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『Detective Comics: Fall of the Batmen』は2017年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Detective Comics Vol.1』#969~#974
発売 2017年11月から
脚本 ジェームス・タイニンⅣ
作画 ジョー・ベネット(#969~#970)、ミゲル・ミンドンサ(#971~#972)、ヘスス・メリーノ(#973)、フィリップ・ブリオン(#974)
『Detective Comics Annual Vol.1』#1
発売 2018年1月
脚本 ジェームス・タイニンⅣ
作画 エディ・バロウズ
日本では未邦訳。
ジェームス・タイニンⅣによるバットマン・サーガの第6巻。
バットマンが結成したチーム『Gotham Knights』の崩壊が描かれる。クレイフェイスにスポットを当てながら、
レッドロビンの焦りやスポイラーとバットウーマンのズレによって進むチームの崩壊が描かれていく。
『Annual』ではクレイフェイスのオリジンが描かれ、彼に起きる悲劇を引き立てている。
『Detective Comics Vol.1』#969~#974
『Detective Comics Annual Vol.1』#1
『Detective Comics Vol.1』#969~#974
【物語】
レッドロビンとスポイラーの復帰によって今まで以上の成果を上げるようになった『Gotham Knights』。
しかしその様子を様々な組織にリークされ、新市長からは非難の目を向けられるなど厳しい立場に置かれ始める。
そんな中、治療を行う決意を固めたクレイフェイスは同じ症状に苦しむMudfaceの元を訪れるが、『Victim Syndicate』の罠にはまる。
彼の救出と『アーカム・アサイラム』解放に向かったバットマンは『Victim Syndicate』を倒すも、暴走するクレイフェイスを取り逃してしまう。
そして『ベルフリー』に現れたクレイフェイスをオーファンが説得したかに見えたが、『The Mud Room』の暴走でクレイフェイスは怪獣へと変化する。
『Gotham Knights』はクレイフェイスとゴッサムを救うことが出来るのか。
【登場人物】
≪Gotham Knights≫
レッドロビンとスポイラーが復帰し連携がパワーアップしたが、レッドロビンの焦りから徐々に不和が生じていく。
またその活躍が『Victim Syndicate』にリークされ、市長など公的な立場からは不信感を抱かれテロ組織などにはその技術を利用され始める。
そんな中で起きた『Victim Syndicate』による『アーカム』占拠事件とデモ活動扇動を解決に向かうが、
暴走するクレイフェイスを止めきれず最悪の事態に向かっていく。
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。新市長Akinsと話しをつけに向かったところ、チームの情報がリークされたことを知り何者かの影を感じる。
その後、『Victim Syndicate』による事件が発生し市長の求めに応じて単独で『アーカム』に向かう。
『アーカム』では密かに仕掛けておいたシステム『Z.E.A.』を発動させ『Victim Syndicate』を倒すも、暴走するクレイフェイスを取り逃してしまう。
そして『ベルフリー』での戦いでクレイフェイスが怪物に変化すると陽動を担当し、
治療薬や『Batman: Night of the Monster Men』で使用したビルによる攻撃で抵抗を試みる。
しかし自分が吹き飛ばされた隙に最悪の事態が起きてしまう。
- クレイフェイス(ベイジル・カルロ)
泥のような体をして様々な物に変形できる元役者。変形が脳に悪影響を与え善悪の分別が出来なくなるため、悪影響を抑制する腕輪をつけている。
治療の目処が立つがその結果自分が完全な悪になるのではと不安に思うが、オーファンの後押しもあって決意を固める。
その治療法を同じ症状に苦しむMudfaceに紹介しようと『アーカム』に向かうが、『Victim Syndicate』の罠にはまってしまう。
腕輪を奪われ拷問を受け続けた結果、防衛本能によって感情を悪に飲み込まれ救出に現れたバットマンに襲い掛かる。
バットマンを囮で騙し『ベルフリー』に現れ暴れまわる中、オーファンの説得で正気を取り戻すが
『The Mud Room』から漏れ出した自分の泥に飲み込まれ巨大な怪物に変化してしまう。
正気を失い街の中心部で暴れまわるもチームの妨害で『Monster Town』に導かれていく。
そしてバットマンを吹き飛ばした隙を突かれオーファンの治療薬で人間の姿と正気を取り戻したかに見えたが、再び変化が始まり……。
- バットウーマン(ケイト・ケイン)
バットマンのようなコスチュームを着た女性ヴィジランテ。元軍人でレズビアン。ブルースの従姉妹にあたる。
ある事件で負傷し自分の基地に戻ったところ父ジェイコブと再会する。
彼から何者かがチームの行動をリークしていることとレッドロビンが『コロニー』に協力を呼び掛けていたことを知る。
『ベルフリー』に戻るとそのことでレッドロビンと言い争いになるが、『Victim Syndicate』を優先しデモ活動を監視する。
そこで父の接触を受け暴走するクレイフェイスに対する武器の提供を受け念のためにと受け取ってしまう。
そしてクレイフェイスが巨大な怪物となり暴れ始めるとバットマンの誘導役を担当するが、
一度正気を取り戻したクレイフェイスに変化が見え始めると彼に銃口を向け……。
- オーファン(カサンドラ・ケイン)
凄腕の暗殺者で戦闘の知識のみを与えられ育てられた少女。高い戦闘力を持つが簡単な単語しか喋れない。
治療のことで不安を吐露するクレイフェイスに、暴走した際には自分が止めると語り彼を勇気づける。
そして『Victim Syndicate』の事件を前に不信感から言い争いになるメンバーを制し、事件とクレイフェイスに集中するよう声を上げる。
事件の間はレッドロビンとスポイラーと行動をし、暴走するクレイフェイスが『ベルフリー』に現れると彼を止めてみせたが、彼は怪物に変化してしまう。
倒れたレッドロビンを連れてスポイラーと『Monster Town』に向かうと治療薬を受け取り、
バットマンを吹き飛ばした隙をついて治療薬を使用し正気を取り戻させるが、再び変化を見せ始めそして彼女の目の前で……。
- レッドロビン(ティム・ドレイク)
バットマンの3代目相棒。チームに復帰し他組織を含めた連携強化に努めるが、
未来の自分との出会いで生まれた焦りから時間を惜しまず活動を続け自分を殺しかけた『コロニー』とも接触してしまう。
またヒーロー活動による理想郷の完成を追い求める余りスポイラーと約束していたアイビー大学入学を諦めていた。
そして自分がいない間にスポイラーが行っていた活動を知って彼女と喧嘩になり、
『コロニー』と接触していたことをバットウーマンに知られ彼女とも言い争いになってしまう。
この不信感は『Victim Syndicate』の事件の間も続き彼女たちと何度か諍いになるが、
『ベルフリー』で自分が生み出した『The Mud Room』が原因でクレイフェイスが怪物に変化し
その際に重傷を負いバットウーマンに救われスポイラーに『Monster Town』に運ばれ治療を受ける。
- スポイラー(ステファニー・ブラウン)
B級ヴィランのクルーマスターの娘で紫色のコスチュームに身を包み自警活動を行っている。電子技術の才能が武器。
チームを離れ活動していたがレッドロビンの帰還を知って復帰し、オーファンとの変わらぬ連携を発揮する。
レッドロビンがアイビー大学に行くまでの活動と思っていたが、彼に行く気が無いと知りさらに自分の過去の活動を非難され喧嘩となってしまう。
『Victim Syndicate』の事件が発生すると彼らや彼らに扇動されたデモ活動の参加者の思いを代弁するが、任務には集中して臨む。
怪物となってクレイフェイスによってレッドロビンが倒れると、彼を『Monster Town』で治療を受けさせる。
- バットウィング(ルーク・フォックス)、アズラエル(ジャン・ポール・バレー)
チームの仲良しコンビ。コンビで『アーカム』から姿を消したクレイフェイスを警戒していたが、不意打ちで倒れてしまう。
クレイフェイスが怪物に変化すると何体ものバットウィングのスーツをアズラエルに接続し遠隔操作して戦うが、全機撃墜されてしまう。
≪Victim Syndicate≫
アナーキーを仲間に加えた。スポイラーから入手した写真をリークし『Gotham Knights』の危険性を世に知らしめる。
『アーカム』の警備員を操り『アーカム』を占拠し、面会にやって来たクレイフェイスを拷問によって暴走させる。
それと同時に自分たちの信奉者や同じ思いの人間たちを扇動し街の中心部でデモを起こさせる。
バットマンが『アーカム』に現れると数を武器に倒そうとしてシステム『Z.E.A.』もあって敗北するが、暴走するクレイフェイスを差し向ける。
その間にFirst Victimとアナーキーが脱出し市民が真実に気づいたことを喜ぶが、更なる事態を見るために街の中心部に向かう。
- First Victim
『Victim Syndicate』のリーダー。性別から過去の素性まで全てが不明だがバットマンを憎悪している。
拘束具のような服を着て頭から腕にかけて赤い液体に覆われている。アナーキーを仲間に加え計画を進めていく。
その真の目的は扇動したデモ参加者を怪物となったクレイフェイスに殺させ殉教者にすることにあったのだが、
アナーキーに妨害されバットマンたちに引き渡された。
- アナーキー(ロニー・マチン)
金色の仮面と赤い服を身に着けた無政府主義者。『アーカム』でスポイラーの面会を受けた後、『Syndicate』に加入する。
スポイラーから受け取った写真をリークし『Gotham Knights』を徐々に追い詰め、市民に自分たちの力で前に進むよう仕向けようとする。
『アーカム』の事件を経て目標を達成したと思っていたのだが、First Victimの危険性に気付き戦闘となり勝利する。
そしてFirst VictimとFirst Victimに関する情報を『Monster Town』にいるスポイラーに引き渡す。
- Mudface(Glory Griffin)
クレイフェイスことベイジル・カルロの大ファンだった映画スタッフ。クレイフェイスとなった彼の正気を取り戻させようとして、
彼の攻撃に巻き込まれ体質が変化し常に顔が泥のように溶け醜くなってしまった。
そのことでクレイフェイスを憎んでおり、自分に治療の機会を与えた彼を罠にはめ暴走するまで拷問を行った。
- Madame Crow(Abigail O'Shay)、Mister Noxious(Guy Mandrake)、Mute(Virgil Myers)
『Victim Syndicate』のメンバー。『アーカム』を占拠し警備員たちと共にバットマンに挑むも敗北した。
≪ヴィラン≫
- キラーモス(ドルリー・ウォーカー)
蛾を模したコスチュームを着た小悪党。『Gotham Knights』に対抗するためB級ヴィランやギャングとチームを組もうとするが、
『Gotham Knights』に先読みされ壊滅した。
≪その他≫
- マイケル・エイキンス
セバスチャン・ハディの後を引き継いだ新市長。ゴッサム市警本部長として活動したこともある。
そのためバットマンの活動にある程度理解を示しているが、軍隊の様に活躍しクレイフェイスが仲間にいる『Gotham Knights』には不快感を示す。
『Victim Syndicate』に『アーカム』を占拠されると『Gotham Knights』の活動が今回の事件を起こしたとして
バットマンに単独で『アーカム』に向かい警察と協力して対処するよう命令する。
- Victoria October
政府機関『ARGUS』で特殊な生物について研究する科学者。クレイフェイスの治療薬完成に目処がついたことを彼に報告する。
クレイフェイスが暴走するとレッドロビンたちに彼が防衛本能から暴走していることと、治療薬がまだ完ぺきではないことを報告する。
そしてクレイフェイスが巨大な怪物に変化するとオーファンに未完成の治療薬を託す。
- ジェイコブ・ケイン
ケイトの父親でアメリカ特殊作戦軍の大佐。バットマンの技術と軍隊の理論を組み込んだ特殊部隊『コロニー』の指揮官。
バットウーマンの基地に現れ彼女を治療しながら、『Gotham Knights』の情報がリークされていることとレッドロビンが接触してきたことを教える。
その後、クレイフェイスが暴走するとバットウーマンに対クレイフェイス用の武器を託す。
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長でバットマンの良き理解者。『Victim Syndicate』に占拠された『アーカム』でバットマンの到着を待っていた。
単独で『アーカム』に乗り込むバットマンを送り出し、事態が収まったのを見ると突入するが暴走するクレイフェイスの攻撃を受ける。
『Detective Comics Annual Vol.1』#1
【物語】
今から10年ほど前、新進気鋭の俳優ベイジル・カルロは自分にとって運命的な作品『Second Skin』の主演の座を狙っていた。
念願叶って役を手に入れたカルロだったが、交通事故を起こし顔に重傷を負ってしまう。
このままでは役を演じられないと思った彼は特殊な薬品を使って顔を変えるも、薬を狙い盗みを働きバットマンに倒されてしまう。
全てを無くし失意に暮れるカルロにバットマンはある選択肢を与える。
【登場人物】
- ベイジル・カルロ
人気が出始めたばかりの二枚目俳優。無声映画の怪物役がリメイク作の役者を殺していく『Second Skin』という作品に
時代の流れで仕事を失った造形師の父との思い出を重ね、そして演技を通じて真の自分を表現するために主役を狙っている。
主役の座を射止めるが運転中に父の死を知ったショックで事故を起こし、顔が醜く変化してしまう。
エージェントに役を外されると言われた彼は父が造形に使っていた特殊な薬品『RENU』によって顔を元通りに戻すことに成功する。
しかし顔を保つためには手元の薬品では足りなかったため、盗みを働きバットマンに捕まってしまう。
そして病院でバットマンから『RENU』が精神にも影響を与えることとハービー・デントのオフィスに押収された『RENU』があることを教えられ、
このまま姿を消すか『RENU』の製造者を訴えるための証言を行うかの選択肢を与えられる。
デントのオフィスに向かった彼は欲望に負け押収品の『RENU』を狙うも、警備員の撃った銃が『RENU』に当たり……。
- Vincent Karlo
映画の怪物のマスクを作る造形師でベイジルの父。マスクは見た者の心を映し出すという考えを持つ。
『RENU』を使ってリアルなマスクを作り続けていたが、時代の変化など様々な要因で仕事を奪われてしまう。
その時の経験から少年時代のベイジルにいい顔だけを見せるよう言い聞かせていた。
- Cal
カルロのエージェント。人気が出始めたカルロに悪人の役は良くないと思い『Second Skin』に出るのを止めていた。
カルロが事故にあうと彼を主演から外そうとしたが、逆にエージェントを首になってしまう。
- Glory Griffin
ベイジル・カルロの大ファンの映画スタッフ。個人的親交を持ち彼を応援していた。
カルロが事故にあうとショックを受け顔が治った彼を見て驚くが、そのことを口外しないよう言われ追い払われてしまう。
- Veronica St. Clair
『Second Skin』の監督。厳しい性格でこだわりを持つことで知られる。
カルロが事故にあっても主演で使うつもりだったが、彼が顔を変えて犯罪に手を染めたのを知って失望し主演から外した。
- バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムを守る闇の騎士。『RENU』を狙った連続窃盗犯をゴードンから聞かされ、倉庫で待ち伏せしカルロを捕まえた。
そして病院でカルロに『RENU』や製造会社の危険性を教え、デントのオフィスで証言者になるチャンスを与える。
- ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長。『RENU』を狙った連続窃盗犯をバットマンに報告する。バットマンが現れたことで奇怪な事件が多発することを愚痴る。
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