登録日:2018/08/23 Thu 20:32:51
更新日:2024/03/21 Thu 13:39:12NEW!
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麻雀 符 符計算 出すのが面倒臭い 満貫 点数 出すのが面倒臭い←覚えればそうでもない 点数計算
麻雀における符とは和了の「形」、及び「状況」で決まる値で、点数を計算するのに必要になる。
当然大事な要素であるわけだが、その精算は役を見れば分かる翻と違って結構面倒である。
麻雀を覚えたての人の多くはここで引っかかると思われる。
勿論計算アプリを使ったり、知っている人に計算してもらうのも手ではあるが、
この項目ではどうやって点数を計算すればいいのかを簡単に見ていこうと思う
なおここでは一般的に行われている4人麻雀のルールで見ていくものする。
ルールによっては扱いが変わってくることが変わってくるので注意してほしい。
符は点数にどう影響するのか?
一般的な麻雀において、符は翻が4以下の時に考えられ、5以上の場合は符を無視して翻の数のみを考慮して点数を考える。
ではここで出された翻と符でどういった値が出るのか?それは以下の数式で出される「基本点」と呼ばれる点数である。
基本点=(符数)×(2の翻数乗)×4*1
子ならば4倍、親ならば6倍にし、10の位の値が0でなかった場合は切り上げる(以後単純に「切り上げ」と呼ぶ。)ことで出す。
符が絡む場合の麻雀の和了点はこの基本点を元にして考えていく。
ロン、ツモでそれぞれ和了られた人たちはどういった点を支払うのかは簡単にまとめると以下の通り。
- 子のロン和了り…放銃した者は基本点×4をして、10の位の値を切り上げて出した値を支払う。
- 親のロン和了り…放銃した者は基本点×6を切り上げた値支払う。
- 子のツモ和了り…子2人は基本点を切り上げた値を、親は基本点×2を切り上げた値を支払う。
- 親のツモ和了り…子3人が基本点×2を切り上げた値を支払う。
これを見ていて察しのいい人は気付いたかもしれないが、ツモとロンで切り上げのタイミングが異なっている。
ロンは基本点を全て合わせた後に切り上げをしているが、ツモの方は各家で切り上げをした後にそれらを足す。
つまり、貰える点は切り上げが早い分、ツモ和了りの方が多くなることがある。
多くても数百点と言う微々たる差ではあるが、意外と重要である。
もっともこの計算方法で一々基本点と和了りの点数を出していては面倒なので点数は早見表になっている。
検索すればいくらでも出てくるので「どの符でどの点数になるのか」を知りたい人は個人で調べて欲しい。
ちなみに先ほどの切り上げについてだが、「1の位はどうするんだ?」と思う人がいるかもしれないが、後述する理由で通常の麻雀において符の値は基本的に(例外を除いて)10の倍数になるので1の位は自動的に0になる。
満貫について
…と、ここまで述べてきたがこの基本点が2000点前後になると少し話が変わってくる。
麻雀を覚える過程で「5翻で満貫 」と覚える人もいるかもしれない。
しかし麻雀のゲームでは4翻以下でも満貫になったりすることがある。
ではどういう時に満貫になるのか?
満貫は子8000点 / 親12000点なので、先ほどの符で考えると基本点が2000点になると満貫になる。
4翻以下の条件での基本点では点数次第では基本点が2000点を超える場合があるが、こうなった場合は基本点は一律で2000点として扱う。
実際の卓では3翻ならば70符以上、4翻ならば40符以上(2翻以下では基本点は2000点には到達できない。*2)で基本点が2000点を超えるが、これらになった場合は一律で満貫として扱っていく事になる。これが4翻以下でも満貫になる理由である。
ちなみに3翻60符は基本点1920点、ロン和了りは子7700 / 親11600、ツモ和了りは子 7900(2000 - 3900) / 親11700(3900オール)、4翻30符も同様になる。
これは本来満貫になる条件を満たしていないのだが、「ほぼ」満貫の条件に合っているとして満貫にするルールがある。
これは「切り上げ満貫」と呼ばれる。
符の計算方法
ここまでは符が点にどう影響を及ぼすかを簡単にまとめてきたが、肝心の符どうやって出すのかをここからは見る。
まず簡単に言うと符には以下の5種類存在する。
①:副底(基本符)。
②:和了り方で決まる符
③:面子で決まる符。
④:雀頭で決まる符。
⑤:待ちで決まる符。
それぞれを算出し、最終的に以下で出されるのが点数計算で使われる「符」になる。
⑥:①~⑤を合計し、1の位を切り上げた値。(最終的な「符」。)
よってこれら5つが出せれば基本的な値が求められるようになる。
なお一般的な麻雀で考える符は高々110翻までである。*3
ここからはそれぞれの符の分類と簡単な覚え方についてを見ていく。
①: 副底 (基本符)
和了り形に関係なく一律で与えられる符で「20符」。
どんな形でも和了る事さえできれば与えられる基本的な値。つまり、どんな役でも最低でも20符から符計算が始まる。
②:和了り方で決まる符
麻雀の和了り方は「ロン or ツモ」、「門前 or 鳴きあり」で4パターンに類別できる。
このうちどのパターンになるかで符が変わる。貰える符が大きい順に並べていくと…。
- 門前のロン和了り … 10符。
- ツモ和了り … 2符(鳴きの有無によらない。)。
- 鳴きありのロン和了り … 0符。
ちなみにツモでもらえる符は「ツモ符」、門前ロンでもらえる符は「門前加符」という。
一見すると門前の場合、ロンよりツモの方が損をしているように見えるが同じ条件の場合で門前加符が付かない代わりにツモの場合は「門前清自摸和」が役として付く。
③:面子で決まる符
ここの計算は少々厄介である。
麻雀は国士無双と七対子と言った例外を除くと基本的に4面子1雀頭を役のルールに従って形成していくわけだが、その内の面子は更に順子、刻子、槓子の3パターンに分けられる。
この内順子に関しては常に「0符」になる。
残る刻子と槓子だが、こちらは「明刻・暗刻・明槓(大明槓・小明槓)・暗槓」、「中張牌(2~8牌) or 么九牌(19字牌)」と言う条件によって8パターンに分かれていく。
それぞれの場合の符を書くと、
- 中張牌の明刻 … 2符。
- 中張牌の暗刻 or 么九牌の明刻… 4符。
- 中張牌の明槓 or 么九牌の暗刻… 8符。
- 中張牌の暗槓 or 么九牌の明槓… 16符。
- 么九牌の暗槓 … 32符。
一見分かりづらく見えるが、これらは「倍々ゲーム」として考えれば覚えやすい。
大事なのは以下の4点。この4つさえ覚えておけば1つの面子の符は出せる。
- 順子は常に0符。
- 中張牌の明刻は2符。
- 明刻 → 暗刻 → 明槓 → 暗槓の順に貰える符数が2倍になっていく。
- 么九牌の刻子(槓子)は中張牌の同じ刻子(槓子)の2倍の符が貰える。
(赤文字部分は文字通りの「倍々ゲーム」になっている。)
これらの計算をすることで面子1つの符が出せる。
そして和了形に面子は4つなのでそれぞれの符の合計を出すことで最終的に求める符の値になる。
④:雀頭で決まる符
雀頭は大雑把に分けると「数牌」「字牌」に分けられるが、符計算の上ではもう少し細かく分かれ、「数牌」「客風牌」「客風牌でない字牌(自風牌、場風牌、三元牌、連風牌)」に分けられる。
それぞれ
- 数牌… 0符。
- 客風牌 … 0符。
- 自風牌 … 2符。
- 場風牌 … 2符。
- 三元牌 … 2符。
- 連風牌(自風牌、兼場風牌) … 2符 or 4符。
となっている。連風牌の符数についてはルールによって扱いが変わってくるので注意が要る。
基本的には覚え方は以下の通りと思っていい。
- 3枚集めて役が付く牌の雀頭なら2符。(ただし連風牌はルールによって変わる可能性あり。)
- そうでない牌は0符。
⑤:待ちで決まる符
麻雀の待ちは大雑把に分けると「両面(リャンメン)待ち」、「双碰(シャンポン)待ち」、「辺張(ペンチャン)待ち」、「間張(カンチャン)待ち」、「単騎(タンキ)待ち」の5種類に類別できる。
それぞれ以下の様になる。
- 両面待ち … 0符。
- 双碰待ち … 0符。
- 辺張待ち … 2符。
- 間張待ち … 2符。
- 単騎待ち … 2符。
これらについては以下のように覚えると分かりやすい。
- 面子は待ち牌が2種類の待ち(両面待ち、双碰待ち)は0符。
- 待ち牌が1種類の待ち(辺張待ち、間張待ち)は2符。
- 雀頭の待ち(単騎待ち)は2符。
なお、単純な待ちに関してはこれでよいのだが、手牌の待ちは時に多面待ちへと発展する事がある。この場合には和了りの形によって0符になる待ちと2符になる待ちが両立してしまう場合がある。
例えば「亜両面待ち」は待ちの片方が両面待ちと見るか単騎待ちと見るかで符に差が生じる。
その場合は実際に和了った牌が何待ちの牌になっているか、その牌の待ち方が複数解釈できる場合は「高点法」に基づいて点数が高くなる方の待ちで判断し、て和了していく事になるので待ちの形には常に目を光らせておく必要がある。
なお、双碰待ちの場合はロン和了りならばできた刻子は明刻、ツモ和了りならば暗刻になるのでここでも符に違いが生じる。
例外
ここまで述べてきたがこの計算に当てはまらない例外の役もいくつかある。
これらの場合は一律で符数が決まっているので計算はある意味容易になる。
平和(ツモの場合)
平和の場合は形に注目すると、「門前役(2符 or 10符)」「面子は全て順子(0符)」、「雀頭は数牌or客風牌(0符)」、「両面待ち(0符)」となる為、通常通りに計算すると符は自動的に22符 or 30符、どちらも繰り上げで30符になる。
しかしロンの場合は1翻30符となりそれで問題ないのだが、ツモの場合は副底の20符のみとするというルールになっている。つまりこの場合は面前清自摸和と合わせることで「2翻20符」として扱う。
なぜこういった事になっているのかについてはこちらを参照してほしい。
七対子
符の計算は4面子1雀頭を意識して考えてきたが、そもそも4面子1雀頭になっていない七対子の場合はどう考えるのか?
(同じく4面子1雀頭でない国士無双に関しては役満なので何も考える必要はないが。)
これに関しては特例中の特例で符の部分の1の位を0として扱わない、2翻25符として見る。もちろんこれは役の複合によって変わる事はない。
ただこの端数も基本点の計算で2の冪をかける関係から消えてしまうので計算上特に問題はない。
ただ、この符数は歴史によって変化したもので他のパターンには1翻50符や2翻30符として扱うパターンもあった。
なお余談だが、実は和了り形の中で符の数が奇数になる唯一の形である。
鳴き平和
ここまでの内容から理論上の最低の翻・符の組み合わせは1翻20符(子700 / 親1000)になる。
ではこの条件を満たしている和了形はどんな形だろうか?
「副底が20符」「1の位は繰り上げる」と言うルールから、副底以外に符が付かなればいいことになる。この条件を満たすのは以下の形である。
(当然だがドラは含まれていないものとする。)
- 鳴き(チー)ありのロン和了り(0符)。
- 4面子とも順子(0符)。
- 雀頭は数牌 or 客風牌(0符)。
- 両面待ち(0符)。*4
この条件を満たしうる1翻役はタンヤオ(喰いタンありの場合。)や食い下がりした三色同順・チャンタ・一気通貫などが挙げられる。
しかしこの形、よく見ると門前でないこと以外は全て平和の条件である。
平和は門前役なのでこれは平和ではないのだが、便宜的に「鳴き平和」、あるいは「喰い平和」と呼ばれる。
この場合については形としては1翻20符だが「1翻30符として得点を計算する」という例外のルールを適用する。
このルールによって麻雀の最低の翻・符は1翻30符(子1000 / 親1500)という事になる。
(ただ適用しない場合は1翻20符も可能になる。)
余談
- ここまで書いてきた符の計算方法だが、分かりやすく言うと「作りづらい形ほど符が多くつく」と思えばイメージがしやすくなるだろう。
(鳴くよりも門前の方が難しい、順子よりも刻子の方が作りにくい、待ち牌は種類が少ないほど和了りにくいetc.)
- ここで紹介した計算方式の他にも、符によらずに点数を簡易的に算出する簡単計算式、5翻以上も符計算を行う青天井式など、様々な点数計算の方式が存在する。
また他にも3人麻雀も様々な点数方式を採用している。こういった点は事前に確認しておくといい。
- ちなみに点数計算ではあの
カンチョクト菅直人が麻雀の得点を算出する機械で特許を取っていたりする。ただ大きさが大きく、「早見表を見た方が早くね?」と言う理由から残念ながら実用化には至らなかった。
追記・修正は符の計算をこなせるようになり、満貫との境目を見切った人がお願いします。
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*2 計算上は120符で満貫に到達できるのだがどうやっても120符の役の和了り形は最低でも4翻以上の役になってしまう。
*3 もっともそんなに高い値になる事は珍しいので、70符前後で打ちとめにする表も多い。
*4 双碰待ちも0符だが、「順子」と言う条件と両立しない。
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