登録日:2017/12/12 (火曜日) 20:00:01
更新日:2024/02/16 Fri 13:06:37NEW!
所要時間:約 7 分で読めます
▽タグ一覧
小倉百人一首 百人一首 藤原定家 12年夏アニメ 漫画 アニメ メディアファクトリー テレビ東京 オムニバス 和歌 恋歌 超訳百人一首うた恋い。 杉田圭
ねぇ、きれいなあの月を一瞬で消せるなら
キスくらいはしてあげる
◇概要
描き下ろしの単行本としてメディアファクトリーから刊行されている漫画。既刊4巻。
2012年にテレビ東京でアニメ版(全13話)が放送された。
作者は杉田圭。
東京大学大学院人文社会系研究科 渡部泰明教授が監修を行っている。
小倉百人一首、その中でも特に恋の和歌を題材としたオムニバス形式の作品で、平安時代の和歌の世界が現代訳で描かれている。
清少納言が赤髪だったり紫式部が金髪だったりするがツッコんだら負け。
現代人には想像しにくい平安の身分差やしきたりを分かりやすく盛り込みながら、男女間の心模様を上手く伝えていると評判を呼んだ結果、初版8千部が、発売からおよそ4カ月で7刷10万部に到達。
特定の連載媒体を持たない漫画作品としては異例のヒットとなりシリーズ化が決定した。
◇内容
一話ごとに一つの和歌(稀に二つの場合もあり)と、その詠み人を中心とした漫画の「和歌物語」、 おまけ要素として四コマ漫画「ショートショート」、本作の主人公で百人一首の撰者である藤原定家による解説「ていかメモ」で構成されている。
超訳百人一首うた恋い。
『新勅撰和歌集』の不本意さと評判に腐る出家後の藤原定家に、同じく出家した宇都宮頼綱が個人的な百首選集を依頼する所から物語は始まる。
古今の優れた歌人100人から一首ずつ、計100首を好き勝手に選んだため定家の趣味もろ出しで、恋の和歌はなんと43首もある。
1巻では恋の和歌の中でも比較的知名度の高いものがチョイスされている。
()内は歌番号と作者
プロローグ
登場人物:藤原定家、宇都宮頼綱
和歌物語 一
ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
からくれなゐに 水くくるとは
(17番 在原業平朝臣)
登場人物:在原業平、藤原高子
和歌物語 二
筑波嶺の みねより落つる みなの川
恋ぞつもりて ふちとなりぬる
(13番 陽成院)
登場人物:陽成院/貞明、綏子内親王
和歌物語 三
君がため をしからざりし 命さへ
ながくもがなと 思ひけるかな
(50番 藤原義孝)
登場人物:藤原義孝、源保光の娘、藤原道隆
和歌物語 四
めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな
(57番 紫式部)
登場人物:紫式部/香子、藤子
和歌物語 五
今はただ 思ひたえなむ とばかりを
人づてならで いふよしもがな
(63番 左京大夫道雅)
登場人物:藤原道雅、当子内親王、中将内侍
和歌物語 六
玉のをよ たえなばたえね ながらへば
忍ることの よわりもぞする
(89番 式子内親王)
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くやもしほの 身もこがれつつ
(97番 藤原定家)
登場人物:式子内親王、藤原定家、藤原俊成
超訳百人一首 うた恋い。2
『古今和歌集』の序文で紀貫之は代表的な歌人として小野小町、在原業平、文屋康秀、僧正遍昭、喜撰法師、大友黒主の6人の名を挙げており、その総称を「六歌仙」という。ただし大先輩の名前を出している割には上げて落とすような評価ばかりで黒主に至っては褒めてない。
なお貫之自身は「六歌仙」と呼んだことが無く、後世につけられた名称である。
そんな六歌仙の時代を取り上げている。
大友黒主は百人一首に歌が選ばれてないので「ショートショート」にのみ登場。
()内は歌番号と作者
プロローグ
登場人物:紀貫之、喜撰法師
和歌物語 一
ふくからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を あらしといふらむ
(22番 文屋康秀)
登場人物:文屋康秀、在原業平
和歌物語 二
あまつ風 雲のかよひ路 ふきとぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ
(12番 僧正遍昭)
登場人物:良岑宗貞/僧正遍昭、吉子/小野小町
和歌物語 三
立ち別れ いなばの山の みねにおふる
まつとし聞かば 今帰り来む
(16番 中納言行平)
登場人物:藤原行平、弘子
和歌物語 四
花の色は 移りにけるな いたずらに
わが身世にふる ながめせし間に
(9番 小野小町)
登場人物:小野小町、在原業平、文屋康秀
和歌物語 五
わがいほは 都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり
(8番 喜撰法師)
登場人物:喜撰法師、紀貫之
超訳百人一首うた恋い。 3
平安京では藤原氏が栄華を極め、摂関政治の場において女房にも学才が求められるようになり、女流文学が花開く。
聡明で機知に富んだ女房として中宮定子のサロンを盛り上げた清少納言と、縁ある歌人達の過去や交流、想いを描いている。
()内は歌番号と作者
プロローグ
登場人物:藤原行成、藤原斉信、清少納言
和歌物語 一
ちぎりきな かたみをそでに しぼりつつ
末の松山 波こさじとは
(42番 清原元輔)
登場人物:清原元輔、清原諾子/清少納言、清原致信、末の松山
和歌物語 二
忘れじの 行く末までは かたければ
けふを限りの 命ともがな
(54番 儀同三司母)
登場人物:儀同三司母/高階貴子、藤原道隆、藤原義孝
和歌物語 三
かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしもしらじな 燃ゆる思ひを
(51番 藤原実方朝臣)
登場人物:藤原実方、清少納言/諾子
和歌物語 四
夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ
(62番 清少納言)
登場人物:清少納言、藤原行成、藤原斉信、定子
和歌物語 五
滝の音は たえて久しく なりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ
(55番 大納言公任)
登場人物:藤原公任、藤原行成
超訳百人一首うた恋い。4
百人一首の歌人を氏で分けると約三分の一が藤原氏である。
理由は単純で、平安時代に最も栄えたのが藤原氏だから。
「藤かかりぬる木はかれぬるものなり。いまぞ紀氏はうせなんず。」
(藤のとりついた木(紀)は枯れてしまうものだ。今に紀氏は滅んでしまうだろう。)
藤原鎌足が藤原姓を賜った時、紀氏の人間が言ったとされる言葉が気づけば現実となっていた。
藤原氏全盛期の陰に消えていった氏族がテーマの巻。
在原業平もゲスト出演している。
()内は歌番号と作者
プロローグ
登場人物:阿古久曾/紀貫之、椿
和歌物語 一
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に いでし月かも
(7番 安倍仲麿)
登場人物:阿倍仲麻呂/安倍仲麿、藤原清河
和歌物語 二
わたの原 八十島かけて こぎいでぬと
人には告げよ あまのつりぶね
(11番 参議篁)
登場人物:小野篁、小野比右子
和歌物語 三
ありあけの つれなく見えし 別れより
あかつきばかり うきものはなし
(30番 壬生忠岑)
登場人物:壬生忠岑、藤原満子
和歌物語 四
人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香ににほひける
(35番 紀貫之)
登場人物:紀貫之、椿
和歌物語 五
このたびは ぬさもとりあへず 手向山
もみぢのにしき 神のまにまに
(24番 菅家)
登場人物:菅原道真、紀貫之
この他に『超訳百人一首うた恋い。【異聞】うた変。』という作者本人によるスピンオフが2巻刊行されている。
本編の前日談、後日談、幕間の紹介が主。
ギャグ要素が強く、パロディや下ネタ、現代パラレルなどなんでもありな世界観となっている。
しかし、悲恋で終わることが多い本編の救済とも言えるエピソードも収録されており、色々な意味でハンカチ必須。
◇アニメ版
主なキャスト
藤原定家 - 梶裕貴
宇都宮頼綱 - 下野紘
在原業平 - 諏訪部順一(幼少期 - 高森奈津美)
藤原高子 - 早見沙織
陽成院 - 森久保祥太郎(幼少期 - 金田アキ)
綏子内親王 - 宝木久美
文屋康秀 - 千葉進歩
小野小町 - 遠藤綾
清少納言 - 茅原実里
藤原行成 - 寺島拓篤
藤原公任 - 岸尾だいすけ
紫式部 - 小林ゆう
式子内親王 - 大原さやか
紀貫之 - 代永翼
喜撰法師 - 佐藤祐四
良岑宗貞 - 内田夕夜(幼少期 - 阿川りょう)
藤原実方 - 子安武人
在原行平 - 遠藤大智(幼少期 - 潘めぐみ)
大友黒主 - 下崎紘史
藤原斉信 - 曽世海司
中宮貞子 - 佐倉綾音
中宮定子 - 折笠富美子
藤原基経 - 栗原功平
弘子 - 小林沙苗
籐子 - 喜多村英梨
赤染衛門 - 平野文
藤原道雅 - 木内秀信
当子内親王 - 花澤香菜
藤原俊成 - 小川真司
西行 - 郷田ほづみ
清原元輔 - 中博史
清原致信 - 豊永利行
末の松山 - 南里侑香
藤原義孝 - 石田彰
藤原道隆 - 楠大典
高内侍 - 平田絵里子
中将内侍 - 滝沢ロコ
藤原兼家 - 伊藤栄次
藤原道長 - 檜山修之
三条院 - 屋良有作
アニメ版では3巻までの内容を扱っている。
原作ではバラバラだった時系列が整理され、古典文学初心者にとってよりわかりやすくなっている。
第1話〜第5話は平安初期、第7話〜第12話は平安中期、第13話は平安後期の設定。
ん?第6話はどうしたって?
雅な世界なんてクソ喰らえと言わんばかりのカオス極まりない展開で視聴者を笑いと混乱の渦に巻き込んだオリジナル回。
テレビアニメにありがちな総集編回のはずがどうしてこうなった…ドウシテコウナッタ…
ちなみに百人一首を選んだ頃の定家は既に70歳過ぎであったにも拘らず、うた恋い。の定家はショタジジイ非常に若々しい上に金髪碧眼の見た目をしており、アニメ放送時に物議を醸したとかしてないとか…
追記・編集は和歌を百首選んでからお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,1)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- 貞明様が好きだったな。まさにツンギレにしてツンデレでwww -- 名無しさん (2017-12-12 22:40:50)
- まあジジイが主人公よりイケメンが主人公の方が売れるからね!仕方ないね! -- 名無しさん (2017-12-12 22:55:12)
- これのアニメ版見てちょっと清少納言が好きになった記憶がある -- 名無しさん (2017-12-13 11:23:51)
- 5巻はいつでるのやら…2年以上楽しみにしてるんだが -- 名無しさん (2017-12-13 12:57:21)
- ま、まあ漫画作品は多少なりとも映像化が意識されるだろうしそうなったらジジイ役の声優は軒並みギャラ高いししょうがないよね??? -- 名無しさん (2017-12-13 14:04:29)
#comment
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧