少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ版)

ページ名:少女_歌劇 レヴュースタァライト_アニメ版_

登録日:2018/09/10 Mon 01:52:31
更新日:2024/03/22 Fri 12:55:30NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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少女をへと導くのは




あの「舞台」への執着



あの「約束」への執着



あの「少女」への執着





お持ちなさい
あなたの望んだその星を


And it shall be bestowed upon you, the Star which you have longed for―




少女☆歌劇 レヴュースタァライトは、ミュージカルとアニメで展開される2層式エンターテイメント作品。
本項目では2018年7月より放送が開始されたテレビアニメ版を紹介する。
ミュージカル版のページはこちら




作品概要

キービジュアル等を見ただけでは、『ラブライブ!』等のアイドルアニメの「アイドル」部分をミュージカルに置き換えた美少女アニメと思うだろう。
確かに1話Aパートでは、主人公ら8人のヒロインが演劇学校を舞台にレッスンや文化祭公演の準備に切磋琢磨する学園生活や寮での日常が描かれており、
これだけ見れば、前述のアイドルアニメの系譜にある青春アニメにしか見えない。




しかし、問題は後半。



アタシ 再生産



転校生・神楽ひかりの登場をきっかけに、少女達は、学校地下に整備された謎の舞台で各々専用の衣装に身を包み、武器を携え、
一対一のレヴューオーディション、わかりやすく言えば決闘を行うのである。
何を言っているかわからないかも知れないが、これは紛れもない事実である。*1


一応言っておくと、レヴューシーンでの流血といった暴力的表現は皆無で、主人公達もこの件で啀み合うといったことも非常に少なく、全体的に明るめの作風ではある。
だが上記の超展開が故に、合う人は悉くスタァライトされ、合わない人にはどこまでもついていけない癖の強い作品となっている。


イロモノやネタアニメという印象を受けたアニヲタもいると思われるが、アニメとしてのクオリティは非常に高い。
特にレヴューオーディションは美麗でかつ機敏なアニメーションに加え、
登場シーンを煌びやかに演出する照明、戦闘に合わせてリアルタイムに変化を繰り返す舞台装置、
そしてキャラの決意や心情をキャスト陣が歌い上げるレヴュー曲が一体となり、非常に見応えのあるシークエンスとなっている。
ストーリー面においても、何気ないカットやセリフが重大な伏線として後々の展開に大きく作用していく緻密な作劇がなされている。


その設定や「学園モノと華やかでファンタジックなバトルの組み合わせ」という点から『少女革命ウテナ』を連想したアニヲタも多いだろうが、それもそのはず。
監督を務める古川知宏氏は『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』など幾原邦彦氏の過去作品に携わった経験のある、言わばイクニ氏の直弟子であり、
あるキャラクターの境遇など、ウテナに影響された、あるいは意識した演出や設定も散見される。
だが、回を重ねるごとに単なる「『ウテナ』のクローン」に留まらない個性を見せていく本作に対して視聴者の評価も変わりつつあり、
現在は「『ウテナ』というよりは、むしろ『スタードライバー』に近い」という意見も出てきている。


先述の通りアニメに先行する形で展開されたミュージカル版は、アニメ版と同じく99期生のトップスタァをめぐる戦いを描く「#1」と、アニメ最終回後の9人の新たなレヴューを描く「#2 Transition」*2の2本が上演されている。
#1はアニメ版のパラレルと言える作品(ミュージカルが先行しているので、正確には「アニメ版が#1のパラレル」といえる)であり舞台版と設定や展開は異なっているため、
アニメを見るにあたって必ずしも#1を見る必要はない。


YouTubeの公式チャンネル「スタァライトチャンネル」では、第1話の無料配信とレヴューシーンの総集編がアップされているので、興味が湧いた方は一度見て見てはいかがだろうか。



あらすじ

聖翔音楽学園の2年生・愛城華恋は、舞台のトップスタァを目指す舞台少女として、日々クラスメイトと共に歌、ダンス、演技等のレッスンに汗を流していた。
彼女たちが目下取り組むのは、この学校の学園祭「聖翔祭」で行われる、在校生による戯曲「スタァライト」公演の準備。
その聖翔祭の話題がクラスを賑わせ始めた5月、華恋の在籍する2年A組に幼馴染である神楽ひかりがイギリスから転入してくる、
12年ぶりの再会に喜びを爆発させる華恋だったが、ひかりは素っ気ない相槌を打つのみで、寮に着いてもすぐに部屋にこもってしまった。


しばらくして、華恋はひかりの部屋を覗くが、そこに彼女の姿はなく、窓の外を見やると、ひかりが学園の方へ駆けて行くのを目撃する。
後を追って学園内を探し回る華恋だったが、通りかかった古びたエレベーターを興味本位で操作してしまい、学校の地下へと落下してしまう。


落ちた先で華恋が目の当たりにしたものは、得体の知れない喋るキリンと、舞台の上で刃を交える学級委員・星見純那とひかりの姿だった……。


登場人物

  • 愛城華恋(あいじょう かれん)

声:小山百代
「みんなをスタァライトしちゃいます!」
赤い王冠の髪留めがトレードマークの、本作の主人公。
明るくまっすぐな性格で、誰にでも分け隔てなく接するクラスのムードメーカー。
「オーバーチュア」では転んでお弁当をダメにしてしまった小学生に自分のお弁当を渡す、
重い荷物を持った老婆を手助けする、そして道に迷っていたまひるを道案内するなど、非常に心優しい。
しかし考えるよりも行動するタイプが故に、周囲を困らせることもしばしば。


幼い頃にひかりと共に観劇した舞台「スタァライト」に魅了され、将来二人で舞台に立つという「運命」を交わし、舞台少女となった。
偶然目の当たりにした地下のオーディションでひかりを助ける為に乱入したことをきっかけに、自身もオーディションへ身を投じる。


朝が弱いのか遅刻が多く、授業中も眠気に負けてばかりのだらしない生活を送っており、まひるに助けられてばかりだったが
ひかりとの出会い、絶対王者である真矢への敗北を経て、舞台少女としての原点である「ひかりと共に舞台で輝く」という夢をハッキリと思い出し、
夢を実現するためにオーディションを勝ち抜くとともに、自分のだらしなさを改め成長していく。


レヴューでの武器はブロードソード「Possibility of Puberty(思春期の可能性)」
また、彼女のみレヴュー開始前に、必ず衣装や武器が作られる過程を描いたバンク「アタシ 再生産」が挿入される。


  • 神楽ひかり(かぐら -)

声:三森すずこ
「バッ華恋!」
イギリスの演劇学校「王立演劇学院」から転校してきた華恋の幼馴染。星の髪留めがトレードマーク。左利き。
普段は非常にクールで口数も少なく、華恋にも冷淡な態度を取っているが、
根は善良であり、オーディションを経るなかでかつての明るさを見せるようになる。
幼い頃に華恋とともに「スタァライト」を観劇し、将来二人で舞台に立つ「運命」を交わす。
Mr.ホワイトというシロクマのキャラクターが好きで、レヴュー衣装にも腰にマスコットチャームが付けられている。
またクラゲも好きでぬいぐるみを集めたり水族館めぐりにもよく行っている。


クールで優秀な才女に見られがちだが私生活はだらしなく、寮の私室はあらゆるものが散らかった汚部屋と化しており、華恋&まひるの部屋に転居してからはまひるに厳しく指導された。
口数が少ないのも単に人見知りでコミュ障気味だからなのだが、一度打ち解けた相手とはよく話すようになる。


キリンが主催するオーディションについて何か知っているらしく、華恋をオーディションから遠ざけようと奔走する。
曰く「レヴューに負けたものは、大切なものを奪われる」ようだが……。


レヴューでの武器はワイヤー付き短剣「Caliculus Bright(つぼみの輝き)」
他の舞台少女の持つ武器に比べて頼りない外見であり、実際レヴューに置いても苦戦する場面が目立つ。


幼少期に華恋と別れたあと、王立演劇学院に入学したひかりはめきめきと才能を伸ばし公演でも大役を任されるが、
花形である「主役」にいつも一歩のところで手が届かない。
「このままでは華恋との約束がかなわない」と焦っていたところに、スマホに見知らぬ番号からの着信が入る。
電話口の声は、ひかりをレヴューへと招待することを告げる。レヴューが行われていたのは聖翔音楽学園だけではなかったのだ。*3


華恋との夢を叶えるチャンスと見たひかりはレヴューに参加、現在の武器である短剣に似た剣を武器に、レヴューを勝ち進んでいく。
しかしこのレヴューにおいてもひかりは2位で最終日を迎え、トップスタァの座を逃してしまう。
そしてレヴューを終えたひかりは、演劇に対して全く情熱が向かない自分に気づいてしまう。
彼女は常に胸に抱いていた華恋との「運命」さえ、忘れそうになっていた。


明かりの落ちた地下のステージで、キリンはひかりの疑問に答えた。
トップスタァを生み出すためには相応のキラめきが必要であり、一人のトップスタァの誕生と引き換えにそれ以外の参加者のキラめきは失われること。
キラめきを失ったものは舞台への情熱を失ってしまうこと。
ひかりがオーディションの詳細を知っていたのは、参加した経験があったからだった。
そして、ひかりの武器が頼りないナイフなのは、彼女から「キラめきが削られた」ことを示していたのだ。


だが、全てのキラめきがひかりから失われたわけではなかった。華恋との「運命」が、彼女を舞台に繋ぎ止めたのだ。
それに興味を抱いたキリンは、彼女に「聖翔音楽学園で行われるオーディションへの参加」をオファー。
ひかりは聖翔音楽学園に転入。物語は1話につながっていく。


ひかりが華恋を必死にレヴューから遠ざけようとしていたのは、前述のあまりにも大きい代償から彼女を守るため、
そしてレヴューで華恋と戦うことを避けるためだった。
…しかしひかりの思いもむなしく、華恋はよりにもよって自分を助けるためにレヴューに参戦してしまった。
そりゃ「バッ華恋!」と言いたくもなりますわな
それでも彼女は戦い続ける。華恋の「二人で輝けば、二人でトップスタァになれる」という言葉を希望として…。


後にななとの「孤独のレヴュー」のさなか、華恋との「運命」への想いがキラめきを呼び起こす。
「Caliculus Bright」は蕾が花開くように4本の棘状の鍔が展開した姿に変形、ななの二刀流を正面から弾くほどのパワーを発揮している。*4


  • 露崎まひる(つゆざき-)

声:岩田陽葵
「そ、そうだね。次はその……私と華恋ちゃんが運命の二人……とか」
引っ込み思案な華恋のルームメイト。小さなツーサイドアップが特徴的で、感情に合わせてピョコピョコ動く。
入学試験の際に道に迷っていたところを華恋に助けられた(オーバーチュア)ことをきっかけに友人となり、
1年生の聖翔祭、「スタァライト」の公演の際に、酷く緊張していた所を華恋に救われ、好意を寄せるようになる。


内気で自己評価が低く、「華恋のおかげで自分はキラめいている」と思い込んでしまっている。
華恋の幼馴染であり、華恋を自分から遠ざけるひかりの登場には、内心穏やかではないようで……。


実家は北海道の農家で、毎年沢山の野菜が寮に届いている。
趣味は野球観戦。よく見ると寮の自室にも野球のユニフォームを身に着けた目が死んでる猫のぬいぐるみが置いてある。
この猫はスズダルキャットというキャラクターで、ひかりの好きなMr.ホワイトとはライバル関係にある。


レヴューでの武器はメイス「Love Judgment(愛の審判)」
ステージを破壊するほどの威力を持ち、まひるはこれを特技のバトントワリングを生かして軽々と扱う。
メイスでどうやって相手のボタン落とすんですかね…?


ひかりとの再会を経て、成長していく華恋との間に距離を感じるまひる。
トップスタァになるために成長を続ける華恋は、まひるの手助けを必要としなくなってしまった。
彼女はすっかり、「ひかりに華恋を奪われた」と思い込んでしまう。


遠くに行ってしまう華恋。華恋がいなくては、自分は輝けない。
精神的に追い詰められたまひるの選択は、「オーディションで1位になり、ひかりが転校する前の華恋を取り戻す」というあまりに歪んだものであった…。
しかし華恋とのレヴューの最中に、自分が本来持っているキラメきを伝えられ
レヴュー後にかつて自分が抱いていた夢を再認識したことで
華恋への好意こそ変わらないが、依存心はすっかり無くなり1人の舞台少女として再び歩き出した。
ついでに私生活がだらしないひかりとのパワーバランスも完全に逆転した


  • 天堂真矢(てんどう まや)

声:富田麻帆
「This is 天堂真矢」
99期生首席。
舞台俳優とプリマドンナを両親に持つサラブレッドで、学生とは思えぬ実力と風格を兼ね備えている。
生まれ持った天賦の才に甘えることなく、常に高みを目指す向上心を持つ孤高の舞台少女。
が、華恋とひかりが無断外出した際のアリバイ工作に協力したり、好物のジャガイモ料理にがっついたりと年相応な可愛らしい一面も度々見せている。
また本編では見せていないが、「オーバーチュア」やスタリラ(後述)ではホラー耐性が皆無だったり美術が大の苦手という弱い部分も見せる(周囲には隠しているが)。
「This is ○○」という口癖が特徴。誰が呼んだか通称「This isさん」


「自分と同じステージに立つライバル」を望んでいるのか、自分をライバル視するクロディーヌを中心に高みを目指す者を気にかける。
一方で「手を抜く」ことに対しては厳しく、7話では本気を出していない(と思われた)ななを個人的に呼び出し、
「クラスの和を乱さないために実力を抑えているのなら許さない」と静かながら感情的になる場面もあった。


レヴューでの武器は細身の剣「Odette the Marvericks」。訳するとすれば「孤高の(異端の)オデット」といったところ。
その実力は本物で、華恋との対決においては終始自分のペースで戦いを進め、華恋をして「同じ舞台に立てていなかった(要約)」と言わしめた。*5
他の99期生がキリンのオーディションにかける「夢」を持つ中で、ただ一人「夢は見るものではなく、魅せるもの」と公言する。


  • 西條クロディーヌ(さいじょう -)

声:相羽あいな
「Bonjour. いやぁ~、私とした事が寝坊しちゃったわ」
日本人とフランス人のハーフ。この手のキャラの例外に漏れず、フランス語混じりで会話する。
幼い頃から天才子役として活躍し、それなりの自信とプライドを持っているが、
聖翔音楽学園にて、はじめて自分よりも輝きを放つ存在・真矢と出会う。
以降は真矢に強いライバル意識を持ち、彼女を超えるために日々鍛錬を積む。


初登場で唐突な1人ミュージカルをするなど第1話での奇行が目立ち、序盤は「このアニメの変人枠」という認識を持たれていたものの、
第2話以降は、真矢同様に華恋とひかりのアリバイ工作に協力したり、双葉の練習に付き合うなどフランクで常識人な面を見せている。
「オーバーチュア」でも香子の「きなこのお菓子」探しに協力したり、熱を出した香子のお見舞いに顔を出しており、
真矢が絡まない場面では、若干押しは強いことを除けば普通人のようだ。
でも未成年でホットワインはまずいですよ!


レヴューでの武器はロングソード「Etincelle de Fierte(誇りの火花)」。


  • 星見純那(ほしみ じゅんな)

声:佐藤日向
「掴んでみせます、自分星!」
2年A組のメガネっ娘学級委員。典型的な優等生・真面目気質で、秩序を重んじる。
元々はまじめでおカタい家で勉強漬けの毎日を送っていたが、幼い日に出会った舞台に一目惚れし、両親の反対を押し切って演劇の道に進んだ。
未だ両親とは不仲らしく、夏休みも実家に帰っていない。
自分とは正反対の華恋の行動には日々頭を悩ませている。


99期生屈指の努力家。舞台への情熱は強く、真矢やクロディーヌなど強大なライバルを前に、
自主トレやライバルの研究など努力を積み重ねることで乗り越えようとしている。
しかし真面目さ故に何事に対しても根を詰めすぎるきらいがあり、2話ではそれがたたって倒れてしまった。


ななは彼女を「ひとりぼっちの子をちゃんと見つけてくれる人」と評している。
このセリフを踏まえて9話を見直すと2度泣けるのでオススメ


レヴューでの武器は弓矢「翡翠弓」*6
ひかりとのレヴューでは地の利を生かして着実にひかりを追い詰め、続く華恋とのレヴューでは即席のトラップで足を止めるなど、全体にクレバーな戦法が目立つ。
また香子とのレヴューでは、香子の薙刀を弓で受けつつ空中に矢を放ち、天井を使って跳弾させ、
その後に放った第2射を目くらましに跳弾させた最初の矢でボタンを射抜くという神業を見せている。


  • 大場なな(だいば -)

声:小泉萌香
「ばなナイス♪」
純那のルームメイト。バナナ型のツーサイドアップがトレードマーク。
通称ばななちゃん。(命名は華恋)
包容力の塊とも言えるほどの穏やかな性格で、面倒見の良いお母さん的存在。料理も得意で、クラスメイトの胃袋をがっちり掴んでいる。
99期生の仲間たちを大切に思っており、彼女たちと作り上げた1年生の頃の聖翔祭の演目「スタァライト」に強い思い入れを持つ。


後に脚本・演出にも興味を持ち、役者と裏方を掛け持ちするようになる。
そのせいか、キリンのオーディションに参加している描写がほとんど存在しない。


乱れまくったかわいい寝姿は必見。


レヴューでの武器は長短二振りの日本刀「輪(めぐり)」&「舞(まい)」。
劇中随一の長身で 芝居、歌、踊りのいずれも高い実力を持つが、クラスのツートップである真矢・クロディーヌの存在感が強すぎるせいか、実力の面に言及されることは少ない。


物語の折返しとなる、第6話のCパート。
そこには、キリン以外誰もいないレヴューの舞台で、使い古された前回のスタァライトの台本を傍らに制服のまま悠々と寝そべる彼女の姿があった。



今回の再演どうしちゃったのかなぁ、初めての事ばっかり。
やっぱり…台本通りじゃなくっちゃね。



彼女は中学の頃から舞台に憧れ、学園祭において自作の脚本で演劇を上演しようとするが、
人数が集まらずに断念を余儀なくされてしまう。
だが、先生に勧められて進学した聖翔音楽学園で、ななは同じ舞台への情熱・夢を持つ仲間を手に入れる。
そして迎えた第99回聖翔祭。多くの仲間と作り上げた『スタァライト』は、中学生の時に成し得なかった、彼女にとって最高の舞台となった。


しかし、そのあまりにも強い輝きは、彼女の心に焼き付いてしまった。


新年度を迎えたななは、二人のクラスメイトが退学したことを知る。
ともに『スタァライト』を作り上げたクラスの変化と、それでも前に進み続ける級友との温度差に複雑な思いを抱く中、彼女のスマホにもキリンからの誘いが届く。


ななは、キリンが言うところの“永遠の主役”には興味などないと一蹴する。
しかし、キリンの「望むなら『どんな舞台』にも立つ事が出来る」という言葉を聞くと、彼女はレヴューへの参加を決意。
舞台少女となったななは絶対王者・真矢をも下し、星のティアラを手に入れてトップスタァの座を手に入れた。
ティアラを手にした彼女が願った舞台、それは『第99回聖翔祭の時の「スタァライト」』
キリンはその願いを聞き入れ、
「時間を『聖翔音楽学園への入学』の時点に巻き戻し、聖翔音楽学園への入学から聖翔祭打ち上げまでの一年を"再演"する」という報酬を彼女に与えた。


それから、ななは"再演"を繰り返した。
レヴューに勝ち残り、トップスタァの座を繰り返し手に入れ、同じ願いをキリンに願い続けた。
彼女にとって最高の舞台であるはずの『スタァライト』…しかし、何度繰り返しても、あの日を超える熱狂は、喜びは、ななの胸のうちに訪れることはなかった。



……まぶしい



……永遠とも思える"再演"の繰り返し。だが、そのループにも終わりが訪れる。
何度めか分からないトップスタァの座。キリンを前に、いつもと同じく"再演"を願うなな。
その時、ななの目前に、蕾を象った短剣が落ちる。
新たなループへ突入する刹那――ななの視線の先、ステージに立っていたのは、彼女の記憶にない、レヴュー衣装と青い上掛けをまとった黒髪の少女。神楽ひかりだった。


「ひかりの転入」というイレギュラーをきっかけに、彼女の"再演"は途切れてしまった。
最初は戸惑うななだったが、やがて彼女は決意する。「ひかりも登場人物に含めて、"再演"を行う」ことを。



誰が来ても私の再演は変わらない。

神楽ひかりちゃん あの子も、私の舞台に欲しくなっちゃいました。




当初から「なにか闇を抱えてるんじゃないか」「彼女がキリンなのではないか」などと視聴者から勘ぐられていたななだったが、
「レヴュースタァライトの世界をループさせていた」「真矢をも超える舞台少女だった」という予想の斜め上を行く真実には、驚いた人も多かった模様。


  • 石動双葉(いするぎ ふたば)

声:生田輝
「フロア、ちゃんと拭かねーと怪我すんぞ」
男勝りでぶっきらぼうな口調で話す香子の幼馴染。
親が花柳家のお手伝いさんとして働いていたため、幼い頃から香子の面倒を見続けている。
香子のわがままっぷりには心底うんざりしているが、学院には彼女の付き添いで入学し、送迎のためにバイクの免許を取得したツンデレ。
他にも

  • 掃除洗濯全般
  • 入学後は香子がA組に馴染むように、華恋たちに「話しかけてやって」と頼む
  • 香子が風邪を引いた時はつきっきりで看病

など、香子を全面的にバックアップしている。
ここまで熱心に彼女の面倒を見るのは、幼い頃に彼女と交わしたひとつの約束が原動力となっているようだが…。


入学はあくまで「香子の付き添い」というスタンスだったものの、99期生の面々に感化され「自分もスタァを目指せる」という思いを抱く。
クロディーヌのレッスンを受けスタァを目指して特訓を重ねるが、6話ではそれが香子と一時決別する原因になってしまう。


レヴューでの武器はハルバード「Detarminater(決定者)」
小柄ながら得意の殺陣を生かし、軽快にハルバードを振り回す。


  • 花柳香子(はなやぎ かおるこ)

声:伊藤彩沙
「乙女の眠りを邪魔するやなんて、無粋やなあ~」
日舞の家元の孫娘。はんなりとした京都弁で話す双葉の幼馴染。
典型的なお嬢様気質で、京都人らしい嫌味が飛び出すこともしばしば。
私生活は双葉に頼りきりで、登下校の際にも双葉に起こされ、バイクに相乗りして通学している他、掃除洗濯などの家事も全面的に双葉に任せている。
生活力や世間の常識には疎く、諸事情で一人で出かけた際には電車の乗車から駄菓子の購入まで、なんでも最高級のクレカで済ませようとしていた。*7
また双葉とケンカした際には一人で通学しようとしたが、寮の正門を出たところでへばってしまった。
…「オーバーチュア」でトラックに轢かれかけたことと人波に揉まれたことが相当トラウマになっているのだろうか…?


経歴が経歴だけに実力はあるのだが慢心する悪癖があり、6話ではその報いか、第100回聖翔祭の第一回オーディションに一度は落選している。
加えて、前述のようにスタァを目指すことを決めた双葉には慢心が原因で決別を宣言されてしまい、進退窮まる状況に追い詰められてしまう。
…追い詰められた彼女の、そして双葉との「ふたりの花道」の行方は、自分の目で確かめてほしい。


レヴューでの武器は薙刀「水仙花」。スイセンの花言葉はズバリ「自己愛」である。
舞のイメージか、回転しながらの派手な立ち回りが目立つ。
6話の時点で前述の慢心癖のせいか、3回敗北している。


  • キリン

声:津田健次郎
地下のレヴューオーディションを主宰する喋るキリン(口は動いていない)。
「わかります」が口癖で、次回予告では毎回違ったイントネーションの「わかります」を披露している。


99期生の面々を「永遠の主役であるトップスタァの座」を餌に、地下のオーディションに勧誘している。
その動機は「奇跡ときらめきの融合が起こす化学反応で生まれる、誰にも予測できない運命の舞台が見たい」という個人的なものだが、
どこまでがキリンの真意なのかは判然としない。


キーワード

  • 戯曲『スタァライト』

華恋とひかりが幼い日に観劇し、舞台少女を志すきっかけとなった演目。
星祭りの夜に出会った二人の少女・フローラとクレールの出会いと別れを描いたファンタジックな悲劇で、華恋達99期生が3年間かけて聖翔祭で行う演目でもある。


  • 聖翔音楽学園

華恋達が通う日本有数の演劇学校。生徒は女性のみで、モデルはおそらく宝塚演劇学校。
学年は未来の女優を育成する俳優育成科(A組)と、脚本・衣装・大道具等の裏方の技術を育む舞台創造科(B組)に分かれている。
本作のファンやスタッフは「舞台少女たちを影で支える」という意味合いからか「舞台創造科」と呼ばれることも。


  • 聖翔祭

聖翔音楽学園における文化祭的行事。3年間かけて同一の演目を上演し、クオリティを高めていくことを目的としている。


  • レヴューオーディション

学院地下の舞台でキリンが主催する謎のオーディション。
オーディションに合格した者には「星のティアラ」が与えられ、「トップスタァ」への道が開かれる。
キリン曰く、トップスタァとは「運命の舞台に立つ者」「無限のキラめきを放ち、時を越えて輝き続ける永遠の主役」らしい。


レヴューは1vs1の形式で行われ、レヴュー開始前に各々のスマホに着信が入る。(A組は9人いるため、毎回一人不参加者が出る)
勝利条件は相手の肩にかかった上掛けを落とすこと。上掛けを留めているボタンか紐を落とす・断ち切るのが基本。
ステージに上った舞台少女は専用のレヴュー衣装に着替え、各々の武器を手にレヴューに臨む。


各レヴューごとに、キリンから「情熱」「絆」などレヴューのテーマが提示され、
舞台少女の強さはそのテーマに沿った感情の強さ、すなわち「キラめき」に比例する。
また、舞台少女の感情に沿ってステージ・舞台装置は常に物理法則をガン無視しつつその形を変え、各人の心情に合わせた演出を行う。
この性質からか、各ステージの意匠にはレヴュー参加者の心象が反映される


ひかり王立演劇学院で演じていた演劇の舞台。燃える街と空に浮かぶ巨大な手
純那星型のオブジェが多数配されたステージ
純那の象徴であるメガネの意匠があしらわれた中世風の柱が林立する空間
まひるスズダルキャットや飛び出し坊や風の華恋・まひるが走り回る、絵本風のステージ
双葉舞踊の舞台
真矢鳥をモチーフにした舞台演出と長く高い階段
なな第99回聖翔祭仕様の「スタァライト」の舞台?床には第99回聖翔祭のロゴ

勝利後は、ステージ中央にあるセンターバミリ*8通称「ポジションゼロ」に各々の武器を突き立てるのがお約束。
…武器を突き立てられそうにないじゅんじゅんはポジションゼロどうするんだろうか。


キリンからは伏せられているが、1位の舞台少女がトップスタァになる代償に、他の参加者全員からはキラめき、つまり情熱が失われてしまう。
例外的にひかりは華恋との「運命」があったためキラめきをすべて失わずに済んだが、
そのひかりでさえ一時はあれ程打ち込んでいた演劇への情熱を忘れ、華恋との約束も思い出せなくなっていた。
またキラめきを失ったため、前述のように王立演劇学院のレヴューで扱っていた剣が、聖翔音楽学園のレヴューでは短剣に弱体化してしまっている。


関連作品

  • 少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア

99期生の1年生時代を描く、TV版の前日譚となるコミック。全2巻。
漫画は轟斗ソラ、脚本は中村彼方。


18年秋にサービスを開始したスマートフォンゲーム。開発はA-TEAM。通称「スタリラ」
アニメ最終回後、謎の少女「える」が開催した新たなレヴューに参加する舞台少女たちの戦いを描く。
聖翔音楽学園以外にも「凛明館女学校」「フロンティア芸術学校」「シークフェルト音楽学院」の3校に所属する舞台少女が登場し、
メインストーリーと、各校の舞台少女にフォーカスしたストーリーを楽しめる。


  • 少女☆寸劇 オールスタァライト

19年夏から配信されているショートアニメ。スタリラのキャラも登場する。
デフォルメキャラのドタバタを主軸にしたコメディものなのだが、どのキャラも性格が陰湿でギスギスしたものに改変されているため舞台創造科からは酷評されている。


  • 少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド

2020年8月7日公開の映画。TV版を新規カットを加えて再編集した「再生産総集編」。通称『ロロロ』。


2021年6月4日公開の映画。TV版および『ロンド・ロンド・ロンド』の続編となる完全新作映画。
TV版の一年後を舞台に、卒業が近づく9人の舞台少女の新たなレヴューを描く。





「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」



次回


されど追記・修正はつづく



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  • 龍騎っぽいと言われてるから興味ある -- 名無しさん (2018-09-10 06:26:20)
  • ウテナの真似だと広く認識されている -- 名無しさん (2018-09-10 10:38:32)
  • キャラがみんな個性的で可愛いしシナリオも伏線の貼り方とか結構うまくて面白い -- 名無しさん (2018-09-10 21:55:46)
  • ところで武器の名前はどこ出なのかわからないや -- 名無しさん (2018-09-14 23:23:02)
  • 七ヶ月間全裸土下座しているヒロイン -- 名無しさん (2018-09-24 23:31:37)
  • 見てて何となくスタドラ感を感じてたけど、やっぱりそういう意見も有ったのね。 -- 名無しさん (2018-10-05 21:06:43)
  • >必ずしも舞台版を見る必要はない。 -- 名無しさん (2018-10-19 16:20:51)
  • 誤爆。分かってねえなあ。#2を観て初めてアニメの意味が発揮されるのに -- 名無しさん (2018-10-19 16:21:55)
  • ヅカに興味のある人なら楽しく見られるかもしれない。 -- 名無しさん (2018-10-28 21:51:04)
  • 逆にむしろ舞台とかアニメの急なミュージカルパートが苦手な人向きかもしれん。自分がそう。舞台演出にしっかりした意味や必然性があるからすんなり入れる。うまい設定考えたもんだ -- 名無しさん (2019-04-20 19:44:33)
  • 龍騎っぽいっつーかRevolutionがしっくりハマるなあ、これ。 -- 名無しさん (2019-05-12 21:15:53)
  • まぁ、なんだ。キリンはある世界のキュウべぇなわけですな!w -- 名無しさん (2019-08-30 13:43:28)
  • ↑8さすがにずっとあんな感じだったわけではないよ 星形の石積んでは崩されまた積むってのをずっと繰り返してたはず -- 名無しさん (2020-07-14 20:39:57)
  • 演劇版スラムダンクと言えば強ち間違いではない -- 名無しさん (2020-10-12 10:46:51)
  • gyaoの全話一挙配信で見たけど普通に面白かった。露崎まひると大場ななの棒読み(どっちかというとかすれ声の方が表現として正解か)が気になったが他にもかすれ声のキャラがいたのでそういうものだと受け入れて最後まで支障なく見れた。ただ、配信期間が1週間しかなかったので急いで見なければならず、ゆっくり(繰り返し)視聴できなったのがホントに残念。それと最終話のキリンのメタ発言は本放送時はどういう反応だったのかな?ネタ扱いという解釈をした人が多かった? -- 名無しさん (2021-06-24 19:52:34)
  • ↑ネタ扱いってよりキリンは俺たちだったのかー みたいな反応が一番多かったような記憶 そもそもキリン時空間なんか余裕で超越できるしね -- 名無しさん (2021-08-21 21:43:00)
  • オールスタァライトの酷評云々の記述は削っておきたいのですがどうでしょうか?根拠を示さないまま書くにはちょっと偏りすぎている記述かなと思っています -- 名無しさん (2023-02-19 22:51:06)

#comment

*1 先行する舞台版や放送前のティーザーでこれらバトル要素は仄めかされていたものの、いかんせん知名度が低かったため、周知されていたとは言い難い。
*2 ただし、舞台版のキャラクターである走駝先生がキーパーソンとして登場するなど、アニメ版にはない#1から引き継いだ要素もある。
*3 舞台がイギリスだからか、レヴューの舞台装置は東京タワーではなくタワーブリッジになっている。
*4 この時、「キラめきの再生産」を目の当たりにしたキリンがお約束の「わかります」を言っていないことから、「再生産」はキリンさえ知らない現象である可能性がある。
*5 それを示すように、「誇りのレヴュー」中盤以降、スポットライトは全く華恋にあたっておらず、歌唱パートも真矢単独になっている。
*6 翡翠は「忍耐」「調和」「飛躍」を表すと言われている。
*7 当然ながら使えなかった。また子供相手にカードを見せて菓子を買い取ろうとするも、「(そんなカード)いらない」と切り捨てられてしまった。
*8 「バミリ」とは、舞台や映画などで、人や椅子、マイクなどの位置を示す、粘着テープを使った目印のこと。

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