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更新日:2024/04/18 Thu 22:32:58NEW!
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名探偵コナン 名探偵コナンエピソード項目 毛利小五郎 アニメオリジナル オリジナルエピソード 暴力団 バーベキュー 拳銃 埠頭 指紋 小五郎知人喪失シリーズ 裁くべき被害者 どっちもどっち 第3の指紋殺人事件 捜査四課
人間てのは、変わっちまうんだなぁ…
『第3の指紋殺人事件』とは、「名探偵コナン」において江戸川コナンが解決した事件のうちのひとつ。
1997年6月23日に第64話として放映された、原作漫画には無いアニメオリジナルエピソードである。
※以下、ネタバレにご注意ください。
【あらすじ】
コナン・蘭・小五郎は、小五郎の刑事時代の先輩で警視庁捜査第四課*1の警部・寺岡からバーベキューパーティーに招待された。
当日の昼、寺岡の妻・美佐子も交えてバーベキューを楽しむ一行だが、そこへ寺岡の携帯が鳴る。
電話の相手は暴力団幹部の松山という男であり、誤って人を殺してしまったという。
自首を勧めるため、寺岡は松山がいるという埠頭倉庫へ一人で行くと言い、小五郎も倉庫まで同行することになった。
コナンと蘭もタクシーで後を追い、一足先に倉庫に到着した小五郎と合流するが、ほどなくして倉庫に銃声が響く。
小五郎たちが慌てて駆けつけると、銃を右手に仰向けに倒れている男とその前で呆然と立ち尽くす寺岡の姿があった。
警察が駆けつけ、寺岡から事情を聞くと、松山は倉庫に入ってきた寺岡にいきなり拳銃を向け、逃亡資金とカードを寄越せと要求してきたという。寺岡は逃げたところでいずれ捕まる、自首すべきだと説得しようとするが、松山は聞こうとせず、拳銃を掴んで揉み合ううちに暴発し、弾丸が松山の胸を貫いてしまったらしい。
小五郎が不運な事故だと必死に寺岡を庇う傍で、コナンは寺岡による計画殺人ではないかと疑う…
【事件関係者】
- 寺岡(てらおか)
CV:柴田秀勝
小五郎が刑事だった頃の2年先輩で、現在は警視庁捜査第四課の警部。
小五郎たちをバーベキューパーティーに誘うが、非番にも拘らず飲酒はしていなかった。
何度か暴力団幹部の松山の相談に乗っていた為、彼から電話を貰った際は、信頼を裏切るわけにはいかないと自首を勧めるため、危険を承知で拳銃も持たずに松山に会いに行くが、そこで拳銃の暴発が起き、結果、松山が亡くなってしまった。
コナンは、松山に会いに行く前の一連の挙動(電話が掛かってくるまでしきりに時間を気にする、急ぎのはずなのにわざわざ小五郎たちに通話内容を全て話す、上着を代わりに取りに行こうとする妻を強引に止める、車と足首が触れた時妙な音がした)から、この暴発は事故に見せかけた殺人ではと考えている。
演じた柴田秀勝氏は、後の原作回『二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件』でも、小五郎の刑事時代の先輩である鮫崎島治を演じていた。
- 寺岡美佐子(てらおか みさこ)
CV:藤木聖子
寺岡の妻。
一人で松山に会いに行こうとする夫を心配そうに見つめていた。
彼女の話では、突然、夫が小五郎たちを招待すると言い出したのは前日の夜9時頃だったという。
- 松山(まつやま)
暴力団幹部。
寺岡に悪事から足を洗いたいと相談していた。
だが、誤って人を殺してしまったと寺岡に電話し埠頭倉庫で落ち合うことになった。
高飛びしたい彼と自首を勧める寺岡がもみ合ううちに、彼が持っていた拳銃が暴発し胸を貫通してしまった。
バーベキューパーティー前夜の8時、博打で負けた金の回収を巡るトラブルが原因で賭博の客を殺害してしまう。
【レギュラー陣】
- 江戸川コナン
ご存知主人公。
寺岡が捜査第四課の警部だと聞き、現役警部の面白い話が聞けそうだとバーベキューパーティーを楽しみにしていた。
寺岡が松山のところに向かう時点でなにか不穏なものを感じており、心配だからとタクシーで後を追う。
事件発生時からこれは事故ではなく寺岡による計画殺人だと睨んだものの、証拠が見つからず…
- 毛利蘭
ご存知蘭姉ちゃん。
今回は特に目立った活躍はなし。
- 毛利小五郎
ご存知迷探偵。
刑事時代、寺岡にはとても世話になっていたらしく、当時は推理がことごとく外れて『ハズレ刑事』と言われていたという。(ちなみに横でこの話を聞いていたコナンは「ハハ…今もだぜ…」と苦笑いしていた。)
事件発生後は、これは不幸な事故だったんだと目暮に主張。この件での寺岡の処分が思ったより軽くなりそうで、ひと安心していたのだが…
- 目暮十三
ご存知警部殿。
小五郎と違い、あくまで公平な視点で事件を見ているが、寺岡の話を疑っている様子はない。事件の背景を伝えに毛利探偵事務所へやってくる。
コナンに訊ねられ、持ち主不明の第3の指紋について寺岡が酷く驚いていたことを教えた。
目暮から、寺岡が3つ目の指紋について驚愕していたことを聞き、コナンは真相に辿り着く。
そして蝶ネクタイ型変声機を使い一同を寺岡家へ集め、寺岡の自室であるものを発見した後、眠りの小五郎の推理ショーを始める……
【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】
- 寺岡
今回の事件の犯人。
コナンの睨んだ通り今回の拳銃の暴発は、寺岡が現場に持ち込んだ拳銃で起こした、事故を装った計画殺人だった。
彼が語った松山からの電話の内容は一部を除いて嘘で、寺岡が大声で話し始める前に通話は切れていた。寺岡が声を荒げた辺りからは、彼の一人芝居だったのだ。
松山は、バーベキューパーティー前夜、つまり賭博の客を殺してしまったその日の夜、寺岡にその旨を電話していた。その際に寺岡は、翌日の昼12時に自分の携帯電話に掛けるよう指示した。
突然、小五郎達を招くことにしたのは、自分が非番で丸腰であったことを小五郎に証言させるのが目的であり、執拗に一人で会いに行くと主張したのは小五郎が同行すると言うように仕向けるため、酒を飲まなかったのも松山から電話があって車で出かけなければならないのがわかっていたからだった。
彼がわざわざ自室まで自ら上着を取りに行ったのは、部屋のビデオケースに隠していた拳銃を持ち出す為であり、コナンが聞いた車に乗ったときの奇妙な音は、足元に隠した拳銃がぶつかった音だった。
ここまでの推理を聞いた寺岡は小五郎(コナン)に証拠はあるのか、と問うが、暴発した拳銃に付いていた第3の指紋が証拠だと小五郎(コナン)は主張。
その指紋の主は…
毛利さんの、おっしゃる通りです…
- 寺岡美佐子
事件当日、寺岡が自室に上着を取りに行った際、彼女は不安そうにじっと夫のいる部屋を見上げていた。その時は、夫が丸腰で松山に会うことを心配しているものと思われたが、実はその逆で彼女は、夫が自室に隠している拳銃を持って松山に会いに行くのではと危惧していたのだ。
彼女は以前、夫の部屋で偶然、ビデオケースに入っていた拳銃を発見し、思わず手に取った後慌てて元に戻した。
それ以来、夫に聞きたくても恐ろしくて聞けず、不安な日々を過ごしていたが、そんなこととは夢にも知らない寺岡はその拳銃をそのまま持ち出し、事故に見せかけ松山を射殺した。
つまり、拳銃に残された3つ目の指紋は美佐子のもので、寺岡が自宅から現場に拳銃を持ち込んだ動かぬ証拠になる。
そのことを目暮に確認されると躊躇いながらも頷き、後述の寺岡の自供を聞き終えた時には泣き崩れた。
- 寺岡(続き)
美佐子と拳銃の件について驚愕していたが、妻の様子に観念し、松山殺害の動機を語った。
実は、寺岡は金と引き換えに、彼に警察の情報を流していた。最初は小遣い程度の額で情報も微々たるものだったが、徐々に感覚が麻痺していき、気付けば引き返せないところまで来てしまっていた。
松山から足を洗う相談を受けていたという話もウソで、実際は「(人を殺したから)高飛びする為の金を寄越せ。自分が捕まればアンタとの関係をバラす。」と恐喝されており、それによって殺害を決意。拳銃はこんな日が来たときの為に、と他の組の手入れの際にくすねて保管していたものだった。
一連の事情を話した後、小五郎(コナン)の推理を認め、「お騒がせして申し訳ありませんでした。」と目暮に向かって頭を下げた。
- 松山
詳しい背景は語られなかったが殺人や逃亡の為の恐喝と、足を洗いたいという寺岡の作り話には程遠い人物だった模様。
なお、『コナン』の世界では暴力団員が登場するのは非常に珍しく、今回の松山を含めると5人ほどしか登場していない。
- 江戸川コナン
- 毛利蘭
- 毛利小五郎
事件解決後、小五郎は「人間てのは、変わっちまうんだなあ…。あの寺岡先輩が…」と堕ちてしまったかつての先輩のことがかなりショックだったようで、ぼんやりとため息ばかり。
蘭はそんな小五郎を、寺岡が連行される際に小五郎に言った「お前、本当に名探偵になったんだなぁ」が本当に嬉しそうだったと励ます。
しかしそれでも小五郎の気分は晴れず、コナンが「寺岡さんはビデオケースに拳銃隠してたけど、おじさんは何も隠してないよねー?」と小五郎のビデオを取り出すと…
若い女性と親しげに、デレデレしている写真のオンパレード(笑)。
当然蘭は激怒し、小五郎は「てめぇが余計なことするからだ!」とコナンを怒鳴る。
コナンは『こんなトコに隠しとくなよなー』とボヤくのだった。
【余談】
親しい友人や知人が絡むと自力で事件を解くことが多い小五郎だが今回はいつものように眠らされて推理ショーを行うことになった。
恐らくこの時点では一度しかこのシチュエーションがなく、放送開始から約1年半程しか経っていなかった為、「小五郎は知人が絡むと優れた推理力を発揮する」というキャラ付けがまだ決まっていなかったからと思われる。
追記・修正はビデオケースに拳銃を隠さない方にお願いします。
▷ コメント欄
- ページ作成乙。今の時代だったら拳銃の隠し場所は無難に机の引き出しの中になるのか・・・? -- 名無しさん (2019-05-16 09:55:39)
- 奥さんはお咎め無しかな?寺岡さんもオッチャンじゃなくて身内の誰かを呼んでおけば良かったのに。 -- 名無しさん (2019-05-16 13:34:41)
- 確かこれがアニオリ初の、おっちゃんの古い知り合いが犯人の話だったよね -- 名無しさん (2019-05-16 16:08:20)
- 20年以上前の話だけど、車に足首に触れた時の音というのは印象に残ってる -- 名無しさん (2019-05-18 23:34:36)
- 警官は非番の日は実際にいつ呼び出しても良い様に飲酒出来ないんじゃ?公休なら出来るけど。 -- 名無しさん (2019-05-18 23:55:48)
- おっちゃんからしたら、お世話になった先輩が知らぬ間に、情報を暴力団に売ってわ、殺人するわ、しかもその計画に自分を利用したとかショックすぎるだろ。あと犯人が頭下げた後の警部とコナンの目が結構睨み気味だったのが印象にある -- 名無しさん (2019-05-19 00:47:22)
- この事件はおっちゃんに自力で解いてほしかったな -- 名無しさん (2019-05-24 21:44:00)
- 以降、小五郎の知人が関係する事件で、コナンがサポートに回るのみで小五郎を眠らせることが少なくなったのは、この事件の影響があるんじゃないかと思ったり。どのみち小五郎に辛い思いをさせることになるなら、せめて悔いが残らないよう、自分の正体がバレる危険を冒すとしても、自力で解かせてあげようと思うようになったのかもしれない。 -- 名無しさん (2022-04-09 22:18:04)
- 犯人の正体のネタバレになっているタグを削除 -- 名無しさん (2022-10-30 22:12:28)
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