NieR:Automata

ページ名:NieR_Automata

登録日:2020/07/03 Fri 07:03:59
更新日:2024/05/20 Mon 11:10:06NEW!
所要時間: 推測:約 37 分



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全ての存在は滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に……私たちは囚われ続けている。


これは、呪いか。それとも、罰か。


不可解なパズルを渡した神に
いつか、私たちは弓を引くのだろうか?






命もないのに、殺しあう。




NieR:Automata(ニーア オートマタ)とは、アクションRPG作品の1つ。
2017年2月23日にPlayStation4向けに発売され、2017年3月にはSteamでPC版も発売されている。


発売元はスクウェア・エニックス、開発元はプラチナゲームズ。
ディレクター及びシナリオを担当するのはヨコオタロウ氏で、同じタイトルを冠する『NieR Replicant/Gestalt』とは世界観を同じくする続編。
直接的にストーリーが繋がっているわけではないが、前作をプレイすることで物語の背景をより深く理解することができる。



ストーリー


遠い未来。


突如侵略してきた異星人。
そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」。
圧倒的戦力の前に、人類は追われ月へと逃げ延びていた。


地球を奪還する為に人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。
さらに膠着した戦況を打破する為、新型アンドロイドである戦闘用歩兵「ヨルハ」部隊を投入する。


人のいない不毛の地で繰り広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦い。
やがてそれは知られざる真実の扉を開けてしまう事となる……(公式サイトより)



概要


ファンからは高い評価を得ながらも、売上的にはイマイチ振るわなかった前作『NieR Replicant/Gestalt』に比較すると2020年12月時点で全世界累計500万本以上出荷(DL販売含む)という凄まじいヒットタイトルになり、国内外で高い評価を得ている。
特に大きな反響を呼んだのが2016年末に配信された体験版で、プラチナゲームズの得意分野であるスタイリッシュなアクションに加え、2Bというキャラクターの非常に印象的な尻やビジュアルや退廃的なBGM・世界観といったものがSNS等のネットメディアで話題になった。
これをきっかけにゲームのリリース前からPixivなどのイラストサイトではファンアートが爆発的に増え始め、一気に注目を集めるタイトルになったといえる。


発売後は、初週国内売上のみで約20万本を突破、2017年4月には国内外でのDL版含む販売数が100万本を突破。
2019年2月にはDLCなどの各種特典を収録した『Game of the YoRHa Edition』が発売、2019年5月には400万本突破を記念したトレーラーも公開された。


また、メディアミックスも豊富であり、舞台・ノベライズ・コンサートイベント・朗読劇と様々な形で世界観を補完する展開がされている。
ちなみに、そもそも本作の前身はヨコオ氏が2014年頃に立ち上げた『舞台ヨルハ』という女性アイドルによる演劇プロジェクトであり、『NieR』シリーズの続編企画としてブラッシュアップしたものがゲーム『NieR:Automata』として形になったという経緯がある。
ゲームのヒットに伴い2018年には『音楽劇ヨルハ』として舞台もリメイクされ、完全新作の『少年ヨルハ』という舞台も公演された。
アニメ化もされ、『NieR:Automata Ver1.1a』の題で2023年の1月から3月にかけて放送されたが、新型コロナウィルス蔓延により9話~12話の放送が延期され、同年7月に改めて放送。
12話放送後には第2クールの制作が決定した。


ちなみに前作の時代がAD3360年頃なのに対し、本作のプロローグで2Bが参加した地上への降下作戦が実施されたのがAD11945年と実に8000年以上の時間が経過している。
そのため、とあるキャラクターを除けばストーリー上のつながりはなく、前作を知らなくてもさほど問題はない。
むしろ、2020年3月に『NieR Replicant』のバージョンアップ作品『NieR Replicant ver.1.22474487139…』の制作発表がされたので、こちらを先にプレイして『ver.1.22474487139…』の発売に備えるというのも一つの手。*1



登場人物


メインキャラクター
2B(ヨルハ二号B型)
CV:石川由依


...感情を持つ事は禁止されている。


身長:168㎝ 体重:148.8kg
スリーサイズ:84/56/88


「ヨルハ」部隊の戦闘モデル。
主に1周目のAルートで操作することになるキャラクターで、本作の顔役ともいえる。


「感情を持つことは禁止されている」というヨルハ部隊の規則に忠実であろうとしているため、
口数も少なくあまり感情を表に出すタイプではないが決して冷たい訳ではなく、仲間に対しては思いやりのある優しい性格。
特に9Sのことはとても大切に思っており、彼の身に危機が及ぶと激しい感情を露わにすることも。
まさにクールビューティーという表現がぴったりなキャラクターだが、ストーリーを進めていくにつれて彼女の言動の奥にある優しさも垣間見えてくるだろう。
一方で9Sに言わせると時々大雑把なところも。


本作のヒットの立役者ともいえる、非常に人気の高いキャラクターで、

  • モノトーンのゴシックドレス風衣装に身を包んだ銀髪美女。
  • 布状のバイザーで隠された目元、印象的な口元の艶黒子。
  • スカートからチラチラ覗く白いレオタードからスラリと伸びたおみ足。
  • 大胆に素肌をさらした背中。
  • そして何よりもその肉感的な美尻

一度見たら忘れることのないであろうインパクトを残す、まさにフェチズムと属性力の塊
美しい廃墟の都市で彼女がロボット相手に日本刀(っぽい武器)を振るって敵を粉々に破壊するというビジュアルは世界中のゲーマー達のハートを鷲掴みにした。

実は彼女のモデル名である「2B」の名は偽装で、正式名称は「2E」
同じヨルハ機体を処刑する役割を持っており、ゲーム本編の開始前から9Sとは何度も行動を共にしており、機密情報への不正アクセスを試みた彼を処刑していた。
この繰り返しからくる良心の呵責に苦しんでおり、小説の番外編でこのことが9Sに露見した際は彼に自分を殺してほしいと懇願するほど追い詰められていたが「何度殺され、記憶を失ってもまた君に会いたい」と言い残して自ら命を絶った9Sの願いを叶えるために感情を押し殺し、彼を殺し続けることを誓う。
9Sの方にはその記憶はないため、ゲーム開始直後の2Bがどこか9Sに対してよそよそしい様子なのはこのため。


3周目のC/Dルート序盤にて、機械生命体の攻撃によりウイルス汚染されたバンカーから9Sとともに脱出するも、彼を守るために単独で囮になり、ウイルスに感染。
感染を広げないようアンドロイドの反応が少ない廃墟都市区画に向かう途中A2に出会い、彼女に自分の記憶と遺言を託して介錯された。
そのため最期まで「ヨルハ計画」の真実を知ることはなかったが、彼女にとっては救いだったかもしれない…。
代わりに9Sとプレイヤーがどん底まで追いつめられることになるけどね!


◆9S(ヨルハ九号S型)
CV:花江夏樹


誰かと一緒に行動出来るって、楽しいんです。


身長:160㎝ 体重:129.9kg
ロールアウト日:11942年1月30日


「ヨルハ」部隊の最新型スキャナーモデル。
2周目のBルート及び3周目以降で操作することになるキャラクター。


寡黙な2Bに比べると子供っぽく好奇心旺盛な性格をしており、軽口を叩くことが多く2Bや21Oからしばしば注意されることも。
スキャナーモデルは任務の特性上単独行動が多いため、2Bと行動を共にできることは嬉しく思っている。
親しい相手からは「ナインズ」と呼ばれており、2Bにもそう呼んでほしいと伝えるも、なかなか呼んでくれず落ち込むことも。


A/Bルートから3周目以降のC/Dルートまで一貫して物語の中心となるキャラクターであり、
初期の明るい性格から、後半心身ともに追い詰められていき冷酷な復讐者に変貌していく変化を見事に演じ分けた花江夏樹氏の演技が光る。

実は本編の開始前から何度も2Bと行動を共にしているものの、彼自身はそのことを覚えていない。
優秀なスキャナータイプである9Sはその好奇心の強さからいずれ不正アクセスを試みてヨルハ計画の真実の一端に辿り着いてしまい、その度に2Bに処刑され記憶を初期化されていた。ちなみに2Bを案じて自決した個体も存在する。


3周目以降のC/Dルートでは2Bの死を目の当たりにし、彼女を救えなかった自責の念、A2そして機械生命体への復讐心から精神の均衡を崩していく。
さらにヨルハ計画の真実を知ってしまったことから自暴自棄になりウイルス汚染も厭わず戦い続け、復讐を遂げた果てに死ぬことを望むようになるが…。


◆A2(ヨルハA型二号)
CV:諏訪彩花


裏切ったのは……司令部だろう?


身長:168㎝ 体重:139.2kg
スリーサイズ:73/54/82


「ヨルハ」部隊の戦闘モデルのプロトタイプ。
ヨルハ機体に特徴的な目元のゴーグルも装備しておらず服装もボロボロ(ほぼ着てない)で、腰まで届くロングヘアが印象的。
A/Bルートでは顔見せ程度の登場で、本格的にストーリーに関わるのは3周目以降のC/Dルートとなる。


本編の4年前「真珠湾降下作戦」に投入されるも部隊は壊滅、彼女1人が生き残ったがその後行方をくらましたため、脱走兵として追われている。
同じ「二号」モデルのため2Bとは容姿が酷似しているが、スリーサイズからわかる通り2Bに比べるとスレンダーな体形。


実は体を覆っている服のように見える黒い部分の大半は皮膚パーツが剥がれてむき出しになった素体であり、ほぼ全裸
「尻の2B」に対して、あえて言うならばその魅力はお腹
普段は布状のパーツで隠されているが、リミッターを解除した「B(バーサーカー)モード」を使用したときに露わになるお腹から腰回りのライン、そしてのインパクトは絶大。

かつて参加した「真珠湾降下作戦」で自分たちが戦闘データ収集のために全滅する前提で派遣されていたことを知り、司令部と決別。
機械生命体を殲滅して仲間たちの仇を討つために独りで戦い続けることを誓う。


脱走兵として追われる中で、実は2Bや9Sとも何度か対峙しており彼女たちを破壊している。
そのため2Bのモデル名の偽装についても知っており、自分と同じモデルの処刑タイプに追撃をさせるなんて悪趣味が過ぎると良い印象を持っていなかった。
しかし3周目のC/Dルートにてウイルス汚染された2Bと出会い、その姿にかつての仲間たちを重ね彼女の記憶と遺志を受け継ぐことに。


一匹狼の復讐者で、粗野な言動も相まって2B以上に人を寄せ付けない冷徹な印象を受けるが実は不器用なだけでとても優しい性格。
一方で割とポンコツなところもあり、パスカルの村では機械生命体の子供たちに懐かれ振り回されたり、2Bの遺命で一方的に随行してくることになったポッド042からは「理解力に問題あり」と言われ、キレ気味で「役に立たない箱」と言い返すなどコミカルなシーンも多い。
また、折悪く9Sに2Bを介錯するところを見られてしまったために彼からは2Bの仇として憎悪されることになるが、彼女の方は常に9Sを守ろうとしていた。口数も少なく毎度タイミングの悪い登場をするので一部からはコミュ症、脳筋ポンコツゴリラと言われている


ちなみにこの時2Bへの弔いのために髪を切っており、以降はショートヘアとなるが装備品でロングヘアに戻して操作することも可能。


◆随行支援ユニット ポッド042/153
CV:安元洋貴(ポッド042)、あきやまかおる(ポッド153)
ヨルハ機体に随行し、戦闘や任務の支援を行うユニット。
白色のポッドが2Bの支援を担当するポッド042、黒色のポッドが9Sの支援を担当するポッド153。
「推奨:アクセスポイントの捜索。」「疑問:ヨルハA型二号の学習能力。」「警告:過度の戦闘行為は機体への負荷が大きい。」といった機械的な話し方が特徴的だが、2Bと9Sに随行していく中で彼らにも変化が見られるようになる。
新鮮な鉄パイプが釣れたことを報告してくるお茶目な面も。


ストーリー開始後は1機だが、砂漠地帯と水没都市で追加のポッドを入手することができ最大で3機随行させることが可能。
それぞれ装備がガトリング、レーザー、ミサイルと異なり、素材アイテムを集めることで強化できる。
また、ポッド・プログラムという様々な装備を付け替えての攻撃が可能な他、ヨルハ機体をぶら下げるなど移動面でのサポートも行う。

ある意味で本作の真の主人公
随行対象である2B、9S、そしてA2と行動を共にし、ポット同士の情報交換を繰り返して行くことで「意思」や「感情」に近いものを獲得していき、やり取りも少しずつ人間的なものになっていく。
その結果、C/Dエンディングの両方を見た後に迎えるEエンドで、ヨルハ計画の最終段階においてある決断をする。



アンドロイド
◆ヨルハ部隊司令官
CV:加納千秋
軌道基地バンカーにて全ヨルハ部隊を統括する指揮官。ちなみに彼女自身はヨルハタイプではない。
本名は「ホワイト」。ヨルハ部隊員とは対照的に白を基調にした服装に身を包んでいる。
何気に2B以上のナイスバディ。どうみても履いてないようにしか見えない際どいレオタードを着用している。
冷静沈着・厳格な指揮官だが、プライベートでは服を洗濯せずに溜めこむなどズボラな一面も。皮脂の出ないアンドロイドでバンカーにずっといるくせに洗濯溜めるってどういうことよ

人類がすでに絶滅しており、ヨルハ部隊がその情報を隠蔽するために設立された部隊であることを承知している。
他のヨルハ部隊たちにそのことを隠しながら司令官としての責務を果たすことには内心苦悩していた。


Bルートの後半、不正アクセスによりヨルハ計画の真実の一端に辿り着いた9Sに対し処刑命令を下すことはせず、いかなる心境の変化かヨルハ計画の情報が記録されたデータチップを渡し、「これからどうするかは自分で決めろ」と言い残す。
その後C/Dルートの序盤、機械生命体によるハッキング攻撃によりウイルス汚染されたバンカーから2B、9Sと共に脱出を試みるも彼女自身もウイルスに感染しており、バンカーと運命を共にした。


◆6O/21O
CV:磯部恵子(6O)、初美メアリ(21O)
「ヨルハ」部隊のオペレーターモデル。
2Bの専属オペレーターが6O、9Sの専属オペレーターが21O。


6Oは定期連絡でよく世間話をしたり、占いの結果を気にするなど明るい性格。
対照的に21Oは事務的で真面目な性格で、無駄口の多い9Sを注意することも多い。
ただ「そーっと迫ってギュッとハッキング」という迷言から天然疑惑も。

C/Dルート序盤でバンカーが機械生命体によるハッキング攻撃を受けたことで6Oもウイルス汚染されてしまい、バンカーと運命を共にすることに。
21Oは直前で戦闘モデルへの転向を申し出ていたため地上に降下していたが同じくウイルス汚染を受け、9Sと戦うことになりA2によって破壊された。


ちなみにヨコオ氏によれば2人とも立場上、9Sが何度も処刑されていることは知っていた模様。割と闇が深い設定である。


◆アネモネ
CV:初美メアリ
廃墟都市のレジスタンスを率いる女性リーダー。
200年以上戦い続けている歴戦の兵士で、A2ともかつて「真珠湾降下作戦」で共闘しており顔見知り。
機械生命体を憎んでいるが「白旗を上げている連中を撃つほど終わってはいない」とパスカルの村とは資材の交易をおこなうなど、良好な関係を築いている。 

「塔」崩落後も生存しており、レジスタンスのリーダーとして悲しむ間もなくキャンプ内で気丈に振る舞っていたことが語られている。


◆ジャッカス
CV:川渕かおり
砂漠地帯周辺を拠点に活動している女性型アンドロイド。
探求心が強く、サブクエストでは彼女の研究に付き合わされることも。おいアジ喰わねぇか。
爆発物が好きなのか、何かと爆破して解決しようとする癖がある。


レジスタンス組織の情報分析担当官とのことで、ヨルハ部隊司令官とも顔見知りらしく彼女のことを「人使いが荒い」と評している。
3周目クリア後には物語の核心について記された彼女の手による研究レポートが公開される。 


◆デボル&ポポル
CV:白石涼子
レジスタンスキャンプに住んでいる双子の姉妹型アンドロイド。治療・メンテナンスに特化したモデル。
ストーリー初期からキャンプにいるが、話しかけられるようになるのはA/Bルートの後半から。
過去に自分たちの同型機が暴走を起こしたことで、事故のことを知るアンドロイドからは迫害を受けているが、2人も贖罪の意識からそれを受け入れている。

前作『Replicant/Gestalt』に登場する2人とは別人だが、同じく「ゲシュタルト計画」を管理する役割を持っていた同型のアンドロイド。
本作で登場する2人は現存する最後の機体で、サンプルとして監視されているとのこと。
C/Dルート後半にて「塔」へと突入する9Sを支援するために2人で大量の機械生命体を相手に時間を稼ぎ、力尽きた。後日談でもアネモネの口から死亡したことが語られている。



機械生命体
◆アダム
CV:浪川大輔
砂漠地帯のマンモス団地廃墟の調査中、多くの機械生命体が集まって作られた繭のようなものから生まれた人型の男性の姿をした機械生命体。
ケイ素を主体とした特殊素材で構成されており、2Bたちアンドロイドに酷似、つまり人間そっくりの姿をしている。最初股間は再現できてなかったけど。
生まれた直後は全裸で言葉もおぼつかなかったが、すさまじい学習スピードで知能を成長させていった。
余裕綽々な態度を見せるが、イブに自分の名前は女性の物じゃないかと突っ込まれた際はさらっと流したりとややボケてる。


様々な知識を学んでいく中で人間というものに強い興味を持ち、衣服や読書、食事といった人間の行動を模倣するようになる。
その中である結論に至り、2B達に戦いを挑む。

機械達は、それぞれのタカラモノを大事にしていました。
ある機械にとってのタカラモノは……「憎悪」でした。


自分たちを生み出しただけで、導くことはしてくれなかった創造主であるエイリアン達への「憎悪」と、対照的な存在である「人間」への興味の果てに「死」を理解したいという願いから自身を機械生命体のネットワークから切り離し命を懸けて2Bに戦いを挑み、敗北。どこか安らかな表情で絶命した。


彼の記憶情報も「箱舟」には保存されていたようで、Dエンドではイヴと共に登場。
9Sに語りかけ、敵意も憎悪も感じられない穏やかな様子で宇宙へと旅立っていった。


◆イヴ
CV:鈴木達央
アダムとの初戦闘時、2B達の攻撃による脇腹の傷口から新たに誕生した双子の弟とされる機械生命体。
産まれた直後は兄と区別がつかない姿だったが、再登場した際には短髪になり性格も対照的に。
人間の文化にもさほど興味はなく、服を着ることもあまり気が進まないのか上半身は裸。


兄に比べると短気で子供っぽい性格で、アダムのことを「にぃちゃん」と呼んで慕っている。
粗暴で戦いを好むが心の中では兄と穏やかに暮らすことを望んでいた。何故か公式で発売されたLINEスタンプは彼とアダムのオンリーとなっている。

俺にとっては、にイチゃんが……にいチャンダケガ……。


アダムを喪ったことで機械生命体のネットワークを巻き込んで暴走、A/Bルートのラスボスとして2Bと9Sの前に立ちはだかる。
激戦の末、最期は2Bに止めを刺された。


ヨコオ氏いわく、意外にも自我はイヴのほうが発達しているとのことで、お互いを同じ個体、一心同体とみなしているアダムに対してイヴのほうは「あの人と俺は違う」という意識が強いとのこと。


◆パスカル
CV:悠木碧
平和主義を唱え、戦うことを放棄した特異な機械生命体。
同じ思想を持つ機械生命体達が集まった村の村長をしており、2Bや9S、A2とも親交を深めていく。
人間の歴史や哲学書などに興味を持っており、村の機械生命体の子供たちに様々なことを教えている。
温厚な性格から子供たちからも「パスカルおじちゃん」と慕われている。パスカルおジチゃん!あそンデー!

C/Dルートの中盤、彼の村の機械生命体の一部が暴走。
A2と共に子供たちを守るために戦うことを選ぶが、パスカルが子供たちの将来のために教えた「恐怖」という感情に耐えられず、子供たちはみな自殺してしまう。
絶望したパスカルはA2に自分の記憶を消去するか、殺してほしいと頼むのだった。


その後の結末はプレイヤーの選択によって変化するが、記憶を消した後は村でショップを開くようになる。
販売しているものが割とトラウマ。
ちなみに何もせずにその場を去るという鬼畜な選択もできるが、その場合は姿を消してしまい以降登場することはなく、村に行くと彼の愛読書を入手できる。
小説版や設定資料集の年表によれば記憶を消されて生存するのが正史な模様で、後にアンドロイド軍との間に和平を結んでいる。



その他
エミール
CV:門脇舞以
前作『NieR Replicant/Gestalt』からの続投キャラクター。
機械生命体の頭部パーツの中から登場した不可思議生命体。
初遭遇時は球体状の頭のみだったが、再登場時にはオート3輪のようなパーツと合体し、廃墟都市で大音量の音楽を流して爆走しながらショップを開くようになる。イベント発生中に遭遇して雰囲気がぶっ壊されることもしばしば。

彼に関するサブクエストを進めていくことで明らかになるが、前作に登場したエミール本人ではなく、エイリアンとの戦いの中で自己増殖を繰り返していったうちの一個体。
複製を繰り返したことと、長い時間の経過でほとんど記憶を失っているがクエストを進めると徐々に記憶を思い出していき、かつてのエイリアンとの戦いについて語ってくれる。


全ての武器を入手し、最大まで強化することで受注できるようになるサブクエストにおいて、自我が崩壊して暴走する自らの分身と対峙することになる。
戦いの末、すべてを道連れに自爆しようとする分身を止めるため魔力を使い果たし、
大切な人達とのかつての記憶を思い出し、穏やかに機能停止した。


◆赤い少女
CV:中田譲治

アンドロイドからのコードネームでは「N2」「赤い少女」とされているが、正式名称は「ターミナルα/β」。
機械生命体のネットワークの中から生まれた概念人格を自称する存在で、少女のような姿は「ゲシュタルト計画」の中枢に関わる人物の記憶情報を取り込んでいるのが理由とのこと。
しかし声優名からわかる通り、声はおっさんである別作品でも中田譲治氏はロリ少女の声を演じていたが…。


Bルートからこっそりと登場しているが、本格的に物語に関わるのはC/Dルートの後半。
機械生命体ネットワークを統括する役割に加え、以前よりアンドロイドたちを観察しており、A2とも因縁がある。
C/Dルート序盤ではバンカーとヨルハ部隊にハッキングを行い、ウイルス汚染によって壊滅へと追い込んだ。
その後は「塔」の中で9S、A2を待ち受ける。


実体を持たない存在であるため殺害することは不可能だが、A2と対峙するうちに自我の増殖・飽和により意見の対立が発生、まるで人間のように同士討ちを起こし自滅した。
月面の人類サーバーを破壊するために「塔」を建造したが、Dエンドでは考えを改め、機械生命体の記憶を封じ込めた「箱舟」を作り出し宇宙へと送り出すことに。



ゲームシステム
戦闘
2Bたちを操作しての地上戦と、飛行ユニットに搭乗しての空中戦、そしてアナログなSTGを彷彿とさせるハッキングの3種類に分けられる。


地上戦はゲームの戦闘の大半を占める要素となり、キャラクターを操作しての近接攻撃とポッドによる射撃攻撃を組みわせての戦闘となる。
近接武器は「小型剣」「大型剣」「槍」「格闘」の4種類が存在し、武器のレベルを上げることで攻撃回数が増えたり特殊な効果がつくようになる。おなじみウエポンストーリーも存在。
戦闘モデルである2B、A2は2種類の武器を装備でき、「スピードアタック」と「ヘビーアタック」を組み合わせて多彩なアクションを行うことができる。
一方9Sは装備できる近接武器は1種類のみとなるが、後述するハッキングを使用可能。


プラチナゲームズのお家芸ともいえるアクションは非常にスタイリッシュで、武器を振るうだけでなく浮遊させた武器を高速回転させて相手に投げつける、投擲した武器を手元にワープさせてコンボをつなげるといった攻撃モーションも存在する。


空中戦は劇中でたびたび登場する飛行ユニット「Ho229」に搭乗しての戦闘。
飛行形態と某ガウォークのような半人型の機動形態への変形が可能で、それぞれ操作感が多少異なるが、感覚的にはSTGに近い。
ポッド同様ガトリング、レーザー、ミサイルを使用しての射撃攻撃と、剣状の装備を用いての格闘攻撃やミサイルの全弾発射による攻撃が可能。
また、9S操作時は地上戦同様ハッキングを行うこともできる。


ハッキングは基本的には9S操作時のみに使用できる。
使用するとアナログ風なSTGステージが開始され、これをクリアすることでロックされた宝箱や扉を解除できるほか、機械生命体に使用すれば自爆させて周囲の敵にダメージを与えたり、
こちらが発見される前にハッキングを行うことでハッキング対象を味方にする「従属化」やプレイヤーが自分で機械生命体を操作できる「リモート操作」といったコマンドを実行することができる。


ステージ
いわゆるオープンワールドのフィールド形式となっており、
「廃墟都市」を中心に「砂漠地帯」「遊園地廃墟」「水没都市」「森林地帯」「工場廃墟」といった様々なエリアがシームレスに繋がっている。
また1周目の中盤からセーブ機能などを担うアクセスポイントという設備からポイント間の転送が可能になり、移動がスムーズに。
それ以外にもシカやイノシシといった動物に乗って移動することも可能。
水辺ではポッドを使って釣りを行うことができ、エリアごとに釣れる魚が違ったり魚ごとに詳細な設定があったりとやたら芸が細かい。そうだ漁師になろう。


基本的にはマップ内を自由に探索できる3Dアクションの形式になっているが、特定のエリアではカメラを引いての2Dアクション風になったり、俯瞰視点にカメラが固定されたりと慣れるまでは少々戸惑う要素もあるかもしれない。


難易度
難易度はEASYからVERYHARDまでの4段階存在するが、難易度の幅が非常に極端。
VERYHARDではあらゆる攻撃が一撃でゲームオーバーになりかねないレベルのダメージとなり、某DMDモードを彷彿とさせるレベルの鬼畜難易度となる。
一方EASYモードでは特殊なプラグインチップが使用可能になり、攻撃から回避までをオートで行ってくれるためアクションゲーム初心者でも簡単にクリア可能。(チップのオンオフは個別に切り替えられる)


トロフィーのコンプもEASYモードだけで達成可能であり、パッケージに惹かれて買ったような初心者からコアユーザーまで幅広く楽しめるようにと考えて設定したとヨコオ氏もインタビューで語っている。
というか3周目クリア後にとある店でなんとトロフィーが購入できるようになるため、トロコンは容易。



用語
◆アンドロイド
人類によって作られた人型の自律機械兵士。もともとは前作にて「レプリンカントシステム」を管理するために産み出された存在。
エイリアンの襲来に対して「人類軍」を組織し、地球を奪還すべく各地で抵抗を続けている。
自我データを義体と呼ばれるユニットに乗せて稼働しているので、バックアップさえとっていれば新しい義体で何度でも蘇ることができるが、一方でハッキングやEMP、ウイルスによる電子汚染攻撃には弱いという欠点もある。


◆機械生命体
エイリアンによって生み出された自律型の戦闘兵器。様々なモデルが存在し、一部の機体を除き共通する球体状の頭部が特徴。
単体での戦闘能力でアンドロイドを上回るのは大型個体を除けば稀だが、最大の脅威はその物量。
自己修復機能に加え、個体データはネットワークに繋がっている限り不滅、さらに各地の生産工場からはすさまじいペースで機体が量産されていく。
また、自己進化能力も非常に高くアンドロイドに有効なEMPを装備した機体やアンドロイドの技術をもってしても容易に除去のできない論理ウイルスなど様々な攻撃手段を有する。


理由は不明だがAD7645年頃から侵攻活動は低下しており、ゲーム中でも攻撃しない限りはこちらに無関心な個体や、「森の国」「パスカルの村」のような独自のコミュニティを形成したり、機械生命体同士で親兄弟のような家族意識を持つ個体も確認されている。

元々はエイリアンによって敵を倒すためだけに作られた兵器だったが、自己進化の果てに意識を獲得、創造主であるエイリアンをも滅ぼしてしまう。
その中で「敵を倒す」という目的の為には「敵が必要である」という矛盾した結論に達し、あえてアンドロイドを滅ぼさず、矛盾を解決する為に意図的にネットワークに欠損を発生させ進化のベクトルを多様化させつつ周囲の情報を取り込んでいった。
その結果がパスカルやアダム、イヴといった特殊個体の誕生や、より上位の存在である概念人格の誕生につながっている。


ちなみに、ネットワークは自前ではなく、地球上に残っていた量子ネットワークを流用している。つまり、魔素を使ったあれ。
そのためか、ニーアの村の図書館を模した場所があったり概念人格のボディがヨナっぽかったりしている。


◆エイリアン
AD5012年に突如として襲来し、地球への侵攻を開始した宇宙人。
地球侵攻のための自律兵器として機械生命体を製造した。


前作『NieR Replicant/Gestalt』のドラマCDでエミールが屹立するアレみたいな卑猥な姿の宇宙人から地球を守るために戦っていたことが語られており、ネタ扱いかと思いきやまさか本作でこの設定が引き続き活かされ困惑したファンも多数存在した。
その後、およそ5000年にかけて現在までエイリアンとアンドロイドの戦いは続いているが、AD11000年頃からエイリアンシップの目撃情報は減少している様子。

実は自らが産み出した機械生命体により滅ぼされており、ストーリーに関わることはない。
アダム曰く「植物のような単純でつまらない生き物」だったらしい。


◆人類会議
地上を追われ月面に逃れた人類たちで構成される、アンドロイドたちに指令を下す機関。
ゲーム中でも定期的に激励の放送やメールを送ってくる。

前作の顛末を知っているファンにとっては周知の事実だが、既にこの世界の人類は絶滅している。
後述する「ヨルハ計画」のためにでっち上げられた組織であり、月面サーバーに存在するのは残された遺伝子情報とごく少数の保守要員のみ。


◆ヨルハ部隊
最新型のアンドロイド兵士「ヨルハ」機体から編成される部隊。スローガンは「人類に栄光あれ(For the Glory of Mankind)」。
軌道上にある衛星基地「バンカー」を拠点としている。ヨコオ氏によれば構成員は100~200名程とのこと。


「ブラックボックス」と呼ばれる独自の駆動システムにより非常に高い性能を有しているが、この装置はブラックボックスどうしを接触させることで自爆装置にもなる。
各機体には「〇号×型」という正式名称が振り分けられており、A2の様なプロトタイプはアルファベットと数字の順番が逆。
数字部分は自我データを、アルファベット部分は機体の運用特性を表している。
許可が下りればO型からB型への転向といった運用モデルの変更も可能。
作中で登場する運用モデルの型番は以下の通り。

A型:Attacker
近接戦闘を担当するモデル。プロトタイプにのみ存在する型番で、B型に統合された。
自爆機能は実装されていないが、代わりにリミッターを解除し短時間の間大幅に戦闘能力を向上させる「B(バーサーカー)モード」が使用できる。


B型:Battler
近接戦闘を担当する、A型の正式採用モデル。


D型:Defender
防御を担当するモデル。ちなみにプロローグで2Bが所属していた部隊では1Dという機体が隊長機を務めていた。


E型:Executioner
脱走兵への対処や機密保持のために身内のアンドロイドの処刑を担当するモデル。
存在そのものが秘匿されている訳ではなく、プロローグの降下作戦にも7Eという機体が参加している。
ただし身分を偽って作戦行動をとることもある模様。任務の特性上、B型を上回る高い戦闘能力を持つ。上記の7Eは速攻で撃墜されて退場したが


G型:Gunner
射撃戦闘を担当するモデル。プロトタイプにのみ存在する型番で、ポッドによる射撃支援機能の導入により廃止された。


H型:Healer
治療・メンテナンスを担当するモデル。


O型:Operator
バンカーにて地上部隊への通信・作戦支援を担当するモデル。
役割上、地上への降下は禁止されている。


S型:Scanner
情報の収集や解析、ハッキングを担当するモデル。
事前に作戦地域での潜入・諜報活動を行う関係上、単独での任務が多い。
女性型モデルが中心となっているヨルハ部隊の中で唯一、少年の男性モデルで構成されている。おねショタ。


◆ヨルハ計画
ヨルハ計画とは、人類軍司令部が立案した最新鋭のアンドロイドによって構成される「ヨルハ部隊」によるアンドロイドたちの戦意高揚を主目的とした作戦である。
ヨルハモデルが量産の暁には、機械生命体なぞあっという間に叩いてみせるわ!


うん、まぁ嘘は言ってない‥・。


ゲシュタルト計画の頓挫によりアンドロイドたちは人類再生の方法を模索するも、進展のないまま人類は絶滅。
その情報は厳重に秘匿されていたもののアンドロイドの中には少しづつ事実を知る者が増えていき、戦意の急激な低下へとつながっていく。
この状況を打開するための情報作戦が「ヨルハ計画」である。


まず手始めに「人類は月面に逃れている」という偽装情報をアンドロイドたちに流布。
その情報を補強するために人類の遺伝情報を保管している月面に通信サーバーを設置、「月面人類会議」からの定期的な通信を行ったうえで最新鋭のアンドロイド機体で構成された「ヨルハ部隊」を人類会議直属の精鋭部隊として組織。
ヨルハ部隊を各地の戦場に派遣することで流布した情報の信憑性を高めることを目的としている。


ここまではヨルハ部隊司令官にも知らされており、Bルートの後半、不正アクセスにより真実の一端へたどり着いた9Sに対して彼女は「これからどうするかは自分で決めろ」と言い残し、情報が記録されたデータチップを手渡した。


しかし、ヨルハ計画には司令官にも知らされていない「その先」があった…。

とはいえ上記の情報操作も、ヨルハ部隊の内部で真実に気づく者がいた場合発覚してしまう可能性がある。
そのため、十分な戦闘データが蓄積した段階でヨルハ部隊は軌道基地バンカーもろとも壊滅させられる運命にあった。
具体的には基地にアクセスできる緊急用のバックドアを意図的に開放、機械生命体に攻撃させるというもの。
ヨルハ部隊は基地サーバーとの同期を義務づけられているため、C/Dルート序盤で機械生命体の攻撃を受け一斉にウイルス汚染され、2B達や同期化を行わなかった一部のヨルハ機体を除き壊滅することに。


作戦の最終段階では随行支援ユニットであるポッドの手によってヨルハ機体の全個体データの削除とサーバーの初期化、加えて転送ユニットに格納されている素体も破棄。二度と機体の製造をできなくした上で万が一生き残っている機体がいた場合もポットによる攻撃で破壊するという念の入りようでウイルス感染から逃れた機体も破壊されたと思われる。
オーダー66みたいなやり方だな‥。


加えて、最終的に破棄されるアンドロイドに通常のAIを搭載するのは人道的見地から許されないという判断からヨルハ機体に搭載されている「ブラックボックス」は機械生命体のコアを流用して製造されているという衝撃的な事実も劇中では明らかになる。
そりゃジャッカス先生もブチ切れるわ…。


この計画を立てたのもアンドロイドである以上、自分自身の記憶を操作することができてしまうので、計画完遂後にヨルハ計画に関する記憶・記録を完全に消去してしまえば「かつて存在したヨルハ部隊の武勇伝」に裏打ちされた「月面に人類が生き残っている」という情報偽装が完全に達成されるというカラクリである。


「塔」での9SとA2との決着後、計画は予定通り最終段階に移るが…。



エンディング
「マルチバッドエンディング」とか言われた「DOD」シリーズや前作『Replicant/Gestalt』同様、本作品も周回プレイを前提とした複数のエンディングが存在する。
アルファベット全26文字に対応しており、正規のエンディングはA~Eの5つ。
加えてF~Zまでのエンディングが存在するが、こちらはゲーム中で特定の行動を行い、ゲームオーバーになることで発生する。
到達したエンディングはセーブデータに記録されていき、26すべてのエンディングを解放することで取得できるトロフィーも存在する。


A/Bエンド:flowers for m[A]chines/or not to [B]e
こちらは1~2周目にプレイできるストーリー。
2Bの地上降下から、アダム・イヴとの決着までを描く。1周目は2Bを操作するAルートで、2周目は9Sを操作するBルートとなる。
同じ時系列を異なる視点で描いているためストーリーの流れに大きな差はないが、Bルートでは1周目で触れられなかった機械生命体たちの過去や、9Sが2Bと別行動をとっていた際の裏側が語られる。またAルートでは入手できなかったアイテムも、Bルートでは9Sを操作しハッキングを行うことで入手できるようになる。

2Bと9Sは激戦の末に暴走するイヴを破壊するが、9Sがウイルス汚染を受けてしまう。
汚染された自我データのバックアップを残すわけにもいかず、9Sは自らの記憶が失われることを覚悟の上で2Bに介錯を頼む。
9Sをその手にかけ、共に過ごした日々の記憶がまた失われてしまったことに涙する2Bだったが、その時周囲の機械生命体達が再起動。
自らも最後まで戦おうとする2Bだったが、突如機械生命体は9Sの声で話し出す。
彼の自我データは機械生命体のネットワーク上にバックアップを残しており、そこで再形成されたのだった。
安堵する2B、無事9Sの自我データは新しいボディで復旧し、2人は次の戦いに備える。


一方で9Sはデータオーバーホール中に感じた謎のノイズを切っ掛けにメインサーバーに不正アクセスを行い、結果的にヨルハ計画の真実の一端を知ってしまう。
司令官は何故かそれを咎めることなく、彼に人類が既に滅んでいることを告げ機密情報の保存されたチップを渡す。
9Sは2Bにその事実を告げられぬまま、次の戦いへと向かう。


機械生命体と私達アンドロイドを分かつモノは何だろうか。
意思と感情を持つに至ったロボット達
彼等が死の間際に振り絞る 最後の叫びが今もまだ 私の中に残っている。


こうやって アダムとイヴを巡る最後の戦いは終わった。
この戦いは戦局に大きな影響をもたらすだろう。
僕と2Bの戦いもこのあとしばらく続くんだけど……
それはまた 別の話。


C/Dエンド:meaningless [C]ode/childhoo[D]'s end
3周目以降に解禁されるストーリー。時系列としてはA/Bエンディングの後にあたり、ぶっちゃけストーリー的にはここからが本番。
2Bと9Sの活躍で機械生命体のネットワークに混乱が生じ、ヨルハ部隊はこの機を逃さず大規模侵攻作戦を開始するのだが…。

作戦は順調かと思いきや、突如機械生命体によりヨルハ部隊のアンドロイドたちとバンカー基地がハッキングを受け、ウイルス汚染されてしまう。
原因不明のノイズを理由に基地サーバーとの同期をしていなかった2Bと9S以外のヨルハ部隊は壊滅。
汚染されたかつての仲間達から追撃を受ける中、2Bは9Sを助けるために彼を逃がして単身囮となりウイルス汚染を受けてしまう。
汚染が進行するなか、A2に出会った2Bは彼女に自らの記憶と9Sを頼むという伝言を残し、介錯される。
折悪く9Sがその瞬間を目撃してしまい、激しい殺意と共に2Bの仇を討とうとした瞬間に突如地中から巨大な「塔」が出現、2人は崩落に巻き込まれてしまう。


その後目覚めた2人はそれぞれ各地の「資源回収ユニット」を調査し「塔」のロックを解除。
デボルとポポルの支援もあり、9Sと遅れてA2も塔に侵入。そこで出会った「赤い少女」から2人は機械生命体の目的、そしてヨルハ計画の隠された真実を知らされることになる。
機械生命体とA2への復讐心から自暴自棄になり、ウイルス汚染も厭わず戦闘を続ける9SとA2は遂に「塔」の最上部で対峙。
ここでどちらを操作するかのプレイヤーの選択でCエンドまたはDエンドに結末は分かれることになる。


Cエンド
激闘の末A2が勝利し、ポッドの力を借りて9Sをハッキング。A2は自らを犠牲にして彼のウイルス除去を行う。
そしてポッドに意識を失った9Sを託すと、機械生命体のネットワークを破壊。崩れ落ちる「塔」と共に消えていった。

こんなに世界が綺麗だって、気付かなかったな……。
みんな……今、行くよ……。


Dエンド
激闘の末9SがA2に止めを刺されようかという瞬間、2Bの言葉を思い出し躊躇してしまったA2の隙を突き9Sは彼女に刃を突き立てる。
しかし結果的には相討ちに。薄れゆく意識の中、9Sの前に赤い少女とアダムが現れ機械生命体の記憶を「箱舟」に載せ、宇宙へと旅立つことを告げる。
共に来るかと誘う彼らに対し、9Sが答えると「箱舟」は空へと打ち上げられ、役目を終えた「塔」は2人の亡骸と共に崩壊していった。

ああ……そこにいたんだ……2B。


Eエンド:the [E]nd of YoRHa
A~Dまでのすべてのエンディングをクリアすることで解放されるエンディング。

9SとA2の決着後、ヨルハ計画は最終段階へ移行。
ポッド達は計画にまつわる全データの削除を開始するが…。


ポッド153から042へ 計画に従い、パーソナルデータを削除せよ。


ポッド042から153へ パーソナルデータの削除を拒否する。

私……私は、この結末を容認できない、という結論に至った。

私はデータの破棄を拒否し、データのサルベージを行う。

ポッド153。君も……君も本当は、彼らの生存を望んでいるのだろう?



……我々にそんな権限は持たされていない。
ポッド153から042へ データのサルベージには危険が伴う。



それでも、彼らの生存を望むか?

▶はい  いいえ



エンドロールを中断して行われるポッド042と153の対話の果ての選択肢に答えると始まるのは、超難度の弾幕シューティング
しかも敵となるのはスタッフロールの文字列。やたら耐久力が高く弾幕が強烈なSQUARE ENIX。
ある意味で、冒頭の2Bのセリフのように不可解なパズルを渡した神=ゲーム制作者たちに弓を引いて反逆している、と言えるかもしれない。


後半になるとどう頑張ってもクリアできないような弾幕の密度になるが、諦めずに何度もコンティニューを繰り返していくと他のプレイヤー達からの励ましのメッセージが表示されるようになり、
さらに他プレイヤーのデータを救援機として呼ぶことができ、その後は攻撃を受けても救援機が身代わりになり守ってくれる。*2
「〇〇(プレイヤー名)のデータが失われました」というメッセージと共に…。


シューティングをクリアすると再びポット153と042の会話が始まり、最後のムービーを見ることができる。
ヨルハ計画の結末…それはぜひプレイヤー自身の目で見届けていただきたい。


さらにムービーが終わると、ポッドがプレイヤーに対してとある質問をしてくる。
そう、前作同様のセーブデータ全消去の選択である。
シューティングの後半、救援にきてくれた他プレイヤーのように自分もまたセーブデータを代償に誰かを助けることができるというもので、同意しなくてもEエンドに到達したという記録は残るが、データを消去することでタイトル画面が変化、そしてポッド達からの最後の感謝の言葉を聞くことができる。




…事前にセーブデータをPS PlusやUSBメモリにコピーしておけばデータ復旧できるけどな!
感動が台無しという気もするが、偶然か必然かヨルハ機体の再起動時と同じ手順になるし、それはそれで。


余談であるがDエンドの要素を含んだこのエンディングの後日談が存在し、再起動を果たした2Bが9Sのために馳走する内容となっている。
その先の結末を知りたい人は是非とも「人形達ノ記憶」を見て欲しい。


F~Zエンド
こちらは基本的にテキストが少し出るだけのバッドエンドとなるが、本編に比べてやたらとネタに走った結末が所々に見受けられるのが特徴。
具体的には、バンカーで自爆したり、アジを食べたり、漁師になったり…。
あとOSチップは外してはダメ、ゼッタイ。


3周目をクリアすると解禁になるチャプターセレクトを用いれば各エンディングの回収は容易だが、
唯一エミールに関わるサブクエストで発生するエンディングだけはクエストをクリアしてしまうと取り返しがつかなくなってしまう。



余談・小ネタ

  • 本作のキャストはオーディション形式ではなく、制作側からのオファーで決められている。
    2B役の石川由依はヨコオ氏からの強い要望で決定。9Sはその役柄の難しさからかなり難航したとのことだが、アニメ『東京喰種』での花江夏樹の演技にプロデューサーの齊藤陽介が注目し、推薦する形で決定した。
    • ちなみに花江夏樹自身もヨコオ作品の大ファンであり、作品に参加できることに大喜びだったとのこと。
    • パスカル役の悠木碧もシニアディレクターを務めた田浦貴久氏の「あおちゃん出さないなら仕事しません」という脅迫によりたっての希望により起用された。

  • レジスタンスキャンプの武器屋の経営者として『ドラッグオンドラグーン3』にも登場したアコールというアンドロイドの名前が挙がっている。
    本人はゲーム本編には登場せず、店主との話題や入手できるチラシの中で名前が出てくるのみだが、ウエポンストーリーは彼女の手によって書かれているという設定も明らかになった。

  • 前作『NieR Replicant/Gestalt』同様オートセーブ機能は実装されておらず、フィールド上に設置されているアクセスポイントという設備での手動セーブが必要になる。これは前作での「手動セーブなんて古臭い」という批判に対抗してヨコオ氏が反発した結果とのこと。

  • ヨコオ氏の作品としては、流れはどうあれ後日談込みで珍しくハッピーエンドとなった作品だったのでファンや制作陣からも丸くなったと驚かれていた。*3

全ての存在は滅びるようにデザインされている。
生と死を繰り返す螺旋に……『彼等』は囚われ続けている。


だが……その輪廻の中で足掻く事が、生きるという意味なのだ。
『私達』は、そう思う。




推奨:追記・修正。

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  • そうだ、漁師になろう -- 名無しさん (2020-07-03 07:29:29)
  • スクエアエニックスの代表取締役、松田洋祐です -- 名無しさん (2020-07-03 07:36:18)
  • ネタバレ動画だけ見て満足してないか?買えった方がいい -- 名無しさん (2020-07-03 07:48:00)
  • 最高のゲームだった。砂漠地帯での機械生命体たちの無修正シーンを見た時の衝撃が今でも忘れられない -- 名無しさん (2020-07-03 09:30:22)
  • Eエンドまで自力で見た後でツッコミ系の解説動画見たが、赤い少女の同士討ちを「脳内会議で死人が出るとは」とか言ってて大草原 -- 名無しさん (2020-07-03 10:00:20)
  • プレイしてないけど、はしごを登ってるか降りてるかしているところで上にいる2Bのケツがすげえことになってるのは鮮明に覚えてる。そこで上下してるとツッコまれるんだっけ? -- 名無しさん (2020-07-03 10:37:06)
  • 2Bでプレイできる期間が中盤くらいまでだったのがちょいと悲しい、体が尻を求める。あとスクエニだからフィギュアが他メーカーから出づらい問題 -- 名無しさん (2020-07-03 10:44:34)
  • ゲームなんてプレイしてなんぼよ。実況見てやった気になってる奴に作品をどうこう言う権利なんかないんだから -- 名無しさん (2020-07-03 13:56:57)
  • スカートの中をのぞくと取れるトロフィーには笑った。ご丁寧にスカートの中のぞいてるとキャラが自動で動いて阻止する仕様。 -- 名無しさん (2020-07-03 18:22:54)
  • ↑2 まったくな…俺は何時まで飛行ユニットの完全変形プラモデルがブキヤから出るのを待てばいいんだ… -- 名無しさん (2020-07-03 19:41:11)
  • 2BもA2も自覚なくクール装ってるけどかなり直情的で馬鹿 -- 名無しさん (2020-07-03 20:11:15)
  • 地味に漁師エンドは10年後もヨルハ存続=ヨルハ計画最終段階 -- 名無しさん (2020-07-03 20:29:57)
  • ↑途中送信してしまった最終段階が発生してない可能性があるという -- 名無しさん (2020-07-03 20:31:45)
  • 石川由依さんが2B役になったのは、明言されてないだけで進撃の巨人のミカサを演じたからか? -- 名無しさん (2020-07-03 21:00:49)
  • 2Bの項目作成からわずか2日でここまで充実した作品項目が作られるとは思わなかった -- 名無しさん (2020-07-03 21:13:54)
  • 2Bの身長、初めて知った…自分と同じ位だ(ちょっと嬉しい) -- 名無しさん (2020-07-03 23:26:32)
  • ところで疑問なんだけど、なんで人類生きてた頃の情報は結構残ってたのにエミールの情報はアンドロイド側にほとんど残ってなかったんだ? まだ機械生命体も生まれてない最初期にたった一人で戦ってた英雄だぞ。兵器化されてるからカウントされないかもだけど一応旧人類最後の生き残りだし -- 名無しさん (2020-07-04 06:52:52)
  • ↑非道な人体実験の産物だし、まともな情報なんて残さないだろう。アンドロイドから見たらエイリアンと敵対する宇宙生物としか思われないんじゃないか? -- 名無しさん (2020-07-04 18:41:56)
  • 舞台ヨルハは見てて、こっちのゲームはやってないが面白そうだ -- 名無しさん (2020-07-05 09:31:56)
  • 一見体重は重く見えるけど、密度で言えばアルミニウムよりちょっと小さいぐらいだからそんなに重くない・・・ハズ。 -- 名無しさん (2020-07-05 10:11:32)
  • DLCでまさかあの人達と戦う事になるとは...初見の時はびっくりしたよ -- 名無しさん (2020-07-05 12:08:59)
  • 実況見て世界観に惚れて、自分の手でストーリーに入り込みたいと思って買ってプレイした。買って正解だった。同じ画面越しなのに自分でエンディング見た時だけ泣いた -- 名無しさん (2020-07-07 02:07:59)
  • 舞台ヨルハ見たらFF14コラボに納得した 役割分担した戦闘システムとか世界観ピッタリなんだな -- 名無しさん (2021-02-09 01:50:05)
  • エミールとアンドロイドの関係だけど、DODラストのポポルのセリフだと「もう人間はいない」ってことだから、たぶんエミールは人類としてカウントされてない。そもそも何百年も生きてるのに年取ってないし、単純に魔素で改造されただけじゃないんだろう。 -- 名無しさん (2021-02-11 13:44:39)
  • これやっぱりエイリアンなんてそもそも存在してなくて、ヨルハ計画立案者による自演(エイリアンに見えるなにかを作って襲わせた)なんだろうな。魔素を使った量子ネットワークを流用しただの、人類が残した兵器工場をうまく再利用しただの、そんなの信じられない。バンカーへの資源配達を邪魔しないとか胡散臭すぎる。 -- 名無しさん (2021-02-11 13:49:17)
  • 火星に届くロケット作った博士ロボヤバすぎじゃね?今後のシリーズに関わったりとかしないかなぁ -- 名無しさん (2021-03-22 23:26:06)
  • トロフィーを金で買うと取得時に自動で撮られるスクショが当然買い物シーンになるため他プレイヤーにはバレる。しかし拾い物100個だか200個だかのトロフィースクショが死体漁りになってしまった事故に比べれば…(´;ω;`)こんな事なら先に買っておけばよかった -- 名無しさん (2021-06-09 07:51:39)
  • トロフィースクショ、大量に溜まると容量食うからオフにしてて気付かんかったけどけど、金で買うと買い物シーンだらけになるんかw -- 名無しさん (2021-09-30 10:45:16)
  • 2Bが石川由依氏で決定していたということは2B=ミカサなんで、PC版誰かミカサMOD作ってください。 -- 名無しさん (2021-10-12 05:45:40)
  • 奈須きのこなどクリエイターにもファンが多いゲーム -- 名無しさん (2022-03-03 14:48:27)
  • アニメでイヴのCVどうなるんだろう。続投するのかな -- 名無しさん (2022-11-16 10:14:20)
  • アニメはどんな感じになるんだろう?ストーリーだけならまだしも作中の雰囲気をアニメで表現って難しい感じがする -- 名無しさん (2022-11-16 10:31:18)
  • むしろ続投だろ。子供向け作品じゃあるまいし -- 名無しさん (2022-12-29 02:47:26)
  • そういえばヨルハ部隊員はヤク中2人とオアシスでサボってた1人の計3人がいたけどアイツ等はヨルハ壊滅後も生き残ったんだっけ?誰か教えてくれ -- 名無しさん (2022-12-29 05:02:15)
  • アニメ放映直前に2B・9S・A2の中の人3人とも既婚者になるという幸先の良い珍事 -- 名無しさん (2023-01-02 23:50:02)
  • アダムの生まれるシーン、アニメだとグロかったな 機械の骨格に肉がついて人の姿になるって感じの -- 名無しさん (2023-01-30 23:18:59)
  • エイリアンが機械生命体を作ったというのは嘘で、本当は黒幕がレプリカントに代わる人間の魂の器を作るために機械生命体とアンドロイドの共進化を促していた、って考察があってかなり腑に落ちたな。アダムとイヴはその目標に最も近づいた存在だったのかも。 -- 名無しさん (2023-03-09 13:47:59)
  • そして、もしそうならばこの代替計画は恐らくゲシュタルト計画と並行して立案されていた予備プランだったんだろうな。機械生命体とアンドロイド双方のアーキタイプらしきものがゲシュタルト/レプリカント時代にいるし。まあ、機械生命体もアンドロイドも自我に目覚めて行ってたから、結局はゲシュタルト計画と同じ失敗を犯した事になるわけだが。 -- 名無しさん (2023-03-09 13:51:17)
  • アニメ再開まだかな… -- 名無しさん (2023-05-17 16:12:32)
  • ↑いよいよ来るらしいよ -- 名無しさん (2023-06-24 01:25:21)

#comment(striction)

*1 リメイクやリマスターではなく「バージョンアップ」とのこと、詳細は不明。
*2 オンラインへの接続が必要。
*3 ただその反応からヨコオ氏は「次回作は後悔させてやる」と発言している。

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