無しさん (2020-08-08 00:50:17)
  • ファローも最後シャーンに首締められてて死にかけてたけど、元の姿に戻ればそんなの効かなかったのにって思った -- 名無しさん (2020-08-08 08:08:34)
  • 「農家の息子」のはずなのにリーフ以上にデルトラ年鑑を詳しく読み込んでる様子だったのは、伏線なのかそれともこれもミスリードだったのか -- 名無しさん (2020-09-28 02:20:16)
  • なら見せてやろうかぁ もっと面白いものをよぉ! -- デイン (2020-11-15 23:37:59)
  • ドラゴンクエストの呪文かと思った -- 名無しさん (2020-11-16 00:16:00)
  • ↑ドラクエ11の勇者の声は斎賀さんだしこのキャラ思い出した -- 名無しさん (2021-12-08 12:25:37)
  • ベクター見たときの既視感はこいつだったか。ようやくスッキリした。 -- 名無しさん (2023-04-20 04:51:00)

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*1 宿の女将、マザーブライトリーも実は影の大王の一味であり、大会優勝者は憲兵団に連れ去られ、影の王国で死ぬまで戦わされるのだ。
*2 負傷の原因を作ったのは他ならぬリーフ。オルが小さい子供に化けていたため、デインはそれを襲う悪人に見えてしまったのだ。
*3 オルはA〜Cまでランク別に作られており、その中でもAオルは個体数が少ないながらも極めて高い変身能力を持つ。そのため影の大王は、デルトラ王家の代々の首席顧問官としてAオルを潜り込ませていた。
*4 さりげなく、影の大王の無数の計画で最高の隠し玉を自称しており、快楽の光ルーミンに浸りきっているファローを腑抜けと呼んでいる。
*5 オルは体のどこかに、影の大王の紋章=シミが存在する。ナイフの先に付いていたシミの正体はこれ。
*6 アニメでは、ジャスミンに送ったペンダントが盗聴器の役目を果たしていた。
*7 正体を現した際の、斎賀みつき女史の名演技は必見である

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